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第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
 当事業年度におけるわが国経済は、年度の前半においては昨年度からの好調な流れが継続したものの、米国のサブプライムローン問題に端を発する世界同時株安や、円高、資源高などの要因により、景気は年度の後半から後退局面に突入したとの見方が支配的になりました。
 建設業界におきましては、一部の民間企業における設備投資意欲は根強かったものの、改正建築基準法の影響により、全体的な建築着工は一時的に落ち込みました。その一方で計装工事業界においては、民間物件を中心に底堅い動きを示しました。
 このような状況下にあって当社は、空調計装関連事業における既設工事の質的向上を通じての事業拡大、空調計装関連事業における新設工事の収益モデル確立、産業計装関連事業の拡大、事業領域の拡大、スピード重視の経営を対処すべき課題として捉え、経営計画に取り組んでまいりました。
 その結果、受注高においては、空調計装関連事業における新設工事の大幅な増加により、22,939百万円(前期比7.0%増)となりました。売上高においては、産業計装関連事業の大幅増、空調計装関連事業における既設工事の堅調な伸びにより、21,706百万円(前期比1.5%増)となりました。
 利益面においては、空調計装関連事業における既設工事の増加及び利益率の向上により、営業利益は1,344百万円(前期比23.4%増)、経常利益は1,292百万円(前期比9.3%増)、また当期純利益においても上記要因に伴い、690百万円(前期比20.3%増)となり、ともに増益となりました。
 事業別の概況は次のとおりであります。
 〔空調計装関連事業〕
 空調計装関連事業におきましては、受注工事高は、新設工事が大幅に増加し、20,016百万円(前期比9.8%増)となりました。そのうち、新設工事は7,997百万円(前期比22.1%増)、既設工事は12,018百万円(前期比2.9%増)となりました。
 完成工事高につきましては、既設工事は堅調に推移したものの、新設工事が減少したことにより、18,057百万円(前期比4.9%減)となりました。そのうち、新設工事は6,188百万円(前期比16.0%減)、既設工事は11,868百万円(前期比2.2%増)となりました。
 次期繰越工事高は、新設工事の受注大幅増に伴い、8,814百万円(前期比28.6%増)となりました。
 また、制御機器類販売の受注高及び売上高は、新設向けで増加、既設向けで減少し、447百万円(前期比4.9%減)となりました。
 総じて、空調計装関連事業の受注高は20,463百万円(前期比9.4%増)、売上高は18,504百万円(前期比4.9%減)となりました。
 〔産業計装関連事業〕
 主に工場や各種搬送ライン向けに、空調以外の計装工事及び各種自動制御工事を行う産業計装関連事業におきましては、受注工事高は、地方での工場向け案件が伸び悩み、2,055百万円(前期比10.0%減)となりました。
 完成工事高につきましては、大型設備工事の完成計上により、2,781百万円(前期比88.0%増)と大幅増となりました。
 次期繰越工事高は、受注減と大型物件完工に伴い、652百万円(前期比52.7%減)となりました。
 また、制御機器類販売の受注高及び売上高は、421百万円(前期比5.5%減)となりました。
 総じて、産業計装関連事業の受注高は2,476百万円(前期比9.2%減)、売上高は3,202百万円(前期比66.4%増)となりました。
(注)消費税等の会計処理は税抜方式によっておりますので、「第2 事業の状況」の各記載金額については   消費税等抜きで表示しております。
(2)キャッシュ・フロー
 当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ1,060百万円増加し3,287百万円(前期比47.6%増)となりました。当事業年度中における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度において営業活動の結果得られた資金は1,317百万円(前期比10.7%減)となりました。
 これは、主に法人税等の支払額681百万円に対して税引前当期純利益の計上1,299百万円及び売上債権の減少750百万円があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度において投資活動の結果使用した資金は85百万円(前期比86.5%減)となりました。
