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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、東日本大震災の復興需要などにより一部に持ち直しの動きが見られましたものの、外需の牽引力低下に加え企業の生産活動の鈍化などから、消費動向は依然低迷し長引くデフレ状況から脱却できず、先行きの不透明感を払拭できない状況で推移いたしました。

印刷業界におきましても、印刷関連需要の減少から市場が縮小傾向にあり、同業者間の価格競争が激しさを増す大変厳しい経営環境が続いております。

このような経営環境のなか、当社及び連結子会社は生産設備の更新・改修などを図り生産の内製化を推進し、製品の品質安定と向上に努め、お取引先のニーズにお応えする製品を提供し、積極的な提案営業を展開し併せて新規販路の開拓に努めてまいりました。また、経営資源の有効活用と財務体質の強化を図るため固定資産の一部を譲渡いたしました。

これらの結果、当連結会計年度の業績は、消費低迷や受注競争による販売価格の低下などから売上高は169億68百万円(前期比1.2%減)、営業利益は諸経費の削減効果により1億18百万円(前期比109.4%増)、経常利益は1億10百万円(前期比96.4%増)となり、当期純利益は固定資産の売却益などにより1億20百万円(前期比55.2%減)の計上となりました。

なお、当社及び連結子会社は印刷事業セグメントのみであるため、事業部門別の売上概況を示せば、次のとおりであります。また、利益については管理上、部門別には把握しておりません。

①商業印刷部門

 当部門のカレンダーは企業の経費削減などにより減少いたしましたが、見本帳、カタログ類が堅調に推移し、この部門全体の売上高は21億56百万円(前期比1.8%増)となりました。

②包装資材及び紙器、紙工品部門

 当部門の食品包装資材は東日本大震災の復興需要の反動減などにより減少となりましたが、紙器におきましては提案営業が奏功し堅調に推移し、この部門全体の売上高は86億38百万円(前期比0.5%増)となりました。

③情報機器及びサプライ品部門 

 当部門の情報タグ・ラベル類は価格競争の激化で単価下落などにより減少し、情報機器類も低調に推移し、この部門全体の売上高は46億6百万円(前期比7.0%減)となりました。

④その他の部門 

当部門の中低圧ポリ袋は需要が回復し順調に推移し、この部門全体の売上高は15億67百万円(前期比3.7%増)となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は6億34百万円となり、前連結会計年度に比べ6億35百万円減少しております。その内訳は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動による資金の増加は、1億44百万円(前期は5億77百万円の増加)となりました。これは法人税等の支払額2億1百万円、有形固定資産の除売却損益1億48百万円、売上債権の増加1億43百万円、たな卸資産の増加1億41百万円等資金が減少したものの、減価償却費5億32百万円、税金等調整前当期純利益2億66百万円等資金が増加したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動による資金の減少は、6億24百万円(前期は5億54百万円の増加)となりました。これは有形固定資産の売却1億72百万円等資金が増加したものの、有形固定資産の取得7億35百万円、子会社株式の取得40百万円等資金が減少したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動による資金の減少は、1億56百万円(前期は6億2百万円の減少)となりました。これは長期借入れにより4億25百万円資金が増加したものの、長期借入金の返済4億24百万円、自己株式の取得68百万円、配当金の支払54百万円、短期借入金の純減少48百万円等資金が減少したことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

事業部門

生産高(千円)

前年同期比(%)

商業印刷

1,781,936

0.8

包装資材及び紙器、紙工品

5,632,765

0.0

情報機器及びサプライ品

3,005,069

△8.3

その他

合計

10,419,771

△2.3

(注)1 事業部門間の取引については、相殺消去しております。

2 金額は、製造原価によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)仕入実績

事業部門

仕入高(千円)

前年同期比(%)

