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セクション一覧

第2【事業の状況】

 

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府による経済・金融政策を背景に、企業収益や雇用・所得環境の改善がみられ、設備投資や個人消費が底堅く推移する等、緩やかな回復基調が続きました。一方で、米国新政権の政策方針や英国のEU離脱問題、中国を始めとするアジア諸国の景気の減速等、海外の政治・経済動向の不確実性の高まりや金融資本市場の変動による影響等のリスクも存在しており、景気の先行きについては不透明な状況が続いております。
 建設業界におきましては、政府による各種住宅取得支援策に加えて、マイナス金利政策により住宅ローン金利の水準が低い状態で推移したこと等により、新設住宅着工戸数は97万5千戸(前期比5.2%増)となり、持ち直しの傾向が続きました。また、相続税の税制改正を背景に賃貸住宅建設に対する需要は底堅く、新設貸家着工戸数は42万7千戸(前期比10.1%増)となり、堅調に推移しております。
 このような状況のなか、当社グループの連結業績は、売上高につきましては3,053億1千2百万円(前期比7.6%増)となり前期を上回りました。利益面につきましては、営業利益185億円(前期比40.4%増)、経常利益190億3千8百万円(前期比39.9%増)、親会社株主に帰属する当期純利益130億3千8百万円(前期比51.0%増)となりました。

セグメントの業績は以下のとおりであります。

 

① 建設事業

建設事業におきましては、受注案件の管理体制の強化や管理職者の支援体制の整備、営業人員の適切な配置転換等、社内体制の強化に努めたことにより受注高が増加しております。これにより、当連結会計年度の完成工事高は前期と比較して増加しております。利益面におきましては、商品の仕様変更や建築部材の集中購買を行う等、積極的にコストダウンに努めたことに加えて、利益率の高い木造2×4工法の賃貸建物の比率が増加したこと等により、完成工事総利益率には改善がみられました。ナスラック㈱につきましては、水周り製品を中心とした外販売上高が前期と比較して増加しております。この結果、建設事業における売上高は1,539億円(前期比8.7%増)、営業利益は188億9千3百万円(前期比35.5%増)となりました。
 また、当連結会計年度の当社単体における総受注高につきましては、1,786億3千6百万円(前期比12.1%増)となりました。

② 不動産賃貸事業

不動産賃貸事業におきましては、管理物件数の増加に伴うサブリース経営代行システム(一括借り上げ制度)による入居者様からの家賃収入及び管理料収入等の増加により、売上高は前期を上回ることができました。当社では、マルチメディアを活用した入居仲介促進、及び施設検索サイト「施設検索 ホームメイト・リサーチ」の機能拡充により賃貸物件検索サイト「ホームメイト」との相互リンクを高めるなど、入居者募集活動の充実を図ってまいりました。また、これらの施策のほか管理事業拡大のために物件仕入及び管理受託の促進に努める一方で、「ホームメイトFC店」や「ホームメイト倶楽部(ネット会員)」を積極的に開拓し、全国不動産会社情報ネットワークを構築することで、仲介競争力の強化を図ることができました。それらの効果により、賃貸建物の当連結会計年度末の入居率は98.5%となり、前年同月と比較して0.1ポイント上昇しております。この結果、不動産賃貸事業における売上高は1,485億4千4百万円(前期比6.7%増)、営業利益は71億6千7百万円(前期比20.0%増)となりました。

③ その他

総合広告代理店業、旅行代理店業及びゴルフ場・ホテル施設の運営に関する事業で構成されるその他の事業における売上高は28億6千7百万円(前期比4.4%減)、営業利益は2億7千7百万円(前期比30.0%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローについては、「現金及び現金同等物の期首残高」805億9千4百万円から、営業活動により206億2千7百万円の収入、投資活動により95億2千8百万円の収入、財務活動により13億2千万円の支出があったことから、「現金及び現金同等物の期末残高」は、期首残高より288億3千6百万円増加して、1,094億3千万円となりました。

