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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度(平成28年1月1日から平成28年12月31日)における日本経済は、政府や日銀の経済対策により、一部に改善の遅れも見られましたが、緩やかな回復基調が続きました。食品業界におきましては、原材料単価や物流コストの上昇、人口減少による市場規模の縮小など、依然として厳しい状況が続きました。

このような状況の中、当社は当連結会計年度から開始した平成30年12月期までの3ヵ年の中期経営計画を実行いたしました。

重点課題としては、①既存事業・カテゴリーのバリューアップ、②イノベーションによる新たなビジネスモデルの創造、③グローバル化の推進、④働き方の改革による生産性の向上などであり、これらに取り組むことにより、当社の社会的価値、経済的価値の向上に努めてまいりました。こうした取組みの一環として、平成28年3月にグローバルにおける新たな農業関連ビジネスの創造を目的としたKagome Agri-Business Research and Development Center, Unipessoal Lda.をポルトガルに設立いたしました。また、当社の間接業務の集約・標準化を目的としたカゴメアクシス㈱を立上げ、働き方の改革と収益構造の改革の実現に向けて、4月より実働を開始いたしました。その他、平成28年9月に、加工用トマト業界大手である米国のIngomar Packing Company, LLC社(以下、Ingomar社)と、業務提携契約を締結するとともに、同社持分の20%を取得いたしました(なお、本契約及び持分の取得は、いずれも当社連結子会社であるKAGOME INC.を通じて行っております)。本提携は、今後引き続き需要拡大が見込まれる加工用トマト市場において、両社の事業拡大に大きな貢献をもたらすと考えております。

 

売上高につきましては、国内事業は、主力の飲料事業の販売が好調に推移したことなどにより増収となりました。国際事業は、平成27年5月末に連結子会社化したPreferred Brands International, Inc.社(以下、PBI社)が通期で寄与したことなどにより現地通貨建てでは増収であったものの、年初から為替相場が円高に推移した影響を受け、円換算後売上高は減収となりました。

営業利益につきましては、国内事業は、売上高の増加に加えて、原価低減や不採算商品の絞込み、販売促進費の効果的な活用など、収益構造の改革に取り組んだことなどにより、全事業で増益となりました。国際事業は、グローバルトマト事業においてのれん償却費の負担が減少したこと、コンシューマー事業において上記PBI社の貢献による純増に加えて、アジア地域における不採算事業の整理等により増益となりました。

また、特別損益については、当社グループ保有不動産の売却、収用補償金などによる利益を計上しております。特別損失については、台湾南部地震や熊本地震による災害損失、業務用ダイストマト缶の一部商品の自主回収関連費用、閉鎖を決定した当社静岡工場の関連損失を事業構造改善費用に、インドにおける子会社のKagome Foods India Pvt Ltd.や当社が保有する固定資産の減損損失などを、それぞれ計上しております。

 

この結果、当連結会計年度の売上高は、前期比3.5%増2,025億34百万円、営業利益は前期比62.8%増109億46百万円、経常利益は前期比61.3%増113億15百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比96.6%増67億64百万円となりました。

 

 

セグメント別の業績は、次の通りであります。

なお、当連結会計年度より報告セグメントの区分を変更しております。詳細は、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等] (1)[連結財務諸表] 注記事項(セグメント情報等)」をご参照ください。

 (単位:百万円)

セグメントの名称

売上高

営業利益

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

前連結会計年度

当連結会計年度

増減

 

飲料

74,197

79,649

5,452

2,239

4,008

1,768

 

食品

23,232

22,946

△286

1,777

2,266

488

 

ギフト

8,378

8,523

145

154

370

215

 

10,982

11,487

505

732

862

130

 

通販

8,777

9,444

667

888

1,133

245

 

業務用

25,941

26,349

408

126

365

238

 

その他

15,491

16,753

1,262

601

688

87

国内事業 計

167,000

175,154

8,154

6,520

9,695

3,175

 

 

国際業務用

40,350

37,834

△2,515

886

1,200

313

 

 

種子・育苗

3,756

3,400

△356

△221

△93

127

 

グローバルトマト事業

44,106

41,235

△2,871

665

1,106

441

 

コンシューマー事業

3,839

6,153

2,313

△462

143

606

国際事業  計

47,946

47,388

△557

203

1,250

1,047

小計

214,947

222,543

7,596

6,723

10,946

4,222

消去及び調整

△19,327

△20,008

△680

合計

195,619

202,534

6,915

6,723

10,946

4,222

 

 

<国内事業>

国内事業の売上高は、前期比4.9%増1,751億54百万円となりました。各事業別の売上高の状況は以下の通りであります。

 

①  飲料事業

野菜飲料カテゴリーにつきましては、生活者の健康期待に対応できる「生涯健康飲料」を目指し、「カラダの調子をととのえる」をキーワードに、消費者に向けた新たな価値開発、提供を図り、野菜飲料全体の需要を喚起する活動に注力いたしました。

トマトジュースにつきましては、バリューアップとして、日本初のHDL(善玉)コレステロールを増やす機能性表示食品としての届け出を行い、平成28年2月より発売した結果、販売は好調に推移いたしました。

「野菜生活100」シリーズにつきましては、野菜飲料の新しい飲用シーンを提案するために、平成28年2月に、リフレッシュシーンに最適な「野菜生活100 Peel&Herb 200ml」を発売し、市場定着に向けた育成に注力いたしました。また、平成28年4月に発売しました、飲みごたえがあり、より野菜摂取ニーズに応えられ、間食に最適な「野菜生活100 Smoothie キャップ付き紙容器 330ml」シリーズは、お客様の好評を頂き、商品ラインアップの拡充を行いました。また、マーケティング活動において、商品、広告、店頭プロモーションに留まらず、自治体と連携したPRや、研究に基づく野菜の健康価値の開発などを含む統合的な活動を強化いたしました。加えて、地産全消をテーマに展開している野菜生活100季節限定商品は、お客様より高い評価を頂きました。

