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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、堅調な企業業績を背景に設備投資の拡大や雇用情勢の改善が進み、景気は緩やかな拡大を続けました。しかしながら、平成19年夏以降の米国サブプライムローン問題に伴う国際的金融不安や、原油を始めとする資源価格の高騰、急速な円高の進行等の様々な変動が、日本の経済・金融に大きな影響を及ぼしました。
こうした変化を受けて、当社グループ事業がその影響を受ける証券市場は一時の上昇局面から下降局面に転じ、下半期の日経平均株価は約30%下落しました。この結果、新株発行による企業の資金調達が大きく減少するとともに、上場審査の厳格化とも相俟って株式の新規上場(IPO)が前年度(平成18年4月〜平成19年3月)の187社から当年度(平成19年4月〜平成20年3月)は99社へほぼ半減しました。これにより、当社取扱い製品のうち目論見書や有価証券印刷などの売上が減少しました。
これに対し当社グループは、コンサルティングやITを活用した支援サービスなどに注力し、証券市場の影響を受けない定期受注製品の拡大に従来から取り組んできました。こうした努力の結果、「有価証券報告書」や「株主総会招集通知」などの法定開示書類、また株主向け年次報告書やIRサイト構築・更新サービスなどのIR関連製品も引き続き売上が増加しました。さらに、投資信託関連分野では、市場拡大に加えて法制度関連のスポット需要が発生し売上を押し上げました。これらの増収要因が、証券市場関連の減収要因を上回った結果、当連結会計年度の売上は、22,479百万円(前連結会計年度比2.2%増)と、過去最高を記録しました。
収益面では、営業利益が3,520百万円と前連結会計年度に比べ19.1%の減益となりました。四半期開示制度や新コンピュータ言語XBRLなど、平成20年度からの新たな開示制度に対応するシステムの開発及び運営体制の整備に伴う先行投資費用が主な要因です。また、証券市場の低迷を受け投資事業組合の投資利益がマイナスに転じたことによる営業外費用の発生、情報セキュリティ体制強化のための本社オフィス移転に伴う特別損失の発生等により、経常利益は前連結会計年度比24.0%減の3,444百万円、当期純利益は同32.4%減の1,771百万円となりました。
製品別の状況は、次のとおりであります。
<会社法関連製品>
株主総会招集通知の顧客数の増加により、会社法関連の売上は前連結会計年度比4.6%増の4,702百万円となりました。
<金融商品取引法関連製品>
投資信託関連製品の売上が大きく増加しました。上半期の受注増に加え、下半期は金融商品取引法施行に伴う販売用資料の改訂需要(スポット)により、REITの受注減をカバーして売上が大きく増加しました。また、有価証券報告書や決算短信などの顧客数が順調に増加し、決算関係書類も売上が増加しました。これらの増加は、証券市場の低迷に伴うIPO、エクイティ・ファイナンス関連製品の減収をカバーし、金融商品取引法関連の売上は前連結会計年度比2.6%増の11,990百万円となりました。
<IR等製品>
株主向け年次・中間報告書のカラー化や企画内容の充実が進展したこと、IRサイト構築・更新サービスなどのWeb関連製品の受注増、新たに開始した有料セミナーなどのソフト・情報サービスの増加等により、IR等の売上は前連結会計年度比14.1%増の5,162百万円となりました。
<有価証券印刷製品>
証券市場の低迷に伴い、IPOやエクイティ・ファイナンス等に伴う上場適格株券の需要が大きく減少しました。また、平成21年1月に予定される株券電子化を前に、商号変更、単元変更、分割等に伴う受注も減少し、有価証券印刷の売上は前連結会計年度比51.1%減の622百万円となりました。
なお、当連結会計年度より、当社の重点課題であり成長分野であるIRサービス及びWebサービスの動向を明確にするため、これまで「会社法関連」に含めていた株主向けIR資料の年次報告書・中間報告書関連の売上を従来区分の「その他」と合算し、「IR等」として集計表示しております。前年同期比較にあたっては、前連結会計年度分を変更後の区分に組み替えて記載しております。
区分
前連結会計年度
(自 平成18年4月1日
至 平成19年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成19年4月1日
至 平成20年3月31日)
増減
(△印減)
金額
(千円)
構成比
(%)
金額
(千円)
構成比
(%)
金額
(千円)
増減率
(%)
会社法関連
4,496,777
20.4
4,702,717
20.9
205,939
4.6
金融商品取引法関連
11,691,022
53.2
11,990,825
53.3
299,802
2.6
IR等
4,524,775
20.6
5,162,686
23.0
637,911
14.1
有価証券印刷
1,274,564
5.8
622,809
2.8
△651,754
△51.1
合計
21,987,139
100.0
22,479,038
100.0
491,899
2.2
