第2 【事業の状況】
1 【業績等の概要】
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、サブプライムローン問題に端を発する米国経済の減速や、原油価格及び原材料価格の高騰、更に円高の進行も相まって、依然として先行きが見定めにくい状況にあります。
特に、原材料価格の高騰は、予想を大きく上回る水準で推移しており、食品業界を始め各社の収益に大きな影響を与えており、生産効率化や諸経費の削減など企業努力では吸収しきれない状況に至っております。
このような環境下、当社グループは2008年度(2009年3月期)を最終年度とする3カ年の中期経営計画「DASH!08」の実現に向けて、菓子の新規商品開発や既存ブランドを活かしたマーケティング展開、重点拡大分野と定めた「健康」「ジェネリック(後発医薬品)」「海外」への積極的な戦略投資など、グループの力を結集し、取り組んでまいりました。
この結果、当連結会計年度における売上高は、市場の高い評価を得て、4,047億11百万円(前連結会計年度比2.8%増)と三期連続で過去最高となりました。利益につきましては、売上拡大やコストダウンを実施したものの、39億円の原材料価格高騰の影響などもあり、経常利益は、117億1百万円(同7.3%減)となりましたが、当期純利益は、62億40百万円(同13.9%増)となりました。
当社グループの事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。
〔フード&ヘルスケア事業〕
フード&ヘルスケア事業を取り巻く環境は、原材料価格の高騰、店頭での競争激化など大変厳しく、また、昨今の食の「安全・安心」に対する意識の高まりから、従来にも増してより厳格な品質管理体制が求められる状況にあります。
こうしたなかで、当社グループは、お客様の視点に立った差別性のある新商品開発やカテゴリー戦略・ブランド戦略の展開、海外事業の強化により売上拡大を図ってまいりました。
また、原材料価格の高騰に対処するため、本年2月より一部商品の価格改定や内容量変更を順次実施しております。
この結果、フード&ヘルスケア事業の連結売上高は2,883億86百万円(前連結会計年度比2.5%増)、営業利益は38億69百万円(同40.4%減)となりました。なお、当連結会計年度より、明治制果(上海)有限公司及び明治制果食品工業(上海)有限公司を連結子会社としております。
菓子事業につきましては、チョコレートは市場が前年割れするなかで堅調に推移し、また、ガム・キャンデーが引き続き好調を維持した結果、前連結会計年度に続き過去最高の売上を達成しました。品目別にみると、チョコレートは、主力の「ミルクチョコレート」が徹底した店頭露出の展開により増売となり、「アーモンドチョコレート」「マカダミアチョコレート」などのナッツ群も積極的なマーケティング投資を実施した結果大きく伸長しました。また、新タイプのチョコスナック「北海道チョコポテト」が業界紙の「優秀ヒット賞」を受賞し、売上に大きく貢献しました。「チョコレート効果」は減売となりましたが、「リッチストロベリーチョコレート」をはじめとする高級・風味を訴求するチョコレートをラインアップするなど、お客様のニーズに沿った様々な商品提供を行い、引き続き大人向け市場の活性化を図ってまいりました。ガムは、「キシリッシュ」が発売10周年を機に実施した全品リニューアルに加え、木村拓哉を起用したCMも奏功し好調に推移しました。キャンデーは、ラインアップ強化を図った「果汁グミ」が大幅な増売となり、新たに展開した新タイプの結晶グミ「KAON」も売上に貢献しました。スナックは、「カール」がほぼ前連結会計年度並みに推移し、ビスケットは、「マクビティ」が品揃えの強化により順調に売上を伸ばしました。
健康事業につきましては、ブランド価値向上のため、マーケティング活動の推進及び店頭での露出拡大と情報発信に取り組んだ結果、堅調に推移しました。品目別にみると、健康・美容分野では、「アミノコラーゲン」は価格体系の見直しにより減売となりましたが、引き続きシェアナンバーワンを確保しております。「ザバス」はスポーツドリンク感覚の「ザバスアクアプロテイン」が新シリーズを加え大幅に伸長するとともに、プロサッカーチームの浦和レッズとのトップパートナーシップ契約により認知度が向上し、シェアも拡大しました。食品分野では、「銀座カリー」は昨年発売した「銀座チキンカリー」が市場に定着し、増売となりました。また、主力の「ミルクココア」は前連結会計年度並みの売上を確保しましたが、市場の低迷によりココア全体では減売を余儀なくされました。
一般用医薬品では、主力の「イソジンうがい薬」が例年より早いインフルエンザの流行や「殺ウイルス」をキーワードに刷新したCMを需要期に集中的に放映した効果もあり、好調に推移しました。
国内連結子会社の株式会社明治スポーツプラザは、公共スポーツ施設の運営受託拡大等により業容の拡大に努めております。
海外事業につきましては、輸出は、米国・フィリピン向けが拡大し、アジア市場におけるコンビニエンスストアへの取組み強化も奏功し、全体的に伸長しました。輸入は、高カカオチョコレートが苦戦しましたが、主力商品の「スナイダーズ」や「ブリュイエール」が順調に推移し、全体としては前連結会計年度並みの売上を確保しました。
米国のスタウファー・ビスケット社は、主力取引先であるウォルマート向けの売上は順調に推移したものの、OEMの売上が減少したことにより、前連結会計年度を下回る結果となりました。メイジセイカ・シンガポール社は、主力の「ハローパンダ」「ヤンヤン」が現地及び近隣諸国で好調に推移し、日本向け新商品「ディッピー」も寄与し増売となりました。明治制果(上海)有限公司は、新商品の発売や販売エリアの拡大などの積極的な販売促進により、大幅に伸長しました。
業務用食材事業につきましては、製菓材(チョコレート・ココア関連商品)は、外食チェーン・コンビニエンスストア・テーマパークへの積極的な商品提案による取引の拡大や海外品の導入により、前連結会計年度を大きく上回りました。食材は、農産品や缶詰、冷凍果実・果汁が積極的な営業活動により好調に推移しました。
国内連結子会社の株式会社明治フードマテリアは、主力の砂糖事業が前連結会計年度並みとなり、糖化穀粉事業の伸長により、全体としては増売となりました。
〔薬品事業〕
薬品事業を取り巻く環境は、医療用医薬品については、各種医療費抑制策、ジェネリック医薬品使用促進策などの医療制度改革、外資系メーカーの国内シェア拡大、相次ぐ大型M&Aなど、大転換期の最中にあります。農薬・動物薬においても、企業間競争の激化に加え、ポジティブリスト制度の導入など規制・指導も一段と強化され、厳しい事業環境に終始しました。
このような状況下、当社グループは、医療用医薬品、農薬・動物薬ともに、主力品目を中心に着実な学術普及活動と積極的な営業活動を展開するとともに、研究開発体制の見直し、販売費の節減、製造固定費の削減等の収支構造改善に向けたコスト低減を断行してまいりました。
この結果、連結売上高は1,132億60百万円(前連結会計年度比3.3%増)、営業利益は73億20百万円(同85.7%増)となりました。
医療用医薬品は、当社が強みを持つ重点顧客を中心に積極的な営業活動を展開した結果、順調に売上を伸ばしました。品目別にみると、主力の抗菌薬「メイアクト」が大幅な増売となり、抗うつ薬「デプロメール」、抗不安薬「メイラックス」、アレルギー性疾患治療薬「エバステル」も順調に売上を伸ばしました。更に当社営業力の強みを活かすべく、他社との提携を積極的に進め、富士レビオ株式会社とインフルエンザウイルス迅速診断キット「エスプラインインフルエンザA&B−N」の共同販売を、万有製薬株式会社と気管支喘息治療薬・アレルギー性鼻炎治療薬「シングレア」の共同販促を、昨年10月にそれぞれ開始するなど、重点顧客に対する製品力の強化・売上の拡大を図っております。中期経営計画「DASH!08」の重点拡大分野の一つであるジェネリック医薬品は、抗菌薬「バンコマイシンMEEK」の好調に加え、統合失調症治療薬「リスペリドンMEEK」等昨年7月に発売した5製品が寄与し、大幅に売上を伸ばしました。開発品目については、昨年7月に導入元である日本オルガノン株式会社と共同で抗うつ薬Org3770、昨年11月にはワイス株式会社より導入した世界初の経口用カルバペネム系抗菌薬ME1211の製造販売承認を申請しました。
国内連結子会社の北里薬品産業株式会社は、主力のインフルエンザワクチンが積極的な営業活動により、また、麻しんワクチンがはしかの流行により増売となり、順調に売上を伸ばしました。
農薬は、主力のいもち病防除剤「オリゼメート」を中心に堅調に推移し、全体として前連結会計年度並みの売上を確保しました。動物薬は、家畜用動物薬、水産用薬がともに大幅に伸長し、また、コンパニオンアニマル用薬の犬用駆虫剤「パナメクチンチュアブルP」も増売となるなど、総じて好調に推移しました。
海外事業につきましては、主力の「メイアクト」を国際戦略製品として、東南アジアにおいてはメイジ・インドネシア・ファーマシューティカル社及びタイ・メイジ・ファーマシューティカル社、また、欧米においてはスペインのテデック−メイジ・ファルマ社など、世界各地の拠点を活用し、売上拡大を図りました。加えて、中国市場における抗菌薬「ミオカマイシン」「メイセリン」の大幅な増売などにより好調に推移しました。
〔ビル賃貸事業他〕
大都市圏の市況は、大型ビルを中心に引き続き好調に推移しており、賃料上昇は都市部から隣接市街地にも広がりつつあります。主力のオフィスビル「ソリッドスクエア」は入居率の改善に加え、賃料の増額改定が徐々に進んできており、その他ビルについても引き続き安定していることから、全体として順調に推移しました。
この結果、ビル賃貸事業他としての売上は、30億64百万円(前連結会計年度比5.2%増)、営業利益は6億40百万円(同28.0%増)となりました。
なお、所在地別セグメントの業績は次のとおりであります。
① 日本
国内における連結売上高は3,727億43百万円、営業利益は111億13百万円となりました。
② アジア
東アジア及び東南アジア諸国における連結売上高は87億70百万円、営業利益は3億86百万円となりました。
③ 北米・欧州
米国及びヨーロッパ諸国における連結売上高は231億97百万円、営業利益は1億13百万円となりました。
(注) 前連結会計年度との業績比較につきましては、全セグメントの連結売上高の合計額に占める本邦の割合が前連結会計年度では90%を超えていたため、記載を省略しております。
(2) キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比37億92百万円減少し、135億25百万円の資金収入となりました。主な要因は、年金資産への特別掛金拠出などは減少したものの、営業資金(売上債権・たな卸資産・仕入債務)が、前連結会計年度比76億26百万円減少の38億83百万円の資金支出となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入が前連結会計年度比10億24百万円増加の19億10百万円の資金収入となったものの、新製造棟などの有形固定資産取得、投資有価証券の購入などの増加により、前連結会計年度比105億51百万円支出が増加し、289億39百万円の資金支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債発行による150億円の調達を実施し、前連結会計年度比152億43百万円増加の121億5百万円の資金収入となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度比27億21百万円減少し、117億92百万円となりました。
2 【生産、受注及び販売の状況】
