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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、先進国、とりわけ米国を中心に回復基調にありましたが、欧州はようやく始

まった持ち直しの動きが足踏み状態にあること、アジアでは中国経済が緩やかに減速を続けていることなどから、

世界経済の成長ペースは緩やかなものとなりました。また、日本経済におきましては、消費税増税による駆け込み需

要の反動を受けたものの、政府の経済政策や日銀の金融政策などの効果もあり、景気は緩やかな回復基調で推移して

まいりました。

自動車業界におきましては、米国では台数の伸びが見られるものの、新興国を始めとする他の地域では厳しい

状況が続いております。また、日本においては、消費税増税の反動による影響など、依然として不透明な状況が続い

ております。

このような情勢の中で当社グループといたしましては、豊田紡織㈱、アラコ㈱(内装事業)、タカニチ㈱の内装部

品3社が合併し、2014年で丸10年の節目を迎える中、「Quantum Leap(発想の飛躍)」の精神に基づき、

「情熱」と「執念」を持ち、「心をひとつ」にして全力で、企業価値の向上に取り組んでまいりました。また、

世界屈指のシートサプライヤーを目指す中で、シートを構成するシート骨格の技術力と専門性を強化するため、12月

にアイシン精機㈱とシロキ工業㈱からシート骨格機構部品の事業を当社が譲り受けることで3社が基本合意いたしま

した。

技術開発につきましては、コア技術である「高精度・高速プレス加工技術」を応用した生産工法により、

MIRAI(ミライ)に搭載される燃料電池の基幹部品を受注、生産開始したほか、デザインとホールド性を両立さ

せた「表皮一体発泡工法」によるシート開発の推進により、LEXUS新型車への採用を拡大してまいりました。

また、PM2.5にも対応した除塵、脱臭、抗菌機能に優れた高機能クリーンエアフィルター「プレミアム」を

㈱デンソーと共同開発いたしました。JR北陸新幹線「グランクラス」で採用されました鉄道車両用シートにつきま

しても、お客様から高い評価をいただいております。

生産体制強化につきましては、シートカバー競争力確保のため、縫製工程を新生産拠点に分離移転し、生産拠点

の最適化を図ってまいりました。既にトルコのTBソーテックトルコ㈲、ラオスのトヨタ紡織ラオス㈱、

中国の河源豊田紡織汽車部件㈲で生産しており、さらに、4月にはアルゼンチンにTBソーテックアルゼン

チン㈲(現ソーテックアルゼンチン㈲)を設立いたしました。また、TBAIポーランド㈲では、生産量の変動に応

じて長さを容易に短縮可能なユニットタイプのコンベアを新規採用し、生産効率を向上してまいりました。

収益体質強化につきましては、日本において採算改善委員会を、米国においては米州収益改善委員会を立上げ、

固定費や無駄な投資の削減に取り組んでまいりました。また、欧州においてはリバイバルプラン推進委員会にて、

組織統合による要員の最適化や、生産現場における収益改善などに取り組んでまいりました。

CSR活動の取組みといたしましては、お客様、株主、取引先、従業員、地域社会等、すべてのステークホル

ダーからの期待と信頼に応えるために、国際行動規範や各国・各地域の法令遵守、大規模災害へのリスク対

応、地域に根ざした社会貢献活動など、グローバルな規模で展開してまいりました。

環境活動といたしましては、「2015年環境取り組みプラン」に基づき、環境と事業活動が調和した持続可能な社

会の実現に貢献するため、グローバルでの環境教育の体系化と推進、CO2排出量削減の実施、次世代自動車に対応

した技術開発の推進などに力を入れ、グローバルな環境先進企業を目指してまいりました。

連結売上高につきましては、北中南米地域での生産台数の増加や為替の影響などにより、前連結会計年度に比べ

87,102百万円(7.1%)増加の1,305,502百万円となりました。利益につきましては、製品価格変動の影響、製品立

上げの影響などの減益要因はありましたが、合理化などの増益要因により、連結営業利益は、前連結会計年度に比べ

3,570百万円(12.4%)増加の32,393百万円、連結経常利益は、前連結会計年度に比べ796百万円(2.0%)増加の

41,091百万円となりました。連結当期純利益は、特別損失の計上などにより、前連結会計年度に比べ7,406百万円

(△58.7%)減少の5,204百万円となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

① 日本

当地域におきましては、生産台数は減少しましたが、車種構成の良化などにより、売上高は、前連結会計年度に比

べ17,464百万円(2.6%)増加の678,868百万円となりました。営業利益につきましては、車種構成良化の影響や合理

化などにより、前連結会計年度に比べ13,771百万円(165.9%)増加の22,072百万円となりました。

 

