有価証券報告書を3社、または3期分比較分析できる! いますぐトライアルで試す >>
 






セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、前期までの世界的な金融危機に端を発した景気低迷による厳しい状況から、中国などの新興国をはじめとする海外経済の改善や政府による緊急経済対策の効果等もあり、輸出や個人消費を中心に回復の動きが見られ、企業収益の改善が見られた。しかし、内需主導の本格回復には未だ至らなかった。

一方で、最近の国際商品市況高騰や急激な円高に加え、3月に発生した国内観測史上最大の東日本大震災や福島第一原子力発電所事故による影響が、今後の企業活動や個人消費の先行きを不透明にした。

これを受けて、民間設備投資意欲は、未だ改善が見られず、わが国の総建設投資額は前年比減少の40兆円を下回るなど建設業界は、引き続き厳しい経営環境で推移した。 

この様な状況下にあって、当社グループは、「豊かな社会に貢献することを通じて名実とも優れた魅力ある企業づくりを目指す」という経営理念のもと、優良工事の確保と施工体制の強化に努めた。

その結果、当連結会計年度の業績は、新規受注高66,565百万円(前期比3.7%減)、完成工事高74,131百万円(同6.5%減)となった。また、利益面については、優良工事の施工と工事原価の削減に加え経費の圧縮に努めた結果、当期純利益は、受注工事の将来の損失に備えるための工事損失引当金や株価下落による株式評価損を計上したうえで560百万円(同65.2%減)を確保することができた。

 今後の経営環境については、激しい受注競争が引き続き持続することが予想されるが、当社グループは、競争力ある施工コストの追求と技術(施工・提案)への挑戦を通じて、良質な受注の確保に全力を傾注していく。また、業務の効率化と経費の圧縮等に取り組み、企業体質の強化に努め、現下の厳しい経営環境に対処する所存である。

 セグメントの業績は次のとおりである。
 

(電気工事業) 売上高74,021百万円(前連結会計年度比6.4%減)、営業利益942百万円(同63.6%減)となった。 

(不動産賃貸業)売上高89百万円(同57.4%減)、営業利益100百万円(同31.3%減)となった。 

(その他)    売上高20百万円(同22.5%減)、営業利益3百万円(同64.1%減)となった。

   

(2)キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、投資活動によるキャッシュ・フローが減少したこと等により、前連結会計年度に比べ282百万円減少し、当連結会計年度末には18,930百万円(前連結会計年度比1.5%減)となった。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は848百万円(前連結会計年度は211百万円の使用)となった。これは主に売上債権の減少6,551百万円、未成工事支出金の減少11,137百万円、仕入債務の減少9,550百万円によるものである。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は940百万円(前連結会計年度比17.6%減)となった。これは主に有形及び無形固定資産の取得による支出901百万円、その他の関係会社有価証券の払込による支出604百万円、貸付金の回収による収入1,149百万円によるものである。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果使用した資金は190百万円(前連結会計年度比40.2%増)となった。これは主に長期借入金の返済による支出100百万円によるものである。

 (注) 「第2事業の状況」に記載されている金額には、消費税等は含まれていない。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成22年4月1日

至 平成23年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%) 

電気工事業

66,565

96.3

不動産賃貸業

報告セグメント計

66,565

96.3

その他

66,565

96.3

(2)売上実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成22年4月1日

至 平成23年3月31日)

(百万円)

前年同期比(%) 

電気工事業

74,021

93.6

不動産賃貸業

89

42.6

報告セグメント計

74,111

93.5

その他

20

77.5

74,131

93.5

 (注)1 当連結企業集団では電気工事業以外は受注生産を行っていない。

2 当連結企業集団では生産実績を定義することが困難であるため「生産の状況」は記載していない。

 

 なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりである。

電気工事業における受注工事高及び施工高の状況

① 受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高

期別

工事   種類別

前期繰越工事高

(百万円)

当期受注工事高

(百万円)

(百万円)

当期完成工事高

(百万円)

次期繰越工事高

当期   施工高

(百万円)

手持工事高

(百万円)

うち施工高

比率(%)

金額

(百万円)

前事業年度

(自平成21年4月1日

至平成22年3月31日)

外線工事

12,050

8,236

20,286

13,540

6,746

50.6

3,413

11,724

内線工事

62,113

60,183

122,297

64,929

57,368

22.9

13,137

65,209

74,164

68,420

142,584

78,470

64,114

25.8

16,550

76,933

当事業年度

(自平成22年4月1日

至平成23年3月31日)

