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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

① わが国経済の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、期初から下降傾向で推移いたしましたが、昨年9月のリーマンショック以降、世界規模での金融市場の混乱が株価の急落や円高の進行をもたらしました。そのため当下半期には、わが国の幅広い産業において生産・販売や設備投資の急速な減少、雇用問題の深刻化や個人消費の落ち込みなど、景気への不透明感が高まりました。証券市場動向との関連性が高い当社ビジネスにおいても少なからぬ影響が発生しました。

② 業績の概況

1.売上の概況

当社の取り扱い製品の約7割は、証券市況の影響を受けない法定開示書類など、比較的安定性の高い継続受注製品が占めますが、他の約3割は投資信託、REIT、エクイティ・ファイナンス、IPO(新規株式上場)など証券市況の動向が受注量に影響する製品群が占めます。当連結会計年度は、前者の継続受注製品においては新たな開示制度の導入に伴い主力の決算関連製品の売上が大幅に増加しましたが、後者の製品群が証券市況の大幅なマイナス影響を受け、前年同期比6.2%減の21,094百万円となりました。

主な製品別の概況は以下のとおりです。

<会社法関連製品>

上場廃止社数の増加に加えIPO社数も減少したことから、当連結会計年度中に国内の上場会社数は約3,940社から約3,840社へと約100社減少しましたが、当社は株主総会招集通知の受注・顧客支援活動に注力し、ほぼ前年同期並みの上場会社顧客数を確保しました。なお、同製品の平成21年3月末における上場会社シェアは52%を確保しています。この結果、会社法関連製品の売上高は前年同期並みの4,705百万円となりました。

<金融商品取引法関連製品>

当連結会計年度は、四半期報告制度及び事業報告専用コンピュータ言語XBRLの導入という、決算開示制度の大きな変革がスタートしました。当社は、新たな開示書類作成支援システム「PRONEXUS WORKS」を開発・導入するなど、提供サービスの拡充とお客様へのサポート体制を強化しました。これらの活動の結果、四半期報告書の新たな受注を獲得するとともに、決算短信の受注社数を拡大、有価証券報告書の上場会社顧客数も国内上場会社の総数が減少するなか前年同期並みを確保しました。有価証券報告書の平成21年3月末における上場会社シェアは55%を確保しています。これらにより、決算関連製品の売上高はほぼ当初想定どおりの約25%増となりました。

一方、証券市場の長期低落に加えて、上場会社株券の電子化に伴い1−2月の新規上場が一時停止したことも影響し、当連結会計年度中の国内IPO社数は34社と、前年同期の99社から急減しました。証券市場での公募によるエクイティ・ファイナンスも市況悪化を受けて大きく減少し、新株発行目論見書等、関連製品の売上が大きく減少しました。

投資信託関連製品は、制度改正に伴い販売用資料の大量の改訂需要が前年同期に発生しましたが、当連結会計年度はその反動減と証券市況の低迷による受注減によって売上が大幅に減少しました。また、REIT市場も低迷が続き、関連製品の売上が減少しました。

これら証券市況の影響を強く受ける製品の大幅な売上減少が、決算関連製品の大幅増を上回ったことにより、金融商品取引法関連製品の売上高は、前年同期比10.4%減の10,748百万円となりました。

<IR等製品>

株主向け年次報告書・中間報告書は、上場社数の減少に加え企業業績の悪化や競争の激化等の影響を受けて売上が若干減少しました。一方、平成21年1月からの株券電子化に伴う電子公告の急増に伴い、電子公告関連セキュリティサービス「KeeProve Master」の売上が増加しました。また、IRサイトの構築・更新サービスやデータベース等のWebサービスも順調に増加しました。このほか、経理・総務分野を中心とした実務セミナー事業の売上寄与もあって、IR等製品の売上高は前年同期比1.8%増の5,255百万円となりました。

<有価証券印刷製品>

証券市場の低迷と平成21年1月からの株券電子化に伴い、有価証券印刷製品の売上高は前年同期比38.2%減の384百万円となりました。 

区分

前連結会計年度

(自 平成19年4月1日

至 平成20年3月31日)

当連結会計年度

(自 平成20年4月1日

至 平成21年3月31日)

増減

(△印減)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

構成比

(%)

金額

(千円)

増減率

(%)

