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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度のわが国経済は、緊急経済対策やアジアを中心とする海外経済の回復などにより持ち直しの動きが見られたものの、急激な円高やデフレなどにより企業収益は依然として低迷しており、設備投資や雇用情勢は低い水準で推移するなど厳しい状況が続いております。

 自動車業界におきましては、各国の自動車購入促進策や新興国を中心とした需要の回復が見られたものの、世界経済の悪化による需要の落ち込みの影響は大きく、国内生産及び輸出は大幅に前年を下回りました。

 このような情勢の中で、当社グループといたしましては、自動車内装システムサプライヤーとして、自動車の燃費向上に寄与する、より軽量な新世代シート骨格の第2弾として『TB−NF110』がウィッシュに採用されたほか、エコプラスチックを用いた自動車内装部品が新型レクサスHS250hに、植物由来素材を使用した自動車用

シートクッションが新型プリウスに採用されるなど、新技術の開発に積極的に取り組んでまいりました。

 自動車用フィルター総合メーカーとして、性能向上や低コスト化に加え、モジュール化、システム化、環境対応、快適性向上などの社会のニーズにマッチした、付加価値の高い新製品の開発と生産に取り組んでまいりました。 

 これらを推進する経営体制といたしましては、①ミッションを明確にするとともに、各事業の業務を一体化する目的で「本部制」を、②世界の四つの地域を機能横断的に推進する目的で「グローバル地域統括制」を採り、各事業を推進しております。

 事業展開といたしましては、新たな生産拠点の設立や強化を図るなど世界各地域でのお客様のニーズに応えるとともに、最適な生産・物流体制を構築し、地域一体となった効率的な運営に取り組んでまいりました。

 海外では、米国のトヨタ紡織インディアナLLC.が生産を開始いたしました。

 日本では、昨年8月に静岡県にて新工場の富士裾野工場が生産を開始いたしました。10月には関連会社の株式会社関東シート製作所を子会社化し、トヨタ紡織東北株式会社に社名変更いたしました。

 また、12月には当社と株式会社川島織物セルコン、豊田通商株式会社は輸送機器用内装材事業の統合に合意し、統合契約を締結するとともに、持分法適用関連会社であるTBカワシマ株式会社を設立いたしました。 

 連結売上高につきましては、シート、ドアトリムなどの減産により、前連結会計年度に比べ26,046百万円(△2.7%)減少の953,729百万円となり、製品別には次のようになりました。

 シート、トリムなどの内装品につきましては、減産の影響などにより、前連結会計年度に比べ19,243百万円(△2.2%)減少の848,457百万円となりました。

 フィルター・パワートレイン部品につきましては、前連結会計年度に比べ1,845百万円(△2.5%)減少の72,189百万円となりました。

 繊維・外装品他につきましては、前連結会計年度に比べ4,956百万円(△13.0%)減少の33,082百万円となりました。

 連結経常利益につきましては、製品価格変動の影響、減価償却費の増加など減益要因はありましたが、合理化、諸経費の減少などにより、前連結会計年度に比べ10,775百万円(81.1%)増加の24,067百万円となりました。

 連結当期純利益(純損失)につきましては、前連結会計年度に比べ11,946百万円(前連結会計年度は5,064百万円の連結当期純損失)増加の6,882百万円の連結当期純利益となりました。

 

所在地別セグメントの業績は、次のとおりであります。

①日本

 当地域におきましては、政府の環境対応車への優遇施策による増産効果などはあったものの、北米市場を中心とした輸出の低迷などにより、売上高は、前連結会計年度に比べ29,034百万円(△5.0%)減少の553,600百万円となりました。営業利益(損失)につきましては、売上減少による利益減少などはあったものの、当連結会計年度より取り組んでおります、収益構造改革活動の成果などにより、前連結会計年度に比べ14,910百万円(前連結会計年度は6,709百万円の営業損失)増加の8,201百万円の営業利益となりました。

②北中南米

 当地域におきましては、カナダのRAV4の増産やアメリカのハイランダー、シエナ、メキシコのキャデラック SRXの新車効果などにより、売上高は、前連結会計年度に比べ10,782百万円(7.0%)増加の164,349百万円となりました。

営業利益(損失)につきましては、売上増加による利益増加などはあったものの、トヨタ紡織インディアナLLC.の操業準備費用や新車立上げ及び切替に伴う費用の増加などにより、前連結会計年度に比べ4,677百万円(前連結会計年度は7,730百万円の営業損失)減少の12,407百万円の営業損失となりました。

