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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

 当連結会計年度における世界経済は、米国では緩やかな景気回復が持続しており、欧州では底打ちの兆しが見え始

めてまいりました。一方アジアを中心とする新興国の経済は伸び悩んでおり、回復は不透明な状況で推移してまいり

ました。また、日本経済においては、政府、日銀による積極的な財政、金融政策により円高が是正されるなど、経済

環境の改善が進み、景気は緩やかな回復基調で推移してまいりました。

 自動車業界におきましては、米国では台数の伸びが見られるものの、新興国を始めとする他の地域では厳しい状況

が続いております。また、日本では消費税増税にともなう駆込み需要で販売は好調でしたが、その反動による影響は

依然として不透明な状況が続いております。

 このような情勢の中で当社グループといたしましては、新しい事業分野への挑戦新規顧客(NCB:New

Customer Business)の獲得、今後も成長が続く新興国でのさらなる事業拡大魅力ある商品開発など、グ

ループ一丸となって強い執念を持ち課題に取り組んでまいりました。

 新しい事業分野への挑戦につきましては、自動車用シートで培った技術を活かし、高級感と快適性を実現した鉄

道車両用シートを開発、JR北陸新幹線「グランクラス」で採用されたほか、源流事業である繊維技術を応用し、デ

ザイン性に優れ、高級感のある住宅用内壁面装飾材「ヌノカベ」を開発、販売を始めました。

 新規顧客獲得に向けた活動につきましては、自動車メーカーの生産拠点の近くに内装部品生産会社を設け、事業基盤の確立を図りました。7月に中国で瀋陽豊田紡織汽車部件㈲を、11月にはタイに紡織オートモーティブ(タイ

ランド)㈱を、3月にはインドにトヨタ紡織レランインディア㈱を設立し、お客様のご要望にスピーディーかつフレ

キシブルに応える体制を構築いたしました。

 新興国でのさらなる事業拡大につきましては、4月にトヨタ紡織グループとして初めてラオスにトヨタ紡織ラ

オス㈱を、8月に同じくトヨタ紡織グループとして初めてパキスタンにタール紡織パキスタン㈱を設立し生産体制

を整えるとともに、中国では河源豊田紡織汽車部件㈲を設立し、コスト競争力の高いモノづくりに取り組んでまいり

ました。

 魅力ある商品開発につきましては、「表皮一体発泡工法」を用い、より理想的なシート形状で高度な乗り心地と

デザインを両立したスポーツシートが、LEXUS新型ISのスポーティバージョン“F SPORT”に採用さ

れたほか、世界トップクラスの衝撃強度を有する「バイオプラスチックアロイ」を実現する技術を開発いたしまし

た。

 収益体質強化につきましては、コスト競争力の飛躍的向上を目指し、「極限まで仕事を効率化」「スリムで筋肉

質な企業体質の改革」に取り組むとともに、「COIN活動(コスト意識改革活動)」を展開し、全社を挙げて徹底

した原価改善活動を実施してまいりました。

 CSR活動の取組みといたしましては、すべてのステークホルダーからの期待と信頼に応えるために、国際行動

規範や各国・各地域の法令を遵守、大規模災害へのリスク対応、地域に根ざした社会貢献活動など、グローバルな規

模で展開してまいりました。

 環境活動といたしましては、「2015年環境取り組みプラン」に基づき、環境と生産が調和した持続可能な社会の

実現に貢献するため、環境に配慮した製品の開発・設計、CO2排出量削減の実施、生物多様性に配慮した事業活動

の推進などに力を入れ、グローバルな環境先進企業を目指してまいりました。

 連結売上高につきましては、北中南米地域での生産台数の増加や為替影響などにより、前連結会計年度に比べ

138,902百万円(12.9%)増加の1,218,399百万円となりました。利益につきましては、製品価格変動の影響、諸経

費・研究開発費の増加などの減益要因はありましたが、合理化、増産増収の影響などにより、連結営業利益は、前連

結会計年度に比べ3,520百万円(13.9%)増加の28,823百万円、連結経常利益は、前連結会計年度に比べ6,380百万円

(18.8%)増加の40,294百万円、連結当期純利益は、前連結会計年度に比べ3,181百万円(△20.1%)減少の12,610

百万円となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

① 日本

 当地域におきましては、エコカー補助金により需要が高かった前期に比べ、生産台数は減少いたしましたが、車種

構成の良化などにより、売上高は、前連結会計年度に比べ39,470百万円(6.3%)増加の661,403百万円となりまし

た。営業利益につきましては、車種構成良化の影響や合理化などにより、前連結会計年度に比べ2,565百万円

(44.7%)増加の8,300百万円となりました。

 

