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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、東日本大震災による影響から徐々に復興の動きが見られましたものの、長引くデフレ状況から脱却できず失業率は依然として高く、景気動向は厳しい状況で推移いたしました。

印刷業界におきましても、デジタル化の影響や景気低迷などにより需要が落ち込み、同業者間の受注競争が激しさを増す大変厳しい経営環境が続きました。

このような経営環境のなか、当社及び連結子会社はグループの総力を結集し、製品の品質重視の原点に立ち返り、製造・納品・営業の全てのプロセスにおいて「クレーム・ゼロ」運動を継続的に展開し、お客様の信頼を得る製品を提供し積極的な受注活動に努めてまいりましたが、市場が縮小傾向にあるなか売上高が減少し、主要原材料価格の上昇などからコスト増加分を吸収することができず、売上利益が低下し営業利益及び経常利益も低調な結果となりました。

一方、総資産の有効活用と財務体質の一層の健全化を図るため、固定資産の一部を譲渡し、加えて投資有価証券の一部を売却いたしました。さらに生産体制の強化に取り組み陳腐化した生産設備の一部除却も行いました。

これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高は171億79百万円(前期比2.6%減)、営業利益は56百万円(前期比78.1%減)、経常利益は56百万円(前期比78.0%減)となり、当期純利益は固定資産売却益や投資有価証券売却損などにより2億67百万円(前期比168.7%増)の計上となりました。

なお、当社及び連結子会社は印刷事業セグメントのみであるため、事業部門別の売上概況を示せば、次のとおりであります。また、利益については管理上、部門別には把握しておりません。

①商業印刷部門

 当部門の高級美術印刷は、企画、技術力を駆使し堅調に推移し、カレンダーにおきましても積極的な拡販により前年実績を上回りましたが、カタログ、パンフレット類は市場の縮小及び企業の経費削減に伴う価格競争の激化などにより減少し、この部門全体の売上高は21億16百万円(前期比8.5%減)となりました。

②包装資材及び紙器、紙工品部門

 当部門の食品包装資材の環境対応製品や紙袋類は順調に推移し、紙器におきましても設備投資効果により増加となりましたものの、ビジネスフォーム類は震災の影響により需要が大幅に減少し、この部門全体の売上高は85億94百万円(前期比3.1%減)となりました。

③情報機器及びサプライ品部門 

 当部門のシール類は震災後の一時的な使用減により減少し、情報タグ・ラベルなども海外生産移行の影響を受け減少となりましたが、情報機器類が順調に推移し増加となり、この部門全体の売上高は49億57百万円(前期比0.8%増)となりました。

④その他の部門 

当部門のその他取次品が微増となったものの、高・中低圧ポリ袋は、低価格の海外製品による価格競争の激化の影響を受け減少し、この部門全体の売上高は15億11百万円(前期比1.5%減)となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は12億70百万円となり、前連結会計年度に比べ5億28百万円増加しております。その内訳は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、5億77百万円(前期は7億68百万円の増加)となりました。これは有形固定資産除売却損益6億51百万円、仕入債務の減少2億71百万円、長期未払金の減少1億11百万円等資金が減少したものの、減価償却費5億85百万円、税金等調整前当期純利益5億38百万円、たな卸資産の減少3億6百万円、投資有価証券売却及び評価損益1億54百万円等資金が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の増加は、5億54百万円(前期は9億11百万円の減少)となりました。これは有形固定資産の取得4億41百万円等資金が減少したものの、有形固定資産の売却7億36百万円、投資有価証券の売却2億55百万円等資金が増加したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、6億2百万円(前期は3億0百万円の増加)となりました。これは長期借入れ5億20百万円等資金が増加したものの、短期借入金の純減少が5億43百万円、長期借入金の返済4億96百万円等資金が減少したことによるものであります。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

事業部門

生産高(千円)

前年同期比(%)

商業印刷

1,766,269

△5.5

包装資材及び紙器、紙工品

5,627,184

△2.7

情報機器及びサプライ品

3,278,661

6.3

その他

合計

10,672,115

△0.6

(注)1 事業部門間の取引については、相殺消去しております。

2 金額は、製造原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)仕入実績

事業部門

仕入高(千円)