② 北中南米

当地域におきましては、生産台数の増加などにより、売上高は、前連結会計年度に比べ73,363百万円(34.2%)増

加の287,615百万円となりました。営業損失につきましては、増産の影響などはあったものの、製品立上げによる生

産準備費用の増加などにより、前連結会計年度に比べ641百万円増加の4,082百万円となりました。

 

③ アジア・オセアニア

当地域におきましては、中国における小型車へのシフトやタイでの生産台数の減少などにより、売上高は、前連結

会計年度に比べ9,813百万円(△3.0%)減少の312,982百万円となりました。営業利益につきましては、中国におけ

る車種構成悪化の影響やタイでの減産による影響などにより、前連結会計年度に比べ9,109百万円(△31.4%)減少

の19,927百万円となりました。

 

④ 欧州・アフリカ

当地域におきましては、生産台数の増加などにより、売上高は、前連結会計年度に比べ15,497百万円(17.9%)増

加の101,863百万円となりました。営業損失につきましては、増産や合理化などの影響はあったものの、子会社決算

期変更の影響や新製品の生産準備費用などにより、前連結会計年度に比べ609百万円増加の5,462百万円となりまし

た。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における連結ベースの現金及び現金同等物の期末残高は、143,493百万円と前連結会計年度末に比

べ16,845百万円(13.3%)の増加となりました。

営業活動の結果増加した現金及び現金同等物は65,536百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額11,678

百万円、仕入債務の減少3,926百万円などによる資金の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益24,834百万

円、減価償却費40,121百万円などにより資金が増加したことによるものです。

投資活動の結果減少した現金及び現金同等物は51,615百万円となりました。これは主に、有形固定資産の売却によ

る収入2,849百万円、定期預金の払戻による収入1,306百万円などによる資金の増加はありましたが、有形固定資産の

取得による支出54,962百万円、定期預金の預入による支出1,228百万円などにより資金が減少したことによるもので

す。

財務活動の結果増加した現金及び現金同等物は516百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による支

出6,677百万円などによる資金の減少はありましたが、短期借入金の純増額9,036百万円などにより資金が増加した

ことによるものです。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2014年4月1日

  至 2015年3月31日)

前年同期比(%)

日本(百万円)

646,335

2.1

北中南米(百万円)

268,558

32.1

アジア・オセアニア(百万円)

287,428

△2.5

欧州・アフリカ(百万円)

90,316

20.2

合計

1,292,639

7.2

 (注) 1 金額は、販売価格によっております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2) 受注状況

 当社グループは、主にトヨタ自動車株式会社をはじめとする各納入先より、四半期毎及び翌月の生産計画の提示を受け、生産能力を勘案して生産計画を立て生産しております。

(3) 販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2014年4月1日

  至 2015年3月31日)

前年同期比(%)

日本(百万円)

629,746

1.7

北中南米(百万円)

282,520

34.6

アジア・オセアニア(百万円)

294,872

△4.6

欧州・アフリカ(百万円)

98,363

22.5

合計

1,305,502

7.1

 (注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2013年4月1日

  至 2014年3月31日)

当連結会計年度

(自 2014年4月1日

  至 2015年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

393,265

32.3

382,208

29.3

トヨタ モーター エンジニアリング アンド マニュファクチャリング ノース アメリカ㈱

105,394

8.7

139,688

10.7

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

今後の世界経済の見通しにつきましては、世界景気は緩やかに拡大されると思われますが、中国の経済成長の減速

と、それによる周辺国への影響など先行き不透明な状況は変わりありません。また、日本経済においては消費税増税

に伴う駆け込み需要の反動の影響は和らぎ、企業収益は堅調に推移しましたが、個人消費には依然として弱さがあ

り、引続き予断を許さないものと考えます。

世界の自動車市場については、世界経済の成長にあわせて順調に拡大しており、この先も拡大する見込みでありま

すが、ますます競争は激化することが予想されます。このような中で当社グループは、2015年度、2016年度を持続的

な成長を図るための足元固めの期間と位置づけ、次の主要課題に取り組んでまいります。

① 体質強化の構築

・ 現場力強化によるQCDの向上(Quality品質、Cost価格、Delivery納期)

