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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度の世界経済は、欧州では金融不安は軽減されたものの依然として低迷を続けており、新興国においても景気減速はありましたが、米国では消費が堅調に推移して、総じて緩やかな回復基調となりました。国内経済につきましては、エコカー補助金や東日本大震災の復興需要など内需の下支えがある一方、長引く円高と世界経済の減速懸念により輸出産業の落ち込みが目立つ局面もありました。しかしながら、平成24年末の政権交代を契機として、それまでの歴史的な円高の是正が進み、急速に景気回復への期待が高まりました。
 非鉄金属業界におきましては、非鉄金属価格は第2四半期連結会計期間には下げ止まったものの、実需の低迷により総じて軟調に推移しました。

 エレクトロニクス関連業界におきましては、好調であった高機能携帯電話向けの電子部品などが夏場以降は在庫調整局面に入るなど、需要は伸び悩みました。  

 

 当社グループ(当社及び連結子会社)は、このような状況のなか、平成22年度から平成24年度までの3年間を対象とする「2009年中期経営計画」(以下「09中計」という。)に基づき、事業構造の転換による長期ビジョンを見据えた新成長戦略の推進を基本戦略とし、資源・製錬・材料のコア事業の競争力強化と成長事業への経営資源の集中を推し進めてまいりました。

 

 以上より、当連結会計年度の売上高につきましては、主にニッケル価格の下落などによる製錬セグメントの減収や、ボンディングワイヤー事業撤退による材料セグメントの減収により、前連結会計年度に比べ393億57百万円減の8,085億40百万円となりました。 

 営業利益は、期末に向けての急速な円安の進行や、電気銅の増販などにより前連結会計年度に比べ72億8百万円増の957億85百万円となりました。また、経常利益は営業利益の好転により、前連結会計年度に比べ62億5百万円増の1,150億34百万円となりました。当期純利益は、持分変動利益の計上や減損損失及び投資有価証券評価損が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ213億54百万円増の866億40百万円となりました。 

 

 

 セグメントの業績は、次のとおりであります。

なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。 

① 資源セグメント

 菱刈鉱山の操業は順調に推移しました。海外鉱山については、自ら操業を行うポゴ金鉱山(米国)では、金鉱石の品位が前連結会計年度と比べ低下したことにより、金の生産量が減少しました。当社が経営に参画しているモレンシー銅鉱山(米国)の銅鉱石及び電気銅の生産は順調に推移しましたが、カンデラリア銅鉱山(チリ)及びセロ・ベルデ銅鉱山(ペルー)の銅鉱石及び電気銅の生産は減少しました。

 売上高は、前連結会計年度に比べ8億70百万円減少し、1,048億73百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ153億85百万円減少し、652億34百万円となりました。

 なお、当社における金銀鉱(菱刈鉱)の産出量は、前連結会計年度に比べ16千t増加し148千t(含有金量7,478kg)となりました。

  

② 製錬セグメント

 ニッケルは、前連結会計年度並みの販売量となりましたが、ニッケル価格の下落などにより売上高が減少しました。

 高圧硫酸浸出(HPAL:High Pressure Acid Leach)技術を用いて低品位酸化ニッケル鉱石の処理を行っているコーラルベイニッケル社(フィリピン)は、操業が順調であったことから、前連結会計年度に比べて増産となりました。ミンダナオ島(フィリピン)におけるタガニートプロジェクトにおいては、平成25年の商業生産開始をめざしております。

 銅は、東予工場で全面炉修を終えて順調に操業したことから、前連結会計年度を上回る生産量となりました。  

 売上高は、前連結会計年度に比べ507億77百万円減少し、6,378億3百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ82億84百万円増加し、339億28百万円となりました。

 なお、当社における銅の生産量は、前連結会計年度に比べ102千t増加し、436千tとなりました。金の生産量は、前連結会計年度に比べ6,726kg減少し、25,263kgとなりました。また、ニッケル(フェロニッケルを含む)の生産量は、前連結会計年度に比べ2千t増加し、63千tとなりました。 

   

③ 材料セグメント

 ボンディングワイヤー事業からの撤退により、売上高は大幅に減少しました。ハイブリッドカーの増販に支えられ、電池材料は前連結会計年度を上回る業績となりました。リードフレームは底堅い受注状況が続きました。 

 売上高は、前連結会計年度に比べ440億78百万円減少し、1,566億13百万円となり、セグメント利益は、前連結会計年度に比べ23億43百万円増加し、37億76百万円となりました。

   

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度におきましては、税金等調整前当期純利益が1,224億55百万円と前連結会計年度に比べ増加したことなどから、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末から539億83百万円増加し、2,396億91百万円となりました。