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ100百万円増加(前年同期比1.0%増)し、当連結会計年度末には10,155百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2,235百万円(前年同期は2,305百万円の獲得)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益3,204百万円、減価償却費362百万円、引当金の増加額157百万円、売上債権の減少額321百万円等であり、支出の主な内訳は、仕入債務の減少額19百万円、法人税等の支払額1,923百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は11百万円(前年同期は1,577百万円の使用)となりました。
収入の主な内訳は、有価証券の売却による収入1,661百万円等であり、支出の主な内訳は、有価証券の取得による支出150百万円、有形固定資産の取得による支出477百万円、投資事業組合への支出560百万円、敷金及び保証金の差入れによる支出499百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー) 
財務活動の結果使用した資金は2,123百万円(前年同期は1,032百万円の使用)となりました。
収入の主な内訳は、短期借入れによる収入680百万円等であり、支出の主な内訳は、短期借入金の返済による支出660百万円、自己株式の取得による支出1,302百万円、配当金の支払額847百万円であります。
2【生産、受注及び販売の状況】
当社グループ(当社及び連結子会社5社)において、開示対象となる事業の種類別セグメントはありませんので製品区分別に記載しております。
なお、当連結会計年度より、当社の重点課題であり成長分野であるIRサービス及びWebサービスの動向を明確にするため、これまで「会社法関連」に含めていた株主向けIR資料の年次報告書・中間報告書関連の売上を従来区分の「その他」と合算し、「IR等」としております。前年同期比較にあたっては、前連結会計年度分を変更後の区分に組み替えて記載しております。
(1) 生産実績
当連結会計年度の生産実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。
製品区分別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成19年4月1日
至 平成20年3月31日)
前年同期比(%)
会社法関連
(千円)
4,702,717
104.6
金融商品取引法関連
(千円)
11,990,825
102.6
IR等
(千円)
5,162,686
114.1
有価証券印刷
(千円)
622,809
48.9
合計
(千円)
22,479,038
102.2
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2) 受注状況
当連結会計年度の受注状況を製品区分別に示すと、次のとおりであります。
製品区分別セグメントの名称
受注高(千円)
前年同期比(%)
受注残高(千円)
前年同期比(%)
会社法関連
4,756,251
108.8
343,623
118.5
金融商品取引法関連
11,812,852
100.1
850,482
82.7
IR等
5,145,719
112.0
230,688
93.1
有価証券印刷
568,394
48.2
83,610
60.6
合計
22,283,218
101.5
1,508,405
88.5
(注)1.金額は販売価格によっております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3) 販売実績
当連結会計年度の販売実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。
製品区分別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成19年4月1日
至 平成20年3月31日)
前年同期比(%)
会社法関連
(千円)
4,702,717
104.6
金融商品取引法関連
(千円)
11,990,825
102.6
IR等
(千円)
5,162,686
114.1
有価証券印刷
(千円)
622,809
48.9
合計
(千円)
22,479,038
102.2
(注)1.主要な販売顧客については、該当するものはありません。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3【対処すべき課題】
(1) 中長期的な会社の経営戦略
① コンプライアンスと情報セキュリティの追求
 当社事業の特性上、コンプライアンスの徹底ならびに情報セキュリティ体制の確立と維持・強化が、最も重要な前提条件であります。このため当社は、経営理念・行動基準・コンプライアンス規程に基づく各種のルールの徹底と教育というソフト面の対策、そして、機密データを安全に処理、保管するためのインフラ・システムの構築というハード面の対策、さらに、インサイダー情報を厳重に管理するための要員限定、スペース隔離、アクセス制限、トレーサビリティ確保等の諸施策を、全社を挙げて推進しています。平成20年4月には、情報セキュリティ・マネジメント・システムの国際規格ISO27001の認証を全社に範囲を拡大して取得しました。
