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セクション一覧

第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるグローバル経済情勢を振り返りますと、アメリカでは個人消費の増加や雇用情勢の改善などにより景気の回復が継続しました。欧州ではイギリスのEU離脱問題などに伴い、先行きに不透明感があるものの、景気は緩やかに回復しました。中国をはじめとするアジア新興国の景気は一部で持ち直しの動きがみられました。わが国の経済については、景気は緩やかな回復基調を続けていますが、海外経済の不確実性や為替変動リスクなどによって先行きに不透明感が増しています。

当社グループでは、2015年4月1日から運用を開始した第5次中期経営計画において事業ポートフォリオの組み換えによる成長を志向しており、バランス経営の観点から変化の激しいコンシューマー・エレクトロニクス分野への依存から脱却するとともに、為替変動への耐性を確保するべく海外生産比率を高めるなど、持続的かつ安定的に収益を確保することのできる事業基盤の確立を急いでいます。当連結会計年度は、前期の蒸着紙分野に続き、自動車の内装部品や医療機器分野での企業買収により、事業領域の拡大に大きな進展がありましたが、為替の変動や既存分野における製品需要の低迷、新規受注に伴う先行費用や買収関連の一時費用の計上などにより、想定を下回りました。

これらの結果、当連結会計年度の連結業績は、売上高は1,158億2百万円(前期比3.3%減)、利益面では営業損失は39億4百万円(前期は105億46百万円の営業利益)、経常損失は49億14百万円(前期は92億38百万円の経常利益)、親会社株主に帰属する当期純損失は74億8百万円(前期は68億96百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。

 

セグメントの業績を示すと、次のとおりです。

 

なお、当社グループは、当連結会計年度においてアメリカの医療機器メーカーGraphic Controls Holdings, Inc.およびそのグループ会社を買収し、連結範囲に含めたことにより、メディカル市場で事業を展開する同社グループを「ライフイノベーション」として新たな報告セグメントとしました。また、従来、報告セグメントの「その他」の区分に含めていましたガスセンサーの生産・販売に係る事業は、規模を一層拡大するための組織変更を行った結果、当連結会計年度より「ディバイス」に変更しています。

そのため、当連結会計年度の比較・分析は変更後の区分に基づいています。

 

産業資材

産業資材は、さまざまな素材の表面に付加価値を与える独自技術を有するセグメントです。プラスチックの成形と同時に加飾を行うIMDおよびIMLは、グローバル市場で自動車(内装)、家電製品、スマートフォンなどに広く採用されています。また、金属光沢と印刷適性を兼ね備えた蒸着紙は、飲料品や食品向けのパッケージ資材としてグローバルベースで業界トップのマーケットシェアを有しています。

当連結会計年度は、主力の自動車(内装)分野の需要は概ね想定通りに推移しましたが、その他の分野の需要は想定を下回りました。

その結果、当連結会計年度の連結売上高は479億71百万円(前期比21.0%増)となり、セグメント利益(営業利益)は6億20百万円(前期は5億90百万円のセグメント損失(営業損失))となりました。

 

ディバイス

ディバイスは、タッチ入力ディバイスFineTouchを中心とし、精密で機能性を追求したディバイスを提供するセグメントです。FineTouchはグローバル市場でタブレット端末、携帯ゲーム機、産業用機器、自動車などに採用されています。このほか、空気やガスの状態を検知・特定するガスセンサーなどを提供しています。

当連結会計年度は、携帯ゲーム機向けの製品需要は堅調に推移しましたが、主力のタブレット端末向けの製品需要は想定を下回りました。また、第3四半期連結会計期間以降は、次期の新規受注のための開発費用が増加しました。

その結果、当連結会計年度の連結売上高は478億35百万円(前期比24.4%減)となり、セグメント損失(営業損失)は1億57百万円(前期は143億41百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。

 

 

ライフイノベーション

ライフイノベーションは、アメリカに本拠地を置く医療機器メーカーGraphic Controlsグループを中心に、医療機器やその関連分野において高品質で付加価値の高い製品を提供し、人々の健康で豊かな生活に貢献することを目指す新たなセグメントです。Graphic Controlsグループは、医療機関向けのディスポーザブル電極や手術用器具などを主力製品としており、現在は欧米市場において自社ブランド品を生産・販売するとともに、大手医療機器メーカー向けの受託生産を展開しています。