「野菜一日これ一本」シリーズにつきましては、平成28年8月に、食前に野菜ジュースを飲む「野菜ジュースファースト」による食後の血糖値上昇抑制効果が、食前に野菜を摂る「ベジタブルファースト」と同等であることをヒト試験で明らかにし、店頭での価値伝達活動を強化いたしました。

当社独自の低温あらごし製法により可能となった、素材本来の鮮度(色・香り・食感)を徹底的に追求した新ジャンルの野菜飲料「GREENS」は、旬の素材を取り入れ、季節で変わるおいしさを提案いたしました。また、平成28年11月より、1都9県に販売エリアを拡大いたしました。

これらの施策を行った結果、野菜飲料カテゴリーの売上高は増加いたしました。

乳酸菌カテゴリーにつきましては、平成28年6月より「便通改善の実感」、「植物性乳酸菌」といった植物性乳酸菌ラブレ菌の価値伝達を更に強化するために、増加する子供の便秘を社会的課題と位置付け、子供の便秘0(ゼロ)を目指す「ラブレッタプロジェクト」の活動に注力いたしました。商品としては、お子様にもおいしくお飲み頂ける「植物性乳酸菌ラブレ りんご 80ml」を平成28年9月に発売いたしました。

これらの施策を行いましたが、競合激化により、乳酸菌カテゴリーの売上高は減少いたしました。

その結果、飲料事業の売上高は、前期比7.3%増796億49百万円となりました。

 

 

②  食品事業

トマトケチャップにつきましては、「トマトで塩分コントロール」をキーワードに、トマトケチャップの価値伝達やプロモーションを強化した結果、好調に推移いたしました。

トマト調味料につきましては、お好みの魚介と野菜をトマトソースで蒸し煮するメニュー「トマトパッツァ」について、全国での提案を強化いたしました。コンセプトである「おいしさUP、低塩、時短調理」に加え、「野菜が摂れる魚介メニュー」として、高い評価を頂き、全社的なマーケティング活動を通じ、内食に留まらず、外食、中食でのメニュー化など、育成に注力いたしました。

これらの施策を行いましたが、不採算商品を絞り込んだことなども影響し、食品事業の売上高は、前期比1.2%減229億46百万円となりました。

③  ギフト事業

当社のギフト事業は、中元、歳暮の贈答市場を主体とした売上構成のため、贈答以外の需要開拓に注力いたしました。ギフト市場全体は贈答需要の減少により厳しい環境でありますが、健康・おいしさ・思いやり・限定感といった当社ならではの価値を持つ商品の販売に注力いたしました。また、インターネットやカタログ通販、防災備蓄、法人景品、お土産需要などの多様な新しいチャネルに対し、受託商品の開発までを含む提案を行いました。

その結果、ギフト事業の売上高は、前期比1.7%増85億23百万円となりました。

④  農事業

主力である生鮮トマトにつきましては、野菜に期待される成分に特徴のある野菜への注目の高まりに合わせて、「高リコピントマト」など高付加価値商品の販売を強化し、好調に推移いたしました。また、天候不順により生鮮トマトの出荷量が安定しなかったものの、商品ラインアップの最適化を柔軟に行うなど、需給対応力を強化したことに加え、作付面積を前年より拡大できたことも売上高の増加に寄与いたしました。

また、平成27年4月から販売を開始した高リコピントマトやベビーリーフなど特色のある素材を使用した「パックサラダ」シリーズについて、夫婦世帯や働く女性層向けに、販促を強化し、順調に拡大いたしました。

その結果、農事業の売上高は、前期比4.6%増114億87百万円となりました。

⑤  通販事業

主力の野菜飲料では「つぶより野菜」、また、飲料に次ぐ柱として育成に注力しているサプリメントでは「植物性サプリメント スルフォラファン」に加え、機能性表示食品の「リコピンコレステファイン」が順調に拡大いたしました。加えて、数量限定の食品「野菜を味わうポタージュ」についても好調に推移いたしました。

その結果、通販事業の売上高は、前期比7.6%増94億44百万円となりました。

⑥  業務用事業

業務用市場では、調理工程の簡便化ニーズなど、社会や環境の変化による様々な食市場機会が生まれてきています。当社は、この様な環境下で市場拡大を見込む業態に対し、野菜の彩りと美味しさを活かした商品やメニュー提案に取り組み、概ね好調に推移いたしました。

その結果、業務用事業の売上高は、前期比1.6%増263億49百万円となりました。

⑦  その他事業

運送・倉庫業、不動産賃貸業、パーキング事業、太陽光発電事業、業務受託事業などをあわせた国内におけるその他事業の売上高は、前期比8.1%増167億53百万円となりました。

 

<国際事業>

国際事業の売上高は、前期比1.2%減473億88百万円となりました。なお、前期比で円高に伴う悪影響が54億98百万円ありました。

各セグメント別の状況については、以下の通りであります。

①  グローバルトマト事業

[国際業務用]

