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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が高水準で推移するなかで設備投資が増加し、また、雇用情勢の改善を反映して個人消費も底堅く推移するなど、景気は着実な回復を続けている。

東北地域においては、地域、業種間の格差を伴いつつも、徐々に景気回復の兆しが現れているが、当社グループの中心をなす設備工事業においては、電力工事が比較的順調に推移したものの、公共工事が減少を続けるなかで、民間工事も熾烈な価格競争が継続しており、全体としては、依然として景気回復を実感できない厳しい状況で推移した。

こうした状況下、当社は、「叡智と行動の結集による受注の確保と収益性の向上」を経営方針に掲げ、総合病院や大型ショッピングセンターなどの大型物件に加え、リニューアル工事、オール電化工事、CATV工事や地域イントラネット工事の受注拡大を図るなど、積極的な営業活動を展開した。また、電力工事においては、全社一丸となった効率的な取組みを展開し、生産性の向上も図られるなど、着実な成果を上げることができた。

さらには、効率的な業務運営を推進するための組織整備の実施に加え、営業力の強化、工事管理業務ならびに管理間接部門の効率化を目的とした新情報システムを平成17年10月に本格稼動させるなど、経営基盤の強化に取り組んできた。

この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は171,921百万円と前連結会計年度に比べ15,234百万円(9.7%)の増収となった。利益については、営業利益は4,085百万円となり前連結会計年度に比べ314百万円(8.3%)、経常利益は4,762百万円となり前連結会計年度に比べ547百万円(13.0%)、当期純利益は2,676百万円となり前連結会計年度に比べ422百万円(18.7%)の増益となった。

 

(設備工事業)

当社グループの中核をなす設備工事業の業績は、受注工事高は163,372百万円(個別ベース)となり、売上高は170,375百万円(連結ベース)と前連結会計年度に比べ15,064百万円(9.7%)の増収、営業利益は3,529百万円(連結ベース)と前連結会計年度に比べ129百万円(3.8%)の増益となった。

 

(その他の事業)

その他の事業においては、警備業務、車両・事務機器・工事用機械等のリース業務、不動産の管理業務、伐採木のリサイクル業務等を中心に、売上高は1,545百万円と前連結会計年度に比べ169百万円(12.3%)の増収、営業利益は487百万円と前連結会計年度に比べ49百万円(△9.2%)の減益となった。

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は前連結会計年度末に比べ13,870百万円減少し、15,704百万円の残高となった。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は1,341百万円(前連結会計年度比6,249百万円、82.3%減少)となった。これは、税金等調整前当期純利益の計上と工事費等の仕入債務の増加などの資金増加要因、および売上債権の増加などの資金減少要因によるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は15,264百万円(前連結会計年度比4,416百万円、40.7%増加)となった。これは、グループファイナンスへの預入れ、投資有価証券の取得、固定資産の購入などによるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は48百万円(前連結会計年度比859百万円増加)となった。これは、配当金の支払いがあったもののリース資産購入のための借入金が増加したことなどによるものである。

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事業及びその他の事業では生産実績を定義することが困難であり、設備工事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐわない。

また、当社グループにおいては設備工事業以外では受注生産形態をとっていない。

よって、受注及び販売の状況については「1 業績等の概要」における各事業の種類別セグメントの業績に関連付けて記載している。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。

設備工事業における受注工事高及び施工高の状況

(1) 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

 

期別

工事別

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越工事高

当期

施工高

(百万円)

手持

工事高

(百万円)

うち施工高

(%)

(百万円)

前事業年度

(自平成16年

 4月1日

至平成17年

 3月31日)

屋内配線

工事

30,114

54,299

84,414

54,337

30,077

17.6

5,286

53,185

配電線

工事

5,279

44,379

49,659

42,418

7,240

0.1

9

42,399

その他

工事

14,032

56,776

70,809

52,239

18,569

30.5

5,661

53,021

49,426

155,455

204,882

148,995

55,887

19.6

10,956

148,606

当事業年度

(自平成17年

 4月1日

至平成18年

 3月31日)

屋内配線

工事

30,077

55,616

85,694

55,158

30,535

6.4

1,942

51,815

配電線

工事

7,240

46,919

54,159

45,508

8,651

9.3

800

46,299

その他

工事

18,569

60,836

79,406

62,030

17,375

38.7

6,722

63,091

55,887

163,372

219,260

162,697

56,562

16.7

9,465

161,206

(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。

2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものである。

3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高−前期繰越施工高)に一致する。

 

(2) 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別される。

 