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動によるキャッシュ・フローは、主に「税金等調整前当期純利益」190億3千8百万円、「仕入債務の増加額」37億5千7百万円により、206億2千7百万円の収入となりました。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動によるキャッシュ・フローは、「有形固定資産の取得による支出」43億8千3百万円があったものの、「定期預金の純減額による収入」136億3千9百万円により、95億2千8百万円の収入となりました。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動によるキャッシュ・フローは、主に「配当金の支払額」の支出によるものであり、13億2千万円の支出となりました。

 

 

2【受注及び売上の状況】

(1)受注実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成27年5月1日

至 平成28年4月30日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

(百万円)

建設事業

155,404

175,095(12.7%増)

 

(注) 前連結会計年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当連結会計年度受注工事高にその増減を含めております。したがって、当連結会計年度完成工事高には請負金額の変更に係る増減額が含まれております。

また、各連結会計年度において既受注分の見直しを行い、前連結会計年度7,821百万円、当連結会計年度7,871百万円を当該受注分よりそれぞれ控除しております。

 

(2) 売上実績

セグメントの名称

前連結会計年度

(自 平成27年5月1日

至 平成28年4月30日)

(百万円)

当連結会計年度

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

(百万円)

建設事業

 141,525

153,900( 8.7%増)

不動産賃貸事業

 139,204

148,544( 6.7%増)

その他

 3,001

2,867( 4.4%減)

合計

  283,731

305,312( 7.6%増)

 

(注)1 当社グループでは、建設事業以外は受注生産を行っておりません。

    2 当社グループでは、生産実績を定義することが困難であるため、「生産の状況」は記載しておりません。

    3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

なお、参考のため提出会社単独の事業の状況は次のとおりとなります。

① 受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高

期別

工事別

前期繰越工事高
(百万円)

当期受注工事高
(百万円)


(百万円)

当期完成工事高
(百万円)

次期繰越工事高
(百万円)

第40期

(自 平成27年5月1日

至 平成28年4月30日)

建築

119,476

151,515

270,991

137,674

(137,570)

133,421

第41期

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

建築

133,421

170,828

304,249

149,308

(149,219)

155,030

 

(注)1 前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減を含めております。したがって、当期完成工事高には請負金額の変更に係る増減額が含まれております。

また、各期において既受注分の見直しを行い、第40期7,770百万円、第41期7,808百万円を当該受注分よりそれぞれ控除しております。

    2 当期完成工事高の( )内の数値は、受取設計料を除いた場合の金額を示しております。

    3 上記金額は、すべて建築請負契約高であり、消費税等は含まれておりません。

 

 

② 完成工事高及び次期繰越工事高

建物種別の完成工事高及び次期繰越工事高は、次のとおりであります。

項目

完成工事高

次期繰越工事高

第40期

(自 平成27年5月1日

至 平成28年4月30日)

第41期

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

第40期
(平成28年4月30日)

第41期
(平成29年4月30日)

金額(百万円)

比率
(%)

金額(百万円)

比率
(%)

金額(百万円)

比率
(%)

金額(百万円)

比率
(%)

賃貸マンション

31,211

22.7

33,943

22.7

38,145

28.6

38,257

24.7

アパート

99,376

72.2

107,493

72.0

85,802

64.3

105,507

68.1

個人住宅

450

0.3

304

0.2

305

0.2

532

0.3

店舗マンション

4,086

2.9

6,272

4.2

7,844

5.9

8,895

5.7

貸店舗

2,039

1.5

1,048

0.7

764

0.6

1,104

0.7

その他

509

0.4

247

0.2

558

0.4

732

0.5

137,674

100.0

149,308

100.0

133,421

100.0

155,030

100.0

 

