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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるグローバル経済情勢を振り返りますと、米国では個人消費の増加や設備投資の持ち直しによって景気の回復が続き、欧州では景気は緩やかに回復しました。一方、中国をはじめとするアジア新興国の景気は一部で持ち直しの動きもみられましたが緩やかに減速しました。わが国の経済については、足元では弱さもみられるものの、企業収益は改善傾向にあり、景気は緩やかな回復基調を続けております。

このような状況のもと、当社グループにおいては、主力のディバイス事業は需要変動に適応したリーンな生産体制を確立するとともに生産効率の改善に努め、全社の利益を牽引しました。産業資材事業は安定的な成長が見込める自動車向け製品を拡販するなど事業ポートフォリオの組み換えを促進しました。

これらの結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は1,192億22百万円(前期比0.4%増)、利益面では営業利益は105億41百万円(前期比20.5%増)、経常利益は92億37百万円(前期比26.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は68億98百万円(前期比38.7%減)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりであります。

 

産業資材

産業資材は、さまざまな素材の表面を美しく彩る独自技術を有するセグメントであります。プラスチックの成形と同時に転写を行うIMDは、グローバル市場で自動車(内装)、家電製品、スマートフォンなどに広く採用されております。また、2015年8月6日には、高級ラベルやパッケージ向けの蒸着紙を手がける世界最大手のAR Metallizingグループを買収・子会社化し、印刷の近接・川上領域で蒸着紙の生産・販売を事業ポートフォリオに取り込むとともに、グローバル市場における飲料品、食品、日用品などの商圏を獲得することとなりました。また、2015年12月にはAR Metallizingグループが地理的な拡大を目指し、ブラジルの蒸着紙メーカー、Málaga Produtos Metalizadosを買収しました。これにより当社は、欧州・北米に加え、成長著しい南米の商圏と現地における生産体制を獲得しました。

当連結会計年度は、主力の自動車(内装)向けの製品需要が堅調に推移したほか、蒸着紙分野の業績貢献などにより事業規模が拡大しましたが、利益面では買収関連費用の計上などにより当初の想定を下回りました。

その結果、当連結会計年度の連結売上高は390億95百万円(前期比32.7%増)となり、セグメント損失(営業損失)は5億93百万円(前期は2億35百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。

 

ディバイス

ディバイスは、タッチ入力ディバイスFineTouchを中心とし、精密で機能性を追求したディバイスを提供していくセグメントであります。グローバル市場でタブレット端末、スマートフォン、携帯ゲーム機、自動車などに採用されております。

当連結会計年度は、タブレット端末向け静電容量方式タッチパネルの製品需要が想定を下回って推移したものの、利益面では需要変動に適応した生産体制の構築や生産効率の改善などが奏功し、当初の想定を大きく上回りました。

その結果、当連結会計年度の連結売上高は619億12百万円(前期比11.9%減)となり、セグメント利益(営業利益)は146億77百万円(前期比8.0%増)となりました。

 

情報コミュニケーション

情報コミュニケーションは、出版印刷、商業印刷、セールスプロモーション、Webソリューション、デジタルアーカイブなど、さまざまな製品・サービスを提供し、お客さま企業のマーケティング戦略や広告宣伝・販売促進などのコミュニケーション戦略全般をサポートしております。

当連結会計年度は、主力の商業印刷分野で情報メディアの多様化による印刷物の減少などの影響がありましたが、2015年7月1日の分社化以降、事業のコスト構造改革を加速するとともに変動費の削減に取り組みました。

その結果、当連結会計年度の連結売上高は167億9百万円(前期比6.6%減)となり、セグメント利益(営業利益)は81百万円(前期は6億57百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ122億4百万円増加し、416億88百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は148億15百万円(前期比31.4%減)となりました。これは主にたな卸資産の増加額として36億88百万円計上した一方、税金等調整前当期純利益として78億83百万円、減価償却費として78億47百万円、仕入債務の増加額として25億78百万円計上したこと等によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は214億76百万円(前期比418.6%増)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得として156億72百万円、有形固定資産の取得として41億54百万円支出したこと等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は196億33百万円(前期は110億63百万円の使用)となりました。これは主に社債の発行による収入として199億86百万円計上したこと等によるものであります。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

