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セクション一覧

3 【対処すべき課題】

当社グループは、「03中計」の成長戦略をさらに発展・強化した経営計画である「2006年中期経営計画」(対象期間平成19年度〜平成21年度)(以下、「06中計」という。)を着実に推進していくことにより、企業価値のより一層の向上に努めてまいります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

 

(1)基本方針

  事業運営の基本方針として、「03中計」策定時に定めました以下の経営理念、経営ビジョンを今後も堅持してまいります。

「経営理念」
1.住友の事業精神に基づき、健全な企業活動を行うことを通じて、社会への貢献とステークホルダーへの責任を果たし、より信頼される企業をめざす
2. 人間尊重を基本とし、その尊厳と価値を認め、明るく活力ある企業をめざす
「経営ビジョン」
コンプライアンス、環境保全および安全確保を基本に、グローバルなネットワークにより、非鉄金属、電子材料などの高品質な材料を提供することによって、企業価値の最大化をめざす

 

(2)事業戦略

  「06中計」では、「03中計」の基本戦略を踏襲し、コアビジネスである資源・金属事業と電子・機能性材料事業の一層の拡大強化による成長戦略を展開してまいります。

①資源・金属

「非鉄メジャークラス入り」をめざして、買鉱製錬型から「資源+製錬」型への事業モデル転換を引き続き推進します。

銅事業においては、コスト競争力強化のために東予工場(愛媛県)の電気銅年産能力を45万トン体制とする計画が順調に進み、平成19年度下半期に目標レベルの操業度に達する予定です。

あわせて、東予工場45万トン体制時の銅資源確保強化策についても、ペルーのセロ・ベルデ銅鉱山の硫化鉱床新規開発プロジェクトへの参入等、海外鉱山の権益を積極的に獲得したことにより所期の目標の達成に目処が立ちました。

なお、資源獲得競争が激しさを増している中、当社は、安定的な原料ソースの保有状況を正しく示す指標となるよう自山鉱比率の定義を「06中計」の策定に合わせて見直しました。権益を持つ鉱山であっても権益相当以上の買取量は自山鉱の対象外とし、権益相当分とセロ・ベルデ銅鉱山からの当社買取権分(当初10年間は銅精鉱生産量の50%)のみを自山鉱として取り扱うこととします。この基準による自山鉱比率は、昨年11月に稼働を開始したセロ・ベルデ銅鉱山の硫化鉱プロジェクトがフル生産になったときに約4割となりますが、将来は3分の2をめざします。

ニッケル事業では、高圧硫酸浸出(HPAL)技術を用いて低品位酸化ニッケル鉱石を処理するフィリピンのコーラルベイニッケルプロジェクトを平成17年度にほぼ計画どおり立ち上げ、以降順調な操業実績を積み上げることで、当社のHPAL技術が世界トップクラスにあることを実証しました。同プロジェクトは規模を2倍に拡大することとし、平成21年の運転開始に向けて増強工事を進めています。                 

「06中計」においてはニッケル事業のさらなる拡大強化に重点的に取組み、平成25年には年産ニッケル10万トン体制を構築することをめざします。その一環として、フィリピンのタガニートマイニング社と共同で、同国ミンダナオ島でHPAL技術を用いた当社第2のプロジェクト(第2HPAL)の企業化調査を行うことを決定しました。調査結果が良好な場合、平成20年を目途として同社と共同で合弁会社を設立し、HPALプラントの建設に取り掛かる予定です。また、現在ソロモン諸島で推進中のニッケル探鉱プロジェクトにつきましては、平成21年の企業化調査実施をめざしています。

平成17年に資本参加したニューカレドニアのゴロ・ニッケルプロジェクト(CVRDインコ社(カナダ)等のプロジェクト)は、世界最大級のニッケル資源量を有するプロジェクトです。現在、建設工事は進行中ですが、プロジェクト費用及びスケジュールについての見直しが必要な状況にありますので、CVRDインコ社と協同して早期のプロジェクト完成をめざします。

ポゴ金鉱山開発プロジェクト(米国アラスカ州)は、平成18年2月に生産を開始しました。同年10月に鉱山施設の工事中に送電線を切断する事故が発生したためフル生産となる時期が遅れていますが、復旧後は順調に操業度を上げており、本年4月にはフル操業時の80%以上の月間平均操業度を達成しました。