② コンサルティングサービスの充実
  会社法、金融商品取引法の施行により、コーポレートガバナンス、内部統制システムの構築、四半期法定開示等、上場企業のディスクロージャー業務はより高い水準が求められています。さらに、資本市場のグローバル化、個人投資家層の拡大、ITの進展が資本市場の側からのディスクロージャー・IRニーズを加速させています。上場企業の情報開示がこうした変化に的確かつ適正に対応できるよう、当社はコンサルティング体制のさらなる強化、充実に取り組んでまいります。
③ デジタルサービスの充実
  当社は、インターネット経由による開示書類作成システム「エディッツ」や「プロネクサス・ワークス」、IRサイトの構築・更新サービスなど、電子開示時代に対応する各種のデジタルサービスを提供してまいりました。平成20年度は、財務報告専用の新しいコンピュータ言語XBRLの導入を始めとするさらなる電子化の進展に対応し、当社の経営基盤として、顧客実務を支援するインフラの構築とサービス体制の強化を一層推進します。
④ 新規サービスへの取り組み強化
 平成21年の上場株券廃止による業績影響をカバーし、さらなる成長体制を構築するため、当社ではIR・Web関連サービスの開拓に重点的に取り組んでおり、財務データのWeb検索サービスやIRサイトの構築・更新サービスなどが順調に成長してきました。このほかにもセミナー・会員事業や金融商品関連分野の新規サービスにも取り組んでおり、今後とも新規分野の拡大を加速させていきます。
⑤ 定期顧客の拡大と品質向上・コスト削減の推進
 株主総会招集通知や有価証券報告書等の定期受注製品の顧客数を増やし、その売上ウェイトを高めることが当社にとって重要です。当連結会計年度はこうした定期受注製品の売上が大きく増加し、その比率が約65%となりました。また、当社はトヨタの生産方式を源流とするNPS(ニュー・プロダクション・システム)活動を推進し、グループを挙げて品質と生産性の向上、コスト削減に取り組んでおります。こうした活動の着実な取り組みによって、経営基盤の強化と収益性の向上に努力を続けてまいります。
(2) 当社グループの対処すべき課題
当社グループの事業を取り巻く環境はこの10年間で大きく変わりました。また今後の10年間も大きな変化が予想されます。しかしどのように変化が激しくとも、企業のディスクロージャー・IR実務を支援する専門会社としての社会的使命にはいささかの変化もありません。このため当社グループの課題は、常に追求し続ける課題と、環境の変化に合わせて追求する課題の両面があります。それらを総合して以下の6項目を重点課題としています。
 1.コンプライアンス、情報セキュリティの追求。
 2.コンサルティング体制の強化、充実。
 3.ITの活用による顧客支援インフラの構築と充実。
 4.生産・情報・品質管理システムの整備、拡充。
 5.生産性の向上、コスト削減。
 6.IR支援サービス、Webサービス、金融商品関連サービス等の新規分野の拡大。
(3) 株式会社の支配に関する基本方針について
当社は、平成20年4月30日開催の取締役会において、当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針(会社法施行規則第127条柱書に定義されるものをいい、以下、「基本方針」といいます。)ならびに基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み(会社法施行規則第127条第2号ロ)の一つとして、下記のとおり、当社株券等の大規模買付行為に関する対応策(以下、「本プラン」といいます。)を導入することに関して決議をおこないました。
本プランは、当社取締役会の決議により導入するものですが、株主総会の決議や株主総会で選任された取締役で構成される取締役会の決議で廃止することができるなど、株主の総体的意思によってこれを廃止できる手段が設けられており、経済産業省および法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める買収防衛策の3原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」「事前開示・株主意思の原則」「必要性・相当性確保の原則」)を充足しております。さらに、株主の皆様のご意思をより反映させるという観点から、平成20年6月24日開催の当社定時株主総会において、議案としてお諮りし、本プランの導入について承認を得ております。
なお、本プランを決定した取締役会には、社外監査役3名を含む当社監査役4名全員が出席し、本プランは当社株券等の大規模買付行為に関する対応策として相当であると判断される旨の意見を表明しております。
・当社の財務および事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきと考えております。
