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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出の増加を背景に、企業収益の大幅な改善が見られ、設備投資、個人消費、住宅建設なども増加傾向となり、景気は緩やかながらも堅調な回復過程をたどった。

東北地域の建設市場は、公共工事の減少傾向が続くなか、一般民間工事も未だ回復の兆しが見えず、依然として低迷が続いた。これに加え、電力設備投資も自由化拡大を前に投資抑制が続くなど、当社グループの中核をなす設備工事業を取り巻く経営環境は極めて厳しい状況で推移した。

こうした状況下、当社は、「叡智と行動の結集による受注の確保と収益性の向上」を経営方針に掲げ、最重要課題である受注の確保・拡大の実現に向けて、中小規模工事の受注拡大に注力したほか、リニューアル工事、オール電化工事、地域イントラネット工事の受注拡大を図るなど、積極的な営業を展開してきた。

平成17年3月には本社と各支社に「お客さまコンサルティングセンター」を新設し、東北電力㈱との連携を一層強化するなかで、営業基盤の拡大を図ることとした。加えて、5つの支社において「支社同居営業所」を設置し、地域密着型の営業体制を再構築した。

この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は156,686百万円と前連結会計年度に比べ3,751百万円(2.5%)の増収となった。一方、損益面については、原価低減や経営効率化推進などグループを挙げてローコスト体制の強化に取り組んだ結果、営業利益は3,771百万円となり前連結会計年度に比べ160百万円(△4.1%)、経常利益は4,214百万円と前連結会計年度に比べ52百万円(△1.2%)の減益となったものの、当期純利益は2,254百万円と前連結会計年度に比べ104百万円(4.8%)の増益となった。

 

(設備工事業)

当社グループの中核をなす設備工事業の業績は、受注工事高は155,455百万円(個別ベース)となり、売上高は155,310百万円(連結ベース)と前連結会計年度に比べ3,885百万円(2.6%)の増収、営業利益は3,399百万円(連結ベース)と前連結会計年度に比べ86百万円(△2.5%)の減益となった。

 

(その他の事業)

その他の事業においては、警備業務、車両・事務機器・工事用機械等のリース業務、不動産の管理業務、伐採木のリサイクル業務等を中心に、売上高は、1,375百万円と前連結会計年度に比べ134百万円(△8.9%)の減収、営業利益は536百万円と前連結会計年度に比べ166百万円(44.8%)の増益となった。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は4,067百万円減少した。

当連結会計年度末残高は、新規連結11社に伴う資金の増加額920百万円を加え29,575百万円となり、前連結会計年度末残高に比べ3,146百万円減少した。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は7,590百万円(前連結会計年度比1,665百万円、28.1%増加)となった。

これは税金等調整前当期純利益が4,205百万円となったことなどによるものである。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は10,847百万円(前連結会計年度比6,411百万円、144.5%増加)となった。

これはグループファイナンスへの預け入れ、リース資産の取得、および投資有価証券の取得などによるものである。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は811百万円(前連結会計年度比899百万円、52.6%減少)となった。

これは配当金の支払いなどによるものである。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当連結企業集団が営んでいる事業の大部分を占める設備工事業及びその他の事業では生産実績を定義することが困難であり、設備工事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐわない。

また、当連結企業集団においては設備工事業以外では受注生産形態をとっていない。

よって、受注及び販売の状況については「1 業績等の概要」における各事業の種類別セグメントの業績に関連付けて記載している。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。

設備工事業における受注工事高及び施工高の状況

(1) 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

 

期別

工事別

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越工事高

当期

施工高

(百万円)

手持

工事高

(百万円)

うち施工高

(%)

(百万円)

前事業年度

(自平成15年

 4月1日

至平成16年

 3月31日)

屋内配線

工事

32,129

51,408

83,537

53,423

30,114

21.4

6,437

54,046

配電線

工事

5,316

41,573

46,890

41,610

5,279

0.5

28

41,585

その他

工事

13,008

53,332

66,340

52,307

14,032

34.8

4,879

53,754

50,453

146,314

196,768

147,341

49,426

23.0

11,345

149,386

当事業年度

(自平成16年

 4月1日

至平成17年

 3月31日)

屋内配線

工事

30,114

54,299

84,414

54,337

30,077

17.6

5,286

53,185

配電線

工事

5,279

44,379

49,659

42,418

7,240

0.1

9

42,399

その他

工事

14,032

56,776

70,809

52,239

18,569

30.5

5,661

53,021

49,426

155,455

204,882

148,995

55,887

19.6

10,956

148,606

(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。

2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものである。

3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高−前期繰越施工高)に一致する。

 