② 北中南米

 当地域におきましては、生産台数の増加や為替影響などにより、売上高は、前連結会計年度に比べ37,660百万円

(21.3%)増加の214,252百万円となりました。営業損失につきましては、新製品の生産準備費用の増加はあったも

のの、増産影響などにより、前連結会計年度に比べ52百万円(前連結会計年度は3,493百万円の営業損失)減少の

3,441百万円となりました。

 

③ アジア・オセアニア

 当地域におきましては、生産台数の増加や為替影響などにより、売上高は、前連結会計年度に比べ44,217百万円

(15.9%)増加の322,795百万円となりました。営業利益につきましては、増産影響や為替影響などにより、前連結会計年度に比べ862百万円(3.1%)増加の29,036百万円となりました。

 

④ 欧州・アフリカ

 当地域におきましては、生産台数の増加などにより、売上高は、前連結会計年度に比べ26,037百万円(43.2%)増

加の86,366百万円となりました。営業損失につきましては、増産影響や合理化などにより、前連結会計年度に比べ

1,293百万円(前連結会計年度は6,145百万円の営業損失)減少の4,852百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、126,648百万円と前連結会計年度末に比

べ2,675百万円(△2.1%)の減少となりました。

 営業活動の結果増加した現金及び現金同等物は49,590百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額14,441

百万円、売上債権の増加12,195百万円などによる資金の減少はありましたが、減価償却費36,302百万円、税金等調整前当期純利益35,422百万円などにより資金が増加したことによるものです。

 投資活動の結果減少した現金及び現金同等物は51,867百万円となりました。これは主に、有形固定資産の売却による収入3,687百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出3,505百万円はあったものの、有形固定資

産の取得による支出51,112百万円、定期預金の預入による支出8,551百万円などにより資金が減少したことによるも

のです。

 財務活動の結果減少した現金及び現金同等物は5,636百万円となりました。これは主に、社債の発行による収入

20,000百万円はあったものの、長期借入金の返済による支出19,827百万円、少数株主への配当金の支払額5,408百万

円などにより資金が減少したことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

  至 平成26年3月31日)

前年同期比(%)

日本(百万円)

632,848

6.7

北中南米(百万円)

203,283

24.2

アジア・オセアニア(百万円)

294,905

41.0

欧州・アフリカ(百万円)

75,110

48.3

合計

1,206,148

18.7

 (注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 受注状況

 当社グループは、主にトヨタ自動車株式会社をはじめとする各納入先より、四半期毎及び翌月の生産計画の提示を受け、生産能力を勘案して生産計画を立て生産しております。

(3) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

  至 平成26年3月31日)

前年同期比(%)

日本(百万円)

619,191

6.9

北中南米(百万円)

209,850

20.9

アジア・オセアニア(百万円)

309,082

15.2

欧州・アフリカ(百万円)

80,276

37.5

合計

1,218,399

12.9

 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成24年4月1日

  至 平成25年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成25年4月1日

  至 平成26年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

375,668

34.8

393,265

32.3

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

 今後の世界経済の見通しにつきましては、先進国とりわけ米国を中心に全体として持ち直し基調にありますが、中

国における経済成長の鈍化、インド、アセアン等新興国の景気減速など、先行き不透明な状況に変わりありません。

また、日本経済においては消費税増税後の景気減速など、依然として不透明な状況が続くと思われます。

 このような中で当社グループは、「2020年のありたい姿」として、①世界中のお客さまに最高のモビリティーライ

フを提案し続ける会社 ②すべてのステークホルダーから信頼され、共に成長する会社を目指しております。また、

2014年度は当社合併10周年という節目の年であります。会社の持続的な発展のために、従業員一人ひとりが今一度基

本に立ち返り、一つひとつの仕事を妥協なくやりきると共に、「Quantum Leap(発想の飛躍)」の精神

に基づき、「情熱」と「執念」を持ち、『心をひとつ』にして全力で推進し、企業価値の向上に努めてまいります。

 

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクに以下のようなものがありま

す。しかし、以下は当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存

在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成26年6月16日)現在において当社グループ

が判断したものであります。

 