 これは、主に投資有価証券の売却・償還による収入306百万円に対して無形固定資産の取得による支出161百万円及び投資有価証券の取得による支出204百万円があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当事業年度において財務活動の結果使用した資金は171百万円(前期比133.2%増)となりました。
 これは、主に配当金の支払171百万円があったこと等によるものであります。
2【生産、受注及び販売の状況】
 当社が営んでおります空調計装関連事業及び産業計装関連事業では、生産実績を定義することが困難であります。また、請負形態をとっているため販売実績という定義は実態に即しておりません。
 よって、「受注工事高及び施工高等の状況」として次に記載しております。
受注工事高及び施工高等の状況
(1)受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
項目
区分
前期繰越工事高
(千円)
当期受注工事高
(千円)
(千円)
当期完成工事高
(千円)
次期繰越工事高
当期施工高(千円)
手持工事高(千円)
うち施工高
(千円)
前事業年度
(自平成18年4月1日
至平成19年3月31日)
           
   
空調計装関連事業
7,605,782
18,233,880
25,839,662
18,983,812
6,855,850
32.8
2,249,169
18,829,874
産業計装関連事業
574,423
2,282,932
2,857,355
1,479,163
1,378,192
35.5
489,932
1,876,560
合計
8,180,205
20,516,812
28,697,018
20,462,976
8,234,042
33.3
2,739,101
20,706,434
当事業年度
(自平成19年4月1日
至平成20年3月31日)
空調計装関連事業
6,855,850
20,016,138
26,871,989
18,057,174
8,814,814
29.6
2,611,781
18,419,786
産業計装関連事業
1,378,192
2,055,089
3,433,281
2,781,109
652,172
40.7
265,330
2,556,507
合計
8,234,042
22,071,228
30,305,270
20,838,283
9,466,986
30.4
2,877,112
20,976,293
 (注)1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減高が含まれております。したがって、当期完成工事高にも同様の増減高が含まれております。
2.次期繰越工事高のうち施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3.当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高−前期末繰越施工高)に一致しております。
4.当期受注高及び当期売上高としては、上記当期受注工事高及び当期完成工事高のほかに、制御機器類の販売に係る当期受注高及び当期売上高が以下のとおりあります。
            (前事業年度)
  空調計装関連事業470,100千円、産業計装関連事業445,752千円
            (当事業年度)
  空調計装関連事業447,002千円、産業計装関連事業421,381千円
(2)受注の方法
 当社の工事の受注方法は、そのほとんどが特命によっております。
(3)販売実績
①完成工事高
期別
区分
官公庁(千円)
民間(千円)
合計(千円)
前事業年度
(自平成18年4月1日
至平成19年3月31日)
空調計装関連事業
4,182,122
14,801,690
18,983,812
産業計装関連事業
193,592
1,285,571
1,479,163
合計
4,375,714
16,087,261
20,462,976
当事業年度
(自平成19年4月1日
至平成20年3月31日)
空調計装関連事業
4,494,048
13,563,126
18,057,174
産業計装関連事業
236,819
2,544,289
2,781,109
合計
4,730,867
16,107,415
20,838,283
 (注)1.完成工事高のうち、請負金額が1億円以上の主なものは次のとおりであります。
(前事業年度)
三機工業㈱
高砂熱学工業㈱
日興プロパティーズ㈱
㈱ゼコー
新菱冷熱工業㈱
高砂熱学工業㈱
