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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、前半は企業収益の改善を背景として景気は緩やかな回復基調を辿りましたが、後半には原油価格や原材料価格の高騰に起因する物価上昇や、米国のサブプライムローン問題を発端とする金融不安の影響も受け、景気の先行きに対する不透明感が増してまいりました。
このような経済情勢のなか、印刷業界におきましては、熾烈な受注競争が続き原材料価格の高騰等により、非常に厳しい経営環境が続いております。このような経営環境におきまして、当社及び連結子会社は顧客満足度の向上を更に図るため、販売・生産の両面から品質向上に努めるとともに、生産工程の効率化による原価低減を進め、新技術の導入による新製品の開発に努めてまいりました。しかしながら、原材料価格の高騰を吸収できず、原価の上昇と販売費及び一般管理費の増加により利益面におきましては不本意な結果となりました。
この結果、当連結会計年度の売上高は219億93百万円(前期比7.2%増)、営業利益は2億91百万円(前期比11.9%減)、経常利益は2億77百万円(前期比10.1%減)、当期純利益は1億26百万円(前期比5.8%減)の計上となりました。
なお、当社及び連結子会社は印刷事業セグメントのみであるため、事業部門別の売上概況を示せば、次のとおりであります。また、利益については管理上、部門別には把握しておりません。
①商業印刷部門
当部門のうち、主力商品でありますカタログ、パンフレット類は環境対応商品の積極的な営業展開を行いましたが企業の経費削減、価格競争の激化に伴い減少となりました。一方、高級美術印刷につきましては企画、技術力を駆使した提案営業を展開し美術館や博物館の図録等の受注により増加となりました。また、カレンダーにおきましても企業向けオリジナルカレンダーを積極的にプレゼンテーションした結果堅調に推移いたしましたが、この部門全体の売上高は31億90百万円(前期比5.8%減)となりました。
②包装資材及び紙器、紙工品部門
当部門のうち、軟包材につきましては引き続き原油高を起因とする原材料の高騰がありましたが、食品業界への売り込みが奏功し増加となり、紙器及び食品包装資材におきましても、環境対応商品の提案や展示会へ積極的に出展し新規顧客の開拓を図り増加いたしました。一方、紙袋類につきましては数年来減少傾向にありましたが、今期は新たな業種の販路を開拓し手付紙袋が増加いたしました。ビジネスフォーム類は新規物件の拡販の成功により大幅な増加となり、この部門全体の売上高は104億23百万円(前期比17.7%増)となりました。
③情報機器及びサプライ品部門
当部門のうち、情報機器は新機種の発売や展示会へ積極的に出展し増加いたしましたが、タグ・ラベル類におきましては価格競争の激化が影響し減少となり、この部門全体の売上高は60億80百万円(前期比0.4%減)となりました。
④その他の部門
当部門のうち、高、中低圧ポリ袋におきましては新規顧客の開拓により増加し、その他の取次品におきましても増加となり、この部門全体の売上高は22億99百万円(前期比6.5%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は12億39百万円となり、前連結会計年度に比べて2億62百万円増加しております。その内訳は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)          
当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、11億81百万円(前期は4億99百万円の増加)となりました。これはたな卸資産の増加2億4百万円、退職給付引当金の減少99百万円等で資金が減少したものの、仕入債務の増加6億47百万円、減価償却費5億30百万円、売上債権の減少2億14百万円等資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)          
当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、2億51百万円(前期は1億14百万円の増加)となりました。これは主に有形固定資産の売却1億44百万円により資金が増加したものの、一方で有形固定資産の取得3億89百万円等資金が減少したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)          
当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、6億67百万円(前期は3億64百万円の減少)となりました。これは、長期借入れ1億10百万円により資金が増加したものの、長期借入金の返済4億59百万円、短期借入金の純減少額2億56百万円、配当金の支払55百万円等資金が減少したことによるものであります。