 タガニートプロジェクトによる有形固定資産の取得やシエラゴルダ鉱山社への開発資金貸付に関わる資金については、長期借入により資金調達を実施しました。

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益が増加したものの、仕入債務の減少や利息及び配当金の受取額減少に伴い、前連結会計年度に比べ収入が303億34百万円減少し、1,146億65百万円の収入となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度にシエラゴルダ鉱山社等の海外資源開発事業へ出資を行いましたが、当連結会計年度では同様の出資実績がなかったことから支出が減少し、前連結会計年度に比べ支出が471億87百万円減少し、887億45百万円の支出となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金による収入の増加がありましたが、前連結会計年度に実施した社債の発行実績がなかったことによる収入の減少や、自己株式取得による支出の増加などにより、287億65百万円の収入の減少となり、215億49百万円の収入となりました。

 

 (注)1.「事業の状況」に記載している金額は、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」を除き、消費税等を除いた金額であります。

   2. 当連結会計年度に会計方針の変更を行っており、遡及処理後の数値で前年同期の比較を行っております。

    

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績及び受注状況

 当社グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、また連結会社間の取引が複雑で、報告セグメントごとの生産実績及び受注状況を正確に把握することは困難なため、当社の主要な品目等についてのみ「1.業績等の概要」において、各報告セグメントの業績に関連付けて記載しております。

 

(2)販売実績

 当連結会計年度における販売実績を報告セグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

資源

104,873

△0.8

製錬

637,803

△7.4

材料

156,613

△22.0

報告セグメント計

899,289

△9.6

その他

15,943

+6.0

調整額

△106,692

連結財務諸表計上額

808,540

△4.6

 (注)1.セグメント間の販売実績は、各セグメントに含めて表示しております。

2.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

住友商事㈱

138,685

16.4

125,184

15.5

三井物産㈱

79,333

9.4

58,841

7.3

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4. 当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、上記の前連結会計年度比については、前連結会計年度の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。 

 

3【対処すべき課題】

 当社グループは、本年2月に発表いたしました平成25年度から平成27年度までの3年間を対象とする「2012年中期経営計画」(以下、「12中計」という。)を実行し、企業価値の一層の向上をめざしてまいります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 基本方針

当社グループは、以下の経営理念、経営ビジョン、CSR方針を経営の基本方針としております。

「SMMグループ経営理念」

・ 住友の事業精神に基づき、地球および社会との共存を図り、健全な企業活動を通じて社会への貢献とステークホルダーへの責任を果たし、より信頼される企業をめざします

・ 人間尊重を基本とし、その尊厳と価値を認め、明るく活力ある企業をめざします

 

「SMMグループ経営ビジョン」

・ 独自技術を駆使してものづくり企業としての社会的な使命と責任を果たします

・ コンプライアンス、環境保全および安全確保を基本としたグローバルな企業活動により、非鉄金属、電子・機能性材料などの高品質な材料を提供し、企業価値の最大化をめざします

 

「CSR方針」

1.資源の有効利用およびリサイクルを推進するとともに、技術革新やエネルギー効率の継続的な改善などにより、地球温暖化対策に取り組みます

2.国内外において地域に根ざした活動を積極的に推進し、地域社会との共存を図ります

3.健全な事業活動を継続するために、人権を尊重するとともに、多様な人材が活躍する企業をめざします

4.安全を最優先し、快適な職場環境の確保と労働災害ゼロを達成します

5.多様なステークホルダーとのコミュニケーションを強化し、健全な関係を構築します 

 

(2) 事業戦略

 世界経済の先行きに懸念材料が散見され、中長期的に見通しが立てにくいものの、為替レートの変動、資源をめぐる優良資源の希少化や資源ナショナリズムの拡大、国内では東日本大震災を受けた環境・エネルギー事業への注目など、当社をとりまく事業環境は大きく変化しています。こうした環境変化も踏まえながら、当社は、資源・製錬・材料の3つのコアビジネスの継続的成長により、「世界の非鉄リーダー」「日本のエクセレントカンパニー」となるべく、ニッケル生産量15万t/年体制と銅30万t・金30tの権益分年間生産量、新規の材料製品での経常利益50億円/年、連結売上高1兆円/年・連結当期純利益1千億円/年をめざして、成長戦略を推進してまいります。

 当社は、銅製錬を事業の発祥とする会社であり、優良な資源権益の確保にとどまらず、それらを製錬・加工して高品質の地金や材料を供給することで社会に貢献するとともに、企業価値を向上させていくことができると考えています。そのことが真の意味での「世界の非鉄リーダー」であると認識し、これに向けて更なる成長をめざします。

 また、「日本のエクセレントカンパニー」となるべく、連結売上高1兆円/年、連結当期純利益1千億円/年の規模と収益力を持ち、確固とした経営理念・経営ビジョンや、これらに基づくコーポレート・ガバナンスの徹底とCSR活動の充実を図る等の強固な経営基盤の下で、成長戦略を継続的に打ち出し実現していく企業をめざします。