(1) 生産実績
当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
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生産高(百万円)
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前年同期比(%)
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フード&ヘルスケア事業
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198,574
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+4.6
|
薬品事業
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71,179
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△0.3
|
ビル賃貸事業他
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—
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—
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合計
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269,753
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+3.3
|
(注) 1 金額は売価換算額で表示しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注実績
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立てて生産しております。
一部受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
(3) 販売実績
当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
|
販売高(百万円)
|
前年同期比(%)
|
フード&ヘルスケア事業
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288,386
|
+2.5
|
薬品事業
|
113,260
|
+3.3
|
ビル賃貸事業他
|
3,064
|
+5.2
|
合計
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404,711
|
+2.8
|
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3 【対処すべき課題】
(1) 当社グループが対処すべき課題
当社グループでは、2008年度(2009年3月期)を最終年度とする3カ年の中期経営計画「DASH!08」を推進してまいりました。2007年度につきましては、予想を超える原材料価格の高騰の影響を受け、収益面では厳しい結果となりましたが、連結売上高では、過去最高となる4,047億円を達成し、中期経営計画の2年目として一定の成果を上げたものと考えております。当社グループを取り巻く事業環境は、原材料価格の高止まりに加え、薬価改定を始めとする医療費抑制策の強化など、厳しい状況が続くものと見込まれます。
フード&ヘルスケア事業におきましては、商品力アップとシェア拡大および本年2月より実施しております、原材料価格高騰に対処するための価格改定を市場に定着させることにより、「成長」と「収益」の両面を追求してまいります。
菓子事業につきましては、チョコレート、ガム、キャンデーの3カテゴリーを中心にシェアの拡大を目指してまいります。チョコレート市場においては、ロングセラーブランドの更なる強化と、新たな需要の掘起しに向けた商品開発を積極的に推進してまいります。また、ガム市場においては、「キシリッシュ」を中心に新しい切り口の商品開発、話題性を喚起する広告戦略でシェア拡大に努めます。キャンデー市場においては、伸長しているグミ群を核とした商品構成でシェア確保を推進します。スナック市場では、「カール」が本年、発売40周年を迎え、新規格品の発売や新たなキャンペーンを実施してまいります。グループ会社を含めた生産工場においては、「MPS(明治製菓生産方式)」の確立により、ローコスト生産とフレッシュサプライを実現するとともに、高品質で安全・安心な商品の生産に力を注いでおります。また、新たな分野への取組みとして、当社直営のチョコレートショップ「100% Chocolate Cafe.」のブランドを活用した店舗販売と通信販売を核とするスイーツ事業にも注力し、菓子事業の充実を図ってまいります。
健康事業につきましては、関連市場の伸長が続いているなかで確固たる地位を築くために、独自性のある商品の開発と、主力ブランドを強化し、食薬兼業の強みを活かした特徴あるビジネスモデルを展開してまいります。また、機能性や嗜好性の高い飲料ビジネスへ挑戦するための株式会社ポッカコーポレーションとの資本業務提携も、シナジーを最大限に発揮してまいります。通信販売事業につきましては、オリジナリティのある商品開発を推進し、新たな健康ソリューションビジネスを実践することで他社との差別化に注力します。スポーツクラブ事業を展開している株式会社明治スポーツプラザでは、“運動と栄養の融合”を目指したサプリメント会員システムの展開を強化し、更なる浸透を目指します。
医薬品事業につきましては、「DASH!08」で掲げた「スペシャリティ&ジェネリック・ファーマ」構想の実現を目指し、重点顧客への戦略的営業活動を展開するとともに、収益向上に向けた構造改革を引き続き進めてまいります。医療費抑制の流れを受けて市場が伸長しているジェネリック事業について、医療ニーズに沿った特徴ある製品の拡充や、新薬事業で確立した医師とMR(医薬情報担当者)のネットワークを活用したきめ細やかな情報提供、海外生産拠点を活用したコスト競争力のアップにより事業基盤を強化してまいります。更に、自社創薬に関して、研究開発の中心を感染症領域におき、北米開発を最優先する戦略で展開するとともに、抗体医薬の研究の充実を図り強化します。現在申請中である抗うつ薬と経口用カルバペネム系抗菌薬の新薬2品については、早期上市に努めてまいります。 これらの取組みを確実に遂行することにより、本年実施された約7%の薬価ダウンを吸収し、チャレンジしてまいります。
海外事業につきましては、売上を着実に拡大し事業基盤を固めつつあります。今後もフード&ヘルスケア事業・薬品事業ともに、中国、東南アジア、北米を中心にした各地域において引き続き事業拡大を推進し、売上高に占める海外比率を20%まで高めてまいります。
当社グループは、社会と共生し永続的に発展していくために、CSR(企業の社会的責任)活動にもグループ全体で積極的に取り組んでまいります。特に、「品質」「コンプライアンス」「情報」「リスクマネジメント」「環境」「社会貢献」の6分野を重点分野と位置づけて取組みを進めており、これからも公正で透明性のある経営を推進し、Meijiブランドと企業価値の向上に努めてまいります。
(2) 株式会社の支配に関する基本方針
当社は、平成19年6月27日に開催の第148回定時株主総会の決議により、「当社株券等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)」(以下「本プラン」といいます)を導入しております。
① 基本方針の内容
当社は、企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に真摯に取り組んでおりますが、大規模買付行為(後記③、(ⅱ)、(b)の「1) 適用対象」に定義されます。以下同じとします)に際しこれに応じて当社株券等(注1)を売却するか否かは、最終的には株主の皆様のご判断に委ねられるべきものと考えており、大規模買付行為を一概に否定するものではありません。
しかしながら、これまで当社グループは「食と健康」に関わるライフサイエンス事業領域を経営の基盤とし、幅広い事業活動を通じて培われた独自の技術やマーケティングノウハウを蓄積・発展させてまいりました。今後もこれら技術やノウハウの相乗効果を発揮させていくとともに、長年にわたって築かれてきた株主の皆様をはじめ、お客様、お取引先様、従業員等すべてのステークホルダーとの信頼関係を基にして、この事業領域において更に高い品質と安全性を確保した商品・サービス・情報を創出・提供し、広く社会に貢献していくことが当社グループの存在意義であると考えております。こうした特性を十分に理解することなく、また、中長期的な視点に立った経営を行わないのであれば当社グループの企業価値を向上させることは困難であると思われます。
当社は、このような企業価値及び株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては適切でないと考えております。
② 基本方針の実現に資する取組み
当社は、企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を実現させ、株主、投資家の皆様に継続的・長期的に当社へ投資していただくため、次の取組みを実施しております。
(ⅰ) 経営の基本方針
当社グループは、「食と健康」に関わるライフサイエンス事業領域を基盤とし、長年培ってきた技術やMeijiブランドを最大限に活かしながら、グローバル企業として、これからもお客様にとって価値のある商品・サービス・情報を提供してまいります。そして、常に「おいしい・楽しい、健康、安心」を追求するとともに、健全な収益体制の下で活力ある発展を目指し、社会への責務を果たしてまいります。
(ⅱ) 中期経営計画の推進
当社グループでは、2008年度(2009年3月期)を最終年度とする3カ年の中期経営計画「DASH!08」を推進しております。この「DASH!08」では、当社グループが2008年度に目指す姿(ビジョン)として、
(a) Meijiブランドが、「おいしい・楽しい」「健康」「安心」というイメージで、お客
様から広く認知されている。
(b) 健康事業の育成を最優先課題とし、食薬兼業の強みを活かせるビジネスモデルを確
立している。
(c) 医薬品事業はジェネリック(後発医薬品)分野を感染症・中枢神経系領域に並ぶ柱
として強化し、「スペシャリティ&ジェネリック・ファーマ」という新しいモデルを
確立している。
(d) 海外事業を大幅に強化し、国内と同等の売上を海外で稼ぎ出すための足がかりを築
いている。
の4点を掲げており、特に「健康」「ジェネリック」「海外」を重点分野として注力するとともに、Meijiブランドの価値向上に努めております。
また、当社グループは、社会と共生し永続的に発展していくために、CSR(企業の社会的責任)活動にもグループ全体で積極的に取り組んでおります。特に、「品質」「コンプライアンス」「情報」「リスクマネジメント」「環境」「社会貢献」の6分野を重点分野と位置づけて取組みを進めており、これからも公正で透明性のある経営を推進し、Meijiブランドと企業価値及び株主共同の利益の向上に努めてまいります。
(ⅲ) コーポレートガバナンスの強化
当社は、コーポレートガバナンスの強化に努め、スピーディかつ質の高い意思決定と透明性の高い経営を推進しております。
