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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな景気回復が持続し、景気拡張期間の長さが戦後最長を記録した。企業業績が好調に推移する一方で、企業から家計への所得移転が未だ小さく、家計可処分所得と個人消費が伸び悩んだ1年となった。

この様な状況下にあって、当社グループは、「豊かな社会の建設に貢献することを通じて名実共に優れた魅力ある企業づくりを目指す」という経営理念のもと、優秀な技術と良心的電気工事を社是とする誠実な社風を維持しつつ、量(受注高・完工高)から質(利益)の重視への意識の改革を図ることを中期経営方針として、引き続き経営全般に亘り、更なる工事原価の削減と経費の圧縮に努めるとともに、優良工事の確保と施工体制の強化に取り組み、業績の向上に努めた。

その結果、当連結会計年度の業績は、新規受注高76,464百万円(前連結会計年度比16.6%増)、売上高71,242百万円(同5.8%増)となり、また、利益面については、材料費等の高騰の影響があったが、受注工事の将来の損失に備えるための工事損失引当金等を計上したうえで、当期純利益は1,162百万円(同5.5%減)を確保することができた。

今後の経営環境については、企業の生き残りをかけた激しい受注競争などの厳しさが継続することが予想されるが、当社グループは、価格競争力を更に高めるとともに、顧客ニーズへの適切な対応力を強化し、良質な受注の確保に全力を傾注していく。また、業務の効率化と原価の圧縮等に取り組み、全社を挙げて企業体質の強化に努め、現下の厳しい環境に対処する所存である。

業績の種類別セグメントは次のとおりである。

 

(電気工事業)

完成工事高70,798百万円(前連結会計年度比5.8%増)、営業利益240百万円(同62.2%減)となった。

(不動産賃貸業)

賃貸収入426百万円(同7.3%増)、営業利益239百万円(同24.4%増)となった。

(保険代理業)

保険代理収入17百万円(同38.5%増)、営業利益4百万円(同101.1%増)となった。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、財務活動及び投資活動によるキャッシュ・フローが増加したこと等により、前連結会計年度に比べ3,577百万円増加し、当連結会計年度末には16,949百万円(前連結会計年度比26.8%増)となった。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は4,454百万円(前連結会計年度は164百万円の使用)となった。これは主に税金等調整前当期純利益1,624百万円、未成工事支出金の増加4,543百万円、仕入債務の増加4,531百万円、未成工事受入金の増加3,228百万円によるものである。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果獲得した資金は1,552百万円(前連結会計年度比1577.8%増)となった。これは主に投資有価証券を1,184百万円売却したこと、有形・無形固定資産の取得による支出195百万円、及び長期性預金の回収よる収入500百万円によるものである。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は2,429百万円(前連結会計年度比302.5%減)となった。これは主に短期借入金の純減少額2,226百万円及び長期借入金の返済による支出96百万円によるものである。

 

(注) 「第2事業の状況」に記載されている金額には、消費税等は含まれていない。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 受注実績

 

区分

前連結会計年度

(自 平成17年4月1日

至 平成18年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 平成18年4月1日

至 平成19年3月31日)

(百万円)

電気工事業

65,590

76,464

不動産賃貸業

保険代理業

65,590

76,464

 

(2) 売上実績

 

区分

前連結会計年度

(自 平成17年4月1日

至 平成18年3月31日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 平成18年4月1日

至 平成19年3月31日)

(百万円)

電気工事業

66,909

70,798

不動産賃貸業

397

426

保険代理業

12

17

67,319

71,242

(注) 1 当連結企業集団では電気工事業以外は受注生産を行っていない。

2 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。

 

なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりである。

電気工事業における受注工事高及び施工高の状況

① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

 

期別

工事

種類別

前期繰越工事高

(百万円)

当期受注工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成工事高

(百万円)

次期繰越工事高

当期

施工高

(百万円)

手持

工事高

(百万円)

うち施工高

比率(%)

金額

(百万円)

前事業年度

(自平成17年4月1日

至平成18年3月31日)

外線工事

3,094

3,706

6,800

3,692

3,107

15.5

481

3,697

内線工事

52,181

61,684

113,866

63,054

50,811

15.2

7,723

62,220

55,276

65,391

120,667

66,747

53,919

15.2

8,205

65,918

当事業年度

(自平成18年4月1日

至平成19年3月31日)

