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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における当社グループを取り巻く受注環境は、環境設備事業部門におきましては不動産業など民間非製造業の建設投資は好調に推移したものの、官公庁市場の縮小が常態化していることもあって、民間部門では激しい受注競争が続きました。さらに期初より採算重視の受注姿勢で臨んだ結果、環境設備事業部門の受注工事高は前年同期を34.6%下回る457億円にとどまりました。

産業設備事業部門は電気電子機器・同部品・精密機械・医薬品など民間製造業の国内での設備投資が拡大するとともに東南アジア、中国などの海外投資も活発に行われたため、同事業部門の受注工事高は前年同期比13.5%増加の853億円となりました。

塗装設備事業部門につきましては日系自動車メーカーの中国、東南アジアを始めとする世界各地での新工場建設が急増し、市場は急激に拡大しました。塗装設備事業部門への人員シフトを進めて受注に努めましたことにより、同事業部門の受注工事高は前年同期比29.2%増加の743億円と過去最高となりました。三事業部門合わせた受注工事高は前年同期より1.3%増加の2,054億円と2年連続で2,000億円台を確保いたしました。

このような事業環境の下で、当社グループは環境設備・産業設備・塗装設備の各事業部門において、売上高と利益の確保に注力いたしました結果、当連結会計年度における完成工事高は前年同期を5.3%上回る2,065億円となりました。(受注工事高及び完成工事高の内訳は下表に表示しております。)

完成工事総利益につきましては、当連結会計年度の完成工事高が前年同期比104億円増加しましたが、原価低減への取り組みにもかかわらず完成工事原価が107億円増加したことにより、完成工事総利益は前年同期比3億6百万円減少の193億14百万円となりました。

販売費及び一般管理費につきましては、前年同期比4億93百万円増加し、144億11百万円となりました。この結果、営業利益は、会計処理の変更によりまして、従来の方法によった場合に比べ7億49百万円多く計上されておりますが、前年同期比7億99百万円減少の49億3百万円となりました。

営業外収支はおおむね前年同期並みに推移したことにより、経常利益は前年同期比8億65百万円減少の54億90百万円となりました。また、保有有価証券の処分による売却益4億99百万円や固定資産処分益2億48百万円などを特別利益に計上いたしましたが、当期純利益は前年同期を7億28百万円下回る25億88百万円となりました。

減益の最大の要因は環境設備事業部門の収益悪化であります。民間下請の不採算工事の増加により環境設備事業部門の収益力は大きく低下いたしました。また、産業設備事業部門の一部の在外連結子会社における工事損失の発生も利益低下要因となりました。

 

 

区分

前連結会計年度

(自 平成16年4月1日

至 平成17年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 平成17年4月1日

至 平成18年3月31日)

(百万円)

 

前年同期比

(%)

 

受注工事高

 

 

 

 環境設備

70,002

45,774

△34.6

 産業設備

75,228

85,390

13.5

 塗装設備

57,546

74,329

29.2

202,777

205,493

1.3

(うち海外)

(67,154)

(95,476)

(42.2)

完成工事高

 

 

 

 環境設備

72,251

52,659

△27.1

 産業設備

72,005

86,605

20.3

 塗装設備

51,882

67,311

29.7

196,139

206,577

5.3

(うち海外)

(66,394)

(85,670)

(29.0)

(注) 「第2 事業の状況」における各事項の記載については、消費税等抜きの金額で表示しております。

 

    ① 事業の種類別セグメント

 当社及び連結子会社の事業内容は、設備工事業及び関連する事業を行っているので、この事業以外に開示の対象とするセグメントはありません。

    ② 所在地別セグメント

 当社及び連結子会社の所在地別セグメントの業績は次のとおりであります。

(日本)      売上高は1,424億43百万円と前年同期に比べ1.1%の増収となり、営業利益は前年同期比10.5%増加の27億56百万円となりました。

(北米)      売上高は122億44百万円と前年同期に比べ10.4%の増収となりましたが、営業利益は前年同期に比べて6億35百万円減少の2億30百万円となりました。