・ 米州、欧州地域の不採算事業の建て直し

・ ガバナンスの強化

② 成長するための商品力の強化

・ コアとなるシート事業の技術力強化

・ 付加価値の高い「もっといい商品」の開発、提供

 

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクに以下のようなものがありま

す。しかし、以下は当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載したリスク以外のリスクも存

在し、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2015年6月15日)現在において当社グループ

が判断したものであります。

 

(1) 経済状況等

  当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売、サービスの提供が含まれております。重要な部分

を占める自動車関連製品の需要は、製品・サービスを提供している国又は地域の経済状況の影響を受けることにな

ります。従って、日本、北中南米、アジア、欧州を含む当社グループの主要市場における景気後退及びそれに伴う

自動車需要の縮小は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 特定の取引先への依存

 当社グループは、自動車内装品をはじめとした各種自動車部品を主にトヨタ自動車株式会社に販売しており、当

連結会計年度の売上高に占める同社への割合は、29.3%となっております。そのため、同社の自動車販売動向に

よっては、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 なお、当連結会計年度末現在の同社による当社の議決権の所有割合は、直接所有割合39.8%、間接所有割合

0.1%であります。

 

(3) 国際的活動及び海外進出に潜在するリスク

 当社グループの生産及び販売活動は、日本をはじめ北中南米、アジア、欧州など幅広い市場で展開しているた

め、これらの地域市場への事業進出には各国諸事情の違いにより次のようないくつかのリスクが内在しておりま

す。

①予期しない法律または規制の変更

②不利な政治または経済要因の発生

③人材の採用・確保と労働問題に係るリスク

④不利な影響を及ぼす租税制度の変更

⑤テロ、戦争、その他要因による社会的混乱

 

(4) 為替レートの変動

 当社グループの事業には、全世界における製品の生産と販売、サービスの提供が含まれております。各地域にお

ける売上、費用、資産、負債を含む外貨建ての項目は、連結財務諸表作成のために円換算されております。これら

の項目は換算時の為替レートにより、現地通貨における価値が変わらなくても、円換算後の価値が影響を受ける可

能性があります。一般に、他の通貨に対する円高は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能

性があります。

 

(5) 価格競争

 自動車業界における価格競争はたいへん厳しいものとなっております。特に自動車メーカーからの価格引き下げ

要請は、近年特に強まってきております。

 また、当社グループは、技術、品質、価格に優れた製品を全世界に供給し、顧客の要望に対応できる企業と考え

ておりますが、将来においても有効に競争できるという保証はありません。これは当社グループの属している各製

品市場、地域市場において新しい競合先、既存の競合先間の提携により市場シェアを急速に拡大する可能性がある

ためです。価格面での圧力又は有効に競争できないことによる顧客離れは、当社グループの経営成績及び財務状況

に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 原材料、部品供給元への依存

 当社グループの生産は、原材料・部品を複数のグループ外供給元に依存しております。当社グループは、グルー

プ外供給元と取引基本契約を結び、原材料・部品の安定的な取引を安定的な生産の前提としておりますが、供給逼

迫による世界的な品不足や供給元の不慮の事故・大規模な震災などにより、原材料・部品の不足が生じないという

保証はありません。その場合、生産の遅れを招き、また、原価を上昇させる可能性があります。

 