広島エルピーダメモリ㈱E300Fab-エリア3構築工事拡散CR棟空調設備工事
ニッセイ札幌プロジェクト空調設備工事
鶴見日興ビル・運用棟中央監視更新工事
深川ギャザリアタワーN棟新築計装工事
ローム浜松㈱西側増築棟C/R化計装工事
大日本印刷つくば第3試作棟計装工事
高砂熱学工業㈱
高砂熱学工業㈱
三機工業㈱ 
菱和設備㈱
高砂熱学工業㈱
金井興業㈱
ヤマハ発動機新実験棟計装工事
昭和電工㈱HD事業部千葉E棟建設工事
トヨタ自動車㈱東富士研究所C-12パワートレーン研究開発棟自動制御工事
浜松東第-1街区施設建築物計装工事 
長野電子工業㈱千曲工場空調熱源等実装工事
三益半導体工業㈱上郊工場K-V棟Ⅱ期増築工事
高砂熱学工業㈱
高砂熱学工業㈱
埼玉医科大学日高キャンパス自動制御工事 
神戸新聞会館空調自動制御設備工事
(当事業年度)
新菱冷熱工業㈱
㈱ゼンショー
東洋熱工業㈱
高砂熱学工業㈱
川越市役所
 
 
中外製薬㈱藤枝工場固形剤棟建設工事(空調自動制御工事)
㈱ゼンショー新工場スープ製造プラント設備工事
朝日放送㈱新社屋空調自動制御設備工事
千葉市中央第六区地区再開発
川越市上下水道局霞ヶ関第二雨水ポンプ場電気設備更新工事(その1)
 
2.最近2事業年度の完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は、次のとおりであります。
(前事業年度)
高砂熱学工業㈱
三機工業㈱ 
3,368,009
2,141,181
千円
千円 
16.5
10.5
% 
(当事業年度)
高砂熱学工業㈱
2,287,821
千円
11.0
②商品売上高
期別
区分
金額(千円)
前事業年度
(自平成18年4月1日
至平成19年3月31日)
空調計装関連事業
470,100
産業計装関連事業
445,752
合計
915,853
当事業年度
(自平成19年4月1日
至平成20年3月31日)
空調計装関連事業
447,002
産業計装関連事業
421,381
合計
868,383
(4)手持工事高(平成20年3月31日現在)
区分
官公庁(千円)
民間(千円)
合計(千円)
空調計装関連事業
2,104,048
6,710,766
8,814,814
産業計装関連事業
36,010
616,162
652,172
合計
2,140,058
7,326,928
9,466,986
(注)手持工事高のうち、請負金額が1億円以上の主なものは次のとおりであります。
新日本空調㈱
㈱テクノ菱和
㈱朝日工業社
㈱三晃空調
高砂熱学工業㈱
 ・
 ・
 ・ 
 ・
 ・
江東区新砂3丁目商業施設計画自動制御設備工事
アステラス製薬新棟A、B棟計装工事
静岡病院新館空調工事
エクシブ箱根離宮新築工事
国立国際医療センター新棟整備工事1期空調設備工事
 平成20年6月完成予定 
 平成20年8月完成予定
 平成22年3月完成予定
 平成22年3月完成予定
 平成22年10月完成予定 
 なお、参考のため、空調計装関連事業の「受注工事高及び施工高等の状況」を、新設工事と既設工事とに区分して示しますと、次のとおりであります。
(1)受注工事高、完成工事高、繰越工事高及び施工高
〔空調計装関連事業〕
項目
区分
前期繰越工事高
(千円)
当期受注工事高
(千円)
(千円)
当期完成工事高
(千円)
次期繰越工事高
当期施工高(千円)
手持工事高(千円)
うち施工高
(千円)
             
   
前事業年度
(自平成18年4月1日
至平成19年3月31日)
新設工事
4,780,359
6,552,675
11,333,034
7,369,164
3,963,869
32.9
1,302,168
7,377,761
既設工事
2,825,423
11,681,205
14,506,628
11,614,648
2,891,980
32.7
947,000
11,452,112
合計
7,605,782
18,233,880
25,839,662
18,983,812
6,855,850
32.8
2,249,169
18,829,874
当事業年度
(自平成19年4月1日
至平成20年3月31日)
新設工事
3,963,869
7,997,907
11,961,777
6,188,567
5,773,210
26.8
1,547,822
6,434,221
既設工事
2,891,980
12,018,231
14,910,211
11,868,607
3,041,604
35.0
1,063,958
11,985,564
合計
6,855,850
20,016,138
26,871,989
18,057,174
