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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、輸出や生産が緩やかに回復し、設備投資も持ち直しの傾向が続いたものの、なおその自立性は弱く、失業率も高水準にある等、依然として厳しい状況で推移いたしました。加えて、本年3月11日に発生した東日本大震災の影響により、景気の動向は、より不透明な状況となりました。

 化学業界におきましては、石油化学製品を中心にアジア向け輸出が堅調に推移いたしましたが、原油価格の上昇や為替相場の円高進行により、厳しい経営環境が続きました。

 このような状況のもと当社グループといたしましては、平成32年に迎える創業100周年を見据えた長期経営ビジョン「Chemigress To 100」とともに、その達成に向けた第一ステップとして「中期経営計画(平成22年度〜24年度)」を策定する一方、製品の拡販や新規開発品の上市に積極的に取り組みましたが、前年度末をもって飼料添加物メチオニンの販売を終了した影響等により、当連結会計年度の売上高は1,232億3千8百万円(前年度比7.0%減)、営業利益は47億3千6百万円(前年度比11.0%減)となりました。

 また、経常利益は、持分法適用会社の業績が堅調に推移したこと等により95億7千2百万円(前年度比25.8%減)、当期純利益は、投資有価証券評価損や東日本大震災による災害損失を特別損失に計上したこと等により55億4千8百万円(前年度比35.3%減)となりました。

 なお、東日本大震災の影響により、当社千葉工場及びグループ会社の一部工場におきまして一時操業の停止を余儀なくされましたが、人的な被害はなく、当社グループを挙げて復旧活動を行い、操業の早期再開に努めました。

 セグメントの業績は次のとおりであります。

  

[化学品事業]

 工業薬品は、青化ソーダが伸長したものの、カセイソーダ、カセイカリ等の販売価格の下落により、減収となりました。

 化成品は、特殊イソシアネート及びPCB無害化処理薬剤等の伸長により、増収となりました。

 染料製品は、顕色剤の輸出向けが増加し、増収となりました。

 機能材料は、「日曹PB」及びIT産業向けの材料が伸長し、増収となりました。

 エコケア製品は、水処理剤「日曹ハイクロン」の輸出向け及びヌメリ取り剤等の減少により、減収となりました。

 医薬品・医薬中間体は、医薬用添加剤HPCが伸長したものの、抗生物質原体ファロペネムナトリウム等の減少により、減収となりました。

 なお、飼料添加物メチオニンは、平成22年3月31日をもちまして販売を終了いたしました。

 以上により、[化学品事業]の売上高は313億5千6百万円(前年度比23.7%減)、営業利益は6億6千8百万円(前年度比79.8%減)となりました。

 

[農業化学品事業]

 国内向けは、殺菌剤「ベフラン」が伸長したものの、殺菌剤「パンチョ」、殺虫剤「モスピラン」等の減少により、減収となりました。

 輸出向けは、殺虫剤「モスピラン」が伸長したことに加え、事業買収に伴い、殺虫剤「ロムダン」が当期から新たに売上に寄与したものの、除草剤「ホーネスト」・「クレトジム」等の減少により、減収となりました。

 工業用殺菌剤は、木材分野や紙パルプ分野の伸長により、増収となりました。

 以上により、[農業化学品事業]の売上高は345億7千5百万円(前年度比8.6%減)、営業利益は17億6千9百万円(前年度比5.4%増)となりました。

 

[商社事業]

 各種有機薬品が伸長したものの、飼料添加物等の減少により、[商社事業]の売上高は357億5千1百万円(前年度比0.7%減)、営業利益は2億1千8百万円(前年度比38.7%増)となりました。

 

[運輸倉庫事業]

 国内及び輸出入貨物の荷動きの回復により、[運輸倉庫事業]の売上高は38億5千6百万円(前年度比2.6%増)、営業利益は3億8千6百万円(前年度比2.3%減)となりました。

 

[建設事業]

 プラント建設工事が堅調に推移し、[建設事業]の売上高は120億8千6百万円(前年度比53.7%増)、営業利益は12億8千8百万円(前年度比406.0%増)となりました。

 

[その他]

