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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
 当連結会計年度のわが国経済は、好調な企業業績とそれに伴う設備投資の拡大を背景に、景気は引き続き堅調に推移いたしました。
 しかしながら、食肉加工品業界におきましては、米国産牛肉の輸入再開が昨年7月に決定されたものの、市場での流通量増加の動きは鈍く、食肉全体の消費拡大に繋がっていないことに加え、ハム・ソーセージ等の主要原料である輸入豚肉価格の上昇が続くなど、依然として厳しい環境で推移いたしました。
 このような状況のなか、当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社、以下同じ。)は、昨年に引き続き、第3次中期経営計画の戦略テーマである「おいしさ+αを提供」「品質の維持・向上」「効率経営の推進」に取り組んでまいりました。
 具体的には、まず「おいしさ+αを提供」のテーマに対して、ローストビーフやYONEKYU U.S.A., Inc.の製造したソーセージなどといった独自の強みを持つ加工品の販売拡大を推進いたしました。また、厳しい原料事情への対応として、昨年の3月と7月に一部のハム・ソーセージ製品を、また同年9月には焼豚の値上げを行うとともに、原料価格面で優位性のある既存製品の拡販キャンペーンの展開と新製品の開発にも注力いたしました。さらに、昨年6月から開催されたサッカーワールドカップ関連として、(財)日本サッカー協会公認商品の認定を受けたローストビーフやチキンナゲット、肉だんごなどの製品を新たに開発・販売いたしました。
 次に、「おいしさ+α」の提供を目指し、トレーサビリティの確保された新たな生産拠点として、昨年12月に100%子会社である米久東伯㈱を設立し、鳥取県の東伯町農業協同組合から国産鶏肉関連事業を譲り受けて、本年2月から稼動を開始いたしました。次に、タイの現地資本との合弁会社であるCP - Yonekyu Co., Ltd.の工場が昨年4月に完成し、当社指導のもと、トレーサビリティが確保された原料によるソーセージ及びデリカテッセン製品の開発を進めました。それにより、昨年9月にタイ国内でソーセージを発売し、本年3月から日本国内でもデリカテッセン製品の販売を開始しております。その他、中国において養豚事業への資本参加を昨年8月に決定いたしました。
 「品質の維持・向上」のテーマについては、生産部門における改善活動の継続・拡大や、新しい生産管理システム構築の推進、ISO9001の認証取得などの取り組みに加え、昨年9月にはハム・ソーセージの本場ドイツで開催されるSUFFA(ズーファ)食肉加工品コンテストに出品して高い評価を受けました。
 「効率経営の推進」のテーマについては、昨年3月に当社の焼津支店を静岡支店に統合し、静岡県内の営業体制を効率化するとともに、同時期に、物流センターから営業拠点までの幹線物流業務を外部業者への委託に切り替え、コストダウンを実現いたしました。また、営業部門における販売商品構成の見直しも進めて利益率の改善に努めました。
 その他、平成15年から検討を重ねてきた新基幹システムについては、すでに部分的に稼動している部門での検証を進めつつ、今後の本格稼動に向けて準備を進めております。また、経営環境の変化に対応できる意思決定の仕組みの確立とコーポレート・ガバナンスの強化を目的として、昨年5月に執行役員制度を導入し、経営の意思決定・監督機能と業務執行機能を分離することで、迅速かつ柔軟な経営の推進を図りました。
 以上の結果、当連結会計年度の売上高は1,457億77百万円(前期比5.3%増)となりました。また、利益につきましては、経常利益が40億79百万円(前期比10.8%増)、当期純利益は10億43百万円(前期比21.5%減)となりました。
 事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。
<加工品・食肉事業>
 加工品・食肉事業では、主要原料である冷凍の輸入豚肉及び輸入鶏肉の価格が上昇したことに加え、国産鶏肉相場が大幅に下落し、利益を圧迫いたしました。
