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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、東日本大震災からの復興により、生産活動に持ち直しの動きがみられたものの、欧州の政府債務危機等を背景とした世界経済の減速や、為替レートの変動等により、依然として厳しい状況で推移いたしました。

 化学業界におきましては、海外景気の減速による輸出の伸び悩みや国内需要の低迷に加え、為替相場の円高進行により、厳しい経営環境が続きました。

 このような状況のもと当社グループにおきましては、昨年度からスタートした「中期経営計画」の諸施策を逐次実行に移す一方、製品価格の改定をはじめ積極的な営業活動を推進いたしました。この結果、農業薬品の輸出向け販売が殺虫剤や殺菌剤を中心に伸長したものの、景気の低迷による化学品事業及び商社事業における販売の減少や、円高の影響等により、当連結会計年度の売上高は1,211億1千8百万円(前年度比1.7%減)、営業利益は47億6百万円(前年度比0.6%減)となりました。

 また、経常利益は、持分法適用会社の業績が堅調に推移したこと等により93億6千5百万円(前年度比2.2%減)、当期純利益は、特別損失の減少等により70億4千4百万円(前年度比27.0%増)となりました。

 セグメントの業績は次の通りであります。

  

[化学品事業]

 工業薬品は、カセイソーダ、青化ソーダ・青化カリ及びオキシ塩化燐等が減少し、減収となりました。

 化成品は、PCB無害化処理薬剤等が伸長したものの、特殊イソシアネートや硫黄誘導体等の減少により、減収となりました。

 染料製品は、感熱紙用顕色剤の輸出向けが伸張し、増収となりました。

 機能材料は、樹脂添加剤「NISSO−PB」及びIT産業向けの材料が伸長したものの、透明導電ガラス等の減少により、減収となりました。

 エコケア製品は、水処理剤「日曹ハイクロン」及びヌメリ取り剤等の伸長により、増収となりました。

 医薬品・医薬中間体は、抗生物質中間体AOSA等が減少したものの、抗生物質原体ファロペネムナトリウムや医薬用添加剤HPC等の伸長により、増収となりました。

 以上により、[化学品事業]の売上高は301億9千3百万円(前年度比3.7%減)、営業利益は5億2千2百万円(前年度比21.7%減)となりました。

 

[農業化学品事業]

 国内向けは、殺菌剤「ベフラン」、殺虫剤「ロムダン」等の伸長や、殺虫剤「モスピラン」の新規製剤の上市により、増収となりました。

 輸出向けは、殺虫剤「モスピラン」、殺ダニ剤「ニッソラン」、殺菌剤「パンチョ」等の伸長により、増収となりました。

 工業用殺菌剤は、防腐剤や防虫剤等の伸長により、増収となりました。

 以上により、[農業化学品事業]の売上高は365億7千4百万円(前年度比5.8%増)、営業利益は21億2千4百万円(前年度比20.0%増)となりました。

 

[商社事業]

 機械・装置等が伸長したものの、ウレタン材料や建設関連製品等の減少により、[商社事業]の売上高は325億3千9百万円(前年度比9.0%減)、営業利益は8千6百万円(前年度比60.3%減)となりました。

 

[運輸倉庫事業]

 新規貨物や輸入貨物の増加等により保管数量・保管残高が増加し、[運輸倉庫事業]の売上高は38億9千8百万円(前年度比1.1%増)、営業利益は4億9千9百万円(前年度比29.2%増)となりました。

 

[建設事業]

 土木建築が堅調に推移したものの、プラント建設工事の減少により、[建設事業]の売上高は116億4千4百万円(前年度比3.7%減)、営業利益は7億5千9百万円(前年度比41.1%減)となりました。

 

[その他]

 環境開発事業等が堅調に推移し、[その他]の売上高は62億6千8百万円(前年度比11.7%増)、営業利益は1億7千7百万円(前年度比1.1%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ12億7千8百万円増加し、当連結会計年度末には144億3千4百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果得られた資金は98億6千7百万円(前年同期比26.5%減)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益93億7百万円(非キャッシュ項目である持分法による投資利益52億9百万円を含む)に加え、減価償却費60億9千2百万円、配当金の受取額29億4千8百万円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果使用した資金は79億4千9百万円(前年同期比7.2%増)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出49億3千4百万円や、Alkaline SAS等の子会社株式の取得による支出16億6千4百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果使用した資金は5億5千4百万円(前年同期比91.3%減)となりました。これは主として、配当金の支払額9億9百万円によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業(百万円)

34,686

102.8

農業化学品事業(百万円)

20,853

103.8

報告セグメント計(百万円)

55,540

103.2

その他(百万円)

7,948

105.0

合計(百万円)