 環境開発事業等が減収となり、[その他]の売上高は56億1千1百万円(前年度比5.6%減)、営業利益は環境開発事業及び非鉄金属事業において固定費・経費の削減等により、1億7千5百万円(前連結会計年度は営業損失3億2千3百万円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ5億4千万円減少し、当連結会計年度末には131億5千5百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は134億2千5百万円(前年同期比2.9%増)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益70億4千9百万円(非キャッシュ項目である持分法による投資利益55億6千9百万円を含む)に加え、減価償却費60億9千8百万円、配当金の受取額37億1千3百万円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は74億1千2百万円(前年同期比31.0%減)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出70億3千7百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果使用した資金は63億7千1百万円(前年同期比4.5%増)となりました。これは主として、借入金の返済45億3千4百万円及び配当金の支払額12億2千9百万円にによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成22年4月1日

至 平成23年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業(百万円)

33,730

93.9

農業化学品事業(百万円)

20,097

102.4

報告セグメント計(百万円)

53,827

96.9

その他(百万円)

7,573

102.0

合計(百万円)

61,400

97.5

 (注)1.金額は平均売上実績単価により算出しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)製品・商品仕入実績

当連結会計年度における製品・商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成22年4月1日

至 平成23年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業(百万円)

5,160

58.2

農業化学品事業(百万円)

5,913

78.1

商社事業(百万円)

23,215

92.6

報告セグメント計(百万円)

34,289

82.6

その他(百万円)

1,320

97.1

合計(百万円)

35,609

83.1 

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.化学品事業における仕入実績の減少については、飼料添加物メチオニンの販売終了に伴うものであります。 

 

(3)受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

建設事業

9,650

85.9

5,996

71.3

 (注)1.セグメント間の内部振替後の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成22年4月1日

至 平成23年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業(百万円)

31,356

76.3

農業化学品事業(百万円)

34,575

91.4

商社事業(百万円)

35,751

99.3

運輸倉庫事業(百万円)

3,856

102.6

建設事業(百万円)

12,086

153.7

報告セグメント計(百万円)

117,627

93.0

その他(百万円)

5,611

94.4

合計(百万円)

123,238

93.0

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

    3.化学品事業における飼料添加物メチオニンは、平成22年3月31日をもって販売を終了いたしました。  

3【対処すべき課題】

(1)当社グループの現状の認識について

 今後のわが国経済の見通しにつきましては、東日本大震災の影響により引き続き厳しい状況が続くものと見込まれます。また、電力供給の制約やサプライチェーンの立て直しの遅れ等、景気を下押しする懸念材料もあり、なお先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

 かかる経営環境のなか当社グループといたしましては、「中期経営計画」における重点施策である「成長ドライバーの育成」・「国際競争力強化」・「経営基盤の整備」・「グループ結集・強化」に向け、諸施策を着実に実行に移してまいります。

 また、環境保全や製品の安全・品質につきましても、生産から廃棄に至る全てのライフサイクルにわたり十分配慮した事業活動を進めるとともに、法令遵守・企業倫理に基づいた企業行動を徹底し、コンプライアンスの一層の強化に努めてまいります。

(2) 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

①基本方針の内容

 当社の株式は譲渡自由が原則であり、株式市場を通じて多数の投資家により、自由で活発な取引が行われております。当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方についても、当社株式の自由な取引により決定されることが基本であり、当社に対する大規模買付提案等があった場合に賛同するか否かの判断については、最終的に株主の皆様の自由な意思に依拠するべきと考えております。

 一方、当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、様々なステークホルダーとの信頼関係を維持し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を中長期的に確保し、向上させる者でなければならないと考えております。従って、企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある不適切な大規模買付行為を行う者は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えております。

②財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社は、法律を遵守し健全で透明な企業経営を行うことを基本に、「化学」を通じ優れた製品を提供することにより社会の発展に貢献するとともに、株主の皆様をはじめ取引先、社員等のステークホルダーからの期待と信頼に応え、また、環境に配慮した事業活動を行うことを経営理念とし、独自の特色ある技術を活用することにより高付加価値製品の開発を進め、グローバルな視野で事業を展開する技術指向型の化学企業を目指しております。 

