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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、海外経済の好況に支えられて企業部門の改善が進み、緩やかな景気回復基調が続きましたが、期の後半から、原油価格の高騰やIT(情報技術)関連の在庫調整などを背景として生産や輸出の伸びに鈍化が見られるようになりました。加えて民間設備投資や個人消費にも減速感が現れるなど、景気は弱含みの局面に転じて先行き不透明感が払拭できない状況となりました。

このような経済情勢は当社グループをとりまく関係業界にも影響を及ぼしました。原油価格の高騰は原材料価格の上昇を招き、IT関連の在庫調整は国内外の需要後退の要因となりました。その結果、市場環境は悪化し、受注競争はさらに激しさを増すとともに、価格の下落や多品種・小ロット・短納期化の傾向がますます強まるなど、厳しい経営環境が続きました。

こうした経営環境下にあって当社グループは、多様化し高度化する市場のニーズに的確に応えるため、品質・納期・価格の顧客満足度を最優先とする製品・技術・サービスの提供に総力を挙げて取り組んでまいりました。印刷・情報事業部門におきましては、マーケティング力の向上と新規市場の開拓促進に努め、顧客満足度を高めるための企画・提案型営業活動を積極的に展開しました。産業資材・電子事業部門では、世界市場のさらなる拡大をめざして海外拠点を整備、拡充する一方、グループ全体が一丸となって高品質・低コスト・迅速な供給対応を実現することにより、受注獲得を強力に推し進めてまいりました。

このような経営努力の結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高では、700億93百万円(前年同期比4.8%増)となり、また利益面では、営業利益は94億33百万円(前年同期比14.9%増)、経常利益は99億89百万円(前年同期比36.1%増)、当期純利益は56億69百万円(前年同期比29.8%増)となりました。また単体業績は、売上高は、674億95百万円(前年同期比1.9%増)となり、利益面でも、営業利益は78億36百万円(前年同期比16.4%増)、経常利益は85億30百万円(前年同期比42.6%増)、当期純利益は48億22百万円(前年同期比36.3%増)となりました。

 

部門別の業績は次の通りであります。

 

商業印刷物は、広告・宣伝需要の後退などにより市場環境が一層厳しさを増すなか、企画提案型ソリューションビジネスなど積極的な受注活動を展開いたしましたが、一部通販関連の落込みにより前年実績を下回る結果となりました。

一方、書籍・出版印刷物は、長引く出版市場の低迷のなか、美術関係図書などでほぼ前年実績を確保しました。

産業資材部門では、情報機器・デジタル家電・携帯端末などの需要増に支えられ堅調に推移しました。電子部門では、競争激化による部品価格の下落などの厳しい状況のなか、積極的な営業活動を推進した結果、前年を上回る結果となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益が99億25百万円と前連結会計年度と比べ23億25百万円増加する一方、70億円の社債償還等の支出により、当連結会計年度末には185億57百万円と前連結会計年度末に比べ10億27百万円の増加となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は81億58百万円となり、前連結会計年度に比べ30億57百万円増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益が99億25百万円と前連結会計年度に比べ23億25百万円増加したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は5億29百万円となりました。これは主に有価証券の償還等により資金が29億52百万円増加する一方、設備投資により30億51百万円、投資有価証券の取得に5億21百万円使用したこと等によるものであります。なお、前連結会計年度は投資有価証券の取得や設備投資により178億37百万円の資金を使用しました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は65億89百万円となりました。これは主に70億円の社債を償還したことによるものであり、一方では、自己株式の売却により資金が15億95百万円増加しました。なお、前連結会計年度は社債発行による資金の増加と自己株式の取得等による資金の減少により69億21百万円の資金を得ました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(注) 1 下記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 「(1) 生産実績」及び「(2) 受注状況」における金額は販売価格によっております。

 

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績を部門別に示すと、次の通りであります。

 

部門名

金額(百万円)

前年同期比(%)

商業印刷物

18,632

△7.2

書籍

5,649

△1.3

産業資材・電子

46,275

12.6

合計

70,556

5.5

 

(2) 受注状況

当連結会計年度の受注状況を部門別に示すと、次の通りであります。

 

部門名

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

商業印刷物

18,570

△5.0

736

△8.7

書籍

5,755

0.1

769

11.3

産業資材・電子

46,454

10.5

3,018

29.0

合計

70,779

5.1

4,523

17.9

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績を部門別に示すと、次の通りであります。

 

部門名

金額(百万円)

前年同期比(%)

商業印刷物

18,640

△4.5

書籍

5,677

△0.8

産業資材・電子

45,776

10.0

合計

70,093

4.8

 

3 【対処すべき課題】

今後の当社グループ(当社及び連結子会社)を取り巻く環境を展望すると、踊り場的な状況にあった景気は、IT関連分野の在庫調整が着実に進み、設備投資にも持ち直しが見られるほか、個人消費も雇用情勢の改善により底固さがうかがえることから、緩やかな再浮揚の兆しがでてくるものと思われます。しかし一方では、米国経済の動向、中国問題、原油高による原材料価格の高騰など、まだまだ先行き懸念要因は払拭できず、今後もなお予断を許さない経営・経済環境が続くものと予想されます。