会社法関連

4,702,717

20.9

 4,705,784

22.3

3,067

0.1

金融商品取引法関連

11,990,825

53.3

 10,748,267

51.0

△1,242,557

△10.4

IR等

5,162,686

23.0

 5,255,851

24.9

93,164

1.8

有価証券印刷

622,809

2.8

 384,628

1.8

△238,180

△38.2

合計

22,479,038

100.0

 21,094,532

100.0

△1,384,506

△6.2

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2.利益の概況

証券市況の影響を受ける製品群の売上減少が決算関連製品の売上増加を大きく上回った結果、製造原価の中では材料費と外注費が大きく減少しましたが、四半期開示・XBRLに対応するシステム・顧客支援体制の運用に伴い減価償却費や製造経費が増加しました。この結果、売上総利益は前年同期比8.2%減の8,634百万円となりました。

販売費及び一般管理費については、本社オフィス移転に伴い家賃の増加があったものの、新システム「PRONEXUS  WORKS」の研究開発費負担がなくなったこと、及び昨年10月以来全社的に展開しているコスト・経費削減活動の効果により、前年同期比2.4%減の5,751百万円となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は前年同期比18.1%減の2,882百万円となりました。

営業外収益80百万円と、投資事業組合運用損などによる営業外費用250百万円を加減し、経常利益は前年同期比21.2%減の2,712百万円となりました。投資有価証券売却益により特別利益を134百万円計上しましたが、証券市況の悪化に伴う投資有価証券評価損等により特別損失を293百万円計上したことにより税金等調整前当期純利益は前年同期比20.3%減の2,553百万円となりました。

当期純利益については、証券市況・経済環境の悪化による収益性の低下を受け、繰延税金資産の回収可能性を検討し507百万円取り崩したこと等により、前年同期比43.1%減の1,008百万円となりました。

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ2,383百万円減少(前年同期比23.5%減)し、当連結会計年度末には7,772百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は2,128百万円(前年同期は2,235百万円の獲得)となりました。

収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,553百万円、減価償却費542百万円、売上債権の減少額269百万円、投資有価証券評価損262百万円等であり、支出の主な内訳は、引当金の減少額184百万円、仕入債務の減少額47百万円、法人税等の支払額1,334百万円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は2,242百万円(前年同期は11百万円の使用)となりました。

収入の主な内訳は、有価証券の売却による収入1,500百万円、敷金及び保証金の回収による収入349百万円、投資有価証券の売却による収入226百万円であり、支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出2,644百万円、無形固定資産の取得による支出775百万円、投資有価証券の取得による支出257百万円、有価証券の取得による支出198百万円、投資事業組合への支出159百万円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は2,268百万円(前年同期は2,123百万円の使用)となりました。

主な内訳は、自己株式の取得による支出1,456百万円、配当金の支払額813百万円等であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

当社グループ(当社及び連結子会社5社)において、開示対象となる事業の種類別セグメントはありませんので製品区分別に記載しております。

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。

製品区分別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成20年4月1日

至 平成21年3月31日)

前年同期比(%)

会社法関連

(千円)

4,705,784

100.1

金融商品取引法関連

(千円)

10,748,267

89.6

IR等

(千円)

5,255,851

101.8

有価証券印刷

(千円)

384,628

61.8

合計

(千円)

21,094,532

93.8

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)受注状況

当連結会計年度の受注状況を製品区分別に示すと、次のとおりであります。

製品区分別セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

会社法関連

4,666,816

98.1

304,655

88.7

金融商品取引法関連

10,852,657

91.9

954,872

112.3

IR等

5,224,788

101.5

199,625

86.5

有価証券印刷

326,291

57.4

25,273

30.2

合計

21,070,553

94.6

1,484,426

98.4

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(3)販売実績

当連結会計年度の販売実績を製品区分別に示すと、次のとおりであります。

製品区分別セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成20年4月1日

至 平成21年3月31日)

前年同期比(%)

会社法関連

(千円)

4,705,784

100.1

金融商品取引法関連

(千円)

10,748,267

89.6

IR等

(千円)

5,255,851

101.8

有価証券印刷

(千円)

384,628

61.8

合計

(千円)

21,094,532

93.8

(注)1.主要な販売顧客については、該当するものはありません。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