(東南アジア)   売上高は274億41百万円と前年同期に比べ18.5%の増収となり、営業利益は前年同期比25.3%増加の7億3百万円となりました。

(東アジア)    売上高は160億11百万円と前年同期に比べ16.1%の増収となりましたが、営業利益は前年同期に比べて8億46百万円減少の1億8百万円となりました。

(その他の地域)  売上高は84億37百万円と前年同期比16.8%の増収となり、営業利益は前年同期比25.7%増加の9億1百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度は営業活動によるキャッシュ・フローでは45億24百万円、財務活動によるキャッシュ・フローでは11億15百万円とそれぞれ資金減少となりましたが、投資活動によるキャッシュ・フローでは86百万円の資金増加となりました。この結果、現金及び現金同等物(手元資金)の期末残高は、前連結会計年度末比45億8百万円減少の169億4百万円となりました。

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの主な資金減少要因は、たな卸資産の増加額83億63百万円、受取手形及び完成工事未収入金の売上債権の増加額57億14百万円、及び法人税等の支払額40億47百万円などであります。一方、主な資金増加要因は、税金等調整前当期純利益の61億69百万円、未成工事受入金の増加額35億93百万円、支払手形及び工事未払金の仕入債務の増加額16億75百万円、立替金の減少額12億86百万円、及び減価償却費10億7百万円などであります。この結果、営業活動によるキャッシュ・フローは差引45億24百万円の資金減少(前連結会計年度は37億64百万円の資金増加)となりました。

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローでの11億15百万円の資金減少(前連結会計年度は14億47百万円の資金増加)は、配当金の支払15億54百万円及び自己株式の取得額11億49百万円等であり、資金の増加は長短借入金の純増額15億88百万円などであります。

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローでの86百万円の資金増加(前連結会計年度は12億59百万円の資金減少)は、主に投資有価証券・有形固定資産及び無形固定資産売却による収入額19億36百万円によるものであり、資金の減少は投資有価証券・有形固定資産及び無形固定資産の取得額19億14百万円などであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当連結企業集団が営んでいる事業の大部分を占める設備工事業では生産実績を定義することが困難であり、設備工事業においては請負形態をとっているため販売実績という定義は実態にそぐいません。

よって、受注及び売上の状況については「1業績等の概要」において部門別に記載しております。

 

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。

設備工事業における受注工事高及び施工高の状況

 

① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

 

期別

区分

前期繰越

工事高

(百万円)

当期受注

工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成

工事高

(百万円)

次期繰越工事高

当期

施工高

(百万円)

手持

工事高

(百万円)

うち施工高

(%、百万円)

前事業年度

(自平成16年

 4月1日

至平成17年

 3月31日)

環境設備

62,812

68,911

131,724

71,180

60,543

19.4

11,747

69,087

産業設備

20,022

52,550

72,572

46,380

26,192

25.5

6,681

50,028

塗装設備

11,351

27,646

38,997

25,663

13,334

21.9

2,915

21,084

94,185

149,108

243,293

143,224

100,069

21.3

21,343

140,199

(うち海外)

(6,171)

(16,442)

(22,614)

(16,472)

(6,142)

(24.4)

(1,497)

(15,865)

当事業年度

(自平成17年

 4月1日

至平成18年

 3月31日)

環境設備

60,543

43,640

104,183

50,751

53,432

31.7

16,941

55,946

産業設備

26,192

55,572

81,764

57,794

23,969

31.4

7,538

58,651

塗装設備

13,334

40,161

53,496

34,148

19,347

31.3

6,052

37,285

100,069

139,374

239,444

142,694

96,749

31.6

30,531

151,883

(うち海外)

(6,142)

(33,353)

(39,495)

(25,549)

(13,946)

(22.9)

(3,197)

(27,250)

(注) 1 前事業年度以前に受注した工事で、契約の更改により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高に、その増減額を含んでおります。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれております。

2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。

3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高−前期繰越施工高)に一致します。

4 当期受注工事高のうち海外工事の割合は、前事業年度11.0%、当事業年度は23.9%であります。

5 前事業年度の海外受注工事高のうち、請負金額5億円以上の主なものは、次のとおりであります。

Changan Ford Automobile

Corporation Ltd.