 成長戦略の柱となる各大型プロジェクトの遂行については、「種蒔き」「植付け」「育成」「刈取り」のステージにそれぞれ区分し、「12中計」はもとよりそれ以降のいずれの中期経営計画の期間においても、3つのコアビジネスの大型プロジェクト案件が「種蒔き」「植付け」「育成」「刈取り」の各ステージにあり、これらのPDCA管理を徹底することを基本モデルとして、継続的な成長戦略の遂行を図っていくこととしています。

① 資源

 資源事業は、長期ビジョンとして、平成33年度に権益分年間生産量銅30万t・金30tとすることをめざして探鉱と開発案件への参入を進めます。シエラゴルダプロジェクトは平成26年の操業開始に向けて開発を進めております。また、菱刈鉱山及びポゴ金鉱山は、新規鉱床の開発を進めマインライフの延長を図ります。

 さらに、既に稼働している海外銅鉱山の拡張計画を順次実現させ、マイニングビジネスでの収益力をさらに強化していきます。

 

② 製錬 

 ニッケル精錬は、タガニートプロジェクトと電気ニッケル生産能力の6万5千t/年への増産起業が平成25年に完成し、10万t/年体制がスタートを切ります。さらに長期ビジョンとして、フィリピン等からの原料調達とニッケル生産能力増強により、これを15万t/年に引き上げる構想を描いています。これを踏まえ、さらに競争力を強化するべく、平成25年度に完成する資源・精錬開発センターにおいてニッケル精製法、HPALの技術革新に取り組みます。
 銅製錬は、低水準の買鉱条件やエネルギーコストの高止まり等により厳しい事業環境にありますが、二次原料の増処理や固定費の削減等により競争力の強化を図ります。

③ 材料

 リードフレーム事業統合をはじめ、「選択と集中」を中核とする「09中計」で進めてきた事業構造の転換をさらに推し進め、体質の強化を図ります。

 また、成長が見込まれる環境・エネルギー関連分野において、二次電池向け、燃料電池向け、太陽電池向けなどの様々な材料開発に注力していくとともに、電池研究所、材料開発センターと連携し、新商品上市に向けて精力的に取り組みます。

 さらに、製錬事業とのシナジーという強みを活かした高機能材料の商品化を促進してまいります。

   

④ 新商品開発

 研究開発については、従来同様、重点的な資源配分を継続し、「12中計」に則って、材料系新商品開発の加速、資源・製錬技術の革新、プロセス開発の推進に取り組んでまいります。

 

(3) 買収防衛策について

① 基本方針の内容の概要 

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の企業価値の源泉を理解し、当社が企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ安定的に確保し、向上していくことを可能とする者である必要があると考えております。

 当社は、株式の大量買付であっても、当社の企業価値・株主共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。また、株式会社の支配権の移転を伴う買収提案についての判断は、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。

 しかし、株式の大量買付のなかには、対象会社の企業価値・株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

 当社は、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない大量買付を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切であり、このような者による大量買付に対しては、必要かつ相当な対抗措置を採ることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保する必要があると考えます。

 

② 基本方針実現のための取組みの具体的な内容の概要

a.基本方針の実現に資する特別な取組みの概要

  当社は、平成25年2月7日に、「12中計」を公表し、「世界の非鉄リーダー」と「日本のエクセレントカンパニー」をめざすことを基本戦略として掲げ、さらなる企業価値・株主共同の利益の向上を実現するために邁進いたします。

  具体的には、非鉄金属の資源・製錬事業においては、平成33年に、ニッケル生産量15万t/年体制及び権益分年間生産量として銅30万t・金30tをめざして事業の拡大を図り、材料事業においては、さらなる経常利益積上げをめざすとともに、引き続き成長が見込まれる環境・エネルギー分野への経営資源の集中などの展開を図ってまいります。さらに連結売上高1兆円、連結当期純利益1千億円の規模と収益力を持ち、確固とした経営理念、経営ビジョンや、これらに基づくコーポレート・ガバナンスの徹底とCSR活動の充実を図る等の強固な経営基盤の下で、成長戦略を継続的に打ち出し実現していく企業をめざします。

  当社は、コーポレート・ガバナンス強化のため、執行役員制度を導入するとともに、取締役(社外取締役を除きます。)と執行役員について業績連動報酬制度を導入しております。また、取締役の任期を1年としており、社外取締役を1名選任いたしております。

 

b.基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要 

  当社は、平成25年2月7日開催の取締役会において「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」の更新を決議し、第88期定時株主総会において、株主の皆様の過半数の賛成により、ご承認をいただきました(以下、更新後の対応策を「本プラン」といいます。)。

