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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、世界的な通貨安競争の中で円高不況の兆しにおびえ、個人消費の停滞によるデフレは長期化し、わずかに景気回復の兆しが年度終盤に訪れたものの、3月の東日本大震災と津波被害、福島原発の事故により、企業活動の停止と不要不急の物資を除く消費意欲の低下とが、未曾有の内需の停滞をもたらしました。

特に東日本大震災に起因する一連の問題は、当社グループ事業の計画に深刻な影響を及ぼしました。ホテル事業においては、諸外国のわが国への渡航自粛による観光需要の急減が、年度末の大型キャンセルを招きました。当社グループはこれまでに、中国からの観光需要の取り込みを企図してさまざまな施策を講じてまいりましたが、9月の尖閣諸島問題による落ち込みの回復もままならない状況での福島原発による日本のイメージ悪化は、当社グループが描いてきた構想に大きな転換を迫る事態をもたらしております。また、不動産事業においては、主に年度末に集中していた売却、仲介等の計画に、震災による買主様の資金調達計画の変更や投資マインドの冷え込みにより、遅延、中止が生ずる事態となりました。さらに、同様の事情でホテル開業も予定に遅延が生じました。これらの要因により、当初計画を大きく下回る営業成績となるに至りました。

このような厳しい経済環境下において当社グループは、ホテルマネジメントを柱とするフィービジネスへの業態転換へ向けて、着実に前進いたしております。平成22年4月には東京に『カンデオホテルズ上野公園』、7月には大阪に『ベストウェスタンホテルフィーノ大阪心斎橋』、10月には札幌に『ベストウェスタンホテル札幌中島公園』の開業を行い、グループホテルを16軒に拡大いたしました。

この結果、当連結会計年度の当社グループの経営成績は、次のとおりとなりました。

売上高5,156百万円(前連結会計年度比4.9%減)、営業損失165百万円、経常利益24百万円、当期純損失323百万円であります。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

① 不動産事業

当セグメントの業績は、売上高1,490百万円、営業利益359百万円であります。

セグメント間及びセグメント内の取引を消去した外部顧客との取引結果は、売上高1,140百万円(前連結会計年度比62.0%減)、営業利益9百万円であります。

売上高の内訳は、賃貸売上が908百万円、不動産コンサルによる業務委託売上232百万円であります。

② ホテル事業

当セグメントの業績は、売上高3,956百万円、営業損失28百万円であります。

セグメント間及びセグメント内の取引を消去した外部顧客との取引結果は、売上高3,956百万円(前連結会計年度比64.1%増)、営業利益323百万円であります。

売上高の内訳は、ホテルマネジメント売上が3,880百万円、ホテル開業に伴う業務委託売上が71百万円、フランチャイズ売上が5百万円であります。

③ その他の事業

当セグメントの業績は、売上高60百万円、営業利益が10百万円であります。

その他の事業の内訳は、報告セグメントに含まれない旅行業等の事業であります。

 

(2)キャッシュ・フロー              

当連結会計年度における当社グループの現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、75百万円減少し412百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金は、322百万円のマイナス(前年同期は1,795百万円のプラス)となりました。その主な要因は、売上債権の増減額による161百万円の減少などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金は、142百万円のプラス(前年同期は127百万円のマイナス)となりました。その主な要因は、有形固定資産の売却による収入125百万円の増加などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金は、105百万円のプラス(前年同期は1,360百万円のマイナス)となりました。その主な要因は、新株予約権付社債の発行による収入280百万円及び新株予約権の権利行使による収入129百万円と、長期借入金の返済による支出192百万円及び短期借入金の返済による支出107百万円との差額によるものであります。

 当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。

 

平成22年3月期 

平成23年3月期 

 自己資本比率(%)

20.7

22.1

 時価ベースの自己資本比率(%)

11.3

10.3

 キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

7.6

 インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

5.3

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに計算しています。

3.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを利  用しています。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を利用しています。

4.平成23年3月期のキャッシュ・フロー対有利子負債比率及びインタレスト・カバレッジ・レシオにつきましては、営業キャッシュ・フローがマイナスのため記載を省略しています。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループは、生産業務を行っていないため、生産実績の記載を省略しております。

 

(2)受注状況

 当社グループは、売上高に占める受注販売割合の重要性が低いため、受注実績の記載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成22年4月1日

至 平成23年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

不動産事業

1,140,302

38.0

ホテル事業

3,955,869

164.1

その他の事業

60,128

584.3

合計

5,156,299

95.1

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

   2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成21年4月1日

至 平成22年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成22年4月1日

至 平成23年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

オリックス不動産株式会社

1,404,172

25.9

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

4.前連結会計年度のオリックス不動産株式会社は当連結会計年度では、当該割合が100分の10未満となったため記載を省略しております。 

3【対処すべき課題】

次期以降に次のような課題に対処していくべきと考えております。

(1)当社グループの現状の認識について

不動産市場の著しい停滞は長期化するものと認識いたしております。特に当社グループが手がけてきました、開発や1棟売りなどのマーケットは容易に回復しないものと予想いたしております。