商業印刷

325,940

30.2

包装資材及び紙器、紙工品

1,829,053

5.2

情報機器及びサプライ品

647,197

9.6

その他

1,227,946

5.2

合計

4,030,138

7.6

(注)1 事業部門間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)受注実績

事業部門

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

商業印刷

2,152,375

1.9

109,854

△3.2

包装資材及び紙器、紙工品

8,630,806

0.5

923,256

△0.8

情報機器及びサプライ品

4,593,762

△6.9

299,000

△4.1

その他

1,566,586

3.7

37,708

△3.3

合計

16,943,530

△1.1

1,369,820

△1.8

(注)1 事業部門間の取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格によっております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(4)販売実績

事業部門

販売高(千円)

前年同期比(%)

商業印刷

2,156,071

1.8

包装資材及び紙器、紙工品

8,638,327

0.5

情報機器及びサプライ品

4,606,615

△7.0

その他

1,567,904

3.7

合計

16,968,918

△1.2

 (注)1 事業部門間の取引については、相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

今後の見通しにつきましては、政府の大胆な金融緩和など経済・財政政策の効果により、個人消費の改善が見込まれ、景気回復に向かうと期待されますものの、原材料の高騰や電力料の値上げなど当社を取り巻く経営環境は、依然として厳しい状況が続くものと予想されます。このような状況のもと当社及び連結子会社は、首都圏での販路拡大を目指すとともに、全国の営業拠点を活かし地場産業との結びつきの強化を進め収益向上に努めてまいります。また、生産面においては、引き続き品質管理体制の強化を進めるとともに設備の拡充を図り、お取引先に満足していただける製品を提供することに尽力いたします。これらの施策を一丸となって取り組むことにより、低成長下においても利益を創出できる経営基盤の確立を目指し企業価値の向上に努めてまいります。

 なお、財務的には安定した経営を図るため、収益体質の強化に取り組み、当社及び連結子会社の自己資本の向上に努めてまいります。

 流動資金については、管理体制の充実を図り、流動資産の適正水準管理を徹底し、資金の効率活用と手元流動性の確保に努めてまいります。

 金融機関との取引については、永年培われた良好な信頼関係の維持・発展を図ってまいります。

 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針については、重要な事項として認識しておりますが、当社の株主等現状を鑑みて、現時点では防衛策の導入等はいたしておりません。

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社及び連結子会社が判断したものであります。

(1)流通業界との取引

 当社及び連結子会社の取引先には百貨店、スーパー等の流通業が数多くあり、従来と比較して、その依存割合は減少したとはいえ売上高の約19%を占めております。従いまして、流通業の業績により当社及び連結子会社製品の使用量の減少や価格の低下など業績に影響する可能性があります。

(2)価格競争

 当社及び連結子会社は多くの企業と競合関係にあり、受注価格の低下が進んでおります。付加価値の高い製品やコスト削減により利益の確保に努めておりますが、更なる競争の激化により業績に影響を与える可能性があります。

(3)原料の価格

 当社及び連結子会社の製品の主たる原材料である原紙の価格が、紙パルプの市況、原油価格等の高騰を受け上昇した場合であっても、業界の販売価格競争が激しく、価格転嫁が難しいことが考えられ、その結果、収益性の低下を招き業績に影響を与える可能性があります。

(4)機器等の在庫

 当社及び連結子会社が製造、販売しております情報機器は、技術革新等により陳腐化が激しく、また、生産体制の関係から各機種とも一定ロットの生産が必要となるため、市場の動向を読み誤った場合、評価損が生ずる危険性があり、業績に影響を与える可能性があります。

(5)有利子負債

 当社及び連結子会社は設備投資に要する資金を自己資金及び金融機関からの借入金により調達しております。当社及び連結子会社として自己資本の充実に努めておりますが、今後、金利水準が変動した場合によっては、当社及び連結子会社の業績、財政状態に影響を与える可能性があります。

(6)災害の発生

 当社及び連結子会社においては、生産拠点の分散化を図り、災害による影響を最小限に抑えるための万全の対策をとっておりますが、大地震や水害など予想を超える被害が発生し生産活動が停止した場合、業績に影響を与える可能性があります。

(7)法的規制

 当社及び連結子会社の製品の一部が「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進に関する法律」(以下「容器包装リサイクル法」という。)に規定する容器包装に該当しているため、当社は「容器包装リサイクル法」に基づく、再商品化の業務を財団法人日本容器包装リサイクル協会に委託しております。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