2【生産、受注及び販売の状況】
(1)生産実績
事業部門
生産高(千円)
前年同期比(%)
商業印刷
2,560,294
△5.2
包装資材及び紙器、紙工品
6,785,476
16.9
情報機器及びサプライ品
3,512,003
△0.9
その他
合計
12,857,774
6.7
(注)1 事業部門間の取引については、相殺消去しております。
2 金額は、製造原価によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)仕入実績
事業部門
仕入高(千円)
前年同期比(%)
商業印刷
227,926
57.1
包装資材及び紙器、紙工品
2,057,925
12.5
情報機器及びサプライ品
1,120,390
8.2
その他
2,160,313
14.7
合計
5,566,556
13.8
(注)1 事業部門間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)受注実績
事業部門
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
商業印刷
3,185,921
△6.0
191,364
△2.1
包装資材及び紙器、紙工品
10,491,504
17.9
937,530
7.8
情報機器及びサプライ品
6,080,538
△0.4
480,608
0.0
その他
2,299,458
6.5
52,603
△0.4
合計
22,057,423
7.3
1,662,107
4.0
(注)1 事業部門間の取引については、相殺消去しております。
2 金額は、販売価格によっております。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)販売実績
事業部門
販売高(千円)
前年同期比(%)
商業印刷
3,190,172
△5.8
包装資材及び紙器、紙工品
10,423,150
17.7
情報機器及びサプライ品
6,080,233
△0.4
その他
2,299,714
6.5
合計
21,993,270
7.2
 (注)1 事業部門間の取引については、相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3【対処すべき課題】
今後のわが国経済におきましては、国内経済は米国景気の減速や原油価格・原材料価格の高騰等により企業収益の伸び悩み、設備投資の鈍化等、景気は当面減速傾向にあり、先行き不透明感の強い状況が続くものと予想され、楽観を許さない状況にあります。当社及び連結子会社といたしましても今後企業を取り巻く経営環境の厳しさを充分に認識し、各部門においてコストダウンを推進し顧客満足度の向上のため、更なる品質の向上と生産の効率化を図り、総合力を活かした営業活動を進め、企業価値の向上に努めるとともに、今後の業績向上を目指して鋭意努力いたす所存であります。
 なお、財務的には安定した経営を確実にするため、収益の向上・安定を図り、当社及び連結子会社全体の自己資本の向上に努めてまいります。
 流動資金については、管理体制の充実を図り、流動資産の適正水準管理を徹底して、資金の効率活用と手元流動性の確保に努めてまいります。
 金融機関との取引については、永年培われた良好な信頼関係の維持・発展を図ってまいります。
 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針については、重要な事項と認識しておりますが、当社の株主等現状を鑑みて、現時点では防衛策の導入等はいたしておりません。 
4【事業等のリスク】
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
 なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社及び連結子会社が判断したものであります。
(1)流通業界との取引
 当社及び連結子会社の取引先には百貨店、スーパー等の流通業が数多くあり、従来と比較して、その依存割合は減少したとはいえ売上高の約21%を占めております。従いまして、流通業の業績により当社及び連結子会社製品の使用量の減少や価格の低下など業績に影響する可能性があります。
(2)価格競争
 当社及び連結子会社は多くの企業と競合関係にあり、受注価格の低下が進んでおります。付加価値の高い製品やコスト削減により利益の確保に努めておりますが、更なる競争の激化により業績に影響を与える可能性があります。
(3)原料の価格
 当社及び連結子会社の製品の主たる原材料である原紙の価格が、原油価格等の高騰を受け上昇した場合であっても、業界の価格競争が激しく、価格転嫁が難しいことが考えられ、その結果、収益性の低下を招く可能性があります。
(4)機器等の在庫