外線工事

3,107

8,832

11,940

3,699

8,241

17.9

1,475

4,692

内線工事

50,811

67,215

118,027

66,718

51,309

21.4

10,980

69,974

53,919

76,048

129,968

70,417

59,550

20.9

12,455

74,667

(注) 1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。

2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものである。

3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高−前期繰越施工高)に一致する。

 

② 受注工事高の受注方法別比率

工事の受注方法は、特命と競争に大別される。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自平成17年4月1日

至平成18年3月31日)

外線工事

52.2

47.8

100

内線工事

52.7

47.3

100

当事業年度

(自平成18年4月1日

至平成19年3月31日)

外線工事

86.0

14.0

100

内線工事

48.1

51.9

100

(注) 百分比は請負金額比である。

 

③ 完成工事高

 

期別

区分

官公庁

(百万円)

鉄道会社

(百万円)

電力会社

(百万円)

建設会社

(百万円)

金融機関

(百万円)

不動産

会社

(百万円)

その他

(百万円)

(百万円)

前事業年度

(自平成17年4月1日

至平成18年3月31日)

外線工事

0

432

2,201

732

0

0

325

3,692

内線工事

8,168

200

34,502

3,853

5,676

10,653

63,054

8,169

432

2,401

35,235

3,853

5,676

10,978

66,747

当事業年度

(自平成18年4月1日

至平成19年3月31日)

外線工事

21

551

1,833

902

0

390

3,699

内線工事

7,542

0

387

32,287

4,312

8,478

13,709

66,718

7,563

552

2,221

33,189

4,312

8,478

14,099

70,417

(注) 1 完成工事のうち請負金額9億円以上の主なものは、次のとおりである。

前事業年度

 

 大興物産㈱

室町三井新館新築工事電気設備工事

 ㈱大林組

広島エルピーダE300第二ライン新築工事(3K〜10K対応)

 大成建設㈱

(仮称)芝浦工業大学豊洲キャンパス校舎棟建設工事(I工区)

 鹿島建設㈱

白金一丁目東地区市街地再開発業務棟建設工事

 北陸地方整備局

新潟第2合同庁舎A棟電気設備(電力)工事

当事業年度

 

 埼玉医科大学

埼玉医科大学国際医療センター新築工事

 ㈱大林組

広島エルピーダE300Fabエリア3電気設備工事

 岐阜県

岐阜県総合医療センター(仮称)電気設備工事

 NECファシリティーズ㈱

(仮称)富士ソフトABC秋葉原ビル計画特殊室工事

 鹿島建設㈱

ソフトバンクIDC東京新宿データセンター改修工事

2 前事業年度及び当事業年度ともに完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先はない。

 

④ 手持工事高 (平成19年3月31日現在)

 

区分

官公庁

(百万円)

鉄道会社

(百万円)

電力会社

(百万円)

建設会社

(百万円)

金融機関

(百万円)

不動産会社

(百万円)

その他

(百万円)

(百万円)

外線工事

1,472

26

6,487

244

11

8,241

内線工事

7,781

0

25,809

1,865

8,658

7,193

51,309

9,253

26

6,487

26,053

1,865

8,658

7,204

59,550

手持工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりである。

三菱地所㈱

新丸の内ビル新築工事の内電気設備工事

平成19年4月完成予定

鹿島建設㈱

(仮称)帝京大学医学部附属病院新館新築工事

平成20年11月完成予定

鹿島建設㈱

商船三井ビル(虎ノ門ダイビル)リニューアル工事

平成21年1月完成予定

東北電力㈱

北上幹線(鉄塔)工事

平成21年4月完成予定

首都高速道路㈱

SJ11工区〜SJ34工区(1-2-1)トンネル照明

その他電気設備工事

平成22年1月完成予定

 

3 【対処すべき課題】

今後の経営環境については、企業業績の好調の持続や個人消費の拡大など国内民間需要に支えられて、デフレ脱却に向けた回復が続くことが期待される。原油価格や米国・中国経済の動向、為替相場の帰趨に加え、個人消費については、租税・社会保険料などの公的な負担の増加が可処分所得を抑制する反面、資産価格の上昇や利子・配当所得の増加も見込まれ、個人所得は底堅く推移するものと予測される。しかしながら、建設業界においては、民間建設需要は増加傾向で推移するものの、受注・価格競争は、資材費・人件費の高騰などもあって、依然として厳しい状況で推移するものと予測される。また、公共工事は引き続き減少が見込まれており、必ずしも楽観できない状況にある。

