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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益の改善に伴い、堅調な設備投資や雇用環境の拡大、個人消費の増加など、内需主導色を強めながら、回復基調をたどりました。しかし、原油高による原材料価格の高騰は企業活動の圧迫要因となり、依然として不透明感が払拭できない状況のもとに推移しました。

このような経済情勢は当社グループをとりまく関係業界にも影響を及ぼしました。国内外の需要が拡大する一方、原油価格の高止まりが続いていることから仕入価格や輸送コストが上昇したことに加え、多品種・小ロット・短納期化の傾向がより顕著となり価格競争がいっそう激化するなど、引き続き厳しい経営環境が続きました。

こうした経営環境下にあって当社グループでは、平成15年度からスタートした中期経営計画の3ヶ年目の総仕上げの年として、多様化し高度化する国内外の市場のニーズに的確に応えるため、高品質・低コスト・迅速な供給対応を中心に、顧客満足度を最優先する技術・製品・サービスの創出に努めました。印刷情報事業部門におきましては、企画力・提案力を強化して市場ニーズの変化に対応した営業展開を図るとともに、新規市場の開拓を進めました。産業資材・電子事業部門におきましては、世界市場へ向けた事業領域のさらなる拡大を目指して、海外拠点の整備・拡充を迅速に進め、生産・技術・営業が一体となって精力的に受注活動を展開いたしました。

このような経営努力の結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高では、824億46百万円(前年同期比17.6%増)となり、また利益面では、営業利益は151億43百万円(前年同期比60.5%増)、経常利益は159億42百万円(前年同期比59.6%増)、当期純利益は89億79百万円(前年同期比58.4%増)となりました。また単体業績では、売上高は、794億6百万円(前年同期比17.6%増)となり、利益面では、営業利益は121億29百万円(前年同期比54.8%増)、経常利益は130億80百万円(前年同期比53.3%増)、当期純利益は74億22百万円(前年同期比53.9%増)となりました。

 

部門別の業績は次の通りであります。

 

商業印刷物では、市場環境の厳しさに好転の兆しが見られないなか、一部通販関連において落込みがあったものの、積極的に推進した企画提案型営業活動が奏功し、前年実績を上回る成果をあげました。

一方、書籍・出版印刷物では長引く出版市場の低迷により不本意ながら前年実績を下回る結果となりました。

産業資材部門では、情報機器・デジタル家電・携帯端末などの需要増に支えられ堅調に推移しました。

電子部門では、競争激化による部品価格の下落などの厳しい状況にあったものの、積極的な営業活動の展開により、前年とほぼ横ばいとなりました。

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ31億95百万円減少し、153億62百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は116億28百万円となり、前連結会計年度に比べ34億70百万円増加しました。これは主に税金等調整前当期純利益が155億36百万円と前連結会計年度に比べ56億11百万円増加したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は145億5百万円となりました。主な支出の内訳は、設備投資のための支出61億78百万円、投資有価証券の取得のための支出70億54百万円であります。なお、前連結会計年度は有価証券の償還等により資金が29億52百万円増加する一方、設備投資に30億51百万円、投資有価証券の取得に5億21百万円を支出したこと等により、5億29百万円の使用でありました。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は7億3百万円となりました。これは主に配当金の支払額12億31百万円によるものであります。なお、前連結会計年度は70億円の社債を償還したこと等により、65億89百万円の使用でありました。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(注) 1 下記金額には、消費税等は含まれておりません。

2 「(1) 生産実績」及び「(2) 受注状況」における金額は販売価格によっております。

 

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績を部門別に示すと、次の通りであります。

 

部門名

金額(百万円)

前年同期比(%)

商業印刷物

20,417

9.6

書籍

4,931

△12.7

産業資材・電子

58,580

26.6

合計

83,928

19.0

 

(2) 受注状況

当連結会計年度の受注状況を部門別に示すと、次の通りであります。

 

部門名

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

商業印刷物

20,640

11.1

1,206

63.9

書籍

4,836

△16.0

636

△17.3

産業資材・電子

56,905

22.5

2,616

△13.3

合計

82,381

16.4

4,458

△1.4

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績を部門別に示すと、次の通りであります。

 

部門名

金額(百万円)

前年同期比(%)

商業印刷物

20,170

8.2

書籍

4,969

△12.5

産業資材・電子

57,307

25.2

合計

82,446

17.6

 

3 【対処すべき課題】

当社グループ(当社及び連結子会社)は中長期的な経営戦略について、着実にかつスピードを上げて実行し、事業構造の変革と収益力の向上を図ることが重要課題であると考えております。

そのため、印刷情報事業分野では、マーケティング戦略重視のもとデジタル技術によるソリューションビジネスの積極的な展開を図るとともに、品質信頼度の優位性を確立しつつさらに徹底した合理化、効率化によるコストダウンに取り組み業績改善をめざします。

また、産業資材・電子事業分野では、有望商品に向けての資源集中とグローバルな市場拡大展開に注力するとともに、内外の需要増に対応して生産の増強と品質技術の向上を図り、さらに業績伸張をめざし全力をあげて取り組みます。

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクは以下の通りであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成18年3月31日)現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 景気の変動