ただし、株式の大規模買付提案のなかには、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとはいえないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をなされるために必要な情報が十分に提供されないものもあり得ます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などをおこなう必要があると考えております。
・基本方針の実現に資する取り組みについて
当社は、昭和5年に株券印刷の専門会社として創業以来、株主総会関連書類、決算関連書類、新規上場やエクイティファイナンス関連書類、投資信託・REIT関連書類、そしてIRツール・コンテンツへと、ディスクロージャー分野全般に事業分野を広げてまいりました。また、近年は法制度の改正や情報開示の電子化が相次ぐなかで、お客様への支援サービスの充実に取り組んでまいりました。こうした諸活動の結果、主要製品についてはリピート率98%(注1)、市場シェア50%以上(注2)など、お客様から高い評価を得てきております。
(注)1.当社の主力製品である有価証券報告書、株主総会招集通知の平成18年度受注顧客から平成19年度も継続して受注した比率
   2.全上場会社中の当社主要製品受注顧客数比率(平成20年3月現在)有価証券報告書54%、株主総会招集通知51%
このような当社および当社グループの企業価値の主な源泉は、①法制度に適合した正しい情報開示を支援するコンサルティングサービス、②お客様の情報開示実務を効率化・高精度化するIT活用支援サービス、③短納期でミスのない高品質の製品作りを集中的におこなえる生産体制にあると考えております。
まず、①のコンサルティングについては、会社法、金融商品取引法、株式上場、電子開示などの領域で、豊富な開示実務経験とノウハウを持つ約80名のエキスパートを擁しており、最新の法制度情報に基づく実務セミナーを多数開催し、実務に直結する数多くの手引書や事例集の作成・提供、お客様の原稿に対する法的なチェックとアドバイスなど、充実した情報・コンテンツサービスを提供しております。
つぎに、②のIT活用支援面では、急速に進化するコンピュータ・インターネット関連のITをディスクロージャー分野に応用し、開示書類の作成業務を効率化・高精度化する「エディッツ」システム、システムを安全確実に運用するための情報セキュリティインフラ、またITを利用したWeb−IRサイト構築更新サービスなど、独自のデジタルサービスを開発、整備、提供しております。
また、③の生産体制については、トヨタ生産方式を源流とするNPS研究会の活動を昭和58年以来継続し、DTP編集、製版、印刷、製本、物流に至る各工程の品質管理力と生産性の向上を追求し、お客様のニーズに応えてまいりました。
これら当社企業力の源泉となる経営基盤の整備・強化に向けての取り組みは、昭和62年の中長期経営計画の策定に遡ります。以来、経営陣のリーダーシップのもと、事業環境の変化をいち早くつかみ、経営計画に適切に反映させる活動を繰り返し継続してまいりました。その蓄積がブランド価値としてお客様に浸透するとともに、良好な業績の継続と現在の企業価値につながっていると自負いたしております。
また、取り扱う情報の多くが機密性の高い情報であること、製品の多くが投資家向けのディスクロージャー・IR関連製品であることから、当社の事業は高い社会性を有しております。つまり、経営理念にも社会的使命として掲げておりますとおり、当社は、事業活動を通して資本市場の健全な成長に貢献する社会的インフラともいうべき役割を担っております。こうした役割を最大限に発揮できる事業運営体制を整備、充実させていくことが、事業会社としてのみならず、社会的にも求められており、そのための継続的な努力が結果として企業価値および株主共同利益の最大化につながるものと考えております。
当社事業を取り巻く昨今の環境変化のなかで最も大きいものは、平成20年度の四半期開示、XBRL(財務報告専用のコンピュータ言語)の導入です。この変革は、お客様に新たな付加価値サービスを提供するとともに、当社事業の成長につながるビジネスチャンスと捉えております。また、インターネットを中心としたITの進展は、新たなサービスの提供可能性を大きく拡げております。
こうした変化に対応するため当社は、「第4の創業への挑戦」をテーマとして平成19年4月に策定した、平成20年3月期からの3事業年度に関する中期経営計画を本年4月に見直し、平成23年3月期までの経営目標および、XBRL・四半期開示への対応、新たなWeb−IRサービスの開発、市場ニーズに対応したビジネスモデルの構築などの重点課題を設定し、推進しております。現在までに、XBRL・四半期開示への対応、新たな開示実務支援システム「PRONEXUS WORKS」の開発、顧客ニーズと当社の専門性を活かした有料セミナー事業の開始、IRメニューの拡張等の成果を上げつつあります。
