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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
 当連結会計年度の当業界は、製品安、原料高、販売競争激化という厳しい経営環境の中、昨年に引き続き採算面において非常に厳しい状況のまま推移いたしました。
 このような状況の中で当社グループは、「素材」から「惣菜」へと変化しつつある市場に対して、中食・外食チャネルでのハム・ソーセージのシェアアップを目指すと同時に、「お惣菜」や「カジュアルフード」の商品開発及び生産体制の整備を進め、お客様への付加価値の高いご提案を推進してまいりました。
 また、「ローコスト経営」の一環として、一人あたりの効率を高めるため、営業活動での配販分離を推進いたしました。さらに、生産工場では、素材型から惣菜型商品への生産体制の移行に伴い、惣菜専用工場として神戸工場及び中部プラントを新設するとともに、九州工場の惣菜生産能力を強化するなど、惣菜型商品の生産体制の増強を図りました。また、ハム・ソーセージにつきましては、生産拠点の集約化を進めるとともに、IHPS(伊藤ハム・プロダクション・システム)活動を基本にマネジメント能力の強化による生産性の向上に取り組んでまいりました。
 この結果、当連結会計年度の売上高は前年同期より118億1千4百万円増加して5,172億7千5百万円(前年同期比2.3%増)となりました。利益につきましては、仕入価格の上昇により売上原価が前年同期より181億4千2百万円増加したことにより、売上総利益が前年同期より63億2千8百万円減少いたしました。営業利益は、増収に伴い販売費及び一般管理費が22億1千万円増加したことにより、前年同期より85億3千6百万円減少して39億3千6百万円の損失(前年同期は46億円の利益)、経常利益は前年同期より90億4千2百万円減少して25億3千2百万円の損失(前年同期は65億1千万円の利益)となりました。
 また、特別損益は、厚生年金基金代行返上にともなう資産返上額の確定により、返上益6億7千8百万円を特別利益に計上いたしました。一方、減損損失17億9千1百万円を特別損失に計上したため、税金等調整前当期純利益は前年同期より120億1千6百万円減少して43億7百万円の損失(前年同期は77億9百万円の利益)となりました。当期純利益は、繰延税金資産を取り崩した結果、前年同期より132億4千3百万円減少して83億7千1百万円の純損失(前年同期は48億7千2百万円の純利益)となりました。
 配当につきましては、上記の損益状況を鑑み、誠に遺憾ながら8円配当を4円減らし4円配当といたします。
[事業部門別の概況]
 ハム・ソーセージ部門
 ハム・ソーセージ部門は、ウインナー群では「アルトバイエルン」、スライスパック群では「朝のフレッシュ」を中心に重点販売商品の集中販売を実施するとともに、「皮なしウインナー」と「あらびきウインナー」の良さをあわせた「マジ旨あらびき」や、豚肉のおいしさを引き立てた、うす皮食感のウインナー「こく旨あらびきウインナー」を昨秋から投入して拡販してまいりました。また、お客様の食シーンの変化に対応し、今後の成長が期待できる中食・外食市場に向けて、業務用商品の売上の拡大に努めましたが、低価格化が進む市場環境の中で、この部門の売上高は1,264億5千2百万円(前年同期比0.8%減)となりました。
 生肉部門
 生肉部門は、米国産牛肉の輸入停止が続く中、外食産業などで豚肉や鶏肉へのシフトが進み、輸入牛肉需要が低迷し、豪州産牛肉価格が軟調に推移いたしました。このような状況の中で、海外自社牧場で生産肥育されたオーストラリアの「ロックデールビーフ」とニュージーランドの「ファイブスタービーフ」を中心に、ブランド力強化と国内随一の供給量を誇る「黒豚」の拡販を最重要課題とし、積極的な販売を行いました。また、トレーサビリティの拡充を図り、得意先件数の拡大と国産銘柄牛、国産豚肉、輸入鶏肉の拡販に努めました。この結果、この部門の売上高は2,785億3千9百万円(前年同期比1.5%増)となりました。
 調理加工食品ほか部門
 調理加工食品は、伸長する可能性のある中食・外食市場に向けて、「お惣菜」と「カジュアルフード」に分類し、「お惣菜」では「焼肉」「ハンバーグ」「とんかつ」等の肉惣菜を拡販いたしました。また、「カジュアルフード」では本格チルドピザ「ラ・ピッツア」を中心に大きく売上を伸ばしたことにより、この部門の売上高は751億9千5百万円(前年同期比9.0%増)となりました。
 また、乳製品事業、医薬品事業、外食事業などその他の売上高は370億8千7百万円(前年同期比7.6%増)となりました。この結果、この部門全体の売上高は1,122億8千3百万円(前年同期比8.5%増)となりました。