当社グループではこのような情勢を踏まえて、経済情勢を冷静に判断し、常に変化する市場のニーズを的確にとらえながら着実に事業を展開してまいります。特に平成17年度は中期経営計画の3ヶ年目として総仕上げの年になることから、グループ一丸となって目標の完全達成へ向け全力で取り組む決意です。印刷・情報事業におきましては、企画力・提案力強化による積極的営業をさらに推進し、営業と生産が一体となって生産効率の向上を図り、競争力のあるコスト構造を創出します。産業資材・電子事業におきましては、グローバルな成長市場をターゲットにして当社技術の優位性を最大限に発揮し、事業拡大を一段と加速させるとともに、スピード・品質などすべてにおいて世界最高レベルの製品・サービスを提供するため、グループ内の連携体制をさらに強化して効率最適化を実現し、一層強固な事業基盤を構築する考えです。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態並びに当社の株価に影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクは以下の通りであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成17年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 景気の変動

当社グループは、「印刷」を基盤に培った高品位で精緻な固有技術を核として、商業印刷物、書籍、産業資材・電子関連等、幅広い分野で事業活動を展開しております。

当社グループが販売する製品の大半は、いずれの分野も国内外の景気変動の影響を受ける傾向にあります。従いまして、これら市場における景気が後退し需要が縮小した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 顧客ニーズ・市場動向

当社グループの受注環境につきましては、各分野とも多品種・小ロット・短納期化・高品質化の傾向が年々強まっており、価格競争も大変厳しくなってきております。

当社グループではこうした状況に的確に対応するため、常に顧客のニーズを満たし期待に応え得る製品とサービスを創出し技術開発と品質向上に努めておりますが、これら顧客ニーズ・市場動向が大きく変化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 当社グループにおける部門別売上高

平成17年3月期における当社グループの連結売上高は700億円であり、このうち産業資材・電子部門が占める割合は65%であります。また、同部門における売上高の伸びは前年同期比10.0%増であります。

これらの傾向は、情報機器、デジタル家電、携帯端末向け製品等の需要の伸びによるものであることから、当社グループの業績及び財政状態は、情報技術産業における製品需要動向の影響を受けます。

(4) 為替の変動

当社グループの海外売上高は増加しており、連結売上高に占めるその比率は、前連結会計年度 34.0%、当連結会計年度38.5%であります。

これら取引のおおよそ9割は円建であり、1割は米ドル建であります。当社グループでは、為替変動による業績への影響を最小限にするよう努めておりますが、為替相場が大きく変動した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(5) 保有有価証券

当社グループは当連結会計年度末現在で、株式・債券等の有価証券を227億円保有しており、このうち大半は時価のある有価証券であります。また、当連結会計年度末の時価評価によって増加した純資産(その他有価証券評価差額金の金額)は43億円であります。

これらの有価証券については、発行体の財政状態や業績推移、格付等の状況を吟味し安全性を十分確認しておりますが、相場の著しい変動や債券のデフォルト等が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(6) 債権回収

当社グループでは、海外取引が増加していること等を勘案し、債権に対する貸倒引当金の設定については、取引先が所在している国や地域、回収期間等を十分考慮のうえ見積り計上しております。

今後、債権の回収状況が大きく悪化した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、「精細な画像と先端的な機能」を開発の基本コンセプトとして、ますます多様化・高機能・高品位が求められる市場ニーズにマッチした先端的な製品及びシステムの研究開発に積極的に取り組んでおります。

現在の研究開発活動は、中長期的な企業戦略としての開発については当社の技術開発本部が中心になって行い、短期的な顧客ニーズに対応する製品開発については、それぞれの製造部門が担当しております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、当社の技術開発本部で行っている基礎・応用費用386百万円であります。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

当連結会計年度における財政状態につきましては、平成16年9月に普通社債70億円を償還しました。償還資金は自己資金及び平成15年8月に発行した普通社債100億円等により充当しました。

総資産は、前連結会計年度に比べ0.2%減少し922億9百万円となりました。これは主として上記の普通社債の償還によるものであります。

純資産は、前連結会計年度に比べ13.7%増加し518億27百万円となりました。これは主として当期純利益56億69百万円及び自己株式の売却15億95百万円等による増加であります。また、負債は、普通社債の償還により前連結会計年度に比べ13.6%減少し402億89百万円となりました。

これらの結果、1株当たり純資産額は前連結会計年度に比べ116円35銭増加し1,195円65銭となりました。また自己資本比率は6.8ポイント上昇し56.2%となりました。

当連結会計年度における経営成績につきましては、売上高は、前連結会計年度に比べ4.8%増加し700億93百万円となりました。この増加は主として産業資材・電子部門の売上高が前連結会計年度に比べ10.0%増加したことによるものであります。

売上原価は15億9百万円増加しましたが、コストダウン等の取組みにより売上原価率では前連結会計年度に比べ1.3ポイント低下し74.1%となりました。

これらの結果、営業利益は前連結会計年度に比べ14.9%増加し94億33百万円となりました。

営業外損益では、前連結会計年度に為替差損9億32百万円を計上する一方、当連結会計年度は円安傾向により為替差益1億76百万円を計上しました。特別損益では、債権回収による貸倒引当金戻入益を前連結会計年度に3億98百万円、当連結会計年度に87百万円計上しました。

これらの結果、前連結会計年度に比べ経常利益は36.1%増加し99億89百万円、税金等調整前当期純利益は30.6%増加し99億25百万円、当期純利益は29.8%増加し56億69百万円となりました。

1株当たり当期純利益は、収益が伸びたことにより前連結会計年度に比べ34円35銭増加し132円69銭となりました。また自己資本利益率は1.7ポイント上昇し11.6%となりました。





出典: 日本写真印刷株式会社、2005-03-31 期 有価証券報告書