(2) 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別される。

 

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自平成15年4月1日

至平成16年3月31日)

屋内配線工事

39.5

60.5

100

配電線工事

99.9

0.1

100

その他工事

63.0

37.0

100

当事業年度

(自平成16年4月1日

至平成17年3月31日)

屋内配線工事

35.4

64.6

100

配電線工事

99.9

0.1

100

その他工事

62.9

37.1

100

(注) 百分比は請負金額比である。

 

(3) 完成工事高

 

期別

区分

東北電力株式会社

(百万円)

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

(百万円)

前事業年度

(自平成15年4月1日

至平成16年3月31日)

屋内配線工事

1,037

13,905

38,480

53,423

配電線工事

40,697

33

878

41,610

その他工事

25,580

1,634

25,091

52,307

67,316

15,573

64,451

147,341

当事業年度

(自平成16年4月1日

至平成17年3月31日)

屋内配線工事

923

11,321

42,091

54,337

配電線工事

41,841

17

560

42,418

その他工事

27,221

1,265

23,752

52,239

69,986

12,604

66,403

148,995

(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

  前事業年度 請負金額6億円以上の主なもの

㈱大本組

・イオンモール太田ショッピングセンター新築工事

㈱福田組

・イオン盛岡ショッピングセンター新築電気設備工事

宮城県

・宮城県立こども病院(仮称)新築電気設備工事

東北電力㈱

・荒井線新設工事

東北電力㈱

・宮城(変)配開改良ならびに関連撤去工事

  当事業年度 請負金額4億円以上の主なもの

大成建設㈱

・公立藤田病院改築電気設備工事

㈱大本組

・(仮称)ベルモール新築機械設備工事B街区

東北電力㈱

・東通原子力発電所1号機新設工事(通信)

東北電力㈱

・東通原子力発電所1号機新設工事(建築)

東北電力㈱

・西新潟線増強2工事

2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。

  前事業年度

東北電力㈱

67,316百万円

45.7%

  当事業年度

東北電力㈱

69,986百万円

46.9%

 

(4) 手持工事高(平成17年3月31日現在)

 

区分

東北電力株式会社

(百万円)

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

(百万円)

屋内配線工事

644

10,014

19,418

30,077

配電線工事

7,223

0

16

7,240

その他工事

6,494

371

11,703

18,569

14,362

10,386

31,138

55,887

(注) 手持工事のうち請負金額8億円以上の主なものは、次のとおりである。

岩手県

・盛岡駅西口複合施設(仮称)建設(電気設備)工事

平成17年8月完成予定

千葉市

・南部浄化センター水処理電気設備工事(B系列その4)

平成18年3月完成予定

東北電力㈱

・東和線新設工事

平成18年9月完成予定

JFE工建㈱

・白石・郡山間ガスパイプライン建設工事(白石工区)

平成19年2月完成予定

日本赤十字社

・石巻赤十字病院移転新築工事(電気設備工事)

平成18年2月完成予定

 

3 【対処すべき課題】

今後の当社グループを取り巻く経営環境は、東北地域の建設市場が公共工事分野の減少に回復の兆しが見えないことに加え、電力設備投資の抑制が予想されることなどから、引き続き極めて厳しい状況が続くものと思われる。

このような状況下において、当社グループは事業の中核をなす設備工事業において受注を拡大し、安定した利益の確保を目指していく。そのため、平成17年度の当社中期経営計画では、昨年度に引き続き「叡智と行動の結集による受注の確保と収益性の向上」を中期経営方針に掲げ、受注の確保とコストダウンのさらなる推進を最重要課題とし、これに取り組んでいく。そして、これらの課題に取り組むにあたり次の4つの戦略を展開していく。

(1)受注戦略

民間工事においては、今年度から導入する顧客情報システムにより全社共有化された情報を活用した組織的な営業展開ならびに提案営業の強化により、受注の確保と利益率の向上を図る。また、新築物件減少のなかで中小規模工事ならびに高度な提案力・施工力を要するリニューアル工事のさらなる受注拡大に注力する。

電力部門においては、東北電力企業グループと一体となって効率化に取り組み、電力工事の受注拡大を目指すとともに、お客さまコンサルティングセンターの積極的な活動展開を通して営業基盤の強化を目指す。