このような景況下、当社グループは、価格競争力をさらに高めるとともに、顧客ニーズへの適切な対応力を強化し、経営諸施策を迅速にかつ行動力をもって実践することによって、企業業績の向上と強固な経営基盤の構築に全力を傾注していく所存である。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがある。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存である。

(1) 事業環境の変化

想定を上回る建設関連投資の減少、価格競争の一層の熾烈化が生じた場合に当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。

(2) 資材価格等の変動

資材価格等が高騰した際、請負代金に反映することが困難な場合には、工事の採算性を低下させることもあり、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

(3) 顧客の倒産等による不良債権の発生

顧客と契約を締結して、契約条項に基づいて、当社グループは工事を施工し、顧客から工事代金を受領している。与信管理を強化しているが、顧客に倒産等があった場合、不良債権が発生することが予想され、不良債権の額によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。

(4) 資産保有リスク

営業活動上の必要性から、不動産・有価証券等の資産を保有しているため、保有資産の時価が著しく下落した場合等には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。また、事業用資産の収益性が著しく低下した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

(5) 退職給付債務の変更

年金資産の時価の下落、運用利回り及び割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、機動的な資金調達手段を確保することにより、手元流動性を圧縮し、資金効率を高めることを目的として、取引銀行4行(㈱三菱東京UFJ銀行、㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行、㈱りそな銀行)と総額2,360百万円のコミットメントライン契約をシンジケーション方式により締結している。

 

6 【研究開発活動】

(1) 電気工事業

当社グループは、社会並びに顧客の複雑且つ多様化したニーズに対応するとともに安全の確保を第一に、信頼性が高く、高品質、効率的な施工を最重点として、施工技術の高度化・省力化を目指した工法・工具の開発、改良、新技術の研究等広範囲に亘っての現場管理に密着した研究活動を行っている。

当該活動は、技術管理部が主管となり、内・外線、送電線等の技術社員、現場技術者を中心に行っているが、これらは、あくまでも工事施工過程の一環として行われるものであって、当連結会計年度において所謂研究開発費は発生していない。

 

(2) 不動産賃貸業

該当事項なし。

 

(3) 保険代理業

該当事項なし。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債及び費用に反映されている。見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性がある。

(2) 当連結会計年度の財政状態の分析

前連結会計年度末に比べ総資産が9,288百万円増加(流動資産8,195百万円増加、固定資産1,092百万円増加)した。流動資産の増加は、手持工事の増加による未成工事支出金等の増加及び投資有価証券等の資産売却に伴う現預金の増加が主な要因である。固定資産については、不要資産の売却、除却により有形固定資産は減少したが、株式市場の好況を受け、時価評価により投資有価証券が大幅に増加した。負債は、前連結会計年度末に比べ6,998百万円増加(流動負債6,256百万円増加、固定負債741百万円増加)した。

流動負債については、借入金の返済により短期借入金が大幅に減少したが、手持工事の増加による未成工事受入金及びファクタリング債務並びに工事損失引当金が増加した。固定負債の増加は、投資有価証券の評価差額に対する繰延税金負債が増加したことが主な要因である。純資産については、投資有価証券の評価差額、別途積立金の増加等により、前連結会計年度末に比べ2,289百万円増加した。

自己資本比率は、総資産の増加から前連結会計年度末に比べ減少し44.1%となった。

(3) 当連結会計年度の経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、競争激化による厳しい経営環境下にあって、引き続き経営全般に亘り、さらなる工事原価の削減と経費の圧縮に努めるとともに、優良工事の確保と施工体制の強化に取り組み、業績の向上に努めた。その結果、売上高は、前連結会計年度に比べ3,922百万円増加し、71,242百万円となった。利益は、材料費等の高騰の影響があったことに加え、受注工事の将来の損失に備えるための工事損失引当金を積み増し計上したことから、経常利益が285百万円減少し799百万円となり、当期純利益は68百万円減少し1,162百万円となった。

売上高の増加については、民間設備投資の拡大による医療機関、オフィス関連工事等の増加が主な要因である。当期純利益が前連結会計年度に比べ68百万円の減少に留まったのは、投資有価証券の売却益等があったことに加え、前連結会計年度において、固定資産の減損会計の適用に伴う減損損失の計上があったことが、主な要因である。





出典: 東光電気工事株式会社、2007-03-31 期 有価証券報告書