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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、米国のサブプライムローン問題、リーマンブラザーズの経営破綻に端を発した世界的な金融危機の影響による株価の大幅な下落や為替の急激な変動により、輸出産業を中心とする製造業の企業業績の急速な悪化、雇用や所得環境の不安による個人消費の低迷など景気後退の深刻化、長期化が避けられない状況でありました。
 繊維業界におきましては、前半は原油価格の高騰による原材料価格の上昇が大きく影響し、後半は為替の変動による輸出採算の悪化、消費者マインドの冷え込みによる個人消費の低迷等の影響から経営環境は非常に厳しい状況で推移しました。
 このような状況の中、当企業グループは、徹底したコスト削減や生産性向上の取組みへの対応が充分できず、加工料金への転嫁についても目標を大きく下回り、得意分野とする合成繊維のナイロン、セルロース繊維加工、コーティング・ラミネート加工等の定番商品が特に大幅な落ち込みとなりました。合理化、商品の差別化、開発力に関しまして、このような厳しい現況に対応しきれず、多額の損失を発生させました。
  この結果、当連結会計年度の業績につきましては、売上高73億16百万円(前連結会計年度比14.9%減)、経常損失2億92百万円(前連結会計年度比4億36百万円の減益)となり、さらに繰延税金資産の取り崩しの影響もあって、当期純損失が8億8百万円(前連結会計年度比8億69百万円の減益)となりました。

事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。

①繊維事業

委託加工部門

原燃料価格の高騰による不採算品種の受注見直しによる受注制限や国内衣料品の需要の低迷、自動車の販売不振による車両資材受注の大きな影響を受けて委託加工部門については事業環境は非常に厳しく低調に推移いたしました。
 当社の委託加工の内容は次のとおりです。

化繊織物

セルロース繊維加工の裏地分野では、衣料品の販売不振を受け在庫調整が進み、婦人服向け、紳士服向け商品共に需要が増えず数量減となりました。アウター分野では定番商品の不振から数量を落としました。その結果、売上高は前連結会計年度比23.4%減の16億6百万円となりました。

合繊織物

上期においては差別化商品であるナイロンを中心とした超光沢品の高付加価値商品は堅調に推移しましたが、下期に入り急激な市場の悪化により輸出品を中心に需要が大幅に減りました。その結果、売上高は前連結会計年度比23.2%減の7億99百万円となりました。

編物

車輌資材分野では、人気車種に搭載されている新規立ち上がり品がスタートしましたが、年初からの世界的な自動車販売不振による生産調整の影響を受け、大幅な数量減となりました。また、衣料資材分野では、ストレッチ商品が為替の影響により海外向け商品で大幅な減となり、起毛品はファッション傾向と昨年の暖冬の影響を受け苦戦しました。その結果、売上高は前連結会計年度比9.8%減の23億58百万円となりました。

製品販売部門

産業資材関連では、輸出向けの高機能繊維・不織布の落ち込みが激しく数量を伸ばすことができませんでした。衣料関連では特に定番品の需要低迷から受注が伸びず、その結果、売上高は前連結会計年度比10.7%減の19億75百万円となりました。

 以上の結果、繊維事業全体における売上高は保管料収入を含めて68億23百万円(前連結会計年度比15.2%減)、営業損失は3億96百万円(前連結会計年度比4億33百万円の減益)となりました。

②その他の事業

内装業については、国内景気の急激な落ち込みにより、住宅市場は、住宅に対する投資意欲の低下をもたらし、特に戸建住宅が伸び悩むこととなりました。このような状況のもと、一般リフォーム工事の売上は伸ばすことができましたが、内装工事の落ち込みが響き、売上高は前連結会計年度比7.5%減の3億78百万円となりました。

機械製造・修理事業につきましても、原材料価格の高騰により、厳しい環境におかれ苦戦を強いられました。このような状況のもと、営業活動では、外販の促進を強化し、製造活動においては、固定費の削減や外注の内製化に努めてきましたが、売上高は前連結会計年度比15.2%減の1億15百万円となりました。