(1)中長期的な会社の経営戦略

当社は株券印刷専業会社として1930年に創業いたしましたが、1970年代以降、会社法関連、金融商品取引法関連の開示書類へと事業領域を広げ、近年はITを駆使した開示書類作成支援システムがサービスの主軸となり、IR分野を含めた企業のディスクロージャーに関わる総合的な実務支援サービス会社として活動しています。こうした経過にも表れていますように、当社はディスクロージャー実務支援を基本ドメインとし、関連する法制度や資本市場の変化とお客様のニーズに、専門のノウハウと最新の技術で対応し変化することで成長を遂げてまいりました。当社の中長期を展望する上でもこの基本的な姿勢と方向性は不変と考えています。しかし、その事業領域とサービスレベルは、これまでもそうであったように、これからも拡大、深化を続けてまいります。この考えに立脚した当社の中長期的経営戦略を以下の5方針に要約してご説明いたします。

① コンプライアンスと情報セキュリティの追求

企業の機密情報を取り扱う当社事業の特性上、コンプライアンスの徹底並びに情報セキュリティ体制の確立と維持・強化が、当社の事業活動上の最も重要な前提条件であります。このため当社は、経営理念・行動基準・コンプライアンス規程に基づく各種のルールの徹底と教育というソフト面の対策、そして、機密データを安全に処理、保管するためのインフラ・システムの構築というハード面の対策、さらに、インサイダー情報を厳重に管理するための要員限定、スペース隔離、アクセス制限、トレーサビリティ確保等の諸施策を、ISO27001の認証体制のもと全社を挙げて推進しています。当社にとって事業インフラとも言うべきコンプライアンスと情報セキュリティの整備を不変の基本戦略として追求し続け、お客様との信頼関係を高めてまいります。

② コンサルティングサービスの充実

会社法、金融商品取引法の施行を契機としたコーポレート・ガバナンスの強化、内部統制システムの構築、四半期法定開示、XBRL対応等、上場企業のディスクロージャー業務はより高い水準が求められています。さらに国際財務報告基準IFRS導入への対応も上場企業の開示上の重要な課題となりつつあります。また、資本市場のグローバル化、個人投資家層の拡大、ITの進展を受けて国内外の投資家からディスクロージャー・IRへの要求がかつてなく高まっています。法制度に適合しかつ投資家のニーズに対応した情報開示をお客様に実行していただくため、当社は常に追求し続ける基本戦略として、コンサルティング体制を強化し、こうした法制度・資本市場の変化に対応した専門会社ならではの情報サービスと法的チェック・アドバイスの充実に取り組んでまいります。

③ システムサービスの充実

当社は、業界初のインターネット経由による開示書類作成支援システム「エディッツ」に続き、最新のITを投入したXBRL対応の開示書類作成支援システム「PRONEXUS WORKS」など、電子開示時代に対応するシステムサービスを提供してまいりました。今後はさらに、想定されるXBRLの適用範囲の拡大や  IFRSの導入等、新たな制度要求への対応を図るとともに、企業の会計システムとの連携強化、開示データのIRツールへの展開、アーカイブ化など、システムサービスの高度化と提供範囲の拡大に向けて、当社は挑戦してまいります。これらのシステムサービスの拡大と深化が顧客満足度を高め、当社成長の牽引力となる重要な経営戦略と位置付け、新たなシステム開発と対応インフラの整備に全力を投入してまいります。

④ 新規サービスへの取り組み強化

当社は法制度開示書類以外の継続的成長分野を確保・拡大すべく、IR・Web関連サービスの開拓に重点的に取り組んでいます。これまでにも、財務データのWeb検索サービスやIRサイトの構築・更新サービスなどが順調に成長してきました。このほかにも実務教育セミナーや金融商品関連分野の新規サービスにも取り組んでいます。当社の持つ経営資源を十二分に発揮し、当社の新たな成長領域の獲得に向けての活動を加速させていきます。

⑤ 定期顧客の拡大と品質向上・コスト削減の推進

株主総会招集通知や有価証券報告書等の定期受注製品の顧客数を増やし、その売上ウェイトを高めることが当社にとって重要です。当連結会計年度はこうした定期受注製品の売上が増加し、その比率が約70%となりました。また、当社はトヨタの生産方式を源流とするNPS(ニュー・プロダクション・システム)活動を推進し、グループを挙げて品質と生産性の向上、コスト削減に取り組んでおります。こうした活動の着実な取り組みによって、経営基盤の強化と収益性の向上に努力を続けてまいります。