 この経営の方針を踏まえ、厳しい事業環境のもとでも安定的な利益を確保できる事業構造・体制を目指し、農業化学品、機能化学品等の分野において新規製品の開発を推進し企業化を図るとともに、生産効率のさらなる追求や利益管理の徹底により既存事業の競争力強化を進める一方、スリムで効率的な組織への改革や人的パワーの活性化を促進する等、経営基盤の強化を図っているほか、生産・財務・購買を中心にグループ各社と連携を深め、グループ全体として経営資源の効率化や利益の最大化に取組んでおります。

 当社は、これらの取組みとともに株主の皆様をはじめ取引先、社員等のステークホルダーとの信頼関係をより強固なものにし、企業価値の中長期安定的な向上を目指して努力しております。

③基本方針に照らして不適切な者によって財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 中長期的な企業価値の向上を目指す当社の経営にあたっては、幅広いノウハウと豊富な経験、並びに顧客、取引先及び社員等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であります。特に、農業化学品や機能化学品において高付加価値製品の開発を推進するためには、中長期的観点から経営資源を継続的、重点的に投入する必要があり、また、この開発を支える「当社独自の特色ある技術」を今後とも確保し継承するには、国内外の取引先をはじめ社員等と安定的かつ強固な信頼関係を維持することが不可欠であります。これらの当社の事業特性に関する十分な理解がなくては、株主の皆様が将来実現できる株主価値を適正に判断することはできません。 

 突然大規模買付行為が為されたときに、株主の皆様が短期間のうちに大規模買付者が提案する条件等が妥当かどうかを適切に判断するには、大規模買付者及び取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供される必要があります。株主の皆様は、取締役会の意見を参考にしつつ、大規模買付者の提案を検討することが可能となり、最終的な応否を適切に決定する機会を与えられることとなります。

 これらを考慮し、当社取締役会は、大規模買付行為が一定の合理的なルールに従って行われることが企業価値ひいては株主共同の利益に合致すると考え、大規模買付時における情報提供等に関する一定のルールを設置し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される大規模買付行為への対抗措置と併せ、「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」の導入を平成19年3月23日開催の取締役会で決議し、平成19年6月28日開催の定時株主総会において本対応策の継続のご承認をいただきました。

 さらに、平成21年6月26日開催の定時株主総会において、有効期間の変更とともに株券電子化をはじめとする法令改正に伴う所要の修正を加えた上で本対応策の継続のご承認をいただきました。

[当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の概要]

 本対応策では、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の大規模買付行為を対象といたします。 

 大規模買付行為に賛同するか否かは、最終的には株主の皆様の自由な意思に依拠するべきものであると考えますが、その判断の前提として、当該買付行為に関する必要かつ十分な情報提供と判断のための十分な考慮期間の確保が必要と考えており、そのため、大規模買付行為に関するルール(以下、「大規模買付ルール」といいます)を設定いたしました。 

 大規模買付ルールにおきましては、①株主のご判断及び取締役会の意見形成のため必要かつ十分な情報(以下、「本必要情報」といいます)を提供すること及び②本必要情報の提供完了後、最長60日間(対価を現金のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合)または最長90日間(その他の大規模買付行為の場合)が取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間として与えられ、大規模買付行為はこれらの期間経過後にのみ開始されるものとしております。 

 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合、または当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと判断される場合には、新株予約権の無償割当等の対抗措置を取ることがあります。 

 この「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」の詳細につきましては、平成21年5月22日付当社プレスリリース「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の継続について」をご参照ください。(当社ウェブサイト http://www.nippon-soda.co.jp/)

④上記取組みの合理性等の確保について

 本対応策は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであり、当社役員の地位維持を目的としたものではなく、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものではないと考えております。 

 なお、本対抗措置を適正に運用し、取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性及び合理性を担保するため、当社の業務執行を行う経営陣から独立している社外監査役から成る特別委員会を設置いたしました。取締役会は、対抗措置を発動するか否かの判断に際して、この特別委員会の勧告を最大限尊重するものといたします。 

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす主要なリスクには以下のようなものがあります。

 なお、これらは当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

 

1.市場に関するリスク

(1)当社グループの事業のなかには、市況変動の影響を受け、急激な価格変動を起こす製品があるため、市況が大きく下落した場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(2)当社グループの農業化学品事業は、売上に季節性があり、かつ天候に左右されやすい傾向があるため、天候の変動等により出荷量が減少することで、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