米国の子会社であるKAGOME INC.は、大手フードサービス顧客向けの販売が堅調に推移いたしました。ポルトガルの子会社であるHolding da Industria Transformadora do Tomate, SGPS S.A.の売上高は、欧州諸国の大手食品企業向けの販売が好調に推移いたしました。豪州の子会社であるKagome Australia Pty Ltd.は、東南アジア向けの輸出販売が増加いたしました。台湾可果美股份有限公司の売上高は、台湾南部地震の影響がありましたが、前年同水準となりました。なお、イタリアの子会社であるVegitalia S.p.A.は、平成28年9月30日公表の「当社海外子会社の民事再生手続開始申立てに関するお知らせ」の通り、日本の民事再生手続開始に相当する182bis法の申請を行い、認可されました。

その結果、国際業務用事業における売上高は、現地通貨建では増収となりましたが、円高に伴う悪影響により、前期比6.2%減378億34百万円となりました。

[種子・育苗]

 

米国の子会社であるUnited Genetics Holdings LLCは、堅調に推移いたしましたが、円高に伴う悪影響もあり、種子・育苗事業における売上高は、前期比9.5%減34億円となりました。

 

②  コンシューマー事業

米国の子会社であるPBI社の売上高は、大幅に増加いたしました。これは、当連結会計年度は通期(前連結会計年度は7ヶ月間)での寄与があったことによる純増に加え、既存顧客への販売が好調に推移したことによります。
 なお、アジア地域において不採算事業の整理を進めた結果、可果美(上海)飲料有限公司、タイの子会社OSOTSPA KAGOME CO., LTD.の売上高は減少いたしました。

その結果、円高に伴う悪影響があったものの、コンシューマー事業における売上高は、前期比60.3%増の61億53百万円となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、283億13百万円となり、前連結会計年度末比で72億38百万円増加いたしました。

各キャッシュ・フローの状況は次の通りであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、188億24百万円の純収入(前期は120億39百万円の純収入)となりました。この主要因は、税金等調整前当期純利益が112億69百万円となったこと、減価償却費が57億32百万円となったこと、たな卸資産が40億41百万円減少したこと(以上、キャッシュの純収入)、売上債権が17億48百万円増加したこと、仕入債務が13億74百万円減少したこと、法人税等の支払いにより42億64百万円を支出したこと(以上、キャッシュの純支出)によります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、185億76百万円の純支出(前期は110億23百万円の純支出)となりました。この主要因は、固定資産の売却により22億10百万円収入となったこと、定期預金の預入により106億76百万円、固定資産の取得により68億36百万円、関係会社株式及び出資金の取得により37億41百万円、それぞれ支出したことによります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、69億4百万円の純収入(前期は15億55百万円の純収入)となりました。この主要因は、短期借入金の純増減により281億60百万円、長期借入れにより113億33百万円、それぞれ収入となったこと、自己株式の増減額により268億48百万円、非支配株主からの子会社持分の取得により27億15百万円、配当金の支払いにより21億87百万円、それぞれ支出したことによります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント毎に示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

前期比(%)

 

飲料

32,729

5.7

 

食品

7,258

△0.7

 

ギフト

2,556

17.5

 

2,916

△6.8

 

通販

1,187

△0.5

 

業務用

7,701

△7.8

 

その他

290

△9.2

国内事業 計

54,641

2.2

 

 

国際業務用

31,646

△13.0

 

 

種子・育苗

1,770

△5.5

 

グローバルトマト事業 計

33,417

△12.7

 

コンシューマー事業

2,984

75.5

国際事業  計

36,401

△8.9

合計

91,043

△2.5

 

(注) 1  金額は製造原価によっております。

2  金額は消費税等を含めておりません。

 

(2) 受注状況

主要製品の受注生産は行っておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント毎に示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

金額(百万円)

構成比(%)

前期比(%)

 

飲料

外部顧客に対するもの

79,649

 

7.3

 

セグメント間取引

 

 

79,649

35.9

7.3

 

食品

外部顧客に対するもの

22,946

 

△1.2

 

セグメント間取引

 

 

22,946

10.3

△1.2

 

ギフト

外部顧客に対するもの

8,523

 

1.7

 

セグメント間取引

 

 

8,523

3.8

1.7

 

外部顧客に対するもの

11,487

 

4.6

 

セグメント間取引

 

 

11,487

5.2

4.6

 

 

セグメントの名称

金額(百万円)

構成比(%)

前期比(%)

 

通販

外部顧客に対するもの

9,444

 

7.6

 

セグメント間取引

 

 

9,444

4.2

7.6

 

業務用

外部顧客に対するもの

26,349

 

1.6

 

セグメント間取引

 

 

26,349

11.8

1.6

 

その他

外部顧客に対するもの

1,398

 

△5.9

 

セグメント間取引

15,355

 

9.6

 

16,753

7.5

8.1

 

 

外部顧客に対するもの

159,799

 

4.4

 

セグメント間取引

15,355

 

9.6

国内事業  計

175,154

78.7

4.9

 

 

国際業務用

外部顧客に対するもの

33,181

 

△5.3

 

 

セグメント間取引

4,653

 

△12.6

 

 

37,834

17.0

△6.2

 

 

種子・育苗

外部顧客に対するもの

3,400

 

△9.5

 

 

セグメント間取引

 

 

 

3,400

1.5

△9.5

 

 

 

外部顧客に対するもの

36,581

 

△5.7

 

 

 

セグメント間取引

4,653

 

△12.6

 

グローバルトマト事業 計

41,235

18.5

△6.5

 

コンシューマー事業

外部顧客に対するもの

6,153

 

60.3

 

セグメント間取引

 

 

6,153

2.8

60.3

 

 

外部顧客に対するもの

42,735

 

0.3

 

 

セグメント間取引

4,653

 

△12.6

国際事業  計

47,388

21.3

△1.2

セグメント売上高

222,543

100.0

3.5

セグメント間取引

△20,008

 

 