③アジア

 当地域におきましては、中国・天津のRAV4や広州のハイランダー等の新車効果などにより、売上高は、前連結会計年度に比べ2,569百万円(1.3%)増加の196,303百万円となりました。営業利益(損失)につきましては、売上増加による利益増加や収益構造改革の成果などはあったものの、円高の影響などにより、前連結会計年度に比べ625百万円(△2.3%)減少の27,006百万円の営業利益となりました。

④その他

 当地域におきましては、市場低迷による大幅な減産の影響などにより、売上高は、前連結会計年度に比べ10,363百万円(△20.8%)減少の39,475百万円となりました。営業利益(損失)につきましては、売上減少による利益減少などはあったものの、前連結会計年度の生産準備費用等の一過性費用の減少などにより、前連結会計年度に比べ1,379百万円(前連結会計年度は1,042百万円の営業損失)増加の336百万円の営業利益となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、113,124百万円と前連結会計年度末に比べ10,667百万円(10.4%)の増加となりました。

 営業活動の結果増加した現金及び現金同等物は64,188百万円となりました。これは主に、売上債権の増加66,602百万円、未収入金の増加8,682百万円、法人税等の支払額4,800百万円などによる資金の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益22,976百万円、仕入債務の増加60,476百万円、減価償却費35,121百万円などにより資金が増加したことによるものであります。

 投資活動の結果減少した現金及び現金同等物は41,337百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出45,522百万円によるものであります。

 財務活動の結果減少した現金及び現金同等物は13,547百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少1,917百万円、長期借入金の返済による支出1,781百万円、少数株主への配当金の支払額7,669百万円、配当金の支払額1,863百万円などにより資金が減少したことによるものであります。

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度における生産実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

事業部門

生産高(百万円)

前期比(%)

自動車部品

942,350

△2.9

繊維

33

△51.1

その他

603

△0.5

合計

942,987

△2.9

 (注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 受注状況

 当社グループは、主にトヨタ自動車株式会社をはじめとする各納入先より、四半期毎及び翌月の生産計画の提示を受け、生産能力を勘案して生産計画を立て生産しております。

(3) 販売実績

 当連結会計年度における販売実績を事業部門ごとに示すと、次のとおりであります。

事業部門

販売高(百万円)

前期比(%)

自動車部品

950,262

△2.6

繊維

1,153

△31.3

その他

2,313

16.7

合計

953,729

△2.7

 (注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

365,237

37.3

366,422

38.4

トヨタ車体㈱

103,897

10.6

84,544

8.9

 

3【対処すべき課題】

  今後の経済見通しにつきましては、経済対策の効果などから緩やかに持ち直しの局面に入ったと見られるものの、企業や個人を取り巻く環境は依然として厳しい状況が続くものと思われます。

 このような中で当社グループは、経営環境・市場の変化等に対応すると共に、グローバルなお客様の信頼と期待に応えるべく『明日の社会を見据え、世界中のお客様へ感動を織りなす移動空間の未来を創造する』をビジョンとしております。そして、その基盤を確立するため2010年までを「第2の創業期」と位置づけ、真のグローバルカンパニーへの「足元固めのための取り組み」と「将来の発展のための先行施策の取り組み」の両面から実力強化への施策を積極的に推進するとともに、次の通り中長期的な経営戦略を展開してまいります。

 

(1)快適な車室空間の提供

 ①車室空間全体について、コンセプトづくりから開発・設計・生産まで一貫して担当し、品質・コスト・デリバ

     リー(QCD)でNO.1の競争力を持ち、自動車メーカーからの信頼を獲得。

 ②車室内の快適性、静粛性、見栄えなどユーザーの期待と、安全・環境など社会的要請に応える商品をいち早く実現し、社会に貢献。

 ③オンリーワンの技術・製品を提案できる技術力の獲得。

 

(2)世界トップの自動車用フィルターの提供

 ① 吸気系トータル性能を企画・設計できるシステムメーカーとしての実力獲得。

 ② 潤滑系・空調系フィルターの次世代技術の開発を通じ、社会的要請(環境・エネルギー・健康)に応える商品を提供。

 

(3)グローバルな供給体制の確立

 ① お客様の要請に、いつでもどこでも対応できる体制(開発・生産)の構築。

 ② QCD地域NO.1の実現。

 ③ 統括会社を中心とした地域トータルの効率的な業務運営と自律化。

 