(7) 新製品の開発力

 当社グループは、経営の基本理念の一つである「革新的な技術開発、製品開発に努め、お客様に喜ばれる、良い

商品を提供する」のもと、高度化・多様化する市場のニーズを先取りし、顧客の満足が得られるよう、新製品開発

に努めております。今後も継続して新製品を開発し、販売できると考えておりますが、そのプロセスは複雑かつ不

確実なものであり、以下をはじめとする様々なリスクがあります。

 ①新製品や新技術への投資に必要な資金と資源を、今後、十分充当できる保証はありません。

 ②長期的な投資と大量の資源投入が、成功する新製品又は新技術へつながる保証はありません。

 ③技術の急速な進歩と市場ニーズの変化により、当社グループの製品が時代遅れになる可能性があります。

 ④現在開発中の新技術の商品化の遅れにより、市場の需要について行けなくなる可能性があります。

(8) 知的財産権

 当社グループは、他社製品と差別化を図るため、技術とノウハウの蓄積と、これらの保護について努力を傾注し

ておりますが、特定の地域では知的財産権による完全な保護が困難であったり、又は、限定的にしか保護されない

状況にあります。そのため、第三者が当社グループの知的財産を使って類似した製品を製造することを防止できな

い可能性があります。また、他社が類似する、もしくは、当社グループより優れている技術を開発したり、当社グ

ループの特許や企業秘密を模倣又は解析調査することを防止できない可能性があります。さらに、当社グループは

他社の知的財産権に配慮しながら製品や技術の開発を行っておりますが、これらが将来的に他社の知的財産権を侵

害していると判断される可能性があります。

 

(9) 商品の欠陥

 当社グループは、経営の基本理念の一つに「クリーンで安全な商品を提供することを使命とし、地球環境保護を

重視した企業活動の推進」を掲げ、総力をあげて品質向上に取組んでおります。しかし、全ての製品について欠陥が無く、将来リコールや製造物責任賠償が発生しないという保証はありません。

 また、製造物責任賠償について、保険に加入しておりますが、この保険が最終的に負担する賠償額を完全にカ

バーできるという保証はありません。大規模なリコールや製造物責任賠償につながるような商品の欠陥は、多額のコストや当社グループの評価に重大な影響を及ぼし、売上の低下、収益の悪化などにより、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(10) 災害や停電等による影響

 当社グループは、製造中断によるマイナス影響を最小化するため、生産設備の定期的な検査、点検を行っており

ます。しかし、当社グループならびに仕入先企業の生産施設で発生する人的・自然的災害、停電などの中断事象に

よる影響を完全に防止又は軽減できる保証はありません。特に、当社グループの国内工場や仕入先などの取引先の

多くは、東海地方に所在しており、この地域で大規模な災害が発生した場合、生産・納入活動が遅延・停止する可

能性があります。遅延・停止が長期間にわたる場合、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能

性があります。

 

(11) 退職給付債務

 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、割引率などの数理計算上の前提条件や年金資産の長期期待運用収益率に基づいて算出されております。実際の結果が前提条件と異なる場合又は変更された場合は、将来の期間に認識される費用及び計上される債務に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 

 上記リスク等が予期せぬ事象を招き、生産活動及びその他事業の遂行に問題を生じさせる可能性があります。こ

れらの事象は、当社グループの経営成績及び財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

当社は、2014年12月19日開催の取締役会において、アイシン精機株式会社(以下、アイシン精機)とシロキ工業株

式会社(以下、シロキ工業)が、トヨタ自動車株式会社(以下、トヨタ自動車)または当社に供給しているシート

骨格機構部品事業を取得する基本合意書を締結することを決議し、締結いたしました。

 

(1)事業取得の理由

当社は、世界トップのシートメーカーに並ぶシートサプライヤーを目指す中で、シートを構成するシート骨

格の技術力と専門性を強化することが重要であると位置づけています。当社、アイシン精機、シロキ工業の3

社は、シート骨格部品の開発・生産においてそれぞれ事業活動を行う一方で、トヨタ自動車へ供給するシート

は、自動車内装部品をシステム開発する当社がシート全体をトヨタ自動車へ供給し、シート骨格を構成するリ

クライナー(背もたれ角度調整機構)やスライドレール(前後調整機構)などの機構部品は、アイシン精機及

びシロキ工業が部品を当社へ供給しています。

当社のシート骨格事業とアイシン精機、シロキ工業がトヨタ自動車へ供給するシート骨格機構部品の事業が

ひとつになることでさらに技術開発力を高め、自動車メーカーの多様なニーズに対して、より付加価値の高い

“もっといいシート”を供給することができると考え、当社よりシート骨格機構部品の事業取得を提案し、当

社、アイシン精機、シロキ工業の3社で議論を積み重ねた結果、今回の合意に至りました。

 

(2)事業取得の概要

当社は、アイシン精機、シロキ工業が保有するトヨタ自動車または当社に供給しているシート骨格機構部品の

開発・生産機能を当社に順次移管し、開発から生産までの一貫体制を構築いたします。各国の競争法に基づき必

要な手続及び対応が完了することを条件に、2015年中に開発機能を集約するとともに、生産機能を含めた譲渡内

容を決定します。

 