8,814,814
29.6
2,611,781
18,419,786
 (注)1.前期以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に変更のあるものについては、当期受注工事高にその増減高が含まれております。したがって、当期完成工事高にも同様の増減高が含まれております。
2.次期繰越工事高のうち施工高は、支出金により手持工事高の施工高を推定したものであります。
3.当期施工高は(当期完成工事高+次期繰越施工高−前期末繰越施工高)に一致しております。
(2)完成工事高
〔空調計装関連事業〕
期別
区分
官公庁(千円)
民間(千円)
合計(千円)
前事業年度
(自平成18年4月1日
至平成19年3月31日)
新設工事
962,543
6,406,621
7,369,164
既設工事
3,219,579
8,395,069
11,614,648
合計
4,182,122
14,801,690
18,983,812
当事業年度
(自平成19年4月1日
至平成20年3月31日)
新設工事
1,111,733
5,076,834
6,188,567
既設工事
3,382,315
8,486,291
11,868,607
合計
4,494,048
13,563,126
18,057,174
(3)手持工事高(平成20年3月31日現在)
〔空調計装関連事業〕
区分
官公庁(千円)
民間(千円)
合計(千円)
新設工事
1,723,665
4,049,545
5,773,210
既設工事
380,383
2,661,221
3,041,604
合計
2,104,048
6,710,766
8,814,814
3【対処すべき課題】
(1)当社の現状の認識について
 今後の経済見通しにつきましては、当期に引き続き、米国経済の減速傾向、円高、資源高の基調が継続し、景気の先行きは一段と厳しさを増していくものと思われます。
 建設業界においても、マクロ経済の悪化に伴い、建設需要の減退が懸念されております。
 空調計装業界におきましては、新設工事が一部の民間企業による大型設備投資の波及効果により増加が予想されますが、当該分野は特に景気動向に左右されることから、今後については予断を許さない状況です。
 一方、建築物の維持、補修、更新からなる既設工事では、洞爺湖サミットを控えての環境規制強化の動きが継続していることから、省エネルギー化のニーズを中心に、引き続き堅調な伸びが予想されています。
 このような状況におきまして当社は、「I can…『計装』の可能性を追求します」という将来ビジョン、企業のあるべき姿として定めた「『計装』のブランド企業となる」という二つの究極的な目標の達成を目指し、全社一丸となって取り組む所存であります。
(2)当面の対処すべき課題の内容
 このような状況を踏まえ、当社では次の事項を対処すべき課題として認識しております。
 ① 環境変化に耐えうる企業体質の確立
  ②  空調計装関連事業及び産業計装関連事業が連動して得られる付加価値の提供
  ③  空調計装関連事業における既設工事の量的拡大
  ④  空調計装関連事業における新設工事の収益モデル確立
      ⑤  産業計装関連事業の質的向上
         ⑥ 今日・明日を支える人財の確保
 
 (3)対処方針
  これらの課題の解決を図るべく、当社では下記の基本方針を盛り込んだ経営計画を策定いたしました。
  ① 収益重視の経営
空調計装関連事業新設部門、同既設部門、産業計装関連事業の各事業において、より収益率を重視した   事業活動を展開するとともに、各事業が連携して得られる利益についても追求することで、安定的な利益成長が可能となる企業になることを目指してまいります。
② CSRの推進
利害関係者に対し、あらゆる自社の活動について、法令や社会的規範を順守し、経営の透明性が保たれるような企業を目指してまいります。 
③ お客様志向への意識改革 
ソリューションビジネス拡大のために必要不可欠な、お客様志向の考え方を徹底してまいります。
     ④ データ重視の事業戦略
       戦略的情報システムを活用した、効率的かつ機動的な事業展開を行なってまいります。
⑤ 事業領域拡大の継続
常に新しい事業の芽が育つような社風の確立を目指してまいります。
⑥ ビジョン実現のための人財育成・確保
時代の変化やお客様ニーズに即応できる社員の教育及び即戦力の人財確保に注力してまいります。
4【事業等のリスク】
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 建設工事の安全衛生・品質管理について  
