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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府の景気浮上策の効果もあって緩やかな回復基調で推移しており、3月末には消費税増税前の駆け込み需要も一部で起こりました。

食品業界においては、消費者の節約志向は依然として続き、円安による原料高もあり厳しい状況が続きました。

このような環境の中、当グループにおきましては、成長事業である「カスピ海ヨーグルト」、そう菜製品の売上拡大に注力いたしました。

豆製品では不振が続きましたが、主力事業である昆布製品は微増となり、成長事業の「カスピ海ヨーグルト」と包装惣菜が大きく伸長したことから、売上高は562億73百万円(前期比4.5%増)となりました。

また、外注製品の内作化を進めることにより製造原価を低減できたことから、営業利益は40億61百万円(前期比11.2%増)、経常利益は44億4百万円(前期比11.0%増)、当期純利益は24億62百万円(前期比6.9%増)となりました。

これらの結果、当連結会計年度を含めて5期連続の増収増益となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ18億5百万円増加し、147億74百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益を38億64百万円、減価償却費を20億15百万円計上する一方、役員退職慰労金及び法人税等の支払等があり、42億7百万円の収入(前連結会計年度は39億71百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、定期預金の預入・払戻、有形固定資産の取得等により、20億91百万円の支出(前連結会計年度は28億69百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の借入・返済、配当金の支払等により、3億11百万円の支出(前連結会計年度は6億33百万円の収入)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

 

分類

金額(百万円)

前年同期比(%)

昆布製品

17,003

101.3

そう菜製品

14,519

110.8

豆製品

12,780

98.5

ヨーグルト製品

3,733

127.0

デザート製品

3,229

104.3

その他製品

4,468

89.5

合計

55,735

103.4

 

(注) 上記金額は、消費税等抜きの販売価格により表示しております。

 

(2) 受注状況

当グループは、市場動向の予測に基づく見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。

 

(3) 販売状況

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

 

分類

金額(百万円)

前年同期比(%)

昆布製品

16,927

101.3

そう菜製品

14,655

110.2

豆製品

12,649

98.1

ヨーグルト製品

3,758

130.7

デザート製品

3,201

104.1

その他製品

5,080

101.3

合計

56,273

104.5

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱日本アクセス

9,306

17.3

10,735

19.1

 

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当グループが対処すべき当面の課題としては、次のようなものがあります。

 

(1) 中期経営計画への取り組み

昨今の内外環境の変化を踏まえ、当グループでは、中期経営計画を作成しております。平成25年4月から始まった3ヵ年の中期経営計画では、新しい経営ビジョンとして、美味しさと健康を追究する「OKAZU company」を掲げ、その実現を推進してまいります。中期経営計画の基本的な内容は以下の通りであります。

 

そう菜製品を第3の柱として位置付ける

核家族化や女性の社会進出により、食事に手間をかけない現代人が増え、中食への需要が高まっております。中期経営計画では、昆布製品、豆製品に続く第3の柱として、そう菜製品を位置付け、育成してまいります。具体的には、チルド包装惣菜カテゴリーでのシェアNo.1の確保、日配惣菜と包装惣菜のシナジー追求、これまでの和風中心の「おかず」から世界のメニューまでカバーした「OKAZU」への展開を進めてまいります。

 

事業最適化で中期経営計画目標の達成

市場成長率と相対的マーケットシェアから、各製品・事業を収益確保分野(カップ佃煮、塩こんぶ、ゼリーデザート、煮豆)、成長拡大分野(カスピ海ヨーグルト、通信販売)、成長育成分野(包装惣菜、日配惣菜、業務用など)、立て直し分野(漬物、袋佃煮、テナント惣菜など)に分類し、経営資源(ヒト・モノ・カネ)を最も効果的・効率的に活かせるよう投資配分してまいります。そして、中期経営計画の最終年度(第56期)において、売上高600億円、当期純利益31億80百万円、ROE5.5%を目指してまいります。

 

グループ横断活動(Fujicco Creative Revolution 運動)で業務革新スピードアップ

為替変動による原材料の価格上昇リスク対策、消費税増税対策、不採算商品対策など、収益確保を妨げるリスク課題やコスト低減課題に当グループが一丸となって取り組み、そこで得た原資を次の成長につながる業務革新課題へ振り向けてまいります。

 

研究開発基盤の強化

黒豆の抗酸化機能や「カスピ海ヨーグルト」由来乳酸菌の免疫改善機能を中心に、食生活を通して生活者の健康に資する機能性研究を強化してまいります。

高齢者に適した食感を有する「ソフト食」の研究開発と、「出汁」の風味保持に関する技術開発は、応用範囲の広い研究として継続し、研究成果については、商品化と権利化を進めてまいります。

 

 

 

