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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀による経済政策や金融緩和に加え、円安や原油安の追い風を受けて、輸出関連企業を中心に緩やかな回復傾向で推移しました。

食品業界においては、消費税増税後に消費者の節約志向がより一層強まるとともに、円安等に起因する輸入原材料価格の上昇により、厳しい経営環境が続きました。また、食の安全・安心に関する話題が多く取り上げられる等、一段と品質保証への取り組み強化が求められております。

このような環境の中、当グループは、豆と昆布を主体とする「和食」の販売拡大と、成長品群である電子レンジ対応食品「朝のたべるスープ」と「ベスタデリ」の育成に注力いたしました。

研究開発活動では、「カスピ海ヨーグルト」の乳酸菌クレモリス菌FC株に皮膚の炎症を抑制する作用があることや、黒大豆の種皮に含まれる黒大豆ポリフェノールに脚のむくみを改善する効果があることについてそれぞれ学会発表を行い、製品価値の向上を目指しました。

デザート製品、昆布製品が前年実績を下回りましたが、惣菜製品、豆製品が堅調に推移し、ヨーグルト製品が前年実績を大きく上回ったことから、売上高は568億97百万円(前期比1.1%増)となりました。また、佃煮製造ラインの統廃合等により製造原価を低減できたことから、営業利益は42億61百万円(前期比4.9%増)、経常利益は45億61百万円(前期比3.6%増)、当期純利益は30億14百万円(前期比22.4%増)となりました。

これらの結果、当連結会計年度を含めて6期連続の増収増益を達成することができました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ14億57百万円増加し、162億31百万円となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加や法人税等の支払等がありましたが、税金等調整前純利益を46億83百万円、減価償却費を17億85百万円計上したことから、72億38百万円の収入(前連結会計年度は42億7百万円の収入)となりました。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得等により、35億14百万円の支出(前連結会計年度は20億91百万円の支出)となりました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金の返済、配当金の支払等により、22億66百万円の支出(前連結会計年度は3億11百万円の支出)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績は次のとおりであります。

 

分類

金額(百万円)

前年同期比(%)

昆布製品

17,878

101.0

惣菜製品

17,190

103.2

豆製品

13,056

100.9

ヨーグルト製品

4,391

117.6

デザート製品

2,807

86.9

その他製品

1,441

97.6

合計

56,766

101.9

 

(注) 上記金額は、消費税等抜きの販売価格により表示しております。

 

(2) 受注状況

当グループは、市場動向の予測に基づく見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。

 

(3) 販売状況

当連結会計年度における販売実績は次のとおりであります。

 

分類

金額(百万円)

前年同期比(%)

昆布製品

17,832

98.5

惣菜製品

17,305

103.3

豆製品

13,045

101.8

ヨーグルト製品

4,486

119.4

デザート製品

2,797

87.4

その他製品

1,427

87.6

合計

56,897

101.1

 

(注) 1 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱日本アクセス

10,735

19.1

10,971

19.3

 

2 上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

当グループが対処すべき当面の課題としては、次のようなものがあります。

 

(1) 中期経営計画への取り組み

昨今の内外環境の変化を踏まえ、当グループでは、中期経営計画を作成しております。平成25年4月から始まった3ヵ年の中期経営計画では、新しい経営ビジョンとして、美味しさと健康を追究する「OKAZU company」を掲げ、その実現を推進してまいります。中期経営計画の基本的な内容は以下の通りであります。

 

惣菜製品を第3の柱として位置付ける

核家族化や女性の社会進出により、食事に手間をかけない現代人が増え、中食への需要が高まっております。中期経営計画では、昆布製品、豆製品に続く第3の柱として、惣菜製品を位置付け、育成してまいります。具体的には、チルド包装惣菜カテゴリーでのシェアNo.1の確保、日配惣菜と包装惣菜のシナジー効果の発揮、これまでの和風中心の「おかず」から世界のメニューまでカバーした「OKAZU」への展開を進めてまいります。

 

事業最適化で中期経営計画目標の達成

市場成長率と相対的マーケットシェアから、各製品・事業を収益確保分野(カップ佃煮、煮豆、塩こんぶ、とろろ昆布等)、成長拡大分野(「カスピ海ヨーグルト」、通信販売等)、成長育成分野(袋佃煮、包装惣菜、日配惣菜、業務用等)、立て直し分野(ゼリーデザート、漬物、テナント惣菜等)に分類し、経営資源(ヒト・モノ・カネ)を最も効果的・効率的に活かせるよう投資配分してまいります。そして、中期経営計画の最終年度(第56期)において、売上高600億円、当期純利益33億円を目指してまいります。

 

グループ横断活動(Fujicco Creative Revolution 運動)で業務革新スピードアップ

為替変動による原材料の価格上昇リスク対策、消費税増税対策、不採算商品対策など、収益確保を妨げるリスク課題やコスト低減課題に当グループが一丸となって取り組み、そこで得た原資を次の成長につながる業務革新課題へ振り向けてまいります。

