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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度における日本経済は、昨年来景気を牽引してきた輸出や鉱工業生産の増勢に一服感がみられるものの、堅調な設備投資と改善傾向にある企業収益を背景とし、全体として景気は回復基調にあります。また、雇用面においても雇用者所得が下げ止まるなどの改善傾向を示しており、底堅く推移している個人消費を下支えしております。一方、金融面においては、企業金融を巡る環境は信用力の低い企業についてはなお厳しい状況にありますが、総じてみれば緩和状態が継続しており、その緩和効果が株式や不動産などの資産価格にプラスの影響を及ぼしております。特に不動産価格は二極化傾向にあるものの、収益性の高い物件の価格上昇が首都圏のみならず名古屋を始めとする大都市圏にまで及んできております。

企業活動においては経営効率を重視すると共に平成17年度から導入される減損会計を始めとする時価会計基準への強化などの影響から、企業の財務改善ニーズはますます強くなり、従来以上に企業のM&Aや企業再編の機会は拡大傾向にあります。また不動産業界においても、好調な不動産市況に相俟って日本版REIT(不動産投資信託)も急成長を続けており、今後も不動産流動化商品市場の拡大が見込まれます。

このような状況のもとで、「マーチャント・バンキング部門」は不動産流動化事業による投資収入が堅調に推移した他、不動産賃貸事業では積極的な新規テナント獲得や新規賃貸物件の取得に努めたこと、更に当連結会計年度より企業投資部門が売上・収益に貢献し始めたこと等により、売上高は1,495百万円となりました。

 

※営業投融資の会計処理について

 

  当社グループが営業投資目的で行う投融資(営業投融資)のうちについては、投資対象企業の企業価値向上を実現し、投資により保有した株式等の有価証券を将来的に売却することによる収益獲得を事業の目的としており、投資対象企業を傘下に入れることを目的とした投資でないため、子会社、または関係会社とはいたしません。従って、投資目的による投資勘定は全て流動資産(営業投資有価証券、営業貸付金)に計上し、関連損益は営業損益に計上いたします。

 

 当連結会計年度における、当該投資実績を投資の種類別に示しますと、次のとおりであります。

 

 

投資の種類の名称

当連結会計年度

 

(自 平成16年4月1日

  至 平成17年3月31日)

 

 

連結貸借対照表計上額(千円)

 

営業投資有価証券

3,808,863

 

 

 

上場株式

 

 

 

未上場株式

134,565

 

 

 

匿名組合出資金

3,674,298

 

 

営業貸付金

 

 

合 計

3,808,863

 

 

 

(注) 「営業投資有価証券」は、当社グループが直接投資により取得した有価証券及び、当社グループが設立した投資専門の特別目的会社(以下「投資用SPC」という。)に対する匿名組合出資金であります。

 

   「営業貸付金」は、当社グループの投資先、または投資用SPCに対する貸付金であります。

ボウリング事業に加えて、当連結会計年度にホテル、スイミングスクールを運営する株式会社アセット・オペレーターズが連結対象子法人になったことにより、「アミューズメント部門」より「ホスピタリティ&ウェルネス部門」に名称を変更しております。「ホスピタリティ&ウェルネス部門」では、ボウリング事業においてボウリング教室の充実、グループコンペの勧誘など販促活動に力点をおいて運営に当たり、また、当連結会計年度にホテル、スイミングスクールを運営する株式会社アセット・オペレーターズが連結子法人になったことにより、売上高は1,094百万円となりました。その他、中華人民共和国におけるその他事業については、小さいながらも買収した工場が操業を開始しており、売上高は20百万円となりました。

以上のような結果、当連結会計年度の売上高は2,610百万円となりました。また、経常利益につきましては934百万円、当期純利益586百万円となりました。

 

  ※当社は当連結会計年度が連結決算初年度のため、前年同期との比較を行っておりません。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、マーチャント・バンキング事業における営業投資有価証券及びたな卸資産への投資による支出があったものの、株式の発行による資金調達並びに長短借入金による資金調達を行ったことにより、852百万円となりました。