(中国)

Changan Ford Automobile Corpotarion Ltd.

能力増強工事2期 機材納入

Tianjin Faw Toyota Motor Co.,

Ltd.

(中国)

120,000 Unit/Y Expansion Project In No.1

Plant Paint Shop 機材納入

当事業年度の海外受注工事高のうち、請負金額15億円以上の主なものは、次のとおりであります。

豊田通商㈱

(南アフリカ)

Toyota South Africa Motors (Pty) Ltd

Paint Plant 3

Changan Ford Automobile

Corporation Ltd.

(中国)

Changan Ford Automobile Corporation Ltd.

南京新工場 機材納入

6 前事業年度の期首において、シンガポール支店を事実上閉鎖し連結子会社に事業を継承したため、前事業年度の産業設備の期首繰越工事高から、シンガポール支店に係る繰越工事高2,830百万円を控除しております。

 

② 受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。

 

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自平成16年4月1日

至平成17年3月31日)

環境設備

9.0

37.2

46.2

産業設備

12.4

22.9

35.3

塗装設備

6.9

11.6

18.5

28.3

71.7

100.0

(うち海外)

(4.6)

(6.4)

(11.0)

当事業年度

(自平成17年4月1日

至平成18年3月31日)

環境設備

8.1

23.2

31.3

産業設備

15.2

24.7

39.9

塗装設備

4.8

24.0

28.8

28.1

71.9

100.0

(うち海外)

(4.7)

(19.2)

(23.9)

(注) 百分比は請負金額比であります。

 

③ 完成工事高

 

期別

区分

国内

海外

合計

(B)

(百万円)

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

(A)

(百万円)

(A)/(B)

(%)

前事業年度

(自平成16年4月1日

至平成17年3月31日)

環境設備

17,711

53,469

71,180

産業設備

429

42,081

3,869

8.3

46,380

塗装設備

13,060

12,602

49.1

25,663

18,140

108,611

16,472

11.5

143,224

当事業年度

(自平成17年4月1日

至平成18年3月31日)

環境設備

6,292

44,458

50,751

産業設備

152

50,188

7,454

12.9

57,794

塗装設備

16,053

18,095

53.0

34,148

6,445

110,700

25,549

17.9

142,694

(注) 1 海外工事の地域別割合は、次のとおりであります。

地域

前事業年度(%)

当事業年度(%)

東アジア

49.4

41.7

東南アジア

19.6

25.2

その他

31.0

33.1

100.0

100.0

 

2 完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。

前事業年度 請負金額15億円以上の主なもの

三菱自動車工業㈱

水島製作所向け4600工場 電着装置・塗装ブース・乾燥炉・作業場新設

㈱竹中工務店

汐留D北1街区ビル 給水衛生設備工事

奈良県

奈良県医科大学附属病院整備第2期工事 空調及び給排水衛生設備工事

Changan Ford Automobile

Corporation Ltd.(中国)

Changan Ford Automobile Corporation Ltd.能力増強工事2期 機材納入

㈱竹中工務店

宇都宮ベルモール 空気調和設備工事、給排水衛生工事

当事業年度 請負金額20億円以上の主なもの

三菱地所㈱

(仮称)東京ビル新築工事の内 空気調和設備工事

鹿島建設㈱

富士写真フイルム㈱CL計画空調設備工事、

マツダ㈱

U1塗装工場新設工事

㈱大林組

広島エルピーダメモリ㈱E300第二ライン新築工事用力棟・動力棟配管設備工事他

トヨタ自動車㈱

トヨタ自動車九州第2工場塗装ライン

3 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

④ 手持工事高 (平成18年3月31日現在)

 

区分

国内

海外

合計

(B)

(百万円)

官公庁

(百万円)

民間

(百万円)

(A)