連結売上高

202,534

 

3.5

 

 

(注) 1  金額は消費税等を含めておりません。

2  主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次の通りであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

伊藤忠商事㈱

40,005

20.5

43,932

21.7

 

 

 

3 【対処すべき課題】

(1) 当社グループの対処すべき課題

(中長期的な会社の経営戦略)

① 環境認識

中長期的な環境変化として、世界においては、人口の増加、異常気象による天然資源、食糧・水の不足が更に深刻化し、国内においては、人口減少や超高齢化社会の進行、それに伴う労働力不足や介護問題の深刻化などが予想されます。そのため、企業は今以上に、これらの課題に対応することで、社会に貢献していくことが求められます。

当社は社会の変化を予測し、その時代の要請を事業戦略に組み込みながら、当社ならではの方法で社会課題の解決に貢献することが、当社の社会的価値を高めることに繋がると考えております。そして、それらを実現するための新たな経済価値やビジネスモデルを創出する力の向上が、当社にとっての事業機会と捉えております。 

② 中期経営計画

平成30年度までの3ヵ年を中期経営計画として位置づけております。重点課題につきましては、以下の通りであります。なお、定量目標につきましては、一部上方修正を行い平成30年度の売上高2,200億円、連結売上高営業利益率6.0%の達成を目指します。
 当社は長期ビジョンとして「トマトの会社」から「野菜の会社」になることを掲げ、持続的に成長できる強い企業になることを目指しております。事業領域をトマトから野菜に広げ、価値ある野菜をさまざまな形態で提供することを通じて、健康寿命の延伸という社会課題の解決に貢献し、売上高3,000億円を目指します。

 

(重点課題)

バリューアップ
 事業や商品の価値を磨き、採算性を高める

新たなカテゴリー・ビジネスモデルの創造と収益化
 フレッシュ化の推進と追求、高齢者対応商品の拡充、新規健康寿命延伸事業

グローバル化の推進と収益化
 グローバルトマト事業での垂直統合型モデルの拡大、
 コンシューマー事業における当社とPBI社とのシナジー創出、アジア事業戦略の再設計及び最適化

ソリューションビジネスの推進
 協働開発事業の探索、協働開発商品の拡大

働き方の改革と収益構造改革
 SCM機能の強化、生産性の向上、在庫の削減

企業価値向上への取り組み
 最適なガバナンス体制の構築、ダイバーシティの推進、健康経営の推進

資源配分の最適化
 成長を支えるマネジメント構築、推進が出来る人材の育成と配分

 

 

(2) 株式会社の支配に関する基本方針

当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方についての基本方針(以下「基本方針」といいます)を定めており、その内容は以下の通りであります。

 

①  基本方針の内容

当社グループは「感謝」「自然」「開かれた企業」を企業理念としております。これは、創業100周年にあたる平成11年を機に、当社グループのさらなる発展を目指して、創業者や歴代経営者の信条を受け継ぎ、当社の商品と提供価値の源泉、人や社会に対し公正でオープンな企業を目指す決意を込めて、平成12年1月に制定したものです。当社グループはこの企業理念に則り企業活動を展開しております。

 

 

 


 

当社の株式について、特定の買付者による大量取得行為が行われる場合に、株主の皆さまが当社の株式を売却されるか否かは、最終的には株主の皆さまのご判断に委ねられるべきものと考えられますが、その前提として、株主の皆さまに適切かつ十分な情報をご提供したうえで、ご判断を頂くために適切かつ十分な期間と機会を確保することが重要と考えられます。そのためには、当社取締役会が、大量取得行為を行おうとする者から詳細な情報を収集して、これを株主の皆さまにご提供するとともに、かかる大量取得行為が当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞があるものと判断する場合には、当該大量取得行為に係る提案と当社取締役会が作成する代替案のいずれを選択すべきかについて、株主の皆さまに適切かつ十分な情報をご提供したうえでそのご判断を仰ぐことが、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保・向上させるために最善の方策であると当社は考えます。

 

②  基本方針の実現に資する特別な取り組み

当社グループは、この企業理念に則り、企業の成長は、社会の成長とともにあることを認識し、「開かれた企業」として、世界に広がるあらゆるステークホルダーの皆さまと手を携え、新たな価値ある商品を提供できるよう取り組んでおります。また、当社グループのつくる商品の価値の源は、「自然」であり、自然に根差し、農業から生産、加工、販売と一貫したバリューチェーンを持った世界でもユニークな企業として、この強みを活かし、グローバル市場を見据えて激しい環境変化に対応するスピードと競争力を強化する経営を推進しております。そして、すべてのステークホルダーに「感謝」の心を持ち、皆さまに愛され支持される会社であり続けられるよう、たゆまず努力をしてまいります。

 

(イ)中期経営計画による企業価値向上への取り組み

当社グループは、中期経営方針として持続的成長に向けた収益獲得基盤の強化に力点を置き、3つの重点課題に取り組みます。1つ目は既存商品の価値向上を通じて収益性を高める「バリューアップ」、2つ目は「働き方の改革」による生産性の向上、3つ目は新たな需要を創出する「イノベーション」です。

このような認識のもと、重点事業領域として、グローバルトマトサプライヤーの実現、生食用トマトの拡大と機能性野菜のパックサラダの開発、「トマトのことなら何でもカゴメに」と言って頂ける国内業務用事業の拡大、新たな需要創造に向けた「フレッシュ化への挑戦」に経営資源を集中させ、部門間の連携を強化することで、当社が持続的に成長する基盤づくりを進めます。