取締役会は、客観的かつ多様な視点から意思決定と監督を行うため、取締役10名中2名を社外取締役とし、意思決定の質の向上と監督機能の強化を図っております。なお、業務執行機能は執行役員に委譲しており、取締役会は「グループを含めた経営の重要事項を決定する」「業務執行を監督する」との機能に特化しております。また、経営の透明性と客観性を高める目的で、取締役と執行役員の候補者を取締役会に推薦する「指名委員会」と、取締役と執行役員の業績評価及び報酬について検討する「報酬委員会」を、社外取締役2名を含む取締役4名の体制で設置しております。
なお、当社は監査役設置会社であり、監査役会は監査役4名中2名を社外監査役とし、監査機能の強化を図っております。
(ⅳ) 安定配当の維持
当社は、長期的な観点から内部留保の充実を図り、事業の拡大と財務体質の強化に努めるとともに、株主の皆様への安定的な配当を維持することを基本方針としております。なお、配当の水準につきましては連結配当性向30%程度を視野に入れ、併せて自己株式の取得による株主還元にも意を用いてまいります。
(ⅴ) 積極的なIR活動
当社は、金融商品取引法及び株式会社東京証券取引所の定める適時開示規則に則り、情報開示を適時・的確に行っております。また、当社グループの経営方針・事業戦略を明確に伝える企業であるべく、会社説明会や決算説明会など、社長を始めとする経営者自身が投資家の皆様や証券アナリストなどに対して直接語りかけていく場を充実させるよう努めております。
③ 基本方針に照らして不適切な者によって会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み
(ⅰ) 本プラン導入の目的
近時わが国においても、会社経営陣との十分な協議・合意のプロセスを経ることなく、株主への十分な情報開示もなされない段階で、突如として大規模買付行為を強行するといった動きが顕在化しております。また、大規模買付行為の中には、その目的等から判断して、企業価値及び株主共同の利益を著しく毀損するおそれのあるものが含まれる可能性もあります。
そこで、当社は、株主の皆様が大規模買付行為を評価する際、大規模買付者(大規模買付行為を行う者をいい、以下同じとします)から一方的に提供される情報のみならず、現に当社の経営を担い当社の事業特性を十分に理解している当社取締役会の大規模買付行為に対する意見・代替案等も含めた十分な情報が適時・適切に株主の皆様へ提供されることが極めて重要であると考えております。
以上を踏まえ、当社は、大規模買付行為が行われた際に株主の皆様が当該大規模買付行為に応じるか否かを判断するにあたり、必要かつ十分な情報・時間及び当社取締役会による意見・代替案等の提示を受ける機会を確保するため、一定の合理的な仕組み(以下「大規模買付ルール」といいます)が必要不可欠であると判断いたしました。また、当社は、大規模買付行為が大規模買付ルールに従って行われることが、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上に資すると考えております。
(ⅱ) 本プランの内容
(a) 本プランの概要
1) 大規模買付ルールの設定
本プランは、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を目的として、当社株券等の大規模買付行為が行われる場合に、ⅰ)大規模買付者に対して事前に当該大規模買付行為に関する必要かつ十分な情報の提供を求め、ⅱ)当該大規模買付行為についての検討・評価等を行う時間を確保した上で、ⅲ)大規模買付者と交渉したり、株主の皆様に当社取締役会による意見・代替案等を提示させていただくための手続を定めております。
2) 新株予約権無償割当て等の実施
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合や、大規模買付ルールを遵守した場合であっても、当社取締役会が下記3)の特別委員会の勧告を最大限尊重した上で、当該大規模買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく毀損するものであると最終的に判断したときは、当社取締役会は、新株予約権無償割当て(下記「(d) 新株予約権無償割当ての概要」ご参照)等、会社法その他の法令及び当社定款が当社取締役会の権限として認める措置(以下「防衛措置」といいます)の実施を決議することができるものといたします。
3) 当社取締役会の恣意的判断を防止するための特別委員会の設置
大規模買付ルールが遵守されたか否か、並びに大規模買付ルールが遵守された場合であっても、大規模買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあるため防衛措置を発動するべきか否かについては、当社取締役会が取締役としての忠実義務及び善管注意義務に従って最終的に判断しますが、当社取締役会による恣意的な判断を防止するため、当社取締役会から独立した組織として特別委員会を設置いたします。
特別委員会の委員は、3名以上5名以内(なお、現委員は3名)とし、公正で中立的な判断を担保するため、当社業務を執行する当社経営陣から独立し、当社及び当社経営陣との間に特別な利害関係を有していない社外取締役、社外監査役及び社外有識者(弁護士、公認会計士、税理士、学識経験者、投資・銀行業務に精通している者、又はこれらに準じる者)の中から選任されるものといたします。
(b) 大規模買付ルールの内容
1) 適用対象
大規模買付ルールは、大規模買付行為について適用されるものとします。大規模買付行為とは、次のいずれかに該当する買付け又はこれに類似する行為(市場取引、公開買付け等の具体的な買付方法の如何を問いません)をいい、当社取締役会が予め同意したものを除きます。
ⅰ) 当社が発行者である株券等について、保有者(注2)の株券等保有割合(注3)が20%以上となる買付け
ⅱ) 当社が発行者である株券等(注4)について、公開買付け(注5)に係る株券等(注4)の株券等所有割合(注6)及びその特別関係者(注7)の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付け
2) 大規模買付者に対する情報提供等の要求
大規模買付行為を行おうとする大規模買付者には、当該大規模買付行為に先立って当社取締役会に対し、次の各号に定める情報(以下「大規模買付情報」といいます)、及び大規模買付ルールに従う旨の誓約文言を記載した書面(以下、大規模買付情報と併せて「買付説明書」といいます)を当社所定の書式により提出していただきます。
ⅰ) 大規模買付者及びそのグループ(共同保有者(注8)、特別関係者及び(ファンドの場合は)組合員その他の構成員を含みます。以下、大規模買付者と併せて「大規模買付者等」といいます)の詳細(氏名・名称、住所、資本構成、財務内容等を含みます)
ⅱ) 大規模買付行為の目的、方法及び内容(買付対価の種類・価額、買付時期、買付資金の裏付け、既に保有する当社株券等に関する担保設定状況、当社の資産又は今後取得する当社株券等に関する担保設定予定・時期、その他買付資金調達に関する一連の取引の条件、仕組み等を含みます)
ⅲ) 買付価額の算定根拠(算定方法、算定に用いた数値情報並びに大規模買付行為その他一連の取引による相乗効果の額及びその算定根拠等を含みます)
ⅳ) 大規模買付行為に際しての第三者との間における意思連絡の有無及び意思連絡がある場合にはその内容
ⅴ) 大規模買付者に対する資金の提供者の概要(氏名・名称、住所、資本構成等を含みます)
ⅵ) 大規模買付行為の完了後に意図する当社及び当社グループの経営方針及び事業計画
ⅶ) 大規模買付行為の完了後に意図する当社及び当社グループの企業価値を継続的かつ安定的に向上させるための施策並びに当該施策が当社及び当社グループの企業価値を向上させることの根拠
ⅷ) 大規模買付行為の完了後における当社及び当社グループの従業員、取引先、消費者、地域社会その他の利害関係者との関係についての方針(改変の計画の有無及び改変の計画がある場合にはその内容)
ⅸ) その他特別委員会が必要と判断する情報
当社は、大規模買付行為の提案があった事実及び当社取締役会に対して提出された買付説明書については、速やかに特別委員会へ提供することとします。特別委員会は、これを受けて、当該買付説明書の記載内容が大規模買付情報として十分であるか否かを速やかに確認し、不十分であると判断した場合には、適宜回答期限(原則として、大規模買付者が当社取締役会の追加情報提出の求めを受けた日後30日を上限とします)を定めた上で、当社取締役会を通じて大規模買付者に対し追加情報を提出していただくよう求めることがあります。
3) 特別委員会による大規模買付情報の検討・評価等
ⅰ) 大規模買付情報の検討・評価等
特別委員会は、大規模買付者から大規模買付情報として十分な情報を全て受領したと認めたときは、その日(大規模買付者から大規模買付情報として十分な情報を全て受領したと認めた旨を公表した場合には当該公表日)を開始日とし、原則として90日間(なお、買付けの目的・方法、買付対価の種類等、当該大規模買付行為の評価の難易度に応じてこれより短い期間となることがあります)を「特別委員会検討・評価期間」として、検討・評価、意見形成を行うものとします。
特別委員会検討・評価期間の開始日の前後を問わず、特別委員会は、大規模買付情報の検討・比較のため必要と認めるときは、当社取締役会に対しても適宜回答期限(原則として30日を上限とします)を定めた上で企業価値向上のための代替案その他特別委員会が必要と認める情報・資料等を提供するよう求めることがあります。
特別委員会は、提供された大規模買付情報及び当社取締役会からの情報・資料等を十分に検討・評価し、特別委員会としての意見 (防衛措置の発動の是非に関する勧告を含みます)を慎重に取りまとめることとします。なお、特別委員会が必要と認めるときは、当社の費用で独立した第三者(ファイナンシャルアドバイザー、コンサルタント、弁護士、公認会計士、税理士その他の専門家を含みます)に助言を求めることがあります。
当社取締役会は、特別委員会の意見を受領後、当該意見に基づき、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件の改善について交渉し、又は当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することがあります。
なお、特別委員会が特別委員会検討・評価期間内に当社取締役会に対して意見を提出し、又は防衛措置の発動の是非につき勧告するに至らない場合には、必要な範囲で特別委員会検討・評価期間を延長することができ、合理的な必要がある場合には更に延長することができるものとします。
ⅱ) 情報開示
大規模買付行為の提案があった事実及び当社取締役会に対して提出された大規模買付情報は、株主の皆様のご判断のために必要であると認められる場合には、法令及び当社が上場する金融商品取引所の規則等の遵守を前提とし、かつ、特別委員会の意見も勘案し、当社取締役会が適切と判断する時点で、その全部又は一部を公表いたします。
なお、当該公表がなされた場合には、特別委員会は、当社取締役会を通じて次の事項を適宜適切に公表いたします。
a) 特別委員会が大規模買付者から大規模買付情報として十分な情報を全て受領したと認めたこと
b) 特別委員会検討・評価期間の延長が決定された場合(更に特別委員会検討・評価期間を延長することが決定された場合を含みます)には、その旨及び理由、延長期間その他特別委員会が必要と認める事項
また、当社取締役会は、特別委員会の意見を受領後、大規模買付者に対して当該意見を通知するとともに、適宜適切に公表いたします。
4) 特別委員会による勧告
特別委員会は、原則として特別委員会検討・評価期間内に、当社取締役会に対して大規模買付行為に関する意見を提出するとともに、防衛措置の発動の是非について勧告するものとします。