ホテル事業につきましては、観光立国の実現が国策に据えられたことに象徴されるように、数少ない成長分野であると認識いたしております。ただし、平成23年3月11日に発生した東日本大震災により、日本人及び外国人の観光需要は一時的な減少を免れないものと認識いたしております。ホテルオーナーの出店意欲も一時的に保守的となり、新規受託のペースは鈍化する可能性があると認識いたしております。

(2)当面の対処すべき課題の内容

不動産事業については、販売主体の事業を見直し、賃料収入など一定の収益が見込める事業を基礎として再構築していくことが当面の課題であります。

ホテル事業については、マスターリースや業務委託などの自社オペレーションと、ベストウェスタンブランドによるフランチャイズ展開により、グループホテルの棟数を増加させることが当面の課題であります。

同時に、今後需要の増加が予想される、震災後の復興事業に関連した不動産及びホテル事業のサービスの提供と新商品の開発に取り組むことが当面の課題であります。

これらをとおして、資産保有型で不動産販売の依存度の高い経営から、ホテルマネジメントを柱とするフィービジネスへの転換を円滑かつ迅速に進めることが、当社グループの当面の最重要課題であります。

(3)対処方針

不動産事業においては、保有資産を固定資産とし、賃貸用不動産及びホテル事業用不動産の稼働率の向上に注力してまいります。同時に、時価の変動による収益の不安定化を回避し、返済計画の長期化への努力をしてまいります。

ホテル事業においては、資産を保有しないホテルマネジメント事業やホテルフランチャイズ事業を一層積極的に推進し、直営ホテル棟数の拡大を図ってまいります。ホテルを核としたフィービジネスの発展に、経営資源を集中させてまいります。

同時に、業態転換の円滑化と迅速化を補助するために、不動産事業とホテル事業のノウハウを活かした、震災後の復興事業に関連した新サービスの提供と新商品の開発を行ってまいります。

なお、今後の事業拡大及び迅速化のための資金につきましては、不動産事業による借入れが当社与信枠を圧迫している現状においては直接金融に頼らざるを得ず、株価動向に配慮した新株予約権付転換社債や新株予約権の発行などにより、調達してまいりたいと考えております。

 

4【事業等のリスク】

 事業状況、経理の状況等に関する事項のうち投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項及び重要事象等(提出会社が将来にわたって事業活動を継続するとの前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況その他提出会社の経営に重要な影響を及ぼす事象)には、以下のようなものがあります。
 なお、 以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。

(1)不動産事業

①不動産市況の動向

当社グループの業績は、景気後退や供給過剰等によるビル市場において賃料水準の低下や空室率の上昇が起こるケース、また、景気後退やそれに伴う雇用環境等の悪化による住宅市場において顧客の購買意欲の減退が起こるケース等、不動産市況の動向が当社グループの事業展開、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

②不動産関連法的規制等の制定・改定

当社グループは、不動産業者として「宅地建物取引業法」に基づく免許を受け事業を行うとともに、不動産売買、賃貸、管理、開発等の関連の法的規制を受けております。また、SPCを使用した不動産投資等の一部では「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」等による規制を受けるなど、業容の拡大により新たな法的規制を受けることになります。

今後は、これらの規制の改廃や新たな法的規制が設けられるケースには、資産の保有、取得、売却等に係るコストの増加、またこれらの要因による顧客の購買意欲の低下等により、当社グループの事業展開・業績が影響を受ける可能性があります。

③金利の変動

当社グループは、投資不動産に関する資金について、自己資金のほか金融機関からの借入による安定的な資金調達を行っております。その多くは金利を固定化し、金利変動による影響を極力少なくするべく対処をしておりますが、金利が上昇した場合には、当社グループの事業展開・業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、SPCを通じた投資についてもその配当額はノンリコースローンによるレバレッジが効いておりますが、今後調達する新規ローンについての調達コストが上昇すれば、配当利回りは低下いたします。

 ④資金調達の不調

当社グループは、投資不動産に関する資金について、自己資金のほか金融機関からの借入による安定的な資金調達を行っております。また、売却先も多くの場合に、借入を前提とした決済を行います。
 経済情勢の変化や、当社グループもしくは取引先の与信、不動産価値の下落、想定利回りの下落など、さまざまな理由により当社グループや取引先の資金調達が不調に終わった際に、新たな売却や借換え、期限の延長などができない場合に、当社グループの事業展開、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2)ホテル事業

 ①自然災害や伝染病の発生

 当社グループの運営受託しているホテルが、大規模地震や自然災害の発生により、建物や施設に損害を被り、一時的な営業停止による売上減が発生する可能性があります。また、広域の伝染病の流行により、旅行や団体行動に制限が生じ、売上減が発生する可能性があります。

 ②賃貸不動産の中途解約

 当社グループが一括借上している建物のオーナーが、経済情勢等の理由により賃貸契約を継続できなくなった場合に、売上の減少や特別損失が発生する可能性があります。

 ③食中毒等の事故

 当社グループの運営するホテルは、安全衛生には充分な配慮を行なっておりますが、万が一に事故が発生した場合などに、一時的な営業停止や評判の悪化により、売上減が発生する可能性があります。