将来を見据えると、日本では3名に1名が高齢者という超高齢社会の到来、世界的には人口増加と経済発展及び気候変動に伴う資源・エネルギー問題、食糧問題などが深刻さを増すと考えられています。当社グループは、プロダクトアウト型からソリューション型の事業に発想を転換し、社会の変化と要請を事業戦略に組み込んでいくことで、今後も食を通じて社会課題の解決に貢献するとともに、新たな需要を創造し、収益獲得力を高めてまいります。

 

 

(ロ)コーポレート・ガバナンスの強化に向けた取り組み

当社グループは、経営の透明性の実現、経営責任の明確化、スピーディーな意思決定、経営監視機能の強化をコーポレート・ガバナンスにおいて重要な事項と考えております。当社は、取締役の任期を1年とすることで経営責任を明確化し、経営判断・意思決定の過程で、その知識と経験に基づいた助言・提言をいただくことを目的に経営陣から独立した複数の社外取締役を選任しています。また、執行役員制度を採用し、取締役は、経営戦略の決定と業務執行の監督に、執行役員は、部門業務の執行に専念できる体制を整備しております。さらに、当社は平成13年から「ファン株主政策」として、個人株主づくりに積極的に取り組んできました。多くの株主様の目で当社の企業活動や経営成績についてご評価いただくことが、経営監視機能の強化につながる、との考えからです。

当社は創業した1899年(明治32年)以来、当社の企業価値を高めることに取り組んできておりますが、このような取り組みを推進することによって、より一層当社の企業価値及び株主共同の利益を確保し向上させることができるものと確信しております。

 

③  基本方針に基づく不適切な支配の防止のための取り組み

当社はこのような考え方に基づき以下のとおり、当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下「本ルール」といいます。)を制定し、導入いたしました。本ルールは、当社株式の買付(以下において定義します。)が行われる場合に、買付者(以下において定義します。)に対して、予め遵守すべき手続きを提示し、株主の皆さまに対して、買付者による買付提案に応ずるべきか否かを判断するために適切かつ十分な情報並びに期間及び機会をご提供することを確保するとともに、買付提案の検証及び買付者との交渉を行うことを通じて、当社の企業価値及び株主共同の利益を害する買付を抑止し、当社の企業価値及び株主共同の利益を確保し、向上させることを目的としております。

当社は、万一当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞がある買付の提案がなされた場合であっても、かかる買付提案に対する対抗策の発動は、株主の皆さまの株主共同の利益にかかわるものであるため、原則として株主の皆さまの意思を確認したうえで行うべきものであると考えております。そのため、本ルールでは、買付者から買付提案がなされた場合には、当社取締役会が買付者から詳細な情報を収集し、これを独立委員会(以下において定義します。)に提供したうえで、当社取締役会及び独立委員会において慎重かつ十分な検証を行い、当社取締役会が、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、当該買付提案は当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞があると判断した場合には、株主の皆さまに対して、買付者の買付提案及び当該買付提案に対する当社取締役会の見解並びに当社取締役会が作成する代替案に関する適切かつ十分な情報を提供したうえで、速やかに株主意思確認総会等を開催することにより、株主の皆さまに対抗策を発動すべきか否かをご判断頂くこととしております。

なお、買付が当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損することが明らかである場合や、買付者が本ルールを遵守しない場合には、株主意思確認総会等を開催することなく、独立委員会の意見を最大限尊重のうえ当社取締役会の判断に基づいて対抗策を発動します。

 

※1 「買付」とは、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付その他一切の行為、または当社が発行者である株券等について、公開買付者及びその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けをいいます。

 

※2 「買付者」とは、買付を行う者及び買付を行おうとする者(当社の同意を得ることなく、かかる買付に関する情報開示等を行う者及び買付提案を行う者を含む)をいいます。

 

※3 「独立委員会」とは、当社の業務執行を行う経営陣から独立した当社の社外役員又は学識経験者等の中から、当社取締役会決議に基づき選任される3名以上の委員によって構成される委員会をいいます。

 

④  具体的取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由

当社取締役会は、本ルールの設計にあたり、以下の事項を考慮し盛り込むことにより、本ルールが基本方針に従い、当社の企業価値及び株主共同の利益の確保・向上させるために最善の方策であると考えております。

 

(イ)買収防衛策に関する指針の要件を充足していること

本ルールは、経済産業省と法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」に定める三原則を充足しており、また企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」における提言内容と整合的な内容となっております。

 

(ロ)株主の皆さまの意思を重視するものであること

本ルールは、株主の皆さまにご判断をいただくために適切かつ十分な情報を提供したうえで、当社取締役会が、独立委員会の勧告を最大限尊重したうえで、買付者による買付提案が当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞があり、対抗策を発動すべきであるとの判断がなされた場合には、株主意思確認手続きを行うことにより、株主の皆さまに対抗策を発動すべきか否かを直接ご判断いただく方法を採用しています。

また、当社は当社取締役会において決議した本ルールを平成27年3月開催の定時株主総会において株主の皆さまの承認を得たうえで継続することとしており、その後当社株主総会において変更又は廃止の決議がなされた場合は、当該決議に従い変更又は廃止されるものとなっております。さらに、本ルールには有効期間を約3年とするいわゆるサンセット条項が付されております。

このように、本ルールは、株主の皆さまの意思が十分に反映される仕組みを採用しております。

 

(ハ)当社取締役会の判断による対抗策発動の制限

当社取締役会が株主意思確認手続きを行わずに対抗策を発動できる場合は、買付者が本ルールに違反した場合や買付が当社の企業価値及び株主共同の利益を毀損することが明らかな場合であり、かつ独立委員会が当社取締役会の判断による対抗策の発動に賛同する場合に限定されています。

 