 

②電子・機能性材料

「商品ごとに世界トップクラスのシェアをめざす」という目標の達成に向けた諸施策を引き続き推進し、より存在感ある事業となるべく戦略を展開してまいります。

 

(a)電子材料事業

拡大する中国市場に対応すべく、同国内にペースト、パッケージ材料(リードフレーム)、ボンディングワイヤーなどの生産拠点を展開し、シェアアップを図っています。テープ材料では、中国・台湾市場でのトップシェア獲得をめざして、台湾でのCOF基板生産ラインの増強投資を実施し、生産を開始しました。

また、需要が急拡大している高輝度白色LED用のサファイア基板の事業化に取り組みます。

 

(b)機能性材料事業

2層めっき基板は、大型液晶画面のドライバーIC用のCOF(Chip On Film)基板向けの需要急増に対応し、「03中計」期間中に、年産能力を120万㎡体制(平成15年度末)から650万㎡体制(平成18年度末)まで、当初計画を大きく上回る増強を行いました。今後も、必要な増産を行いながら生産性と品質を一層向上させ、高いマーケットシェアとデファクトスタンダードの地位を堅持していきます。

電池材料では、HEV(Hybrid Electric Vehicles =ハイブリッド型電気自動車)用や民生用の二次電池に使われる正極材料など、成長が期待される市場への拡販によって確固たる地位を築き、収益の柱へ成長させます。

 

③新商品開発

「分離精製・結晶化技術」、「微粉末技術」、「表面処理技術」、「有機樹脂技術」、「評価解析技術」の5つの重点コア技術分野のなかから、製品の高度化を含む新技術・新商品の開発テーマとして新製錬技術、電池材料、結晶材料、薄膜材料、薄型実装材料の開発に取り組みます。
 

(3)買収防衛策について

① 基本方針の内容

当社は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ安定的に確保、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。
 当社は、当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合、その判断は最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。したがって、当社株式について大量買付がなされた場合、これが当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上に資するものであれば、これを否定するものではありません。しかしながら、株式の大量買付のなかには、その目的、態様等から見て企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。
 当社の企業価値は、(a)高度かつ独創的な製錬技術力とノウハウ、(b)グローバルな鉱山開発力と資源権益、(c)非鉄金属分野の「資源」を自ら保有しつつ「製錬」事業までをも一貫して行うビジネスモデル、(d)資源・製錬事業における技術力を活かして、その下流に位置する電子・機能性材料の事業をも営む事業モデル、(e)住友の源流企業としての誇りと住友の事業精神に根ざした経営と、株主の皆様をはじめ、従業員、取引先、地域社会等のステークホルダーとの間の信頼関係などをその源泉としております。これらが当社株式の大量買付を行う者により中長期的に確保、向上させられるのでなければ、当社の企業価値・株主共同の利益は毀損されることになります。当社は、このような濫用的な大量買付に対しては必要かつ相当な対抗措置を講じることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保する必要があると考えております。
 

②基本方針実現のための取組みの具体的な内容
(a)基本方針の実現に資する特別な取組み

当社は、平成16年1月、「03中計」を公表し、連結経常利益350億円、連結株主資本比率40%以上、連結有利子負債比率30%以下という財務目標を掲げましたが、当期はこれをすべて達成いたしました。

また、当社は、平成19年2月19日に「06中計」を公表し、さらなる企業価値・株主共同の利益の向上を実現するために邁進しております。  

具体的には、「成長戦略の推進による企業価値のさらなる向上」を基本戦略として掲げ、特に非鉄金属の資源・製錬事業においては「非鉄メジャークラス入り」をめざすこと、電子・機能性材料事業においては「世界トップクラスのシェア」をめざすことを柱とし、具体的な展開を図っております。

また、当社は、コーポレート・ガバナンス強化のため、平成13年から執行役員制度を導入するとともに、取締役と執行役員について、業績連動報酬制度を導入しております。これに加え、平成19年6月28日開催の第82期定時株主総会においては、取締役任期の2年から1年への短縮、社外取締役の1名選任を決議しました。