 当社及び連結子会社が製造、販売しております情報機器は、技術革新等により陳腐化が激しく、また、生産体制の関係から各機種とも一定ロットの生産が必要となるため、市場の動向を読み誤った場合、評価損が生ずる危険性があります。
(5)有利子負債
 当社及び連結子会社は設備投資に要する資金を自己資金及び金融機関からの借入金により調達しております。当社及び連結子会社として自己資本の充実に努めておりますが、今後、金利水準が変動した場合によっては、当社及び連結子会社の業績、財政状態に影響を与える可能性があります。
(6)法的規制
 当社及び連結子会社の製品の一部が「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進に関する法律」(以下「容器包装リサイクル法」という。)に規定する容器包装に該当しているため、当社は「容器包装リサイクル法」に基づく、再商品化の業務を財団法人日本容器包装リサイクル協会に委託しております。
5【経営上の重要な契約等】
 該当事項はありません。
6【研究開発活動】
 特記事項はありません。
7【財政状態及び経営成績の分析】
 文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社及び連結子会社が判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
 当社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
 この連結財務諸表作成の前提となる連結の範囲を決定するにあたって、株式の実質的な所有関係等を勘案して厳密に支配力基準を適用いたしました。その結果、当社が株式を直接保有していない会社(3社)を含め4社を連結子会社としております。
 この連結財務諸表の作成にあたって、重要な見積り、判断及び仮定を行う必要があります。会計方針を適用するにあたり、より重要な判断を要し、財務状況及び業績に影響を与える項目は下記のとおりであります。
① 貸倒見積高の算定
 当社は、債権の貸倒の可能性について予測する必要があるため、一般債権については貸倒実績率に基づき計上し、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については回収の可能性を勘案して個別に検討しております。相手先の財務状況等が悪化し回収可能額が見積りより減少する可能性が発生した場合は、貸倒引当金を積み増すことで、損益に影響を与える可能性があります。
② 投資有価証券の減損
 当社は、長期的な取引関係の維持のために、取引先及び金融機関の株式の一部を所有しております。これらの株式のうち時価のあるものについては、時価の下落率が取得原価に対して30〜50%に達した場合、個別銘柄毎に過去一定期間の高値等、時価水準を把握するとともに、公表財務諸表での財務比率の検討等を行い、減損の実施を総合的に判断しております。将来、株式市況の悪化又は投資先の業績不振により、減損が必要となり、損益に影響を与える可能性があります。
③ 繰延税金資産の回収可能性
 当社は、現在一定期間内における回収可能性に基づき貸借対照表上に相当額の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は将来予測される課税所得金額により影響を受けます。将来の課税所得に対する実現可能性の評価については実績情報とともに将来に関するあらゆる入手可能な情報を考慮しております。これらの状況に変化があった場合は繰延税金資産計上額に対する評価性引当額を計上する可能性があります。繰延税金資産の回収可能性が見込めなくなった場合、過大となった金額を取崩すことにより、財務諸表に重大な影響を及ぼす可能性があります。
④ 退職給付債務等の見積り
 当社は、年金数理計算に基づいた年金及び退職金に関する費用及び負債を計上しております。退職給付費用及び退職給付債務の決定に用いられる仮定には、期待収益率、割引率、平均残存勤続年数等があります。これらの仮定は妥当なものと考えておりますが、仮定自体の変動により、退職給付費用及び退職給付債務に影響を与える可能性があります。
(2)財政状態の分析
 当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ3億44百万円減少の156億62百万円となりました。
 流動資産は、前連結会計年度に比べ2億34百万円増加の78億83百万円となりました。これは受取手形及び売掛金が2億34百万円減少したものの、現金及び預金が2億62百万円、たな卸資産が2億4百万円増加したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度に比べ5億78百万円減少の77億78百万円となりました。これは設備投資による有形固定資産が2億83百万円増加したものの、有形固定資産の減価償却費5億11百万円及び投資有価証券の時価評価差額が3億7百万円減少したことなどによるものであります。