(ニ)独立委員会及び第三者たる専門家の意見を重視

本ルールにおいては、買付者による買付提案に対して対抗策を発動するか否かの判断が適切になされることを確保するために、当社の業務執行を行う経営陣から独立した3名以上の委員から構成される独立委員会を設置し、買付者からの買付提案に関する情報の収集、買付者による買付提案が当社の企業価値及び株主共同の利益を害する虞があるとして株主意思確認手続きに基づき対抗策を発動することの是非、及び株主意思確認手続きを行うことなく当社取締役会の判断により対抗策を発動することの是非等について、独立委員会の意見を諮問し、これを最大限尊重する仕組みを採用しています。

また、当社取締役会は、代替案及び買付者の買付提案に関する当社取締役会の見解の作成にあたり、当社の業務執行を行う経営陣から独立した第三者(フィナンシャルアドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることが可能であり、かかる助言を得る場合には、これを尊重することにより、当社取締役会の判断が恣意的なものとならないよう配慮するものとされています。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財政状況等に影響を及ぼす可能性のある主なリスクについて記載しております。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年3月17日)現在において当社グループが判断したものであります。

① 経済状況・消費動向

当社グループが製品を販売している市場は、その大部分を日本国内が占めております。したがって、日本国内における景気の後退、及びそれに伴う需要の減少、または、消費動向に影響を及ぼすような不測の事態の発生は、当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

② 市場競争力

当社グループ収入のかなりの部分は、変わりやすい顧客嗜好などを特徴とする激しい競争に晒されています。

当社グループは、こうした市場環境にあって、継続して魅力的な商品やサービスを提供してまいりますが、これを保証するものではありません。

当社グループが市場の変化を充分に予測できず、魅力的な商品やサービスを提供できない場合は、将来における売上の低迷と収益性を低下させ、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

③ 原材料、商品の調達に関するリスク

当社グループは、原材料及び一部の商品を、複数の国から調達しております。これらの調達にあたっては、世界的な食料需給構造変化に伴う、安定的な価格や調達量確保に対するリスク及び調達先の国における下記のリスクが内在しております。

・予期しない法律または規制の変更

・政治、経済の混乱

・テロ、戦争等による社会的混乱

これらの要因は、当社グループにおける調達価格の上昇や供給不足の原因となるリスクを孕んでおり、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

④ 天候リスク

当社グループの主要な事業である飲料事業などは、特に夏季における天候に左右されます。同時期における天候不良は、これらの事業における売上の低迷をもたらし、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは農作物を原材料に使用した商品が多いため、これら原材料の生産地にて天候不良などによる不作が生じた場合、調達価格の上昇や供給不足を招くリスクを孕んでおり、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑤ 安全性に関するリスク

当社グループは、商品の品質、安全性を経営の最重要課題のひとつだと考えており、そのために様々な活動を行っております。具体的には部門横断の品質保証委員会を毎月開催し、商品クレームや事故の未然防止活動、商品表示の適正化に取り組んでおります。また、いわゆる「フード・ディフェンス」の考え方を取り入れ、意図的な異物混入を防御すると共に異常が無いことを証明できる体制づくりを行っております。

しかしながら、異物混入などの被害によりブランドイメージが損ね、回収費用や訴訟・損害賠償などにより業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、商品の品質や安全性を確保するためのトレーサビリティーの強化などは、そのシステム構築に多大な費用がかかる可能性があり、これらも業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 為替変動に関するリスク

当社グループは、国外における事業も展開しております。各地域において現地通貨にて作成された財務諸表は、連結財務諸表作成のために円換算されております。このため、為替の変動は、現地通貨における価値に変動がなかったとしても、当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループが原材料及び商品の一部を調達している国外との取引は、為替変動の影響を受ける可能性があります。こうした影響を最小限に止めるべく、当社グループではヘッジ方針に従ったヘッジ取引を行っておりますが、中長期的な為替変動は、当社グループの業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑦ 減損会計に関するリスク

当社グループでは、事業の用に供する不動産をはじめとする様々な資産を所有しております。こうした資産は、時価の下落や、将来のキャッシュ・インフローの状況により、減損会計の適用を受ける可能性があります。これらは業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ グループ外委託先への商品供給の依存

当社グループでは、一部の商品についてグループ外の複数の委託先に、その供給を依存しております。こうした委託先にて充分な生産が確保できない場合、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑨ 有価証券の時価変動リスク

当社グループでは、売買を目的とした有価証券は保有しておりませんが、様々な理由により、売却可能な有価証券を保有しております。

これらの有価証券のうち、時価を有するものについては、全て時価にて評価されており、市場における時価の変動は業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑩ 公的規制に関するリスク

当社グループでは、事業活動を展開する各国において、様々な公的規制を受けております。

これらの規制を遵守できなかった場合は、当社グループの活動が制限される可能性や、コストの増加を招く可能性があり、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑪ 天災リスク

当社グループでは、生産ラインの中断による潜在的なリスクを回避するため、必要だと考えられる定期的な災害防止検査と、設備点検、更にサプライチェーンの複線化などの災害対策を行っております。

しかしながら、天災等による生産施設における災害を完全に防止できる保証はありません。こうした影響は、売上高の低下、コストの増加を招く可能性があり、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑫ 情報システムに関するリスク

当社グループでは、販売促進キャンペーン、通信販売等により多数のお客様の個人情報を保持しております。当社グループは、これらの重要な情報の紛失、誤用、改ざん等を防止するため、システムを含め情報管理に対して適切なセキュリティ対策を実施しております。