 これらの課題への取組みにより、株主価値の一層の向上を図る所存であります。

 なお、中期売上・利益目標については、世界各地における主要顧客の動向を踏まえ、策定の予定であります。

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクに以下のようなものがあります。しかし、以下は当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成22年6月24日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 経済状況等

  当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売、サービスの提供が含まれております。重要な部分を占める自動車関連製品の需要は、製品・サービスを提供している国又は地域の経済状況の影響を受けることになります。従って、日本、北中南米、アジア、欧州を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う自動車需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(2) 特定の取引先への依存

 当社グループは、自動車内装品をはじめとした各種自動車部品を主にトヨタ自動車株式会社に販売しており、当連結会計年度の売上高に占める同社への割合は、38.4%となっております。そのため、同社の自動車販売動向によっては、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
 なお、当連結会計年度末現在の同社による当社の議決権の所有割合は、直接所有割合39.8%、間接所有割合0.1%であります。

(3) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク

 当社グループの生産及び販売活動は、日本をはじめ北中南米、アジア、欧州など幅広い市場で展開しているため、これらの地域市場への事業進出には各国諸事情の違いにより次のようないくつかのリスクが内在しております。

①予期しない法律又は規制の変更

②不利な政治又は経済要因

③人材の採用の確保の難しさ

④不利な税制の影響

⑤テロ、戦争、その他要因による社会的混乱

(4) 為替レートの変動

 当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売、サービスの提供が含まれております。各地域における売上、費用、資産、負債を含む外貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これらの項目は換算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなくても、円換算後の価値が影響を受ける可能性があります。一般に、他の通貨に対する円高は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(5) 価格競争

 自動車業界における価格競争はたいへん厳しいものとなっております。特に自動車メーカーからの価格引き下げ要請は、近年特に強まってきております。

 また、当社グループは、技術、品質、価格に優れた製品を全世界に供給し、顧客の要望に対応できる企業と考えておりますが、将来においても有効に競争できるという保証はありません。これは当社グループの属している各製品市場、地域市場において新しい競合先、既存の競合先間の提携により市場シェアを急速に拡大する可能性があるためです。価格面での圧力又は有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(6) 原材料、部品供給元への依存

 当社グループの生産は、原材料・部品を複数のグループ外供給元に依存しております。当社グループは、グループ外供給元と取引基本契約を結び、原材料・部品の安定的な取引を安定的な生産の前提としておりますが、供給逼迫による世界的な品不足や供給元の不慮の事故などにより、原材料・部品の不足が生じないという保証はありません。その場合、生産の遅れを招き、また、原価を上昇させる可能性があります。

 

(7) 新製品の開発力

 当社グループは、経営の基本理念の一つである「革新的な技術開発、製品開発に努め、お客様に喜ばれる、良い商品を提供する」のもと、高度化・多様化する市場のニーズを先取りし、顧客の満足が得られるよう、新製品開発に努めております。今後も継続して新製品を開発し、販売できると考えておりますが、そのプロセスは複雑かつ不確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクがあります。

 ①新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後、十分充当できる保証はありません。

 ②長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新製品又は新技術へつながる保証はありません。

 ③技術の急速な進歩と市場ニーズの変化により、当社グループの製品が時代遅れになる可能性があります。

 ④現在開発中の新技術の商品化の遅れにより、市場の需要について行けなくなる可能性があります。

(8) 知的財産権

 当社グループは、他社製品と差別化を図るため、技術とノウハウの蓄積と、これらの保護について努力を傾注しておりますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であったり、又は、限定的にしか保護されない状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造することを防止できない可能性があります。また、他社が類似する、もしくは、当社グループより優れている技術を開発したり、当社グループの特許や企業秘密を模倣または解析調査することを防止できない可能性があります。さらに、当社グループは他社の知的財産権に配慮しながら製品や技術の開発を行っておりますが、これらが将来的に他社の知的財産権を侵害していると判断される可能性があります。

(9) 商品の欠陥

 当社グループは、経営の基本理念の一つに「クリーンで安全な商品を提供することを使命とし、地球環境保護を重視した企業活動の推進」を掲げ、総力をあげて品質向上に取り組んでおります。

 一方、製造物責任賠償について、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を完全にカ バーできるという保証はありません。大規模な製造物責任賠償につながるような商品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を及ぼし、売上の低下、収益の悪化などにより、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(10) 災害や停電等による影響

