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セクション一覧

第2 【事業の状況】

「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示している。

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、秋以降の世界的な金融危機を背景に急激な円高や株価の下落などが企業収益を圧迫し、製造業を中心とした輸出や生産の大幅な減少が、雇用・所得環境にも深刻な影響を及ぼすなど、景気は急速に悪化し厳しい状況となった。

建設業界においては、上期はおおむね横ばいで推移していた一般の住宅建設や企業の設備投資が下期に入って減少するなど、厳しい受注環境となった。

こうした状況下、当社は、一般民間工事において、自動車関連企業などの工業施設やショッピングセンター、医療施設などの大型工事の獲得や、地上波デジタル化に伴う中継局建設工事などの受注拡大へ向けた営業活動を展開した。また、電力工事においては、東北電力株式会社の超高圧基幹送電線である十和田・北上幹線の建設工事が架線工事の段階を迎えたほか、設備の維持修繕工事を中心に受注の確保並びに効率的施工に注力した。
 さらに、昨年6月と7月に相次いで発生した岩手・宮城内陸地震及び岩手県沿岸北部地震においては、東北電力企業グループの一員としてライフラインの早期復旧に全社を挙げて取り組み、電力安定供給に貢献するなど、着実に成果を上げることができた。

 

この結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、売上高は181,984百万円と前連結会計年度に比べ24,987百万円(△12.1%)の減収となった。利益については、営業利益は5,773百万円となり前連結会計年度に比べ510百万円(9.7%)、経常利益は6,480百万円となり前連結会計年度に比べ360百万円(5.9%)、当期純利益は3,293百万円となり前連結会計年度に比べ578百万円(21.3%)の増益となった。

 

(設備工事業)

当社グループの中核をなす設備工事業の業績は、受注工事高は162,971百万円(個別ベース)となり、売上高は179,868百万円(連結ベース)と前連結会計年度に比べ25,089百万円(△12.2%)の減収、営業利益は5,239百万円(連結ベース)と前連結会計年度に比べ223百万円(4.5%)の増益となった。

 

(その他の事業)

その他の事業においては、警備業、車両・事務機器・工事用機械等のリース業、不動産の管理業、廃棄物処理業等を中心に、売上高は2,116百万円と前連結会計年度に比べ102百万円(5.1%)の増収となった。営業利益はリース業における新リース会計基準の影響により減価償却費等が減少したことから572百万円となり、前連結会計年度に比べ429百万円(302.8%)の増益となった。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,844百万円増加し、24,274百万円の残高となった。
 なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりである。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は9,014百万円(前連結会計年度比8,269百万円増加)となった。これは、税金等調整前当期純利益が6,296百万円となったことなどによるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は4,880百万円(前連結会計年度比3,039百万円増加)となった。これは、固定資産の購入などによるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は336百万円(前連結会計年度は得られた資金119百万円)となった。これは、配当金の支払などによるものである。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当社グループが営んでいる事業の大部分を占める設備工事業及びその他の事業では生産実績を定義することが困難であり、設備工事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐわない。

また、当社グループにおいては設備工事業以外では受注生産形態をとっていない。

よって、受注及び販売の状況については「1 業績等の概要」における各事業の種類別セグメントの業績に関連付けて記載している。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりである。

設備工事業における受注工事高及び施工高の状況

(1) 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

 

期別
工事別
前期繰越
工事高
(百万円)
当期受注
工事高
(百万円)

(百万円)
当期完成
工事高
(百万円)
次期繰越工事高
当期
施工高
(百万円)
手持
工事高
(百万円)
うち施工高
比率(%)
金額
(百万円)
前事業年度
(自平成19年
 4月1日
至平成20年
 3月31日)
屋内配線
工事
34,626
62,430
97,056
63,251
33,805
25.6
8,642
65,108
配電線
工事
10,623
49,136
59,760
48,730
11,030
0.2
24
48,748
その他
工事
41,185
68,235
109,421
84,593
24,828
20.9
5,186
85,961
86,435
179,803
266,238
196,575
69,663
19.9
13,853
199,817
当事業年度
(自平成20年
 4月1日
至平成21年
 3月31日)
屋内配線
工事
33,805
51,179
84,984
57,998
26,985
19.7
5,325
54,681
配電線
工事
11,030
45,854
56,884
47,527
9,357
0.7
65
47,568
その他
工事
24,828
65,938
90,766
66,703
24,062
26.6
6,404
67,921
69,663
162,971
232,635
172,229
60,405
19.5
11,795
170,172

