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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、中国経済減速の顕在化や米国の政策金利引き上げによる新興国経済の減速懸念などに端を発した世界的な景気減速リスクにより、アベノミクスが期待した設備投資や賃上げは勢いを欠き、内需の推進力の弱まりや円高懸念などから、日銀のマイナス金利政策の効果も見えず、景気は明らかなもたつきを見せる状態となりました。わずかな明るい材料ともいえる好調な雇用情勢も、人手不足による人件費の増加を招き、企業の収益性の悪化を招く懸念を内在しております。当社グループが営むホテル業界におきましては、訪日外国人旅行客がアジアを中心に中間層まで広がりを見せることで増加の継続をもたらし、引き続き好調な稼働率と高水準な客単価に恵まれております。

このような経済状況のもとで当社グループは、当連結会計年度の経営成績を対前年度比で大幅な増収・増益とさせ、ホテルマネジメン卜を柱とする安定収入を基礎とした堅実な利益体質を獲得し、公開企業の公共性を自覚した社会貢献に尽くせる企業へ飛躍させる、という当社グループの当面の最重要課題のために、着実な前進を遂げました。

ホテル事業につきましては、都市型ビジネスホテル『ベストウェスタンホテル』と中長期滞在型宿泊施設『バリュー・ザ・ホテル』の2ブランドの運営を事業の中核に据えております。『ベストウェスタンホテル』については、安定して高稼働率を確保していることから客単価の上昇による収益増加を図りつつ、フランチャイズ展開も含めたブランドの拡大を進めております。また、当連結会計年度には『ベストウェスタン沖縄恩納ビーチ』及び『ベストウェスタン沖縄幸喜ビーチ』の運営受託を決定し、リゾートホテルという新たな領域に踏み出すことで、事業拡大の迅速化に努めております。『バリュー・ザ・ホテル』については、これまで遅れ気味であった震災復興事業の復調とともに1泊2食付きのメリットを活かした顧客層の拡大により稼働率が向上してきております。また、これらホテル事業におきましては、ウェディング等の周辺事業領域へ展開し新たな収益機会の獲得にも取り組んでおります。

不動産事業につきましては、保有物件の賃貸売上は概ね堅調に推移いたしました。また、固定資産の売却や遊休資産の有効活用の検討もしながら金融機関等からの借入の圧縮を進めております。

以上の結果、当連結会計年度の当社グループの経営成績は、次のとおりとなりました。

当連結会計年度の売上高は5,754百万円(前連結会計年度比5.7%増)となりました。内訳は、ホテル事業が5,224百万円、不動産事業が530百万円であります。

営業利益は181百万円(前連結会計年度比241.5%増)となりました。都市型ビジネスホテル『ベストウェスタンホテル』、中長期滞在型宿泊施設『バリュー・ザ・ホテル』ともに営業成績を大きく伸ばしております。

経常利益は443百万円(前連結会計年度比104.9%増)となりました。投資事業組合への出資に係る運用益378百万円などを計上しております。

親会社株主に帰属する当期純利益は418百万円(前連結会計年度比233.5%増)となりました。固定資産売却益229百万円、減損損失223百万円、法人税等23百万円などを計上しております。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

①ホテル事業

当セグメントの業績は、売上高5,224百万円、営業利益135百万円となりました。

セグメント間の取引を消去した外部顧客との取引結果は、売上高5,224百万円(前連結会計年度比5.7%増)、営業利益433百万円(前連結会計年度比22.5%増)となりました。

売上の内訳は、ホテルマネジメン卜等売上5,124百万円及びコンサルティング等売上100百万円であります。

②不動産事業

当セグメントの業績は、売上高827百万円、営業利益290百万円となりました。

セグメント間の取引を消去した外部顧客との取引結果は、売上高530百万円(前連結会計年度比5.0%増)、営業損失8百万円(前連結会計年度比39百万円改善)となりました。