情報通信工事においては、地域イントラネット工事やTV地上波デジタル放送関連工事、CATV工事の受注に向け、積極的な提案営業を展開する。

(2)原価低減戦略

本社集中購買の強化や原価管理の徹底など工事原価低減の取り組みを一層強化すると同時に管理間接費の低減をさらに推進し、ローコスト体制を強化する。

また、ネガティブコストの発生防止のため、現場管理の徹底などにより安全の確保と施工品質の向上を追求する。

 

(3)経営基盤強化戦略

法令・企業倫理の遵守、地球環境問題への対応などCSR(企業の社会的責任)活動を推進する。また、組織整備や新情報システムの活用を通して効率的な組織の運営を目指す。

また、当社は「選択される価値のある企業」を目指して、取締役員数のスリム化等の取締役会改革および執行役員制の導入を柱とした、経営機構改革を実施することとしており、こうした経営機構改革により、従来にも増して経営の機動性や健全性、透明性を高めていく。

(4)当社グループ総合力強化戦略

経営環境の変化に対応し、統合と分散のバランスを基本理念としたグループ経営を強化するため、グループ各社の将来像を定め、その達成に向けた推進体制を検討していく。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業に関して、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および、発生した場合の対応に努める所存である。

 

(1)受注工事量の減少

公共工事ならびに電力工事について予想を上回る削減が行われた場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(2)取引先の信用リスク

建設業においては、工事目的物の引渡後に工事代金が支払われる条件で契約が締結される場合が多く、このため工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(3)材料価格の変動

工事材料の価格が高騰した際、請負金額に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項なし

 

6 【研究開発活動】

 厳しい経営環境が継続する中で、経営課題に的確に応え実効ある技術開発力の充実・強化が肝要であることから「受注拡大に向けた技術開発」等を主な目的とし基本方針を策定するとともに、具体的な実施計画と推進方策により技術開発を短期間で完成させ、お客様と各施工現場のニーズに応えることのできる技術開発に取り組んでいる。

 [基本方針]

1.受注拡大

2.原価低減

3.経営基盤強化

4.新規事業推進

当連結会計年度における研究開発費は、330百万円であった。また、当連結会計年度の主な研究成果は次の通りである。

なお、子会社において研究開発活動は特段行っていない。

(設備工事業)

(1)間接活線工法の拡大に関する研究

  作業停電の回避や無停電化等、配電工事を取り巻く社会環境は益々高度化・多様化し、作業は活線作業の増加等で厳しい環境にあることから、間接活線工法の「作業環境改善」「作業安全の向上」等を目的とした新技術・工法の改良改善。

(2)小規模鉄塔(154kv以下)嵩上げ工法に伴う諸技術の研究

  小規模鉄塔嵩上げは、安全対策として支線で油圧クライミング装置を固定するが、市街地等では支線用地の確保が困難な現状にあり、装置重量も大きく運搬費用面でも負担が多くなることから、これらの問題を解決する工法・装置の開発。

(3)CCDカメラによる作業監視システムの開発

  CCDカメラとパソコンで画像による光接続作業の監視・チェックを行うシステムで光回線停止事故防止および作業効率化と品質向上を図る研究・開発。

(4)固体高分子形燃料電池の実証試験・研究

  固体高分子形燃料電池(PEFC)について、新エネルギー財団(NEF)より「実証研究」を受託し、当社人材開発センターに設置して実証試験。本装置は小型分散電源として将来有望であるため、当社独自の調査・研究。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、最重要課題である受注の確保・拡大に向けて積極果敢に営業戦略を展開し、技術力の向上にも注力したことにより、売上高は156,686百万円と前連結会計年度と比べ3,751百万円(2.5%)の増収となった。

一方、損益面については、原価低減や経営効率化推進などグループを挙げてローコスト体制の強化に取り組んだことにより、経常利益は4,214百万円と前連結会計年度に比べ52百万円(△1.2%)の減益となったものの、当期純利益は2,254百万円と前連結会計年度に比べ104百万円(4.8%)の増益となった。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

資産合計は153,005百万円となり、前連結会計年度に比べ4,817百万円増加した。これは完成工事未収入金の回収に伴う手許資金の増加などによるものである。

負債合計は70,553百万円となり、前連結会計年度に比べ2,652百万円増加した。これは未払法人税等の支払債務や退職給付債務の増加などによるものである。

資本合計は82,080百万円となり、前連結会計年度に比べ2,101百万円増加した。これは利益剰余金が増加したことなどによるものである。

 

 

(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。

 





出典: 株式会社ユアテック、2005-03-31 期 有価証券報告書