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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

当社は、平成19年6月28日開催の定時株主総会決議により、決算日を3月31日から1月31日に変更いたしました。このため、当連結会計年度は、平成19年4月1日から平成20年1月31日までの10ヶ月決算となっております。

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、原油価格の高騰に加え、サブプライムローン問題に端を発する世界規模での信用収縮など、先行きに不透明感が増してきたものの、堅調な企業業績を背景とする企業設備投資が下支えとなり、概ね拡大基調にて推移しました。
 当ディスプレイ業界の事業環境につきましては、企業による販促関連投資の増加に伴い、企業ショールームや企業イベントなど、一部の市場に活発な動きが見られたものの、改正建築基準法の影響により建築着工数が弱含みで推移するなど、依然として不安要素は多く、予断を許さない状況が続きました。
 このような状況のもと当グループは、お客様からご信頼いただけるサービスの提供を目指し、子会社の再編などを通じデザイン・制作機能の強化に努めてまいりました。
 また、これまで培ってきた商業施設に関するノウハウを活かし、商業施設に特化した不動産アセットマネジメント事業に本格参入する目的から、当社全額出資にて株式会社丹青アセットマネジメントを設立するなど、新たな事業分野にも積極的に進出してまいりました。
 しかしながら、競合他社との受注競争が一段と激しさを増したことにより、コスト改善に向けた取組みが追いつかず、収益面で伸び悩む結果となりました。
 この結果、当連結会計年度の売上高は455億63百万円となり、営業損失は14億円、経常損失は13億29百万円、当期純損失は9億28百万円となりました。
 なお、当連結会計年度の受注高は、521億67百万円となりました。

 

事業の種類別セグメントの業績は、次のとおりです。

(a) 商業施設分野

商業施設分野では、「東急ハンズ銀座店」や「GUCCI金沢」などの新装工事を手がけ、専門店市場の売上は概ね前年同期並みに推移しました。しかしながら、受注競争の激化に加え、改正建築基準法に伴う建築着工数の減少などの影響を受け、大型店市場や食料品・飲食店市場の売上は前年同期に比べ低調に推移しました。この結果、商業施設分野の売上高は264億78百万円、営業利益は12億7百万円となりました。

(b) 恒久展示施設分野

恒久展示施設分野では、「国立科学博物館 日本館」の展示工事などを手がけ、博物館市場の売上は前年同期に比べ堅調に推移しました。一方、ショールーム市場では、「INAX 堺ショールーム」などの企業ショールームを多数担当したものの、受注競争の激化により、利益は前年同期に比べ低調に推移しました。この結果、恒久展示施設分野の売上高は28億88百万円、営業損失は2億25百万円となりました。

(c) 短期展示施設分野

短期展示施設分野では、「第40回東京モーターショー2007」において、トヨタブースやホンダブースなどの大型展示を多数担当したことにより、展示会市場の売上は前年同期に比べ堅調に推移しました。また、「富士通フォーラム2007」などの企業イベントを手がけ、イベント市場の売上も前年同期に比べ堅調に推移しました。この結果、短期展示施設分野の売上高は52億83百万円、営業利益は1億54百万円となりました。

(d) その他の分野

その他の分野では、「成田空港ナリタ五番街直営店」などの空港施設や、「JR新神戸駅」の構内施設リニューアルを手がけ、一般公共施設市場の売上は前年同期に比べ堅調に推移したものの、アミューズメント施設市場の一部で店舗投資に弱さが見られ、売上は前年同期に比べ低調に推移しました。この結果、その他の分野の売上高は109億12百万円、営業利益は9億57百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、現金及び現金同等物の増加額が1億27百万円となり、当連結会計年度末の残高は48億46百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、10億10百万円の収入となりました。これは、主に税金等調整前当期純損失を13億47百万円計上したことに加え支払手形・工事未払金等が71億22百万円減少し、未成工事支出金等が19億12百万円増加したものの、受取手形・完成工事未収入金等が120億82百万円減少し、未成工事受入金が10億16百万円増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、7億27百万円の支出となりました。これは、主に有形固定資産及び投資有価証券の取得による支出4億38百万円に加え、敷金保証金の差入により1億50百万円を支出したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1億58百万円の支出となりました。これは、短期借入金を3億円返済する一方で同額の社債を発行したため、この部分での収支においては影響がなく、主に配当金1億72百万円の支払いによるものであります。