売上の内訳は、賃貸売上470百万円及び仲介手数料等売上60百万円であります。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における当社グループの現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ0百万円減少し、316百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、109百万円のプラス(前年同期は229百万円のプラス)となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益による資金の増加、金融機関等からの借入利息の支払いや法人税等の支払いによる資金の減少などによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、1,028百万円のプラス(前年同期は345百万円のマイナス)となりました。その主な要因は、有形固定資産の売却や貸付金の回収による資金の増加などによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、1,137百万円のマイナス(前年同期は244百万円のマイナス)となりました。その主な要因は、借入金の返済による資金の減少などによるものであります。

 

当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は下記のとおりであります。

 

平成27年3月期

平成28年3月期

自己資本比率(%)

15.6

23.5

時価ベースの自己資本比率(%)

111.0

115.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)

21.3

37.6

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

1.1

0.8

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注) 1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により計算しています。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式総数をベースに計算しています。

3.キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しています。有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としています。また利払いにつきましては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しています。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループは、生産業務を行っていないため、生産実績の記載を省略しております。

 

(2) 受注実績

当社グループは、売上高に占める受注販売割合の重要性が低いため、受注実績の記載を省略しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

ホテル事業

5,224,351

105.7

不動産事業

529,705

105.0

合計

5,754,056

105.7

 

(注) 1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【対処すべき課題】

次期以降に次のような課題に対処していくべきと考えております。

(1) 当社グループの現状の認識について

当社グループは、当連結会計年度の経営成績を対前年度比で大きく改善させ、大幅な増収・増益となり、管理コストの削減や負債の大幅な圧縮など、当面の最重要課題である安定収入を基礎とした堅実な利益体質の獲得に向けた施策が着実に進展しているものと認識しております。また、金融機関の借入環境は好転しており、営業面及び財務面の改善余地を残している状況にあると認識しております。

ホテル事業につきましては、都市型ビジネスホテル事業が訪日外国人旅行客の中間層への裾野の拡大やオリンピックに向けての国策に連動して、引き続き好調な営業環境を維持できるものと認識しております。震災復興事業者向け中長期滞在型宿泊事業は、1泊2食付きのメリットを活かした顧客層の拡大により稼働率が向上してきておりますが、建築資材や人件費の高騰による入札不調を原因とした復興事業全体の遅れにより、企画当初の計画通りには進捗しにくい環境にあると認識しております。都市型及び中長期滞在型に共通する課題として、パートアルバイト人件費、水道光熱費、リネンサプライ費等の経費の上昇が予想されると認識しております。

不動産事業につきましては、賃料水準が高位安定する一方で、売買の取引価格はいささか過熱気味な水準に至っており、仲介などの売上機会は減少するものと認識しております。

(2) 当面の対処すべき課題の内容

ホテル事業につきましては、質の高いサービスの提供に努めることにより、それにふさわしい販売価格の設定による収益性の向上を図ることが当面の課題であります。同時に、知名度とブランド好感度の向上に努めることにより、『ベストウェスタンホテル』のリゾート事業やフランチャイズ事業の可能性を広げることと、『バリュー・ザ・ホテル』の震災復興事業者以外の需要の拡大を図ることが当面の課題であります。

不動産事業につきましては、賃貸事業の専業化を進め、現在の良好な金融環境を前提に、再投資による資産価値の維持向上や資産の入換えを図ることにより収益性を高め、引き続き借入条件の改善を図ることが当面の課題であります。

これらの課題に対処することにより、ホテルマネジメントを柱とする安定収入を基礎とした堅実な利益体質を獲得し、公開企業の公共性を自覚した社会貢献に尽くせる企業へと飛躍していくことが、当社グループの当面の最重要課題であります。

(3) 対処方針

ホテル事業につきましては、顧客満足度と収益性の向上を図りつつ、話題性の高いイベントの企画や参加を積極的に進めながら、受託軒数の増加を実現してまいります。

不動産事業につきましては、保有不動産の管理及び維持コストの圧縮と資産の入換えを進めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、以下の記載は当社株式への投資に関するリスク全てを網羅するものではありません。