 当社グループは、生産設備の定期的な検査、点検を行っております。しかし、生産設備の故障、生産施設の火災、停電など、人的・自然的災害による影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。例えば、当社グループの国内工場の大半は、中部地区に所在しております。従って、中部地区での大規模な地震やその他操業に影響する事象が生じた場合、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

(11) 退職給付債務

 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率などの数理計算上の前提条件や年金資産の期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は変更された場合は、将来の期間に認識される費用及び計上される債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 上記リスク等が予期せぬ事象を招き、生産活動及びその他事業の遂行に問題を生じさせる可能性があります。これらの事象は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。 

 

6【研究開発活動】

  当社グループでは、お客様第一に徹した「画期的品質向上活動」の強化・推進を図り、設計品質を確保した製品開発に取組んでおります。また、年々高度化・多様化するお客様のニーズを先取りし、「お客様の信頼と満足が得られる製品の開発」という基本的な考え方のもとに、環境変化に対応した事業体質強化と事業構造改革の企画・推進に取組んでおります。さらに、新興国市場の急激な拡大に対応できる徹底した良品廉価活動による競争力の強化に取組んでおります。

 先端技術・基礎研究については、当社の将来の成長力を確保する為に、現有コア技術を活用した領域拡大と付加価値向上を目指しております。また、2008年10月に設立した『基礎研究所』を充実させ、「材料科学」、「バイオ科学」、「人間科学」などの新しい研究領域に取組んでおります。

 

  事業部門別の研究開発活動を示すと、次のとおりであります。

 自動車部品事業

     内装品事業では、コア技術となるシート骨格の軽量化・薄型化に取組み、新開発シート骨格『TB−NF  100』が新コンパクトカー「トヨタiQ」に採用され、『TB−NF110』が2009年4月発売の新型「トヨタ ウィッシュ」に採用されたのを皮切りに順次新型車に採用され、米国でも2010年1月にトヨタ紡織インディアナLLC.で新型「トヨタ シエナ」用に生産を開始いたしました。なお、将来のプロジェクトに向けて更なる進化型軽量フレームも開発中であります。また、シート骨格用のワイヤーハーネスを開発。また、「トヨタ クラウン」に天井イルミネーション、「ダイハツ ムーブコンテ」にインパネイルミネーションが採用され、電子事業領域の拡大も進めております。環境開発として、2009年5月発売の新型「トヨタ プリウス」、2009年12月発売の「トヨタ SAI」のシートクッション材主原料の一部を、植物由来の『ひまし油』の成分に置換しました(トヨタ自動車㈱、三井化学㈱と共同開発)。また、「トヨタ SAI」に植物由来原料を用いたエコプラスチック製表皮材を開発し(トヨタ自動車㈱、東レ㈱と共同開発)、天井、ピラーガーニッシュ等に採用され、他の内装部品と合わせて室内表面積の60%をエコプラスチック化いたしました。商品力向上として新型「トヨタ マジェスタ」にヘッドレストサイド部可動式でスピーカーが搭載された後席大型ヘッドレスト、「レクサス RX」に後席乗員用のディスプレイを搭載したシート、新型「トヨタ シエナ」3列目シートにワンモーションでフロア後方へ格納できる機構を採用しました。

 フィルター・パワートレイン機器部品事業では、世界一製品づくりを目指し、性能向上や低コスト化に加え、モジュール化、システム化、環境対応、快適性向上など世の中のニーズにマッチした製品を開発しました。パ ワートレイン系では、「トヨタヤリス」にVVT(Variable Valve Timing)システムを制御するOCV(Oil Control Valve)を世界で初めて樹脂製シリンダヘッドカバーへ搭載しました。2009年5月発売の「スバル レガシー」に樹脂製インテークマニホールドが採用されました。また、樹脂枠を廃止して低コスト・軽量化を図ったHC吸着フィルタ、ファンシュラウドとエアクリーナケースを一体化したファンシュラウド一体型エアクリーナなど、小型化・軽量化製品を開発しました。車室内空調系では、超小型化ニーズに対応した薄型キャビンエア フィルタなどを開発しました。また、従来の花粉・脱臭・抗アレルゲンなどの品揃えの充実化を図りました。

 

繊維事業
 特に記載すべき事項はありません。
 

その他事業
 特に記載すべき事項はありません。
 

なお、当連結会計年度の研究開発費は、30,021百万円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り                                    