 当社は、主にオフィスビル、商業ビル等の建築現場で計装工事の設計、監理及び施工を行っております。
 施工作業に関しましては「施工業務標準」等に則って行うよう安全・技術管理室が指導を徹底しており、また安全パトロールを実施する等工事の安全衛生や品質の管理の充実を図るとともに賠償責任保険に加入する等、万全を期しておりますが、事業の特性から人的、物的事故や労働災害、竣工後のクレームに伴う多額の補修費の負担請求が発生する可能性があり、また、これに伴う相応の損害賠償義務を負う可能性があります。
 このため、当社が加入する賠償責任保険により填補される金額を上回る賠償請求義務を負うこととなった場合、直接的には多額のコストが発生し、また間接的には当社に対するお客様の品質評価に重大な影響を与え、業績及び財政状況に影響が出る可能性があります。
(2) フィールドサービス事業の品質管理について 
 当社は既設市場において、フィールドサービス(メンテナンス)を行っておりますが、作業現場は工場、病院、ショッピングセンター、研究所等多岐に亘ることで、作業現場に応じた広範な保守・点検技術を必要とします。
 作業に関しましては「メンテナンス業務標準」に則って行うよう安全・技術管理室が指導を徹底しており、また賠償責任保険に加入する等十分に配慮しておりますが、サービスの瑕疵等により不測の事故等が発生した場合は多額の補修費の負担請求が発生し、またこれ以外にも相応の損害賠償義務を負う可能性があります。
 このため、当社が加入する賠償責任保険により填補される金額を上回る賠償請求義務を負うこととなった場合、直接的には多額のコストが発生し、また間接的には当社に対するお客様の品質評価に重大な影響を与え、業績及び財政状況に影響が出る可能性があります。
(3) 特定の仕入先への依存度が高いことについて
 当社は、㈱山武と空調自動制御機器等の仕入れに関する特約店契約を結んでおります。
 この契約に基づく取引は、当社創業時(昭和34年)以来、長年に亘り継続して行われてまいりましたことから、㈱山武とは深い信頼関係があり継続性について問題は無いと思われますが、この仕入れが滞る事態となった場合は、当社業績に多大な影響を及ぼすこととなります。
 ㈱山武に対する仕入高が当社総仕入高に占める割合は次のとおりであり、高い依存度となっております。
項目
前事業年度
(自 平成18年4月1日
  至 平成19年3月31日)
当事業年度
(自 平成19年4月1日
  至 平成20年3月31日)
金額(千円)
割合(%)
金額(千円)
割合(%)
㈱山武
3,161,171
55.3
3,074,559
57.3
総仕入高 
5,711,471
100.0
5,366,069
100.0
(4) 不採算工事の発生
 工事は工事内容の打ち合わせ及び見積りに基づき取り交わした請負契約に従って施工し、工事完了後にお客様による竣工検査等を受けて引渡しが完了しますが、工事途中での設計変更や手直し工事による予測が困難な追加原価等により不採算工事が発生する可能性があり、これにより業績に影響を及ぼす可能性があります。 
(5) 建設資材価格の変動リスク
 当社の取り扱う電設資材等の価格が素材の相場の変動等により高騰し、それを請負金額に反映させることが困難な場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。 
(6) 取引先に関するリスク
 建設工事の受注に際しては、お客様の与信管理等を実施するほか可能な限り工事代金を先行して受領する等回収遅延が発生しないように対処しておりますが、当社のお客様の信用状況に悪化が生じた場合、売上債権の貸倒れが生じることとなり、業績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。 
(7) 業績の下期偏重について 
 当社の完成工事計上時期は、事業年度末である3月に集中する傾向にありますので、当社の売上高は下半期に偏重しております。また、販売費及び一般管理費の上半期、下半期がほぼ50:50であることから、営業利益は著しく下半期へ偏重し、上半期は営業損失となる傾向にあります。
(8) 技術者や外注先の確保及び育成について 
 当社は、計装工事の設計、監理及び施工を行っております。このため、計装エンジニアリング技術を実践的に適用できる技術者や外注先の確保及び育成が極めて重要であります。当社は高い技術を持った技術者や外注先の確保及び育成に努めておりますが、必要とする技術者や外注先の確保及び育成ができなかった場合、受注機会の減少等当社業績に多大な影響を及ぼす可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