5) 取締役会の決議
当社取締役会は、特別委員会の勧告を最大限尊重し、防衛措置を発動するか否かについて速やかに決議するものとします。なお、大規模買付行為は、当社取締役会が防衛措置に関する決定を最終的に行った後に開始されるべきものとします。
当社取締役会は、上記決議を行った場合、当該決議の概要その他当社取締役会が適切と判断する事項について速やかに公表いたします。
(c) 大規模買付行為が行われた場合の対応方針
1) 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合(特別委員会検討・評価期間内に大規模買付者から提供された情報が株主の皆様のご判断及び特別委員会の検討・評価のために必要な大規模買付情報として不十分である場合、並びに特別委員会が定めた回答期限までに大規模買付者から追加情報が提供されなかった場合を含みます)には、具体的な買付方法の如何にかかわらず、特別委員会は、当社の企業価値及び株主共同の利益を防衛することを目的として、当社取締役会に対し防衛措置を発動するよう勧告することがあります。
当社取締役会は、本プランに基づく防衛措置として新株予約権無償割当て(その詳細は下記「(d) 新株予約権無償割当ての概要」ご参照)を実施する場合、大規模買付者等による権利行使は認められないとの条件、及び当社が大規模買付者等以外の者から当社普通株式と引き換えに当該新株予約権を取得する旨の取得条項等を設定することがあります。
2) 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合
大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合には、当社取締役会は、仮に当該大規模買付行為に反対であったとしても、反対意見の表明、代替案の提示、株主の皆様への説得等を行うことはありますが、原則として、当該大規模買付行為に対する防衛措置を発動いたしません。大規模買付者の買収提案に応じるか否かは、株主の皆様において、当該買収提案の内容及びそれに対する当社取締役会の意見、代替案等を考慮の上ご判断いただくこととなります。
ただし、大規模買付ルールが遵守されている場合であっても、当該大規模買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく毀損すると認められるときは、特別委員会は、当社の企業価値及び株主共同の利益を防衛することを目的として、当社取締役会に対し防衛措置を発動するよう勧告することがあります。具体的には、次のいずれかに該当すると認められる場合には、原則として、当該大規模買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく毀損すると認められる場合に該当するものとします。
ⅰ) 真に当社の経営に参加する意思がないにもかかわらず、ただ株価等をつり上げて高値で当社関係者に引き取らせることを目的として当社株券等の買付けを行っていると判断される場合(いわゆるグリーンメーラー)
ⅱ) 当社の経営を一時的に支配して当社の事業経営上必要な知的財産権、ノウハウ、企業秘密情報、主要取引先や顧客等を大規模買付者やそのグループ会社等に移譲させるなど、いわゆる焦土化経営を行う目的で当社株券等の買付けを行っていると判断される場合
ⅲ) 当社の経営を支配した後に、当社の資産を大規模買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する目的で当社株券等の買付けを行っていると判断される場合
ⅳ) 当社の経営を一時的に支配し、当社の事業に当面関係していない不動産、有価証券等の高額資産を処分させ、その処分利益をもって一時的な高配当をさせるか、又は一時的高配当による株価等の急上昇の機会を狙って高値売抜けをする目的で当社株券等の買付けを行っていると判断される場合
ⅴ) 大規模買付者の提案する当社株券等の買付方法が、いわゆる強圧的二段階買収(最初の買付けで株券等の全部の買付けを勧誘することなく、二段階目の買付条件を不利に設定し、又は明確にしないで株券等を買い付けること)等、株主の皆様のご判断の機会又は自由を制約し、事実上株主の皆様に当社株券等の売却を強要するおそれがあると判断される場合(ただし、大規模買付者の提案する当社株券等の買付方法が部分的公開買付けであることをもって直ちにこの場合に該当するものではありません)
ⅵ) 大規模買付者の提案する当社株券等の買付方法(買付対価の種類・価額、買付時期等を含みます)が当社の企業価値に照らして著しく不十分又は不適切なものであると、合理的な根拠をもって判断される場合
ⅶ) 大規模買付者が当社の経営を支配したことにより、株主の皆様はもとより、当社の従業員、取引先、消費者、地域社会その他の利害関係者との関係又は当社ブランドの価値を破壊し、当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく毀損するおそれがあると、合理的な根拠をもって判断される場合
ⅷ) 大規模買付者が公序良俗の観点から当社の支配株主として不適切であると、合理的な根拠をもって判断される場合
3) 防衛措置発動の停止等
特別委員会は、当社取締役会が防衛措置の発動を決定した後であっても、特別委員会の勧告後に大規模買付行為が撤回された場合、又は当該勧告の前提となった事実関係に変動が生じ、防衛措置を発動することが相当でないと判断するに至った場合等には、改めて当社取締役会に対し防衛措置の発動の中止を勧告し、又は既に行った勧告を撤回することができるものとします。このような特別委員会の中止勧告又は勧告の撤回がなされた場合、防衛措置の発動によって生じる株主の皆様の権利の確定前であり、かつ、株主の皆様の利益を損なわないときに限り、当社取締役会は、防衛措置の停止又は変更を行うことがあります。
また、特別委員会は、当社取締役会が防衛措置の不発動を決定した後であっても、大規模買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を著しく毀損すると認められる状況となった場合には、改めて当社取締役会に対し防衛措置の発動を勧告することができるものとします。このような特別委員会の勧告がなされた場合、当社取締役会は、当該勧告を最大限尊重した上で、当該大規模買付行為に対する防衛措置の発動を決定することがあります。
(d) 新株予約権無償割当ての概要
本プランに基づく新株予約権無償割当ての概要は、以下のとおりであります。
1) 新株予約権無償割当てに関する事項の決定
ⅰ) 新株予約権の内容及び数
新株予約権の内容は下記2)に基づくものとし、新株予約権の数は、当社取締役会が別途定める割当期日(以下「割当期日」といいます)における当社の最終の発行済株式総数(ただし、当社の有する当社株式の数を控除します)に相当する数とします。
ⅱ) 割当対象株主
割当期日における当社の最終の株主名簿又は実質株主名簿に記載又は記録された株主に対し、その保有する株式(ただし、当社の有する当社株式を除きます)1株につき1個の割合で、新株予約権を無償で割り当てます。
ⅲ) 新株予約権無償割当ての効力発生日
当社取締役会が別途定める日とします。
2) 新株予約権の内容
ⅰ) 新株予約権の目的である株式の種類及び数
新株予約権の目的である株式の種類は当社普通株式とし、新株予約権1個当たりの目的である株式の数(以下「対象株式数」といいます)は1株とします。ただし、当社が株式の分割、株式の併合その他を行う場合は、所要の調整を行うものとし、調整の結果生じる1株未満の端数は切り捨て、金銭による調整は行いません。
ⅱ) 新株予約権の行使に際して出資される財産の価額
新株予約権の行使に際して出資される財産は金銭とし、その価額は1株当たり1円を下限とし時価の2分の1を上限とする金額の範囲内で、当社取締役会が別途定める額とします。
ⅲ) 新株予約権の行使期間
新株予約権無償割当ての効力発生日又は当社取締役会が別途定める日を初日とし、3カ月間の範囲内で当社取締役会が別途定める期間とします。ただし、新株予約権の取得が行われる場合は取得日の前営業日までとします。
ⅳ) 新株予約権の行使により株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金
新株予約権の行使により当社株式を発行する場合における増加する資本金及び資本準備金の額は、当社取締役会が別途定める額とします。
ⅴ) 新株予約権の譲渡制限
新株予約権の譲渡については、当社取締役会の承認を要するものとします。
ⅵ) 新株予約権の行使条件
次の者は新株予約権を行使することができないことなどを行使の条件として定めることがあります。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとします。
a) 特定大量保有者(注9)
b) 特定大量保有者の共同保有者(注10)
c) 特定大量買付者(注11)
d) 特定大量買付者の特別関係者(注12)
e) 上記a)からd)までに記載の者から新株予約権を当社取締役会の承認を得ることなく譲り受け、又は承継した者
f) 上記a)からe)までに記載の者の関連者(注13)
ⅶ) 当社による新株予約権の取得
次の事項等を新株予約権の取得条項として定めることがあります。詳細については、当社取締役会において別途定めるものとします。
a) 当社は、当社取締役会が定める取得日の到来をもって、新株予約権(ただし、上記「ⅵ) 新株予約権の行使条件」に記載の新株予約権を行使することができない者の有する新株予約権を除く)を取得し、これと引き換えに、新株予約権1個について、対象株式数の当社普通株式を交付することができる。
b) 当社は、新株予約権の行使期間の初日の前日までの間いつでも、当社が新株予約権を取得することが適切であると当社取締役会が認める場合には、当社取締役会が定める日の到来をもって、全ての新株予約権を無償で取得することができる。
ⅷ) その他
その他必要な事項については、当社取締役会において別途定めるものとします。
(e) 本プランの有効期間及び廃止
本プランの有効期間は、平成19年6月27日に開催の第148回定時株主総会において承認可決された時から、同株主総会の終結後3年以内に終了する事業年度のうち最終のものに関する当社定時株主総会の終結の時までといたします。ただし、有効期間満了前であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合、又は当社取締役会により本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されるものといたします。
更に、当社取締役会は、今後の法令改正、司法判断の動向及び当社が上場する金融商品取引所その他の公的機関の対応等を踏まえ、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上の観点から、必要に応じて本プランの見直し等、適時適切な措置を講じてまいりたいと存じます。その際における本プランの変更は、原則として、その都度当社株主総会において議案としてお諮りし、株主の皆様のご賛同を得た上で行うことといたします。
(f) その他の事項
本プランの内容の細目については、当社取締役会において定めることができるものとします。
④ 本プランが基本方針に沿い、会社の企業価値及び株主共同の利益を毀損せず、会社役員の地位の維持を目的とするものではないことに関する取締役会の判断並びにその判断に係る理由
(ⅰ) 買収防衛策に関する行政上の指針の原則に適合していること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」で定める3原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則及び必要性・相当性の原則)に適合しております。