以上の結果、その他の事業における売上高は4億93百万円(前連結会計年度比9.4%減)、営業利益は18百万円(前連結会計年度比27.3%減)となりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、減価償却費4億1百万円、売上債権5億20百万円の減少による収入等がありましたが、一方で税金等調整前当期純損失3億46百万円や、退職給付引当金3億7百万円の減少等もあり、1億70百万円の支出(前連結会計年度は4億4百万円の収入)となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出2億28百万円等により、2億4百万円の支出(前連結会計年度は2億87百万円の支出)となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の純増加額4億25百万円等により、3億23百万円の収入(前連結会計年度は1億19百万円の支出)となりました。

以上の結果、現金及び現金同等物の当期末残高は5億48百万円となり、前連結会計年度末に比べて51百万円減少しました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績を品種別に示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称
品 種 別
当連結会計年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
生 産 高(千m)
 
前年同期比(%)
繊維事業
織 物
化 繊
20,906
 
△21.3
合 繊
10,518
 
△20.2
編 物
11,645
 
△17.4
合 計
43,069
 
△20.0

(注) 製品販売部門の加工数量を加えております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績を事業の種類別セグメントごと、品種別に示すと、次のとおりであります。

事業の種類別セグメントの名称
品 種 別
当連結会計年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
繊維事業
織  物
化  繊
1,609,511
△27.3
38,689
△63.2
合  繊
1,456,421
△18.6
177,756
△14.8
編  物
2,480,502
△10.6
163,694
△19.5
その他の事業
467,610
△19.2
26,030
△49.8
合  計
6,014,046
△18.3
406,170
△28.6

(注) 1 金額は、製品販売部門の加工料相当分を加えております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごと、事業部門別、品種別に示すと、次のとおりであります。

事業の種類別   セグメントの名称
部門
品種別
当連結会計年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
販売高(千円)
前年同期比(%)
繊維事業
委託加工部門
織 物
化 繊
1,606,369
△23.4
合 繊
799,552
△23.2
編 物
2,358,163
△9.8
4,764,084
△17.2
製品販売部門
1,975,354
△10.7
その他
84,103
△1.6
繊 維 事 業 合 計
6,823,541
△15.2
その他の事業
493,458
△9.4
合 計
7,316,999
△14.9

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先
前連結会計年度
当連結会計年度
販売高(千円)
割合(%)
販売高(千円)
割合(%)
旭化成せんい株式会社
1,374,397
16.0
1,091,747
14.9

     3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

当企業グループは、

『自主性ある高付加価値企業をめざそう』

  ・地球環境にやさしい企業活動で、我が社の存在感を高めよう

  ・全社員が営業意識をもって行動しよう

を基本理念として、事業活動を続けてまいり、昨今の激変する事業環境に対応しながら、さらなる収益向上とその維持・継続に努める所存であります。

今後につきましても、日本経済は、世界同時不況による需要激減の影響による企業の業績、株価、個人消費、雇用問題等急激には回復する見込みはなく、経営環境は依然として厳しい状況が続くものと予想されます。 
 このような情勢の中で当企業グループは、自社販売の強化、委託部門における主力商品の維持・強化、商品開発力の強化、品質管理の強化、生産合理化の追求を行動方針として事業活動を続けており、市場のニーズにあった商品の提案や、環境対応商品の幅を広げ、営業力・開発力・生産力をさらに高めて、企業体質の強化と収益向上に努める所存であります。

 

4 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項については、以下のようなものがあります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当企業グループが判断したものであります。

下記事項には,将来に関するものが含まれるが,当該事項は有価証券報告書提出日(平成21年6月29日)現在において判断したものであり、事業等のリスクはこれらに限られるものではありません。

(1) 原油等の高騰による影響

当企業グループは、製品製造におけるエネルギー源として重油、LPG等を使用し、また原材料として原油・ナフサを粗原料とする合繊織編物(生機)・染料・薬品の使用など、原油に対する依存度が非常に高いコスト構造になっています。現時点における不安定な中東情勢の動向および、中国を筆頭とする需要逼迫による原油・ナフサおよび天然ガスの更なる高騰は、製品コストの上昇要因となって当企業グループの経営成績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2)貸倒リスク

当企業グループの繊維業界におきましては、大手繊維メーカー各社の事業構造の改革、国内生産拠点の見直し、繊維分野そのものの縮小、撤退が進み、国内繊維産業の空洞化はさらに強まっており、定番品のみならず差別化商品にまでも低価格の輸入品が勢いを強め、厳しい市場環境にさらされております。

