有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2 【事業の状況】

「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益が高水準で推移するなか、設備投資も増加し、景気は緩やかな拡大基調で推移したものの、秋口からは、アメリカにおけるサブプライム住宅ローン問題やエネルギー・原材料価格高の影響などにより、景気回復に足踏みがみられる状況となった。

東北地域においては、景気は緩やかな回復をたどったものの、企業グループの中核をなす設備工事業においては、公共工事が縮減されるなか民間工事においても受注獲得競争が激化し、厳しい採算性を強いられる状況で推移した。

こうした状況下、当社は、「市場競争力の強化と企業信頼度の向上」を中期基本目標に掲げ、一般民間工事においては、新規顧客獲得のための営業活動を推し進めるとともにショッピングセンターや医療施設などの大型案件の獲得や、携帯電話基地局建設などの情報通信関連工事の受注拡大へ向けた積極的な営業活動を展開した。また、電力工事においては、東北電力株式会社の超高圧基幹送電線である十和田・北上幹線工事等の大型案件の受注のほか、配電工事における高圧電線張替工事や柱上変圧器揚替工事などのほか昨年7月に発生した新潟県中越沖地震の災害復旧工事にも全社を挙げて取り組み、電力安定供給に貢献するなど、着実に成果を上げることができた。

 

この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は206,971百万円と前連結会計年度に比べ25,820百万円(14.3%)の増収となった。利益については、営業利益は5,263百万円となり前連結会計年度に比べ462百万円(9.6%)、経常利益は6,119百万円となり前連結会計年度に比べ516百万円(9.2%)の増益となった。しかしながら、減損損失や投資有価証券評価損等を特別損失に計上したことから当期純利益は2,715百万円となり前連結会計年度に比べ163百万円(△5.7%)の減益となった。

 

(設備工事業)

当社グループの中核をなす設備工事業の業績は、受注工事高は179,803百万円(個別ベース)となり、売上高は204,957百万円(連結ベース)と前連結会計年度に比べ25,590百万円(14.3%)の増収、営業利益は5,015百万円(連結ベース)と前連結会計年度に比べ762百万円(17.9%)の増益となった。

 

(その他の事業)

その他の事業においては、警備業、車両・事務機器・工事用機械等のリース業、不動産管理業、廃棄物処理業等を中心に、売上高は2,013百万円と前連結会計年度に比べ229百万円(12.9%)の増収となった。営業利益はリース業における減価償却費等が大幅に増加したことから142百万円となり、前連結会計年度に比べ325百万円(△69.6%)の減益となった。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,061百万円減少し、20,429百万円の残高となった。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は744百万円(前連結会計年度比5,590百万円、88.2%減少)となった。これは、税金等調整前当期純利益の計上による資金増加要因、及び未成工事支出金の増加による資金減少要因などによるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は1,841百万円(前連結会計年度比931百万円、102.4%増加)となった。これは、固定資産の購入などによるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は119百万円(前連結会計年度比235百万円、66.3%減少)となった。これは、固定資産購入のための借入金が増加したことなどによるものである。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事業及びその他の事業では生産実績を定義することが困難であり、設備工事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐわない。

また、当社グループにおいては設備工事業以外では受注生産形態をとっていない。

よって、受注及び販売の状況については「1 業績等の概要」における各事業の種類別セグメントの業績に関連付けて記載している。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。

設備工事業における受注工事高及び施工高の状況

(1) 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

 

期別
工事別
前期繰越
工事高
(百万円)
当期受注
工事高
(百万円)

(百万円)
当期完成
工事高
(百万円)
次期繰越工事高
当期
施工高
(百万円)
手持
工事高
(百万円)
うち施工高
比率(%)
金額
(百万円)
前事業年度
(自平成18年
 4月1日
至平成19年
 3月31日)
屋内配線
工事
30,535
64,167
94,703
60,077
34,626
19.6
6,785
64,920
配電線
工事
8,651
46,769
55,421
44,797
10,623
0.1
6
44,002
その他
工事
17,375
89,774
107,150
65,964
41,185
9.3
3,818
63,061
56,562
200,712
257,274
170,838
86,435
12.3
10,610
171,984
当事業年度
(自平成19年
 4月1日
至平成20年
 3月31日)
屋内配線
工事
34,626
62,430
97,056
63,251
33,805
25.6
8,642
65,108
配電線
工事
10,623
49,136
59,760
48,730
11,030
0.2
24
48,748
その他
工事
41,185
68,235
109,421
84,593
24,828
20.9
5,186
85,961
86,435
179,803
266,238
196,575
69,663
19.9
13,853
199,817

(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。

2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものである。

3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高−前期繰越施工高)に一致する。

 

(2) 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別される。

 