(ⅱ) 当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を目的としていること
本プランは、大規模買付行為が行われた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断するために必要な情報や時間、又は当社取締役会による意見・代替案等の提示を受ける機会を確保することなどを可能にするものであり、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上を目的としております。
(ⅲ) 合理的かつ客観的な発動要件が定められていること
本プランは、前記③、(ⅱ)の「(c) 大規模買付行為が行われた場合の対応方針」に記載のとおり、予め定められた合理的かつ客観的な発動要件が満たされなければ発動されないものとされており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。
(ⅳ) 独立性の高い社外者の判断を尊重すること
当社は、前記③、(ⅱ)、(a)の「3) 当社取締役会の恣意的判断を防止するための特別委員会の設置」に記載のとおり、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のため実質的かつ客観的に判断すべき諮問機関として、特別委員会を設置しております。
大規模買付行為が行われた場合には、前記③、(ⅱ)の「(c) 大規模買付行為が行われた場合の対応方針」に記載のとおり、特別委員会が、大規模買付ルールが遵守されたか否か、並びに大規模買付行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損するか否かなどの実質的判断を行い、当社取締役会はその判断を最大限尊重いたします。
これにより、本プランの運用が当社の企業価値及び株主共同の利益に適うよう行われる仕組みが確保されております。
(ⅴ) デッドハンド型やスローハンド型の買収防衛策ではないこと
本プランは、前記③、(ⅱ)の「(e) 本プランの有効期間及び廃止」に記載のとおり、当社株主総会で選任された取締役により構成される当社取締役会の決議をもって廃止することができるものとされており、大規模買付者が、当社株主総会で取締役を指名し、当該取締役により構成される当社取締役会の決議をもって本プランを廃止することが可能です。従って、本プランは、いわゆるデッドハンド型の買収防衛策(取締役会を構成する取締役の過半数を交替させても、なおその発動を阻止することができない買収防衛策)ではありません。
また、当社取締役の任期は1年であることから、本プランは、いわゆるスローハンド型の買収防衛策(取締役会を構成する取締役を一度に交替させることができないため、その発動を阻止するために時間を要する買収防衛策)でもありません。
(注) 1 金融商品取引法第27条の23第1項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
2 金融商品取引法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。
3 金融商品取引法第27条の23第4項に定義されます。
4 金融商品取引法第27条の2第1項に定義されます。
5 金融商品取引法第27条の2第6項に定義されます。以下同じとします。
6 金融商品取引法第27条の2第8項に定義されます。以下同じとします。
7 金融商品取引法第27条の2第7項に定義されます。なお、当社取締役会がこれに該当すると認めた者を含み、同項第1号に掲げる者については、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条第2項で定める者を除きます。以下同じとします。
8 金融商品取引法第27条の23第5項に定義される者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされると当社取締役会が認めた者を含みます。
9 当社が発行者である株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に定義されます)の保有者(同法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます)で、当該株券等に係る株券等保有割合(同法第27条の23第4項に定義されます)が20%以上となると当社取締役会が認めた者をいいます。
10 金融商品取引法第27条の23第5項に定義される者、及び同条第6項に基づき共同保有者とみなされると当社取締役会が認めた者をいいます。
11 公開買付け(金融商品取引法第27条の2第6項に定義されます)により、当社が発行者である株券等の買付け等(株券等及び買付け等は同法第27条の2第1項に定義されます。以下本注において同じとします)を行う旨の公告を行った者で、当該買付け等の後においてその者が所有(所有に準じる場合として金融商品取引法施行令第7条第1項で定める場合を含みます)する株券等に係る株券等所有割合(同法第27条の2第8項に定義されます。以下同じとします)と、その者の特別関係者(注12)に係る株券等所有割合の合計が20%以上となると当社取締役会が認めた者をいいます。
12 金融商品取引法第27条の2第7項に定義されます。なお、当社取締役会がこれに該当すると認めた者を含み、同項第1号に掲げる者については、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条第2項で定める者を除きます。
13 実質的に本文③、(ⅱ)、(d)、2)の「ⅵ) 新株予約権の行使条件」のa)からe)までに記載の者(以下「当該者」といいます)を支配し、当該者に支配され、若しくは当該者と共同の支配下にある者、又は当該者と協調して行動する者として、当社取締役会が認めた者をいいます。
4 【事業等のリスク】
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項は、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 原材料の調達
当社グループのフード&ヘルスケア事業におきましては、原材料、特に主要原料(ココア豆、ナッツ類など)のほとんどが輸入品となっております。基本的には、一定の国内在庫を確保しており、産地のリスク分散策にも対応しておりますが、輸出元の政情や世界的な需要状況等により、量的確保ができない状況が続く場合は、当社グループの生産活動に支障を来たすこととなり、業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、価格面では、当社グループが調達する多くの原材料が現在値上げ基調にあり、新規購入ルートの開拓や合理化策の推進により価格抑制に努めておりますが、この値上げ基調が今後更に加速する場合は、生産コストに大きな影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの薬品事業におきましては、商品及び原材料の一部について、特定の取引先によりその供給を依存しており、代替不能となる可能性のある品目があります。当該取引先において何らかの理由により当社の製造活動や仕入れが遅延若しくは停止した場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 為替変動
当社グループは、原材料の調達にあたり、為替予約を実施しておりますが、為替変動の状況によっては、調達コストが増加して当社グループの財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、海外連結子会社を始めとする海外事業での各地域における製品の売上・費用・資産等、現地通貨建の項目は、連結財務諸表の作成上円換算されており、為替変動が当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 天候による影響
当社グループの特に菓子事業におきましては、チョコレートの売上構成比が高く、また、チョコレートを始めとする菓子類の売上は、気温の上昇や天候の変化によって、消費者の購買意欲に左右されやすい傾向にあります。したがって、予測できない気象状況の変化によっては、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制
当社グループは、食品衛生法、製造物責任法及び独占禁止法等の各種法規類の規制並びに薬事法等の医薬関連法規及び農薬取締法等の農薬関連法規の規制を受けております。
当社グループは、フード&ヘルスケア・薬品事業ともに法規類を遵守し、品質管理・衛生管理体制の維持・強化や、適正表示の作成等に努めておりますが、関連法規の変更に伴い、変更前の製品が販売中止となった場合や回収が求められた場合、又は製品の欠陥など当社グループの固有の問題、社会全般の一般的な問題、あるいは犯罪等が発生した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、薬品事業におきましては、医療用医薬品の価格が、薬価の改定を含む行政の医療政策及び医療保険制度の影響を受けることから、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 異物混入事故
当社グループは、フード&ヘルスケア事業では、使用する原材料が、消費者にとって安全・安心であることがまず第一に重要であり、より安全な国へのシフトや取引先のインスペクション強化等により、安全・安心な原材料の確保に努めております。また、薬品事業では、原薬から製剤まで厚生労働省令で定められたGMP基準(医薬品の製造及び品質管理に関する基準)に則った管理のもとに製造しております。いずれも異物混入事故の防止につきましては、日頃より厳格な生産管理を実施するとともに、最新の技術を取り入れ、生産現場の構造や設備の改善に努めておりますが、全ての製品について異物混入の可能性がないという保証はありません。異物混入による事故は、当社グループの評価に重大な影響を与え、それにより売上が低下するとともに、多額のコストが発生し、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 副作用の発生
当社グループの薬品事業におきましては、当局の定める各種法令・基準に従い、医薬品の開発・製造・販売を行っておりますが、開発中又は発売後に予期せぬ副作用が発生する可能性があります。こうした事態に備え、製造物責任を含めた各種賠償責任に対応するための適切な保険に加入しておりますが、最終的に負担する賠償額を全て保険で賄える保証はなく、予期せぬ副作用が、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 研究開発
当社グループの薬品事業におきましては、新製品の研究開発に関して長期にわたる各種試験の実施が必要であり、それに伴い多額の費用も必要となっております。また、有効性や安全性の面から研究開発の延長又は中断・中止を余儀なくされる場合もあり、これら研究開発の進捗は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、研究開発が予定通り進行せず自社開発品の発売が滞り、他社からの導入品に頼らざるを得ない場合も想定され、その場合には、知的財産権許諾料の支出増大を招く可能性があります。
(8) 知的財産