 なお、当社グループは事業の種類別セグメント情報を記載していないため、事業部門別に区分しております。
(2)キャッシュ・フローの状況
 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、売上債権の減少並びに仕入債務の増加があったものの、有形固定資産の取得による支出並びにたな卸資産の増加等により、前連結会計年度末に比べ97億5千6百万円減少し、当連結会計年度末には143億4千2百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は28億2千万円(前連結会計年度は38億4百万円の増加)となりました。これは主に、非資金損益項目の減価償却費70億7千6百万円と売上債権の減少13億4千5百万円
及び仕入債務の増加11億8千6百万円による増加要因があった一方で税金等調整前当期純損失43億7百万円とたな卸資産の増加65億1千7百万円及び持分法による投資利益10億3千1百万円による減少要因があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は128億3千3百万円(前連結会計年度は53億5千4百万円の使用)となりました。これは主に、既設工場の増強等有形固定資産の取得による支出127億4千万円があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 当連結会計年度において財務活動の結果増加した資金は56億6千9百万円(前連結会計年度は29億4千9百万円の使用)となりました。これは主に、借入金の純増加額が71億3千万円であった一方で、配当金の支払いによる支出16億6千7百万円があったことによるものであります。
2【生産、受注及び販売の状況】
(1)生産実績
 当連結会計年度の生産実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門別
当連結会計年度
(自 平成17年4月1日
至 平成18年3月31日)
前年同期比(%)
ハム・ソーセージ(百万円)
74,654
100.2
生肉(百万円)
88,589
99.6
調理加工食品ほか(百万円)
57,997
125.4
合計(百万円)
221,241
105.5
 (注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
 当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。
(3)販売実績
 当連結会計年度の販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門別
当連結会計年度
(自 平成17年4月1日
至 平成18年3月31日)
前年同期比(%)
ハム・ソーセージ(百万円)
126,452
99.2
生肉(百万円)
278,539
101.5
調理加工食品ほか(百万円)
112,283
108.5
合計(百万円)
517,275
102.3
 (注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3【対処すべき課題】
 今後の経営環境はますます厳しさを増し、市場環境も目まぐるしく変化するものと思われます。そのような中、『収益性の高い会社への基盤づくり』と『新たなビジネスモデルの策定』を目指し、以下の基本戦略のもとに事業施策に積極的に取り組んでまいります。また、お客様の視点に立った商品開発とコンプライアンス体制の強化により、関税法違反事件により失った社会的信頼の回復に努めてまいります。
[基本戦略]
(1)環境の変化に対応したマーケティング戦略
 商品ブランドの育成・強化、社内体制の充実により強い商品づくりを行います。またグローバルな視野での調達、生産、販売戦略の策定に取り組み、新たなビジネスモデルの構築を行います。
(2)徹底したコストダウンによる利益構造の改革
 外部環境の変化に左右されない強固な経営基盤を築くため、生産拠点の統廃合、不採算事業の再建と撤退など経営資源の最適配分を図り、生産性を高めます。また、人件費の圧縮や資産・有利子負債の圧縮を行い、固定費の削減に取り組みます。また、IT活用により業務の効率化を推進します。
(3)スピード経営と組織及び制度の見直し
 組織のスリム化、フラット化を実施し、意思決定の迅速化を目指すとともに、成果主義に基づく人事制度の浸透と人材の流動化・育成に取り組みます。
[中長期的な経営戦略及び目標とする経営指標]