期別
区分
特命(%)
競争(%)
計(%)
前事業年度
(自平成18年4月1日
至平成19年3月31日)
屋内配線工事
23.8
76.2
100
配電線工事
99.8
0.2
100
その他工事
70.8
29.2
100
当事業年度
(自平成19年4月1日
至平成20年3月31日)
屋内配線工事
29.2
70.8
100
配電線工事
100.0
0.0
100
その他工事
69.8
30.2
100

(注) 百分比は請負金額比である。

 

(3) 完成工事高

 

期別
区分
東北電力㈱
(百万円)
官公庁
(百万円)
民間
(百万円)

(百万円)
前事業年度
(自平成18年4月1日
至平成19年3月31日)
屋内配線工事
568
8,286
51,221
60,077
配電線工事
44,306
4
485
44,797
その他工事
30,929
2,002
33,032
65,964
75,805
10,293
84,740
170,838
当事業年度
(自平成19年4月1日
至平成20年3月31日)
屋内配線工事
815
10,561
51,874
63,251
配電線工事
46,625
7
2,096
48,730
その他工事
32,709
1,475
50,408
84,593
80,150
12,044
104,379
196,575

(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

前事業年度 請負金額7億円以上の主なもの

㈱大本組
・(仮称)イオン群馬町ショッピングセンター新築(電気・機械  設備)工事
東北電力㈱
・東和線新設工事
JFE工建㈱
・白石・郡山ガスパイプライン建設工事(白石工区)
東北エネルギーサービス㈱
・セイコーエプソン㈱酒田事業所瞬低対策装置導入(電気設備)工事
山形県
・平成16年度山形県立新庄病院大規模改修(電気設備)工事

当事業年度 請負金額8億円以上の主なもの

㈱福田組
・イオン新潟南ショッピングセンター新築(電気・機械設備)工事
新潟市
・新潟市民病院移転新築電気設備工事
JA福島厚生連
・白河厚生総合病院移転新築(電気設備)工事
西松・三井住友特定建設
工事共同企業体
・いわき駅前地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築(電気設 備)工事
㈱錢高組
・(仮称)LaLaガーデン春日部計画新築(機械設備)工事

2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。

前事業年度

東北電力㈱
75,805百万円
44.4%

当事業年度

東北電力㈱
80,150百万円
40.8%

(4) 手持工事高(平成20年3月31日現在)

 

区分
東北電力㈱
(百万円)
官公庁
(百万円)
民間
(百万円)

(百万円)
屋内配線工事
4
6,735
27,064
33,805
配電線工事
10,722
307
11,030
その他工事
11,922
375
12,529
24,828
22,650
7,111
39,901
69,663

(注) 手持工事のうち請負金額17億円以上の主なものは、次のとおりである。

二又風力開発㈱
・六ヶ所村二又風力発電所施設建設工事
平成20年8月完成予定
TDK㈱
・TDK−MCC本荘工場電気設備工事
平成20年4月完成予定
東北電力㈱
・北上幹線新設工事(鉄塔 第1工区)
平成21年12月完成予定
東北電力㈱
・北上幹線新設工事(鉄塔 第7工区)
平成21年11月完成予定
清水建設㈱
・大手町一丁目地区第一種市街地再開発事業(全体
共用電気設備工事)
平成21年3月完成予定

 

3 【対処すべき課題】

当社グループが基盤とする東北地域において、景気は回復基調が緩やかになってきており、原材料価格高などの懸念要因もあり、不透明な状況にあることから、建設市場は公共投資の抑制基調のなか民間工事の価格競争激化が予想され、予断を許さない状況が続くものと思われる。

一方、電力設備投資については、電力安定供給のための既存設備の改修や設備保全対策工事など今後も安定的に継続するものと見込まれる。

このような状況下において、当社グループは「安全の確保」と「業務品質の向上」を最優先課題とし、「市場競争力の強化と企業信頼度の向上」を中期基本目標に掲げ、「社会から信頼され、お客さまから選択される企業」の実現を目指し、以下の5つの戦略を展開していく。

 

(1) 受注戦略

価格競争の激化により工事価格が低迷している現状を踏まえ、提案営業や開発営業を強化する一方で、市場動向に的確に対応した営業活動を推進する。民間工事については、大型物件の受注獲得やお客さまのニーズに応えたリニューアル工事の受注拡大に注力するとともに、市場動向を勘案した地域別営業戦略の展開などを重点的に実施していく。また、電力工事においては引き続き電力安定供給を支える一員として、その役割を果たしていくとともに電力関連企業との連携を強化し、一般顧客からの受注拡大を図っていく。情報通信関連工事については、携帯電話の基地局建設工事やテレビ放送の地上波デジタル化工事などの受注獲得に向け積極的な営業活動を展開する。

 

(2) 原価低減戦略

資材の集中購買推進などによる購入価格の低減や着工時施工検討会の充実による原価低減を通じて、一層のローコスト体制の構築を図る。

 