当社グループは、研究開発を始めその事業活動において、当社グループが所有している、又は第三者より適法に使用許諾を受けている種々の知的財産を幅広く活用しております。当社グループは、それら第三者の知的財産権を尊重する基本方針に基づき事業活動を行っておりますが、知的財産権に関する訴訟等が提訴された場合、その結果によっては、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(9) 事業展開地域における天変地異・社会情勢等の変化の影響
当社グループの製造・販売活動は、欧米及びアジアを中心とした海外にも展開しております。これら事業展開地域における地震等の大規模災害の発生、インフレ等の経済情勢の変動、戦争・政変等による政情の悪化などは、当社グループの事業活動に影響を与え、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(10) 大規模な地震・火災などの発生及び伝染病の蔓延などによる影響
当社グループの生産事業拠点が、大規模な地震の発生又は火災の発生などにより、甚大な被害を受け生産停止が長期化した場合には、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、新型インフルエンザウイルスの世界的流行など伝染病の蔓延により、多数の従業員の欠勤や、人的接触、製商品・原材料の流通制限等の非常事態が起こり、製造及び供給活動が停滞若しくは停止した場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(11) 情報システム
当社グループは、販売促進キャンペーンや通信販売等により多数のお客様の個人情報を保有しております。当社グループは、これらの重要な情報の紛失、誤用、改ざんを防止するため、全従業員に対する教育の実施等、システムを含めた情報管理に対する適切なセキュリティ対策を実施しております。しかしながら、停電、災害、ソフトウェアや機器の欠陥、コンピュータウイルスの感染、不正アクセス等予測の範囲を超えた出来事により、情報システムの停止又は一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合、社会的な信用を失うこととなり、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(12) 外部への業務委託
当社グループでは、製造の一部を外部へ業務委託しておりますが、業務委託先が何らかの理由により操業停止し、当社グループへの委託業務の供給ができなくなった場合は、当社グループの業績と財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、上記のリスクが当社グループにおける全てのリスクではありません。
5 【経営上の重要な契約等】
(1) 技術援助契約
技術導入
契約会社名
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相手先
|
契約の発効日
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有効期間
|
契約の内容
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目的
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実施料
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||||
明治製菓㈱
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オランダ国
ムンディ ファルマ社 |
昭和46.10.19
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平成22年3月31日まで。
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ポビドン沃度の原末購入並びにその製剤及び販売の実施、商標の使用に関する許諾契約。
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正味売上高に対し一定率の実施料を支払う。
|
〃
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ソルベイ製薬
㈱ |
平成1.5.26
|
永久。
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フルボキサミンの原末購入並びにその製剤及び販売の実施許諾契約。
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対価なし。
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〃
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武田薬品工業
㈱ |
平成1.12.19
|
特許の存続期間。
|
セフジトレン ピボキシル製剤の製造、使用及び販売に関する特許の実施許諾契約。
|
正味売上高に対し一定率の実施料を支払う。
|
〃
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日本新薬㈱
|
平成2.8.14
|
特許の存続期間又は再審査期間の何れか長い期間。
|
NAD-441Aの共同開発及び販売の実施許諾契約。
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正味売上高に対し一定率の実施料を支払う。
|
〃
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英国
ユナイテッド ・ビスケット 社 |
平成5.5.21
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販売量5,000ポンド(重量)を超えた月の翌月1日から15年間。
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成型ポテトチップスの製造技術並びにその製造及び販売の実施許諾契約。
|
正味売上高に対し一定率の実施料を支払う。
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〃
|
新日本石油
化学㈱ |
平成6.3.15
|
特許の有効期間が消滅する日から2年6カ月と10日が経過する日又は製造承認取得から6年間の何れか長い期間。
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NPe6の原末製造並びにその製剤及び販売の実施許諾契約。
|
正味売上高に対し一定率の実施料を支払う。
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〃
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英国
グラクソ・スミスクライン社 |
平成9.11.26
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販売開始から10年間又は特許の存続期間の何れか長い期間。
|
アミノアシルtRNA合成酵素阻害剤探索にかかわるスクリーニング技術特許及びノウハウに関する実施許諾契約。
|
正味売上高に対し一定率の実施料を支払う。
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〃
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ワイス㈱
|
平成15.3.18
|
特許の存続期間又は再審査期間の何れか長い期間。
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L-084製剤の開発、製造及び販売に関する実施許諾契約。
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一定額の一時金及び正味売上高に対し一定率の実施料を支払う。
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〃
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日本オルガノン㈱
|
平成16.3.30
|
販売開始から10年間又は特許の存続期間の何れか長い期間。
|
ミルタザピンの開発、製造及び販売に関する実施許諾契約。
|
一定額の一時金及び正味売上高に対し一定率の実施料を支払う。
|
〃
|
ワイス㈱
|
平成17.7.12
|
契約締結日から8年間。以後2年間毎の自動延長。
|
ビアペネム製剤の開発、製造及び販売に関する実施許諾契約。
|
正味売上高に対し一定率の実施料を支払う。
|
〃
|
デンマーク国
シンフォジェン社 |
平成18.12.4
|
販売開始から12年経過する日あるいは有効特許満了日まで。
|
感染症領域の抗体医薬に関する(共同)研究開発契約。
|
一定額の一時金及び正味売上高に対し、一定率の実施料を支払う。
|
技術提供
契約会社名
|
相手先
|
契約の発効日
|
有効期間
|
契約の内容
|
|
目的
|
実施料
|
||||
明治製菓㈱
|
英国
ユナイテッド ・ビスケット 社 |
昭和52.11.4
|
契約締結日より10年間。以後3年間毎の自動延長。
|
パフパイの製造技術及びそれらの知識情報の実施許諾契約。
|
正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
米国
メコー社 |
昭和63.11.30
|
契約締結日より20年間。以後1年間毎の自動延長。
|
フラクトオリゴ糖の製造技術及び特許の使用に関する実施許諾契約。
|
正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
フランス国
ベガン・メイジ社 |
平成1.2.9
|
契約締結日より20年間。以後1年間毎の自動延長。
|
フラクトオリゴ糖の製造技術及び特許の使用に関する実施許諾契約。
|
正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
英国
ユナイテッド ・ビスケット 社 |
平成3.4.15
|
契約締結日より10年間。以後3年間毎の自動延長。
|
パフスナック等の製造技術及びそれらの知識情報の実施許諾契約。
|
正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
英国
ユナイテッド ・ビスケット 社 |
平成3.4.15
|
契約締結日より10年間。以後3年間毎の自動延長。
|
チョコレートその他の味付けをしたクリームをクラッカーにつけて食べるスナック製品の製造技術及びそれらの知識情報の実施許諾契約。
|
正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
スペイン国
クレージー プラネット社 |
平成11.6.24
|
契約締結日より12年間。以後3年間毎の自動延長。
|
ガス封入キャンデーの製造に関わる特許の使用及び製造技術の供与に対する実施許諾契約。
|
正味売上高に応じて決定する料率の実施料を受け取る。
|
〃
|
米国
ライト サイエンス社 |
平成12.4.28
|
契約締結日から16年間又は特許の存続期間の何れか長い期間。
|
Npe6製剤の日本を除く世界における開発、製造及び販売に関する実施許諾契約。