(1)特約店契約
相手先
契約の内容
契約期間
 株式会社山武
 (ビルシステムカンパニー)
  同社より製品の提供を受け、これを販売すること
  並びに同社のソフトウェアを使用する契約。
 自 平成19年4月1日
 至 平成20年3月31日
株式会社山武 
 (アドバンスオートメーションカンパニー)
  同社より製品の提供を受け、これを販売すること
  並びに同社のソフトウェアを使用する契約。
 自 平成18年4月1日
 至 平成20年3月31日
 (注)契約期間は、株式会社山武 ビルシステムカンパニーについては平成20年4月1日から平成21年3月31日まで、同社アドバンスオートメーションカンパニーについては平成20年4月1日から平成22年3月31日まで、それぞれ更新されています。
(2)特定融資枠契約
 当社は、運転資金の効率的な調達を行うため、平成20年3月31日に取引銀行2行と総額1,000,000千円の特定融資枠契約(シンジケーション方式によるコミットメントライン)を締結いたしました。
締結年月日
契約の名称
相手先
契約の概要
借入未実行残高
平成20年3月31日
 スタンドバイ・クレジット・ファシリティ(シンジケーション方式によるコミットメントライン)契約
 ㈱みずほ銀行
 ㈱りそな銀行
㈱みずほ銀行をエージェントとする貸付金融機関2行との借入総額1,000,000千円のシンジケーション方式の借入契約
(コミットメント期間平成20年3月31日から平成23年3月30日)
 1,000,000千円
6【研究開発活動】
 当社は、将来ビジョンである「『計装』の可能性を追求します」の精神の下、本社技術本部を中心に、様々な研究開発活動を行っております。
 計装エンジニアリング会社である当社の性格上、研究開発の内容は、シーズや基礎研究というよりは、様々な計装技術の応用研究、基礎技術の汎用化研究などが中心となります。
 当事業年度における研究開発費は63百万円となりました。
 主要な研究開発活動は、次のとおりであります。 
(1)リモートメンテナンス向けデータ解析支援ツールの開発 
 既納入システムのリモートメンテナンス向けに、前事業年度に開発した「データ分析ツール」等のソフトウェアを用いて、遠隔から収集したデータを一次解析できるデータ解析支援ツールの応用技術開発を行ないました。
(2)DoPa又はFOMAを利用した遠隔監視システムの開発
 遠隔地にある複数の拠点から、DoPa又はFOMA等の無線通信網※1によって収集した計測データを、センターで一括管理できるような遠隔監視システムを構築いたしました。
(3)オープンシステムにおけるデータ収集システムの開発
 BAC-net※2を採用している中央監視システムに直接接続してデータを収集することができる「BAC-netデータ収集システム」を構築いたしました。
    (4)UHF帯RF-ID利用技術の開発
 前事業年度に引き続き、RF-ID※3を用いた識別技術の適用拡大として、検知距離が従来のRF-IDタグより長いUHF帯RF-IDの調査及びそれを利用した入退室管理システムを構築いたしました。
    (5)無線センサーネットワークを利用した計測・制御に関するI/Fの確立
      前事業年度に構築した「無線センサーネットワーク」※4と、監視装置や制御装置をインターフェースする技    
    術を確立いたしました。
 
    ※1 DoPa、FOMA等の無線通信網
      ㈱NTTドコモが提供する無線によるパケット通信方式によるデータ通信サービス。パケット通信は音声通話と  
    は異なり、通信時間、時間帯、距離に関係なく、送受信したデータ量に応じて通信料がかかることから、少量の
    データをやり取りする遠隔計測・監視に向いている。
     また、無線通信であることから、有線ケーブルの配線に関わる許可や工事が不要であり、拠点の移動にも柔軟
    に対応することが可能である。
    ※2 BAC-net
      米国の空調衛生学会で規格化された通信プロトコル規格。単一メーカー(シングルベンダー)によるクローズ
    ドシステムから複数メーカー(マルチベンダー)によるオープンシステムへの転換を可能にする。
    ※3 RF-ID
      Radio Frequency Identificationの略で、一般的には非接触型ID識別システムと呼ばれている。対象に組み
    込まれた微小な無線チップにより人やモノを識別・管理する仕組み。
       ※4 無線センサーネットワーク   