 

(注) 1 「第2 事業の状況」に記載の売上高、受注高、手持高等の金額には、消費税等は含まれておりません。

     2 当連結会計年度は決算期変更に伴う10ヶ月決算であるため、比較増減に関する記載は行っておりません。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 受注実績

 

事業の種類別セグメントの名称
前連結会計年度
(自 平成18年4月1日
至 平成19年3月31日)
(千円)
当連結会計年度
(自 平成19年4月1日
至 平成20年1月31日)
(千円)
商業施設分野
43,578,556
28,599,867
恒久展示施設分野
8,001,766
5,107,869
短期展示施設分野
3,548,168
5,489,405
その他の分野
17,016,262
12,970,039
合計
72,144,753
52,167,180

 

(2) 売上実績

 

事業の種類別セグメントの名称
前連結会計年度
(自 平成18年4月1日
至 平成19年3月31日)
(千円)
当連結会計年度
(自 平成19年4月1日
至 平成20年1月31日)
(千円)
商業施設分野
40,942,656
26,478,929
恒久展示施設分野
10,551,223
2,888,496
短期展示施設分野
3,682,925
5,283,302
その他の分野
17,272,816
10,912,499
合計
72,449,621
45,563,227

 

(3) 手持実績

 

事業の種類別セグメントの名称
前連結会計年度
(平成19年3月31日) 
(千円)
当連結会計年度
(平成20年1月31日)
(千円)
商業施設分野
5,263,147
7,384,085
恒久展示施設分野
1,804,696
4,024,068
短期展示施設分野
118,815
324,917
その他の分野
3,020,041
5,077,581
合計
10,206,700
16,810,653

(注) 1 当グループでは生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。

     2 当連結会計年度は決算期変更に伴う10ヶ月決算であるため、比較増減に関する記載は行っておりません。

なお、参考のため提出会社個別の事業の状況は、次のとおりであります。

① 受注高、売上高、繰越高及び施工高

 

期別
種類別
前期
繰越高
(千円)
当期
受注高
(千円)
(千円)
当期
売上高
(千円)
次期繰越高
当期
施工高
(千円)
手持高
(千円)
うち施工高
(%)
(千円)
第49期

自 平成18年
  4月1日
至 平成19年
  3月31日
建設事業
 建築工事
306,169
1,326,573
1,632,742
1,611,426
21,316
51.4
10,963
1,523,917
 新装工事
2,394,945
28,772,909
31,167,855
27,126,552
4,041,302
34.9
1,411,845
27,961,481
 改装工事
1,165,716
17,097,867
18,263,584
16,446,946
1,816,637
14.7
267,656
16,511,351
 展示工事
4,513,743
10,686,464
15,200,208
13,599,362
1,600,845
15.6
250,236
12,429,340
8,380,574
57,883,815
66,264,390
58,784,288
7,480,101
25.9
1,940,700
58,426,091
設計・その他
1,520,727
7,287,612
8,808,340
7,081,125
1,727,214
49.3
851,805
7,228,881
合計
9,901,302
65,171,428
75,072,730
65,865,414
9,207,316
30.3
2,792,506
65,654,972
第50期

自 平成19年
  4月1日
至 平成20年
  1月31日
建設事業
 建築工事
21,316
926,875
948,191
808,788
139,403
64.8
90,346
888,172
 新装工事
4,041,302
17,028,833
21,070,135
16,626,001
4,444,134
26.3
1,168,109
16,382,266
 改装工事
1,816,637
10,160,012
11,976,650
9,897,388
2,079,262
12.9
268,626
9,898,358
 展示工事
1,600,845
10,950,534
12,551,379
7,721,401
4,829,978
23.8
1,151,877
8,623,042
7,480,101
39,066,256
46,546,358
35,053,579
11,492,778
23.3
2,678,960
35,791,839
設計・その他
1,727,214
6,331,621
8,058,836
4,351,313
3,707,522
51.1
1,896,275
5,395,782
合計
9,207,316
45,397,878
54,605,194
39,404,892
15,200,301
30.1
4,575,235
41,187,621