(b)基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

当社は、平成19年2月19日開催の取締役会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」という。)の導入を決議し、第82期定時株主総会において当社株主の皆様のご承認をいただいております。
 本プランは、当社が発行者である株券等に対する買付もしくはこれに類似する行為またはその提案(当社取締役会が友好と認めるものを除き、以下「買付等」と総称する。)が行われる場合に、買付等を行う者(以下「買付者等」という。)に対し、事前に当該買付等に関する情報の提供を求め、当該買付等についての情報収集・検討等を行う時間を確保したうえで、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案等を提示したり、買付者等との交渉を行うことなどを可能とし、また、上記方針に反し当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付等を阻止することにより当社の企業価値・株主共同の利益を確保、向上させることを目的としております。
 本プランは、買付等のうち、(イ)当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付等、または(ロ)当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けを対象とします。
 当社は、当社の株券等について買付等が行われる場合、当該買付等に係る買付者等には、買付内容等の検討に必要な情報および本プランに規定する手続を遵守する旨の誓約文言等を記載した書面の提出を求めます。その後、買付者等から提出された情報や当社取締役会からの意見や根拠資料、代替案(もしあれば)等が、独立社外者から構成される独立委員会に提供され、その判断を経るものとします。独立委員会は、外部専門家等の助言を独自に得たうえ、買付内容の検討、当社取締役会の提示した代替案の検討、買付者等との協議・交渉、株主の皆様に対する情報開示等を行います。

独立委員会は、買付者等が本プランに規定する手続を遵守しなかった場合、その他買付者等の買付等の内容の検討の結果、当該買付等が当社の企業価値・株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのある買付等である場合など、本プランに定める要件に該当し、新株予約権の無償割当てを実施することが相当であると判断した場合には、独立委員会規則に従い、当社取締役会に対して、新株予約権の無償割当てを実施することを勧告します。この新株予約権には、買付者等による権利行使が認められないという行使条件、および当社が買付者等以外の者から当社株式等と引換えに新株予約権を取得することができる旨の取得条項が付されており、当該買付者等以外の株主の皆様は、原則として、新株予約権1個あたり1円を下限として当社株式の1株の時価の2分の1の金額を上限とする金額の範囲内で当社取締役会が別途定める価額を払い込むことにより、新株予約権1個につき0.5から1株の範囲内で当社取締役会が新株予約権無償割当て決議において別途定める数の当社普通株式を取得することができます。 

当社取締役会は、独立委員会の上記勧告を最大限尊重して新株予約権無償割当ての実施または不実施等の決議を行うものとします。当社取締役会は、上記決議を行った場合、速やかに、当該決議の概要その他当社取締役会が適切と判断する事項について、情報開示を行います。
 本プランの有効期間は、第85期定時株主総会終結の時までです。
 ただし、有効期間の満了前であっても、当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになります。

本プラン導入後であっても、新株予約権無償割当てが実施されていない場合、株主の皆様に直接具体的な影響が生じることはありません。他方、本プランが発動され、新株予約権無償割当てが実施された場合、株主の皆様が権利行使期間内に、金銭の払込その他新株予約権行使の手続を行わないと、他の株主の皆様による新株予約権の行使により、その保有する株式が希釈化される場合があります(ただし、当社が当社株式を対価として新株予約権の取得を行った場合、保有する当社株式1株当たりの価値の希釈化は生じますが、原則として保有する当社株式全体の価値の経済的な希釈化は生じません。)。 

なお、本プランの詳細は、インターネット上の当社ウェブサイト(アドレス http://www.smm.co.
jp/release/20070219-2.html)に掲載する平成19年2月19日付プレスリリースにおいて開示されております。
 

③具体的取組みに対する当社取締役会の判断およびその理由

当社の「03中計」および「06中計」ならびにコーポレート・ガバナンス強化のための執行役員制度および業績連動報酬制度の導入、取締役の任期短縮、社外取締役の選任等の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ安定的に向上させるための具体的方策として策定されたものであり、まさに当社の基本方針に沿うものであるとともに、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

また、本プランは、企業価値・株主共同の利益を確保、向上させる目的をもって導入されたものであり、当社の基本方針に沿うものです。特に、本プランは、第82期定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただいていること、その内容として合理的な客観的要件が設定されていること、独立社外者によって構成される独立委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、独立委員会は当社の費用で第三者専門家を利用することができるとされていること、当社取締役会によりいつでも廃止できるとされていることなどにより、その公正性・客観性が担保されており、企業価値・株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。





出典: 住友金属鉱山株式会社、2007-03-31 期 有価証券報告書