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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度(2016年4月1日〜2017年3月31日)におけるわが国経済は、政府や日銀による経済・金融政策を背景に企業収益や雇用環境の改善など緩やかな回復基調が続いているものの、米国の経済政策に対する警戒感の高まりや英国EU離脱の影響など、景気の下振れリスクを内包しながら、先行き不透明な状況で推移しました。

情報通信分野におきましては、光アクセス等の固定通信関連工事は減少傾向が続くものの、「光コラボレーションモデル」など付加価値をつけた新たなサービスの普及が期待されております。移動通信関連工事はLTE−Advancedが本格化するなど、ブロードバンドを活用したスマートフォン・タブレット端末等スマートデバイスの普及によるモバイルトラフィックの増加や高速化に伴うネットワーク環境の構築・整備等が進みました。

また、公共・民間分野におきましては、国土強靭化や地方創生を契機とした自治体等のICT投資や、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック等による首都圏再開発案件での電気設備工事、無電柱化工事の拡大、老朽化した社会インフラの更改等、インフラ投資の加速が期待されるとともに、セキュリティ強化やクラウドサービスへの移行など、IoT時代に迅速に対応するためのシステム投資も積極化するものと想定されます。

このような事業環境において、当社グループは2016年5月に発表した中期経営計画(2016〜2020年度)の新ビジョン「グループ総力を結集し、トータルソリューションで新たな成長ステージへ」のもと、グループ一体で既存技術とサービスの融合によるエンジニアリング周辺事業などの拡大により、事業ポートフォリオの再構築を進め、システムソリューション事業を第2の柱へ育成するとともに、コア事業である通信インフラ構築関連の生産性・品質向上や徹底した効率化による収益力強化を図ってまいります。
 成長事業拡大への取り組みとして、「新エネルギー」「ジオソリューション」「クラウド・セキュリティ」「グローバル」の各分野で積極的な営業活動を推進する中で、G空間ビジネス本格展開に向け「CEATEC JAPAN 2016」及び「IoT/M2M展秋」へメッシュネットワーク型の「EXBeacon」を出展しました。当社が持つ通信インフラ構築技術やソフトウェア開発技術など、様々な技術・サービスを融合させ、今後の成長が期待できる分野に積極的に取り組むことで、より強固な経営基盤の確立に努めました。
 また、2016年10月に開催された「第54回技能五輪全国大会」の情報ネットワーク施工職種において金メダルを獲得しました。今後も優秀な技術者の育成を図り、高い施工技術で社会に貢献してまいります。
 加えて、当社グループは、ワーク・ライフ・バランスを推進していくにあたり、労使トップによる「働き方改革労使共同宣言」を発出し、総労働時間短縮や年次有給休暇取得推進をはじめ「働き方改革」に取り組んでまいります。また「働き方改革」の一環として、ダイバーシティ推進をより効率的・体系的に進めるために、人事部内に専任のダイバーシティ推進担当を配置しました。今後とも社員一人ひとりがいきいきと働ける職場環境を目指してまいります。

 当連結会計年度の経営成績につきましては、受注高は 3,241億2百万円(前年同期比 107.9%)、完成工事高は2,988億2千5百万円(前年同期比 104.0%)となりました。損益面につきましては、営業利益は 208億7千3百万円(前年同期比 113.4%)、経常利益は 214億9百万円(前年同期比 115.7%)、親会社株主に帰属する当期純利益は 137億8千9百万円(前年同期比 113.2%)となりました。
当連結会計年度におけるセグメント別の概況は、次のとおりであります。

① エンジニアリングソリューション

 受注高につきましては、通信キャリア関連工事の受注が順調に推移していることから、前年同期と比べ増加しました。完成工事高につきましては、前年度からの豊富な繰越工事の完成及び順調な受注を背景に前年同期と比べ増加しました。

② システムソリューション

 受注高につきましては、ネットワークインテグレーション(NI)事業が牽引したことにより前年同期と比べ増加しました。完成工事高につきましては、前年度からの豊富な繰越工事の完成等により前年同期と比べ増加しました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ7億9千6百万円減少し、152億4千1百万円となりました。
 各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果獲得した資金は155億4百万円(前期は53億8千9百万円の獲得)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は60億2千7百万円(前期は139億7百万円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は102億3千万円(前期は3億1千3百万円の獲得)となりました。これは主に社債の発行による増加があったものの、短期借入金の減少によるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)受注実績

  当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高

(百万円)

前期比

(%)

次期繰越工事高

(百万円)

前期比

(%)