(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に増減のあるものについては、当期受注高にその増減額を含みます。したがって、当期売上高にもかかる増減額が含まれます。

2 次期繰越高の施工高は、支出金により手持高の施工高を推定したものであります。

3 当期施工高は、(当期売上高+次期繰越施工高−前期繰越施工高)に一致します。

 

② 売上高の受注方法別比率

売上高の受注方法は、特命と競争に大別されます。

 

期別
区分
特命(%)
競争(%)
計(%)
第49期

自 平成18年4月1日
至 平成19年3月31日
建設事業
 建築工事
2.1
0.3
2.4
 新装工事
20.9
20.3
41.2
 改装工事
14.1
10.9
25.0
 展示工事
7.0
13.6
20.6
44.1
45.1
89.2
設計・その他
7.6
3.2
10.8
合計
51.7
48.3
100.0
第50期

自 平成19年4月1日
至 平成20年1月31日
建設事業
 建築工事
1.4
0.7
2.1
 新装工事
23.9
18.3
42.2
 改装工事
13.4
11.7
25.1
 展示工事
9.4
10.2
19.6
48.1
40.9
89.0
設計・その他
7.2
3.8
11.0
合計
55.3
44.7
100.0

(注) 百分比は、売上高金額比であります。

 

③ 売上高

 

期別
区分
国内
海外(千円)
合計(千円)
官公庁(千円)
民間(千円)
第49期

自 平成18年4月1日
至 平成19年3月31日
建設事業
 建築工事
10,491
1,600,935
1,611,426
 新装工事
385
27,126,167
27,126,552
 改装工事
186,252
16,153,789
106,903
16,446,946
 展示工事
5,463,437
7,955,466
180,458
13,599,362
5,660,566
52,836,359
287,361
58,784,288
設計・その他
1,066,590
5,917,539
96,996
7,081,125
合計
6,727,157
58,753,899
384,358
65,865,414
第50期

自 平成19年4月1日
至 平成20年1月31日
建設事業
 建築工事
5,153
803,635
808,788
 新装工事
16,562,801
63,200
16,626,001
 改装工事
784
9,896,084
519
9,897,388
 展示工事
1,180,171
6,500,958
40,271
7,721,401
1,186,109
33,763,479
103,990
35,053,579
設計・その他
155,308
4,083,218
112,786
4,351,313
合計
1,341,417
37,846,698
216,777
39,404,892

(注) 1 売上高のうち主なものは、次のとおりであります。

第49期の売上高のうち請負金額5億円以上の主なもの

島根県
島根県古代出雲歴史博物館展示工事
㈱グッチグループジャパン
GUCCI銀座店新装工事
独立行政法人国立科学博物館
国立科学博物館本館改修展示工事
兵庫県
兵庫県立歴史博物館展示改装工事
浜友観光㈱
楽園柏店新装

第50期の売上高のうち請負金額3億円以上の主なもの

㈱電通
第40回東京モーターショー トヨタブース展示工事
㈱ラウンドワン
ラウンドワン盛岡店新装
鹿島建設㈱
JAL成田空港ラウンジ新装工事
㈱三越環境デザイン
日本橋三越B1階内装工事
東京瓦斯㈱
「炎」の大感謝祭 東京ガス1000万件謝恩フェア展示装飾

2 第49期及び第50期ともに売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

 

④ 手持高(平成20年1月31日現在)

 

区分
国内
海外(千円)
合計(千円)
官公庁(千円)
民間(千円)
建設事業
 建築工事
7,000
132,403
139,403
 新装工事
4,444,134
4,444,134
 改装工事
2,079,262
2,079,262
 展示工事
2,948,685
1,701,292
180,000
4,829,978
2,955,685
8,357,092
180,000
11,492,778
設計・その他
891,410
2,586,930
229,182
3,707,522
合計
3,847,096
10,944,022
409,182
15,200,301

(注) 手持高のうち請負金額4億円以上の主なものは、次のとおりであります。

福井県
福井県子ども家族館展示工事
平成20年7月完成予定
豊橋市
豊橋市こども関連施設等展示製作
平成20年5月完成予定
学校法人國學院大學
國學院大學新博物館展示工事
平成20年3月完成予定
十和田市
十和田市現代美術館アート工事
平成20年3月完成予定
㈱ラウンドワン
ラウンドワン札幌白石店新装
平成20年3月完成予定