  本プランは、当社の企業価値・株主共同の利益に資さない当社株式の大量買付を行う者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止し、当社の企業価値・株主共同の利益に反する大量買付を抑止するとともに、大量買付が行われる際に、当社取締役会が株主の皆様に代替案を提案したり、あるいは株主の皆様がかかる当該大量買付に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保すること、株主の皆様のために交渉を行うこと等を可能とすることを目的としております。

  本プランは、当社株券等の20%以上を買収しようとする者が現れた際に、買収者に事前の情報提供を求める等、上記の目的を実現するために必要な手続を定めております。

  買収者は、本プランに係る手続に従い、当社取締役会において本プランを発動しない旨が決定された場合に、当該決定時以降に限り当社株式の大量買付を行うことができるものとされています。

  買収者が本プランに定められた手続に従わない場合や当社株式の大量買付が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれがある場合等で、本プランに定められた発動要件を満たす場合には、当社は、買収者による権利行使は原則として認められないとの行使条件及び当社が買収者以外の者から当社株式と引換えに新株予約権を取得できる旨の取得条項が付された新株予約権を、その時点の当社を除く全ての株主の皆様に対して新株予約権無償割当ての方法により割り当てます。本プランに従って新株予約権の無償割当てがなされ、その行使又は当社による取得に伴って買収者以外の株主の皆様に当社株式が交付された場合には、1個の新株予約権につき、原則として0.5から1株の範囲内で当社株式が発行されることから、買収者の有する当社の議決権割合は、最大約50%まで希釈化される可能性があります。

  当社は、本プランに従った新株予約権の無償割当ての実施、不実施又は取得等の判断については、取締役の恣意的判断を排するため、当社経営陣から独立した当社社外取締役等のみから構成される独立委員会を設置し、その客観的な判断を経るものとしております。また、当社取締役会は、これに加えて、本プランに定められた場合には、株主総会を招集し、株主の皆様の意思を確認することがあります。

  こうした手続の過程については、適宜株主の皆様に対して情報開示を行い、その透明性を確保することとしております。

  本プランの有効期間は、原則として、平成28年6月開催予定の第91期定時株主総会終結の時までとなっております。 

 

③ 具体的取組みに対する当社取締役会の判断及びその理由 

 当社の「12中計」並びに既に実施しているコーポレート・ガバナンス強化のための執行役員制度及び業績連動報酬制度、取締役の任期短縮、社外取締役の選任等の各施策は、当社の企業価値・株主共同の利益を継続的かつ安定的に向上させるための具体的方策として策定されたもので、まさに当社の基本方針に沿うものであり、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 また、本プランは、企業価値・株主共同の利益を確保、向上させる目的をもって導入されたものであり、当社の基本方針に沿うものです。特に、本プランは、第88期定時株主総会において株主の皆様により承認されていること、その内容として合理的な客観的要件が設定されていること、独立性を有する社外取締役等のみによって構成される独立委員会が設置されており、本プランの発動に際しては必ず独立委員会の判断を経ることが必要とされていること、独立委員会は当社の費用で第三者専門家の助言を受けることができるとされていること、有効期間は、原則として3年間とされており、また、その満了前であっても当社取締役会によりいつでも廃止できるとされていることなどにより、その公正性・客観性が担保されており、企業価値・株主共同の利益に資するものであって、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

(1)非鉄金属価格及び為替レートの変動

① 非鉄金属価格の低下

 ニッケル、銅、金などの非鉄金属の価格は、ロンドン金属取引所(LME:London Metal Exchange)、その他の国際市場において決定されます。(以下、それらの市場において決定された価格を、LME相場等という。)LME相場等は、国際的な需給バランス、政治経済の状況、投機的取引、さらには代替素材の競争力などの影響を受けて変動します。それらの影響によりニッケル、銅、金などのLME相場等が著しく低下しその状態が長期間続いた場合、当社グループの財政状態及び経営成績の重大な悪化につながります。

 

② 為替レート(円高)

 銅精鉱、ニッケルマットなどの輸入原料だけでなく、非鉄金属地金の国内価格につきましても、米国ドル建てのLME相場等を基準に決定されることから、当社が製錬事業から得る製錬マージンは実質的に米国ドル建てであります。また、海外への鉱山投資、材料事業への投資並びに同事業の製品等の輸出から得られる収入も外国通貨建てであります。したがって、為替レートが大きく円高に振れ、長期間継続した場合、当社グループの財政状態及び経営成績の重大な悪化につながります。

 

 これらに対し、当社グループは原料調達、製造それぞれにおいて競争力の強化を図り、環境悪化を克服するために諸施策を推進しております。

 

(2)非鉄金属原料の購入契約条件の悪化及び供給障害

 当社グループは、銅精鉱、ニッケルマットなどの非鉄金属原料の調達について、自山鉱比率を高めていく方針でありますが、現在は過半を投資に裏打ちされていない長期買鉱契約により調達しております。