前年同期比(%)

商業印刷

250,298

1.0

包装資材及び紙器、紙工品

1,737,834

△3.3

情報機器及びサプライ品

590,034

△20.3

その他

1,166,357

△6.0

合計

3,744,524

△7.0

(注)1 事業部門間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)受注実績

事業部門

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

商業印刷

2,111,760

△6.8

113,550

△4.0

包装資材及び紙器、紙工品

8,579,750

△2.9

930,777

△1.5

情報機器及びサプライ品

4,938,167

2.0

311,853

△5.7

その他

1,510,566

△0.8

39,025

△1.5

合計

17,140,244

△1.8

1,395,207

△2.7

(注)1 事業部門間の取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(4)販売実績

事業部門

販売高(千円)

前年同期比(%)

商業印刷

2,116,566

△8.5

包装資材及び紙器、紙工品

8,594,611

△3.1

情報機器及びサプライ品

4,957,302

0.8

その他

1,511,181

△1.5

合計

17,179,662

△2.6

 (注)1 事業部門間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

今後の見通しにつきましては、わが国経済は東日本大震災からの復興需要や政策効果により景気は緩やかに回復する兆しが見られますものの、長引くデフレ状況や厳しい雇用環境は依然として継続しており、予断を許さない状況が続くものと予想されます。このような状況のもと当社及び連結子会社においては、社内工程の全てにおいて「クレーム・ゼロ」運動を引き続き展開し品質管理の体制を強化し、お客様から信頼される製品を提供することで、より幅広い顧客ニーズにお応えし収益向上に取り組んでまいります。併せて、更なる総資産の有効活用と財務体質の強化を進め経営基盤の安定を図り、企業価値向上に努めてまいります。

 なお、財務的には安定した経営を図るため、収益体質の強化に取り組み、当社及び連結子会社の自己資本の向上に努めてまいります。

 流動資金については、管理体制の充実を図り、流動資産の適正水準管理を徹底し、資金の効率活用と手元流動性の確保に努めてまいります。

 金融機関との取引については、永年培われた良好な信頼関係の維持・発展を図ってまいります。

 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針については、重要な事項として認識しておりますが、当社の株主等現状を鑑みて、現時点では防衛策の導入等はいたしておりません。 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社及び連結子会社が判断したものであります。

(1)流通業界との取引

 当社及び連結子会社の取引先には百貨店、スーパー等の流通業が数多くあり、従来と比較して、その依存割合は減少したとはいえ売上高の約19%を占めております。従いまして、流通業の業績により当社及び連結子会社製品の使用量の減少や価格の低下など業績に影響する可能性があります。

(2)価格競争

 当社及び連結子会社は多くの企業と競合関係にあり、受注価格の低下が進んでおります。付加価値の高い製品やコスト削減により利益の確保に努めておりますが、更なる競争の激化により業績に影響を与える可能性があります。

(3)原料の価格

 当社及び連結子会社の製品の主たる原材料である原紙の価格が、紙パルプの市況、原油価格等の高騰を受け上昇した場合であっても、業界の販売価格競争が激しく、価格転嫁が難しいことが考えられ、その結果、収益性の低下を招き業績に影響を与える可能性があります。

(4)機器等の在庫

 当社及び連結子会社が製造、販売しております情報機器は、技術革新等により陳腐化が激しく、また、生産体制の関係から各機種とも一定ロットの生産が必要となるため、市場の動向を読み誤った場合、評価損が生ずる危険性があり、業績に影響を与える可能性があります。

(5)有利子負債

 当社及び連結子会社は設備投資に要する資金を自己資金及び金融機関からの借入金により調達しております。当社及び連結子会社として自己資本の充実に努めておりますが、今後、金利水準が変動した場合によっては、当社及び連結子会社の業績、財政状態に影響を与える可能性があります。

(6)災害の発生

 当社及び連結子会社においては、生産拠点の分散化を図り、災害による影響を最小限に抑えるための万全の対策をとっておりますが、大地震や水害など予想を超える被害が発生し生産活動が停止した場合、業績に影響を与える可能性があります。