(1) 経済状況等

  当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売、サービスの提供が含まれております。重要な部分

を占める自動車関連製品の需要は、製品・サービスを提供している国又は地域の経済状況の影響を受けることにな

ります。従って、日本、北中南米、アジア、欧州を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う

自動車需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 特定の取引先への依存

 当社グループは、自動車内装品をはじめとした各種自動車部品を主にトヨタ自動車株式会社に販売しており、当

連結会計年度の売上高に占める同社への割合は、32.3%となっております。そのため、同社の自動車販売動向に

よっては、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当連結会計年度末現在の同社による当社の議決権の所有割合は、直接所有割合39.8%、間接所有割合

0.1%であります。

 

(3) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク

 当社グループの生産及び販売活動は、日本をはじめ北中南米、アジア、欧州など幅広い市場で展開しているた

め、これらの地域市場への事業進出には各国諸事情の違いにより次のようないくつかのリスクが内在しておりま

す。

①予期しない法律又は規制の変更

②不利な政治又は経済要因

③予期しない労働及び雇用事情の変化

④不利な税制の影響

⑤テロ、戦争、その他要因による社会的混乱

 

(4) 為替レートの変動

 当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売、サービスの提供が含まれております。各地域にお

ける売上、費用、資産、負債を含む外貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これら

の項目は換算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなくても、円換算後の価値が影響を受ける可

能性があります。一般に、他の通貨に対する円高は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能

性があります。

 

(5) 価格競争

 自動車業界における価格競争はたいへん厳しいものとなっております。特に自動車メーカーからの価格引き下げ

要請は、近年特に強まってきております。

 また、当社グループは、技術、品質、価格に優れた製品を全世界に供給し、顧客の要望に対応できる企業と考え

ておりますが、将来においても有効に競争できるという保証はありません。これは当社グループの属している各製

品市場、地域市場において新しい競合先、既存の競合先間の提携により市場シェアを急速に拡大する可能性がある

ためです。価格面での圧力又は有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの経営成績及び財務状況

に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料、部品供給元への依存

 当社グループの生産は、原材料・部品を複数のグループ外供給元に依存しております。当社グループは、グルー

プ外供給元と取引基本契約を結び、原材料・部品の安定的な取引を安定的な生産の前提としておりますが、供給逼

迫による世界的な品不足や供給元の不慮の事故・大規模な震災などにより、原材料・部品の不足が生じないという

保証はありません。その場合、生産の遅れを招き、また、原価を上昇させる可能性があります。

 

(7) 新製品の開発力

 当社グループは、経営の基本理念の一つである「革新的な技術開発、製品開発に努め、お客様に喜ばれる、良い

商品を提供する」のもと、高度化・多様化する市場のニーズを先取りし、顧客の満足が得られるよう、新製品開発

に努めております。今後も継続して新製品を開発し、販売できると考えておりますが、そのプロセスは複雑かつ不

確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクがあります。

 ①新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後、十分充当できる保証はありません。

 ②長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新製品又は新技術へつながる保証はありません。

 ③技術の急速な進歩と市場ニーズの変化により、当社グループの製品が時代遅れになる可能性があります。

 ④現在開発中の新技術の商品化の遅れにより、市場の需要について行けなくなる可能性があります。

(8) 知的財産権

 当社グループは、他社製品と差別化を図るため、技術とノウハウの蓄積と、これらの保護について努力を傾注し

ておりますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であったり、又は、限定的にしか保護されない

状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造することを防止できな

い可能性があります。また、他社が類似する、もしくは、当社グループより優れている技術を開発したり、当社グ

ループの特許や企業秘密を模倣又は解析調査することを防止できない可能性があります。さらに、当社グループは

他社の知的財産権に配慮しながら製品や技術の開発を行っておりますが、これらが将来的に他社の知的財産権を侵

害していると判断される可能性があります。

 

(9) 商品の欠陥

 当社グループは、経営の基本理念の一つに「クリーンで安全な商品を提供することを使命とし、地球環境保護を

重視した企業活動の推進」を掲げ、総力をあげて品質向上に取組んでおります。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来リコールや製造物責任賠償が発生しないという保証はありません。

 また、製造物責任賠償について、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を完全にカ

バーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような商品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を及ぼし、売上の低下、収益の悪化などにより、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 災害や停電等による影響

 当社グループは、製造中断によるマイナス影響を最小化するため、生産設備の定期的な検査、点検を行っており

ます。しかし、当社グループならびに仕入先企業の生産施設で発生する人的・自然的災害、停電などの中断事象に

よる影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。特に、当社グループの国内工場や仕入先などの取引先の