2.為替レートの変動リスク

 当社グループは、輸出取引に係る為替リスクについて一部為替予約等によりリスク低減を図っておりますが、急激な円高が当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、海外の連結子会社や持分法適用会社は連結財務諸表上の円換算額が為替相場に左右されるため、急激な円高が当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

3.金利変動リスク

 当社グループでは、借入金に係る金利変動リスクについて一部金利スワップ等によりリスク低減を図っておりますが、将来金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

4.研究開発

 当社グループでは、新製品の開発に多くの経営資源を投入しておりますが、特に農業化学品事業における研究開発では、その有効性や安全性の確認のため開発期間が長期にわたるため、研究テーマが実用化されなかった場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

5.原材料調達リスク

 当社グループでは、原材料の安定的な調達に努めておりますが、必要な主要原材料が確保出来ない場合や、原材料価格が急激に上昇する場合は、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

6.退職給付債務に関するリスク

 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、年金資産の運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されているため、年金資産の運用環境の悪化や割引率の変更等により当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 

7.製品の品質保証

 当社グループは、化学品製造業として製造に係るリスクを強く認識し、品質・環境・安全についてレスポンシブル・ケア活動(自主的な環境保全活動)に取り組み、特に品質については「ISO9001」による管理改善に努めております。しかし、予期せぬ重大な事故が起きたり、品質面での重大な欠陥が発生した場合には、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。 

8.法的規制

 当社グループは、事業を営む国内外の法令に従って事業活動を行っておりますが、環境問題に関する世界的な意識の高まりなどから、化学製品に対する規制はますます強化される傾向にあります。従って将来環境に関する規制が予想を超えて厳しくなり、新たに多額の投資が必要となった場合、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。

9.知的財産の侵害リスク

 当社グループは、保有する知的財産権を厳正に管理しておりますが、特定の国においては完全に保護されず、第三者による侵害を完全には防止できない可能性があり、その場合当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当連結会計年度において、新たに締結した経営上の重要な契約等はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、「特徴ある独自技術に基づく高付加価値製品の開発」を基本方針に、化学品事業である機能性材料と精密有機合成技術を活用した各種有機化学品、および新規農薬開発を目指す農業化学品事業での研究開発に取組んでおります。また、機能性材料と各種精密有機合成技術の開発を目的として設置した加工技術センター(千葉)と中規模実験設備(高岡)を活用し、引き続きこれら分野における新製品開発を積極的に推進しております。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。

なお、研究開発費の総額は56億5千万円(連結売上高比4.6%)であり、グループ全体で347名(総従業員比15.1%)体制であります。

[化学品事業] 

 機能性材料の分野では、精密重合によるポリマー材料、自己組織化単分子膜(SAM)、エポキシ樹脂硬化用包接触媒などの分野で開発研究を推進しており、エポキシ樹脂硬化触媒の分野では新製品を上市いたしました。また、当社の保有する特徴ある製品である、セルロース誘導体、顕色剤、ポリブタジエン製品、エコケア製品等の競争力強化を図っております。

 精密有機合成分野では、ホスゲン、チオホスゲン、青酸等の特徴ある原料を利用した農医薬原体および重要中間体の開発と、新規製造技術による新製品の創出を目指しております。

 なお、[化学品事業]における研究開発費は15億3千6百万円であります。

[農業化学品事業] 

 「食の安心・安全」にますます関心がもたれる中、低薬量で活性を示し低残留性の園芸・畑作農薬を中心とした研究に取組んでおります。

 主力農薬の「モスピラン」については海外での菜種種子処理に適用拡大を目指しており、国内外で土壌害虫対象にベイト剤の開発をすすめております。

 欧州で麦用に販売していた新規殺菌剤「シフルフェナミド」は、平成22年4月にEU登録を取得し、今後は果樹・野菜用に適用拡大をして参ります。一方、米国では平成23年度上市を見込んでおります。

 また、当社初の生物農薬「アグロケア」を平成22年2月に上市しましたが、今後とも微生物の多様な能力を活かした生物農薬の製品群の充実に力を入れていく予定であります。

 なお、[農業化学品事業]における研究開発費は40億6千4百万円であります。

[その他] 