(百万円)

(A)/(B)

(%)

環境設備

11,763

41,668

53,432

産業設備

0

20,821

3,146

13.1

23,969

塗装設備

8,548

10,799

55.8

19,347

11,764

71,039

13,946

14.4

96,749

(注) 手持工事のうち請負金額15億円以上の主なものは、次のとおりであります。

 

阪急電鉄㈱

梅田阪急ビル建替工事のうち機械設備工事

平成21年10月完成予定

 

富士重工業㈱

群馬・矢島工場RN計画塗装ブース設置工事

平成19年10月完成予定

 

大成建設㈱

ザ・ペニンシュラ東京新築工事 空調設備工事

平成19年5月完成予定

 

ソニーセミコンダクタ

九州㈱

ソニーセミコンダクタ九州㈱熊本TEC2号棟新築工事

(空調・生産付帯設備工事)

平成18年4月完成予定

 

ヤンマー建機㈱

ヤンマー建機 塗装設備新設工事

平成18年10月完成予定

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは「環境設備事業部」「産業設備事業部」及び「塗装設備事業部」の三事業部制を敷いております。それぞれの事業部においては、市場環境の変化に適応しながら業績確保の活動を行っております。

昨年来、環境設備事業の市場環境は急速に厳しい状況になっているため、中期的には当社グループの得意分野である産業設備事業と塗装設備事業へ軸足を移した事業展開を行ってまいります。

「環境設備事業」の市場をみますと、民間オフィスビルを中心とする建設投資は都市部を中心に増加傾向にありますが、その絶対量はバブル経済当時と比べて三分の一強の水準に過ぎず、公共投資の減少と相まってビル市場の需給ギャップによる採算低下が顕著になっております。当事業部は採算重視の受注活動を行うとともに、ビルのリニューアル市場に対して独自技術を盛り込んだ省エネルギーシステム提案型の市場開拓を行って事業の再構築を図ってまいります。

「産業設備事業」の市場環境におきましては、電気電子機器・同部品・精密機械・医薬品などの製造業の国内及び海外における活発な設備投資の流れが続いております。当事業部のセールスポイントであるクリーンルームを柱にしながら、省エネルギーシステム・環境対策システムや製造装置周辺領域のエンジニアリング力を向上させて事業を拡大してまいります。また、海外におきましては、中国、東南アジア地域を中心に当社グループの優位性の一つである充実した海外ネットワークを活かして受注の拡大を図ります。

「塗装設備事業」におきましては、日系自動車メーカーの世界各地での市場占有率が徐々に高まり、塗装設備投資が世界的に拡大してきている中で、お客様の要望に応えるべく、安定した品質の確保、短工期化へ対応するノウハウの蓄積、コストダウン等に努めて事業を拡大してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループとして、有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、以下の事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1) 業績の季節的変動

完成工事高の計上基準として、国内では工事完成基準、海外では主に工事進行基準を採用しております。このため、国内では竣工時期が下半期に集中することにより、上半期の完成工事高及び利益の水準が下半期に比べ、著しく低くなる傾向があります。

 

(2) 請負工事における瑕疵担保責任

工事については、顧客との間の工事請負契約において、竣工後一定期間、瑕疵担保責任を負っています。この瑕疵担保責任に伴って発生する補修費用について、過去の実績に基づき完成工事補償引当金を計上しておりますが、当該補修費用が引当金残高を上回って発生する可能性があります。

 

(3) 海外事業展開に伴うリスク

海外各地において展開している事業については、予期しない法規制、政情不安及び経済変動等が、業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、外貨建工事契約に係る請負代金の入金及び発注代金の支払いについては、先物為替予約等のヘッジを実施するなど可能な限り為替リスクを回避しておりますが、なお為替変動によるリスク発生の可能性があります。さらに、連結財務諸表作成にあたっては在外連結子会社の財務諸表を換算するため、為替相場により業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 売上債権回収リスク

受注先に関する与信管理について万全を期しておりますが、受注先の倒産等のため工事代金の債権回収が不能になることにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 価格競争による採算割れ