多くは、東海地方に所在しており、この地域で大規模な災害が発生した場合、生産・納入活動が遅延・停止する可

能性があります。遅延・停止が長期間にわたる場合、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能

性があります。

 

(11) 退職給付債務

 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率などの数理計算上の前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は変更された場合は、将来の期間に認識される費用及び計上される債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 上記リスク等が予期せぬ事象を招き、生産活動及びその他事業の遂行に問題を生じさせる可能性があります。こ

れらの事象は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 当連結会計年度において、経営上の重要な契約等は行われておりません。

 

6【研究開発活動】

研究開発活動の基本方針

 当社グループでは、「お客様に信頼と満足をお届けする製品の開発」という基本的な考えのもと、当社独自の技術

や仕組みにより、世界のあらゆるお客様の期待に応えられる魅力的で高品質な商品開発に取り組んでおります。

その為に、年々高度化・多様化するお客様のニーズを先取りし、他社を凌駕する魅力的な技術・商品開発、及び

コア技術の更なる熟成を図っております。また、各地域統括会社が、それぞれの地域のニーズに即した製品開発を行

うことで、グループをあげて、グローバルマーケットを視野に入れた最適な開発体制を構築しております。

また、新興国市場の急激な拡大にも対応できる徹底した良品廉価活動による競争力の強化を進めてまいります。

 なお、当連結会計年度の研究開発費は、40,189百万円であり、セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであります。

①日本

 開発分野では、自動車用シートにおいてシートカバーとウレタンを金型内で同時に成形する「表皮一体発泡工法」

によるスポーツシートを新たに開発し、LEXUS新型ISのスポーティバージョン“F SPORT”に採用され

ました。

 このシートは理想的な凹面形状で、身体全体を包み込む優れたフィット感と高いホールド性を確保するとともに、

スリムかつ洗練されたシートデザインで高級感を実現しました。ベンチレーションシステムと乗員感知センサーを組

み込んだ表皮一体発泡工法は、世界初の技術です。

 新たな取り組みとして、当社の源流である繊維技術と自動車のシートカバー技術、内装空間のデザイン技術を応用

し、デザイン性に優れ、高級感のある住宅用内壁面装飾材「ヌノカベ」をトヨタホーム㈱と共同で開発いたしまし

た。当社が住宅用インテリア商品を開発・販売するのは、今回が初めてです。

 また、自動車用シートを通じて培った人間工学に基づく乗り心地や、高級車のシート開発・生産から得た最高品質

のモノづくり技術を活かし、鉄道車両用シートの開発にチャレンジし、東日本旅客鉄道㈱と西日本旅客鉄道㈱が共同

開発した、北陸新幹線の新型車両の「グランクラス」に初採用されました。

 研究開発分野では、100%植物由来樹脂と石油由来樹脂を高度複合(アロイ)化し、世界トップクラスの衝撃強度

を有する「バイオプラスチックアロイ」を実現する技術を㈱豊田中央研究所と共同開発いたしました。この技術の早期実用化を目指すとともに、今後も材料技術をはじめとした技術開発力の向上を図ってまいります。

 お客様のニーズを理解し、魅力的で快適、安全な移動空間を世界中のお客様に提供する為、今年度も多くの国内外

モーターショーや技術展示会に積極的に参加し、2013年9月には、フランクフルト国際モーターショーにも初出展いたしました。

 

②北中南米

 特に記載すべき事項はありません。

 

③アジア・オセアニア

 トヨタ紡織アジア㈱は、タイの富裕層やビジネスユース向けに、後部座席に上質で快適な乗り心地を創出するプレミアムシートパッケージ『ECZIO(エッツィオ)』を開発し、アフターマーケット商品として2014年3月より販売を開始いたしました。

 

④欧州・アフリカ

 欧州自動車メーカーからの初のシートビジネスとして、革新的次世代電気自動車BMW i3のフロントシートと

リアシートの開発を受託し、フロントシートバックフレームやシートカバーなどを開発いたしました。フロントシートバックフレームにプラスチック素材を使用することで、スリムなスタイリングを実現いたしました。

 

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」の注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 製品保証引当金

 当社グループは製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、将来支出が見込まれる額を計上しております。従って、実際の製品保証費は見積りと異なる場合があり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 退職給付に係る負債