(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。

2 次期繰越工事高の施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものである。

3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高−前期繰越施工高)に一致する。

 

(2) 受注工事高の受注方法別比率

工事受注方法は、特命と競争に大別される。

 

期別
区分
特命(%)
競争(%)
計(%)
前事業年度
(自平成19年4月1日
至平成20年3月31日)
屋内配線工事
29.2
70.8
100
配電線工事
100.0
0.0
100
その他工事
69.8
30.2
100
当事業年度
(自平成20年4月1日
至平成21年3月31日)
屋内配線工事
31.4
68.6
100
配電線工事
100.0
0.0
100
その他工事
76.8
23.2
100

(注) 百分比は請負金額比である。

 

(3) 完成工事高

 

期別
区分
東北電力㈱
(百万円)
官公庁
(百万円)
民間
(百万円)

(百万円)
前事業年度
(自平成19年4月1日
至平成20年3月31日)
屋内配線工事
815
10,561
51,874
63,251
配電線工事
46,625
7
2,096
48,730
その他工事
32,709
1,475
50,408
84,593
80,150
12,044
104,379
196,575
当事業年度
(自平成20年4月1日
至平成21年3月31日)
屋内配線工事
681
7,596
49,720
57,998
配電線工事
46,473
11
1,041
47,527
その他工事
34,006
840
31,856
66,703
81,161
8,449
82,619
172,229

(注) 1 完成工事のうち主なものは、次のとおりである。

前事業年度 請負金額8億円以上の主なもの

㈱福田組
・イオン新潟南ショッピングセンター新築(電気・機械設備)工事
新潟市
・新潟市民病院移転新築電気設備工事
JA福島厚生連
・白河厚生総合病院移転新築(電気設備)工事
西松・三井住友特定建設
工事共同企業体
・いわき駅前地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築(電気設 備)工事
㈱錢高組
・(仮称)LaLaガーデン春日部計画新築(機械設備)工事

当事業年度 請負金額8億円以上の主なもの

二又風力開発㈱
・六ヶ所村二又風力発電所施設建設工事
TDK㈱
・TDK−MCC本荘工場電気設備工事
㈱福田組
・イオン大曲ショッピングセンター棟(電気・機械設備)工事
安藤建設㈱
・ララガーデン川口新築(機械設備)工事
大館市
・大館市立総合病院増改築事業電気設備工事

2 完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりである。

前事業年度

東北電力㈱
80,150百万円
40.8%

当事業年度

東北電力㈱
81,161百万円
47.1%

 

(4) 手持工事高(平成21年3月31日現在)

 

区分
東北電力㈱
(百万円)
官公庁
(百万円)
民間
(百万円)

(百万円)
屋内配線工事
91
7,984
18,909
26,985
配電線工事
8,444
913
9,357
その他工事
13,269
588
10,204
24,062
21,805
8,573
30,026
60,405

(注) 手持工事のうち請負金額16億円以上の主なものは、次のとおりである。

東北電力㈱
・北上幹線新設工事(鉄塔 第1工区)
平成21年12月完成予定
東北電力㈱
・北上幹線新設工事(鉄塔 第7工区)
平成21年11月完成予定
㈱錢高組
・(仮称)ららぽーと新三郷新築(機械設備)工事
平成21年8月完成予定
清水建設㈱
・大手町一丁目地区第一種市街地再開発事業(全体共用
 電気設備工事)
平成21年4月完成予定
東北電力㈱
・十和田幹線新設(鉄塔)工事
平成21年10月完成予定

 