また当社は、機密情報を取り扱う事業特性から、従来より情報セキュリティとコンプライアンスの徹底に取り組んでまいりましたが、平成18年10月の商号変更に併せて制定した新経営理念と社会環境行動基準に基づき、さらなる体制強化を図りました。特に平成19年度には、法務・コンプライアンス室を設置するとともに、インサイダー情報管理委員会の主導のもと、機密情報取扱者の限定、機密書類作業場所の隔離、アクセス権限管理の強化、トレーサビリティの厳格化、教育内容の見直しと研修会の拡充、これらの活動の取り組み状況を人事評価へ反映、株取引に対する規制の厳格化など機密情報管理体制の充実強化に取り組んでおります。これらの活動の一環として、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO27001の認証を、認証範囲を全社に拡大して平成20年4月に取得いたしました。さらに、人権と“人財”の尊重の観点から、社員一人ひとりの能力向上と適正な評価を実現するための新たな人事制度を平成20年度から導入するため準備を進めております。これらの取り組みも中期経営計画のガバナンス・マネジメントに係る全社課題として位置づけるとともに、CSR経営の観点に立って社会からの信頼を高めるための重点施策として、今後とも継続してまいります。
これらの中期経営計画を着実に実行することで、当社の持つ経営資源を有効に活用するとともに、様々なステークホルダーとの良好な関係を維持・発展させ、当社および当社グループの企業価値ひいては株主共同利益の向上に資することができると考えております。
・会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
本プランの詳細につきましては、下記アドレスから平成20年4月30日付開示資料をご参照ください。
 (当社ホームページ) http://www.pronexus.co.jp/home/ir/pressrelease.html
4【事業等のリスク】
当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因と、その他重要と考えられる事項は以下のとおりであります。
当社グループでは、これらリスクの発生を十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。
(1) 機密情報の管理について
当社グループは顧客企業の開示前機密データを取り扱うため、「機密保持」は最重要課題です。当社グループでは、情報セキュリティマネジメントの国際規格ISO27001の全社認証を取得し、グループ内の情報管理体制をシステム・運用の両面で整備、強化するとともに、インサイダー情報の全社的管理体制の構築、運用、教育の推進、監査活動等を行っていますが、万一情報漏洩や情報流出が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2) 関連する法律・制度の変化による受注への影響
当社グループは、企業のディスクロージャーに関わる法定書類の作成を支援するための諸サービスとデータ作成、印刷を主業務としておりますが、それらの開示書類の多くは会社法と金融商品取引法に規定されています。従って法律や関連する諸制度の改正によって、提供する製品とサービスの需要・仕様・内容が変化することがあります。その結果として法定書類のページ数増や新サービスの導入などのプラスの影響もありますが、その逆にページ数の減少や特定製品の受注ボリューム減少等、当社グループの売上にマイナス影響を与えるケースもあります。
(3) 証券市場の変動による受注への影響
当社グループが受注する製品・サービスのうち、株式の新規上場(IPO)やエクイティ・ファイナンス、投資信託に付随する目論見書や有価証券印刷などの売上は、証券市場の好不況によって受注量が変動します。当社グループはこうしたリスクを軽減するため、株主総会招集通知、有価証券報告書、四半期報告書などの継続開示書類や、IR関連製品・サービスなどの受注拡大に取り組んでおり、影響幅は徐々に縮小してきましたが、証券市場の変動は業績に影響を与える可能性があります。
(4) 事業の季節変動
当社グループ売上の約70%を占める事業会社向け製品・サービスの顧客のうち、約75%が3月決算会社であるため、決算及び株主総会関連製品の受注が集中する第1四半期の売上が、下表のとおり最も多くなっています。第3四半期がそれに続きます。なお、平成20年度からは四半期報告制度が導入されるため、第2・第4四半期の売上構成比が若干高まるものと思われます。
 
第1四半期
第2四半期
第3四半期
第4四半期
年度計
平成20年3月期(百万円)
9,291
3,689
5,877
3,620
22,479
構成比(%)
41.3
16.4
26.2
16.1
100.0
5【経営上の重要な契約等】
該当事項はありません。
6【研究開発活動】
当社グループの当連結会計年度における研究開発費の総額は183百万円であり、情報加工技術の強化を図っております。当連結会計年度は特に、平成20年4月以降、決算開示資料の作成に財務報告専用のコンピュータ言語XBRLを導入することが予定されているため、当該サービスを顧客に提供するためのシステム開発に着手したため、前連結会計年度よりも増加しています。
なお、研究開発活動は製品区分別に区分できないため、製品区分別の記載を省略しております。
7【財政状態及び経営成績の分析】
当連結会計年度の経営成績の分析
(1) 概要