産業資材

40,110

+31.2

ディバイス

64,704

△5.5

情報コミュニケーション

16,610

△7.0

その他

1,649

+45.6

合計

123,074

+4.3

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. 金額は、販売価格によっております。

3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

産業資材

39,439

+32.1

4,095

+169.2

ディバイス

62,041

△12.0

8,426

+1.6

情報コミュニケーション

16,460

△7.1

1,236

△16.8

その他

1,549

+34.0

269

+19.9

合計

119,490

+0.2

14,027

+21.7

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3. 当連結会計年度においてH.I.G. Luxembourg Holdings 28 S.à r.l.(2015年9月15日付でNissha Luxembourg Holdings S.à r.l.に商号変更)の全株式を取得し、Nissha Luxembourg Holdings S.à r.l.およびその傘下にある事業会社のAR Metallizing N.V.およびそのグループ会社を子会社化したことにより、「産業資材」のセグメントの受注残高が大幅に増加しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

産業資材

39,095

+32.7

ディバイス

61,912

△11.9

情報コミュニケーション

16,709

△6.6

その他

1,504

+29.9

合計

119,222

+0.4

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

APPLE OPERATIONS

63,801

53.7

55,291

46.4

 

3. 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3 【対処すべき課題】

当社グループは、印刷技術を進化させながら、1990年代から2000年代まではIMDやタッチパネルなどの分野に選択的に経営資源を集中することで事業領域の拡大を実現してきました。しかし、主力のディバイス事業は事業環境が激しく変化するコンシューマー・エレクトロニクス業界に大きく依存していることから、対象市場のポートフォリオを適正化する必要があります。また、産業資材事業と情報コミュニケーション事業は業績の回復が不十分であり、事業構造の組み換えを加速することにより収益性を改善する必要があります。

当社グループは、こうした課題認識のもと、2015年度から3ヶ年の第5次中期経営計画の運用を開始しました。「印刷技術に新たなコア技術を獲得・融合し、グローバル成長市場で事業ポートフォリオの組み換えを完成させる」ことを中期ビジョンに掲げ、コンシューマー・エレクトロニクス市場への過度な依存を是正し、バランスの取れた事業・製品ポートフォリオを再構築する、「組み換え」の戦略に着手しております。具体的な取り組みを着実に積み重ねることで第5次中期経営計画の完遂を目指します。

当社グループは、企業理念に掲げる「広く社会との相互信頼に基づいた≪共生≫」の実現を目指し、株主、お客さま、サプライヤー、地域社会、社員といったステークホルダーのみなさまとの良好な関係を構築するために、グローバル視点で継続性のあるCSR活動を推進しております。また、コーポレートガバナンスを重要な経営課題と認識し、経営の透明性、公正性を確保することで、迅速かつ果断な意思決定を促進し、長期的な企業価値の向上を図ります。

 

 

なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。

 

株式会社の支配に関する基本方針

 

Ⅰ.基本方針の内容

 

上場会社・公開会社である当社の株式は、自由な取引が認められており、当社は、会社の支配権の移転を伴うような大規模な株式の買付提案またはこれに類似する行為に応じるか否かの判断は、最終的には、株主のみなさまのご意思に基づき行われるべきものであると考えております。従いまして、大規模な株式の買付提案であっても、当社グループの企業価値・株主のみなさまの共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。