 長期買鉱契約については、原料購入条件について毎年改定交渉を行いますが、その際さまざまな市場の要因により必ずしも必要量を妥当な価格により購入することができない場合があります。さらに、製品価格は需給など主に非鉄金属地金自身の要因により決まることから、製品価格に原料購入条件の悪化を転嫁することが難しい場合があります。

 また、異常気象、大規模地震、供給者の操業上の事故及び労働争議など当社の管理の及ばない事態により原料の供給が遅延又は停止することがあります。これらにより当社グループの生産が制約を受け、財政状態及び経営成績の悪化につながる場合があります。

 これらに対し、当社グループは海外鉱山開発及び優良な海外鉱山等への投資により自山鉱比率を高め、安定した原料ソースの確保を進めております。

 

(3)鉱山投資の不確実性

 当社グループは、上述のとおり原料調達における自山鉱の比率を高めていくために鉱山投資を行っていく方針でありますが、探鉱結果に基づき想定した採鉱可能埋蔵量及び採鉱コストと実際が異なる、あるいは将来異なっていくことにより投資回収が想定どおり進まない可能性があります。鉱山開発においては、環境行政上の手続きを含むさまざまな事態により生産開始が遅延し、開発費用の負担が増加する可能性があります。これら鉱山投資の不確実性に起因する追加投資あるいは採鉱コスト上昇の負担が、当社グループの財政状態及び経営成績の悪化につながる場合があります。

 これらに対し、当社グループは長年の探鉱経験及び鉱山評価ノウハウの蓄積に基づく慎重な採算性判断により厳選した投資を実行しております。

 

(4)環境保全と法令遵守に係るリスク

 当社グループの事業、特に鉱山業及び非鉄金属製錬業は、労働安全、労働衛生、環境保全、鉱害又は公害防止、鉱業又は産業廃棄物処理、毒劇物管理など広範な法令の適用を受けております。それらの法令により、事業者の過失の有無に拘わらず損害補償を課せられること、休廃止した鉱山の維持管理を課せられることがあります。また、新たな環境規制などにより追加の費用負担が発生する可能性があります。さらに鉱山業及び非鉄金属製錬業は、環境汚染と鉱業又は産業廃棄物処理のリスクとそれに対応する責任を負っております。以上、関係法令を遵守しつつ事業を経営していくため、相当額の必要コストを負担しなければならない場合、また不測の事態によりリスクが顕在化し、その対応に要するコストが想定を上回る場合が考えられ、それらのコスト負担が当社グループの財政状態及び経営成績の悪化につながる場合があります。

 これらに対し、当社グループは環境マネジメントシステム及びリスクマネジメントシステムを厳格に運用し環境保全と法令遵守に万全を期すとともに、負担コストの適正化を図ることとしております。

 

(5)市場変化と新商品開発及び知的財産に係るリスク

 当社グループの材料事業が対象とする市場では、利用技術、顧客要求、商品寿命が急速に変化する一方で、新商品の開発は長期化し、多くの資金及び人材投入を要することがあります。また、新商品の市場投入後、技術進歩により当該商品が陳腐化した場合、変化する顧客要求に対応できない場合及び競争相手の同等品の市場占有が進行した場合には、要した投資の回収が計画通りに見込めないこともあります。

 また、当社グループの材料事業の主要製品の販売量は、携帯端末、パソコン、家電製品などを製造する顧客の生産水準に依存しており、顧客が製造するこれら製品の需要の周期的変化、技術革新の進展、経済動向一般その他の要因によって変化いたします。

 これらにより、材料事業における新商品開発及び既存商品の販売が計画どおりに進まない場合、当社グループの財政状態及び経営成績へ影響を及ぼすことが考えられます。

 当社グループは、知的財産権の獲得と管理の重要性を認識し、法令にしたがって取得保全手続きを行っておりますが、知的財産権の保全手続きにつきましては必ずしも確実に取得できるものではなく、第三者との係争、第三者による違法な実施などにより当社の研究開発成果の享受が脅かされる場合が考えられます。

 これらに対し、当社グループは研究開発成果の早期実現をめざした研究開発体制を敷き、影響の軽減を図っております。また、知的財産権の管理につきましては専門部所を設け、確実な取得及び保全に努めております。

 

(6)海外進出

 当社グループは、製品の製造拠点及び販売の市場を海外に求め、国際的に事業を展開しております。海外における事業活動につきましては、政情不安、環境・労働・課税・通貨管理・貿易上の法令及び規制の変化、知的財産権等の法的権利の限定的保護あるいは不十分な強制力、外国為替の変動、財産の没収あるいは国有化など個々の国毎に政治的、経済的リスクが存在しております。非鉄金属価格の高騰などを背景とする国家や地方政府による資源事業への介入・増税への動き、あるいは各方面からの環境対策要求の高まりなどを含め、それらのリスクの顕在化により当該投下資金の回収を達成しえなくなる場合が考えられます。