当社グループは、「印刷」を基盤に培った高品位で精緻な固有技術を核として、商業印刷物、書籍、産業資材・電子関連等、幅広い分野で事業活動を展開しております。

当社グループが販売する製品の大半は、いずれの分野も国内外の景気変動の影響を受ける傾向にあります。従いまして、これら市場における景気が後退し需要が縮小した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 顧客ニーズ・市場動向

当社グループの受注環境につきましては、各分野とも多品種・小ロット・短納期化・高品質化の傾向が年々強まっており、価格競争も大変厳しくなってきております。

当社グループではこうした状況に的確に対応するため、常に顧客のニーズを満たし期待に応え得る製品とサービスを創出し技術開発と品質向上に努めておりますが、これら顧客ニーズ・市場動向が大きく変化した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(3) 当社グループにおける部門別売上高

当連結会計年度における当社グループの連結売上高は824億46百万円であり、このうち産業資材・電子事業部門が占める割合は69.5%であります。また、同部門における売上高の伸びは前年同期比25.2%増であります。

これらの傾向は、情報機器、デジタル家電、携帯端末向け製品等の需要の伸びによるものであることから、当社グループの業績及び財政状態は、情報技術産業における製品需要動向の影響を受けます。

(4) 為替の変動

当社グループの海外売上高は増加しており、連結売上高に占めるその比率は、前連結会計年度 38.5%、当連結会計年度45.6%であります。

これら取引のおおよそ9割は円建であり、1割は米ドル建であります。当社グループでは、為替変動による業績への影響を最小限にするよう努めておりますが、為替相場が大きく変動した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

(5) 保有有価証券

当社グループは当連結会計年度末現在で、株式・債券等の有価証券を262億76百万円保有しており、このうち大半は時価のある有価証券であります。また、当連結会計年度末の時価評価によって増加した純資産(その他有価証券評価差額金の金額)は65億21百万円であります。

これらの有価証券については、発行体の財政状態や業績推移、格付等の状況を吟味し安全性を十分確認しておりますが、相場の著しい変動や債券のデフォルト等が生じた場合、当社グループの業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

(6) 債権回収

当社グループでは、海外取引が増加していること等を勘案し、債権に対する貸倒引当金の設定については、取引先が所在している国や地域、回収期間等を十分考慮のうえ見積り計上しております。

今後、債権の回収状況が大きく悪化した場合は、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループ(当社及び連結子会社)は、「意匠と機能の融合」を開発の基本コンセプトとして、Trend Meets Technologyを実践した先端的な製品及びシステムの研究開発に積極的に取り組んでおります。

現在の研究開発活動は、中長期的な企業戦略としての開発については当社の技術開発本部が中心になって行い、短期的な顧客ニーズに対応する製品開発については、それぞれの製造部門が担当しております。当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、当社の技術開発本部で行っている基礎・応用費用441百万円であります。

 

7 【財政状態及び経営成績の分析】

当連結会計年度における財政状態につきましては、総資産は、前連結会計年度に比べ156億86百万円増加し1,078億95百万円となりました。これは主として売上高の増加に伴い、現金及び預金が50億18百万円、売掛金及び受取手形が26億14百万円、たな卸資産が12億11百万円それぞれ増加したことに加え、産業資材・電子部門を中心とする設備投資により有形固定資産が38億58百万円増加したこと、及び、時価評価の増加等により投資有価証券が25億96百万円増加したこと等によるものであります。

負債は、前連結会計年度に比べ57億47百万円増加し460億36百万円となりました。これは主として売上高の増加に伴い支払手形及び買掛金が24億62百万円増加したこと、及び、当期純利益の伸びにより未払法人税等が21億89百万円増加したこと等によるものであります。負債のうち当連結会計年度末現在における社債の発行残高は100億円であります。

純資産は、前連結会計年度に比べ100億28百万円増加し618億55百万円となりました。これは主として当期純利益89億79百万円を計上したこと、及び、前連結会計年度に比べその他有価証券評価差額金が21億25百万円増加したこと等によるものであります。

これらの結果、1株当たり純資産額は前連結会計年度に比べ232円35銭増加し1,428円となり、自己資本比率は1.1ポイント上昇し57.3%となりました。

当連結会計年度における経営成績につきましては、売上高は、前連結会計年度に比べ17.6%増加し824億46百万円となりました。このうち海外売上高は376億13百万円であり、連結売上高に占める割合は45.6%であります。海外売上高は主として産業資材・電子部門によるものであります。

営業利益は、前連結会計年度に比べ60.5%増加し151億43百万円となりました。これは主として積極的な営業展開や生産効率の向上、コストダウンへの取り組み等が成果をあげたことによるものであります。

営業外損益では、主として為替差益が前連結会計年度に比べ1億37百万円増加し3億13百万円となり、利益を押し上げました。

その結果、経常利益は前連結会計年度に比べ59.6%増加し159億42百万円となりました。

特別損益では、設備更新に伴う固定資産除売却損3億円、土地に係る減損損失1億13百万円を計上しました。

これらの結果、当期純利益は前連結会計年度に比べ58.4%増加し89億79百万円となりました。また、1株当たり当期純利益は、前連結会計年度に比べ72円72銭増加し205円41銭となり、自己資本利益率は4.2ポイント上昇し15.8%となりました。

 





出典: NISSHA株式会社、2006-03-31 期 有価証券報告書