 非鉄金属事業では、新合金の特性改善研究、環境開発事業では、各種難処理産業廃棄物の資源リサイクルプロセスの改善研究に取組んでおります。

 なお、[その他]における研究開発費は4千9百万円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
 当社グループは、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

①固定資産の減損処理

 当社グループは、事業資産については主として工場別営業部門別に資産のグルーピングを行っております。減損の測定にまで至った場合に見積もる事となる回収可能価額は、使用価値により測定し、将来キャッシュ・フローは5%で割り引いて計算しております。
 また、当社グループが保有する土地については、回収可能価額は正味売却価額により測定し、時価は賃貸資産については不動産鑑定評価により、遊休土地については固定資産税評価額により算定しております。

②退職給付引当金

 当社グループ従業員の退職給付費用及び債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率・将来の昇給率・退職率・死亡率及び年金資産の収益率等の前提条件を決定の上、数理計算結果に基づき算定しております。退職給付債務等の前提条件のうち、割引率については長期国債の期末における利回りに基づき決定しております。
 なお、実際の結果が前提条件と異なる場合や、将来前提条件が変更された場合には、その影響額は数理計算上の差異として累積され、9〜12年の定額法により処理されております。

③繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは繰延税金資産の計上について、将来の課税所得計画を慎重に見積り、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当金を計上しております。
 繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合は、当該判断を行った連結会計年度において繰延税金資産を取崩し費用として計上いたします。同様に、現時点で評価性引当金として繰延税金資産を計上していない部分について回収可能と判断した場合は繰延税金資産を計上し、当該判断を行った連結会計年度において利益を増加させる事となります。

(2) 経営成績の分析

 当社グループは、平成32年に迎える創業100周年を見据えた長期経営ビジョン「Chemigress To 100」とともに、その達成に向けた第一ステップとして「中期経営計画(平成22年度〜24年度)」を策定する一方、製品の拡販や新規開発品の上市に積極的に取り組みましたが、前年度末をもって飼料添加物メチオニンの販売を終了した影響により、当連結会計年度の売上高は前年同期に比べ92億4千8百万円減少し1,232億3千8百万円となりました。

 利益につきましては、持分法適用会社の業績が堅調に推移したこと等により経常利益は前年同期に比べ33億3千4百万円減の95億7千2百万円となり、当期純利益は投資有価証券評価損11億6千万円、東日本大震災による災害損失6億2千1百万円を特別損失に計上したこと等により、前年同期に比べ30億2千2百万円減の55億4千8百万円となりました。

 ①売上高及び営業利益

売上高

 当連結会計年度の売上高は1,232億3千8百万円となり、前年同期に比べ92億4千8百万円減少いたしました。
 以下のセグメントの業績は、セグンメント間の内部取引消去後の金額であります。

[化学品事業]

 化学品事業は、自動車・IT産業向けを中心に需要が回復し機能材料「日曹PB」等が増収となったものの、カセイソーダ、カセイカリ等の販売価格の下落や、飼料添加物メチオニンの販売終了により、前年同期に比べ減収となりました。
 この結果、当連結会計年度の[化学品事業]の売上高は313億5千6百万円となり、前年同期に比べ97億3千4百万円減少いたしました。

 また、営業利益は6億6千8百万円と前年同期に比べ26億4千万円減少いたしました。

[農業化学品事業]

 国内向けは、殺菌剤「ベフラン」が伸長したものの、殺菌剤「パンチョ」、殺虫剤「モスピラン」等の減少により、前年同期に比べ減収となりました。

 輸出向けは、殺虫剤「モスピラン」が伸長したことに加え、事業買収に伴い、殺虫剤「ロムダン」が当期から新たに売上に寄与したものの、除草剤「ホーネスト」・「クレトジム」等の減少により、前年同期に比べ減収となりました。

 この結果、当連結会計年度の[農業化学品事業]の売上高は345億7千5百万円となり、前年同期に比べ32億4千7百万円減少いたしました。

 また、営業利益は17億6千9百万円と前年同期に比べ9千1百万円増加いたしました。

[商社事業]

