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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国の経済環境は、昨年来景気を牽引してきている輸出や鉱工業生産が引き続き高水準で推移する下で、堅調な設備投資と好調な企業収益を背景とし、着実に景気は回復基調にあります。この景気回復を反映し、雇用者所得も緩やかに増加し、個人消費も着実に改善傾向にあります。一方、金融面においては、日銀が5年ぶりに量的金融緩和政策を解除する等の動きは見られるものの、総じてみれば緩和状態が継続しており、株式や不動産などの資産価格に引き続きプラスの影響を及ぼしております。ただ、近時、金融庁が、金融機関の不動産融資に係る監視を強化する傾向にある等の変化も出てきており、国内の不動産市況への影響が懸念されます。

企業活動においては、新会社法制定に伴う内部統制システム構築等のコーポレート・ガバナンスが強化される一方で、市場の競争原理に基づく柔軟な経営活動をサポートする様々な制度が導入可能となり、従来以上に企業のM&Aや再編の機会は拡大傾向にあります。また、不動産業界においては、好調な不動産市況に相俟って日本版REIT(不動産投資信託)も急成長を続けており、今後も不動産流動化市場の拡大が見込まれます。

このような環境下におきまして、当社の企業・不動産投資を中心とするマーチャント・バンキング事業は、ますますビジネス機会が増加しております。特に、企業投資においては、当社の強みであるマーチャント・バンク事業のノウハウ及び情報ネットワークを活用し、日本国内のみならずアジアを中心とする海外案件も含め、投資残高及び投資収益は急拡大しております。

    当連結会計年度におけるマーチャント・バンキング事業は、一昨年から投資を開始した国内外の企業投資部門が本格的に収益に貢献し始めた他、不動産投資事業や不動産賃貸事業による投資収益も引き続き堅調に推移し、従来から目標としておりました企業投資と不動産投資のバランスが取れた収益構造の実現を達成することができました。その結果、マーチャント・バンキング事業の売上高につきましては、前年同期比289.8%増の5,829百万円、営業利益につきましては、前年同期比109.1%増の2,483百万円となりました。

    ホスピタリティ&ウェルネス事業につきましては、当連結会計年度にボウリング事業を当社子会社である株式会社アセット・オペレーターズに営業譲渡し、同社にホスピタリティ&ウェルネス事業を集約し、経営の効率化を図った他、昨年7月にボウリング&アミューズメント施設「AMPLEX坂東」(茨城県坂東市)、昨年12月にホテル「JALシティ松山」(愛媛県松山市)の施設が新たに加わり、着実に事業の拡充を進めております。また、当連結会計年度から、ホテル・スイミング事業の収益が通期計上となったこともあり、ホスピタリティ&ウェルネス事業の売上高につきましては、前年同期比138.1%増の2,606百万円、営業利益につきましては147百万円(前期は営業損失33百万円)となりました。

    その他事業につきましては、中華人民共和国における繊維事業の売上高が83百万円となりました。

    以上の結果当連結会計年度における売上高につきましては、前年同期比216.5%増の8,264百万円、営業利益につきましては、前年同期比110.6%増の2,094百万円となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、マーチャント・バンキング事業における営業投資有価証券、営業出資金及びたな卸資産への投資による支出があったものの、株式の発行による資金調達並びに長短借入金による資金調達、社債発行による資金調達を行ったことにより、2,774百万円となりました。

    各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

なお、当社は前連結会計年度から連結財務諸表を作成しており、ホテル・スイミング事業が前連結会計年度途中からの連結対象となり通期計上でないため、前年同期対比をしておりません。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

    営業活動の結果、使用した資金は、6,660百万円となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益が2,001百万円ある一方で、積極的な投資活動により、営業投資有価証券が4,272百万円、営業出資金が3,104百万円、たな卸資産が929百万円それぞれ増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

    投資活動の結果、使用した資金は、1,058百万円となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出683百万円、投資有価証券に取得による支出216百万円、長期貸付による支出183百万円、及び敷金保証金の差入による支出70百万円によるものであります。なお、当社は不動産、企業への投資を主な営業活動としており、そのための資金使途は営業活動によるキャッシュ・フローに区分しております。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

    財務活動の結果、得られた資金は、9,629百万円となりました。その主な要因は、長期借入金の返済673百万円を行う一方で、新株予約権付社債の発行による収入4,987百万円及び、株式の新規発行による収入2,321百万円、短期借入金1,674百万円、長期借入金1,542百万円の借入がなされたことによるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

生産実績は、その他事業に実績はありますが、全セグメントの合計額に占める割合が低いため、記載を省略しております。

(2) 受注状況

主な受注は不動産流動化関連であり、極めて個別性の高い取引であるため、記載を省略しております。

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントに示しますと、次のとおりであります。

 