 当社グループは、平成16年度から平成18年度までの3ヵ年グループ中期経営計画を策定し、グループ全体を挙げて計画を推進しております。また、当社は、資産効率とコストパフォーマンスを高め、投下資本に対するリターンの最大化を図り、株主と投資家を意識した経営に取り組むため、計画の中で連結ROA(総資本経常利益率)とROE(株主資本当期純利益率)を主な経営指標としております。なお、平成18年度時点での連結売上高5,700億円、営業利益150億円、経常利益160億円を目標としてまいりましたが、最近の経営状況を鑑み、売上高5,100億円、営業利益△2億円、経常利益13億円に修正しております。
 なお、上記業績予想につきましては、当社グループが当連結会計年度末現在で入手可能な情報に基づき作成したものですが、リスクや不確実性を含んでいます。実際の業績は、当社グループの事業を取り巻く経済情勢、市場の動向、為替レート、獣疫などの様々な要因により、予想値と大きく異なる可能性があります。
4【事業等のリスク】
 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経済状況
 当社グループの全世界における営業収入のうち、重要な部分を占める食肉や食肉加工製品等の需要は、当社グループが製品を販売している国または地域の経済状況の影響を受けます。顧客にとって当社グループ製品の購入をすることは、多くの場合必要不可欠なことであるとは言えません。同様に、当社グループの業務用製品の需要は、当社グループが製品を販売している様々な市場における経済状況の影響を受けます。
 従いまして、日本、オセアニア、アジアを含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う需要の縮小は、当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、当社グループの事業は、原材料を輸入する地域の現地通貨が下落した場合、当社グループのみならず競合他社でも、調達価格が下がる可能性があります。このような傾向により、輸入競争や価格競争が熾烈化し、いずれも当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。
 さらに、当社グループの販売先は多岐にわたっており、顧客の業績悪化により債権回収が困難になる場合や顧客の株式の下落による評価損もあり、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性が生じることになります。
(2)為替レートの変動
 当社グループは、米国、オセアニア及びヨーロッパ等の海外から外貨建ての輸入業務を行っており、これらの国の現地通貨に対する為替レートの変動が業績に影響を及ぼす可能性があります。
 当社グループは、通貨ヘッジ取引を行い、米ドル、ユーロ、豪州ドル及び円を含む主要通貨間の為替レートの短期的な変動による悪影響を最小限に止める努力をしておりますが、中長期的な通貨変動により、計画された調達、製造、流通及び販売活動を確実に実行できない場合があるため、為替レートの変動は当社グループの業績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)新製品開発力
 当社グループは、現在、食肉加工品と食肉などの既存製品による収入が、引き続き当社グループ収入のかなりの部分を占めておりますが、将来の成長は主に革新的な新製品の開発と販売が必要であると想定しており、顧客のニーズ、シーズからの先進的な新商品の開発が重要な経営課題と認識しております。
 当社グループは、継続して斬新で魅力ある新製品の開発に向けて取り組んでおりますが、新製品の開発と販売のプロセスは、その性質から複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクが含まれます。
①新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後十分充当できる保証はありません。
②長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新製品または新技術の創造へつながる保証はありません。
③当社グループが市場からの支持を獲得できる新製品または新技術を正確に予想できるとは限らず、またこれらの製品の販売が成功する保証はありません。
④新たに開発した製品または技術が、独自の知的財産権として保護される保証はありません。
⑤技術の急速な進歩と消費者の嗜好の変化により、当社グループ製品が時代遅れになる可能性があります。
 上記のリスクをはじめとして、当社グループが業界と市場の変化を十分に予測できず、魅力ある新製品を開発できない場合には、将来の成長と収益性を維持向上出来ず、業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)価格競争
 食肉及び食肉加工品を含む食肉業界ならびに調理加工食品等の食品業界における競争はたいへん厳しいものとなっております。また、小売・外食等での販売競争も熾烈となっており、当社グループは、各製品市場と地域市場において、競争の激化に直面すると予想されます。