 

3 【対処すべき課題】

今後の見通しにつきましては、引き続き企業業績は堅調に推移することが期待されるものの、原油などの資源価格の高騰や収束の兆しが見えないサブプライムローン問題など、未だ不安要素は払拭されず、先行きに不透明感が強まっております。 
 当グループを取り巻く環境につきましては、企業販促投資に底堅さが見込まれるものの、受注競争は一段と激しさを増すことが予想され、依然として厳しい状況が続くものと考えられます。

このような状況のもと当グループは、業界のリーディングカンパニーとして次の課題に積極的に取り組んでまいります。

(1) 空間づくりにおける総合品質保証を徹底し、お客様から継続的に高い信頼をお寄せいただける企業、すなわち「信頼市場No.1」を目指してまいります。そのために、「ものづくり力」「専門力」「利益創出マネジメント力」の3つの力を強化してまいります。

① 空間づくりにおいて、企画・デザインなどの付加価値を一体的に提供できる体制を整備し、お客様のニーズに適った高い品質の空間を創造するための「ものづくり力」の強化に努めてまいります。

② 市場特性に応じた顧客対応体制を整備するとともに、顧客ニーズを実現するために最適な業務の運用を追求し、「専門力」の強化に努めてまいります。

③ 利益管理手法や人事制度の継続的改善に取り組み、利益を確保するために必要な「利益創出マネジメント力」を強化することで、持続的成長を可能とする経営基盤の構築に努めてまいります。

(2) 商業施設のプロパティマネジメント事業や海外市場の開拓、不動産ファンドの運用事業等、積極的に新たな成長分野への事業展開を推進してまいります。

(3) 新しい価値を求めて多様化、複合化するお客様のニーズに対し、創造性、効率性を兼ね備えたクオリティーの高いサービスを提供するため、人材の育成に積極的に注力し、営業力、技術力及びデザイン力の強化・向上に努めてまいります。

(4) グループ経営全般にわたる構造改革を推進し、関係会社各社の特長を活かし事業領域を拡大することによって、経営基盤の強化をはかってまいります。

(5) 企業の社会的責任の観点から、ISO14001の実践による環境負荷の低減やユニヴァーサルデザインへの取組み、プライバシーマーク制度に基づく個人情報保護体制の構築など、適正かつ適法に事業活動を展開するための体制の整備に取り組んでまいります。
 

なお、当社は、平成20年3月21日開催の取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(以下、「基本方針」といいます。)を決定するとともに、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして、当社株式の20%以上の取得行為(以下、「大規模買付行為」といいます。)への対応策(以下、「本プラン」といいます。)を導入することを決議し、平成20年4月24日開催の第50回定時株主総会にて承認されました。その概要については、以下のとおりであります。

(1) 基本方針の内容

当社グループは、人と人、人とモノ、人と情報が行き交う空間を「社会交流空間」ととらえ、空間やメディアを有効活用し、魅力ある「社会交流空間」の創造を通じて豊かな生活の実現に貢献することを経営理念とし、創業以来事業を展開してまいりました。
 現在では、百貨店やショッピングセンター、各種専門店などの商業施設をはじめ、博物館や美術館、企業ショールームなどの恒久展示施設、博覧会や各種イベントといった短期展示施設、さらにはオフィスやシネマコンプレックス、ボウリング場などのアミューズメント施設まで、幅広い施設づくりを事業領域としております。
 当社グループは、事業領域を拡大する過程において、上記に掲げる各種施設の調査、研究、企画、設計、施工、監理及びこれらに関連する事業活動に関する経営ノウハウを着実に積み重ねてまいりました。また、株主や従業員、さらには委託先、取引先などの各ステークホルダーとの間に、長期にわたり強固な信頼関係を構築してまいりました。
 これらは、当社グループの中長期的な成長を支える基盤であり、まさに企業価値を生み出す源泉であると考えております。
 最近の大規模買付行為事例においては、買付対象会社の事業特性及び企業価値を生み出す源泉となる部分を軽視し、企業価値を毀損する可能性のある提案が散見されます。当社取締役会は、これらの提案が最終的には株主の皆様の多数意見によって決定されるべきであると認識しておりますが、企業価値の毀損を避けることが中長期的な企業価値を保全し株主共同の利益に資するものであることに鑑み、このような提案を行う者は当社の経営を支配する者として不適当であると認識しており、当該提案を受けた場合、適宜適切な対応を行ってまいる所存であります。