(注)1 工事は、官公庁に対するものはなく全て民間に対するものであります。入札工事はなく全て特命工事であります。

    2 第40期、第41期の完成工事総額に対する割合が100分の10以上の相手先はありません。

    3 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 兼業事業売上高

項目

第40期

(自 平成27年5月1日

至 平成28年4月30日)

第41期

(自 平成28年5月1日

至 平成29年4月30日)

金額(百万円)

比率(%)

金額(百万円)

比率(%)

賃貸物件の仲介料収入

3,088

15.3

3,278

15.2

賃貸物件の管理料収入

380

1.9

394

1.8

退去補修工事売上

3,696

18.3

3,923

18.2

リフォーム工事売上

3,451

17.1

3,910

18.2

業務受託料収入

4,321

21.4

4,696

21.8

その他

5,228

26.0

5,326

24.8

20,167

100.0

21,531

100.0

 

(注)1 賃貸物件の管理料収入のうち各保証システムに係る管理手数料収入は、次のとおりであります。

第40期

133百万円

第41期

133百万円

 

    2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

平成30年4月期は、「新しい価値の創造」をスローガンに掲げております。
 当社においては、優秀な人材の確保・増強、新商品の開発・受注、営業部員の強化施策や各種経営データの多角的な分析による効率的な出店戦略を実行すると共に、新規事業への挑戦を推し進めるなど、経営基盤の強化を図ってまいりました。
 平成30年4月期につきましては、「高級賃貸マンション」等の新商品の開発、新規事業として名古屋市内での「投資型マンション事業」への参入や東南アジアへの海外事業の推進等、『企業は新たなモノを生み出さなければ成長がない』という創業当初からのベンチャー精神に基づき、イノベーション(革新)により、新たな商品、新たな仕組み、新たなサービスを作り続けることで、更なる企業の発展に努めてまいります。
 以上、今後の厳しい外部環境に柔軟に対応しつつ、目標達成のため一丸となって邁進する所存であります。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態は、今後起こりうる様々な要因により影響を受ける可能性があります。以下に、当社グループの事業展開上のリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。当社グループでは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、予防及び対処について万全を期す所存であります。なお、文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社が判断したもので、将来に亘るリスク全てを網羅したものではありません。

(1)法的規制等のリスク

当社グループは、建設業法、宅地建物取引業法、貸金業法等の許認可を受けて事業展開をしており、適正な業務の執行に万全を期しております。これら業法の改正がなされた場合、或いは、その対応如何によっては行政指導を受けることもあり、当社グループの経営成績、財政状態、事業計画等に影響を与える可能性があります。

(2)市場のリスク

当社グループの建設事業は、雇用状況・地価の変動・金利の動向・住宅税制等の影響を強く受ける事業であります。そのため、このような外的環境の動きによっては、当社グループの受注状況が悪化し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3)受注キャンセルのリスク

当社は、顧客との建物建築請負契約の締結をもって受注計上しておりますが、受注から工事着工までに期間を要するため、金融機関の融資姿勢、土地担保評価や金利動向等の情勢の変化により、受注取消が発生し、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4)売上高及び利益の季節変動に関するリスク

当社グループは、事業の性質上、売上高の季節的変動があり、上半期に比較して下半期の売上の割合が高くなる傾向にあります。これに伴い利益も同様の傾向となります。

(5)売上原価の変動リスク

当社グループにおいて、工事請負契約締結後に、原材料、資材価格、及び労務費の高騰により完成工事原価は増加します。これらの増加分を請負代金に反映することが困難な場合には、完成工事総利益は減少する可能性があります。また、当社グループはサブリース経営代行システム(一括借り上げ制度)を採用していることから、管理物件の入居率の低下により入居者様からの家賃収入が減少した場合には、兼業事業売上原価は増加します。これら売上原価の変動は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(6)個人情報等の漏洩等のリスク