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 製品保証引当金

 当社グループは製品のアフターサービスに対する費用を過去のクレーム発生実績に基づき、主に残存保証期間のクレーム発生額を見積り計上しております。従って、実際の製品保証費は見積りと異なる場合があり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 退職給付引当金

 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。

③ 繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 概要

 当連結会計年度のわが国経済は、緊急経済対策やアジアを中心とする海外経済の回復などにより持ち直しの動きが見られたものの、急激な円高やデフレなどにより企業収益は依然として低迷しており、設備投資や雇用情勢は低い水準で推移するなど厳しい状況が続いております。

 自動車業界におきましては、各国の自動車購入促進策や新興国を中心とした需要の回復が見られたものの、世界経済の悪化による需要の落ち込みの影響は大きく、国内生産及び輸出は大幅に前年を下回りました。

 このような情勢の中で、当連結会計年度の売上高は、953,729百万円と前連結会計年度に比べ26,046百万円(△2.7%)の減収となりました。経常利益は、24,067百万円と前連結会計年度に比べ10,775百万円(81.1%)の増益となりました。当期純利益(純損失)は、前連結会計年度に比べ11,946百万円増益(前連結会計年度は5,064百万円の当期純損失)の6,882百万円の当期純利益となりました。

② 売上高

 売上高は、シート、ドアトリムなどの減産により、953,729百万円と前連結会計年度に比べ26,046百万円(△2.7%)減収となりました。

③ 営業利益

 営業利益は、製品価格変動の影響、減価償却費の増加など減益要因はありましたが、合理化、諸経費の減少などにより、25,143百万円と前連結会計年度に比べ11,088百万円(78.9%)の増益となりました。 

 ④ 営業外損益 

 営業外収益は、受取利息の減少などにより、5,901百万円と前連結会計年度に比べ1,815百万円(△23.5%)の減少となりました。

 営業外費用は、為替の影響などにより、6,977百万円と前連結会計年度に比べ1,502百万円(△17.7%)の減少となりました。

 以上の結果、経常利益は、24,067百万円となり、売上高経常利益率は2.5%となりました。 

   

⑤ 特別損益

 特別損益は、固定資産の減損により、1,091百万円を特別損失として計上しました。 

⑥ 法人税等及び法人税等調整額 

 法人税等及び法人税等調整額は、8,649百万円と前連結会計年度に比べ3,324百万円(△27.8%)の減少となりました。また、税金等調整前当期純利益に対する比率は、前連結会計年度の90.1%から37.6%となりました。

⑦ 少数株主利益

 少数株主利益は、主に北中南米の連結子会社における利益の増加などにより、7,445百万円と前連結会計年度に比べ1,061百万円(16.6%)の増加となりました。

⑧ 当期純利益又は当期純損失

 当期純利益(純損失)は、前連結会計年度に比べ11,946百万円増益(前連結会計年度は5,064百万円の当期純損失)の6,882百万円の当期純利益となりました。なお、1株当たり当期純利益は37円00銭となりました。

 

(3) 資金の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

 営業活動の結果増加した現金及び現金同等物は64,188百万円となりました。これは主に、売上債権の増加66,602百万円、未収入金の増加8,682百万円、法人税等の支払額4,800百万円などによる資金の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益22,976百万円、仕入債務の増加60,476百万円、減価償却費35,121百万円などにより資金が増加したことによるものです。

 投資活動の結果減少した現金及び現金同等物は41,337百万円となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出45,522百万円によるものです。

 財務活動の結果減少した現金及び現金同等物は13,547百万円となりました。これは主に、短期借入金の減少1,917百万円、長期借入金の返済による支出1,781百万円、少数株主への配当金の支払額7,669百万円、配当金の支払額1,863百万円などにより資金が減少したことによるものです。

 その結果、当連結会計年度の現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ10,667百万円(10.4%)増加し、113,124百万円となりました。 

② 資金需要

 当社グループの資金需要の主なものは、設備投資・出資などの長期資金需要と製品製造のための材料及び部品購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。

③ 財務政策

 当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを財務方針としております。設備投資・出資などの長期資金需要に対しては、内部留保及び長期借入債務により、また、運転資金需要には短期借入債務により対応しております。借入債務については、主に金融機関からの借入によって調達しております。

 資金マネジメントについては、当社と海外子会社の資金管理の一元化を図るなかで、緊密な連携をとることにより、グローバルな資金効率の向上を図っております。

 





出典: トヨタ紡織株式会社、2010-03-31 期 有価証券報告書