(2) 本プランの内容(基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み)

① 本プラン導入の目的 

本プランは、上記(1)に述べた基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みとして導入するものであります。
 当社株式に対する大規模買付行為が行われた際に、株主の皆様が適切な判断を行うための必要かつ十分な情報及び時間を確保したり、大規模買付者と交渉を行うこと等により、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としております。

② 本プランの概要

本プランは、当社株式に対する大規模買付行為が行われるにあたり、株主の皆様が適切な判断を行うための必要かつ十分な情報及び時間を確保する目的から、当社取締役会が定める大規模買付者が従うべき大規模買付ルールと、大規模買付行為に対して当社が取りうる対抗措置から構成されております。当社取締役会は、大規模買付ルールの遵守を大規模買付者に求め、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合又は大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合に、新株予約権の無償割当て等による対抗措置の発動を決議いたします。
 また、当社は、当社取締役会による判断の客観性を担保する観点から、当社と独立した立場にある社外監査役又は社外の有識者で構成される独立委員会を設置することとし、当社取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、対抗措置の発動の是非を決定するものとします。

(3) 本プランが基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社の会社役員の地位の維持を目的とするものでないことについて

① 買収防衛策に関する指針の要件をすべて充足していること

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性の原則)をすべて充足しております。

② 株主共同の利益の確保・向上を目的としていること

本プランは、当社株式に対する大規模買付行為が行われた際に、株主の皆様が当該大規模買付行為に応じるべきか否かを判断するために必要な情報や時間を確保し、株主の皆様のために大規模買付者と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的に導入するものです。

③ 株主意思を尊重していること

本プランは、平成20年4月24日開催の第50回定時株主総会において株主の皆様のご承認をいただきました。
 また、本プランの有効期間は、平成23年の当社定時株主総会終結の時までと設定されておりますが、その時点までに当社株主総会において本プランの変更又は廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランは当該決議に従い変更又は廃止されることとなり、株主の皆様の意向を反映することが可能なものとなっております。

④ 独立性の高い社外者の判断の重視

当社は、本プランの導入に当たり、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために本プランの運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として独立委員会を設置しております。
 独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、当社の社外監査役又は社外の有識者から選任される委員3名以上により構成されます。
 また、独立委員会の判断概要については必要に応じ株主の皆様に情報を開示することとし、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資する範囲で本プランの透明な運営が行われる仕組みを確保しております。

⑤ 第三者専門家の意見の取得

本プランにおいて独立委員会は、大規模買付者が出現すると、当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家等)の助言を受けることができるとしております。これにより、独立委員会による判断の公正さ及び客観性がより強く担保される仕組みとなっております。

⑥ デッドハンド型もしくはスローハンド型買収防衛策ではないこと

本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により廃止することが可能です。したがって、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
 また、当社は取締役の期差選任を行っていないため、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成20年4月25日)現在において当グループが判断したものであります。

(1) 経済動向

当グループの事業は、国内経済の動向により影響を受けます。

例えば、個人消費の低迷により小売業の設備投資が減少した場合、百貨店や専門店等の商業施設分野の売上は影響を受ける可能性があります。同様に、企業収益の悪化により企業の販促関連投資が減少した場合、展示会等の短期展示施設分野の売上は影響を受ける可能性があります。

また、政府及び地方自治体の財政状態の悪化により公共投資が削減された場合、博物館・美術館等の文化施設を含む恒久展示施設分野の売上は影響を受ける可能性があります。

(2) 法的規制

当グループは、事業活動を営む上で建設業法、建築基準法、宅地建物取引業法、建築士法、独占禁止法、金融商品取引法等様々な法規制の適用を受けており、その遵守を義務づけられております。