当社では、企業価値や株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるためには、当社の企業理念を礎とし、未来志向型企業として常に価値ある製品・サービスを提供することを通じて社会に貢献することが必要不可欠であると考えております。具体的には、グローバルベースで成長市場を捕捉し、他社にはできないものづくりを通じて当社ならではの付加価値の高い製品・サービスを提供し続けること、そして絶え間ない研究開発・技術開発によってこれまで培ってきた印刷技術の概念を打ち破ることが、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益の確保・向上につながるものと考えております。

当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、このような基本的な考え方を十分に理解し、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を中・長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。

従いまして、上記のような基本的な考え方を十分に理解せず、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益に資さない不適切な当社株式の大規模な買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考え、当社はそれを抑止するための取り組みが必要不可欠であると考えております。

 

 

Ⅱ. 基本方針の実現に資する特別な取り組み

 

当社は、1929年に京都の地で創業して高級美術印刷を志向し、高品位な印刷技術によって「高級美術印刷の日写」と呼ばれる確固たるブランドを築きました。一方、1960年代以降、当社は紙への印刷だけではいずれ成長に限界が来るとの危機感から「水と空気以外には何にでも印刷する」という強い決意で事業領域の拡大に取り組み、現在の産業資材事業・ディバイス事業を誕生させました。そして1990年代の後半以降、コンシューマー・エレクトロニクスに関連する産業がグローバルベースで高い成長を遂げる中、当社はこの分野に経営資源を集中し、事業規模の拡大を実現しました。しかし、2008年の世界的な金融危機(リーマンショック)以降、コンシューマー・エレクトロニクスの分野では、製品需要の急激な変動や製品・サービスの低価格化が常態化するようになりました。

2015年度から運用が開始された第5次中期経営計画において、当社は「印刷技術に新たなコア技術を獲得・融合し、グローバル成長市場で事業ポートフォリオの組み換えを完成させる」ことを中期ビジョンに掲げ、コンシューマー・エレクトロニクス業界への過度な依存を是正し、バランスの取れた事業・製品ポートフォリオを再構築する、「組み換え」の戦略に着手しています。また、当社では、中期経営計画の進捗を捕捉するための経営管理指標として、ROEおよびROICを採用し、第5次中期経営計画ではROE10%以上、ROIC8%以上を目標としています。

前述のとおり、当社は創業以来、経営者の強いリーダーシップのもと、経営環境の変化に合わせて、これに適応した戦略を実践してきました。当社はこの強いリーダーシップのもとでコーポレートガバナンスが強化されることにより、迅速かつ果断な意思決定が促進され、同時に経営の透明性、公正性を確保することに繋がるものと考えており、コーポレートガバナンスを重要な経営課題と認識しています。

当社は、執行役員制度を導入し、取締役会が担うべき戦略策定および経営監視機能と、執行役員が担うべき業務執行機能との分化を図っています。また、取締役会のダイバーシティーを推進し、現在の取締役会は、独立性の高い社外取締役4名を含む取締役8名(社外取締役比率50%、女性比率12.5%)で構成されています。社外取締役は他社での企業経営の経験や、コーポレートガバナンス・経営戦略の研究者としての知見などから有益な指摘、意見を述べており、取締役会の議論は活性化しています。また、2015年10月には、当社はコーポレートガバナンス基本方針を制定しました。役員の選任や報酬に関して客観性と公正性を確保するために社外取締役の知見を活用した指名・報酬委員会を新設すること、取締役会の機能をさらに向上させるために取締役会の実効性の評価を年1回行うことなどを定めています。

当社は、以上の取り組みを継続して実行することによって、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益の確保・向上を実現できるものと考えています。

 

Ⅲ. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

 

当社は、2016年5月12日開催の当社取締役会において、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益のより一層の確保・向上を目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針の一部改定(以下、「本プラン」といいます。)を決議し、2016年6月17日開催の第97期定時株主総会において株主のみなさまにご承認いただきました。