当企業グループの委託加工受注先及び製品販売先は中小の事業者が多く、1社当たりの売上高も小口分散しております。そのため、営業債権の管理に注力し、得意先別の与信設定を行い、不良債権が発生しないように努めております。しかし、国内の景気の動向、繊維業界の動向によっては、今後債権の回収が困難になる可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

子会社の吸収合併

当社は、平成21年5月15日開催の取締役会において、当社100%連結子会社である株式会社ソーコゴーセンを、平成21年10月1日を合併期日として吸収合併することを決議いたしました。詳細は「第5経理の状況 1連結財務諸表等、(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な後発事象)」に記載の通りであります。

 

6 【研究開発活動】

基本方針である 「人と地球に優しい」素材開発として、環境に悪影響を及ぼす有機溶剤の使用を極限にまで抑えた防水素材「サンレイナ」と、人への安全性を証明するエコテックス規格100認証品は、その量産数量を大幅に拡大しました。
  当連結会計年度においては、当社の起毛加工技術、高堅牢染色技術を活かした生活資材用途向けの高級人工皮革の開発に着手し、大手繊維メーカーとの共同開発のほか、独自の素材開発も順調に進行しました。 
  新しい加工方法として、ハード/ソフトの両面からの展開による、表面微起毛素材「ポリスワン」と表面柄凹凸素材「エルガス」は、車輌シート、生活繊維資材の各分野において引き合いが強く、特殊化学薬剤処理による分繊高収縮加工素材「ネオグレース」は、液晶パネルやレンズなどの高級精密機器のワイピングクロスとして高い評価を得るに至りました。 また、衣料素材では、ウレタンフイルムラミネート品の染色技術の確立により、カラーバリエーションが豊富で、従来の着色フイルムラミネート品よりはるかにマイルドな高級触感をもつ合皮素材の量産に入りました。
  そのほか、「スワサーブ」、「セルコーソ」、「シュエット」、「ネゾン」など、当社独自の付加価値加工のなかで、キュプラ素材に産毛タッチの触感を付与する「スワサーブ」とナイロン素材に独特なビンテージ視感と新鮮なドライ触感を両立する「シュエット」は、テキスタイル展示会において人気が高く、いづれも翌期の大型量産が期待されております。

なお、当連結会計年度における研究開発費の総額は41,382千円であり、これらはすべて繊維事業に関連して行われております。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

(1)財政状態の分析

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産の残高は、28億98百万円(前連結会計年度末は35億24百万円)となり、6億25百万円減少しました。これは、売掛債権の減少が主な要因であります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産の残高は、31億46百万円(前連結会計年度末は37億61百万円)となり、3億93百万円減少しました。有形固定資産は、機械装置等の新規取得がありましたが、減価償却費の計上等により、前年同期と比べ2億21百万円の減少となりました。投資その他の資産では、従業員貸付金が返済により24百万円減少し、投資有価証券が前年同期と比べ1億86百万円減少しましたが、これは、時価の変動が主な要因です。繰延税金資産は、一部取り崩しの影響もあり、前年同期と比べ1億78百万円減少しております。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債の残高は、18億90百万円(前連結会計年度末は22億76百万円)となり、3億85百万円減少しました。これは、支払手形及び買掛金4億4百万円の減少が主な要因であります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債の残高は、13億2百万円(前連結会計年度末は11億83百万円)となり、1億18百万円増加しました。これは、退職給付引当金の減少3億7百万円がありましたが、一方で長期借入金が2億52百万円、繰延税金負債が1億69百万円とそれぞれ増加したことが主な要因です。繰延税金負債の増加要因は、相殺項目である繰延税金資産が取崩しにより減少したこと等によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産の残高は、28億51百万円(前連結会計年度末は38億26百万円)となり、9億74百万円減少しました。これは、当期純損失計上により利益剰余金が8億69百万円減少したことが主な要因であります。

 

(2)経営成績の分析

当企業グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高73億16百万円(前連結会計年度比14.9%減)、経常損失2億92百万円(前連結会計年度比4億36百万円の減益)となり、当期純損失が8億8百万円(前連結会計年度比8億69百万円の減益)となりました。
 なお、事業の種類別セグメントの分析は、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」の項目をご参照ください。

 





出典: 倉庫精練株式会社、2009-03-31 期 有価証券報告書