エンジニアリングソリューション

283,850

109.0

136,722

122.2

システムソリューション

40,251

100.8

6,867

106.2

合計

324,102

107.9

143,589

121.3

 

(2)売上実績

  当連結会計年度の売上実績をセグメントごとに示すと次のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(百万円)

前期比(%)

エンジニアリングソリューション

259,047

103.8

システムソリューション

39,778

105.1

合計

298,825

104.0

 (注)1.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

    2.当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載しておりません。

3.主な相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年4月1日

至 平成29年3月31日)

売上高

(百万円)

割合(%)

売上高

(百万円)

割合(%)

東日本電信電話株式会社

74,729

26.0

80,150

26.8

株式会社NTTドコモ

54,443

18.9

56,112

18.8

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、「技術力を培う 豊かさを求める 社会に貢献する」という企業理念のもと、株主をはじめとするすべてのステークホルダーから信頼される誠実で透明性の高い経営の実現を目指しております。
 このような基本方針のもと企業行動規範を制定し、コンプライアンス・プログラムを実施するとともに、内部監査制度の充実、IR活動の強化や適切な社内組織の見直し等により業務の有効性・効率性を確保してまいります。
 また、情報通信ネットワーク市場において、ソリューション・サービス企業として、情報通信ネットワークの構築をはじめとした多彩なソリューション及びサービスを提供することにより、豊かな生活環境を創り出す企業集団として社会に貢献してまいりたいと考えております。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループは、グループ企業価値を向上させ株主価値を高めるため、受注の拡大と収益性向上による利益の拡大が重要であると考えております。このような考えのもと中期経営計画の最終年度(平成33年3月期)に連結売上高 4,000億円、営業利益 300億円、ROE 10%、EPS 200円以上の達成を目指してまいります。

 

(3)経営環境及び対処すべき課題

 情報通信分野におきましては、移動通信関連工事は、トラフィック増加に対応するサービス品質向上に向けたネットワークの構築・整備等が当面は引き続き堅調に推移するものの、中長期的に通信キャリアの設備投資は抑制傾向にあり、当社を取り巻く環境は不透明な状況が続くものと想定されます。
 一方、公共・民間分野におきましては、国土強靭化や地方創生を契機とした自治体等のICT投資や、2020年開催の東京オリンピック・パラリンピック等による首都圏再開発案件での電気設備工事、無電柱化工事の拡大、老朽化した社会インフラの更改等、インフラ投資が引き続き見込まれるとともに、セキュリティ強化やクラウドサービスへの移行など、IoT時代に迅速に対応するためのシステム投資も着実に拡がるものと想定されます。
 このような事業環境下において、当連結会計年度は中期経営計画(2016年度〜2020年度)の初年度として、「グループ総力を結集し、トータルソリューションで新たな成長ステージへ」のビジョンのもと、グループ一体で既存技術とサービスの融合によるエンジニアリング周辺事業などの拡大により、事業ポートフォリオの再構築を進め、システムソリューション事業を第2の柱へ育成するとともに、コア事業である通信インフラ構築関連の生産性・品質向上や徹底した効率化による収益力強化を図ってまいりました。
 翌連結会計年度につきましても、引き続き事業環境の変化に柔軟に対応するとともに、長年培った高い技術力をベースに当社の強みである「トータルプロセス」「トータルソリューション」「全国施工体制」を活かし、成長分野である「新エネルギー」「ジオソリューション」「クラウド・セキュリティ」「グローバル」のソリューション事業拡大に取り組み、より強固な経営基盤の確立に努めてまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

(1)特定取引先に対する依存度が高いことについて

 当社グループは情報通信ネットワークの構築・施工を主な事業としていることから、通信事業者各社との取引比率が高く、この傾向は今後とも継続することが見込まれます。
 したがって、情報通信業界の市況動向や技術革新等により通信事業者各社の設備投資行動及び設備投資構造が変化した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(2)重要な情報の管理について

 当社グループは事業運営上、顧客等が保有する技術データ・顧客データ等の重要な情報を取り扱っております。このため、情報セキュリティマネジメントシステムを構築・運用するとともに、情報セキュリティ最高責任者の配置や情報セキュリティ委員会の設置をする等情報管理に対する重要性を十分認識した体制作りに取り組み、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の認証及びプライバシーマークを取得しております。
 このように情報管理を徹底してはおりますが、不測の事態により当社グループからこれら重要な情報が流出した場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(3)重大な人身・設備事故等の発生について