6【研究開発活動】

 特記事項はありません。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社及び連結子会社が判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社及び連結子会社の連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

 この連結財務諸表作成の前提となる連結の範囲を決定するにあたって、株式の実質的な所有関係等を勘案して4社を連結子会社としております。

 この連結財務諸表の作成にあたって、重要な見積り、判断及び仮定を行う必要があります。会計方針を適用するにあたり、より重要な判断を要し、財務状況及び業績に影響を与える項目は下記のとおりであります。

① 貸倒見積高の算定

 債権の貸倒の可能性について予測する必要があるため、一般債権については貸倒実績率に基づき計上し、貸倒懸念債権及び破産更生債権等については回収の可能性を勘案して個別に検討しております。相手先の財務状況等が悪化し回収可能額が見積りより減少する可能性が発生した場合は、貸倒引当金を積み増すことで、損益に影響を与える可能性があります。

② 投資有価証券の減損

 長期的な取引関係の維持のために、取引先及び金融機関の株式の一部を所有しております。これらの株式のうち時価のあるものについては、時価の下落率が取得原価に対して30〜50%に達した場合、個別銘柄毎に過去一定期間の高値等、時価水準を把握するとともに、公表財務諸表での財務比率の検討等を行い、減損の実施を総合的に判断しております。将来、株式市況の悪化又は投資先の業績不振により、減損が必要となり、損益に影響を与える可能性があります。

③ 繰延税金資産の回収可能性

 現在一定期間内における回収可能性に基づき貸借対照表上に相当額の繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の計上は将来予測される課税所得金額により影響を受けます。将来の課税所得に対する実現可能性の評価については実績情報とともに将来に関するあらゆる入手可能な情報を考慮しております。これらの状況に変化があった場合は繰延税金資産計上額に対する評価性引当額を計上する可能性があります。繰延税金資産の回収可能性が見込めなくなった場合、過大となった金額を取崩すことにより、財務諸表に重大な影響を及ぼす可能性があります。

④ 退職給付債務等の見積り

 数理計算に基づいた退職金に関する費用及び負債を計上しております。退職給付費用及び退職給付債務の決定に用いられる仮定には、割引率、平均残存勤続年数等があります。これらの仮定は妥当なものと考えておりますが、仮定自体の変動により、退職給付費用及び退職給付債務に影響を与える可能性があります。

(2)財政状態の分析 

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比較して1億82百万円減少して128億10百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度に比べ3億52百万円減少の57億90百万円となりました。これは受取手形及び売掛金が1億45百万円増加したものの、現金及び預金が6億35百万円減少したことなどによるものであります。固定資産は、前連結会計年度に比べ1億69百万円増加の70億19百万円となりました。これは建物及び構築物が1億9百万円減少したものの、機械装置及び運搬具が2億4百万円増加したことなどによるものであります。

負債合計は、前連結会計年度に比べ1億88百万円減少の92億7百万円となりました。

純資産合計は、前連結会計年度に比べ5百万円増加の36億2百万円となりました。

これらの結果、1株当たり純資産額は、前連結会計年度に比べ4円35銭増加の196円70銭となり、自己資本比率は27.7%から27.8%になりました。

(3)経営成績の分析

① 概要

 当連結会計年度は、東日本大震災の復興需要などから一部に持ち直しの動きが見られましたものの、長引くデフレ状況から消費動向は依然低迷し先行き不透明な経済状況が続くなか、当連結会計年度が終了いたしました。

 当社及び連結子会社は、生産設備の増強を図り製品の品質の安定と向上に努め、お取引先のニーズにお応えする製品を提供し需要喚起に努めましたが、同業者間との受注競争の激化に伴う単価下落などの影響を受け、営業成績は依然として低調に推移いたしました。

② 売上高

 連結売上高は前連結会計年度に比べ1.2%減少し169億68百万円となりました。

 商業印刷部門のうち、カレンダー類は企業の広告宣伝費抑制により需要が低迷いたしましたが、カタログ、見本帳類は当社の印刷技術、企画提案の評価を受け堅調に推移し前連結会計年度に比べ1.8%増加し21億56百万円となりました。