 これらに対し、当社グループはカントリーリスクを十分に検討し、投資の意思決定を行っております。

 

(7)災害等

 当社グループの製造拠点は、顧客との関係、原料調達、グループ内関連事業との連携、経営資源の有効活用などの点より立地していますが、それら地域に大規模な地震、風水害等不測の災害や事故が発生した場合、損害が多額になるとともに当該製造拠点での生産が大幅に低下する可能性があります。

 これらに対し、当社グループは、可能かつ妥当な範囲で保険を付するとともに二次的な影響を抑えるための対応の整備を図っております。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)モレンシー銅鉱山の共同運営契約

 当社の連結子会社であります住友金属鉱山アリゾナ社は、米国モレンシー銅鉱山を共同保有し、同鉱山の共同運営を行う契約を米国フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールド社の関係会社と締結しております。これにより、住友金属鉱山アリゾナ社は、同鉱山の生産物の権益見合いの15%を引き取る権利・義務を保有しております。

 

(2)カンデラリア鉱山社の共同運営契約

 当社の連結子会社でありますエス・エム・エム・エー カンデラリア社は、チリ共和国カンデラリア鉱山社の株式の20%を保有し、同社の共同運営を行う契約を米国フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールド社の関係会社と締結しております。これにより、エス・エム・エム・エー カンデラリア社は、カンデラリア鉱山社の生産物の20%を購入する権利・義務を保有しております。

 

(3)ポゴ金鉱山の共同運営契約

 当社の連結子会社であります住友金属鉱山ポゴ社は、米国ポゴ金鉱山を共同保有し、同鉱山の共同運営を行う契約を、住友商事㈱の関係会社と締結しております。これにより、住友金属鉱山ポゴ社はオペレータとして同鉱山の操業を実施し、並びに同鉱山の生産物の権益見合いの85%を引き取る権利・義務を保有しております。

 

    (4)セロ・ベルデ鉱山社の共同運営契約

 当社の連結子会社でありますエス・エム・エム セロ・ベルデ ネザーランド社は、ペルー共和国のセロ・ベルデ鉱山社の株式の21%を保有し、当社はセロ・ベルデ鉱山社の共同運営を行う契約を、米国フリーポート・マクモラン・カッパー・アンド・ゴールド社及び同社の関係会社並びにペルー共和国ブエナベンチューラ社と締結しております。これにより、当社は、セロ・ベルデ鉱山社で生産された銅精鉱につき、当初10年間は生産量の50%、11年目以降は生産量の21%を購入する権利・義務を保有しております。   

 

(5)PT ヴァ−レ インドネシアの共同運営契約

 当社は、インドネシア共和国のPT ヴァーレ インドネシアの株式の20%を保有し、同社の共同運営を行う株主間契約を、カナダ国のヴァーレ社と締結しております。これにより、当社は、PT ヴァ−レ インドネシアのソロアコ鉱山の生産物の20%を購入する権利・義務を保有しております。

  

(6)コーラルベイニッケル社の共同運営契約

 当社の連結子会社でありますコーラルベイニッケル社は、三井物産㈱及び双日㈱並びにフィリピン共和国リオツバ・ニッケル・マイニング社より合計46%の出資を受け、当社は、同三社とコーラルベイニッケル社を共同運営する契約を締結しております。これにより、コーラルベイニッケル社は、リオツバ・ニッケル・マイニング社から同社のリオツバ鉱山のニッケル鉱のうち、HPAL法に適した鉱石を全量購入する権利を保有し、当社はコーラルベイニッケル社の生産物を全量購入する権利を保有しております。

 

(7)リードフレーム製品に関する長華電材股フン有限公司との販売受委託契約

 当社の連結子会社であります住友金属鉱山アジアパシフィック社は、台湾の長華電材股フン有限公司との間で、中国・台湾地域において住友金属鉱山アジアパシフィック社のリードフレームの販売を委託する契約を締結しております。

 

(8)シエラゴルダ鉱山社の共同運営契約について

  当社の連結子会社でありますエス・エム・エム シエラゴルダ インベルシオネス社は、チリ共和国シエラゴルダ鉱山社に45%の出資をしており、当社は同社の共同運営を行う契約を住友商事㈱及びカナダ国KGHM インターナショナル社と締結しております。これにより、当社は、シエラゴルダ鉱山社で生産された銅精鉱の50%を購入する権利・義務を保有しております。