(2)当社グループの対処すべき課題

前述の中長期的経営戦略に則り、かつ長期化が予想される経済環境の激変を乗り越える強い企業構造の実現をめざし、以下の5項を重点課題に掲げております。

1. お客様の信頼を高める、コンプライアンスの徹底と情報セキュリティ体制のさらなる整備。

2. 最新の法制度情報に基づく、適正かつ顧客満足度の高いコンサルティングサービスの提供。

3. お客様の開示実務効率化とリスク軽減に寄与する、システムサービスの高度化と支援インフラの充実。

4. すべての部門・工程で業務の内容とフローを見直し、生産性の向上とコスト削減を追求する。

5. IR支援、Web関連、金融商品関連等の新規サービス分野を拡大し、当社の顧客支援力を強化する。

(3)株式会社の支配に関する基本方針について

当社は、平成20年4月30日開催の取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針(会社法施行規則第127条柱書に定義されるものをいい、以下、「基本方針」といいます。)並びに基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み(会社法施行規則第127条第2号ロ)の一つとして、下記のとおり、当社株券等の大規模買付行為に関する対応策(以下、「本プラン」といいます。)を導入することに関して決議を行いました。

なお、本プランを決定した取締役会には、社外監査役3名を含む当社監査役4名全員が出席し、本プランは当社株券等の大規模買付行為に関する対応策として相当であると判断される旨の意見を表明しております。

① 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針

当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきと考えております。

ただし、株式の大規模買付提案のなかには、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとはいえないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をなされるために必要な情報が十分に提供されないものもあり得ます。

そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。

② 基本方針の実現に資する取り組みについて

当社は、昭和5年に株券印刷の専門会社として創業以来、株主総会関連書類、決算関連書類、新規上場や  エクイティ・ファイナンス関連書類、投資信託・REIT関連書類、そしてIRツール・コンテンツへと、ディスクロージャー分野全般に事業分野を広げてまいりました。また、近年は法制度の改正や情報開示の電子化が相次ぐなかで、お客様への支援サービスの充実に取り組んでまいりました。こうした諸活動の結果、主要製品についてはリピート率97%(注1)、市場シェア50%以上(注2)など、お客様から高い評価を得てきております。

(注)1.当社の主力製品である有価証券報告書、株主総会招集通知の平成19年度受注顧客から平成20年度も継続して受注した比率

2.全上場会社中の当社主要製品受注顧客数比率(平成21年3月末現在)有価証券報告書55%、株主総会招集通知52%

このような当社及び当社グループの企業価値の主な源泉は、①法制度に適合した正しい情報開示を支援するコンサルティングサービス、②お客様の情報開示実務を効率化・高精度化するIT活用支援サービス、③短納期でミスのない高品質の製品作りを集中的に行える生産体制にあると考えております。

これら当社企業力の源泉となる経営基盤の整備・強化に向けての取り組みは、昭和62年の中長期経営計画の策定に遡ります。以来、経営陣のリーダーシップのもと、事業環境の変化をいち早くつかみ、経営計画に適切に反映させる活動を繰り返し継続してまいりました。その蓄積がブランド価値としてお客様に浸透するとともに、良好な業績の継続と現在の企業価値につながっていると自負いたしております。

また当社は、投資家の判断に直結する機密性の高い情報を取り扱い、その事業活動を通して資本市場の健全な成長に貢献する社会的インフラともいうべき役割を担っております。こうした役割を最大限に発揮できる事業運営体制を整備、充実させていくことが、事業会社としてのみならず、社会的にも求められており、そのための継続的な努力が結果として企業価値及び株主共同利益の最大化につながるものと考えております。

当社事業を取り巻く昨今の環境変化のなかで最も大きいものは、平成20年度の四半期開示、XBRL(事業報告専用のコンピュータ言語)の導入です。この変革は、お客様に新たな付加価値サービスを提供するとともに、当社事業の成長につながるビジネスチャンスと捉えております。