(7)法的規制

 当社及び連結子会社の製品の一部が「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進に関する法律」(以下「容器包装リサイクル法」という。)に規定する容器包装に該当しているため、当社は「容器包装リサイクル法」に基づく、再商品化の業務を財団法人日本容器包装リサイクル協会に委託しております。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 特記事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社及び連結子会社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社及び連結子会社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表作成の前提となる連結の範囲を決定するにあたって、株式の実質的な所有関係等を勘案して厳密に支配力基準を適用いたしました。その結果、当社が株式を直接保有していない会社(2社)を含め4社を連結子会社としております。

 この連結財務諸表の作成にあたって、重要な見積り、判断及び仮定を行う必要があります。会計方針を適用するにあたり、より重要な判断を要し、財務状況及び業績に影響を与える項目は下記のとおりであります。

① 貸倒見積高の算定

 債権の貸倒の可能性について予測する必要があるため、一般債権については貸倒実績率に基づき計上し、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については回収の可能性を勘案して個別に検討しております。相手先の財務状況等が悪化し回収可能額が見積りより減少する可能性が発生した場合は、貸倒引当金を積み増すことで、損益に影響を与える可能性があります。

② 投資有価証券の減損

 長期的な取引関係の維持のために、取引先及び金融機関の株式の一部を所有しております。これらの株式のうち時価のあるものについては、時価の下落率が取得原価に対して30〜50%に達した場合、個別銘柄毎に過去一定期間の高値等、時価水準を把握するとともに、公表財務諸表での財務比率の検討等を行い、減損の実施を総合的に判断しております。将来、株式市況の悪化又は投資先の業績不振により、減損が必要となり、損益に影響を与える可能性があります。

③ 繰延税金資産の回収可能性

 現在一定期間内における回収可能性に基づき貸借対照表上に相当額の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は将来予測される課税所得金額により影響を受けます。将来の課税所得に対する実現可能性の評価については実績情報とともに将来に関するあらゆる入手可能な情報を考慮しております。これらの状況に変化があった場合は繰延税金資産計上額に対する評価性引当額を計上する可能性があります。繰延税金資産の回収可能性が見込めなくなった場合、過大となった金額を取崩すことにより、財務諸表に重大な影響を及ぼす可能性があります。

④ 退職給付債務等の見積り

 数理計算に基づいた退職金に関する費用及び負債を計上しております。退職給付費用及び退職給付債務の決定に用いられる仮定には、割引率、平均残存勤続年数等があります。これらの仮定は妥当なものと考えておりますが、仮定自体の変動により、退職給付費用及び退職給付債務に影響を与える可能性があります。

(2)財政状態の分析 

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比較して3億75百万円減少して129億93百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度に比べ2億99百万円増加の61億43百万円となりました。これは商品及び製品が1億26百万円、仕掛品が1億13百万円減少したものの、現金及び預金が5億16百万円、受取手形及び売掛金が1億19百万円増加したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度に比べ6億74百万円減少の68億50百万円となりました。これは投資有価証券が3億39百万円、繰延税金資産が1億31百万円、建物及び構築物が1億15百万円減少したことなどによるものであります。

負債合計は、前連結会計年度に比べ6億53百万円減少の93億96百万円となりました。これは短期借入金が5億43百万円、支払手形及び買掛金が2億73百万円、長期未払金が1億11百万円減少したことなどによるものであります。

純資産合計は、前連結会計年度に比べ2億78百万円増加の35億96百万円となりました。

これらの結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比べ14円73銭増加の192円35銭となり、自己資本比率は24.8%から27.7%になりました。

(3)経営成績の分析

① 概要

 当連結会計年度は、東日本大震災の影響による落ち込みから緩やかに持ち直しの動きも見られたものの、原油価格の上昇や海外経済の減速などの影響を受け、国内経済はデフレ状況から脱却できず景気動向は依然厳しい状況のなか、当連結会計年度が終了いたしました。