 当社グループは、安全・安心はもとより、高品質で高付加価値の製品を送り出すリーディングメーカーの一社であると考える一方で、将来においても有効に競争できるという保証はありません。価格面での圧力または有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 高付加価値と低価格との二極化の中で、顧客の可処分所得の減少に伴い、激化する価格低減競争の環境下で、当社グループは、低コスト・低予算の競合先に対して市場シェアを維持もしくは拡大し、収益性を保つことができない可能性があります。
(5)市況変動
 BSE、鳥インフルエンザ及び口蹄疫等の獣疫の発生や輸入豚肉、輸入牛肉を対象としたセーフガード発動等により仕入数量の制限や仕入価格の上昇が考えられ、また需給バランスの崩れや消費者ニーズの変化等により販売価格に影響を及ぼす場合があります。従いまして、これらの事象は当社グループの業績と財務状態に影響を及ぼす可能性があります。
(6)国際的活動及び海外進出に潜在するリスク
 当社グループの生産及び販売活動の一部は、豪州、アジア、米国ならびにヨーロッパ等の日本国外で行われております。これらの海外市場への事業進出には以下に掲げるようないくつかのリスクが内在しております。
①予期しない法律または規制の変更
②不利な政治または経済要因
③人材の採用と確保の難しさ
④潜在的に不利な税影響
⑤テロ、戦争、伝染病等の要因による社会的混乱
 当社グループは、競争力のある製品の製造と原料肉の調達とコスト削減のために、海外における生産及び原料と食肉の調達の規模拡大を続けてまいりました。しかし、それぞれの国における政治または法環境の変化、天候不順、飼料価格の高騰、経済状況の変化など、予期せぬ事象により生産設備の管理やその他の事業の遂行に問題が生じる可能性があります。従いまして、これらの事象は業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)キーパーソンの確保や育成
 当社グループの将来の成長と成功は有能な研究者やキーパーソンに大きく依存するため、開発技術の高い研究者やその他のキーパーソンの新たな確保と育成は当社グループの成功には重要であり、キーパーソンを確保または育成できなかった場合には、当社グループの将来の成長、業績及び財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
 一方、最新技術の経験を持つ有能な研究者の採用は、採用コストと人件費を時には大きく押し上げる可能性があります。また、既存従業員の継続的な再研修はコストの増加を伴う可能性がありますが、技術革新と業績の向上を維持するために必要となる可能性があります。これらのコストの増加は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)知的財産保護の限界
 当社グループは、他社製品と差別化できる技術とノウハウを蓄積してまいりましたが、当社グループ独自の技術とノウハウの一部は、特定の地域では法的制限のため知的財産権による完全な保護が不可能、または限定的にしか保護されない状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造するのを効果的に防止できない可能性があります。
 また、他社が類似する、もしくは当社グループより優れている技術を開発したり、当社グループの特許や企業秘密の模倣を防止できない可能性があります。さらに、当社グループの将来の製品または技術は、将来的に他社の知的財産権を侵害しているとされる可能性もあります。
(9)製品の欠陥
 当社グループは、世界中の工場と肥育場で、世界的に認められている品質管理基準に従って各種の製品の製造や牛・豚の肥育をしております。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来にリコールが発生しないという保証はありません。また、製造物責任賠償については保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を十分にカバーできるという保証はありません。
 さらに、引き続き当社グループがこのような保険に許容できる条件で加入できるとは限りません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような製品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下し、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(10)他社との提携等の成否