 当社グループは、建設工事現場における人身・設備事故を未然に防ぐため、「安全・品質の確保」に対する取り組みには万全を期し、管理を強化することで、事故の発生防止に日々努めております。
 しかしながら、当社グループにおいて不測の事態により重大な人身・設備事故を発生させた場合、顧客からの信頼を低下させるほか、損害賠償義務の発生や受注機会の減少等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)取引先企業の経営破綻による貸倒債権の発生について

 当社グループは、取引先企業に対する与信管理と債権管理・回収体制を確立させ、工事代金等の速やかな回収により、貸倒債権発生のリスク回避と最小化に努めております。
 しかしながら、今後事業活動を拡大していく上で、不測の事態により取引先企業の経営破綻による貸倒債権が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(5)自然災害等の発生について

 当社グループは、自然災害や新型ウイルスパンデミック等の発生に備え、人的被害の回避を最優先としつつ事業継続を図るため、各種設備の導入、訓練の実施及び規程・マニュアルの整備等により、リスク回避と被害最小化に努めております。

 しかしながら、大規模災害等の発生及びそれに伴うライフラインの停止や燃料・資材・人員の不足による工事の中断・遅延、事業所の建物・資機材への損害等の不測の事態が発生した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(6)資材価格・労務単価の変動について

 当社グループは、市場価格の動向を注視し、コスト削減に向け管理を強化しておりますが、資材価格や労務単価等が請負契約締結後著しく上昇し、これを請負金額に反映できない場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(7)保有資産の価格変動について

 当社グループは、事業運営上の必要性から、不動産、有価証券等の資産や年金資産を保有しておりますが、著しい時価の変動等があった場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(8)法的規制について

 当社グループは、建設業法、独占禁止法、労働基準法、労働安全衛生法、製造物責任法等様々な法的規制の適用を受けており、法的規制の改廃や新設、適用基準等の変更があった場合、または法的規制による行政処分等を受けた場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

(9)新規事業の開拓について

 当社グループでは、さらなる事業領域の拡大を目指し、新規事業開拓を積極的に進めておりますが、新規事業においては不確定要因が多く、予定外のコスト増大が否定できないことから、当初想定していた事業収益を獲得出来なかった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

6【研究開発活動】

当社グループは、品質・安全性・生産性の向上や成長事業の拡大などに関する技術開発・支援に取り組んでおり、当連結会計年度におけるセグメント別研究開発費は、エンジニアリングソリューション 9百万円、システムソリューション 4千万円、各セグメントに配分できない基礎研究費用 5千3百万円となり、総額は1億3百万円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められた会計基準に準拠して作成されております。この財務諸表の作成にあたり、見積りが必要となる事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行なっております。
 会計方針の詳細については、連結財務諸表「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

(2)財政状態

① 資産、負債及び純資産

 資産は、前連結会計年度末と比較して51億3千7百万円増加し、2,434億3千8百万円(前期比102.2%)となりました。これは主に完成工事未収入金及び未成工事支出金等の増加によるものであります。

 負債は、前連結会計年度末と比較して19億1百万円減少し、851億5千8百万円(前期比97.8%)となりました。これは主に社債の発行による増加があったものの、短期借入金の減少によるものであります。

 純資産は、前連結会計年度末と比較して70億3千9百万円増加し、1,582億8千万円(前期比104.7%)となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。

② キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「1 業績等の概要」に記載しております。

(3)経営成績

① 完成工事高

 前年度からの豊富な繰越工事の完成及び順調な受注の影響等により、完成工事高は、前連結会計年度と比べ113億8千8百万円増加し、2,988億2千5百万円(前期比104.0%)となりました。

② 営業利益

 完成工事高の増加に伴う利益増や効率化施策の効果等により、営業利益は、前連結会計年度と比べ24億6千万円増加し、208億7千3百万円(前期比113.4%)となりました。

③ 経常利益

 営業利益の増加により、経常利益は、前連結会計年度と比べ28億9千7百万円増加し、214億9百万円(前期比115.7%)となりました。

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

 特別損失による減少があったものの経常利益や特別利益の増加により、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ16億4百万円増加し、137億8千9百万円(前期比113.2%)となりました。また、1株当たり当期純利益(EPS)は19.34円増加し、145.24円となりました。

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

 経営成績に重要な影響を与える可能性がある事象につきましては、「4 事業等のリスク」に記載しております。

(5)経営者の問題認識と今後の方針について

 経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「3 経営方針、経営環境及び対処すべき課題」に記載しております。





出典: 株式会社協和エクシオ、2017-03-31 期 有価証券報告書