こうした変化に対応するため当社は、「第4の創業への挑戦」をテーマとして平成19年4月に策定した、平成20年3月期からの3事業年度に関する中期経営計画を1年ごとに見直し、企業価値向上につながる重点課題を設定し、推進しております。現在までに、XBRL・四半期開示への対応、新たな開示実務支援システム「PRONEXUS WORKS」の開発、顧客ニーズと当社の専門性を活かした有料セミナー事業の開始、IRメニューの拡張等の成果を上げつつあります。

また当社は、機密情報を取り扱う事業特性から、従来より情報セキュリティとコンプライアンスの徹底に取り組んでまいりました。さらに平成19年度には、法務・コンプライアンス室を設置するとともに、インサイダー・情報セキュリティ委員会の主導のもと、インサイダー取引防止策の抜本的な強化を行うとともに、機密情報管理体制の充実強化に取り組んでおります。これらの活動の一環として、情報セキュリティマネジメントシステムの国際規格であるISO27001の認証を、認証範囲を全社に拡大して平成20年4月に取得し、平成21年4月には ISO9001(品質マネジメントシステム)、ISO14001(環境マネジメントシステム)と合わせて3つのマネジメントシステムの統合認証を全社範囲で取得しております。さらに、人権と“人財”の尊重の観点から、社員一人ひとりの能力向上と適正な評価を実現するための新たな人事制度を導入いたしました。これらの取り組みも中期経営計画のマネジメント課題及びCSR課題として、今後とも継続してまいります。

これらの諸活動の推進により、当社及び当社グループの企業価値ひいては株主共同利益の向上に資することができると考えております。

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当該株式会社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み

当社は、平成20年4月30日開催の取締役会において、当社株券等の大規模買付行為に関する対応策(以下、「本プラン」といいます。)を導入することに関して決議を行いました。

 本プランの導入は、当社取締役会の決議によるものですが、株主総会の決議や株主総会で選任された取締役で構成される取締役会の決議で廃止することができるなど、株主の皆様の総体的意思によってこれを廃止できる手段が設けられており、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める買収防衛策の3原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」「事前開示・株主意思の原則」「必要性・相当性確保の原則」)を充足しています。

 さらに、株主の皆様のご意思をより反映させるという観点から、平成20年6月24日開催の当社定時株主総会に付議し、承認をいただきました。

詳細につきましては、下記アドレスから平成20年4月30日付開示資料をご参照ください。

(当社ホームページ)http://www.pronexus.co.jp/home/ir/pressrelease.html

④ 本プランの合理性

1.買収防衛策に関する指針の要件をすべて充足していること

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める3原則(「企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則」「事前開示・株主意思の原則」「必要性・相当性確保の原則」)をすべて充足しております。

2.当社の企業価値・株主共同の利益の確保・向上の目的をもって導入されていること

本プランは、当社株券等に対する大規模買付等がなされた際に、当該大規模買付等に応じるべきか否かを株主の皆様がご判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や期間を確保し、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値・株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもって導入されるものです。

3.株主意思を重視するものであること

 本プランは、平成20年6月24日開催の第64回定時株主総会において承認可決されたことをもって導入されたものです。また、株主総会においてご承認いただいた後も、当社取締役の選任を通じて株主の皆様のご意向を示していただくことが可能であるほか、その後の当社株主総会において本プランの変更又は廃止の決議がなされた場合には、本プランも当該決議に従い、変更又は廃止されることになります。従って、本プランの導入及び廃止には、株主の皆様のご意思が十分反映される仕組みとなっております。

4.独立性の高い社外者の判断の重視と情報開示

当社は、本プランの導入にあたり、当社取締役会の恣意的判断を排除するため、対抗措置の発動等を含む本プランの運用に関する決議及び勧告を客観的に行う取締役会の諮問機関として独立委員会を設置しております。

 独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、当社の社外取締役、社外監査役又は社外の有識者(実績のある会社経営者、官庁出身者、弁護士、公認会計士もしくは学識経験者又はこれらに準じる者)から選任される委員3名以上により構成されます。

また、当社は、必要に応じ独立委員会の判断の概要について株主の皆様に情報開示を行うこととし、当社の企業価値・株主共同の利益に資するよう本プランの透明な運営が行われる仕組みを確保しております。

5.合理的な客観的発動要件の設定

本プランは、合理的かつ客観的な発動要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しております。

6.デッドハンド型もしくはスローハンド型買収防衛策ではないこと

本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により、いつでも廃止することができるものとされております。従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交代させても、なお発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。