当社グループは、事業活動において土地所有者様、施主様、入居者様等、多数の顧客の個人情報をお預かりしております。これら情報の取り扱いについては、当社グループ社員等に個人情報保護委員会を通じて必要な教育、研修を施し、情報管理の徹底に努めておりますが、万一、情報の漏洩が発生した場合には、当社グループの社会的信用等に影響を与えることとなり、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

(7)自然災害に関するリスク

当社グループは、大規模地震、台風等の自然災害が発生した場合、被災地によって本社、事業所、建設現場等に係る設備等を回復させるために多額の費用が発生する可能性があります。また、施主様、入居者様に対して被災活動を行うことも考えられ多額の費用が発生する可能性があります。被災状況によっては、受注活動の停滞、売上高の減少、建築資材等の高騰、現場作業の中断等を余儀なくされることが考えられ、当社グループの営業活動、経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6【研究開発活動】

特記すべき事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、貸倒債権に関する判断等、過去の実績や状況に応じ合理的であると考えられる様々な要因に基づいて行った見積りを含んでおります。

 

(2)経営成績の分析

① 売上高

建設事業におきましては、前期末の賃貸建物の受注残及び今期の受注が堅調に推移したことから完成工事高は1,539億円となり、前期比8.7%の増加となりました。また、不動産賃貸事業におけるサブリース経営代行システム(一括借り上げ制度)は、管理物件数の増加に伴い入居者様からの家賃収入等が増加したことで、兼業事業売上高が1,514億1千2百万円となり、前期比6.5%の増加となりました。

② 売上総利益

建設事業では生産性の向上に加えて、商品の仕様変更や建築部材の集中購買を行う等、積極的にコストダウンに努めたことに加えて、利益率の高い木造2×4工法の賃貸建物の比率が増加したこと等により完成工事総利益は537億9千2百万円(前期比10.3%増)となりました。また、不動産賃貸事業ではサブリース経営代行システムによる管理物件の入居率が高位で推移したことから、兼業事業総利益は89億7千4百万円(前期比13.6%増)となりました。

③ 販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、広告宣伝活動及び建設事業における営業人員の増員増強等、積極的な先行投資を行う一方で経費削減にも努めたことから、販売費及び一般管理費は442億6千6百万円(前期比1.8%増)となりました。

④ 営業利益

上記のとおり、売上総利益の増加に加え、販売費及び一般管理費抑制が奏功し、営業利益は185億円(前期比40.4%増)となりました。

⑤ 経常利益

営業利益の増加要因に営業外損益5億3千7百万円が加わったことで、経常利益は190億3千8百万円(前期比39.9%増)となりました。

⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益

法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額の合計額は、59億9千9百万円となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は130億3千8百万円(前期比51.0%増)となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

4「事業等のリスク」をご参照下さい。

 

(4)戦略的現状と見通し

3「経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

 

(5)資本財源及び資金の流動性について

① 資産の部

当社グループの資産の部は、1,685億6千5百万円(前期比12.6%増)となり、188億9千1百万円の増加となりました。資産の部が増加した主な要因は、現金預金が151億9千7百万円増加したことであり、この結果、流動資産は1,215億4百万円(前期比15.3%増)となり161億4千9百万円の増加となりました。

② 負債の部

当社グループの負債の部は、915億8百万円(前期比8.3%増)となり、69億7千4百万円の増加となりました。負債の部が増加した主な要因は、支払手形・工事未払金等が37億5千7百万円増加したこと、及び未成工事受入金が16億8千2百万円増加したことであり、この結果、流動負債は649億8百万円(前期比10.8%増)となり63億7百万円の増加となりました。

③ 純資産の部

当社グループの純資産の部は、770億5千7百万円(前期比18.3%増)となり、119億1千6百万円の増加となりました。純資産の部が増加した主な要因は、利益剰余金が725億7千3百万円(前期比19.3%増)となり117億6千万円増加したことであります。

 





出典: 東建コーポレーション株式会社、2017-04-30 期 有価証券報告書