3 【対処すべき課題】

当社グループを取り巻く環境は、世界金融危機に伴う日本経済状況の悪化、世界景気の一層の下振れ懸念や為替変動などによる輸出産業の急速な業績悪化、企業に対する社会的責任の要求増大、世界・国レベルの地球温暖化対策の加速化など刻々と変化してきている。
 建設市場においては、公共投資の抑制基調に加え、日本経済状況の悪化に伴う設備投資の減少により一般民間工事の価格競争激化が予想され、引き続き厳しい状況が続くものと思われる。

一方、電力設備投資については、短期的には抑制の影響により工事量が減少するものの、中長期的には電力安定供給のための既存設備の改修や設備保全対策工事など安定的に推移するものと見込まれる。

このような状況下において、当社グループは「安全の確保」と「業務品質の向上」を最優先課題とし、「市場競争力の強化と企業信頼度の向上」を中期基本目標に掲げ、「社会から信頼され、お客さまから選択される企業」の実現を目指し、以下の4つの戦略を展開していく。

 

(1) 安全・業務品質向上戦略

安全の確保及び施工品質の向上に向け現場支援体制を強化するほか、適正処理の確実な実践に向けた指導を強化することにより、安全と施工品質のさらなる向上と業務処理の適正化を推進する。

 

(2) 受注戦略

設備投資の減少や価格競争が激化している現状を踏まえ、提案営業を主体とした開発営業の強化や市場動向に的確に対応した営業活動の展開により有利受注獲得に取り組んでいく。
 一般民間工事においては、関東圏における積極的な営業活動の実施による大型物件の獲得並びに太陽光・風力などの新エネルギー関連工事やお客さまのニーズに応えたリニューアル工事に加え、地上デジタル化工事の受注拡大に注力するほか、東北電力企業グループ関連企業との連携強化により一般顧客からの受注拡大を目指していく。
 また、電力工事においては、引き続き電力安定供給を支える一員としてその役割を果たしていくとともに、施工能力を最大限活用するほか、発注計画を見据えた営業活動の展開により確実に工事量を確保していく。

 

(3) 原価低減戦略

ローコスト体制を構築するため、予実算管理の徹底と効率的な支出による諸経費の節減合理化を推進するとともに、技術力や提案力を重視した原価構築機能を強化する。

 

(4) 経営基盤強化戦略

確実な業務遂行を実践するため、企業倫理・法令遵守の徹底を図るほか、内部統制システムの運用と評価に向けた取り組みを着実に実行していく。
 また、近い将来高い確率で発生が予想される巨大地震などの大規模災害に備え、行動マニュアルに基づく体制整備などを実施し、危機管理体制のさらなる強化に取り組んでいく。
 加えて、高度な専門知識、技術を有する人材など次世代を担う社員の育成を図るほか、環境関連法令改正に適切に対応していくとともに、環境配慮型経営を推進する。
 さらに、当社グループ各社の役割の明確化と効率的な事業運営体制の構築により、グループ経営力を強化していく。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがある。当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存である。
 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

 

(1) 新規受注の減少

公共工事並びに電力設備投資について予想を上回る削減が行われた場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(2) 取引先の信用リスク

建設業においては、工事目的物の引渡後に工事代金が支払われる条件で契約が締結される場合が多く、このため工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

(3) 材料価格の変動

工事材料の価格が高騰した際、請負金額に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性がある。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項なし

 

6 【研究開発活動】

厳しい経営環境が継続する中で、経営課題に的確に応え実効ある技術開発力の充実・強化が肝要であることから「受注拡大に向けた技術開発」等を主な目的とし基本方針を策定するとともに、具体的な実施計画と推進方策により技術開発を短期間で完成させ、お客さまと各施工現場のニーズに応えることのできる技術開発に取り組んでいる。

[基本方針]

1.受注拡大

2.原価低減

3.経営基盤強化

4.新規分野推進

当連結会計年度における研究開発費は、159百万円であった。また、当連結会計年度の主な研究開発件名の状況は次のとおりである。

なお、子会社において研究開発活動は特段行っていない。

 

(設備工事業)