当連結会計年度において当社グループは、証券市況の低迷等の影響を受けてIPO、エクイティ・ファイナンス、REIT関連製品並びに有価証券印刷の売上が大きく減少しましたが、一方、有価証券報告書、株主総会招集通知、IR関連サービスなど証券市況の影響を受けない製品の拡販が順調に進みました。さらに当連結会計年度は、金融商品取引法の施行に伴う投資信託関連の特需が発生し、売上を押し上げました。この結果、当連結会計年度の売上は、22,479百万円(前連結会計年度比2.2%増)と、過去最高を記録しました。
 利益面では、製品別売上構成の変化等による原価率の上昇、平成20年度からの新たな開示制度に対応するシステムの開発や運営体制の整備に関する先行費用の発生等により、営業利益は3,520百万円と前連結会計年度に比べ19.1%の減益となりました。また、投資事業組合投資損失等の営業外費用の増加、情報セキュリティ体制強化のための本社オフィス移転に伴う特別損失の発生等により、経常利益は前連結会計年度比24.0%減の3,444百万円、当期純利益は同32.4%減の1,771百万円となりました。
(2) 製品区分別の売上高概況
会社法関連製品は、株主総会招集通知の顧客数の増加により、前連結会計年度比4.6%増の4,702百万円となりました。
 金融商品取引法関連製品については、投資信託関連製品が下半期の金融商品取引法施行に伴う販売用資料の改訂需要(スポット)を主因として大きく増加しました。また、有価証券報告書や決算短信などの顧客数が増加し、決算関係書類も売上が増加しました。これらの増加は、証券市場の低迷に伴うIPO、エクイティ・ファイナンス、REIT関連製品の減収をカバーし、金融商品取引法関連の売上は前連結会計年度比2.6%増の11,990百万円となりました。
 IR等製品は、株主向け年次・中間報告書、IRサイト構築・更新サービスなどのWeb関連製品、有料セミナーなど情報サービス等の増加により前連結会計年度比14.1%増の5,162百万円となりました。
 有価証券印刷製品については、証券市場の低迷を受けてIPO・ファイナンスに伴う上場適格株券の需要が大きく減少しました。また、平成21年1月に予定される株券電子化を前に、商号変更、単元変更、分割等に伴う受注も減少し、有価証券印刷の売上は前連結会計年度比51.1%減の622百万円となりました。
(3) 営業利益
製品別売上構成の変化、労務費・減価償却費の増加等により売上原価率が3.0ポイント上昇しました。また、平成20年度からの新たな開示制度に対応するシステムの開発や運営体制の整備に関する先行費用の発生等により販管費率が1.1ポイント上昇しました。この結果、営業利益は3,520百万円と前連結会計年度に比べ19.1%の減益となりました。
(4) 経常利益
証券市況、とくに新興市場の低迷を受けて前期の投資事業組合投資利益が損失に転じたことや持分法投資損失の発生により営業外費用が増加し、営業外収益と合わせた損益では前期の181百万円から△75百万円となりました。この結果、経常利益は前連結会計年度比24.0%減の3,444百万円となりました。
(5) 税金等調整前当期純利益
情報セキュリティ体制強化のための本社オフィス移転に伴う特別損失の発生等により、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比29.2%減の3,204百万円となりました。
(6) 当期純利益
当連結会計年度の「法人税、住民税及び事業税」と「法人税等調整額」を合わせた税金費用は1,426百万円と前年同期比457百万円減少しましたが、税金等調整前当期純利益の減少により当期純利益は前連結会計年度比32.4%減の1,771百万円となりました。
当連結会計年度の財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ778百万円減少し、26,081百万円となりました。
流動資産は204百万円増加し、14,817百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加92百万円であります。有形固定資産は96百万円増加し、4,089百万円となりました。主な要因は、建物及び構築物の増加98百万円であります。無形固定資産は308百万円増加し、458百万円となりました。主な要因は、ソフトウェアの増加であります。投資その他の資産は1,387百万円減少し、6,715百万円となりました。主な要因は投資有価証券の減少1,999百万円であります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ151百万円減少し、3,833百万円となりました。
流動負債は445百万円減少し、2,764百万円となりました。主な要因は未払法人税等の減少424百万円であります。固定負債はほぼ前連結会計年度末並みの1,069百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産の部は、前連結会計年度末に比べ626百万円減少し、22,247百万円となりました。主な要因は、当期純利益1,771百万円の計上による増加、配当金の支払い848百万円、自己株式の取得1,302百万円等による減少であります。




出典: 株式会社プロネクサス、2008-03-31 期 有価証券報告書