各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果使用した資金は、3,901百万円となりました。その主な要因は、営業利益は994百万円あったものの、営業投資有価証券(3,773百万円)及びたな卸資産(1,230百万円)への投資を積極的に行ったことによります。

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果使用した資金は、171百万円となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出が183百万円あったものの、投資有価証券の売却による収入166百万円、有形固定資産の売却による収入64百万円及び、定期預金の払戻による収入120百万円等によりそれをまかなったことによるものであります。

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果得られた資金は、3,591百万円となりました。その主な要因は、長期借入金の返済が1,658百万円あったものの、株式の発行による収入2,492百万円、短期借入金の増加額1,545百万円及び、長期借入金の借入による収入1,300百万円等によりそれをまかなったことによるものであります。

 

  ※当社は当連結会計年度が連結決算初年度のため、前年同期との比較を行っておりません。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

生産実績は、その他事業に実績はありますが、全セグメントの合計額に占める割合が低いため、記載を省略しております。

(2) 受注状況

主な受注は不動産流動化関連であり、極めて個別性の高い取引であるため、記載を省略しております。

(3) 販売実績

当社は当連結会計年度が連結決算初年度のため、前年同期との比較を行っておりません。

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントに示しますと、次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称

販売高(千円)

マーチャント・バンキング事業

1,495,231

ホスピタリティ&ウェルネス事業

1,094,857

その他事業

20,605

合計

2,610,694

(注) 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

当社グループはマーチャントバンク(投資銀行)としての展開を推進しており、今後も引き続き不動産流動化事業、企業投資事業に積極的に取り組んでいく方針でありますが、特に国内外の企業投資は外部環境の追い風もあり、昨年来、投資残高が急拡大しております。この状況を鑑み、当該事業体制を強化する目的で、平成17年度より「投資戦略委員会」を設置し、外部からマーチャント・バンキング事業の専門家を経営顧問として招聘する予定です。投資案件のファインディングやデュデリジェンスをはじめリーガル&コンプライアンスに至るまで従来以上に組織的に取り組む方針です。このような体制強化に努めながら、当社グループの不動産、金融ノウハウを活用することにより将来に向けて収益が見込まれる分野に積極的に参入し収益拡大を目指し、マーチャントバンク(投資銀行)としてグローバルな展開を図ってまいります。

一方、ホスピタリティ&ウェルネス事業では、ボウリング部門につきましては現下のデフレ不況を逆取りして庶民的で誰もが楽しめる健康的なスポーツとして人気を取り戻しつつありますので、この状況を大切に育てながら収益確保に結び付けていく所存であります。また、ホテル、スイミングスクール部門につきましても、日本が高齢化社会を迎え、余暇を通じて心身の健康を維持・向上するビジネスはまだまだ拡大の余地のあるマーケットと考え、今後は収益拡大が見込まれる事業については採算性を重視しつつ、M&Aや純投資を通じて新たな事業として取組んでまいりたいと考えております。

中華人民共和国におけるその他事業については、今後は中国の繊維事情を把握したうえで、次のステップとしてより採算性のよい工場の建設が必要という考えで取組んでまいります。また当繊維事業については、M&Aを活用しつつ拡充を図ることも選択肢として考えております。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成17年6月24日)現在において当社が判断したものであります。

(1) 不動産流動化物件の取得変動による業績リスク

当社のマーチャント・バンキング事業の中で、不動産流動化関連の売上はその対象となる不動産物件の集合であり、極めて個別性の高い取引であります。今後の不動産流動化商品市場はその拡大成長が見込まれており、また企業においても経営効率を重視すると共に平成17年度から導入される減損会計や時価会計の影響を受け、今後企業の財務内容改善ニーズはますます強くなると思われます。

このようなフォーローの風が吹く市場環境ではありますが、競合他社との熾烈な物件発掘競争、入札競争を勝ち抜いて物件の取得に至ります。当社が予定した程の物件が取得できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 災害等の影響による業績リスク