しかしながら、停電、災害、ソフトウエアや機器の欠陥、コンピュータウィルスの感染、不正アクセス等予測の範囲を超える出来事により、情報システムの崩壊、停止または一時的な混乱、顧客情報を含めた内部情報の消失、漏洩、改ざん等のリスクがあります。このような事態が発生した場合、営業活動に支障をきたし、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑬ 環境に関するリスク

当社グループでは、廃棄物再資源化、省エネルギー、二酸化炭素排出の削減の徹底を図り、事業を遂行していくうえで環境に関連する各種法律、規制を遵守しております。

しかしながら、関係法令等の変更によって、新規設備の投資、廃棄物処理方法の変更等による大幅なコストの増加が発生する場合、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

⑭ カントリーリスク

当社グループは、複数の国で事業を展開しております。各国の政治・経済・社会・法制度等の変化や暴動、テロ及び戦争の発生による経済活動の制約、サプライ・チェーンや流通網の遮断等が発生した場合、業績と財政状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社は、独創的でイノベーティブな新製品開発及び新規素材の開発、並びに健康情報発信を行うため、品種・栽培技術、素材・加工技術、機能性エビデンスに関する研究を行っております。また、当社グループの安全保証に関わる品質保証技術の高度化に取り組んでおります。

研究機能を担うイノベーション本部では、経営課題と研究課題を連動させるとともに、社内外を巻き込んだオープンイノベーション型の研究を推進しております。

なお、研究開発活動については、特定のセグメントに関連付けられないため、セグメント別の記載は行っておりません。

 

主な研究開発概要とその成果は、次の通りであります。

 ①  農資源開発部では、トマトの遺伝資源の蓄積と新品種開発、栽培技術研究を推進し、病害抵抗性を有する生鮮トマト品種など計10件の品種登録出願を行いました。また、成長している農事業に対して品種改良を行うことで、生鮮トマトの価値向上に繋がっております。さらに、長期経営ビジョンの達成に向け、野菜の品種開発・栽培技術組織を独立化させました。野菜の分野においても研究を拡充していきます。

 ②  素材開発部では、トマト、野菜本来の香味や性状を引き出した新規素材の開発、及び加工技術の高度化を行うことにより、商品付加価値を高めるための活動を推進しております。今までにない新しい価値を創るため、自社開発技術のみならず、他社技術との連携を積極的に取り組んでおります。

 ③  自然健康研究部では、緑黄色野菜を主とした機能性研究を推進し、機能性表示食品の届出や健康情報の発信を行っております。「トマトジュースの飲用タイミングと機能性成分の吸収性」や「トマトジュースと肌の色調回復」に関するリリースを行いました。加えて、京都大学大学院との「トマト・ディスカバリーズ講座」を進め、ビッグデータ解析手法を用いた「トマトの成分解析」や「抗炎症成分の探索」を進めて参りました。

 ④  食品安全部では、当社グループの事業を支えるため、「畑から一貫して安全を保証する基盤技術」を強化して参りました。また、成長分野である生鮮野菜、生鮮飲料については微生物管理技術の高度化に取り組んでおります。

 ⑤  商品開発部では、トマトに含まれる赤い色素であるリコピンの血中HDL(善玉)コレステロールを増やす働きに着目し、「カゴメトマトジュース」(家庭用、業務用)、「リコピン コレステファイン」(通販)を、特に血中コレステロールが気になる方にお勧めの機能性表示食品として導入いたしました。飲料分野では、『野菜生活100』 の新シリーズとして「Peel & Herb」、「Smoothie」などを、調味料・調理食品分野では、「高リコピントマト使用トマトケチャップ」、「醸熟ソース 塩分50%カット」シリーズを、乳酸菌分野では、「植物性乳酸菌ラブレ りんご」を市場導入いたしました。また、生鮮飲料『GREENS』では、“イエロー”に加え“グリーン”、“パープル”、“オレンジ”を拡充いたしました。

 

その結果、当連結会計年度の研究開発費は、32億19百万円となりました。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成29年3月17日)現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている企業会計の基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積りは、過去実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるために実際の結果は異なる場合があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

①  売上高

国内事業におきましては、主力の飲料事業の販売が好調に推移したことなどにより前期比81億54百万円の増加4.9%増)となりました。

国際事業におきましては、平成27年5月末に連結子会社化したPBI社が通期で寄与したことなどにより現地通貨建てでは増収であったものの、年初から為替相場が円高に推移した影響を受け、円換算後では前期比5億57百万円の減少1.2%減)となりました。

上記に連結会社間の売上相殺消去を実施した結果、当連結会計年度の売上高は、2,025億34百万円となり、前連結会計年度の1,956億19百万円に比べ、69億15百万円の増収(3.5%増)となりました。

各セグメント別の状況につきましては、第2[事業の状況] 1[業績等の概要](1)業績をご参照ください。

②  売上原価及び売上総利益

当連結会計年度の売上原価は、1,116億7百万円となり、前連結会計年度の1,103億4百万円に比べ、13億2百万円の増加(1.2%増)となりました。また、売上原価率は前連結会計年度の56.4%から55.1%と1.3ポイント改善しております。この主な要因は、国内事業において原価逓減や不採算商品の絞り込みを行ったほか、原油安などによる売上原価への好影響があったことによります。

この結果、当連結会計年度の売上総利益は、909億27百万円となり、前連結会計年度の853億14百万円に比べ、56億12百万円の増加6.6%増)となりました。

③  販売費及び一般管理費並びに営業利益

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、799億81百万円となり、前連結会計年度の785億90百万円に比べ、13億90百万円の増加(1.8%)となり、売上高販管費比率では39.5%と前連結会計年度の40.2%から0.7ポイント低下いたしました。