 そのようななか、加工品事業のハム等におきましては、ロースハムやベーコン、ローストビーフ、生ハムが業務用製品を中心に売上高を伸ばしました。特にロースハムは、キャンペーン効果と、一昨年9月に発売した業務用製品の「徳用ロースハム」の寄与により、上半期の売上高が特に高い伸びとなりました。ベーコンは、原料高により昨年の3月と7月に値上げを実施いたしましたが、販売数量を落とすことなく推移し、売上高を伸ばしました。また、昨年9月には、新しいタイプの焼豚として「しっとり炙り焼豚」を発売し、販売拡大に努める一方、これまでの焼豚の主力製品であった「直火焼豚」は、原料事情による大幅な値上げのため、売上高が大きく減少いたしました。その他、ショルダーベーコンの減少もあり、ハム等全体の売上高は微減となりました。
 次に、ソーセージは、YONEKYU U.S.A., Inc.が製造する業務用ソーセージの「スーパーBOO(ブー)」と「こぶーた」が好調に推移し、全体の売上高は大きく増加いたしました。
 一方、デリカテッセンは、唐揚げやトンカツなどが売上高を大きく伸ばしたほか、中国の如皋米久食品有限公司による鶏肉を使った「げんこつくね」や、南通富士美食品有限公司による豚肉原料の「豚げんこつくね」の増加もあったものの、主力商品の「焼鳥」や「竜田揚げ」の市場での競争激化などによる減少をカバーするには至らず、全体の売上高は減少いたしました。
 食肉事業におきましては、国産鶏肉の価格が、上半期は前年同期に比較して大幅な安値となり、下半期も弱含みで推移いたしました。一方、国産豚肉の価格は年初に低迷したものの夏場には回復し、平均するとほぼ前年並みで推移いたしました。また、国産牛肉についても、ほぼ前年並の値動きとなりました。なお、昨年7月に米国産牛肉の輸入再開が決定されました。
 輸入品を中心に付加価値の高い食肉として販売している「ブランド・ミート」では、北米産の冷蔵豚肉の数量が引き続き高い伸びとなりました。また、輸入牛肉も、国産牛肉市況の高値安定が続いたこともあり、豪州産のブランドが数量を伸ばしました。一方、輸入鶏肉は、国産鶏肉相場下落の影響を受け、ブラジル産の主力ブランドの数量が減少いたしました。これらにより、食肉他の売上高は微減となりました。
 以上の結果、これらを合計した加工品・食肉事業の売上高は、1,060億17百万円(前期比0.5%減)、営業利益は16億40百万円(前期比8.9%減)となりました。
<外食事業>
 外食事業では、居酒屋チェーン経営のチムニー㈱が、年初の計画を上回るペースで直営店を中心に出店を行ったことから、売上高が大きく増加いたしました。また、地ビールレストラン経営の御殿場高原ビール㈱も季節に応じた各種イベントなどにより、売上高が増加いたしました。
 以上の結果、外食事業の売上高は、299億87百万円(前期比31.2%増)、営業利益は23億12百万円(前期比26.2%増)となりました。
<その他事業>
 その他事業では、自販機ベンダーの米久ベンディング㈱が、積極的な営業活動と空缶・ペットボトルのリサイクル事業の寄与などにより、売上高を伸ばしました。なお、アガリクス茸の生産を行っていた㈲米久朝霧ファームは、事業を取り巻く環境の変化により、昨年6月をもって生産活動を停止し、本年2月に会社を清算いたしました。
 以上の結果、その他事業の売上高は、97億72百万円(前期比8.4%増)、営業利益は1億25百万円増加して1億5百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末比8億93百万円多い106億65百万円となりました。
 当連結会計年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 売上債権・たな卸資産・仕入債務の増減による運転資金の収入が27億56百万円増加したことなどにより、営業活動による資金の収入は前連結会計年度より42億円多い65億67百万円となりました。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 固定資産の取得については、鳥取県の東伯町農業協同組合からの国内鶏肉関連事業の設備取得等により、前連結会計年度より16億13百万円多い38億24百万円を支出しました。また、敷金及び保証金の差入については、おもに外食事業における出店等に伴い、前連結会計年度より1億30百万円多い10億87百万円を支出しました。
 一方、投資有価証券の売却により、前連結会計年度より8億98百万円少ない3億76百万円の収入がありました。
 これらの結果、投資活動による資金の支出は、前連結会計年度より26億65百万円多い47億25百万円となりました。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 短期借入れについては、前連結会計年度より21億33百万円多い16億61百万円の収入がありました。