事業の種類別セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

マーチャント・バンキング事業

5,574,015

272.8

ホスピタリティ&ウェルネス事業

2,606,697

138.1

その他事業

83,429

304.9

合計

8,264,141

216.5

(注) 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

   当社グループは、国内外の企業投資及び不動産投資から成るマーチャント・バンキング事業を、コア事業部門と位置づけておりますが、当事業は外部環境の追い風もあり、投資残高と投資収益はともに急拡大してきております。この状況に鑑み、当事業の執行・管理体制を強化する目的で、平成17年6月より「投資戦略委員会」を設置し、外部からマーチャント・バンキング事業の専門家を、当社の経営顧問として招聘し、投資案件の全プロセスにおいて、組織的に投資事業の運営・管理の強化に取り組んでおります。

   また、平成19年3月期より取締役会の内部組織として、社長を委員長として、社内委員及び外部の弁護士や公認会計士等の社外委員から構成される「コンプライアンス・リスク管理委員会」を設置しました。本年5月に施行された新会社法の下で、マーチャント・バンキング事業を中心に当社グループ全体に係るコンプライアンスやリスクの内部統制システムの強化を図ります。このような管理強化に努めながら、当社グループの金融・不動産ノウハウを活用することにより、将来に向けて収益が見込まれる分野に積極的に参入し、当社が経営目標として掲げる「グローバル・マーチャント・バンキング」事業への展開・拡充を図り、株主の皆様の期待に応えていく所存であります。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、株価及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成18年6月27日)現在において当社が判断したものであります。

(1) 不動産流動化物件の取得変動による業績リスク

当社のマーチャント・バンキング事業の中で、不動産流動化関連の売上はその対象となる不動産物件の集合であり、極めて個別性の高い取引であります。今後の不動産流動化商品市場はその拡大成長が見込まれており、また企業においても経営効率を重視すると共に平成17年度に導入された減損会計や時価会計の影響を受け、今後企業の財務内容改善ニーズはますます強くなると思われます。

このようなフォーローの風が吹く市場環境ではありますが、競合他社との熾烈な物件発掘競争、入札競争を勝ち抜いて物件の取得に至ります。当社が予定した程の物件が取得できない場合には、当社グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 災害等の影響による業績リスク

当社はマーチャント・バンキング事業の中で、不動産ファンドに複数の匿名組合出資をしております。現状、ファンドに組み込まれたそれぞれの物件は関東、中部、関西、中国、四国、九州のエリアにありますが、この地域が大規模な地震や津波等の災害に見舞われて物件の価値が毀損し出資金が回収で出来ない場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また賃貸事業においても、名古屋、熊本、関東地区にそれぞれ賃貸物件を所有しておりますが、大規模な災害に見舞われて物件価値が毀損し賃料収入が見込めなくなる場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 賃貸事業におけるテナント変動による業績リスク

当社のマーチャント・バンキング事業の中で、賃貸事業を名古屋、熊本、関東地区において行っております。これら賃貸物件と同じ商圏の中で、賃貸物件の新規供給あるいは賃料相場の急激な変動等の要因でテナントが退去し賃料収入が減少する場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(4) ホスピタリティ&ウェルネス事業における競合店の出現による業績リスク

当社グループのホスピタリティ&ウェルネス事業の中で、ボウリングセンターを岐阜県と静岡県、茨城県で、ホテルを大阪府と愛媛県で、またスイミング・スクールを大阪府で展開しております。これらと同じ商圏の中で、新規にボウリングセンター、ホテル、スイミング・スクールのオープンがあるような場合、顧客の争奪戦がおこり、当社が期待するほどの収入を得ることが出来ず、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

(5) 特有の法的規制等によるリスク

       当社グループの主要な事業にかかる法的規制は以下のとおりであります。当社グループでは、

法的規制の遵守を徹底しており、これまで行政処分を受けたことはありませんが、今後、何らかの理由により当社グループが行政処分を受けた場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

宅地建物取引業法

           不動産の販売、賃貸、仲介を行うには「宅地建物取引業法」に基づく免許が必要であり、当社は同免許を取得しております(愛知県知事(1)第19802号)が、何らかの理由により業務停止命令あるいは免許取消処分を受けた場合等には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

貸金業の規制等に関する法律

 金融機関を含めた外部関係者との資金調達に係る調整業務を行うため、貸金斡旋業にあたる可能性があるとの考えから、「貸金業の規制等に関する法律」に基づく登録が必要であり、当社は同登録を行っております(登録番号:愛知県知事(1)第03936号)が、何らかの理由により業務停止命令あるいは免許取消処分を受けた場合等には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

信託業法

      平成16年12月30日に施行された信託業法の改正により、信託の受益権の販売又はその代理若しくは媒介を行う営業を営む場合には「信託業法」に基づく内閣総理大臣の登録が必要であり、当社は同登録を行っております(登録番号:東海財務局長(売信)第6号)が、何らかの理由により業務改善命令あるいは登録取消処分を受けた場合等には、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。

④資産の流動化に関する法律

      日本国内においてSPC(特別目的会社)を設立するには、「資産の流動化に関する法律」に基づく特定目的会社、旧商法に基づく株式会社、旧有限会社法に基づく有限会社のいずれかを利用することになります。「資産の流動化に関する法律」上の特定目的会社を設立して、資産流動化を行う場合には、「資産の流動化に関する法律」の規制を受けることになります。  