外線工事

6,746

8,722

15,468

8,571

6,897

18.6

1,283

6,440

内線工事

57,368

57,349

114,718

64,983

49,735

5.5

2,735

54,581

64,114

66,072

130,187

73,554

56,632

7.1

4,018

61,021

 (注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注工事高にその増減額を含む。したがって、当期完成工事高にもかかる増減額が含まれる。

2 次期繰越工事高の施工高は支出金により手持工事高の施工高を推定したものである。

3 当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高−前期繰越施工高)に一致する。

② 受注工事高の受注方法別比率

 工事の受注方法は、特命と競争に大別される。

期別

区分

特命(%)

競争(%)

計(%)

前事業年度

(自平成21年4月1日

至平成22年3月31日)

外線工事

46.9

53.1

100

内線工事

50.9

49.1

100

当事業年度

(自平成22年4月1日

至平成23年3月31日)

外線工事

42.3

57.7

100

内線工事

47.0

53.0

100

 (注) 百分比は請負金額比である。

③ 完成工事高

期別

区分

官公庁

(百万円)

鉄道会社

(百万円)

電力会社

(百万円)

建設会社

(百万円)

金融機関

(百万円)

不動産会社

(百万円)

その他

(百万円)

(百万円)

前事業年度

(自平成21年4月1日

至平成22年3月31日)

外線工事

6

1,048

6,752

1,871

3,861

13,540

内線工事

10,064

32

26,967

3,502

13,820

10,541

64,929

10,070

1,048

6,785

28,839

3,502

13,820

14,403

78,470

当事業年度

(自平成22年4月1日

至平成23年3月31日)

外線工事

1,866

998

3,854

692

1,159

8,571

内線工事

6,368

694

81

35,973

3,673

8,646

9,545

64,983

8,234

1,693

3,936

36,665

3,673

8,646

10,704

73,554

 (注)1 完成工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりである。

前事業年度

㈱ウインド・パワー・いばらき

ウィンド・パワー かみす風力発電所建設工事

東北電力㈱

北上幹線新設(鉄塔)工事

大成建設㈱

(仮称)はまなす複合施設建築工事

三菱地所㈱

丸の内パークビルディング照明・電灯コンセント設備工事

国立大学法人浜松医科大学

浜松医科大学医学部附属病院病棟新営電気設備工事

当事業年度

鹿島建設㈱

東京国際空港国際線地区旅客ターミナル等新築工事

鹿島建設㈱

(仮称)丸の内一丁目地区建替計画(1工区)

清水建設㈱

室町東地区開発計画2−2街区

首都高速道路㈱

SJ11工区〜SJ34工区(1-2-1)トンネル照明その他電気設備工事

西日本高速道路㈱

山陽自動車道 山陽姫路東〜山陽姫路西間トンネル照明設備更新工事

2 前事業年度及び当事業年度における主な相手先別の完成工事高に対する割合は次のとおりである。

相手先

前事業年度

(自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

当事業年度

(自 平成22年4月1日

至 平成23年3月31日)

金額 (百万円)

割合(%)

金額 (百万円)

割合(%)

 鹿島建設㈱

8,195

10.4

16,737

22.8

  

④ 手持工事高(平成23年3月31日現在)

区分

官公庁

(百万円)

鉄道会社

(百万円)

電力会社

(百万円)

建設会社

(百万円)

金融機関

(百万円)

不動産会社

(百万円)

その他

(百万円)

(百万円)

外線工事

187

246

1,482

476

4,504

6,897

内線工事

7,453

615

28,180

1,836

4,866

6,782

49,735

7,640

246

2,097

28,656

1,836

4,866

11,287

56,632

手持工事のうち請負金額10億円以上の主なものは、次のとおりである。

鹿島建設㈱

(仮称)元赤坂Kプロジェクト

平成23年11月完成予定

㈱大林組

パレスホテル建替計画新築工事

平成23年12月完成予定

大成建設㈱

丸の内2丁目計画(仮称)新築工事

平成24年4月完成予定

㈱竹中工務店

大阪駅北地区先行開発区域プロジェクト・

Bブロック・電気設備工事

平成25年2月完成予定

㈱ウィンド・パワー

ウィンド・パワーかしま風力発電建設工事

平成25年3月完成予定

3【対処すべき課題】

 今後の経営環境については、輸出の増加が家計所得や設備投資に徐々に波及するが、設備・雇用の過剰感が残存していることから、国内民間需要の回復テンポは緩やかなものにとどまると予想される。建設業界においては、激しい受注競争が持続するなど引き続き厳しい情勢が続くことが予想される。 