当グループではこれらの法規制を遵守すべく、内部統制機関として監査室を設置する等コンプライアンスを重視した経営を行っておりますが、もしこれらの規制を遵守できなかった場合、当グループの事業活動の範囲は制限され機会利益を失う可能性があります。

(3) 設計・施工物件の品質・安全性

近年建築物の品質・安全性につきましては、一層の配慮が要求されております。

当グループでは、設計・施工物件の品質向上・安全性確保をはかる目的から、専任の品質・安全管理部門の設置や社内教育の実施等万全の体制を構築しておりますが、当グループが設計・施工業務を受託した施設において、欠陥が見つかる可能性を完全に否定することはできません。そのような欠陥が原因となり事故が発生した場合、当グループに対し損害賠償責任等の補償義務及びその他債務が発生する可能性があります。

(4) 事故による影響

当グループは制作業務を行うにあたり、制作現場での事故防止・安全性確保を重要な課題の一つであると認識し、現場巡回や定期的な社内教育、イントラネットを通じた情報の共有化等の施策を行っております。

しかしこのような体制を敷いていたとしても、事故が絶対に発生しないという保証はありません。仮に当社が施工業務を行っている現場において事故が発生した場合、現場作業員への補償義務や引渡期日の遅延に伴うコスト増大等の悪影響が生じる可能性があります。

(5) 災害による影響

当グループの制作現場では、社内教育の実施等を通じ安全性を確保できる万全の体制をもって制作業務に臨んでおります。

しかし地震等の天災や他所で発生した火災の影響等、不可避的な要因によりその安全性が損なわれる可能性は否定できません。

そのような場合、制作業務の中断又は引渡期日の遅延に伴うコスト増大等の悪影響が生じる可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社とセキュアード・キャピタル・ジャパン㈱(以下「SCJ」という)は、旧業務提携契約の内容を見直し、平成19年7月31日付で、新たに不動産ファンドの運用及びアセットマネジメントに係る業務提携契約を締結いたしました。

本業務提携は、国際的に著名かつ有力な機関投資家から認められた不動産投資ファンドの運用能力を有するSCJと、各種商業施設の案件発掘、プロデュース、空間ディスプレイ、テナントリーシング、プロパティマネジメント等の分野に強みを有する当グループが、それぞれの能力を融合させ、共同して投資家に優れた投資収益を提供することを目的としております。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、当社及び連結子会社である㈱丹青研究所において、従来からの継続研究開発項目を中心に行いました。

事業の種類別セグメントの研究開発活動の内容は次のとおりであります。

 

全ての事業の種類別セグメントに共通

当社では、次の研究開発活動を行っております。

社内データベースの充実及び物件管理システムの開発

デザイン及び施工技術に関する社内データベース拡充と物件管理台帳のイントラネットにおけるWeb化を促進し、情報収集・分析・フィードバックサイクルの一層の高度化、迅速化を進めております。

研究開発費の金額は、55,778千円であります。

 

恒久展示施設分野

㈱丹青研究所では、博物館等の文化施設に関する専門研究機関として、主に次のテーマ別の研究を行っております。

(1) 博物館、美術館等文化施設及び地域開発の動向に関する調査研究

(2) 地域の文化振興と結びつくエコミュージアムに関する研究

事例として、「産業遺産の保存活用による地域開発」、「地域資源のネットワークによるまちづくり」等の研究

(3) 社寺、博物館等における文化財収蔵保存環境に関する研究

研究開発費の金額は、38,706千円であります。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成20年4月25日)現在において当グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社の連結財務諸表は、わが国において、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析を行っております。

当社経営陣は、連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の簿価及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。経営陣は、投資、法人税等、財務活動、退職金、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して、継続して評価を行っております。経営陣は、過去の実績や状況に応じ合理的と考えられる様々な要因に基づき、見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判定しにくい資産・負債の簿価及び収益・費用の報告数値についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社は、特に以下の重要な会計方針が、当社の連結財務諸表の作成において使用される重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。

① 貸倒引当金

当グループは、債権の貸倒れによる損失に備えるため貸倒引当金を計上しておりますが、顧客等の債務者の支払能力が低下した場合等において、追加の引当が必要となる可能性があります。

② 完成工事補償引当金

当グループは、完成工事に係る瑕疵担保の費用に備えるため完成工事補償引当金を計上しておりますが、見積りを超える瑕疵及びその補修費が発生した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。