(3)全事業

 ①継続的な営業損失の発生及び重要な損失の計上

当社グループは、世界的な経済環境の悪化により売上高が著しく減少し、重要な当期純損失を計上しております。またその後の国際問題や自然災害の発生等に起因する経済の停滞により、継続的な営業損失が発生しております。

今後の事業が計画通りに進捗せず、利益剰余金の回復が進まない場合に、当社グループの与信の低下により、当社グループの事業展開、業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 ②情報管理の事故

 当社グループが保有する個人情報や機密情報の管理保護については、社内体制を整備し厳重に行っており、また情報システムの整備活用についてもデータバックアップ確保など安全対策を行っております。
  しかし、不測の事故による情報漏洩やシステムトラブルが顕在化した場合には、当社グループの信用低下となり、業績や財務況状及び業務処理等に影響を及ぼす可能性があります。

③株式の希薄化

平成22年5月21日に発行いたしました、新株予約権付証券の払込や行使が当社の期待するとおりになされた場合に、当社が期待している業態変換が迅速に進まないなど何らかの事由により株式価値の増大が図れない場合に、株式の希薄化だけに終わる可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

  該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

  該当事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)当連結会計年度の財政状態の分析

①概要

当連結会計年度末の当社グループの総資産は18,971百万円となりました。これは、前連結会計年度末より818百万円の減少であります。主な要因は、現金及び預金の266百万円の減少、遊休地の売却による土地311百万円の減少、子会社の事業計画の見直しにより一括償却を含むのれんの237百万円の減少などによるものであります。

 負債合計は14,781百万円となりました。これは、前連結会計年度末より903百万円の減少であります。主な要因は、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の返済による192百万円の減少、前受金の605百万円の減少などによるものであります。

純資産合計は、4,191百万円となりました。これは、前連結会計年度末より84百万円の増加となりました。主な要因は、新株予約権付社債と新株予約権とがそれぞれ行使されたことによる資本金と資本剰余金の411百万円の増加と利益剰余金の300百万円の減少によるものであります。

②分析

詳しくは、「第2 事業の状況 1 業績等の概要  (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。 

(2)当連結会計年度の経営成績の分析

①概要

詳しくは、「第2 事業の状況 1 業績等の概要  (1)業績」に記載のとおりであります。

②分析

当連結会計年度の売上高は5,156百万円となりました。主な要因は、不動産事業1,140百万円、ホテル事業3,956百万円であります。

営業損失は165百万円となりました。主な要因は、不動産販売、仲介の未達による売上高の不足、不動産事業における予定外の修繕の発生、開発プロジェクトの遅延による経費の増大、ホテル事業における開業計画の遅れによる開業時コンサルタント報酬フィーの不足、などによるものであります。

経常利益は24百万円となりました。営業外収益は、子会社債務を親会社が債権者より取得した事による違約料収入534百万円など、合計658百万円となりました。営業外費用は、支払利息380百万円、投資事業組合運用損61百万円など、合計470百万円となりました。

当期純損失は323百万円となりました。特別利益は、貸倒引当金戻入額など6百万円となりました。特別損失は、子会社の事業計画の見直しによるのれんの一括償却133百万円、固定資産売却損191百万円など、合計336百万円となりました。なお、法人税等合計は18百万円であります。

(3)経営成績に重大な影響を与える要因について

詳しくは、「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(4)経営戦略の現状と見通し

(中期経営計画の進捗状況)

当社グループは、平成24年3月期に連結ROEを10%以上とする事業計画を策定する予定でおりましたが、急激かつ多様な環境の変化により目標達成と事業計画の策定が困難な状況となっております。今後速やかに、平成27年3月期に連結ROEを10%以上とする、新事業計画を策定してまいります。

(5)経営者の問題認識と事業等のリスクの対処方針について

経営者の問題認識については、「第2 事業の状況 3 対処すべき課題」に記載のとおりであります。

(6)重要事象等についての対応策 

不動産事業においては、保有資産を固定資産とし、賃貸用不動産及びホテル事業用不動産の稼働率の向上に注力してまいります。同時に、時価の変動による収益の不安定化を回避し、返済計画の長期化への努力をしてまいります。

ホテル事業においては、資産を保有しないホテルマネジメント事業やホテルフランチャイズ事業を一層積極的に推進し、直営ホテル棟数の拡大を図ってまいります。ホテルを核としたフィービジネスの発展に、経営資源を集中させてまいります。

同時に、業態転換の円滑化と迅速化を補助するために、不動産事業とホテル事業のノウハウを活かした、震災後の復興事業に関連した新サービスの提供と新商品の開発を行なってまいります。

なお、今後の事業拡大及び迅速化のための資金につきましては、不動産事業による借入れが当社与信枠を圧迫している現状においては直接金融に頼らざるを得ず、株価動向に配慮した新株予約権付転換社債や新株予約権の発行などにより、調達してまいりたいと考えております。





出典: 価値開発株式会社、2011-03-31 期 有価証券報告書