 

研究開発基盤の強化

黒豆の抗酸化機能や「カスピ海ヨーグルト」由来乳酸菌の免疫改善機能を中心に、食生活を通して生活者の健康に資する機能性研究を強化してまいります。

高齢者に適した食感を有する「ソフト食」の研究開発と、「だし」の風味保持に関する技術開発は、応用範囲の広い研究として継続し、研究成果については、商品化と権利化を進めてまいります。

 

 

 

(2) 製品の安全性を確保する品質保証体制の強化

当グループは、製品の品質と安全性を確保するため、残留農薬検査、動物用医薬検査、遺伝子組換え検査、アレルギー物質検査、フジッコトレースシステム等の品質保証体制を構築しております。特に東日本大震災以後は、放射能への不安が高まり、放射性物質の検査体制を整えるため、ゲルマニウム半導体検出器を導入いたしました。また、フードディフェンスの一環として、入退室管理システムの順次導入を進めております。これからも「フジッコだから安心」と言われるよう、引続き品質保証体制の強化に取り組んでまいります。

 

(3) 買収防衛策の実施

当社は、当グループの企業価値を毀損する態様での濫用的な買収等を未然に防止するため、株主総会の承認を受け買収防衛策を導入いたしました。そして、平成26年に開催の第54回定時株主総会において、従前の事前警告型ライツ・プラン(以下、「本プラン」といいます。)を継続する議案を付議し、承認されました。

当社取締役会は、買付者等から受領した情報提供回答書等を外部有識者で構成する企業価値判定委員会(以下、「判定委員会」といいます。)に提出し、判定委員会は、本プランの定める買収防衛策の発動の要否を判定し、その旨を当社取締役会に勧告します。当社取締役会は判定委員会の勧告を最大限尊重し、買収防衛策(本プラン)の発動又は不発動を最終的に決定いたします。当該取組みにつきましては、当社の基本方針に沿うものであり、株主の皆様方の共同の利益を損うものではなく、また、決して当社役員の地位の維持を目的とするものではありません。

 

(4) 社会貢献活動の推進

当グループは、価値ある商品の提供に加え、料理教室、丹波篠山の黒豆作付け体験、「カスピ海ヨーグルト」フォーラム等の食育活動に注力し、人々の幸せで健康な食生活に貢献してまいります。また、国内のみならず、世界の人々の健康にも貢献できるよう、ネパールにおけるヨード欠乏症の問題に「昆布ミネラル」の無償提供で支援してまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

(1) 食品の安全性について

当グループは、「ポジティブリスト制」の対応とともに、残留農薬検査システム、遺伝子組み換え検査システム、製品履歴を管理する「フジッコトレースシステム」の導入により、品質管理、衛生管理、鮮度管理に取り組んでおりますが、今後も当グループ固有の品質問題のみならず、社会全般にわたる一般的な品質問題等が発生した場合、当グループの経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 原材料の価格変動について

当グループの取扱製品の主原料である昆布、豆は、主に北海道等国内産のものを使用しております。これらの原料は、在庫の備蓄により価格変動リスクを可能な限り抑えておりますが、産地の天候等により生産量及び価格が変動し、当グループの業績に影響を与える可能性があります。

また、当グループは、原材料の一部を海外から調達しており、中長期的な為替変動は、当グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 保有有価証券の価格変動について

第55期の連結貸借対照表において、投資有価証券を66億83百万円計上しており、連結総資産の9.3%を占めております。当グループの有価証券運用は短期的な売買を行わない基本方針でありますが、保有有価証券の著しい時価変動等があれば、当グループの業績や財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社は、平成27年2月16日開催の取締役会において、自己株式の公開買付けを行うことを決議しました。

詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表注記事項(重要な後発事象)」に記載しております。

 

 

6 【研究開発活動】

当社では、企業メッセージである「食よく、バランスよく」をテーマに、食で健康を支えることを目指し、研究開発活動に取り組んでいます。大豆、昆布に含まれる機能性成分や「カスピ海ヨーグルト」等の研究を通して、お客様の健康に役立つ情報の発信や、新たな食品の開発につなげる為の研究開発活動を行っています。

 

(1)「カスピ海ヨーグルト」に関する研究

前期には、乳酸菌クレモリスFC株が産生する粘り成分である菌体外多糖(EPS)のアトピー性皮膚炎モデルに対する抗炎症作用、作用メカニズム等について報告しましたが、新たにFC株の菌体成分についても同様の効果のあることを確認し、学会において発表しました。

「カスピ海ヨーグルト」の機能性やそのメカニズムに関する研究は、大阪府立大学、国立長寿医療研究センター、武庫川女子大学、理化学研究所等と共同で進めています。

また、西洋の長寿食であるヨーグルトと東洋の長寿食の代表である大豆を融合させた食品の製造方法や機能性の研究に着手し、商品開発の検討を進めています。

 