(1) 間接活線工法の拡大に関する研究

作業停電の回避や無停電化等、配電工事を取り巻く社会環境は益々高度化・多様化し、作業は活線作業の増加等で厳しい環境にあることから、間接活線工法の「作業環境改善」「作業安全の向上」等を目的とした新技術・新工法の改良改善を実施している。

 

(2) 捻れ振動による基礎調査工法の適用拡大

既設送電鉄塔の基礎形状を地上より捻れ振動解折技術を用い基礎形状のデータベース化を構築するものであり、送電鉄塔基礎調査の精度向上及び解折値の信頼向上をはかるため、既開発技術に改良を加え装置の潜在能力を向上させ適用範囲の拡大による提案受注を戦略的に推進する。

 

(3) 地震感知システムの研究開発

緊急地震速報を利用した地震感知システムを顧客ニーズに即した他のシステムとの連動など当社独自の応用システムを構築し、早期参入の一助とする。

 

(4) ボイラー併用式電化給湯システムの調査研究

寒冷地における一般的な給湯熱源であるガス・油焚きボイラーとエネルギーコストにおいて安価なヒートポンプ給湯機の併用運転システムなど当社独自システムを構築し、エネルギーコストの削減をはかる提案受注の拡大を推進する。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

当社グループにおける財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりである。  

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものである。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。この連結財務諸表の作成にあたり、経営者は、見積りが必要な事項については過去の実績や現状等を考慮し、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っている。但し、将来に関する事項には不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性がある。

 

(2) 当連結会計年度末の財政状態の分析

当社グループの当連結会計年度末の財政状態は、資産合計は163,674百万円となり、前連結会計年度末に比べ5,267百万円減少した。これは、完成工事未収入金等の売掛債権の回収などによるものである。
 負債合計は76,105百万円となり、前連結会計年度末に比べ7,544百万円減少した。これは、工事未払金等の支払債務の減少などによるものである。
 純資産合計は87,568百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,276百万円増加した。これは、利益剰余金が増加したことなどによるものである。

 

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が前連結会計年度に比べ24,987百万円減少し、181,984百万円となり5期ぶりの減収となった。売上高減少の主な要因は、前年度に大型工事を計上した反動によるものである。
 経常利益は、前連結会計年度に比べ360百万円増加し6,480百万円となり4期連続の増益となった。経常利益増加の主な要因は、施工の効率化による原価低減及び一般管理費の減少によるものである。
 また、当期純利益は貸倒引当金戻入額を特別利益に計上したことから、前連結会計年度に比べ578百万円増加し3,293百万円となり2期ぶりの増益となった。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループにおける完成工事高の計上基準について、平成21年3月期までは長期大型の工事を除き工事完成基準を適用していたが、企業会計基準委員会の「工事契約に関する会計基準」(企業会計基準第15号)及び「工事契約に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第18号)に基づき、平成22年3月期より請負工事に係る収益の計上について、原則として工事進行基準を適用することとしており、適用初年度である平成22年3月期は工事進行基準対象工事の進捗度相当の収益が増加する影響がある。

 

(5) 経営戦略の現状と見通し

経営戦略の現状と見通しについては、「第2事業の状況 3対処すべき課題」に記載しているとおりである。

(6) 経営者の問題意識と今後の方針について

当社グループの経営陣は、「ユアテックはお客さまの心ゆたかな価値の創造に協力し、社会の発展に貢献します。」を企業理念に掲げ、電力安定供給への貢献という社会的使命を果たしつつ、総合設備エンジニアリング企業としてお客さまに満足していただける商品を提供し、社会生活・文化の向上に寄与することにより「企業価値の向上」を実現していく方針である。
 なお、中期経営計画における具体的施策は次のとおりである。

○具体的施策
  ① 経費削減や提案営業の強化による収益性の向上
  ② 効率的な業務推進体制の構築
  ③ 生産性向上に寄与する技術力の向上
  ④ 次世代を担う社員の育成
  ⑤ 大規模自然災害への対応強化
  ⑥ 企業倫理・法令の遵守並びに誠実で透明性のある事業運営の実践
  ⑦ 環境配慮型経営の推進

 

 





出典: 株式会社ユアテック、2009-03-31 期 有価証券報告書