(1) ホテル事業

①自然災害や伝染病の発生

当社グループの運営受託しているホテルが、大規模地震や自然災害の発生により、建物や施設に損害を被り、一時的な営業停止による売上減が発生する可能性があります。また、広域の伝染病の流行により、旅行や団体行動に制限が生じ、売上減が発生する可能性があります。

②賃貸不動産の中途解約

当社グループが一括借上している建物のオーナーが、経済情勢等の理由により賃貸契約を同条件で継続できなくなった場合に、売上の減少や特別損失が発生する可能性があります。

③食中毒等の事故

当社グループの運営するホテルは、安全衛生には充分な配慮を行っておりますが、万が一に事故が発生した場合などに、一時的な営業停止や評判の悪化により、売上減が発生する可能性があります。

(2) 不動産事業

①不動産市況の動向

当社グループの業績は、景気後退や供給過剰等によるビル市場において賃料水準の低下や空室率の上昇が起こるケース、また、景気後退やそれに伴う雇用環境等の悪化による住宅市場において顧客の購買意欲の減退が起こるケース等、不動産市況の動向が当社グループの事業展開、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

②不動産関連法的規制等の制定・改定

当社グループは、不動産業者として「宅地建物取引業法」に基づく免許を受け事業を行うとともに、不動産売買、賃貸、管理、開発等の関連の法的規制を受けております。また、SPCを使用した不動産投資等の一部では「特定目的会社による特定資産の流動化に関する法律」等による規制を受けるなど、業容の拡大により新たな法的規制を受けることになります。

今後は、これらの規制の改廃や新たな法的規制が設けられるケースには、資産の保有、取得、売却等に係るコストの増加、またこれらの要因による顧客の購買意欲の低下等により、当社グループの事業展開・業績が影響を受ける可能性があります。

③金利の変動

当社グループは、投資不動産に関する資金について、自己資金のほか金融機関等からの借入による安定的な資金調達を行っております。その多くは金利を固定化し、金利変動による影響を極力少なくするべく対処をしておりますが、金利が上昇した場合には、当社グループの事業展開・業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 当連結会計年度の財政状態の分析

(資産)

当連結会計年度末の当社グループの総資産は6,847百万円となりました。これは、前連結会計年度末より716百万円の減少であります。主な要因は、建物及び土地の売却や減損損失の計上などによる有形固定資産の減少920百万円、長期貸付金の回収による減少200百万円と東北早期復興ファンドに係る投資事業組合運用益の計上による投資有価証券の増加428百万円などによるものであります。

(負債)

当連結会計年度末の当社グループの負債合計は5,222百万円となりました。これは、前連結会計年度末より1,138百万円の減少であります。主な要因は、有形固定資産の売却に伴う長期借入金(1年内返済予定を含む)の返済などによる減少804百万円、預り金の減少361百万円などによるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末の当社グループの純資産合計は1,625百万円となりました。これは、前連結会計年度末より421百万円の増加であります。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益による利益剰余金の増加418百万円などによるものであります。

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

詳しくは、「第2  事業の状況  1  業績等の概要    (1)  業績」に記載のとおりであります。

(3) 当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況の分析

詳しくは、「第2  事業の状況  1  業績等の概要    (2)  キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

(4) 経営成績に重大な影響を与える要因について

詳しくは、「第2  事業の状況  4  事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(5) 経営戦略の現状と見通し

(中期経営計画の進捗状況)

当社グループは、平成30年3月期に連結ROEを10%以上とする、新事業計画を策定してまいります。

(6) 経営者の問題認識と事業等のリスクの対処方針について

経営者の問題認識については、「第2  事業の状況  3  対処すべき課題」に記載のとおりであります。





出典: 価値開発株式会社、2016-03-31 期 有価証券報告書