(2)大豆の機能性研究

黒大豆種皮ポリフェノールの研究については、芝浦工業大学、神戸大学との共同研究を通じて、内閣府が主導する“戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)”へ協力機関として参画いたします(5年間)。

また、黒大豆種皮ポリフェノールの“むくみ”に対する作用について、ヒト摂取試験を行った結果、足のむくみが緩和される可能性が示されました。むくみは、血管細胞の隙間から血しょうや老廃物が漏れ出ることによって生じると考えられています。むくみが緩和されるメカニズムは、血管の細胞に発現して構造を安定化させるTie2(タイツー)と呼ばれる受容体が、黒大豆種皮ポリフェノールによって活性化された為であると考えられました。

変形性膝関節症は閉経後の女性に多く、膝の軟骨には女性ホルモンの受容体の存在が認められています。女性ホルモン様の作用を持つ大豆イソフラボンの新たな作用の研究では、更年期モデル動物の膝軟骨の変性に対する抑制作用を大阪市立大学との共同研究によって明らかにしました。

大豆の葉や茎に含まれる機能性糖“ピニトール”の利用を目的として、北海道十勝管内の自治体や経済団体等で作る“フードバレーとかち推進協議会”と包括連携協定を結びました。大豆ピニトールは、血糖値を下げる作用が期待されており、その抽出精製技術の確立、応用商品の開発を行います。

 

(3)新たな機能性表示食品制度への取り組み

平成27年4月1日に施行された、新たな食品への機能性表示制度に向けて、当社の商品に機能性表示を行う検討を開始しました。従来はトクホや栄養機能食品でしか認められなかった機能性の訴求が、この制度によって可能となり、当社でも順次、健康機能の表示を行っていく予定です。

 

なお、当連結会計年度中に支出した研究開発費の総額は5億32百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当グループが判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって、必要となる会計上の見積りは、合理的な基準に基づき行っております。詳細につきましては、「第5 経理の状況」の連結財務諸表の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ34億46百万円増加し、720億55百万円となりました。これは主に現金及び預金の増加と、株価上昇に伴う投資有価証券の評価額の上昇によるものです。

流動負債は、前連結会計年度末に比べて9億53百万円増加し、110億59百万円となりました。これは主に未払法人税等の増加によるものです。固定負債は、前連結会計年度末に比べて3億76百万円減少し、24億12百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末に比べ28億69百万円増加し、585億84百万円となりました。

これらの結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の81.2%から81.3%となりました。

 

(3) 経営成績の分析

① 売上高

売上高は、前連結会計年度に比べて6億23百万円増加し、568億97百万円となりました。これは主に成長事業であるヨーグルト製品と惣菜製品が大きく伸長したことによるものです。

 

製品分類別の分析は次のとおりであります。

昆布製品は、とろろ昆布の健康効果がパブリシティとしてTV放映された影響で売上を伸ばしましたが、昆布佃煮と塩こんぶの不振をカバーするには至らず、昆布製品全体の売上高は前年実績を下回りました。

惣菜製品は、和風惣菜「おかず畑」が前年実績を下回りましたが、電子レンジ対応食品「朝のたべるスープ」が定番売場のコーナー化の推進とともに、TVCMの放映等の販促が功を奏して前期比179.7%と好調に推移し、また「ベスタデリ」も取り扱い店舗数の増加等により大きく伸長しました。日配惣菜は、「豆腐ハンバーグ」等の投入により、堅調に推移しました。

豆製品は、煮豆市場の縮小傾向が続く中、食べきりタイプの「こだわり煮豆」(2015年3月より「豆小鉢」と名称変更)が前期比195.1%と大幅に伸長したことにより、豆製品全体の売上高は、3期ぶりに前年を上回りました。

ヨーグルト製品は、量販チャネルの「カスピ海ヨーグルトプレーン400g」、通販チャネルのサプリメント「善玉菌のチカラ」が昨年から引続き売上を大きく伸ばしました。また、「カスピ海ヨーグルト」を家庭で手軽に作れる「カスピ海ヨーグルト手づくり用種菌」も量販チャネル、通販チャネルともに好調に推移しました。

 

デザート製品は、チルドゼリー「フルーツセラピー」の季節限定商品を新規投入したものの、競争激化による販売不振を補うことができず、また、プリンデザート事業からの撤退により、前年実績を大きく下回りました。

 

② 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価は、前連結会計年度に比べて2億12百万円減少し、342億63百万円となり、売上原価率は1.0ポイント改善しました。売上原価率の改善は、佃煮生産ラインの統廃合等によるものです。

販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて6億35百万円増加し、183億72百万円となりました。これは主に育成品群である「朝のたべるスープ」や「ベスタデリ」等の販売拡大を目的とした販売促進費や広告宣伝費の増加によるものです。

 

③ 営業外損益、特別損益

営業外損益は、2億99百万円の黒字となりました。

特別損益は、1億21百万円の黒字となりました。

 

(4) キャッシュ・フローの状況

キャッシュ・フローの状況については、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 





出典: フジッコ株式会社、2015-03-31 期 有価証券報告書