|
一定額の一時金及び正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
トルコ国
アブディ・イブラヒム社 |
平成14.12.6
|
契約締結日より10年間。以後1年間毎の自動延長。
|
セフジトレン ピボキシル製剤のトルコにおける販売に関する実施許諾契約。
|
一定額の一時金を受け取る。
|
〃
|
米国
コーン・プロダクツ・インターナショナル社 |
平成16.3.31
|
許諾製品の製造より5年間。
|
A.niger酵素によるフラクトオリゴ糖製造技術に関する実施許諾契約。
|
正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
スペイン国
グラクソ・スミスクライン社 |
平成17.2.3
|
許諾製品の製造より10年間。以後2年間毎の自動延長。
|
セフジトレン ピボキシル製剤のスペインにおける販売に関する実施許諾契約。
|
一定額の一時金及び正味売上高に対する一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
イタリア国
ザンボン社 |
平成17.7.29
|
許諾製品の発売日より12年間。以後2年間毎の自動延長。
|
セフジトレン ピボキシル製剤のイタリアにおける販売に関する実施許諾契約。
|
一定額の一時金及び正味売上高に対する一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
英国
グラクソ・グループ・リミテッド社 |
平成18.3.10
|
契約締結日より10年間。以後3年間毎の自動延長。
|
セフジトレン ピボキシル製剤のギリシャにおける販売に関する実施許諾契約。
|
一定額の一時金及び正味売上高に対する一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
米国
トーカイ・ファーマシューティカルズ社 |
平成18.5.25
|
販売開始から10年間又は特許の存続期間の何れか長い期間。
|
プロゲステロン受容体調節剤プログラムに関する特許・ノウハウの実施許諾契約。
|
一定額の一時金及び正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。
|
契約会社名
|
相手先
|
契約の発効日
|
有効期間
|
契約の内容
|
|
明治製菓㈱
|
メキシコ国
バイエル・シェーリング・ファーマ社 |
平成18.10.2
|
販売開始から10年間。以後2年間毎の自動延長。
|
セフジトレン ピボキシル製剤の中米における販売に関する独占的実施許諾契約。
|
一定額の一時金及び正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
北興化学工業㈱
|
平成18.10.10
|
販売開始から10年が経過する日まで。
|
AH-01(除草剤)の共同開発・共同販売。
|
一定額の一時金を受け取る。
|
〃
|
米国
コーナーストーンバイオファーマ社 |
平成18.10.12
|
販売開始から10年間。以後1年間毎の自動延長。
|
セフジトレン ピボキシル製剤の米国における製造及び販売に関する独占的実施許諾契約。
|
一定額の一時金及び正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
米国
セレキサ社 |
平成18.10.19
|
販売開始から15年経過する日まで。
|
ME1036(注射用カルバペネム系抗菌薬)に関する特許・ノウハウの実施許諾契約。
|
一定額の一時金及び正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
米国
メディシノヴァ社 |
平成18.11.1
|
販売開始から15年経過する日まで。
|
CP4715(GPⅡbⅢa及びインテグリンαvβ3拮抗剤)に関する特許・ノウハウの実施許諾契約。
|
一定額の一時金及び正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。
|
〃
|
米国
メディシノヴァ社 |
平成18.11.1
|
販売開始から15年経過する日まで。
|
EF6265(CPB阻害剤)に関する特許・ノウハウの実施許諾契約。
|
一定額の一時金及び正味売上高に対し一定率の実施料を受け取る。
|
(2) 業務提携契約
契約会社名
|
相手先
|
契約の発効日
|
有効期間
|
契約の内容
|
|
目的
|
実施料
|
||||
明治製菓㈱
|
大日本住友
製薬㈱ |
平成8.3.28
|
販売開始から15年間又は特許の存続期間の何れか長い期間。以後2年間毎の自動延長。
|
エバスチン製剤の共同販売契約。
|
一定額の一時金を支払う。
|
〃
|
英国
ユナイテッド ・ビスケット 社 |
平成11.4.1
|
契約締結日より平成13年7月16日まで。以後1年間毎の自動延長。
|
明治製菓㈱生産の「マクビティ」ブランド製品の非独占販売契約。
|
正味売上高に対し一定率の実施料を支払う。
|
〃
|
㈱大塚製薬
工場 |
平成13.6.4
|
薬価収載日より60カ月間。以後3年間毎の自動延長。
|
ホスミシンダブルバッグキットに関する製造委受託契約。
|
一定額の委託料を支払う。
|
〃
|
バイエル薬品㈱
|
平成13.10.1
|
契約締結日より平成18年12月31日まで。
以後2年間毎の自動延長。 |
バイエル薬品㈱が日本国内において保有する「一般用医薬品」の独占販売契約。
|
対価なし。
|
〃
|
沢井製薬㈱
|
平成14.7.1
|
平成18年3月31日まで。以後1年間毎の自動延長。
|
メイセリンの共同販売契約。
|
対価なし。
|
〃
|
スイス国
エス・アイ・シー・エイチ社 |
平成15.4.1
|
契約の発効日より2年間。以後1年間毎の自動延長。
|
チョコレートをはじめとする菓子・食品における「マキシム・ド・パリ」ブランドの商標の使用に関する実施許諾契約。
|
正味売上高に対し一定率の実施料を支払う。
|
〃
|
久光製薬㈱
|
平成18.4.25
|
販売開始から10年間。以後1年間毎の自動延長。
|
ツロブテロールテープの共同販売契約。
|
対価なし。
|
〃
|
米国
プロクター・アンド・ギャンブル・ファー・イースト社 |
平成19.7.1
|
平成19年7月1日から平成22年6月30日まで。以後1年間毎の自動延長。
|
「プリングルズ」の日本国内における独占販売契約。
|
対価なし。
|
〃
|
富士レビオ㈱
|
平成19.8.23
|
販売開始から5年間。以後1年間毎の自動延長。
|
エスプライン インフルエンザA&B-Nの共同販売契約。
|
対価なし。
|
〃
|
万有製薬㈱
|
平成19.9.27
|
共同販促開始から5年間。以後1年間毎の自動延長。
|
シングレアの共同販促契約。
|
正味売上高に対し一定率の共同販促手数料を受け取る。
|
(3) 合弁契約
契約会社名
|
相手先
|
契約の発効日
|
有効期間
|
合弁会社の内容
|
契約会社出資額
|
明治製菓㈱
|
インドネシア国
チプト・ プスポスハルト 氏外 |
昭和49.3.6
|
合弁会社の存続期間。
|
社名 :メイジインドネシア・ファーマシューティカル・インダストリーズ社
目的 :抗生物質ほか各種薬品の製造、販売。
資本金:96億2,856万3千ルピア
設立 :昭和49.5.13
|
80億7,442万8千ルピア
(資本金の83.86%)
|
〃
|
タイ国
ナナ・チャート 社外 |
昭和54.9.4
|
合弁会社の存続期間。
|
社名 :タイ・メイジ・ファーマシューティカル社
目的 :抗生物質ほか各種薬品の製造、販売。
資本金:2億9,700万バーツ
設立 :昭和54.11.1
|
2億8,098万バーツ
(間接所有含む) (資本金の94.61%) |
〃
|
フランス国
サノフィ・ アベンティス社 |
昭和58.8.30
|
合弁会社の存続期間。
|
社名 :明治サノフィ・アベンティス薬品㈱
目的 :医薬品等の製造、販売。
資本金:1,000万円
設立 :昭和58.9.28
|
490万円
(資本金の49%) |
〃
|
米国
ゴールデン・ パートナーズ社 |
昭和63.11.16
|
合弁会社の存続期間。
|
社名 :メコー社
目的 :フラクトオリゴ糖の製造、販売。
資本金:5万米ドル
設立 :昭和63.11.16
|
2万5千米ドル
(資本金の50%) |
〃
|
フランス国
テレオス社 |
平成1.2.9
|
合弁会社の存続期間。
|
社名 :ベガン・メイジ社
目的 :フラクトオリゴ糖の製造、販売。
資本金:2,100千ユーロ
設立 :平成1.2.9
|
1,050千ユーロ
(資本金の50%) |
〃
|
中国(香港)
四洲貿易 有限公司 |
平成5.3.1
|
合弁会社の存続期間。
|
社名 :明治四洲有限公司
目的 :中国廣州糖果有限公司との間における合弁会社の設立及び当該合弁会社の製造・販売の補佐。
資本金:4,812万香港ドル
設立 :平成5.5.4
|
3,368万4千香港ドル
(資本金の70%) |
契約会社名
|
相手先
|
契約の発効日
|
有効期間
|
合弁会社の内容
|
契約会社出資額
|
明治製菓㈱
|
シンガポール国
ペトラフーズ社 メイジセイカ シンガポール社 外 |
平成12.12.20
|
契約の発効日より20年間。
|
社名 :セレスメイジインドタマ社(インドネシア)
目的 :菓子の製造、販売。
資本金:750万米ドル
設立 :平成13.2.15
|
375万米ドル(間接所有含む)
(資本金の50%) |
〃
|
中国
山東魯抗医薬股份有限公司外 |
平成15.10.20
|
設立期日より20年間。
|
社名 :明治魯抗医薬有限公司
目的 :医薬品、動物薬外の製造、販売。
資本金:2,400万米ドル
設立 :平成15.10.21
|
1,250万米ドル
(資本金の52.08%) |
シンガポー
ル国 メイジセイ カシンガポ ール社 |
三井物産㈱外
|
平成17.2.28
|
合弁会社の存続期間。
|
社名 :ファイブスターズ・デイリー・イングリディエンツ社
目的 :粉乳調製品の製造、販売
資本金:500万米ドル
設立 :平成17.3.7
|
255万米ドル
(資本金の51%) |
明治製菓㈱
|
シンガポール国
メイジセイカシンガポール社 タイ国 フレンドシップ社外 |
平成18.8.16
|
設立期日より7年間。
|
社名 :タイメイジフード社
目的 :菓子の製造、販売。
資本金:1億バーツ
設立 :平成18.8.29
|
5,000万バーツ(間接所有含む)
(資本金の50%) |
6 【研究開発活動】
〔フード&ヘルスケア事業〕
フード&ヘルスケア事業におきましては、「おいしい・楽しい」「健康」「安心」のMeijiブランド を一層強固なものとするため、研究部門の要員を充実させ、当連結会計年度は33億19百万円の研究開発費を投入しました。現在、新商品と生産技術の開発、カカオ研究の推進、品質保証技術の開発、機能性素材の開発と評価試験等、幅広く研究開発を進めております。
(1) 菓子事業
チョコレートは、チョコ生地と他の食材を組み合わせた“新しいおいしさ”の掘下げを行い、「ショパンミルフィーユ」や新食感チョコ「パンキー」を開発しました。また、チョコが手に付きにくい技術を「北海道チョコポテト」に活用しました。「リッチチョコレート」群、「セレクテッドチョコレート」群の商品化に当たっては、厳選した素材を活かす製法研究を行いました。更に、甘味と塩味の風味バランスを追求し、「塩チョコカール」「アーモンド塩クランチ」へと活用しました。
スナックは、風味成分を多く生地に保持させるようにエクストルージョン技術を発展させ、「謹製カール」群へと応用しました。また、風味を高める製法を追求し、「コパン」へと応用しました。