 一方、配当金は前連結会計年度と同水準の5億18百万円を支出しました。また、割賦債務の返済による支出が7億24百万円増加いたしました。
 これらの結果、財務活動による資金の支出は、前連結会計年度より1億91百万円多い9億59百万円となりました。
2【生産、受注及び販売の状況】
(1)生産実績
 当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
加工品・食肉事業
40,721
99.5
外食事業
167
106.7
その他事業
641
119.2
合計
41,530
99.8
 (注)1.金額は製造原価によっております。
2.上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
 当社グループ(当社及び連結子会社)は受注生産は行っておりません。
(3)販売実績
 当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
金額(百万円)
前期比(%)
加工品・食肉事業
106,017
99.5
外食事業
29,987
131.2
その他事業
9,772
108.4
合計
145,777
105.3
 (注)上記金額には消費税等は含まれておりません。
3【対処すべき課題】
 食肉加工品業界においては、原料高問題や、世界各地に拡大しつつある鳥インフルエンザへの対応、その他の家畜の疫病や為替のリスク、世界的な資材・運賃の高騰、少子高齢化のさらなる進行、消費者の安全・安心・健康志向の一層の高まりなど、今後も経営を取り巻く環境は困難な状況が続くものと思われます。
 このような状況のなか、本年、当社グループは「変革による成長」の年度スローガンのもと、グループを挙げて以下の戦略課題に取り組んでおります。
・「ベストワン戦略」を推進
 業界の枠組みを超えた企業間競争がさらに激しくなると予測されるなか、独自性を今まで以上に強く意識した事業活動を推進して、より質の高い製品やサービスを提供することで、お客様から信頼され、喜ばれる企業グループとなるべく努力してまいります。そのために、まず「安全・安心・健康」をしっかりと担保できる基盤の強化・徹底を図りつつ、当社グループの基本理念のひとつである「感動を創る」のスピリットを全社で共有し、良いものを創ってお客様に喜んでいただく活動に徹してまいります。
 具体的には、当社グループならではのおいしさにこだわった製品開発の考え方をさらに追求するとともに、品質管理の強化・徹底や生産性の顕著な改革推進に加え、CSR活動にも積極的に取り組んでまいります。また、現在構築を進めている新基幹システムによる販売・在庫の管理レベル向上や、営業拠点の再編成による販売体制の効率化のほか、物流のアウトソーシング活用も進めて経営効率を高めるとともに、人材の育成にも努め、経営環境の変化にフレキシブルに対応できるグループを構築してまいります。
・5つの基本方針を推進
 「プロダクト」「チャネル」「エリア」「生産設備」「海外」の5つの基本方針に取り組んでまいります。
 具体的には、プロダクト方針として、中食市場の拡大に対応したデリカテッセンの商品力及び販売体制の強化を進めてまいります。また、ハム等の主要原料である輸入豚肉の価格高騰の問題に対しては、価格競争に巻き込まれない製品の開発・販売などにより収益力の強化を推進してまいります。次に、ソーセージにおいては、米国のYONEKYU U.S.A., Inc.で製造する「BOO」シリーズの販売をさらに強化してまいります。そして、食肉においては、引き続き「ブランド・ミート」の販売拡大を進めるとともに、米国の業務提携先からのトレーサビリティの確保された牛肉の販売にも取り組んでまいります。また、本年1月に鳥取県の東伯町農業協同組合から譲り受けた鶏肉関連事業を活用して、トレーサビリティの確保された国産鶏肉の調達・販売を強化してまいります。
 次にチャネル方針として、量販店向けの営業活動を引き続き推進しつつ、本社営業による売上高の拡大も目指してまいります。また、エリア方針に沿った営業拠点の再編成を行いつつ、首都圏や中京・近畿といった大都市圏での販売をさらに強化していくほか、生産設備方針については、国内外のグループ工場の稼働率を高める取り組みを進めてまいります。
 最後に海外方針としては、グローバル化に対応した海外調達力をさらに強化していくとともに、タイの合弁会社CP - Yonekyu Co., Ltd.の製品販売を進めてまいります。また、昨年8月に中国における養豚事業への資本参加を決定し、今後、トレーサビリティが確保された原料として中国におけるグループ工場での活用を進めてまいります。