当社はマーチャント・バンキング事業の中で、不動産ファンドに複数の匿名出資をしております。現状、ファンドに組み込まれたそれぞれの物件は北海道、東北、関東、中部、関西、のエリアにありますが、この地域が大規模な地震や津波等の災害に見舞われて物件の価値が毀損し出資金が回収で出来ない場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また賃貸事業においても、名古屋、熊本、東京地区にそれぞれ賃貸物件を所有しておりますが、大規模な災害に見舞われて物件価値が毀損し賃料収入が見込めなくなる場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 賃貸事業におけるテナント変動による業績リスク

当社のマーチャント・バンキング事業の中で、賃貸事業を名古屋、熊本、東京地区において行っております。これら賃貸物件と同じ商圏の中で、賃貸物件の新規供給あるいは賃料相場の急激な変動等の要因でテナントが退去し賃料収入が減少する場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) ホスピタリティ&ウェルネス事業における競合店の出現による業績リスク

当社グループのホスピタリティ&ウェルネス事業の中で、ボウリングセンターを岐阜県と静岡県で、ホテル及びスイミングスクールを大阪府で展開しております。これらと同じ商圏の中で、新規にボウリングセンター、ホテル、スイミングスクールのオープンがあるような場合、顧客の争奪戦がおこり、当社が期待するほどの収入を得ることが出来ず、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 特有の法的規制等によるリスク

当社グループの主要な事業にかかる法的規制は以下のとおりであります。当社グループでは、法的規制の遵守を徹底しており、これまで行政処分を受けたことはありませんが、今後、何らかの理由により当社グループが行政処分を受けた場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

① 宅地建物取引業法

不動産の販売、賃貸、仲介を行うには「宅地建物取引業法」に基づく免許が必要であり、当社は同免許を取得しております(愛知県知事(1)第19802号)が、何らかの理由により業務停止命令あるいは免許取消処分を受けた場合等には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

 

② 貸金業の規制等に関する法律

金融機関を含めた外部関係者との資金調達に係る調整業務を行うため、貸金斡旋業にあたる可能性があるとの考えから、「貸金業の規制等に関する法律」に基づく登録が必要であり、当社は同登録を行っております(登録番号:愛知県知事(1)第03936号)が、何らかの理由により業務停止命令あるいは免許取消処分を受けた場合等には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

③ 信託業法

平成16年12月30日に施行された信託業法の改正により、信託の受益権の販売又はその代理若しくは媒介を行う営業を営む場合には「信託業法」に基づく内閣総理大臣の登録が必要であり、当社は同登録を行っております(登録番号:東海財務局長(売信)第6号)が、何らかの理由により業務改善命令あるいは登録取消処分を受けた場合等には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

④ 資産の流動化に関する法律

日本国内においてSPC(特別目的会社)を設立するには、「資産の流動化に関する法律」に基づく特定目的会社、商法に基づく株式会社、有限会社法に基づく有限会社のいずれかを利用することになります。「資産の流動化に関する法律」上の特定目的会社を設立して、資産流動化を行う場合には、「資産の流動化に関する法律」の規制を受けることになります。  

なお当社は、SPC法上の特定目的会社を利用するスキームはとっていないため、同法の制約を直接受けることはありません。

⑤ 不動産特定共同事業法

任意組合型、匿名組合型、共有持分による賃貸型で、複数の投資家から出資を募り、現物不動産への投資を行い共同で資産を運用し、当該事業から得られた収益を投資家に分配する事業を行う場合には、「不動産特定共同事業法」の規制を受けることになり、内閣総理大臣及び国土交通大臣の許可を受ける必要があります。なお、当社グループが行っているファンド業務につきましては、商法上の匿名組合を利用し、投資家の資金を不動産信託受益権に投資するストラクチャーであるため、同法の制約を直接受けることはありません。 

⑥ ボウリング事業

ボウリング場を運営するには、「不当景品類及び不当表示防止法」や「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」等の規制を受けます。