このような状況下にあって、当社グループは、引き続き、更なる工事原価の圧縮と経費の削減に努めることにより価格競争力を高めるとともに、顧客ニーズへの適切な対応力をより一層強化し、経営諸施策を迅速且つ積極的に実践することにより、企業業績の向上と強固な経営基盤の構築に全力を傾注していく所存である。

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがある。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存である。

(1)事業環境の変化

 想定を上回る建設関連投資の減少、価格競争の一層の熾烈化が生じた場合に当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性がある。

(2)資材価格等の変動

 資材価格等が高騰した際、請負代金に反映することが困難な場合には、工事の採算性を低下させることもあり、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

(3)顧客の倒産等による不良債権の発生

 顧客と契約を締結して、契約条項に基づいて、当社グループは工事を施工し、顧客から工事代金を受領している。与信管理を強化しているが、顧客に倒産等があった場合、不良債権が発生することが予想され、不良債権の額によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性がある。

(4)資産保有リスク

 営業活動上の必要性から、不動産・有価証券等の資産を保有しているため、保有資産の時価が著しく下落した場合等には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。また、事業用資産の収益性が著しく低下した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

(5)退職給付債務の変更

 年金資産の時価の下落、運用利回り及び割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、業績等に影響を及ぼす可能性がある。

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、機動的な資金調達手段を確保することにより、手元流動性を圧縮し、資金効率を高めることを目的として、取引銀行4行(㈱三菱東京UFJ銀行、㈱みずほ銀行、㈱三井住友銀行、㈱りそな銀行)と総額1,650百万円のコミットメントライン契約をシンジケーション方式により締結している。

 

6【研究開発活動】

 (1) 電気工事業

当社グループは、社会並びに顧客の複雑且つ多様化したニーズに対応するとともに安全の確保を第一に、信頼性が高く、高品質、効率的な施工を最重点として、施工技術の高度化・省力化を目指した工法・工具の開発、改良、新技術の研究等広範囲に亘っての現場管理に密着した研究活動を行っている。

当該活動は、内・外線、送電線等の技術社員、現場技術者を中心に行っているが、これらは、あくまでも工事施工過程の一環として行われるものであって、当連結会計年度において所謂研究開発費は発生していない。

(2) 不動産賃貸業

 該当事項なし。

(3) その他

該当事項なし。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されている。連結財務諸表の作成にあたっては、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債及び費用に反映されている。見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っているが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性がある。

(2)当連結会計年度の財政状態の分析

 前連結会計年度末に比べ総資産が19,636百万円減少(流動資産18,905百万円減少、固定資産730百万円減少)した。流動資産の減少は、完工高の減少により受取手形・完成工事未収入金等及びファクタリング債権が減少し、さらに工事進行基準適用工事の増加により未成工事支出金が減少した。固定資産については、札幌北ビルの新築工事により有形固定資産が増加し、また投資有価証券の時価が下落したことにより投資その他の資産が減少した。負債は、前連結会計年度末に比べ19,257百万円減少(流動負債18,816百万円減少、固定負債441百万円減少)した。流動負債については、手持工事の減少により支払手形・工事未払金等が減少し、さらに工事進行基準適用工事の増加により未成工事受入金が減少した。固定負債の減少は投資有価証券の評価差額に対する繰延税金負債が減少したことが主な要因である。純資産については、その他有価証券評価差額金の減少等により、前連結会計年度末に比べ379百万円減少した。

 自己資本比率は、資産及び負債がともに減少したことにより前連結会計年度末に比べ12.6ポイント増加し54.4%となった。

(3)当連結会計年度の経営成績の分析

 当社グループの当連結会計年度の経営成績は、競争激化による厳しい経営環境下にあって、引き続き経営全般に亘り、さらなる工事原価の削減と経費の圧縮に努めるとともに、優良工事の確保と施工体制の強化に取り組み、業績の向上に努めた。その結果、売上高は、前連結会計年度に比べ5,171百万円減少し、74,131百万円となった。利益は、売上高が減少したことに加え、受注工事の将来の損失に備えるための工事損失引当金を積み増し計上したことから経常利益が1,634百万円減少し1,569百万円となり、株価下落による株式評価損を計上したうえで当期純利益は1,048百万円減少し560百万円となった。

(4)キャッシュ・フローの分析

 「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」を参照。





出典: 東光電気工事株式会社、2011-03-31 期 有価証券報告書