・コンプライアンス経営を推進
 コンプライアンスに対する社会的な要請が強まるなか、当社グループは、これからも誠実な経営姿勢を堅持して、その声にお応えしてまいります。具体的には、食肉トレーサビリティシステムによる情報開示を国産牛肉だけでなく、他の食肉分野にも自主的に拡充して、お客様の安心面の支援を強化していくとともに、品質保証体制の充実を目的とした積極的な設備投資を今後も継続してまいります。また、環境問題への取り組みも引き続き推進してまいります。
 なお、ビールの醸造・販売に携わる会社として、昨年8月に飲酒運転撲滅に向けてより厳しい懲戒規程を設けるとともに、啓発活動も行って、従業員のコンプライアンスに対する意識高揚を図っております。
・多角化事業では特色を活かした成長戦略を加速
 チムニー㈱は、企業間競争がますます激化するなか、お客様のニーズをいち早く察知するとともに、社会環境の変化や市場動向を的確に把握し、出店計画・商品政策・内部組織の充実を進め、安定的な利益確保に努めてまいります。具体的には ①ナショナルチェーン化の推進 ②新業態の開発と育成 ③人財採用力・人財教育体制の強化 ④「安心」「安全」の提供 の4つの課題に取り組み、さらなる業績の向上を図ってまいります。
 また、米久ベンディング㈱は、リサイクル事業の領域を拡大し、グループのCSR活動に寄与してまいります。
・企業価値の向上
 社会経済情勢の変化に伴い、潜在的な企業買収の脅威が懸念されておりますが、当社グループといたしましては、自らの価値を高めることが株主の皆様をはじめとしたステークホルダーに対する責任であるとともに、会社利益を毀損する恐れがある買収者から企業を防衛する最善の方法であると考えており、今後も企業価値向上に向けた取り組みを積極的に推進してまいります。
4【事業等のリスク】
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)国内の市場動向の変化によるリスク
 当社グループは、日本国内において、食肉及び食肉加工品や地ビール・清涼飲料といった食品の分野をコアの領域として事業展開を行っております。そのため、国内の経済状況及び市場動向の変化が業績に影響を与える可能性があり、具体的には以下が考えられます。
・景気悪化に伴う消費マインドの冷え込みなどにより、国内経済全体の規模が縮小し、業績に影響を及ぼす可能性があります。
・国内の少子高齢化により、当社グループの事業領域における市場規模が長期的に縮小するとともに、若年労働力の確保が困難になり、売上高の減少とコストの増大による業績への悪影響が考えられます。
・当社グループの事業領域に対して、国内外の異業種企業が新たに参入してくることが考えられます。これにより、価格競争が激化して販売単価が下落し、業績に影響を与える可能性があります。
・国内の経済状況の悪化により、不良債権が増加し、業績に影響する可能性があります。
(2)海外事業の展開におけるリスク
 当社グループは、米国をはじめ、EU・中国・東南アジア・オセアニア・メキシコ・ブラジルなどにおいて生産活動及び原料や商品の調達などを行っております。これらの活動を推進するなかで、考えられるリスクとしては以下のものがあり、リスクの回避・分散にも十分努めておりますが、当社グループの予測を超えて顕在化した場合は、業績に影響を及ぼす可能性があります。
・為替変動リスク
 当社グループが仕入れる原料・商品等は、海外から調達する比率が高いことから、常に為替変動のリスクにさらされております。なお、当社グループは原則的に輸出業務は行っていないことから、他国通貨に対する円安が進行した場合、業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
・制度変更によるリスク
 関係各国において、当社グループの事業に悪影響を与える法律の改正や規制の強化、税制の変更などがなされる可能性があります。
・海外事業のその他のリスク
 予測困難な政治・経済の変動やテロ・戦争の勃発、地震等の大災害の発生や、予期せぬ疫病の蔓延による社会的・経済的混乱などが考えられます。
(3)食肉及び食肉加工品の調達・販売におけるリスク
・家畜の疫病の発生によるリスク
 BSE(牛海綿状脳症)や口蹄疫、鳥インフルエンザ等の家畜の疫病発生により、日本国内及び主要な供給国からの原料や商品の調達が困難になる事態が考えられます。またその場合、消費者の買い控えにより、食肉及び食肉加工品の販売に悪影響を及ぼす可能性があります。
・セーフガード(緊急輸入制限措置)発動のリスク