 無線で接続できる計測端末で構成されたネットワーク。固定のアクセスポイントを介さず他の端末を中継することで、より広い範囲の計測ができる。
7【財政状態及び経営成績の分析】
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
 (1)重要な会計方針及び見積り
 当社の財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表作成に当たりまして、期末時点の資産・負債及び期中の収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや仮定が必要とされます。当社は、過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は資産・負債の簿価及び収益・費用の計上についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
 当社は、次の重要な会計方針の適用における見積りや仮定は財務諸表に重要な影響を与えると考えております。
①収益の認識 
 当社の完成工事高の計上は、工事完成基準によっております。完成工事高は、お客様からの注文書に基づいた請負金額によっており、また、計上時期は目的物の引き渡しが実質的に行われた時点としております。目的物の引き渡しが実質的に行われた時点の判断は、「竣工検査終了後、検査に基づく手直し工事及び試運転、調整が完了した時点」を原則としております。
②貸倒引当金 
 当社の債権のうち、損失の発生が合理的に予想される債権に対しては、貸倒引当金を計上しております。
 貸倒引当金の計上にあたっては、債務者からの債権回収状況、過去の貸倒実績率、債務者の財務内容及び担保価値等を総合的に判断した上で、債権の回収可能額を見積り、必要な貸倒引当金を計上しております。
なお、債務者の財務状態が悪化し、その支払能力が低下した場合、追加引当が必要となる可能性があります。
③投資の減損
 当社は、長期的な取引関係の維持のために、特定のお客様や金融機関等の取引先に対する少数持分を所有しております。これら株式には価格変動性が高い公開会社の株式と、株価の決定が困難である非公開会社の株式が含まれております。
 公開会社の株式については、期末時点で市場価格が取得価額に対して著しく下落している場合、非公開会社の株式については、投資先の純資産価額の当社持分が当社の帳簿価額に対して著しく下落している場合につき、将来の回復の可能性を検討し、評価損を計上することとしております。
④繰延税金資産
 当社は、財務諸表と税務上の資産・負債との間に生じる一時的な差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産・負債を計上しております。
 繰延税金資産の計上にあたっては、将来の課税所得と実現可能なタックス・プランニングを考慮して一時差異の解消に係るスケジューリングを行い、回収可能と判断される繰延税金資産を計上しております。回収可能性の判断には、実績情報とともに将来に関するあらゆる入手可能な情報が考慮されております。
 当社は、繰延税金資産の回収可能性の判断は合理的なものと考えておりますが、スケジューリング期間における課税所得の見積りの変動及びタックス・プランニングの変更等により、将来において繰延税金資産の増減が生じる可能性があり、将来の財務諸表に重要な影響を及ぼすことも考えられます。
⑤退職給付費用
 当社は、従業員の退職給付費用及び年金債務について、年金数理計算に使用される前提条件に基づいて算定しております。
 年金数理計算の前提には、割引率、退職率、死亡率及び昇給率、年金資産の期待運用収益率等の重要な見積りが含まれております。これらの前提条件の決定にあたっては、金利変動等の市場動向を含め、入手可能なあらゆる情報を総合的に判断し決定しております。
 当社は、これらの前提条件の決定は合理的に行われたと判断しておりますが、前提条件と実際の結果が異なる場合は、将来の退職給付費用及び退職給付債務に影響を及ぼす可能性があり、将来の財務諸表に重要な影響を及ぼすことも考えられます。
 (2)当事業年度の経営成績の分析
①売上高
 売上高は、前事業年度に比べ327百万円増加し21,706百万円となりました。 
 空調計装関連事業における新設工事の完成工事高は、官公庁発注工事が増加したものの、民間発注工事の次期繰越高の増加により1,180百万円減少しました。既設工事におきましては、官公庁発注工事、民間発注工事共に増加となり、完成工事高は253百万円増加しました。一方、制御機器類の販売については、新設向けで増加したものの、既設向けの落ち込みにより23百万円減少しました。