ガムは、消臭効果を高める技術開発を更に進め、発売10年目にあたる「キシリッシュ」群の全品に応用しました。また、特定保健用食品である「キシリッシュ+F」は風味の見直しを行い、「ナチュラルミント」「フレッシュアップル」へと展開しました。グミは、結晶化グミ製法を更に研究し、「KAON(果音)」に応用しました。また、液体センター注入技術を「ぷぷるん」「ジュレin果汁グミ」群に活用しました。
(2) 健康事業
ココアは、カカオ豆の特性研究と機能研究の成果に基づいて、他社に類を見ない800mgの高濃度ポリフェノール含有ココア「テオブロココア P-800」を開発しました。
ザバスでは、特殊乳化技術を用い“水に溶ける”を追求した「アクア」シリーズに、本年2月、大豆プロテインの風味改善研究を応用した「ソイプロテイン100」を発売しました。
アミノコラーゲンは、脱臭技術を更に進化させドリンクやゼリー商品に応用しました。また吸収性の向上を追求し「アミノコラーゲンEX」として発売しました。
調理食品では、昨年8月の「銀座シチュウ」に加えて、具にこだわった「銀座カリースパイシーポテト」を開発しました。また野菜の食感にこだわった「まるごと野菜」を電子レンジ対応のカップタイプ商品として開発しました。
「パーフェクトプラス」群は、配合栄養素を配慮しながら、菓子製造で培われた技術を活用し、ビスケットタイプ・バータイプとして商品化しました。
また、最先端分析機器を導入して品質分析の迅速化と精度の一層の改善を図るとともに、食品中の微生物制御や抗酸化など品質向上のための基礎技術開発も継続し、“安心・安全”の観点からもお客様の信頼が得られるように努めております。
〔薬品事業〕
薬品事業におきましては、医療用医薬品における感染症、中枢神経系領域でのスペシャリティファーマを目指すとともに、今後拡大が予想されるジェネリック医薬品、農薬、動物薬等グループ全体を視野に入れ、積極的な研究開発活動を行っております。
医療用医薬品における具体的な開発品目の進捗状況としましては、以下のとおりです。
「メイアクト」は、欧州では尿路感染症の適応拡大に向けてスペインとギリシャで臨床試験を実施中です。米国では200mg錠が承認待ちで、400mg錠は現在審査中です。その他、イタリアでは 錠剤の薬価を取得し発売準備中であり、トルコでは小児用細粒の承認を取得し発売準備中です。
抗うつ薬「デプロメール」の75mg錠の剤型追加は、本年3月に承認を取得しました。
「ハベカシン注射液」の用法・用量一変は本年2月に承認を取得しました。
日本オルガノン株式会社より導入の抗うつ薬「Org3770」は現在申請中であり、2009年度中の承認取得を目指しております。
経口用カルバペネム系抗菌薬「ME1211」は、小児適応での開発を先行させ、現在申請中であり、2009年度中の承認取得を目指しております。
C型慢性肝炎治療薬「ME3738」は、本年1月よりPEG-IFN併用の臨床第二相試験を実施しておりま す。
注射用カルバペネム系抗菌薬「ME1036」は、米国での臨床第一相試験(単回投与)を昨年末までに終了しました。
メタロ−β−ラクタマーゼ阻害剤「ME1071」は、臨床第一相試験の準備中です。
抗アレルギー薬「ME3301」につきましては、導出の可能性について検討しております。
生物産業分野におきましては、農薬事業では、「ビルダープリンスアドマイヤー粒剤」等の3剤の農薬登録を取得しました。また、「ビルダープリンスチェス粒剤」等の2剤の農薬登録申請を行いました。既に申請しておりました自社開発の新規除草剤「ザクサ液剤」については、農薬登録の早期取得を目指して申請対応を進めております。更に、新規水稲用殺菌剤「AF-02」は農薬登録申請に向けて、申請関係資料の準備を進めております。動物薬事業では、コンパニオンアニマル用品目として、「フェロバックスFIV」ワクチンの発売準備を進めております。申請中の家畜用抗菌剤「ME4129」は製造承認取得を目指しております。また、家畜用新規経口剤「ME4163」の製造承認申請を行いました。
以上の結果、当連結会計年度の研究開発費は、フード&ヘルスケア事業では33億19百万円(前連結会計年度比6.3%増)、薬品事業では114億47百万円(同10.6%減)、全体では147億66百万円(同7.3%減)となりました。
主な研究所における研究開発活動は次のとおりであります。
食料健康総合研究所
|
:菓子・食品(健康関連含む)の商品開発及び新技術の開発並びに食品・薬品関連分野の中長期の素材開発及びそれに伴う技術開発
|
バイオサイエンス研究所
|
:生産品目、次期導入品目の菌株育種及び培養・精製技術の確立、品質向上、コスト低減による工場支援並びにバイオ資源を活用した医薬品・農動薬・酵素・ジェネリック原料及び健康事業分野の新製品創出
|
医薬総合研究所
(1) 薬理研究所
|
:感染症領域を中心とした創薬研究、ゲノム研究、開発研究、学術支援研究、導入薬評価
|
(2) 化学研究所
|
:合成創薬のためのリード化合物の探索とその最適化、合成法検討、機器分析による構造解析並びに分子設計、天然物の精製
|
(3) 動態安全性研究所
|
:薬物の安全性評価・薬物動態評価、学術支援研究
|
(4) 開発技術研究所
|
:薬物の物性・規格安定性評価、製剤設計・製剤開発、治験薬製造、大量合成法検討・製造法確立、品質管理・品質保証
|
生物産業研究所
|
:新規農薬・動物薬の創出と新製剤開発、既存品評価、販売支援業務
|
(注) なお、医薬総合研究所は、平成20年4月1日付で研究開発活動の更なる効率化を図るとの観点から、組織改正を実施しております。
組織改正後の体制は以下のとおりとなっております。
医薬総合研究所
(1) 応用薬理研究所
|
:感染症領域を中心とした創薬研究、ゲノム研究、薬物の安全性評価・薬物動態評価、開発研究、学術支援研究、導入薬評価
|
(2) CMC研究所
|
:合成創薬のためのリード化合物の探索とその最適化、合成法検討、機器分析による構造解析並びに分子設計、薬物の物性・規格安定性評価、製剤設計・製剤開発、治験薬製造、大量合成法検討・製造法確立、品質管理・品質保証
|
(3) 抗体医薬研究室
|
:抗体医薬を中心とした創薬研究、ゲノム研究
|
7 【財政状態及び経営成績の分析】
当社グループに関する財政状態及び経営成績の分析・検討内容は原則として連結財務諸表に基づいて分析した内容であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は我が国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5経理の状況の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えております。
① 収益の認識基準
当社グループの売上高は、通常、発注書等に基づき顧客に対し製品が出荷された時点、又はサービスが提供された時点で売上を計上しております。
② 貸倒引当金の計上基準
当社グループは、売上債権等の貸倒損失に備えて回収不能となる見積額を貸倒引当金に計上しております。将来、顧客の財政状態が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上又は貸倒損失が発生する可能性があります。
③ 棚卸資産の評価基準
当社グループは、製品、商品についての評価基準は原価法によっておりますが、原材料については、低価法を採用しております。
④ 有価証券の減損処理
当社グループは、金融機関や販売又は仕入に係る取引会社の株式を保有しております。これらの株式は株式市場の価格変動リスクを負っているため、第5経理の状況の有価証券関係の注記に記載している合理的な基準に基づいて有価証券の減損処理を行っております。
なお、将来、株式市場が悪化した場合には、有価証券評価損を計上する可能性があります。
⑤ 繰延税金資産の回収可能性の評価
当社グループは、繰延税金資産の回収可能性を評価するに際して将来の課税所得を合理的に見積もっております。
なお、繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合は、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
⑥ 退職給付債務及び退職給付費用
当社グループの従業員に対する退職給付費用及び退職給付債務は、割引率など数理計算上で設定される前提条件や年金資産(退職給付信託を含む)の期待収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なった場合又は前提条件が変更された場合、その影響は数理計算上の差異として将来にわたって規則的に認識されるため、一般的には将来期間において認識される費用及び計上される債務に影響を及ぼします。
(2) 経営成績の分析
当社グループの経営成績は、当連結会計年度において連結売上高は4,047億11百万円(前連結会計年度比2.8%増)、営業利益は127億25百万円(同1.1%増)、経常利益は117億1百万円(同7.3%減)、当期純利益は62億40百万円(同13.9%増)となりました。
① 売上高
売上高の概要については第2事業の状況、1業績等の概要、(1)業績の中の事業の種類別セグメントの業績に記載のとおりです。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は2,342億28百万円となりました。売上原価率は57.9%で前連結会計年度比1.8%上昇いたしました。
販売費及び一般管理費は、主として販売費の抑制と会計処理変更の結果、前連結会計年度比24億49百万円減少し、1,578億27百万円となりました。
③ 営業外損益
営業外損益は、前連結会計年度より10億67百万円の費用(純額)の増加となり、10億24百万円の費用(純額)となりました。
④ 特別損益
特別利益は22億61百万円となり、前連結会計年度より9億70百万円増となりました。固定資産売却益17億39百万円、投資有価証券売却益4億62百万円が主な内訳です。
特別損失は18億76百万円となり、前連結会計年度より9億33百万円減となりました。固定資産廃棄損13億26百万円、製品回収費用3億38百万円が主な内訳です。
(3) 資本の財源及び資金の流動性についての分析
① キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度比37億92百万円減少し、135億25百万円の資金収入となりました。主な要因は、年金資産への特別掛金拠出などは減少したものの、営業資金(売上債権・たな卸資産・仕入債務)が、前連結会計年度比76億26百万円減少の38億83百万円の資金支出となったことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入が前連結会計年度比10億24百万円増加の19億10百万円の資金収入となったものの、新製造棟などの有形固定資産取得、投資有価証券の購入などの増加により、前連結会計年度比105億51百万円支出が増加し、289億39百万円の資金支出となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、社債発行による150億円の調達を実施し、前連結会計年度比152億43百万円増加の121億5百万円の資金収入となりました。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度比27億21百万円減少し、117億92百万円となりました。
② 資金需要について
当社グループは、通常の生産・販売及び研究開発活動に必要な資金を充当しておりますが、ほぼ営業キャッシュ・フローに見合う金額となっております。