 各種有機薬品が伸長したものの、飼料添加物等の減少により、当連結会計年度の[商社事業]の売上高は357億5千1百万円となり、前年同期に比べて2億5千6百万円減少いたしました。

 また、営業利益は2億1千8百万円と前年同期に比べ6千万円増加いたしました。

[運輸倉庫事業]

 国内及び輸出入貨物の荷動きの回復により、当連結会計年度の[運輸倉庫事業]の売上高は38億5千6百万円となり、前年同期に比べて9千8百万円増加いたしました。

 また、営業利益は3億8千6百万円と前年同期に比べ9百万円減少いたしました。

[建設事業]

 プラント建設工事が堅調に推移し、当連結会計年度の[建設事業]の売上高は120億8千6百万円となり、前年同期に比べて42億2千2百万円増加いたしました。

 また、営業利益は12億8千8百万円と前年同期に比べ10億3千3百万円増加いたしました。

[その他]

 環境開発事業等が減収となり、当連結会計年度の[その他]の売上高は56億1千1百万円と前年同期に比べて3億3千1百万円減少いたしました。

 また、営業利益は環境開発事業及び非鉄金属事業において固定費・経費の削減等により、1億7千5百万円と前年同期に比べ4億9千8百万円増加いたしました。

原価、費用及び営業利益

 当連結会計年度の営業利益は、固定費・経費の削減を進めたものの、飼料添加物メチオニンの販売終了等により47億3千6百万円と、前年同期に比べ5億8千6百万円減少いたしました。

 なお、営業利益率は3.8%となり、前年同期に比べ0.2ポイント減少いたしました。

 ②営業外損益及び経常利益

 当連結会計年度は、持分法適用会社であるNovus International,Inc.の業績が堅調に推移したものの、為替相場の円高進行もあり、持分法による投資利益が55億6千9百万円と、前年同期に比べ23億3千6百万円減少いたしました。
 これにより営業外損益は48億3千5百万円の益(純額)となりました。

 この結果、経常利益は95億7千2百万円となり、前年同期に比べ33億3千4百万円減少いたしました。

 ③特別損益及び当期純利益

 特別損益は、当連結会計年度で投資有価証券評価損11億6千万円、災害による損失6億2千1百万円、資産除去債務会計基準の適用に伴う影響額5億6千7百万円を計上したこと等により、25億2千2百万円の損(純額)となりました。
 また、法人税等(法人税等調整額含む)は前年同期に比べ1億5千1百万円減少し、13億4千2百万円となりました。
 この結果、当期純利益は55億4千8百万円となり、前年同期に比べ30億2千2百万円減少いたしました。 

(3) 財政状態の分析

 ①資産、負債及び純資産の状況

 当連結会計年度末の資産は、前連結会計年度末に比べ、流動資産で受取手形及び売掛金が38億6千3百万円減少し、たな卸資産が8億5千6百万円減少いたしました。

 その結果、資産合計では前連結会計年度末に比べ55億7千2百万円減少し、1,672億2千3百万円となりました。

 負債につきましては、支払手形及び買掛金が22億6百万円減少し、借入金が45億3千4百万円減少した結果、負債合計では前連結会計年度末に比べ71億2千2百万円減少し、814億9千9百万円となりました。

 純資産につきましては、利益剰余金が40億2千9百万円増加したものの、為替相場の円高進行により、為替換算調整勘定のマイナス残高が19億5千8百万円増加したこと等により、純資産合計では前連結会計年度末に比べ15億5千万円増加し、857億2千3百万円となりました。

 この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は48.4%と、前連結会計年度末の45.9%から2.5ポイント増加いたしました。 

 ②キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「1.業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。 

(4) 次期(平成23年度)の見通し 

 当社グループは、「新・中期経営計画」における重点施策である「成長ドライバーの育成」「国際競争力強化」「経営基盤の整備」「グループ結集・強化」に向け、諸施策を着実に実行に移してまいります。 

 次期の業績予想につきましては、売上高1,250億円、経常利益82億円、当期純利益63億円と予想しております。また、為替レートは1$=85円を想定しております。 

(注)上記「次期の見通し」は、有価証券報告書提出日(平成23年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。





出典: 日本曹達株式会社、2011-03-31 期 有価証券報告書