(2) 製品の安全性を確保する品質保証体制の強化

当グループは、製品の品質と安全性を確保するため、残留農薬検査、動物用医薬検査、遺伝子組換え検査、アレルギー物質検査、フジッコトレースシステム等の品質保証体制を構築しております。特に東日本大震災以後は、放射能への不安が高まり、放射性物質の検査体制を整えるため、ゲルマニウム半導体検出器を導入いたしました。これからも「フジッコだから安心」と言われるよう、引続き品質保証体制の強化に取り組んでまいります。

 

(3) 買収防衛策の実施

当社は、当グループの企業価値を毀損する態様での濫用的な買収等を未然に防止するため、株主総会の承認を受け買収防衛策を導入いたしました。そして、平成26年に開催の第54回定時株主総会において、従前の事前警告型ライツ・プラン(以下、「本プラン」といいます。)を継続する議案を付議し、承認されました。

当社取締役会は、買付者等から受領した情報提供回答書等を外部有識者で構成する企業価値判定委員会(以下、「判定委員会」といいます。)に提出し、判定委員会は、本プランの定める買収防衛策の発動の要否を判定し、その旨を当社取締役会に勧告します。当社取締役会は判定委員会の勧告を最大限尊重し、買収防衛策(本プラン)の発動又は不発動を最終的に決定いたします。当該取組みにつきましては、当社の基本方針に沿うものであり、株主の皆様方の共同の利益を損うものではなく、また、決して当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

(4) 社会貢献活動の推進

当グループは、価値ある商品の提供に加え、料理教室、丹波篠山の黒豆作付け体験、「カスピ海ヨーグルト」フォーラム等の食育活動に注力し、人々の幸せで健康な食生活に貢献してまいります。また、国内のみならず、世界の人々の健康にも貢献できるよう、ネパールにおけるヨード欠乏症の問題に「昆布ミネラル」の無償提供で支援してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

(1) 食品の安全性について

当グループは、「ポジティブリスト制」の対応とともに、残留農薬検査システム、遺伝子組み換え検査システム、製品履歴を管理する「フジッコトレースシステム」の導入により、品質管理、衛生管理、鮮度管理に取り組んでおりますが、今後も当グループ固有の品質問題のみならず、社会全般にわたる一般的な品質問題等が発生した場合、当グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 原材料の価格変動について

当グループの取扱製品の主原料である昆布、豆は、主に北海道等国内産のものを使用しております。これらの原料は、在庫の備蓄により価格変動リスクを可能な限り抑えておりますが、産地の天候等により生産量及び価格が変動し、当グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、当グループは、原材料の一部を海外から調達しており、中長期的な為替変動は、当グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 保有有価証券の価格変動について

第54期の連結貸借対照表において、投資有価証券を53億17百万円計上しており、連結総資産の7.8%を占めております。当グループの有価証券運用は短期的な売買を行わない基本方針でありますが、保有有価証券の著しい時価変動等があれば、当グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

特に記載すべき事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録され、日本食が世界的に注目されています。しかし、現在の日本では、ライフスタイルの多様化やライフステージの違いによって、特定の栄養素の過剰摂取が問題であると同時に不足の問題も混在するなど、人の食と健康にかかわる課題は複雑化しています。当社では、これまで日本の伝統食の健康効果について科学的な検討を行い、その長所を生かし、短所を補うことによってお客様の健康をサポートする「新・日本型食生活」を提案してきました。今後、さらに激変する日本人の食生活に対して、「栄養バランス」の視点に立った取り組みを行い、現代人の食生活の改善に貢献できる研究開発活動を行っています。

 

(1)「カスピ海ヨーグルト」の機能性研究

「カスピ海ヨーグルト」の最大の特徴は強い粘りで、この粘りは乳酸菌クレモリス菌FC株が産生する菌体外多糖(EPS:Exopolysaccharide)によるものです。これまでにEPSのアトピー性皮膚炎モデルに対する抗炎症作用について報告しましたが、今回、大阪府立大学との共同研究で作用メカニズムの一部を明らかにしました。また、EPSは同時に、生体防御に必要な免疫反応を活性化させることを確認しました。 

「カスピ海ヨーグルト」の由来地であるグルジアの長寿学者ダラキシビリ博士の協力を得てグルジア高齢者の健康調査を実施しました。グルジアでは一人当たり日本の約10倍の発酵乳が食べられており、健康状態の良い高齢者が多いことが分かりました。また、現地の自家製発酵乳の多くから「カスピ海ヨーグルト」に含まれる乳酸菌と同じクレモリス亜種が検出されました。

今後も、当社では「カスピ海ヨーグルト」と長寿の関係について、動物および人による検証を進めていきます。

 