当連結会計年度は、第3四半期連結会計期間より当社グループへの売上貢献が始まりましたが、買収関連費用の計上などにより利益面での貢献はありませんでした。

その結果、当連結会計年度の連結売上高は53億91百万円となり、セグメント損失(営業損失)は13億11百万円となりました。

なお、当セグメントは、当連結会計年度よりGraphic Controlsグループを連結範囲に含めたことにより新設した報告セグメントであるため、前期との比較・分析はありません。

 

情報コミュニケーション

情報コミュニケーションは、出版印刷、商業印刷、セールスプロモーション、Webソリューション、デジタルアーカイブなど、さまざまな製品・サービスを提供し、お客さま企業のマーケティング戦略や広告宣伝・販売促進などのコミュニケーション戦略全般をサポートしています。

当連結会計年度は、主力の商業印刷分野で情報メディアの多様化における印刷物の減少などの影響があり、事業環境は厳しいものとなりました。

その結果、当連結会計年度の連結売上高は143億54百万円(前期比14.1%減)となり、セグメント損失(営業損失)は93百万円(前期は81百万円のセグメント利益(営業利益))となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ195億98百万円減少し、220億90百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は25億70百万円(前期は148億11百万円の獲得)となりました。これは主に減価償却費として83億51百万円計上した一方、税金等調整前当期純損失として61億30百万円、売上債権の増加額として47億27百万円計上したこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は232億90百万円(前期比8.3%増)となりました。これは主に連結の範囲の変更を伴う子会社株式等の取得として153億66百万円、有形固定資産の取得として71億19百万円支出したこと等によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果得られた資金は68億26百万円(前期比65.3%減)となりました。これは主に短期借入金の純増額として79億33百万円計上したこと等によるものです。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

当連結会計年度より、在外連結子会社等の収益および費用の換算方法について会計方針の変更を行っており、遡及処理の内容を反映させた数値で前連結会計年度との比較を行っています。

また、当連結会計年度において当社グループは、Graphic Controls Holdings, Inc.およびそのグループ会社を連結の範囲に含めたことにより、メディカル市場で事業を展開する同社グループを「ライフイノベーション」として新たな報告セグメントとしました。

上記の変更に加えて、従来、報告セグメントの「その他」の区分に含めていましたガスセンサー生産・販売に係る事業は、規模を一層拡大するための組織変更を行った結果、当連結会計年度より「ディバイス」に変更しています。

そのため、前期比については、前連結会計年度の数値を変更後の区分に組み替えた数値で比較しています。

なお、「ライフイノベーション」は、当連結会計年度より新設した報告セグメントであるため、前期比については記載していません。

 

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

産業資材

47,615

+17.1

ディバイス

45,273

△31.9

ライフイノベーション

5,983

情報コミュニケーション

14,404

△13.3

その他

229

△37.9

合計

113,507

△8.5

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しています。

2. 金額は、販売価格によっています。

3. 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

産業資材

50,419

+25.9

7,490

+82.9

ディバイス

47,163

△25.6

8,024

△7.7

ライフイノベーション

6,116

4,715

情報コミュニケーション

14,648

△11.0

1,530

+23.8

その他

250

+16.3

合計

118,597

△1.3

21,761

+55.1

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しています。

2. 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメント別に示すと、次のとおりです。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

産業資材

47,971

+21.0

ディバイス

47,835

△24.4

ライフイノベーション

5,391

情報コミュニケーション

14,354

△14.1

その他

250

+47.0

合計

115,802

△3.3

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しています。

2. 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合

 

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高(百万円)

割合(%)

販売高(百万円)

割合(%)

APPLE OPERATIONS

55,291

46.2

36,719

31.7

 

3. 上記の金額には、消費税等は含まれていません。

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、「印刷を基盤に培った固有技術を核とする事業活動を通して、広く社会との相互信頼に基づいた≪共生≫を目指す」ことを企業理念としています。企業理念に掲げる≪共生≫のあり方は、当社グループとステークホルダーがともに自らの明確なビジョンを持ち、その実現に向けて互いに影響し合い、ともに価値ある未来を創造することを意図しています。こうした当社の基本的な考え方はブランドステートメント“Empowering Your Vision”に表現されています。