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自平成16年4月1日

至平成17年3月31日)

屋内配線工事

35.4

64.6

100

配電線工事

99.9

0.1

100

その他工事

62.9

37.1

100

当事業年度

(自平成17年4月1日

至平成18年3月31日)

屋内配線工事

30.5

69.5

100

配電線工事

99.5

0.5

100

その他工事

63.1

36.9

100

(注) 百分比は請負金額比である。

 

(3) 完成工事高

 

期別

区分

東北電力㈱

(百万円)

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

(百万円)

前事業年度

(自平成16年4月1日

至平成17年3月31日)

屋内配線工事

923

11,321

42,091

54,337

配電線工事

41,841

17

560

42,418

その他工事

27,221

1,265

23,752

52,239

69,986

12,604

66,403

148,995

当事業年度

(自平成17年4月1日

至平成18年3月31日)

屋内配線工事

874

10,802

43,482

55,158

配電線工事

44,883

16

607

45,508

その他工事

29,176

1,488

31,366

62,030

74,933

12,307

75,456

162,697

(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

  前事業年度 請負金額4億円以上の主なもの

大成建設㈱

・公立藤田病院改築電気設備工事

㈱大本組

・(仮称)ベルモール新築機械設備工事B街区

東北電力㈱

・東通原子力発電所1号機新設工事(通信)

東北電力㈱

・東通原子力発電所1号機新設工事(建築)

東北電力㈱

・西新潟線増強2工事

  当事業年度 請負金額7億円以上の主なもの

㈱福田組

・イオン内原ショッピングセンター新築(電気・機械設備)工事

岩手県

・盛岡駅西口複合施設(仮称)建設(電気設備)工事

千葉市

・南部浄化センター水処理電気設備工事(B系列その4)

日本赤十字社

・石巻赤十字病院移転新築工事(電気設備工事)

清水建設㈱

・上越総合病院移転新築(電気設備)工事

2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。

  前事業年度

東北電力㈱

69,986百万円

46.9%

  当事業年度

東北電力㈱

74,933百万円

46.1%

 

(4) 手持工事高(平成18年3月31日現在)

 

区分

東北電力㈱

(百万円)

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

(百万円)

屋内配線工事

328

8,199

22,007

30,535

配電線工事

8,639

0

11

8,651

その他工事

6,553

524

10,296

17,375

15,522

8,724

32,315

56,562

(注) 手持工事のうち請負金額8億円以上の主なものは、次のとおりである。

福島県厚生農業共同組合連合会

・白河厚生総合病院移転新築(電気設備)工事

平成19年12月完成予定

新潟市

・新潟市民病院移転新築電気設備工事

平成19年10月完成予定

東北電力㈱

・東和線新設工事

平成18年9月完成予定

JFE工建㈱

・白石・郡山間ガスパイプライン建設工事(白石工区)

平成19年2月完成予定

大館市

・大館市立総合病院増改築事業電気設備工事

平成20年8月完成予定

 

3 【対処すべき課題】

当社グループが基盤を置く東北地域の建設市場においては、ようやく景気回復の兆しが見えてきたものの、公共工事の減少のなか、民間工事の価格競争は一層の激化が予想される。一方、電力設備投資については、今後も抑制基調で推移すると見込まれるものの、送・配電、変電設備の新・増設や維持修繕による需要は引き続き安定水準を保つものと予想される。

このような状況下において、当社グループは事業の中核をなす設備工事業において受注を拡大し、安定した利益の確保を目指していく。そのため、平成18年度の当社中期経営計画では、「一般市場での競争力強化と企業信頼度の向上」を基本目標に掲げ、近年の経営環境の変化がもたらす課題に対し、「変化を踏まえて変えるもの」と「継承し充実させていくもの」とを明確にしながら、グループの総力を結集して、以下の4つの戦略を展開していく。

(1)受注戦略

新たなお客さま獲得や効果的な川上営業など、積極的な開発営業を展開していくとともに、地域密着営業を一層強化し、受注拡大を図ることとする。

その一環として、平成18年3月に営業体制の整備を実施した。

本社および東京本部に「開発営業室」を設置、宮城支社に「仙台圏開発営業グループ」を編成し、全社的な開発営業機能の強化を図っている。また、この体制を支える価格競争力の強化のために、本社に「原価管理グループ」を編成した。

一方、東北電力企業グループの一員として、「電力安定供給」に向けた当社の役割を十分に発揮するため、迅速な復旧体制の確保、教育・研修を基盤とした技術力向上による施工能力の確保などに努め、電力工事の受注拡大に注力していく。