工事請負事業は、受注競争が激しく、時には採算割れの受注も受け入れる可能性があります。このような場合でも採算割れにならぬよう、コスト削減に努めておりますが、受注物件によっては採算が悪化することにより、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 資材価格の変動

建設資材等を調達するにあたり資材価格が高騰し、これを受注金額に反映させることが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 民間設備投資の変動

主要な顧客である自動車・IT関連企業等は、現在意欲的な設備投資を続けており、当社グループの受注も増加しております。しかし今後、これらの民間設備投資が急激に減退するような事態がある場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8) 資産保有に伴うリスク

営業活動に関連して不動産、有価証券等の資産を保有していることにより、時価の変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 災害・事故

予期しない自然災害、あるいは事故等により損失が発生し、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 法令違反リスク

全社コンプライアンス委員会及びコンプライアンス部の新設等により法令を遵守する経営の徹底に努めてまいりますが、当社の役員又は従業員が法令等を遵守できなかった場合は、当社グループの事業活動が制限され、コスト増、収入減などにつながり、業績に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

6 【研究開発活動】

当連結会計年度における研究開発費は817百万円でありました。

子会社においては、研究開発活動は特段行われておりません。

当社については、以下のとおりであります。

 

研究開発センター(神奈川県愛川町)、座間技術センター(神奈川県座間市)の2研究開発組織において、空調設備及び塗装設備の各分野における技術開発を前連結会計年度に引き続き活発に実施し、多くの成果を得ました。

 

主な研究開発

○自動車ボディ内板塗装用ガン開発

近年、欧米と同様に国内自動車市場においても塗装工場新設時に自動車ボディ内板塗装の自動化導入を計画するケースが多くなってきております。

しかし、従来型の塗装ロボットでは、ドア、ハッチのヒンジ部及びスライドドアー等の奥まった部分の塗装は困難であって、人に頼っているのが実情でありました。また、内板塗装ロボットは走行移動しながら塗装するため、移動装置に内蔵されている塗装ホースの損傷によるトラブルが多く、その未然防止に多大なメンテナンスを必要としていました。

この問題を解決するため、このたび、新型内板塗装ガンを開発いたしました。新型内板塗装ガンは、ガン本体を小型化するとともに、塗料をガン本体内蔵の塗料タンクに充填する構造を採用して多色(20〜30色)用ホースを全く不要にした点が特徴であります。

本装置の採用によって、無人化、色替え時の塗料と洗浄剤のロス防止、メンテナンス費用削減による生産原価低減が可能になるとともに、揮発性有機化合物排出削減による環境負荷低減のメリットが大きくなります。

本装置は既に実ラインに採用され今年1月よりフル稼働中であり、顧客から高い評価を得ております。

今後は、国内外の自動車メーカー各社の内板塗装計画に対して積極的な営業活動を展開し、新規案件の受注拡大を図っていく予定であります。

 

○銀鏡塗装装置の開発

今後、クロムメッキ関連の規制が厳しくなる事を予想し、約2年前から代替技術である銀鏡塗装装置の開発を塗装会社である㈱アドバンスと共同で進めてきましたが、この度、高品質な銀鏡塗装が可能な新型装置を開発いたしました。

新型装置は、硝酸銀溶液とブドウ糖溶液をそれぞれ専用のスプレーガンから噴霧し製品表面で両者を混合させ銀鏡膜を形成する技術を用いている事が大きな特徴であります。

また、各工程には塗装時に製品を回転させる機構、スプレーガンのレシプロ機構等を設けており、あらゆる形状の被塗物にも対応できる仕様としております。

これにより量産化を可能にするとともに、銀鏡塗装時に発生する廃水量の最少化も実現しております。

装置本体は、活性、銀鏡、エアブローを主要工程とする合計11の工程から構成されています。

被塗物の最大サイズが600mmW×600mmL×150mmHの場合にも、装置の概略寸法は2.0mW×2.4mH×13.2mLであり、非常にコンパクトな設備を実現しております。