こうした企業理念のもと、私たちが大切にすべき価値観を以下のとおり定めています。

 

① Growth Based on Customer Satisfaction

私たちは、常に新しいお客さま価値を創造し、成長の原動力とします。

② Commitment to Results

私たちは、チャレンジングな目標を持ち、成果を出します。

③ Magnify Leadership

私たちは、組織や立場の違いを超えて、困難を突破するリーダーシップを発揮します。

④ Diverse Capabilities

私たちは、組織の能力を高め、成長の原動力となるような多様性を尊重します。

⑤ Sustainability Through Integrity

私たちは、グローバル社会の一員として、個人の尊厳を大切にし、公正な事業活動を行います。

 

(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標

当社グループは持続的な成長を目指し、2015年4月から事業ポートフォリオの組み換えを基本戦略とする第5次中期経営計画(2015年度〜2017年度)を運用しています。

その骨子は以下のとおりです。

① 中期ビジョン

「印刷技術に新たなコア技術を獲得・融合し、グローバル成長市場で事業ポートフォリオの組み換えを完成させる。」

② 第5次中期経営計画の概要

ⅰ 事業ポートフォリオの組み換えを徹底

・ 製品・市場ポートフォリオの組み換え

・ 不採算分野からの撤退

・ サプライチェーンにおける垂直統合の推進

・ 新たなコア技術の取り込み

・ M&Aを活用した成長

ⅱ 企業理念体系の実践

・ 社員の日々の行動やプロセスに落とし込む

③ 第5次中期経営計画の定量目標(2017年度)

ⅰ 連結売上高: 1,500億円

ⅱ 営業利益: 120億円

ⅲ ROE: 10%以上

ⅳ ROIC: 8%以上

ⅴ 新事業・新製品の売上高比率: 35%以上

※当社は、2017年度より決算期を3月31日から12月31日に変更し、当社グループの決算期を12月31日に統一します。従って、決算期変更の経過期間となる2017年度は、2017年4月1日から2017年12月31日までの9カ月決算となります。上記、第5次中期経営計画の定量目標は、決算期変更の決定以前に設定したものであり、2017年4月1日から2018年3月31日の12カ月間における目標数値となります。

 

 

(3) 会社の対処すべき課題

次期のグローバル経済情勢については、緩やかな景気の回復が続くことが期待されています。ただし、アメリカの政策動向やイギリスのEU離脱問題などに伴う先行きの不透明感には引き続き留意が必要です。わが国の経済についても、景気は緩やかな回復基調が続く見込みですが、海外経済や為替の動向には留意する必要があります。

次期は2015年4月1日にスタートした第5次中期経営計画の最終年度となります。当社グループは、中期ビジョンに掲げる「印刷技術に新たなコア技術を獲得・融合し、グローバル成長市場で事業ポートフォリオの組み換えを完成させる」ことを目指します。

主力のディバイス事業においては大型の新規受注が量産フェーズに移行し、全社の業績を牽引することが期待されます。一方、産業資材事業においては自動車や蒸着紙の分野の売上高が着実に拡大する見込みであるほか、ライフイノベーション事業ではGraphic Controlsグループの連結が通期で業績寄与するなど、事業ポートフォリオの組み換えによる成長は、第5次中期経営計画の想定どおりに進展する見通しです。

このように、当社の事業領域は印刷の枠組みを超えて大きく進化・拡大を続けていることから、当社は2017年10月6日付で社名を日本写真印刷株式会社からNISSHA株式会社に変更いたします。

 

 

なお、当社は財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりです。

 

株式会社の支配に関する基本方針

 

Ⅰ.基本方針の内容

 

上場会社・公開会社である当社の株式は、自由な取引が認められており、当社は、会社の支配権の移転を伴うような大規模な株式の買付提案またはこれに類似する行為に応じるか否かの判断は、最終的には、株主のみなさまのご意思に基づき行われるべきものであると考えております。従いまして、大規模な株式の買付提案であっても、当社グループの企業価値・株主のみなさまの共同の利益に資するものであれば、これを一概に否定するものではありません。

当社では、企業価値や株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるためには、当社の企業理念を礎とし、未来志向型企業として常に価値ある製品・サービスを提供することを通じて社会に貢献することが必要不可欠であると考えております。具体的には、グローバルベースで成長市場を捕捉し、他社にはできないものづくりを通じて当社ならではの付加価値の高い製品・サービスを提供し続けること、そして絶え間ない研究開発・技術開発によってこれまで培ってきた印刷技術の概念を打ち破ることが、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益の確保・向上につながるものと考えております。