 今後、食肉の輸入数量が急激に増加した場合、牛・豚肉のセーフガードが発動される可能性があります。その場合、調達コストが上昇して業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
・市況の変動によるリスク
 販売用の食肉はもちろんのこと、ハム・ソーセージ等食肉加工品も原料として食肉を使用していることから食肉相場の変動の影響を受けますが、家畜の疫病やセーフガードの発動その他により、市況が高騰して業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)法的規制に関するリスク
 当社グループは、日本をはじめとした関係各国において、それぞれの国における法令に基づき許認可を受けて事業を展開しておりますが、この観点から以下のリスクが考えられます。
・製品の安全性に対する信頼が損なわれるリスク
 当社グループは、「安全・安心・健康」を経営の根幹に据えて、お客様に信頼していただける製品作りに努めておりますが、不測の事態による製品の回収や廃棄が発生することが考えられ、これにより、回収・廃棄コストの発生とともに、ブランド価値が毀損され、販売活動に悪影響を及ぼす可能性があります。
・関係法令が改正されるリスク
 今後、日本国内における食品衛生法・労働法・食品リサイクル法・個人情報保護法・関税制度等が、現行の体制では遵守できない内容に改正された場合、当社グループの活動が制限される可能性があります。
(5)災害等、不可抗力のリスク
 当社グループの事業拠点において、大規模な災害により事業継続が困難、または東海地震等の警戒宣言が発令されるなど、事業継続に危険性があると認められる場合、社員の人命確保最優先のため、事業活動を停止する措置をとることがあります。その際、事業拠点に大きな被害がなくても、当社グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
 特記すべき事項はありません。
6【研究開発活動】
 当社グループは、食肉及び食肉加工品を通じ、食の技術開発及び新たな食文化の創造を目指して、“感動を創る”、“ヘルシーコミュニケーション”をモットーに、よりおいしい味と優れた品質の実現を図るべく研究開発活動を行っております。
 現在の活動は、当社開発部を中心に新製品の開発を行っており、当連結会計年度の研究開発費は2億9百万円であります。なお、事業の種類別セグメントごとの研究開発の内容は以下のとおりであります。
<加工品・食肉事業>
 加工品・食肉事業におきましては、引き続き主要原料である輸入豚肉の価格上昇への対応が開発活動の主要課題となりました。ハム・ソーセージでは、当社にて豚肩肉を使用した「直火焼豚切り落とし」を開発しました。これにより、従来からある「直火焼豚」や昨年9月に発売したロース原料の「しっとり炙り焼豚スライス」とあわせ、焼豚群のラインアップの充実を図りました。
 また、昨年12月に発売し、好評であった当社製造の「アップルスモークベーコン」に続き、米久デリカ㈱では、国産豚肉を使用したソーセージである「アップルカイザー」を開発し、本年2月に発売いたしました。今後、さらに「アップル」をキーワードにした新製品の開発も進めて、製品群のシリーズ化を図ってまいります。
 デリカテッセン関係では、当社にて、新しい技術による業務用ハンバーグを開発するとともに、国産の鶏肉原料による焼鳥類及び肉団子類の開発も進めてまいります。
 その他、O−157の影響で市場から消えつつある牛肉タタキに替わり、安全性を担保する技術を確立した製品として「牛肉の土佐造り」を昨年12月に当社にて開発、発売し、好調に推移いたしました。
<外食事業>
 外食事業におきましては、特記すべき研究開発活動はありません。
<その他事業>
 その他事業におきましては、特記すべき研究開発活動はありません。
7【財政状態及び経営成績の分析】
 文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当りまして、必要と思われる見積りは合理的な基準に基づいて実施しております。
 詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(2) 当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