 産業計装関連事業における完成工事高は、前事業年度に増加した繰越工事高の完成計上により1,301百万円増加しました。一方、制御機器類の販売については24百万円減少しました。
②売上総利益
 売上総利益は、前事業年度に比べ293百万円増加し5,839百万円となりました。
 空調計装関連事業においては、新設工事で売上高の減少に伴い売上利益も減少したものの、既設工事における売上高の増加及び利益率の上昇により、前事業年度に比べ189百万円増加しました。
 産業計装関連事業においては、利益率が低下したものの売上高の大幅増により、前事業年度に比べ104百万円増加しました。
 売上総利益率については、原材料費等のコストダウンを推進した結果、全体で1.0ポイント上昇し26.9%となりました。
③販売費及び一般管理費 
 販売費及び一般管理費は、ソフトウェアの購入及び社内情報システムの稼動により、事務用品費及び減価償却費が増加したこと等により前事業年度に比べ39百万円増加し4,494百万円となりました。
④営業利益
 営業利益は、販売費及び一般管理費が増加したものの、売上総利益の増加により前事業年度に比べ254百万円増加し1,344百万円となりました。売上高営業利益率についても1.1ポイント上昇し6.2%となりました。
⑤営業外収益及び営業外費用、特別利益及び特別損失
 営業外収益及び営業外費用は、営業外収益で投資事業組合運用益が減少した他、営業外費用で複合金融商品に係る投資有価証券評価損が増加したこと等により、前事業年度の収益92百万円(純額)から52百万円の費用(純額)となりました。
 特別利益及び特別損失は、特別利益で投資有価証券売却益が増加した他、特別損失で前事業年度に発生した非上場株式に係る投資有価証券評価損が当事業年度は発生しなかったこと等により、前事業年度の損失22百万円(純額)から7百万円の利益(純額)となりました。
⑥税引前当期純利益
 税引前当期純利益は、前事業年度に比べ139百万円増加し1,299百万円となりました。
⑦法人税等
 法人税等は、税引前当期純利益が増加したものの、役員報酬との一本化により役員賞与引当金繰入額が発生しなかったこと等により前事業年度に比べ23百万円の増加に止まり609百万円となりました。これにより税効果会計適用後の法人税等の負担率は、前事業年度の50.6%から46.9%に低下しております。
⑧当期純利益
 当期純利益は、前事業年度に比べ116百万円増加し690百万円となりました。これにより1株当たり当期純利益は、前事業年度の69.98円から84.21円に増加しております。
 (3)流動性及び資金の源泉
①キャッシュ・フロー 
 営業活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度より158百万円少ない1,317百万円の資金を得ました。売上債権が前事業年度の増加から減少に転じ、また未成工事支出金等の増加額が小幅となる等、キャッシュの増加要因があったものの、仕入債務の減少、法人税等の支払額の増加等減少要因がそれを上回りキャッシュが減少となりました。
 投資活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度より548百万円少ない85百万円の資金を使用しました。これは資金を安全かつ効率的に運用する基本方針のもと、市場の状況を勘案し、より安全性を重視した運用を行った結果、前事業年度より投資有価証券の取得による支出が減少となったこと等によるものであります。
 財務活動によるキャッシュ・フローでは、前事業年度より98百万円多い171百万円の資金を使用しました。これは主に配当金の支払額が増加したことによるものであります。
②資金需要
 当社の運転資金需要のうち主なものは、各種工事のための原材料購入及び外注工事費の支払いのほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。営業費用の主なものは人件費であります。 
③財務政策
  当社は現在、運転資金及び設備投資資金につきましては、内部資金を充当しており借入金はございません。しかしながら、不測の事態に備え資金の機動的調達手段の確保を目的に当事業年度において取引銀行2行と総額1,000百万円のコミットメントライン契約を終結いたしました。なお、同契約に基づく当事業年度末の借入実行残高はありません。また、今後も引き続き、最適な資本構成や設備投資等のあり方について経営計画との整合性を図りながら検討してまいります。




出典: 日本電技株式会社、2008-03-31 期 有価証券報告書