当社の財務および事業の方針の決定を支配する者は、このような基本的な考え方を十分に理解し、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を中・長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。

従いまして、上記のような基本的な考え方を十分に理解せず、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益に資さない不適切な当社株式の大規模な買付提案またはこれに類似する行為を行う者は、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者として不適切であると考え、当社はそれを抑止するための取り組みが必要不可欠であると考えております。

 

 

Ⅱ. 基本方針の実現に資する特別な取り組み

 

当社は、1929年に京都の地で創業して高級美術印刷を志向し、高品位な印刷技術によって「高級美術印刷の日写」と呼ばれる確固たるブランドを築きました。一方、1960年代以降、当社は紙への印刷だけではいずれ成長に限界が来るとの危機感から「水と空気以外には何にでも印刷する」という強い決意で事業領域の拡大に取り組み、現在の産業資材事業・ディバイス事業を誕生させました。そして1990年代の後半以降、コンシューマー・エレクトロニクスに関連する産業がグローバルベースで高い成長を遂げる中、当社はこの分野に経営資源を集中し、事業規模の拡大を実現しました。しかし、2008年の世界的な金融危機(リーマンショック)以降、コンシューマー・エレクトロニクスの分野では、製品需要の急激な変動や製品・サービスの低価格化が常態化するようになりました。

2015年度から運用が開始された第5次中期経営計画において、当社は「印刷技術に新たなコア技術を獲得・融合し、グローバル成長市場で事業ポートフォリオの組み換えを完成させる」ことを中期ビジョンに掲げ、コンシューマー・エレクトロニクス業界への過度な依存を是正し、バランスの取れた事業・製品ポートフォリオを再構築する、「組み換え」の戦略に着手しています。また、当社では、中期経営計画の進捗を捕捉するための経営管理指標として、ROEおよびROICを採用し、第5次中期経営計画ではROE10%以上、ROIC8%以上を目標としています。

前述のとおり、当社は創業以来、経営者の強いリーダーシップのもと、経営環境の変化に合わせて、これに適応した戦略を実践してきました。当社はこの強いリーダーシップとともにコーポレートガバナンスを強化することにより、迅速かつ果断な意思決定が促進され、同時に経営の透明性、公正性を確保することができると考えており、コーポレートガバナンスを重要な経営課題と認識しています。

当社は、執行役員制度を導入し、取締役会が担うべき戦略策定および経営監視機能と、執行役員が担うべき業務執行機能との分化を図っています。また、取締役会のダイバーシティーを推進し、現在の取締役会は、独立性の高い社外取締役4名を含む取締役8名(社外取締役比率50%、女性比率12.5%)で構成されています。社外取締役は他社での企業経営の経験や、コーポレートガバナンス、経営戦略、事業戦略、IT、金融経済全般に関する高い見識などから有益な指摘、意見を述べており、取締役会の議論は活性化しています。また、2015年10月には、当社はコーポレートガバナンス基本方針を制定しました。当社はその基本方針に基づき、社外取締役が過半数を占めかつ委員長を務める指名・報酬委員会を設置し、社外取締役の知見を活用することで役員の選任や報酬に関して客観性と公正性の確保を図るとともに、取締役会の実効性の評価を年1回実施し、取締役会の機能のさらなる向上に努めています。

当社は、以上の取り組みを継続して実行することによって、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益の確保・向上を実現できるものと考えています。

 

Ⅲ. 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

 

当社は、2016年5月12日開催の当社取締役会において、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益のより一層の確保・向上を目的として、当社株式の大規模買付行為に関する対応方針の一部改定(以下、「本プラン」といいます。)を決議し、2016年6月17日開催の第97期定時株主総会において株主のみなさまにご承認いただきました。

