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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、中国を中心にしたアジア経済の好調、米国景気の堅調な動きを背景に、輸出の増加、企業収益の着実な改善、設備投資の拡大など、景気回復の兆しが見えるようになりました。しかし後半には原油をはじめとする国際的な原料市況の高騰が進み、年金問題など国民生活の将来展望が開けないために個人消費も盛り上がりを欠き、さらにデジタル製品の需給調整、為替の円高傾向と回復テンポが踊り場にさしかかることとなりました。

こうした状況のなか、当企業グループは、繊維資材分野の拡大を目指して、生産・開発・販売を一体化させ、独自性の高い加工技術を活用した商品開発と販売促進に努力致しました。一方で委託受注における重要商品の維持拡大にも力を注ぎ、スパンデックス編物、交織裏地、起毛商品では増加が見られましたが、第4四半期に入ってからの全般的な商況低調化によって、苦戦を強いられました。生産部門では、燃料をはじめとする諸資材の調達コストの上昇がありましたが、地道なコストダウン活動、仕損費低減、生産の効率化などに取り組みました。

その結果、当連結会計年度の売上高は93億47百万円と前年同期と比べ1億74百万円(1.8%)の減収となりましたが、営業利益は2億89百万円と前年同期と比べ1億37百万円(90.3%)の増益、経常利益は3億98百万円と前年同期と比べ1億44百万円(57.2%)の増益、当期純利益は1億71百万円と前年同期と比べ19百万円(12.7%)の増益となりました。

事業部門別の業績は次のとおりであります。

委託加工部門 染色加工業界では相変わらず海外への進出、国内でも事業の再編成が進み始め、その結果染色加工高の減少が継続しております。また輸入攻勢も衰えることはなく、特に第4四半期に入ってからの冬物市況の低迷などから商況は厳しい局面を迎えるに到りました。この結果、委託加工部門全体として63億16百万円と前年同期比3.2%の減収となりました。

委託加工部門の品種別販売実績は次のとおりであります。

化繊織物  裏地分野において、郊外店向けのメンズスーツ用交織裏地が好調に推移いたしましたが、レディス向けは全般に低調に終わりました。セルロース系素材のアウター分野では、海外品の激しい流入と濃厚な在庫調整気配により、受注は底割れとなりました。この結果、化繊織物全体として、前年同期比10.1%の減収となりました。

合繊織物  合繊織物では、厳しさが継続したままの市況の中で、湿式コーティングやボンデイング加工による機能商品、差別化商品、用途的には資材分野、スポーツ分野の拡大に努力致しました。しかしながら、加工単価の底上げはできたものの、受注高は低迷したままで終わりました。この結果、合繊織物全体として、前年同期比11.6%の減収となりました。

編物    車両資材分野においては、メインシートでは若干の伸びが見られましたが、天井材や共用布などが大きく落ち込みました。車輌以外の起毛加工では椅子張り用などの資材関連が貢献したことから、起毛としては久しぶりに上向きとなりました。また、一般衣料や芯地は低迷致しましたが、スパンデックス混のストレッチ編み物が活況を呈しました。この結果、編物全体として、前年同期比5.8%の増収となりました。

 

製品販売部門 資材分野の印刷基布が堅調に推移したほか、カバン、バッグ用素材の立ち上がりなどもあって強含みで推移致しました。スポーツ分野では二層ラミネート素材によるアウトドア用途を中心に売上を伸ばしました。衣料分野では「ドゥース・シリーズ」や「ナノペル」加工などに若干の健闘がみられたものの、厳しい市場環境の中で大幅な売上減少となりました。この結果、製品販売部門全体の売上高は24億55百万円と前年同期比0.1%の減収となりました。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ73百万円増加し7億9百万円となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益及び、非資金損益項目である減価償却費等により、5億89百万円の資金増加(前連結会計年度は4億84百万円の資金増加)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得及び従業員貸付による支払い等により6億82百万円の資金減少(前連結会計年度は4億13百万円の資金減少)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の借入により1億66百万円の資金増加(前連結会計年度は1億95百万円の資金減少)となりました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を品種別に示すと、次のとおりであります。

品種別

当連結会計年度

(自 平成16年4月1日

至 平成17年3月31日)

生産高(千m)

 

前年同期比(%)