 当社グループは、技術開発の一環として、経営資源を最適化し、技術の集約による相乗効果を利用するために、コラボレーション、技術提携や合弁の形で多くの他社と共同での活動を行っております。
 当社グループは、引き続きこのような機会を前向きに活用する予定であります。しかし、経営、財務またはその他の理由により当事者間で不一致が生じた場合、効果的な開発による結果を享受できず、当社グループの業績と財務状況に悪影響が及ぶ可能性があります。
(11)公的規制
 当社グループは、事業展開する各国において、事業・投資の許可、国家安全保障またはその他の理由による輸出制限、関税や獣疫等によるその他の輸出入規制等、様々な政府規制の適用を受けております。
 また、通商、独占禁止、食品衛生、下請、特許、消費者、租税、証券取引、為替管制、環境・リサイクル関連の法規制の適用も受けております。これらの規制を遵守できなかった場合、当社グループの活動が制限される可能性があります。
 また、規制を遵守できなかった場合は、コストの増加につながる可能性があります。従いまして、これらの規制は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)災害や停電等による影響
 当社グループは、製造ラインの中断による潜在的なマイナス影響を最小化するために、全ての設備における定期的な災害防止検査と設備点検を行っております。しかし、生産施設で発生する災害、停電またはその他の中断事象による影響を完全に防止または軽減できる保証はありません。
 例えば当社グループの主力製品は、現在千葉県柏市、兵庫県西宮市、愛知県豊橋市、佐賀県基山町等で製造しており、該当地域での大規模な地震やその他の操業を中断する事象が発生した場合、当社製品の生産能力が著しく低下する可能性があります。
(13)退職給付債務
 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率等数理計算上で設定される前提条件や年金資産の期待収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。割引率の低下や運用利回りの悪化は当社グループの業績と財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
 特記すべき事項はありません。
6【研究開発活動】
 当社グループの研究開発については、基礎研究を中央研究所が行い、全社的な商品開発は商品政策本部が中心となり、営業及び生産等の関連部門と連携を取りながら商品の企画立案、商品化を推進しております。
 中央研究所では、食肉製品の安全性確保や加工技術に関する基礎研究を進めており、特に添加物に頼らざるを得ない現在の製法を見直し、天然物によるリン酸塩の代替え方法や発色剤の低減化技術を確立し、特許を出願しました。
 また、食と健康の分野では、大学との共同研究で高齢者用のソフト肉を開発し、現在介護施設でのモニター試験を実施しております。さらに、健康成人へのL−カルニチンの投与が体脂肪を有意に減少させることを明らかにしました。
 商品開発の分野においては、お得意様のバックヤードの省力化・効率化を支援する『バックヤード・ソリューション』、消費者の皆様に向けては『キッチン・ソリューション』を基本テーマに、「おいしさアップ」と「お惣菜」や「カジュアルフード」の強化に取り組んでおります。
 なお、当連結会計年度の研究開発費の総額は、1,264百万円であります。
7【財政状態及び経営成績の分析】
 当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。
(1)財政状態の分析
(流動資産)
 当連結会計年度末における流動資産の残高は1,232億2千3百万円(前連結会計年度末は1,289億6千7百万円)となり、57億4千4百万円減少しました。これは主に原料在庫等のたな卸資産が71億3千1百万円増加したものの、現金及び預金98億3千2百万円の減少と繰延税金資産を取り崩したことによる11億5千1百万円の減少に加えて、受取手形及び売掛金16億9千6百万円の減少があったことによるものであります。
(固定資産)
 当連結会計年度末における固定資産の残高は1,198億2千6百万円(前連結会計年度末は1,088億9千8百万円)となり、109億2千8百万円増加しました。これは主に固定資産減損損失計上による減少が17億9千1百万円あった一方で、新規事業に伴う工場設備の増強等により有形固定資産が9億4千8百万円増加したことに加えて、保有する株式の価格上昇及び持分法による投資利益の計上等による投資有価証券79億4千3百万円の増加と繰延税金資産15億8千万円の増加があったことによるものであります。
(流動負債)