(2)大豆の機能性研究

黒大豆の種皮に含まれるポリフェノールの生体内抗酸化性、体内動態に関する研究を神戸大学と共同で実施しています。さらに、黒大豆ポリフェノールの冷え・むくみに対する効果など新たな作用に関する研究に取り組んでいます。大豆イソフラボンでは、大阪市立大学と変形性関節症に関する共同研究を開始しました。

神戸大学を中心とするバイオプロダクション次世代農工連携拠点・先端融合領域イノベーション創出拠点形成プログラムに引き続き参画し、大豆に含まれる有用イノシトール類の研究開発を行っています。イノシトール類は、糖尿病などの代謝疾患、アルツハイマー病などの脳神経疾患に対する予防・改善効果が期待されている成分です。

 

(3)高齢者食に関する研究

高齢者対応食の開発は、今後、ますます重要な課題であると考えられます。当社では、高齢者、咀嚼困難者用食品としてやわらかタイプの惣菜の開発、ならびに栄養補助・調整食品などの研究開発を行っています。食欲に影響する見栄えを重視し、食材の形を残した食品は、通常の機器による物性測定は困難です。そこで、農研機構食品総合研究所との共同研究で、人の実際の咀嚼・嚥下活動をモニタリングする方法として筋電位測定による「ソフトデリ」の漬物、煮豆、佃煮の評価を行い、研究成果を学会において発表しました。

 

なお、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は4億71百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要となる会計上の見積りは、合理的な基準に基づき行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ9億49百万円減少し、686億9百万円となりました。これは主に北海道工場と鳴尾新工場棟建設に係る支払等により、現金及び預金が減少したことによるものです。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて20億86百万円減少し、101億5百万円となりました。これは主に北海道工場と鳴尾新工場棟に係る支払等により、未払金が減少していることによるものです。固定負債は、前連結会計年度末と比べて1億75百万円減少し、27億89百万円となりました。これは主に、役員退職慰労金の取り崩しによるものです。

純資産は、前連結会計年度末に比べ13億12百万円増加し、557億14百万円となりました。

これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の78.2%から81.2%となりました。

 

(3) 経営成績の分析

① 売上高

売上高は、全連結会計年度に比べて23億99百万円増加し、562億73百万円となりました。これは主に成長事業である「カスピ海ヨーグルト」と包装惣菜が大きく伸長したことによるものです。

 

製品分類別の分析は次のとおりであります。

昆布製品は、塩こんぶ・とろろ昆布が不振だったものの、カップ佃煮の容器・品質改善により店頭での露出頻度が増加したことや、シニア層に向け「ふじっ子煮」シリーズの角切りタイプの販売を強化したことにより、カップ佃煮が伸長し昆布製品全体の売上を押し上げました。

そう菜製品は、中食の需要増加により市場拡大の追い風が続きました。包装惣菜では、「おかず畑」シリーズの売上が大きく伸長しました。また、洋風のレンジ調理商品である「ベスタデリ」の生産体制強化により、取り扱い店舗数を拡大できたことも売上増加に貢献しました。日配惣菜では季節ごとの商品提案や新商品の上市を続け、大幅に売上伸長いたしました。

豆製品は、お客様の低価格、低糖商品へのシフトにより「甘さをひかえたおまめさん」が昨年から引き続き大きく伸長する一方、レギュラータイプの「おまめさん」シリーズの不振に歯止めがかからず、前年実績を下回りました。

ヨーグルト製品は、広島県及び近畿圏において「カスピ海ヨーグルトプレーン400g」のTVCMを実施したことと、工場を新設した北海道で取り扱い店舗が増加したことにより前年実績を大きく上回りました。

また通信販売チャネルでもカスピ海ヨーグルトメーカー「カスピくん」を9月に上市して以来、メディアで取り上げられる等好評を頂いており、「カスピ海ヨーグルト手作り用種菌」の販売数を押し上げました。

 

デザート製品は、プリン品群は大幅に不振だった一方で、チルドゼリーの「フルーツセラピー」は販売促進の強化等により伸長し、前年実績を上回りました。

その他製品は、鍋つゆ、漬物、機能性素材が不振だった一方、レンジ調理商品である「朝のたべるスープ」や通信販売事業のサプリメント等が好調で、前年実績を上回りました。

 

② 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、前連結会計年度に比べて15億81百万円増加し、344億75百万円となり、売上原価率は0.2ポイント増加しました。売上原価率の増加は、主に、円安による原料価格の高騰によるものです。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて4億7百万円増加し、177億36百万円となりました。これは主に販売奨励金の増加によるものです。

 

③ 営業外損益、特別損益

営業外損益は、3億42百万円の黒字となりました。

特別損益は、5億40百万円の損失となりました。これは主に役員の退職慰労金の支払によるものです。

 

(4) キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 





出典: フジッコ株式会社、2014-03-31 期 有価証券報告書