 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。

③ 繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 概要

当連結会計年度における世界経済は、米国では緩やかな景気回復が持続しており、欧州では底打ちの兆しが見

え始めてまいりました。一方アジアを中心とする新興国の経済は伸び悩んでおり、回復は不透明な状況で推移し

てまいりました。また、日本経済においては、政府、日銀による積極的な財政、金融政策により円高が是正され

るなど、経済環境の改善が進み、景気は緩やかな回復基調で推移してまいりました。

自動車業界におきましては、米国では台数の伸びが見られるものの、新興国を始めとする他の地域では厳しい

状況が続いております。また、日本では消費税増税にともなう駆込み需要で販売は好調でしたが、その反動によ

る影響は依然として不透明な状況が続いております。

このような情勢の中で、当連結会計年度の売上高は、1,218,399百万円と前連結会計年度に比べ138,902百万円

(12.9%)の増収となりました。営業利益は、28,823百万円と前連結会計年度に比べ3,520百万円(13.9%)

の増益となりました。経常利益は、40,294百万円と前連結会計年度に比べ6,380百万円(18.8%)の増益とな

りました。当期純利益は、12,610百万円と前連結会計年度に比べ3,181百万円(△20.1%)の減益となりました。

② 売上高

 売上高は、北中南米地域での生産台数の増加や為替影響などにより、1,218,399百万円と前連結会計年度に比べ

138,902百万円(12.9%)の増収となりました。

③ 営業利益

 営業利益は、製品価格変動の影響、諸経費・研究開発費の増加などの減益要因はありましたが、合理化、増産

増収の影響などにより28,823百万円と前連結会計年度に比べ3,520百万円(13.9%)の増益となりました。

 ④ 営業外損益

 営業外収益は、受取保険金の増加などにより、16,328百万円と前連結会計年度に比べ3,448百万円(26.8%)の

増加となりました。

 営業外費用は、固定資産除却損の増加などにより、4,856百万円と前連結会計年度に比べ588百万円(13.8%)

の増加となりました。

 以上の結果、経常利益は、40,294百万円となり、売上高経常利益率は3.3%となりました。

⑤ 特別損益

 特別損益は、欧州・アフリカ地域の固定資産の減損損失などにより、4,871百万円を特別損失として計上しまし

た。

⑥ 法人税等及び法人税等調整額

 法人税等及び法人税等調整額は、14,662百万円と前連結会計年度に比べ3,454百万円(30.8%)の増加となりました。また、税金等調整前当期純利益に対する比率は、前連結会計年度の34.1%から41.4%となりました。

⑦ 少数株主利益

 少数株主利益は、主にアジア・オセアニアの連結子会社における利益の増加などにより、8,149百万円と前連結

会計年度に比べ2,318百万円(39.8%)の増加となりました。

⑧ 当期純利益

 当期純利益は、12,610百万円と前連結会計年度に比べ3,181百万円(△20.1%)の減益となりました。なお、

1株当たり当期純利益は68円05銭となりました。

 

(3) 資金の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

  営業活動の結果増加した現金及び現金同等物は49,590百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額

 14,441百万円、売上債権の増加12,195百万円などによる資金の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益

 35,422百万円、減価償却費36,302百万円などにより資金が増加したことによるものです。

  投資活動の結果減少した現金及び現金同等物は51,867百万円となりました。これは主に、有形固定資産の売却に

 よる収入3,687百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出3,505百万円はあったものの、有形固

 定資産の取得による支出51,112百万円、定期預金の預入による支出8,551百万円などにより資金が減少したことに

 よるものです。

  財務活動の結果減少した現金及び現金同等物は5,636百万円となりました。これは主に、社債の発行による収入

 20,000百万円はあったものの、長期借入金の返済による支出19,827百万円、少数株主への配当金の支払額5,408百

 万円などにより資金が減少したことによるものです。

② 資金需要

 当社グループの資金需要の主なものは、設備投資・出資などの長期資金需要と製品製造のための材料及び部品

購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。

③ 財務政策

 当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを

財務方針としております。設備投資・出資などの長期資金需要に対しては、内部留保、長期借入債務及び社債の発行により、また、運転資金需要には短期借入債務により対応しております。借入債務については、主に金融機

関からの借入によって調達しております。

 資金マネジメントについては、当社と海外子会社の資金管理の一元化を図るなかで、緊密な連携をとることに

より、グローバルな資金効率の向上を図っております。

 





出典: トヨタ紡織株式会社、2014-03-31 期 有価証券報告書