6【研究開発活動】

研究開発活動の基本方針

 当社グループでは、「お客様に信頼と満足をお届けする製品の開発」という基本的な考えのもと、当社独自の技術

や仕組みにより、世界のあらゆるお客様の期待に応えられる魅力的で高品質な商品開発に取り組んでおります。

そのために、年々高度化・多様化するお客様のニーズを先取りし、他社を凌駕する魅力的な技術・商品開発、

及びコア技術の更なる熟成を図っております。また、各地域統括会社が、それぞれの地域のニーズに即した製品

開発を行うことで、グループをあげて、グローバルマーケットを視野に入れた最適な開発体制を構築しております。

 また、新興国市場の急激な拡大にも対応できる徹底した良品廉価活動による競争力の強化を進めてまいります。

 なお、当連結会計年度の研究開発費は、38,821百万円であり、セグメント別の研究開発活動は、次のとおりであり

ます。

①日本

 燃料電池関連部品の「セパレーター」と「スタックマニホールド」が新型燃料電池自動車MIRAI(ミライ)に

採用されました。セパレーターについては当社独自の高精度・高速プレス加工技術により、発電効率向上に寄与して

おります。スタックマニホールドは大型アルミ部品と樹脂部品のインサート成形により薄型化され、燃料電池スタッ

クの小型化を実現しています。

 また、シートは理想的な形状と優れたフィット感とホールド性を実現する表皮一体発泡工法を活用しており、

MIRAIを含め計7車種まで採用が拡大されております。

 新たな取り組みとして、環境負荷軽減に寄与するエンジン部品「高性能小型オイルミストセパレーター」を開発し

ました。これによりエンジン性能維持、燃費向上、省スペース化、及び軽量化に貢献しております。

 また、「クリーンエアフィルタープレミアム」を㈱デンソーと共同開発しました。従来性能を維持しつつ、アレル

物質の抑制、脱臭(ペット臭)、ビタミンC放出機能を新たに追加しました。

 2015年1月には、フルモデルチェンジで進化したトヨタのアルファードとヴェルファイアに「エグゼクティブラ

ウンジシート」と「助手席スーパーロングスライドシート」が採用されました。助手席スーパーロングスライドシー

トは後席までの長いスライドを可能とし、ゆとりの空間を創出しています。

 

②北中南米

 特に記載すべき事項はありません。

 

③アジア・オセアニア

 豊田紡織(中国)有限公司は2015年3月に本社・R&Dセンター社屋を移転・拡充しました。新社屋の開発スペース

は旧社屋の約3倍で、さらなるビジネス拡大に向け、お客様の期待を超える製品をスピーディに開発・提案していき

ます。

 

④欧州・アフリカ

 特に記載すべき事項はありません。

 

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

 当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、第5「経理の状況」1「連結財務諸表等」(1)「連結財務諸表」の注記事項「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

① 製品保証引当金

 当社グループは製品のアフターサービスに対する費用の支出に備えるため、将来支出が見込まれる額を計上しております。従って、実際の製品保証費は見積りと異なる場合があり、将来の業績に影響を及ぼす可能性があります。

② 退職給付に係る負債

 従業員退職給付費用及び債務は、数理計算上で設定される前提条件に基づき算出されております。これらの前提条件には、割引率、発生した給付額、利息費用、年金資産の長期期待運用収益率、死亡率などの要素が含まれております。実際の結果がこれらの前提条件と異なる場合、又は前提条件が変更された場合、その影響は累積され、将来の会計期間にわたって償却されるため、将来の退職給付費用及び債務に影響を及ぼす可能性があります。

③ 繰延税金資産

 当社グループは、繰延税金資産について、その回収可能性を考慮して、評価性引当額を計上しております。評価性引当額を計上する際には、将来の課税所得を合理的に見積もっております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するので、その見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