なお当社は、SPC法上の特定目的会社を利用するスキームはとっていないため、同法の制約を直接受けることはありません。

ボウリング事業

      ボウリング場を運営するには、「不当景品類及び不当表示防止法」や「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」等の規制を受けます。

ホテル事業

      ホテルを営業するには、「旅館業法」に基づく営業許可及び「建築基準法」、「消防法」等関連法令の規制を受けます。

スイミング・スクール事業

   プールの施設の建設は、「建築基準法」において、工業地域、準工業地域、商業地域、近隣商業地域、準住居地域、第二種住居地域では、条件付で認められております。また、プールを営業するには、各地条例により営業許可が必要になります。

(6)  海外での事業活動に係るリスク

   当社グループは、中華人民共和国の企業への投資及び、同国にあります子会社である佛山南海新日紡紡織服飾有限公司が工場を操業しております。当該国の政治、経済、治安等について、状況の変化によっては、円滑な投資資金の回収、工場の操業に支障をきたす可能性があります。

 (7) 小規模組織であることのリスク

当社は、平成18年3月31日現在、取締役6名、監査役4名、従業員7名と小規模組織であります。内部管理体制もこのような規模に応じたものとなっております。当社では今後事業の拡大にともない、外部からの採用を含めた人材育成に努め、内部管理体制及び業務遂行体制の一層の充実を図る方針であります。

しかしながら、将来的に適切かつ十分な人材の確保、育成ができなかった場合には、人材の不足等により、当社の事業活動に支障が生じる可能性があります。

(8) 発行済株式総数の過半数を所有する親会社の支配下にあるリスク

当社は、当社の発行済株式総数の54.87%(平成18年3月31日現在)の議決権を所有する実質の親会社アセット・マネジャーズ株式会社の支配下にあります。当社の主力事業となっているマーチャント・バンキング事業については、当社のみならず親会社および親会社グループの不動産、金融ノウハウも活用して展開をしております。

この親子関係に変化が生じた場合には、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

平成18年5月31日に、株式会社石野コーポレーションの株式の100%を取得し、子会社といたしました。

詳細は「重要な後発事象」参照。

 

 

6 【研究開発活動】

特記事項はありません。

 

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループは、この連結財務諸表の作成にあたって、有価証券の減損、減価償却資産の耐用年数の設定、税効果会計等に関して、過去の実績や当該取引の状況に応じて、合理的と考えられる見積り及び判断を行い、その結果を資産・負債や収益・費用の金額に反映して連結財務諸表を作成しております。

(2)財政状態の分析

資産

当社の有価証券、営業投資有価証券、営業出資金及びたな卸資産の増加等により、当連結会計年度末の資産合計は23,294百万円となりました。

負債

当社の短期借入金及び新株予約権付社債の増加等により、当連結会計年度末の負債合計は12,528百万円となりました。

資本

当社の第三者割当増資2,340百万円、新株予約権付社債の転換975百万円により、当連結会計年度末の資本合計は10,766百万円となりました。

(3)経営成績の分析

①売上高

売上高は8,264百万円となりました。マーチャント・バンキング事業において、一昨年から投資を開始した国内外の企業投資部門が本格的に貢献し始めた他、不動産投資事業や不動産賃貸事業による投資収益も引き続き堅調に推移し、また、ホテル、スイミング事業の収益が通期計上となったこと等により大幅に増加いたしました。さらには新たに取得したホテルやアミューズメント施設により、当社グループの事業規模は大幅に拡大いたしました。

売上原価、販売費及び一般管理費

ホテル及びスイミング事業が通期計上となったことと、新たに取得したホテルやアミューズメント施設の運営を手がけるなど、当社グループの事業規模が大幅に拡大したことに伴い、売上原価は4,063百万円、販売費及び一般管理費については、2,106百万円となました。

営業利益

上記の結果、当連結会計年度の営業利益は2,094百万円となりました。

営業外損益

免税事業者消費税等による収益37百万円などにより、営業外収益については61百万円となりました。営業外費用については、事業規模拡大により借入金の支払利息が138百万円となる等、合計で197百万円となりました。

特別損益

特別利益については、当連結会計年度は71百万円となりました。これは、当社が保有する投資有価証券の一部を売却したことによる売却益70百万円等によるものであります。特別損失については、27百万円を計上いたしましたが、役員退職慰労金、前期損益修正損によるものであります。

法人税等

当連結会計年度の法人税等は、842百万円となりました。

   ⑦当期純利益

     税金等調整前当期純利益は2,001百万円となり、税効果会計適用後の法人税等負担額は842百万円となりました。その結果、当連結会計年度における当期純利益は1,159百万円となりました。

 

 

(4)資金の源泉及び流動性

キャッシュ・フロー分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

資金需要

当社グループの資金需要は、おもにマーチャント・バンク(投資銀行)としての企業価値向上を目的としたM&A事業や不動産投資事業における投資資金であります。

 

 





出典: マーチャント・バンカーズ株式会社、2006-03-31 期 有価証券報告書