また、当社は取締役任期を1年としており、期差任期制を採用していないため、本プランはスローハンド型(取締役会の構成員の交代を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。

 

4【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスク及び変動要因と、その他重要と考えられる事項は以下のとおりであります。

当社グループでは、これらリスクの発生を十分に認識した上で、発生を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。

(1)機密情報の管理について

当社グループは顧客企業の開示前機密データを取り扱うため、「機密保持」は最重要課題です。当社グループでは、情報セキュリティマネジメントの国際規格ISO27001の全社認証を取得し、グループ内の情報管理体制をシステム・運用の両面で整備、強化するとともに、インサイダー情報の全社的管理体制の構築、運用、教育の推進、監査活動等を行っていますが、万一情報漏洩や情報流出が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

(2)関連する法律・制度の変化による受注への影響

当社グループは、企業のディスクロージャーに関わる法定書類の作成を支援するための諸サービスとデータ作成、印刷を主業務としておりますが、それらの開示書類の多くは会社法と金融商品取引法に規定されています。従って法律や関連する諸制度の改正によって、提供する製品とサービスの需要・仕様・内容が変化することがあります。その結果として法定書類のページ数増や新サービスの導入などのプラスの影響もありますが、その逆にページ数の減少や特定製品の受注ボリューム減少等、当社グループの売上にマイナス影響を与えるケースもあります。

(3)証券市場の変動による受注への影響

当社グループが受注する製品・サービスのうち、株式の新規上場(IPO)やエクイティ・ファイナンス、投資信託に付随する目論見書・販売用資料などの売上は、証券市場の好不況によって受注量が変動します。当社グループはこうしたリスクを軽減するため、株主総会招集通知、有価証券報告書、四半期報告書などの継続開示書類や、IR関連製品・サービスなどの受注拡大に取り組んでおり、影響幅は徐々に縮小してきましたが、証券市場の変動は業績に影響を与える可能性があります。

(4)事業の季節変動

当社グループ売上の約70%を占める事業会社向け製品・サービスの顧客のうち、約70%が3月決算会社であるため、決算及び株主総会関連製品の受注が集中する第1四半期の売上が、下表のとおり最も多くなっています。当連結会計年度は四半期報告制度の導入に伴い、第3四半期の割合が低下し、第2・第4四半期の割合が相対的に増加しました。

 

 

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

年度計

 

平成21年3月期

 売上高  (百万円)

8,939

3,711

4,840

3,602

21,094

 

 構成比    (%)

42.4

17.6

22.9

17.1

100.0

 

5【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

該当事項はありません。

 

7【財政状態及び経営成績の分析】

当連結会計年度の経営成績の分析

(1)概要

決算関連開示書類や株主総会関連書類など、当社の取り扱い製品の約7割を占める継続受注製品は、新たな開示制度に対応するシステムサービスや顧客支援体制の強化、セミナー・Webサイト等情報提供サービスの拡充等の努力により、ほぼ計画どおりの順調な売上となりました。一方、投資信託、エクイティ・ファイナンス、  IPO(新規株式上場)などの製品群の多くは証券市況の動向が受注量に影響し、当連結会計年度は証券市況の低迷によりこの分野の製品の売上が大きく減少しました。また、株券の電子化に伴い有価証券印刷の売上も減少しました。これらの結果、連結売上高は前年同期比6.2%減の21,094百万円となりました。

利益面では、こうした売上減少と品種構成の変化に伴う粗利益の減少に加え、新たな開示書類作成支援システムの開発と顧客支援体制の強化に伴う費用の増加、本社オフィス移転に伴う家賃の増加等の減益要因が発生。経済環境の急速な悪化を受け、昨年10月より全社的なコスト・経費削減活動を展開して減益幅の圧縮に努めましたが、営業利益は前年同期比18.1%減の2,882百万円となりました。営業利益の減少に加えて、投資事業組合運用損等により経常利益は前年同期比21.2%減の2,712百万円となりました。さらに、投資有価証券評価損、繰延税金資産の取り崩し等により当期純利益は前年同期比43.1%減の1,008百万円となりました。

(2)製品区分別の売上高概況

<会社法関連製品>

当連結会計年度中に国内上場会社数が約100社減少しましたが、顧客支援活動の強化と営業努力により、株主総会招集通知の上場会社顧客数はほぼ前年同期並みを維持し、52%のシェアを確保しました。この結果、会社法関連製品の売上高は前年同期並みの4,705百万円となりました。