① 概要

当連結会計年度における世界経済は、先進国、とりわけ米国を中心に回復基調にありましたが、欧州はようや

く始まった持ち直しの動きが足踏み状態にあること、アジアでは中国経済が緩やかに減速を続けていることなど

から、世界経済の成長ペースは緩やかなものとなりました。また、日本経済におきましては、消費税増税による

駆け込み需要の反動を受けたものの、政府の経済政策や日銀の金融政策などの効果もあり、景気は緩やかな回復

基調で推移してまいりました。

自動車業界におきましては、米国では台数の伸びが見られるものの、新興国を始めとする他の地域では厳しい

状況が続いております。また、日本においては、消費税増税の反動による影響など、依然として不透明な状況が

続いております。

このような情勢の中で、当連結会計年度の売上高は、1,305,502百万円と前連結会計年度に比べ87,102百万円

(7.1%)の増収となりました。営業利益は、32,393百万円と前連結会計年度に比べ3,570百万円(12.4%)

の増益となりました。経常利益は、41,091百万円と前連結会計年度に比べ796百万円(2.0%)の増益とな

りました。当期純利益は、特別損失の計上などにより、5,204百万円と前連結会計年度に比べ7,406百万円

(△58.7%)の減益となりました。

② 売上高

 売上高は、北中南米地域での生産台数の増加や為替の影響などにより、1,305,502百万円と前連結会計年度に比

べ87,102百万円(7.1%)の増収となりました。

③ 営業利益

 営業利益は、製品価格変動の影響、製品立上げの影響などの減益要因はありましたが、合理化などの増益要因により、32,393百万円と前連結会計年度に比べ3,570百万円(12.4%)の増益となりました。

④ 営業外損益

 営業外収益は、受取保険金の減少などにより、13,236百万円と前連結会計年度に比べ3,091百万円(△18.9%)

の減少となりました。

 営業外費用は、減価償却費の減少などにより、4,538百万円と前連結会計年度に比べ318百万円(△6.5%)

の減少となりました。

 以上の結果、経常利益は、41,091百万円となり、売上高経常利益率は3.1%となりました。

⑤ 特別損益

 特別損益は、主に北中南米及び欧州・アフリカ地域の固定資産の減損損失などにより、16,256百万円を特別損

失として計上しました。

⑥ 法人税等及び法人税等調整額

 法人税等及び法人税等調整額は、14,387百万円と前連結会計年度に比べ274百万円(△1.9%)の減少となりま

した。また、税金等調整前当期純利益に対する比率は、前連結会計年度の41.4%から57.9%となりました。

⑦ 少数株主利益

 少数株主利益は、主にアジア・オセアニアの連結子会社における利益の減少などにより、5,242百万円と前連結

会計年度に比べ2,906百万円(△35.7%)の減少となりました。

⑧ 当期純利益

 当期純利益は、5,204百万円と前連結会計年度に比べ7,406百万円(△58.7%)の減益となりました。なお、

1株当たり当期純利益は28円08銭となりました。

 

(3) 資金の財源及び資金の流動性についての分析

① キャッシュ・フロー

営業活動の結果増加した現金及び現金同等物は65,536百万円となりました。これは主に、法人税等の支払額

11,678百万円、仕入債務の減少3,926百万円などによる資金の減少はありましたが、税金等調整前当期純利益

24,834百万円、減価償却費40,121百万円などにより資金が増加したことによるものです。

投資活動の結果減少した現金及び現金同等物は51,615百万円となりました。これは主に、有形固定資産の売却

による収入2,849百万円、定期預金の払戻による収入1,306百万円などによる資金の増加はありましたが、有形固

定資産の取得による支出54,962百万円、定期預金の預入による支出1,228百万円などにより資金が減少したことに

よるものです。

財務活動の結果増加した現金及び現金同等物は516百万円となりました。これは主に、長期借入金の返済による

支出6,677百万円などによる資金の減少はありましたが、短期借入金の純増額9,036百万円などにより資金が増

加したことによるものです。

② 資金需要

 当社グループの資金需要の主なものは、設備投資・出資などの長期資金需要と製品製造のための材料及び部品

購入のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の運転資金需要であります。

③ 財務政策

 当社グループは、事業活動のための適切な資金調達、適切な流動性の維持及び財務構造の安定化を図ることを

財務方針としております。設備投資・出資などの長期資金需要に対しては、内部留保、長期借入債務及び社債の発行により、また、運転資金需要には短期借入債務により対応しております。借入債務については、主に金融機

関からの借入によって調達しております。

 資金マネジメントについては、当社と海外子会社の資金管理の一元化を図るなかで、緊密な連携をとることに

より、グローバルな資金効率の向上を図っております。

 





出典: トヨタ紡織株式会社、2015-03-31 期 有価証券報告書