 当社では、ソーセージが好調に推移したものの、ハム等とデリカテッセンの売上高が減少し、加工品全体の売上高は前期並みとなりました。また、食肉他は国産鶏肉相場の低迷が響いて0.5%の減少となり、全体の売上高も0.2%の減少となりました。連結子会社では、居酒屋経営のチムニー㈱が、直営店を中心に72店舗の出店を行い、売上高を33.5%と大きく伸ばしました。その他の連結子会社では、御殿場高原ビール㈱が各種イベントの効果などにより売上高が増加、また、静岡県内で清涼飲料中心の自販機ベンダー事業を展開している米久ベンディング㈱も、積極的な営業と空缶・ペットボトルのリサイクル事業の寄与もあり、売上高を伸ばしました。
 以上の結果、当連結会計年度の売上高は73億79百万円増加の1,457億77百万円(前期比5.3%増)となりました。
② 売上総利益
 当社では、平成16年の後半以降続いているハム・ソーセージ等の原料用輸入豚肉の価格上昇により、売上総利益率が低下して、売上総利益は2億79百万円減少しました。一方、連結子会社では、ハム・ソーセージ等を製造している米久かがやき㈱が、ベーコンの値上げにより利益率が改善され、売上総利益が大きく増加しました。また、同じくハム等を製造している米久デリカ㈱も、一昨年9月に発売したロースハムの数量拡大により売上総利益が大幅に増加、ソーセージ製造の日宏食品㈱はドイツ風のプレミアム品が利益に貢献しました。ブロイラーの加工・販売を行っているおいしい鶏㈱は、国産鶏肉相場の大幅な下落が響いて、利益が大きく減少しました。チムニー㈱は直営店舗の数が増えたことから、売上高と同様に売上総利益も大幅に増加しました。
 以上の結果、当連結会計年度の売上総利益は50億58百万円増加の372億5百万円(前期比15.7%増)となりました。また、売上総利益率も2.3%上昇して25.5%となりました。
③ 販売費及び一般管理費、営業利益
 当社では、物流センターから営業拠点までの幹線物流業務を外部業者への委託に切り替えてコストが減少しましたが、販売促進費の増加などもあり、販管費全体では2億52百万円増加し、売上高に対する販管費率は前期より0.2%上昇して10.9%となりました。また、チムニー㈱は引き続き直営店舗数の拡大により人件費や家賃・減価償却費などが増加し、販管費率も1.2%上昇しました。
 以上の結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は46億15百万円増加の331億21百万円(前期比16.2%増)、営業利益は4億42百万円増加の40億83百万円(前期比12.2%増)となりました。
④ 経常利益
 営業外収益が48百万円の減少、また営業外費用は2百万円の減少となりました。また、持分法による投資損失が84百万円改善しました。
 以上の結果、当連結会計年度の経常利益は3億96百万円増加の40億79百万円(前期比10.8%増)となりました。
⑤ 当期純利益
 特別利益につきましては、投資有価証券売却益2億8百万円を計上しましたが、前期に為替予約解約益5億2百万円、関係会社株式売却益4億11百万円の計上もあり、当連結会計年度は6億2百万円の減少となりました。
 特別損失につきましては、減損損失の計上が前期に比べ6億2百万円減少したため、当連結会計年度は4億49百万円の減少となりました。
 以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は2億43百万円増加の38億39百万円(前期比6.8%増)、当期純利益は2億85百万円減少の10億43百万円(前期比21.5%減)となりました。
(3) 当連結会計年度末の財政状態の分析
① 資産の部
 当連結会計年度末の総資産額は、前連結会計年度末に比べ42億5百万円増加(前期比6.3%増)して710億53百万円となりました。
 流動資産は、当社の原材料の増加に伴うたな卸資産の増加7億18百万円等により、前連結会計年度末に比べ12億47百万円増加(前期比4.0%増)して323億80百万円となりました。
 固定資産は、前連結会計年度末に比べ29億58百万円増加(前期比8.3%増)して386億73百万円となりました。これは当社における加工品・食肉生産設備更新や、チムニー㈱における新規出店による増加等により、前連結会計年度末に比べ有形固定資産が32億56百万円、投資その他の資産の敷金及び保証金が8億87百万円増加した一方、投資有価証券が時価評価額の減少等に伴い12億40百万円減少したことによります。
② 負債の部
 当連結会計年度末の負債合計額は、前連結会計年度末に比べ37億32百万円増加(前期比12.2%増)して342億62百万円となりました。
 流動負債は、当社における短期借入金の増加やチムニー㈱における未払金増加等により、前連結会計年度末に比べ31億26百万円増加(前期比13.2%増)して267億49百万円となりました。