この主な要因は、国内事業における販売促進費の効果的活用や国際事業におけるのれん償却費の負担が減少したことによります。

この結果、当連結会計年度における営業利益は、109億46百万円となり、前連結会計年度の67億23百万円に比べ、42億22百万円の増加(62.8%増)となりました。

また、売上高営業利益率は、3.4%から5.4%と2.0ポイント改善しております。

 

④  営業外損益及び経常利益

当連結会計年度の営業外収益は、12億24百万円となり、前連結会計年度の11億41百万円に比べ、82百万円の増加となりました。これは主に当社子会社Kagome Australia Pty Ltd.が生産物賠償責任保険を受取ったことにより、受取保険金が増加したためです。

また、当連結会計年度の営業外費用については、8億54百万円となり、前連結会計年度の8億50百万円と同水準となりました。

この結果、当連結会計年度における経常利益は、113億15百万円となり、前連結会計年度の70億15百万円に比べ、43億円の増加(61.3%増)となりました。

また、売上高経常利益率は、3.6%から5.6%と2.0ポイント改善しております。

⑤  特別損益

当連結会計年度の特別利益は、22億33百万円となり、前連結会計年度の6億円に比べ、16億33百万円の増加となりました。この主な要因は、当連結会計年度において、当社グループ保有の不動産を売却したことにより固定資産売却益16億89百万円(前連結会計年度は81百万円)を計上したためです。

上記のほか、当連結会計年度は、収用補償金2億36百万円、当社子会社Vegitalia S.p.A.の銀行借入の一部返済免除による債務免除益3億7百万円を計上しております。

当連結会計年度の特別損失は、22億79百万円となり、前連結会計年度の8億6百万円に比べ、14億72百万円の増加となりました。

当連結会計年度においては、固定資産処分損1億67百万円(前連結会計年度は1億56百万円)、減損損失6億6百万円(前連結会計年度は69百万円)、投資有価証券評価損2億23百万円(前連結会計年度は32百万円)を計上したほか、台湾南部地震や熊本地震による災害損失62百万円、静岡工場の閉鎖決定などに伴う事業構造改善費用6億31百万円(前連結会計年度は5億48百万円)、業務用ダイストマト缶の自主回収に関連する費用を自主商品回収関連費用として4億14百万円、債務保証損失引当金繰入額1億72百万円を計上しております。

 

⑥  法人税等及び親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度の法人税等合計は、前連結会計年度の35億9百万円に比べ、6億16百万円増加41億25百万円となりました。また、税効果会計適用後の法人税等の負担率は36.6%となり、日本の法定税率を上回りました。
 これは主に、のれん償却額による税負担率の上昇のほか、国内の法人税等の税率変更に伴う繰延税金資産の取崩しによる税負担の増加があったことによります。

上記に非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、67億64百万円となり、前連結会計年度の34億41百万円に比べ33億23百万円の増加となりました。

 

(3) 資産・負債の状況の分析

① 資産

当連結会計年度末は、総資産につきましては、前連結会計年度末に比べ109億18百万円増加いたしました。

流動資産については、前連結会計年度末に比べ95億95百万円増加いたしました。

これは、短期的な資金運用を目的とする「有価証券」を現金化したことにより131億15百万円、在庫(「商品及び製品」、「仕掛品」及び「原材料及び貯蔵品」の合計)が在庫削減や為替影響などにより50億47百万円、当社が保有する為替予約について円高が進行したことに伴いデリバティブ債権が46億22百万円、それぞれ減少したものの、「現金及び預金」が「有価証券」の現金化及びシンジケートローンによる資金調達等により305億4百万円増加したことによります。

固定資産については、前連結会計年度末に比べ13億23百万円増加いたしました。

「有形固定資産」は、前連結会計年度末に比べ12百万円増加いたしました。
  これは、減価償却費47億29百万円や為替影響により減少しましたが、設備拡充や賃貸用施設の建設などにより固定投資が66億48百万円発生したことによります。
 「無形固定資産」は、のれん等の償却や為替影響により前連結会計年度末に比べ17億6百万円減少いたしました。
  「投資その他の資産」は、前連結会計年度末に比べ30億17百万円増加いたしました。
  これは、主にIngomar社の出資持分を新たに取得したことなどによります。

② 負債及び純資産

負債については、前連結会計年度末に比べ392億71百万円増加いたしました。

主な内訳として自己株式の公開買付資金の調達などにより「短期借入金」が274億52百万円、シンジケートローンによる資金調達などにより「長期借入金(「1年内返済予定の長期借入金」を含む)」が97億1百万円、「未払金」が賃貸用施設の建設などで26億57百万円それぞれ増加いたしました。一方で「支払手形及び買掛金」が14億75百万円減少いたしました。

純資産については、前連結会計年度末に比べ283億52百万円減少いたしました。

これは、自己株式の公開買付及び従業員持株ESOP信託の再導入に伴い「自己株式」が268億48百万円増加(純資産は減少)したことによります。その他、「利益剰余金」が「親会社株主に帰属する当期純利益」により67億64百万円増加、剰余金の配当により21億88百万円減少、子会社持分を追加取得したことなどにより「資本剰余金」が13億70百万円、「非支配株主持分」が13億29百万円、円高の進行などにより「その他の包括利益累計額」が34億5百万円、それぞれ減少しております。

この結果、自己資本比率は42.1%、1株当たり純資産は1,043円89銭となりました。

 

(4) 中長期的な会社の経営戦略

  第2[事業の状況] 3[対処すべき課題] (1)当社グループの対処すべき課題をご参照ください。




出典: カゴメ株式会社、2016-12-31 期 有価証券報告書