6【研究開発活動】

  当社グループでは資源、製錬及び材料をコアビジネスとして選択と集中を進めるなか、研究開発においても研究開発費の重点配分を行い、「分離精製・結晶化技術」、「微粉末技術」、「表面処理技術」、「有機樹脂技術」、「評価解析技術」の5つからなるコア技術を定め、技術ドメインを明確にして重点的な開発を実行しております。具体的には、資源開発及び非鉄製錬分野におけるさらなる技術開発、また、材料分野では、最近社会的に関心が高いエネルギー環境関連の材料・新技術開発を中心に取り組んでおります。研究開発は新商品の売上目標規模を明確にした上で実施しており成果を挙げつつあります。

  なお、当連結会計年度に投入した研究開発費は49億99百万円であり、各セグメントに配分できない基礎研究費用33億33百万円が含まれております。

 セグメント毎の研究開発活動の状況は次のとおりであります。

 

(1)資源セグメント

非鉄原料鉱石の処理に関して、精鉱の品質及び実収率の改善ための浮遊選鉱、リーチング等の選鉱技術開発や、菱刈鉱山や国内の休廃止鉱山から排出される坑廃水の処理に関する技術開発を行っております。その他、探査技術や鉱石採掘法の効率化の技術開発等を行っております。

 当セグメントに係る研究開発費は1億37百万円であります。

 

(2)製錬セグメント

  非鉄金属事業において、原料対応力、コスト競争力強化に繋がる製錬技術の開発や新プロセス技術の開発を行っております。特に平成25年度はHPALプロセスからのスカンジウム回収のためのパイロットプラントを建設し、操業試験を行う予定にしております。また、ハイブリッドカーの二次電池からニッケルをはじめとするレアメタルなどのリサイクル・プロセスの開発も進めております。

 当セグメントに係る研究開発費は4億36百万円であります。

 

資源・精錬分野における技術・設備面での競争力を一層強化するため、「資源・精錬開発センター」を新設することとし、当面の重要課題であるニッケル生産量15万t/年体制の構築にむけて、既存製造プロセスの効率化を図るとともに、新プロセスの研究開発を推進いたします。

また、「資源・精錬開発センター」の設置に合わせ、拠点となる研究棟を新たに建設し、新研究棟には、資源・精錬に関する研究設備を常設し、研究テーマに応じて設備をフレキシブルに組み合わせて活用できる体制を整備します。さらに、工場、研究所及び工務部門に分散していた資源・精錬関係の技術者を集結させることで、研究開発のスピードアップとレベルアップを図るとともに、将来に向けた人材を育成してまいります。

  平成22年より九州大学と組織対応型連携契約を締結し、共同研究と人材育成を継続してきております。選鉱技術の改善やニッケルやコバルトの分離精製技術の開発などに取り組んでいるほか、九州大学全体のシーズを活用して資源・製錬分野を中心にさまざまなテーマでの連携を進めています。

 

(3)材料セグメント

 エネルギー環境関連分野で注目されている、二次電池、太陽電池、燃料電池、及び省エネ照明、省エネ製品に関連した機能性材料、配線材料の開発を中心に進めております。

二次電池関連では、リチウム二次電池の正極材料であるニッケル酸リチウムについて、コスト・容量・安全性確保などの機能向上を図り、次世代ハイブリッドカーやパソコン用電源への積極的な展開に取り組んでおります。太陽電池、省エネ製品に関連した機能性材料、配線材では、銅両面めっきポリイミド基板、配線用途向け導電性ペースト・インク、希土類磁石材料、赤外線及び紫外線を遮断する塗布材料、スパッタリングターゲット材料及び各種金属微粉末に関する開発を行っております。

 主な研究成果としては、ハイブリッドカーに搭載される二次電池用正極材料、液晶テレビや液晶ディスプレー向けCOF(Chip On Film)基板の狭ピッチ配線をめっきで行うセミアディティブ法の量産技術、省エネ照明用白色LEDに使われるサファイア基板を結晶育成から加工まで一貫して製造することができる量産技術、さらに、太陽光から放射される赤外線をカットする材料及びそれを使ったインク、太陽電池やタッチパネルなどに使われる新規透明導電膜用のターゲットなどの特徴ある製品や量産技術を開発しました。

 また、東北大学多元物質科学研究所との包括的共同研究開発体制を発展させ東北大学全体と包括的な共同研究と人材教育を進める組織連携協力協定を締結し、同校の広範囲にわたる研究機能を活用して、新素材の開発、評価技術の開発及び人材育成を進める体制を整備しております。共同研究の成果として、医療・バイオ分野、情報記録分野、精密加工分野で応用される高輝度深紫外線素子への利用が期待される単結晶窒化アルミニウム(AlN)の高速成長可能な液相成長法を開発しました。 

 当セグメントに係る研究開発費は10億38百万円であります。  

 