本プランは、当社が発行者である株券等について、保有者の株券等保有割合が20%以上となる買付け、もしくは、当社が発行者である株券等について、公開買付けに係る株券等の株券等所有割合およびその特別関係者の株券等所有割合の合計が20%以上となる公開買付けに該当する行為もしくはこれに類似する行為(以下、「買付等」といいます。)を行うまたは行うことを提案する者(以下、「買付者等」といいます。)が現れた場合に、当該買付等に応じるべきか否かを株主のみなさまが判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保すること、株主のみなさまのために買付者等との交渉を行うこと等を可能とすることを目的とし、その実現のために必要な手続を定めています。買付者等が本プランにおいて定められた手続に従うことなく買付等を行う場合、または、買付者等による買付等が当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を著しく損なうと判断される場合は、一定の対抗措置を実施することがあります。

本プランの詳細につきましては、当社ウェブサイトをご参照ください。

 

Ⅳ. 上記の取り組みについての取締役会の判断

 

上記Ⅱ.の取り組みは、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるための施策であり、その結果が株主および投資家のみなさまによる当社株式の評価に適正に反映されることにより、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を著しく損なうおそれのある買付等は困難になるものと考えられます。

上記Ⅲ.の取り組みは、当社の企業価値・株主のみなさまの共同の利益を確保・向上させるための手続を定めるものです。また、本プランにおいては、(ⅰ)株主総会において株主のみなさまのご承認を得て導入されたものであることに加え、一定の場合には対抗措置の実施または不実施につき株主のみなさまのご意思を確認する仕組みが設けられていること、(ⅱ)株主総会で選任された取締役で構成される取締役会の決議によりいつでも本プランを廃することができること、(ⅲ)当社取締役会の恣意的判断を排除するため、独立委員会を設置し、取締役会は独立委員会の勧告を最大限尊重して意思決定を行うものとしていること、(ⅳ)本プランの発動に関する合理的な客観的要件が設定されていること等が定められております。

従いまして、上記Ⅱ.およびⅢ.の取り組みは、いずれも、基本方針に沿うものであり、株主のみなさまの共同の利益の確保・向上に資するものであり、また、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないと考えております。

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績および財政状態ならびに当社の株価に影響を及ぼす可能性があると考えられるリスクは以下のとおりです。なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

(1) お客さまのニーズ・市場トレンド

当社グループの製品が多く使われているコンシューマー・エレクトロニクスの分野では、お客さまのニーズや市場トレンドの変化が速く、技術や製品のライフサイクルが短くなる傾向にあります。

当社グループではこうした状況に対して、お客さま満足を最優先に掲げ、市場トレンドを的確にとらえるとともに、お客さまニーズに応える技術・製品・サービスの提供に努めています。しかしながら、お客さまのニーズや市場のトレンドが大きく変化した場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

また、当社グループは売上高に占める特定のお客さまの割合が高い傾向にあります。こうした重要なお客さま向けの販売は、当該お客さまの製品需要の減少や仕様の変更、営業戦略の変更など当社グループによる管理が及ばない事項を理由として落ち込む可能性があり、そのような場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(2) 関連業界の需要動向

当社グループの主力事業はディバイス事業であり、連結売上高の構成比において41.3%を占めています。このセグメントは主としてタブレット端末、スマートフォン、携帯ゲーム機などのコンシューマー・エレクトロニクス分野に向けた事業を展開していることから、これら業界の需要動向や価格動向に大きな変化が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(3) 為替の変動

当連結会計年度における当社グループの海外売上高比率は73.9%であり、これらは外貨建て取引が中心です。為替予約取引などにより将来の為替リスクを回避するように努めていますが、急激な為替相場の変動は当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(4) 保有有価証券

当連結会計年度末において当社グループが保有している投資有価証券は141億47百万円であり、大半は時価のある株式です。これらの保有有価証券については、発行体の財政状態や業績動向、格付状況等を把握し安全性を十分確認していますが、株式相場の著しい変動等が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

(5) 売上債権およびたな卸資産

当連結会計年度末における当社グループの売上債権は282億84百万円、たな卸資産は159億28百万円です。当社グループは与信管理や適正在庫管理の強化に努めていますが、今後、貸倒れなどでこれらの資産価値に大きな変動が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、印刷技術を進化させながら新製品開発に取り組み、付加価値の高い製品群の拡充を図る一方、対象市場を拡大することによって成長を実現してきました。高付加価値型の製品を絶え間なく創出するための研究開発活動は当社グループの企業価値の向上に資する重要な取り組みです。

現在の研究開発活動は、第5次中期経営計画で掲げる「印刷技術に新たなコア技術を獲得・融合し、グローバル成長市場で事業ポートフォリオの組み換えを完成させる」という中期ビジョンに従って実施しています。