(2)原価低減戦略

本社集中購買の強化や原価管理の徹底、管理間接費の低減など、既存原価低減策を確実に実践する一方、既成の手法にとらわれない柔軟な発想による低減策の推進により、ローコスト体制の強化を図る。また、現場安全管理、施工品質管理を徹底し、ネガティブコストの発生防止にも努めていく。

(3)経営基盤強化戦略

法令や企業倫理の遵守、地球環境問題への対応など、企業の社会的責任を果し、企業信頼度の向上に努めていく。さらに、受注拡大、効率化推進のための組織体制の整備や新情報システムの定着・活用拡大を推進することとする。また、中・長期的観点に立った教育・研修の実施による人材育成を図っていく。

(4)企業グループ総合力強化戦略

グループ事業推進体制の強化のため、企業グループ各社の役割の明確化や事業の再構築を検討していく。さらに、グループ企業全体での人材の有効活用や活性化策を推進していく。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業に関して、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存である。

 

(1)新規受注の減少

公共工事ならびに電力設備投資について予想を上回る削減が行われた場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(2)取引先の信用リスク

建設業においては、工事目的物の引渡後に工事代金が支払われる条件で契約が締結される場合が多く、このため工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(3)材料価格の変動

工事材料の価格が高騰した際、請負金額に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項なし

 

6 【研究開発活動】

厳しい経営環境が継続する中で、経営課題に的確に応え実効ある技術開発力の充実・強化が肝要であることから「受注拡大に向けた技術開発」等を主な目的とし基本方針を策定するとともに、具体的な実施計画と推進方策により技術開発を短期間で完成させ、お客様と各施工現場のニーズに応えることのできる技術開発に取り組んでいる。

[基本方針]

1.受注拡大

2.原価低減

3.経営基盤強化

4.新規事業推進

当連結会計年度における研究開発費は、160百万円であった。また、当連結会計年度の主な研究開発件名の状況は次のとおりである。

なお、子会社において研究開発活動は特段行っていない。

(設備工事業)

(1)間接活線工法の拡大に関する研究

作業停電の回避や無停電化等、配電工事を取り巻く社会環境は益々高度化・多様化し、作業は活線作業の増加等で厳しい環境にあることから、間接活線工法の「作業環境改善」「作業安全の向上」等を目的とした新技術・新工法の改良改善。

(2)小規模嵩上げ装置の154kv鉄塔への適応検討

前連結会計年度で66kvまでの対応は完成し、当連結会計年度に於いては工法の普及と定着化に傾注した。装置の潜在能力として、154kv級までの適用拡大をした場合の問題点と課題、対策等を検証した。小規模嵩上げ装置は、保安及び都市化対策の計画に対し、受注提案を戦略的に推進。

(3)154kv CVケーブル検査装置の研究・開発

電力ケーブルの敷設作業時においては、触手や目視によってケーブルへの損傷(外傷)の有無を検査していたが、小さな傷や切り傷等の発見が困難であったことから、小さな傷の発見や目視等の検査に代わるものとして、非接触によるCVケーブル検査装置の開発。

(4)情報通信設備と融合したICタグ応用システムの開発

ICタグ市場は生産・物流・リサイクル・サービスなど産業、生活の幅広い分野で成長が期待されており、当社独自の物流関連などの応用システムの構築。

7 【財政状態及び経営成績の分析】

 (1) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、最重要課題である受注の確保・拡大に向けて営業戦略を展開し、技術力の向上にも注力したことにより、売上高は171,921百万円と前連結会計年度に比べ15,234百万円(9.7%)の増収となった。

一方、損益面については、原価低減や経営効率化推進などグループを挙げてローコスト体制の強化に取り組んだことにより、経常利益は4,762百万円と前連結会計年度に比べ547百万円(13.0%)の増益、当期純利益は2,676百万円と前連結会計年度に比べ422百万円(18.7%)の増益となった。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

資産合計は163,028百万円となり、前連結会計年度に比べ10,023百万円増加した。これは売上高の増加による売掛債権の増加などによるものである。

負債合計は81,321百万円となり、前連結会計年度に比べ10,768百万円増加した。これは工事量の増加により工事未払金等の支払債務が増加したことなどによるものである。

資本合計は81,325百万円となり、前連結会計年度に比べ755百万円減少した。これは利益剰余金が2,126百万円増加したものの、土地再評価差額金が3,012百万円減少したことなどによるものである。

 

(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。

 





出典: 株式会社ユアテック、2006-03-31 期 有価証券報告書