 当社及び連結子会社は、お客様の信頼を得る製品を提供することに主眼を置き、品質管理を徹底し、需要拡大に努めてまいりましたが受注競争の激化などにより営業業績は厳しい結果となりました。

② 売上高

 連結売上高は前連結会計年度に比べ2.6%減少し171億79百万円となりました。

 商業印刷部門は、コスト競争が益々激しさを増し、前連結会計年度に比べ8.5%減少し21億16百万円となりました。

 包装資材及び紙器、紙工品部門は、環境対応製品である食品包装資材や紙器は順調に推移したものの、ビジネスフォーム類が大幅に減少し、前連結会計年度に比べ3.1%減少し85億94百万円となりました。

 情報機器及びサプライ品部門は、情報機器類が堅調に推移し、前連結会計年度に比べ0.8%増加し49億57百万円となりました。

 その他の部門は、高・中低圧ポリ袋が減少し、前連結会計年度に比べ1.5%減少し15億11百万円となりました。

③ 営業利益

 主要原材料価格の上昇などによるコスト増加分を吸収できず、売上原価率が上昇し売上利益の低下を余儀なくされ、営業利益は前連結会計年度に比べ78.1%減少し56百万円となりました。

④ 当期純利益

 保有資産の有効活用を図るため固定資産の一部を譲渡し、その売却益など特別利益7億40百万円、財務体質の一層の健全化を図るため投資有価証券を売却したことなどにより特別損失2億58百万円を計上しました。また、法人税等は2億45百万円となり、当期純利益は前連結会計年度に比べ168.7%増加し、2億67百万円となりました。

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要」の「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 今後の見通しにつきましては、国内における印刷業界の市場は成熟され大きな成長が望めないなか、当社及び連結子会社は厳しい経営環境に迅速に対応し、人材の育成強化を図り営業・生産・管理が一体となり、低成長下でも利益を創出し安定的な収益確保と経営体質の強化を目指し、以下の施策を着実に実現していくことが必要であると認識しております。

① 営業力の増強

 新規顧客の開拓と既存顧客との関係強化を図り顧客第一主義に徹し、生産技術や生産管理の改善に努め品質重視の原点に立ち返り品質管理を強化し、コストダウンに努めるとともに、全ての対応についてスピード化に努めます。また、大都市での大口取引の販路拡大を目指すとともに、地場産業との結びつきも強化しバランスの取れた営業展開に努めます。

 商業印刷分野におきましては、当社及び連結子会社の企画力や印刷技術を駆使することにより、美術館や博物館の展示会用のポスター、図録等を受注することでイメージアップを図り、一般商業印刷やカレンダーの販路拡大に努めます。

 食品包装資材分野におきましては、お客様に対して環境製品の積極的な提案、提供をするとともに、包装展においても積極的に出展を行うことで、水性フレキソ包材や軟包装、パッケージ等幅広い商品群のトータル販売に努めます。

 情報関連機器におきましては、コンパクト、中型バーコードプリンターの販売のみならず、各顧客の要望に応じてオーダーメイドのラベリングマシンを提供することで、小売業への販売並びに製造業や物流業への販路拡大に努めます。

 タグ・ラベル分野におきましては、情報機器の純正サプライ品としてセット販売を実施し、なお一層のコストダウンを図りシェアアップを実現いたします。また、製版、印刷技術を駆使することにより、付加価値の高いセキュリティーラベルやカラーラベルに取り組み、医療・医薬や化粧品分野等の新しい業種への開拓に努めます。

② 財務体質の強化 

 キャッシュ・フローを重視した資産効率の向上を図り、更なる財務体質の強化に努めてまいります。

③ 企業の社会的責任

法令や企業倫理の遵守の徹底を図り、環境保全製品の製造・販売を通じて環境保全活動を推進し、企業の社会的責任を自覚し、社会に対する責任と義務を果たし社会の発展に寄与してまいります。その一環として「容器包装リサイクル法」に基づく分別収集及び再商品化への推進に取り組んでまいります。





出典: 野崎印刷紙業株式会社、2012-03-31 期 有価証券報告書