本プランは、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付け、もしくは、当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けに該当する行為もしくはこれに類似する行為(以下、「買付等」といいます。)を行うまたは行うことを提案する者(以下、「買付者等」といいます。)が現れた場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主のみなさまが判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保すること、株主のみなさまのために買付者等との交渉を行うこと等を可能とすることを目的とし、その実現のために必要な手続を定めています。買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う場合、または、買付者等による買付等が当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を著しく損なうと判断される場合は、一定の対抗措置を実施することがあります。

本プランの詳細につきましては、当社ウェブサイトをご参照ください。

 

Ⅳ. 上記の取り組みについての取締役会の判断

 

上記Ⅱ.の取り組みは、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるための施策であり、その結果が株主および投資家のみなさまによる当社株式の評価に適正に反映されることにより、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を著しく損なうおそれのある買付等は困難になるものと考えられます。

上記Ⅲ.の取り組みは、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるための手続を定めるものです。また、本プランにおいては、(ⅰ)株主総会において株主のみなさまのご承認を得て導入されたものであることに加え、一定の場合には対抗措置の実施または不実施につき株主のみなさまのご意思を確認する仕組みが設けられていること、(ⅱ)株主総会で選任された取締役で構成される取締役会の決議によりいつでも本プランを廃することができること、(ⅲ)当社取締役会の恣意的判断を排除するため、独立委員会を設置し、取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重して意思決定を行うものとしていること、(ⅳ)本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること等が定められております。

従いまして、上記Ⅱ.およびⅢ.の取り組みは、いずれも、基本方針に沿うものであり、株主のみなさまの共同の利益の確保・向上に資するものであり、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績および財政状態ならびに当社の株価に影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクは以下のとおりであります。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) お客さまのニーズ・市場トレンド

当社グループの製品が多く使われているコンシューマー・エレクトロニクスの分野では、お客さまのニーズや市場トレンドの変化が速く、技術や製品のライフサイクルが短くなる傾向にあります。

当社グループではこうした状況に対して、お客さま満足を最優先に掲げ、市場トレンドを的確にとらえるとともに、お客さまニーズに応える技術・製品・サービスの提供に努めております。しかしながら、お客さまのニーズや市場のトレンドが大きく変化した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは売上高に占める特定のお客さまの割合が高い傾向にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の減少や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(2) 関連業界の需要動向

当社グループの主力事業はディバイス事業であり、連結売上高の構成比において51.9%を占めております。このセグメントは主としてタブレット端末、スマートフォン、携帯ゲーム機などのコンシューマー・エレクトロニクス分野に向けた事業を展開していることから、これら業界の需要動向や価格動向に大きな変化が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(3) 為替の変動

当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は73.6%であり、これらは外貨建て取引が中心であります。為替予約取引などにより将来の為替リスクを回避するように努めておりますが、急激な為替相場の変動は当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(4) 保有有価証券

当連結会計年度末において当社グループが保有している投資有価証券は98億48百万円であり、大半は時価のある株式であります。これらの保有有価証券については、発行体の財政状態や業績動向、格付状況等を把握し安全性を十分確認しておりますが、株式相場の著しい変動等が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(5) 売上債権およびたな卸資産

当連結会計年度末における当社グループの売上債権は216億65百万円、たな卸資産は145億55百万円であります。当社グループは与信管理や適正在庫管理の強化に努めておりますが、今後、貸倒れなどでこれらの資産価値に大きな変動が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当社グループはこれまで、印刷技術を応用した付加価値の高い製品を生み出し、対象市場を広げることによって事業領域を拡大してきました。高付加価値型の製品を絶え間なく創出するための研究開発活動は当社グループの企業価値の向上に資する重要な取り組みであります。