織物

化繊

28,840

 

△6.4

合繊

16,996

 

△10.0

編物

16,061

 

0.4

合計

61,897

 

△5.8

(注) 製品販売部門の加工数量を加えております。

 

(2) 受注状況

当連結会計年度における受注状況を品種別に示すと、次のとおりであります。

品種別

当連結会計年度

(自 平成16年4月1日

至 平成17年3月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

織物

化繊

2,216,752

△10.7

64,560

11.2

合繊

1,806,242

△3.4

144,290

△9.8

編物

3,369,868

11.4

219,002

27.1

合計

7,392,862

0.2

427,852

9.6

(注) 1 金額は、製品販売部門の加工料相当分を加えております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業部門別、品種別に示すと、次のとおりであります。

部門

品種別

当連結会計年度

(自 平成16年4月1日

至 平成17年3月31日)

販売高(千円)

 

前年同期比(%)

委託加工部門

織物

化繊

2,107,711

 

△10.1

合繊

1,109,525

 

△11.6

編物

3,098,805

 

5.8

6,316,040

 

△3.2

販売部門

2,455,447

 

△0.1

その他

576,212

 

7.0

合計

9,347,699

 

△1.8

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

旭化成せんい株式会社

1,598,643

16.8

1,538,639

16.4

 

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、

『自主性ある高付加価値企業をめざそう』

・地球環境にやさしい企業活動で、我が社の存在感を高めよう

・全社員が営業意識を持って行動しよう

を基本理念として、

①自社販売の強化

②委託部門における主力商品の維持・強化

③商品開発力の強化

④コストダウンの推進

という4項目を基本的な行動方針として、事業活動を続けてまいり、昨今の激変する事業環境に対応しながら、さらなる収益向上とその維持・継続に努める所存であります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

下記事項には,将来に関するものが含まれるが,当該事項は有価証券報告書提出日(平成17年6月29日)現在において判断したものであり,事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

(1)原油等の高騰による影響

当社グループは、製品製造におけるエネルギー源として重油、LPG等を使用し、また原材料として原油・ナフサを粗原料とする合繊織編物(生機)・染料・薬品の使用など、原油に対する依存度が非常に大きいコスト構造になっています。現時点における不安定な中東情勢の動向および、中国を筆頭とする需要逼迫による原油・ナフサおよび天然ガスの更なる高騰は、製品コストの上昇要因となって当社グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2)貸倒れリスク

当社グループの繊維業界におきましては、大手繊維メーカー各社の事業構造の改革、国内生産拠点の見直し、繊維分野そのものの縮小、撤退が進み、国内繊維産業の空洞化はさらに強まっており、定番品のみならず差別化品にまでも低価格の輸入品が勢いを強め、全体の景気回復とは裏腹に、厳しい市場環境にさらされております。

当社グループの委託加工受注先及び製品販売先は中小の事業者が多く、1社当たりの売上高も小口分散しております。そのため、営業債権の管理に注力し、得意先別の与信設定を行い、不良債権が発生しないように努めております。しかし、国内の景気の動向、繊維業界の動向によっては、今後債権の回収が困難になる可能性があります。

なお、当連結会計年度において当社グループの委託加工受注先及び製品販売先において不良債権の発生はありません。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項は、ありません。

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発活動は、時代要請となっている「地球環境保護」を目的とした「地球にやさしい企業活動」を継続し、既存商品の性能向上と新しい繊維素材や機能性商品の開発を行ないました。

当連結会計年度における当グループが支出した研究開発費の総額は54,442千円であります。

ドゥース・レイ

ドゥース・レイは、有害な有機溶剤を一切使わない加工系で作られたフイルムラミネート商品のことで、耐薬品性に優れ、有機溶剤や塩素系物質に対して優れた耐久性があるほか、現在最も多く使用されているポリウレタンフィルムの最大欠点である加水分解による劣化が起こりません。この大きな特長を活かした介護用防水シーツは好評でコンスタントな量産体制に入りました。又、この下期には、透湿性、耐水性、耐久性を大幅に向上させたアウトドア用衣料素材も完成し、国内外の大手スポーツアパレルでの採用が決定しました。