 なお、このような材料事業に関する研究開発体制を強化するため、研究開発部門(技術本部)のもとに材料系の開発技術者を集結させて、新たに「材料開発センター」を設けました。このセンターでは、主としてペースト材料、ターゲット材料、結晶材料等の研究開発を行い、開発業務に携わる材料系技術者を集結することで、保有技術の共有化や全社的観点での研究開発推進などにより、材料事業の新商品開発スピードアップをめざします。 

 

(4)その他

 非鉄金属製錬技術で培った環境保全技術をベースに、排ガス浄化のための高性能電気集塵機の開発及び水を再生するための高度水処理システムの研究開発及び装置開発を進めています。

 当セグメントに係る研究開発費は55百万円であります。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 なお、当連結会計年度に会計方針の変更を行っており、遡及処理後の数値で前年同期の比較を行っております。

 

(1)財政状態の分析

① 資産の部

 総資産は、前連結会計年度末に比べ2,043億94百万円増加し、1兆3,511億53百万円となりました。

 流動資産は、主に譲渡性預金である有価証券が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ507億57百万円の増加となりました。固定資産は、主として持分法投資利益の計上及び円安の影響などにより投資有価証券が、タガニートプロジェクトへの設備投資により有形固定資産が、また、シエラゴルダ鉱山社への長期貸付金が、それぞれ増加したことから、前連結会計年度末に比べ1,536億37百万円の増加となりました。

 

② 負債の部

 負債の部の合計は、前連結会計年度末に比べ858億86百万円増加し、5,066億6百万円となりました。

 流動負債は、未払法人税等の増加などにより、前連結会計年度末に比べ244億33百万円の増加となりました。固定負債は、積極的な大型プロジェクトへの投融資などに充てるための長期借入金が増加したことから、前連結会計年度末に比べ614億53百万円の増加となりました。

 

③ 純資産の部

 純資産の部の合計は、当連結会計年度において自己株式の公開買付けを実施致しましたが、当期純利益を866億40百万円計上し、さらに円安の進行に伴い為替換算調整勘定が増加したことなどにより、前連結会計年度末に比べ1,185億8百万円増加し、8,445億47百万円となりました。

 

④ 経営指標

 当社グループは、平成22年度から平成24年度までの3年間を対象とする「09中計」に基づき、さらなる企業価値・株主共同の利益の向上を実現するために邁進しました。

 「09中計」においては、財務体質の健全性を示す指標として連結自己資本比率50%以上の維持、株主還元として連結配当性向20%以上を継続いたしました。なお、当連結会計年度の自己資本比率は56.9%となり、連結配当性向は21.9%となりました。

 

(2)経営成績の分析

① 売上高

 当連結会計年度の連結売上高は、8,085億40百万円となりました。主にニッケル価格の下落などによる製錬セグメントの減収や、ボンディングワイヤー事業撤退による材料セグメントの減収により、前連結会計年度に比べ393億57百万円の減収となりました。

 

② 営業利益

 当連結会計年度の連結営業利益は、957億85百万円となりました。期末に向けての急速な円安の進行や、電気銅の増販などにより、前連結会計年度に比べ72億8百万円増加となりました。 

 

③ 経常利益

 当連結会計年度の連結経常利益は、1,150億34百万円となりました。連結営業利益の好転により、前連結会計年度に比べ62億5百万円の増加となりました。 

 

④ 当期純利益

 当連結会計年度の当期純利益は、866億40百万円となりました。連結経常利益の増加に加えて、持分変動利益の計上や減損損失及び投資有価証券評価損が減少したことなどにより、前連結会計年度に比べ213億54百万円の増加となりました。

 

 なお、当連結会計年度の世界経済は、欧州では金融不安は軽減されたものの依然として低迷を続けており、新興国においても景気減速はありましたが、米国では消費が堅調に推移して、総じて緩やかな回復基調となりました。国内経済につきましては、エコカー補助金や東日本大震災の復興需要など内需の下支えがある一方、長引く円高と世界経済の減速懸念により輸出産業の落ち込みが目立つ局面もありました。しかしながら、平成24年末の政権交代を契機として、それまでの歴史的な円高の是正が進み、急速に景気回復への期待が高まりました。

  当社グループを取り巻く環境は、非鉄金属業界におきまして、非鉄金属価格は第2四半期連結会計期間には下げ止まったものの、実需の低迷により総じて軟調に推移しました。エレクトロニクス関連業界におきましては、好調であった高機能携帯電話向けの電子部品などが夏場以降は在庫調整局面に入るなど、需要は伸び悩みました。

  当社グループは、このような状況のなか、平成22年度から平成24年度までの3年間を対象とする「09中計」に基づき、事業構造の転換による長期ビジョンを見据えた新成長戦略の推進を基本戦略とし、資源・製錬・材料のコア事業の競争力強化と成長事業への経営資源の集中を推し進めてまいりました。  

 





出典: 住友金属鉱山株式会社、2013-03-31 期 有価証券報告書