<金融商品取引法関連製品>

決算関連製品は、四半期報告制度及びXBRLの導入に対応するために開発した、開示書類作成支援システム「PRONEXUS WORKS」の導入、コンサルティング体制やお客様へのサポート体制の強化により、売上高が約25%増加しました。有価証券報告書の当社上場会社顧客数も国内上場会社数が減少するなか前年同期並みを維持し、55%のシェアを確保しています。

一方、証券市場の長期低落と上場会社株券の電子化を受けて、国内IPO社数は前年同期の99社から34社へ急減し、エクイティ・ファイナンスも市況悪化を受けて大きく減少したため、これらの関連製品の売上が減少しました。また、投資信託関連製品は、制度改正に伴う販売用資料の改訂需要が前年同期に発生したことの反動減が大きく、加えて証券市況の低迷も続き、売上が大幅に減少しました。REIT市場も低迷が続き、関連製品の売上が減少しました。

この結果、金融商品取引法関連製品の売上高は前年同期比10.4%減の10,748百万円となりました。

<IR等製品>

株主向け年次報告書・中間報告書は、上場社数の減少や競争の激化等により売上が若干減少しました。一方、株券電子化に伴い電子公告関連セキュリティサービスの売上が急増、IR・Web関連サービスの売上も増加、実務教育関連セミナー事業の売上寄与もあって、IR等製品の売上高は前年同期比1.8%増の5,255百万円となりました。

<有価証券印刷製品>

証券市場の低迷と平成21年1月からの株券電子化に伴い、有価証券印刷製品の売上高は前年同期比38.2%減の384百万円となりました。

(3)営業利益

利益面では、こうした売上減少と品種構成の変化に伴う粗利益の減少に加え、新たな開示書類作成支援システムの開発と顧客支援体制の強化に伴う費用の増加により、売上総利益は前年同期比8.2%減の8,634百万円となりました。本社オフィス移転に伴う家賃の増加があったものの、新システムの研究開発費負担がなくなったこと、及び昨年10月以来全社的に展開しているコスト・経費削減活動の効果により、販売費及び一般管理費は前年同期比2.4%減の5,751百万円となりました。この結果、当連結会計年度の営業利益は前年同期比18.1%減の2,882百万円となりました。

(4)経常利益

営業外収益80百万円と、投資事業組合運用損などによる営業外費用250百万円を加減し、経常利益は前年同期比21.2%減の2,712百万円となりました。

(5)税金等調整前当期純利益

投資有価証券売却益により特別利益を134百万円計上しましたが、証券市況の悪化に伴う投資有価証券評価損等により特別損失を293百万円計上したことにより税金等調整前当期純利益は前年同期比20.3%減の2,553百万円となりました。

(6)当期純利益

当期純利益については、証券市況・経済環境の悪化による収益性の低下を受け、繰延税金資産の回収可能性を検討し507百万円取り崩したこと等により、前年同期比43.1%減の1,008百万円となりました。

当連結会計年度の財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ1,698百万円減少し、24,383百万円となりました。

流動資産は3,511百万円減少し、11,305百万円となりました。主な要因は、現金及び預金の減少1,781百万円、有価証券の減少1,280百万円、受取手形及び売掛金の減少269百万円等であります。有形固定資産は2,292百万円増加し、6,382百万円となりました。主な要因は、土地の増加2,425百万円等であります。無形固定資産は601百万円増加し、1,060百万円となりました。主な要因は、ソフトウエアの増加であります。投資その他の資産は1,081百万円減少し、5,634百万円となりました。主な要因は投資有価証券の減少460百万円、繰延税金資産の減少316百万円等であります。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ274百万円減少し、3,559百万円となりました。

流動負債は297百万円減少し、2,466百万円となりました。主な要因は未払法人税等の減少206百万円等であります。固定負債はほぼ前連結会計年度末並みの1,092百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,424百万円減少し、20,823百万円となりました。主な要因は、当期純利益1,008百万円の計上による増加、配当金の支払い814百万円、自己株式の取得1,456百万円等による減少であります。

 





出典: 株式会社プロネクサス、2009-03-31 期 有価証券報告書