③ 工事損失引当金

当グループは、受注工事等に係る将来の損失に備えるため、手持工事等のうち損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる工事等について、損失見込額を工事損失引当金として計上しておりますが、見積りを超える損失が発生した場合、追加の引当が必要となる可能性があります。

④ 投資の減損

当グループは、取引関係の維持その他の目的で、金融機関及び取引先等の株式を所有しております。これらの株式には、時価の把握が容易な公開会社と、時価の算定が困難な非公開会社とがあります。公開会社についてはその時価が、非公開会社についてはその実質価値が簿価と比較して30%以上下落した場合に、減損処理による評価損を計上しております。従って、相場の下落又は投資先の業績の悪化により、評価損の計上が必要となる可能性があります。

⑤ 退職給付費用

当グループにおける退職給付制度については、提出会社及び連結子会社が加入する企業年金基金に係るものが、当連結会計年度においては、退職給付債務では約95%を、退職給付費用では約94%をそれぞれ占めております。従って、当該企業年金基金の状況が当グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。長期金利の低下に伴う割引率の低下は退職給付債務の増大をもたらし、また、年金資産の主な運用先である株式市場における市況の低迷は期待運用収益との乖離をもたらし、いずれも将来的な退職給付費用の増加につながります。

 

(2) 財政状態の分析

資産の部の合計額は、前連結会計年度末に比べて25.4%減少し、293億32百万円となりました。これは、主に未成工事支出金等が19億12百万円増加したものの、受取手形・完成工事未収入金等が121億22百万円減少したことによるものであります。

負債の部の合計額は、前連結会計年度末に比べて33.4%減少し、166億8百万円となりました。これは、主に未成工事受入金が10億16百万円増加したものの、支払手形・工事未払金等が71億22百万円、未払法人税等が8億74百万円それぞれ減少したことによるものであります。

このように、前連結会計年度末に比べて資産及び負債の額が大幅に減少した主な理由としましては、従来、当グループでは、2月から3月に完成し売上高を計上する工事等の割合が高いために、各連結会計年度末において比較的多額の受取手形・完成工事未収入金等及び支払手形・工事未払金等を計上しておりましたが、当連結会計年度は決算日の変更により1月末日を連結会計年度末日としたことで、その影響がなくなったためであります。

純資産の部の合計額は、前連結会計年度末に比べて11.5%減少し、127億24百万円となりました。これは、主に当期純損失の計上により利益剰余金が11億1百万円、株式市況の低迷によりその他有価証券評価差額金が5億72百万円、それぞれ減少したことによるものであります。 

 

(3) 経営成績の分析

当連結会計年度における売上高は455億63百万円、売上総利益は57億14百万円、販売費及び一般管理費は71億14百万円となり、営業損失は14億円、経常損失は13億29百万円、税金等調整前当期純損失は13億47百万円、当期純損失は9億28百万円となりました。

「(2)財政状態の分析」に記載したとおり、当連結会計年度は決算日の変更により売上高を計上する工事等の割合が高い2月、3月を含まないこと、及び競合他社との受注競争が激しさを増し売上総利益率が低下したこと等により、営業損失を計上しております。

なお、この決算日の変更により前連結会計年度との比較ができないため、比較増減に関する記載は行っておりません。

また、事業の種類別セグメントの売上高及び営業損益については、「1 業績等の概要 (1)業績」に記載のとおりであります。

(4) 資金の財源及び流動性について

当グループは、事業の特性から通常は多額の設備投資等を必要とせず、当グループの資金需要は、主に運転資金に係るものであります。この運転資金は、主に工事を遂行するための外注費、経費の支払い並びに販売費及び一般管理費等の営業費用の支払いに要するものであります。通常、これらの資金は、手持資金及び短期の借入による調達で賄っておりますが、金利や市場の動向に応じて直接調達を行う等、柔軟に対応することとしております。

当グループは、その事業活動からキャッシュ・フローを生み出す能力及び取引金融機関における未使用の借入枠により、当グループの成長を維持するために必要な資金は調達可能であると判断しております。





出典: 株式会社丹青社、2008-01-31 期 有価証券報告書