お客さまのニーズに対応する中期的な製品開発は事業部内の開発部門が担い、より長期的な視点に立った研究開発・製品開発はコーポレートR&D部門が担う体制となっています。

コーポレートR&D部門は、開発製品のイメージを描くとともに、プロセス設計、さらにはサプライチェーンの構想など開発に必要な多岐に渡る機能を担っています。なお、2017年4月1日付で、新規開発テーマの製品化を全社最適の視点でコントロールすることを目的として、コーポレートR&D部門を新製品開発室として再編しました。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、各セグメントに配分できない当社のコーポレートR&D部門および事業部の開発部門で行っている基礎・応用費用24億22百万円です。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度末における総資産は1,826億70百万円となり前連結会計年度末(2016年3月期末)に比べ265億62百万円増加しました。

流動資産は781億79百万円となり前連結会計年度末に比べ57億80百万円減少しました。主な要因は、受取手形及び売掛金が66億19百万円増加した一方、現金及び預金が178億81百万円減少したこと等によるものです。

固定資産は1,044億91百万円となり前連結会計年度末に比べ323億42百万円増加しました。主な要因は、新規連結等によりのれんが130億30百万円、有形固定資産が76億67百万円、商標権が38億57百万円、顧客関係資産が33億36百万円増加したことに加え、その他有価証券の時価の変動等により、投資有価証券が42億99百万円増加したこと等によるものです。

当連結会計年度末における負債は1,080億64百万円となり前連結会計年度末に比べ220億52百万円増加しました。

流動負債は657億11百万円となり前連結会計年度末に比べ170億42百万円増加しました。主な要因は、短期借入金が78億8百万円、その他に含まれる設備未払金が23億59百万円、未払費用が16億78百万円増加したこと等によるものです。

固定負債は423億52百万円となり前連結会計年度末に比べ50億10百万円増加しました。主な要因は、新株予約権の行使に伴い社債が82億40百万円減少した一方、長期借入金が95億91百万円、新規連結およびその他有価証券の時価の変動等により長期繰延税金負債が45億79百万円増加したこと等によるものです。

当連結会計年度末における純資産は746億6百万円となり前連結会計年度末に比べ45億10百万円増加しました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純損失の計上等により利益剰余金が87億4百万円減少した一方、新株予約権付転換社債の転換等により自己株式が25億89百万円減少、資本金が19億80百万円、資本剰余金が36億96百万円増加したこと等によるものです。

当連結会計年度における経営成績につきましては、売上高は、前連結会計年度に比べ3.3%減少し1,158億2百万円となりました。このうち、海外売上高は855億52百万円であり、連結売上高に占める割合は73.9%です。海外売上高は主として産業資材およびディバイスによるものです。また、売上原価は前連結会計年度に比べ9.2%増加の988億85百万円、販売費及び一般管理費は前連結会計年度に比べ11.5%増加の208億20百万円となりました。

その結果、営業損失は39億4百万円(前連結会計年度は105億46百万円の営業利益)となりました。

営業外損益については、前連結会計年度は受取配当金などを主とした営業外収益を3億68百万円計上する一方で、為替差損などを主とした営業外費用を16億77百万円計上したのに対して、当連結会計年度では受取配当金などを主とした営業外収益を4億59百万円計上する一方で、為替差損などを主とした営業外費用を14億70百万円計上しました。

その結果、経常損失は49億14百万円(前連結会計年度は92億38百万円の経常利益)となりました。

特別損益については、前連結会計年度は国庫補助金などを主とした特別利益を2億74百万円計上する一方で、のれん償却額などを主とした特別損失を16億25百万円計上したのに対して、当連結会計年度では国庫補助金などを主とした特別利益を2億89百万円計上する一方で、投資有価証券評価損などを主とした特別損失を15億5百万円計上しました。

これらの結果、親会社株主に帰属する当期純損失は74億8百万円(前連結会計年度は68億96百万円の親会社株主に帰属する当期純利益)となりました。また、1株当たり当期純損失は169円10銭(前連結会計年度は160円72銭の1株当たり当期純利益)となりました。

キャッシュ・フローの状況の分析については、「1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。





出典: 日本写真印刷株式会社、2017-03-31 期 有価証券報告書