ナノテックス

アメリカ・ナノテックス社とのライセンス契約に基づく撥水撥油加工「ナノペル」は、通期にて30万mの量産となりました。商品構成も、弊社ボンディング加工(ドゥース加工)による3層構造の高級防寒素材のほか、高級カバンや靴などの資材分野へも商品拡大し、さらには吸水速乾加工「ナノドライ」の量産も開始されました。153期には、大手スポーツアパレルが「ナノペル」の採用を決定し、一層の量産拡大が見込まれています。

防炎・抗菌防臭加工

防炎性と抗菌防臭性を両立させた商品が完成しました。単独性能をもつ商品は多々ありましたが、2つの性能をポリエステルで通気性がある(非コーティング系)素材として完成させる事は困難でした。この度、日本防炎協会と繊維評価技術協議会の両機関からの性能認定を受け、カーテン用途での量産が開始されました。

アペールガード

油分、調味料などの食品汚れや機械油などに対し、非常に強力な防汚性能布を開発しました。

汚れが付きにくく、付いても落ち易いという特性があり、汚れをダブルブロックします。

洗濯耐久性、軽量化をさらに追求したことで、業務用分野のエプロン、ユニフォームに採用されました。又、抗菌性、防カビ性、撥水性などの機能付与技術が確立した事により用途拡大が見込まれ、今後の量産拡大が期待されます。

新しいエコロジー繊維素材

最近、竹、ケナフ、ヘンプ、芭蕉、とうもろこし、大豆などの植物を原料とする、エコロジーを意識した新しい繊維が登場し、これらを衣料品やインテリア用品として取り入れる動きが活発になってきました。当社もこれら繊維を使った商品開発に積極的に取り組みました。当社のキュプラやテンセルで確立した植物性繊維加工技術を駆使した商品は極めて好評で153期での量産が期待されています。

地球に優しい原材料の使用

大気や河川水質に悪影響がある化学物質を含む原材料の使用制限を推し進めました。

自然環境への悪影響が懸念され、管理すべき物質として国際的に認知されている物質群約400品をリストアップし、新しく採用した原材料を使用するにあたっては、それら物質の含有有無を事前に調査する体制を整えました。

又、オキシダント発生に影響があるといわれる低沸点有機溶剤(VOC)の使用実態調査を進める一方、完全脱溶剤システムによるラミネート加工技術の追究を進めました。

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1)財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、36億98百万円(前連結会計年度末は34億73百万円)となり、2億25百万円増加しました。現金及び預金、棚卸資産の増加が主な要因です。棚卸資産の増加は主に販売用生地の増加によるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、45億92百万円(前連結会計年度末は46億33百万円)となり、40百万円減少しました。有形固定資産は減価償却費による減少などで前年同期と比べ7百万円減少となりました。投資その他の資産では従業員貸付債権の引受けにより1億42百万円増加しました。他には投資有価証券が前年同期と比べ90百万円減少しました、これは、時価評価額の減少が主な要因です。一方、繰延税金資産は前年同期と比べ81百万円減少しましたがその原因の主なものは退職給付引当金の減少などによるものであります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、26億6百万円(前連結会計年度末は23億3百万円)となり、3億3百万円増加しました。前年同期と比べ支払手形及び買掛金が1億73百万円増加が主な要因です。

 (固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、21億27百万円(前連結会計年度末は22億51百万円)となり、1億24百万円減少しました。これは長期借入金による2億40百万円の増加と、退職給付引当金が前年同期と比べ3億65百万円の減少が主な要因です。退職給付引当金の減少は定年退職者による退職給付引当金取崩額が増加したことによるものであります。

 (資本)

当連結会計年度末における資本の残高は、35億12百万円(前連結会計年度末は35億7百万円)となり、5百万円増加しました。その主なものは前年同期と比べ利益剰余金90百万円の増加と、その他有価証券評価差額金84百万円の減少によるものであります。

(2)経営成績の分析

当社グループの今期の経営成績は、売上高93億47百万円(前年同期比1.8%減)営業利益は2億89百万円(前年同期比90.3%増)、経常利益は3億98百万円(前年同期比57.2%増)当期純利益は1億71百万円(前年同期比12.7%増)となりました。

なお、部門別の分析は、第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績の項目をご参照ください。

 





出典: 倉庫精練株式会社、2005-03-31 期 有価証券報告書