(3) 経営基盤強化戦略

企業倫理・法令遵守の徹底及び企業倫理モニタリングの継続実施、内部統制システムの確立と継続的な運用などを通して確実な業務遂行を実践する。

また、高度な専門知識・技術を有する人材など、次世代を担う社員の育成を図る。

さらには、高年齢者雇用安定法に基づく再雇用制度の定着、大規模自然災害を想定した危機管理体制の強化、地球環境に配慮した経営の推進などに取り組んでいく。

 

(4) 業務品質向上戦略

経営層を構成員とする「業務品質向上委員会」を設置し、施工品質のさらなる向上と内部統制の運用による業務処理の適正化を推進する。

さらに、事故やミスの発生に至る人的要因の分析にまで踏み込んだ安全教育の実施により、労働災害、施工ミス・トラブルの未然防止を図り、また、債権管理や法律実務などの教育・指導を通じて不良債権や諸トラブルの発生を防止するなど、ネガティブコストの回避に努める。

 

(5) グループ総合力強化戦略

効率的なグループ経営と業務適正化に向けた管理及び支援体制の強化に取り組む。そのために、企業グループ各社の役割の明確化と効率的な事業運営体制の構築、コンプライアンス強化に向けた管理・指導を徹底する。また、施工体制の強化策として、グループ各社の作業責任者の技術力向上のための教育・指導なども強化する。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの事業に関して、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存である。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結決算会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) 新規受注の減少

公共工事ならびに電力設備投資について予想を上回る削減が行われた場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(2) 取引先の信用リスク

建設業においては、工事目的物の引渡後に工事代金が支払われる条件で契約が締結される場合が多く、このため工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(3) 材料価格の変動

工事材料の価格が高騰した際、請負金額に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項なし

 

6 【研究開発活動】

厳しい経営環境が継続する中で、経営課題に的確に応え実効ある技術開発力の充実・強化が肝要であることから「受注拡大に向けた技術開発」等を主な目的とし基本方針を策定するとともに、具体的な実施計画と推進方策により技術開発を短期間で完成させ、お客様と各施工現場のニーズに応えることのできる技術開発に取り組んでいる。

[基本方針]

1.受注拡大

2.原価低減

3.経営基盤強化

4.新規分野推進

当連結会計年度における研究開発費は、170百万円であった。また、当連結会計年度の主な研究開発件名の状況は次のとおりである。

なお、子会社において研究開発活動は特段行っていない。

 

(設備工事業)

(1) 間接活線工法の拡大に関する研究

作業停電の回避や無停電化等、配電工事を取り巻く社会環境は益々高度化・多様化し、作業は活線作業の増加等で厳しい環境にあることから、間接活線工法の「作業環境改善」「作業安全の向上」等を目的とした新技術・新工法の改良改善を実施している。

 

(2) 捻れ振動による基礎調査工法の適用拡大

既設送電鉄塔の基礎形状を地上より捻れ振動解折技術を用い基礎形状のデータベース化を構築するものであり、送電鉄塔基礎調査の精度向上及び解折値の信頼向上をはかるため、既開発技術に改良を加え装置の潜在能力を向上させ適用範囲の拡大による提案受注を戦略的に推進する。

 

(3) 地震感知システムの研究開発

緊急地震速報を利用した地震感知システムを顧客ニーズに即した他のシステムとの連動など当社独自の応用システムを構築し、早期参入の一助とする。

 

(4) 畜産廃棄物の処理に関する縦型OD法実証試験

メタン発酵槽の消化液の処理において縦型OD法を用い、消化液の処理だけでなく、畜産糞尿処理や食品残渣の処理に利用することで、当社の業容の拡大をはかる。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、有利受注獲得に向けた開発営業や地域密着営業等を展開し、売上高は206,971百万円と前連結会計年度に比べ25,820百万円(14.3%)の増収となった。

一方、損益面については、技術力や提案力を重視した原価構築機能の強化やネガティブコストの発生防止などグループを挙げてローコスト体制の強化に取り組んだことにより、経常利益は6,119百万円と前連結会計年度に比べ516百万円(9.2%)の増益となった。しかしながら、減損損失や投資有価証券評価損等を特別損失に計上したことから、当期純利益は2,715百万円と前連結会計年度に比べ163百万円(△5.7%)の減益となった。

 

(2) 当連結会計年度末の財政状態の分析

資産合計は168,941百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,068百万円増加した。これは、工事量の増加に伴う未成工事支出金の増加などによるものである。

負債合計は83,649百万円となり、前連結会計年度末に比べ670百万円減少した。これは退職給付引当金の減少などによるものである。

純資産合計は85,292百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,739百万円増加した。これは利益剰余金が増加したことなどによるものである。

 

 

 





出典: 株式会社ユアテック、2008-03-31 期 有価証券報告書