 包装資材及び紙器、紙工品部門のうち、食品包装資材やビジネスフォーム類は受注競争による単価下落などの影響から減少となりましたが、紙器類におきましては提案営業が奏功し堅調に推移し、前連結会計年度に比べ0.5%増加し86億38百万円となりました。

 情報機器及びサプライ品部門のうち、情報タグ・ラベル、情報機器類は新規顧客の開拓に努めましたものの、価格競争の激化やお取引先の需要減少の影響などから低調に推移し、前連結会計年度に比べ7.0%減少し46億6百万円となりました。

 その他の部門うち、中低圧ポリ袋の需要が回復したことなどにより順調に推移し、前連結会計年度に比べ3.7%増加し15億67百万円となりました。

③ 営業利益

 製造原価の改善に向けコスト管理の強化や仕入価格の見直しなどに取り組みましたが、受注案件の小口化などの対応が十分な結果を得られず売上原価の低減が進まなかったものの、販売費及び一般管理費の削減により営業利益は前連結会計年度に比べ109.4%増加し1億18百万円となりました。

④ 当期純利益

 特別利益は固定資産売却益など1億64百万円の収益を計上し、法人税等は1億28百万円となりました。当期純利益は前連結会計年度に比べ55.2%減少し、1億20百万円となりました。

(4)経営成績に重要な影響を与える要因について

「第2 事業の状況 4 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

(5)資本の財源及び資金の流動性についての分析

「第2 事業の状況 1 業績等の概要」の「(2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。 

(6)経営者の問題認識と今後の方針について

 今後の見通しにつきましては、国内における印刷業界の市場は成熟され大きな成長が望めないなか、当社及び連結子会社は厳しい経営環境に迅速に対応し、人材の育成強化を図り営業・生産・管理が一体となり、低成長下でも利益を創出し安定的な収益確保と経営体質の強化を目指し、以下の施策を着実に実現していくことが必要であると認識しております。

① 営業力の増強

 新規顧客の開拓と既存顧客との関係強化を図り顧客第一主義に徹し、生産技術や生産管理の改善に努め品質重視の原点に立ち返り品質管理を強化し、コストダウンに努めるとともに、全ての対応についてスピード化に努めます。また、大都市での大口取引の販路拡大を目指すとともに、地場産業との結びつきも強化しバランスの取れた営業展開に努めます。

 商業印刷分野におきましては、当社及び連結子会社の企画力や印刷技術を駆使することにより、美術館や博物館の展示会用のポスター、図録等を受注することでイメージアップを図り、一般商業印刷やカレンダーの販路拡大に努めます。

 食品包装資材分野におきましては、お客様に対して環境製品の積極的な提案、提供をするとともに、包装展においても積極的に出展を行うことで、水性フレキソ包材や軟包装、パッケージ等幅広い商品群のトータル販売に努めます。

 情報関連機器におきましては、コンパクト、中型バーコードプリンターの販売のみならず、各顧客の要望に応じてオーダーメイドのラベリングマシンを提供することで、小売業への販売並びに製造業や物流業への販路拡大に努めます。

 タグ・ラベル分野におきましては、情報機器の純正サプライ品としてセット販売を実施し、なお一層のコストダウンを図りシェアアップを実現いたします。また、製版、印刷技術を駆使することにより、付加価値の高いセキュリティーラベルやカラーラベルに取り組み、医療・医薬や化粧品分野等の新しい業種への開拓に努めます。

② 財務体質の強化 

 キャッシュ・フローを重視した資産効率の向上を図り、更なる財務体質の強化に努めてまいります。

③ 企業の社会的責任

法令や企業倫理の遵守の徹底を図り、環境保全製品の製造・販売を通じて環境保全活動を推進し、企業の社会的責任を自覚し、社会に対する責任と義務を果たし社会の発展に寄与してまいります。その一環として「容器包装リサイクル法」に基づく分別収集及び再商品化への推進に取り組んでまいります。





出典: 野崎印刷紙業株式会社、2013-03-31 期 有価証券報告書