すでに平成17年末に1号機を受注し、平成18年4月から稼働を開始しております。

銀鏡塗装技術はさまざまな分野の製品に適用できるため、今後さらに多方面への営業活動を行い拡販を進めていく予定であります。

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 工事完成基準の採用による完成工事高の変動状況

当社グループは、完成工事高の計上基準として、国内では工事完成基準を採用しており、このため、国内では竣工時期が下半期に集中していることにより、下半期の完成工事高が上半期に比べて多くなっております。ちなみに、竣工時期としては3月が多く、平成18年3月の完成工事高は個別で57,379百万円であります。

 

 

第61期(平成18年3月)

 

上半期

下半期

合計

 

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

金額(百万円)

構成比(%)

完成工事高(個別)

57,073

40.0

85,621

60.0

142,694

100.0

完成工事高(連結)

82,911

40.1

123,665

59.9

206,577

100.0

また、完成工事高は個別請負契約における竣工期に計上されるため、以下のように年度によって完成工事高に変動が生じております。

 

 

第57期

第58期

第59期

第60期

第61期

 

平成14年3月

平成15年3月

平成16年3月

平成17年3月

平成18年3月

完成工事高(個別)(百万円)

118,018

146,384

140,845

143,224

142,694

完成工事高(連結)(百万円)

159,181

193,743

191,988

196,139

206,577

 

(2) 当期の受注残高及び受注予想をもとにした来期の完成工事高は個別で116,000百万円、連結で170,000百万円になると予想しております。

 

(3) 為替相場の変動による財政状態及び経営成績の変動状況

連結財務諸表を作成するに当たり、在外連結子会社の財務諸表を換算しているため、為替相場の変動により、総資産、キャッシュ・フロー、完成工事高及び経常利益に影響を受けております。主に米ドル、タイバーツ及び中国元の為替変動による影響が大きくあります。

 

 

第57期

第58期

第59期

第60期

第61期

 

平成14年3月

平成15年3月

平成16年3月

平成17年3月

平成18年3月

総資産のうち「為替換算調整勘定」

(百万円)

△699

△1,149

△1,635

△1,820

△986

キャッシュ・フローにおける「現金及び現金同等物に係る換算差額」

(百万円)

479

△681

△1,131

△140

1,044

 

主な在外連結子会社における完成工事高及び経常利益に与える為替変動による影響

 

第60期

第61期

増減

為替変動に

よる影響

A×B

(百万円)

平成17年3月

平成18年3月

TKS

Industrial

Company

*1

完成

工事高

外貨ベース(米ドル 千)

換算レート(円)

円貨ベース(百万円)

102,833

108.06

11,112

A 110,551

110.95

12,265

7,717

B   2.89

1,153

319

経常利益

外貨ベース(米ドル 千)

換算レート(円)

円貨ベース(百万円)

8,866

108.06

958

A  4,622

110.95

512

△4,244

B   2.89

△445

13

Taikisha

(Thailand)

Co.,Ltd

*2

完成

工事高

外貨ベース(タイバーツ 百万)

換算レート(円)

円貨ベース(百万円)

5,755

2.68

15,425

A  6,830

2.75

18,783

1,074

B   0.07

3,358

478

経常利益

外貨ベース(タイバーツ 百万)

換算レート(円)

円貨ベース(百万円)

180

2.68

482

A   152

2.75

418

△27

B   0.07

△63

10

五洲大気社工程有限公司

完成

工事高

外貨ベース(中国元 百万)

換算レート(円)

円貨ベース(百万円)

643

13.06

8,403

A   637

13.57

8,648

△6

B   0.51

244

325

経常利益

外貨ベース(中国元 百万)

換算レート(円)

円貨ベース(百万円)

 55

13.06

731

A    41

13.57

558

△14

B   0.51

△172

20

(注)*1 子会社3社を含んだ連結数値

*2 子会社4社を含んだ連結数値

 

なお、上述した事項には将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 





出典: 株式会社大気社、2006-03-31 期 有価証券報告書