 固定負債は、チムニー㈱における新規出店に伴う設備長期未払金の増加等により、前連結会計年度末に比べ6億5百万円増加(前期比8.8%増)して75億13百万円となりました。
③ 純資産の部
 当連結会計年度の純資産額は、少数株主持分の増加等により、前連結会計年度末に比べ4億73百万円増加(前期比1.3%増)して367億90百万円となりました。この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は、51.0%から47.9%に減少し、1株当たり純資産額は前連結会計年度末に比べ2.06円減少して1,183.60円となりました。
 なお、当連結会計年度から、「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準」(企業会計基準第5号 平成17年12月9日)及び「貸借対照表の純資産の部の表示に関する会計基準等の適用指針」(企業会計基準適用指針第8号 平成17年12月9日)を適用しております。
 従来の「資本の部」の合計に相当する額は、34,018百万円であります。
 また、連結財務諸表規則の改正により、当連結会計年度における連結貸借対照表の純資産の部については、改正後の連結財務諸表規則により作成しております。
(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析
① キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー指標のトレンドは、以下のとおりであります。
 
前連結会計年度
当連結会計年度
自己資本比率(%)
51.0
47.9
時価ベースの自己資本比率(%)
56.6
49.5
債務償還年数(年)
1.8
1.5
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)
26.0
44.1
 (注)1.自己資本比率:自己資本/総資産
2.時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
3.債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー
4.インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い
*各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
*株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
*営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
*有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。
*利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しております。
② 資金需要
 当社グループは平成17年3月よりスタートした第3次中期計画のもと、お客様にご満足いただける高いクオリティの商品をお届けできる「ベストワングループ」の構築のため、安全・安心面の設備投資の強化や、成長戦略の加速により連結業績の向上を図る事業投資、研究開発投資等を実施する予定であります。
③ 資金調達
 事業活動を支える資金の調達に際して、長期・短期の構成バランスを見ながら低コストかつ安定的な資金の確保を重視しております。また、資金の効率化と金融費用の削減を目的としたグループ内金融も実施しております。
(5) 翌連結会計年度の見通し
 次期の業績につきましては、以下の通り予定しております。
連結
売上高
1,620億円
(前期比11.1%増)
 
経常利益
50億円
(前期比22.6%増) 
 
当期純利益
19億円
(前期比82.1%増)
 
 
 
 
単体
売上高 
1,200億円
(前期比 7.8%増)
 
経常利益
18億20百万円
(前期比18.1%減) 
 
当期純利益
8億円
(前期比26.0%増)
 
(6) 経営成績に重要な影響を与える要因
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(7) 経営者の問題認識と今後の方針
「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。 




出典: 米久株式会社、2007-02-28 期 有価証券報告書