 当連結会計年度末における流動負債の残高は721億4千4百万円(前連結会計年度末は866億2千3百万円)となり、144億7千9百万円減少しました。これは主に一年以内に償還予定の社債99億8千万円の減少と神戸工場新設に伴う設備関係等の支払による未払金46億2千1百万円の減少があったことによるものであります。
(固定負債)
 当連結会計年度末における固定負債の残高は490億9千4百万円(前連結会計年度末は249億2千4百万円)となり、241億7千万円増加しました。これは主に長期資金調達に伴う社債100億7千万円及び長期借入金86億9千9百万円の増加と投資有価証券評価差額金計上に伴う繰延税金負債59億6千2百万円の増加によるものであります。
(資本)
 当連結会計年度末における資本の残高は1,211億4千7百万円(前連結会計年度末は1,258億4千3百万円)となり、46億9千6百万円減少しました。これは主に株式相場上昇によるその他有価証券評価差額金38億9千9百万円と為替換算調整勘定14億5千2百万円の増加があった一方で、当期純損失計上に伴う利益剰余金100億3千8百万円の減少があったことによるものであります。
(2)キャッシュ・フローの分析
(キャッシュ・フロー)
 営業活動によるキャッシュ・フローでは前連結会計年度より66億2千4百万円多い28億2千万円の資金を使用しました。これは主に仕入債務の増加と売上債権が減少したものの、税金等調整前当期純損失の計上とたな卸資産の増加によるものであります。
 投資活動によるキャッシュ・フローでは前連結会計年度より74億7千9百万円多い128億3千3百万円の資金を使用しました。これは主に前期計上の設備関係未払金支払等による支出の増加と有形固定資産売却による収入が減少したことによるものであります。
 財務活動によるキャッシュ・フローでは前連結会計年度より86億1千8百万円多い56億6千9百万円の資金を得ました。これは短期借入金の純増加額が減少したものの、長期借入金による収入が前連結会計年度より増加したことによるものであります。配当金の支払には前連結会計年度とほぼ同額の16億6千7百万円を使用しております。
 これら活動の結果及び為替レートの変動が海外子会社の現金及び現金同等物の円換算額に与えた影響により、現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度より97億5千6百万円減少し、143億4千2百万円となりました。
(キャッシュ・フローの指標)
 
平成16年3月期
平成17年3月期
平成18年3月期
株主資本比率(%)(注)1
53.6
52.9
49.8
時価ベース株主資本比率(%)(注)2
44.2
47.4
38.7
債務償還年数(年)(注)3
4.4
10.5
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)(注)4
10.6
4.2
(注)1.株主資本比率=株主資本/総資産
2.時価ベースの株主資本比率=株式時価総額/総資産
3.債務償還年数=有利子負債/営業キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ=営業キャッシュ・フロー/利払い
*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
*営業キャッシュ・フローは連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
(3)経営成績の分析
 当連結会計年度における売上高は5,172億7千5百万円(前年同期比2.3%増)、売上原価は4,205億7千1百万円(前年同期比4.5%増)となりました。
 販売費及び一般管理費は主に発送配達費等の物流費が増加し、1,006億4千1百万円(前年同期比2.2%増)となりました。
 営業利益は主に原材料費の高騰による売上総利益率の低下により、前連結会計年度より85億3千6百万円減少の39億3千6百万円の営業損失となりました。
 営業外収益(費用)は前連結会計年度の19億9百万円(純額)の利益から14億4百万円(純額)の利益となりました。これは主に海外関連会社の持分法による投資利益が減少したことによるものであります。
 特別利益(損失)は前連結会計年度の11億9千9百万円(純額)の利益から17億7千5百万円(純額)の損失となりました。これは主に固定資産に対する減損損失の計上があったことによるものであります。
 これらの結果、当期純損益は前連結会計年度より132億4千3百万円減少の83億7千1百万円の当期純損失となりました。1株当たりの当期純損益は前連結会計年度の23.38円の利益に対し40.17円の損失となりました。
 なお、事業部門別の分析等は第2[事業の状況]1[業績等の概要](1)業績項目をご参照ください。




出典: 伊藤ハム株式会社、2006-03-31 期 有価証券報告書