現在の研究開発活動は、第5次中期経営計画で掲げる「印刷技術に新たなコア技術を獲得・融合し、グローバル成長市場で事業ポートフォリオの組み換えを完成させる」という中期ビジョンにしたがって実施されております。当社グループはこれまでに培ってきた印刷技術の深掘りに加えて、新たなコア技術を取り込み、当社の印刷技術との融合を図ることで世の中にない全く新しい価値や製品群を創出することを目指しております。新たなコア技術の選定に際しては、その技術が高い独自性を有すること、技術によって生み出されるアプリケーションが豊富で多様かつ成長性の高い潜在市場を有すること、そして当社の印刷技術とのシナジーを期待できることなどを重視しております。

お客さまのニーズに対応する中期的な製品開発は事業部内の開発部門が担い、より長期的な視点に立った研究開発・製品開発はコーポレートR&D部門が担う体制となっております。コーポレートR&D部門は、将来の潜在的なニーズを捉え開発製品のイメージを描くとともに、開発のプロセス設計、さらにはサプライチェーンの構想など開発に必要な多岐に渡る機能を担っております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、各セグメントに配分できない当社のコーポレートR&D部門および事業部の開発部門で行っている基礎・応用費用25億19百万円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度末における総資産は1,561億7百万円となり前連結会計年度末(2015年3月期末)に比べ406億77百万円増加しました。

流動資産は839億59百万円となり前連結会計年度末に比べ239億76百万円増加しました。主な要因は、現金及び預金が102億90百万円、商品及び製品が44億34百万円、受取手形及び売掛金が30億31百万円、有価証券が20億33百万円増加したこと等によるものであります。

固定資産は721億48百万円となり前連結会計年度末に比べ167億円増加しました。主な要因は、新規連結等によりのれんが85億60百万円、有形固定資産が38億31百万円、顧客関係資産が28億89百万円、技術資産が25億63百万円増加したこと等によるものであります。

当連結会計年度末における負債は860億11百万円となり前連結会計年度末に比べ368億94百万円増加しました。

流動負債は486億69百万円となり前連結会計年度末に比べ83億62百万円増加しました。主な要因は、支払手形及び買掛金が49億93百万円、短期借入金が23億71百万円増加したこと等によるものであります。

固定負債は373億42百万円となり前連結会計年度末に比べ285億32百万円増加しました。主な要因は、社債の新規発行に伴い社債を200億円計上、また、長期借入金が34億87百万円、リース債務が14億49百万円増加したこと等によるものであります。

当連結会計年度末における純資産は700億96百万円となり前連結会計年度末に比べ37億82百万円増加しました。

当連結会計年度における経営成績につきましては、売上高は、前連結会計年度に比べ0.4%増加し1,192億22百万円となりました。このうち、海外売上高は876億92百万円であり、連結売上高に占める割合は73.6%であります。海外売上高は主として産業資材およびディバイスによるものであります。また、売上原価は前連結会計年度に比べ3.8%減少の901億21百万円、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ13.8%増加の185億58百万円となりました。

その結果、営業利益は前連結会計年度に比べ20.5%増加し、105億41百万円となりました。

営業外損益については、前連結会計年度は為替差益などを主とした営業外収益を50億93百万円計上する一方で、持分法による投資損失などを主とした営業外費用を13億49百万円計上したのに対して、当連結会計年度では受取配当金などを主とした営業外収益を3億61百万円計上する一方で、為替差損などを主とした営業外費用を16億65百万円計上しました。

その結果、経常利益は前連結会計年度に比べ26.1%減少し、92億37百万円となりました。

特別損益については、前連結会計年度は国庫補助金などを主とした特別利益を5億60百万円計上する一方で、減損損失などを主とした特別損失を22億94百万円計上したのに対して、当連結会計年度では国庫補助金などを主とした特別利益を2億70百万円計上する一方で、のれん償却額を主とした特別損失を16億24百万円計上しました。

これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べ38.7%減少し、68億98百万円となりました。また、1株当たり当期純利益は前連結会計年度に比べ101円30銭減少し160円75銭となりました。

キャッシュ・フローの状況の分析については、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。





出典: 日本写真印刷株式会社、2016-03-31 期 有価証券報告書