 負債合計は、前連結会計年度に比べ2億46百万円減少の123億30百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が6億47百万円増加したものの、短期借入金が2億56百万円、長期借入金が2億30百万円、1年以内に返済する長期借入金が1億18百万円、設備関係支払手形が1億4百万円減少したことなどによるものであります。
 純資産合計は、前連結会計年度に比べ98百万円減少の33億31百万円となりました。これは当期純利益1億26百万円の計上により増加したものの、その他有価証券評価差額金が1億82百万円減少したことなどによるものであります。
 これらの結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比べ1円72銭減少の175円38銭となり、自己資本比率は21.4%から21.3%になりました。
(3)経営成績の分析
① 概要
 当連結会計年度は、緩やかながら景気回復基調を辿りましたが、原油価格や素材価格の高騰により、景気の先行きに対する不透明感の強い状況で推移いたしました。
 このような経済情勢のなか、当社及び連結子会社は受注競争激化、原材料価格の高騰等市場環境は厳しさの続く商況下にありました。そのなかで販売・生産の両面から品質向上に努め、生産工程の効率化による原価低減を進めましたが、原材料価格の高騰を吸収できず、原価の上昇と販売費及び一般管理費の増加により利益面におきまして不本意な結果となりました。
② 売上高
 連結売上高は前連結会計年度に比べ7.2%増加の219億93百万円となりました。
 商業印刷部門は、高級美術印刷、カレンダーは増加いたしましたが、主力のカタログ、パンフレット類が企業の経費削減、価格競争の激化により減少し、前連結会計年度に比べ5.8%減少の31億90百万円となりました。
 包装資材及び紙器、紙工品部門は、紙器及び食品包装資材の増加及びビジネスフォーム類について新規物件の拡販により大幅な増加となり、前連結会計年度に比べ17.7%増加の104億23百万円となりました。
 情報機器及びサプライ品部門は、情報機器は増加いたしましたが、タグ・ラベル類におきまして価格競争激化の影響により減少し、前連結会計年度に比べ0.4%減少の60億80百万円となりました。
 その他の部門は、高、中低圧ポリ袋が新規顧客の開拓により増加し、前連結会計年度に比べ6.5%増加の22億99百万円となりました。
③ 経常利益
 売上原価は、売上高の増加に伴い前連結会計年度に比べ8.6%増加の183億18百万円となり、原材料価格の高騰により売上原価の比率は1.1ポイント上昇し、83.3%となりました。また、販売費及び一般管理費においても増加となり、前連結会計年度に比べ1.8%増加の33億82百万円となりました。営業外損益におきまして改善は見られましたものの、経常利益は前連結会計年度に比べ10.1%減少の2億77百万円となりました。
④ 当期純利益
 特別利益は、固定資産売却益により60百万円、特別損失は固定資産処分損、投資有価証券評価損により12百万円の計上となりました。また、法人税等は1億80百万円となり、当期純利益は前連結会計年度に比べ5.8%減少の1億26百万円となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析
「第2 事業の状況 1 業績等の概要」の「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 
(6)経営者の問題認識と今後の方針について
 今後のわが国経済におきましては、引き続き原油価格・素材価格の高騰が国内物価の上昇をもたらし、企業収益、個人消費等内需にも悪影響を与え、景気は減速傾向にあり、企業を取り巻く事業環境は楽観を許さない状況が続くものと予想されます。一方、当社及び連結子会社を取り巻く経営環境も、原材料価格の上昇、受注競争激化による低価格化など懸念材料が多く厳しい状況が続くものと予想されます。
 このような情勢のなか、当社及び連結子会社は厳しい市場競争に耐えることができるよう、一層の営業活動力、生産技術力を高め収益力ある企業体質にするべく、営業、生産、管理が一体となり経営効率化に努め、更なる安定的な収益確保と経営体質の強化を目指し、全社あげて努力いたす所存であります。
 また、企業の社会的責任を全うするため、ISO 14001及びISO 9001の認証を維持、向上させ環境保全活動に努め、品質管理の強化、徹底を図り、環境保全に貢献する製品の提案、提供にも意欲的に取り組むとともに、「容器包装リサイクル法」に基づく、分別収集及び再商品化への促進にも取り組んでまいります。
 高品質な印刷製品づくりはもとより、デジタル化が進む印刷技術への対応やスタッフのスキルアップから、新しいデジタルメディアへの取り組みまでをトータルに実践し、総合情報企業として経営効率の向上と企業体質の健全強化、さらに経営基盤の確立を目指し邁進する所存であります。




出典: 野崎印刷紙業株式会社、2008-03-31 期 有価証券報告書