⑦ ホテル事業

ホテルを営業するには、「旅館業法」に基づく営業許可及び「建築基準法」、「消防法」等関連法令の規制を受けます。

⑧ スイミングスクール事業

プールの施設の建設は、「建築基準法」において、工業地域、準工業地域、商業地域、近隣商業地域、準住居地域、第二種住居地域では、条件付で認められております。また、プールを営業するには、各地条例により営業許可が必要になります。

(6) 海外での事業活動に係るリスク

当社グループは、中華人民共和国の企業への投資及び、同国にあります子会社である佛山南海新日紡紡織服飾有限公司が工場を操業しております。当該国の政治、経済、治安等について、状況の変化によっては、円滑な投資資金の回収、工場の操業に支障をきたす可能性があります。

(7) 小規模組織であることのリスク

当社は、平成17年3月31日現在、取締役7名、監査役4名、従業員10名と小規模組織であります。内部管理体制もこのような規模に応じたものとなっております。当社では今後事業の拡大にともない、外部からの採用を含めた人材育成に努め、内部管理体制及び業務遂行体制の一層の充実を図る方針であります。

しかしながら、将来的に適切かつ十分な人材の確保、育成ができなかった場合には、人材の不足等により、当社の事業活動に支障が生じる可能性があります。

 

(8) 発行済株式総数の過半数を所有する親会社の支配下にあるリスク

当社は、当社の発行株式総数の58.19%(平成17年3月31日現在)の議決権を所有する実質の親会社アセット・マネジャーズ株式会社の支配下にあります。当社の主力事業となっているマーチャント・バンキング事業については、当社のみならず親会社および親会社グループの不動産、金融ノウハウも活用して展開をしております。

この親子関係に変化が生じた場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

特記事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

特記事項はありません。

 

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

なお、第81期より連結財務諸表を作成しております。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループは、この連結財務諸表の作成にあたって、有価証券の減損、減価償却資産の耐用年数の設定、税効果会計等に関して、過去の実績や当該取引の状況に応じて、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債や収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しております。

(2)財政状態の分析

① 資産

提出会社の有価証券、営業投資有価証券及びたな卸資産の増加等により、当連結会計年度末の資産合計は11,492百万円となりました。

② 負債

提出会社の短期借入金増加等により、当連結会計年度末の負債合計は5,196百万円となりました。

③ 資本

提出会社の株主割当増資、第三者割当増資2,519百万円により、当連結会計年度末の資本合計は6,296百万円となりました。

(3)経営成績の分析

① 売上高

売上高は2,610百万円となりました。マーチャント・バンキング事業における、不動産ファンドの投資資産残高が増加したことにより、不動産ファンドに対する自己投資ポジションに係る配当収入が大幅に増加いたしました。さらには事業再生型M&Aにより取得したホテルやスイミングスクール等の運営を手がけるなど、当社グループの事業規模は大幅に拡大いたしました。

② 売上原価、販売費及び一般管理費

ボウリング部門に加え、事業再生型M&Aにより取得したホテルやスイミングスクール等の運営を手がけるなど、当社グループの事業規模が大幅に拡大したことに伴い、売上原価は714百万円、販売費及び一般管理費については、901百万円となました。

③ 営業利益

上記の結果、当連結会計年度の営業利益は994百万円となりました。

④ 営業外損益

持分法による投資利益23百万円などにより、営業外収益については35百万円となりました。営業外費用については、事業規模拡大により借入金の支払利息が65百万円となる等、合計で95百万円となりました。

⑤ 特別損益

特別利益については、当連結会計年度は73百万円となりました。これは、当社が保有する投資有価証券の一部を売却したことによる売却益73百万円等によるものであります。特別損失については、1百万円を計上いたしましたが、固定資産の除却によるものであります。

⑥ 法人税等

当連結会計年度の法人税等は、420百万円となりました。

 

(4)資金の源泉及び流動性

① キャッシュ・フロー分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

② 資金需要

当社グループの資金需要は、おもにマーチャント・バンク(投資銀行)としての企業価値向上を目的としたM&A事業や不動産ファンド事業における投資資金であります。

 





出典: マーチャント・バンカーズ株式会社、2005-03-31 期 有価証券報告書