63,488

103.4

 (注)1.金額は平均売上実績単価により算出しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)製品・商品仕入実績

当連結会計年度における製品・商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業(百万円)

4,739

91.8

農業化学品事業(百万円)

6,126

103.6

商社事業(百万円)

21,363

92.0

報告セグメント計(百万円)

32,229

94.0

その他(百万円)

1,422

107.8

合計(百万円)

33,652

94.5 

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 

 

(3)受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

建設事業

11,520

119.4

5,896

98.3

 (注)1.セグメント間の内部振替後の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業(百万円)

30,193

96.3

農業化学品事業(百万円)

36,574

105.8

商社事業(百万円)

32,539

91.0

運輸倉庫事業(百万円)

3,898

101.1

建設事業(百万円)

11,644

96.3

報告セグメント計(百万円)

114,850

97.6

その他(百万円)

6,268

111.7

合計(百万円)

121,118

98.3

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

    2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3【対処すべき課題】

(1)当社グループの現状の認識について

 今後のわが国経済の見通しにつきましては、欧州の政府債務危機の影響や、原油をはじめとする原燃料価格の高騰等により、引き続き厳しい状況が続くものと見込まれます。また、電力供給の制約や雇用情勢の悪化等、景気を下押しする懸念材料もあり、なお先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

 かかる経営環境のなか当社グループといたしましては、「中期経営計画」における重点施策である「成長ドライバーの育成」・「国際競争力強化」・「経営基盤の整備」・「グループ結集・強化」に向け、諸施策を着実に実行に移してまいります。

 「成長ドライバーの育成」につきましては、平成23年12月にフランスのAlkaline SAS社を買収いたしました。これにより同社の生産する高品質な金属ナトリウムを安定確保し、グリーンエネルギー関連ビジネスに参入するとともに、同社との技術の融合により、金属ナトリウム誘導品の規模の拡大を図ります。また、農業化学品では新規殺菌剤の上市を予定しており、既存の農薬とともに更なる販売拡大を推進いたします。

 「国際競争力強化」につきましては、中国において農薬原体の生産、また韓国において殺菌剤「トップジンM」原体の生産を開始する予定であります。これにより、拡大を続ける海外の農薬需要に対する安定供給体制を強化いたします。

 「経営基盤の整備」につきましては、CSR(企業の社会的責任)活動を導入し、社会から信頼されつつ企業活動を継続するための体制を構築いたします。また、国際的な事業運営に対応する人材の育成・強化を進めます。

 「グループ結集・強化」につきましては、国内外のグループ会社との連携を強化し、グループ資源の最大活用による収益力・総合力の向上を図ります。

 また、環境保全や製品の安全・品質につきましても、生産から廃棄に至る全てのライフサイクルにわたり十分配慮した事業活動を進めるとともに、法令遵守・企業倫理に基づいた企業行動を徹底し、コンプライアンスの一層の強化に努めてまいります。

(2) 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

①基本方針の内容

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念や当社企業価値の様々な源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる者でなければならないと考えております。

 一方、金融商品取引所に上場する株式会社としての当社株主の在り方は、当社株式の市場における自由な取引を通じて決まるものであり、当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合にこれに応じるべきか否かの判断も、最終的には株主の皆様の全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。

 しかしながら、株式の大規模買付行為や買付提案の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、対象会社の株主や取締役会が買付行為や買付提案の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するために合理的に必要十分な時間や情報を提供することのないもの、買付条件等が対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に照らして著しく不十分または不適当であるもの、対象会社の企業価値の維持・増大に必要不可欠なステークホルダーとの関係を破壊する意図のあるもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

 当社は、上記の例を含め当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある大規模な買付等を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切と考えております。

②財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社は、法律を遵守し健全で透明な企業経営を行うことを基本に、「化学」を通じ優れた製品を提供することにより社会の発展に貢献するとともに、株主の皆様をはじめ顧客、取引先、社員及び関係会社等のステークホルダーからの期待と信頼に応え、また、環境に配慮した事業活動を行うことを経営理念とし、独自の特色ある技術を活用することにより高付加価値製品の開発を進め、グローバルな視野で事業を展開する技術指向型の化学企業を目指しております。

 この経営の方針を踏まえ、厳しい事業環境のもとでも安定的な利益を確保できる事業構造・体制を目指し、農業化学品、機能化学品等の分野において新規製品の開発を推進し企業化を図るとともに、生産効率のさらなる追求や利益管理の徹底により既存事業の競争力強化を進める一方、スリムで効率的な組織への改革や人的パワーの活性化を促進する等、経営基盤の強化を図っているほか、生産・財務・購買を中心にグループ各社と連携を深め、グループ全体として経営資源の効率化や利益の最大化に取組んでおります。さらに、環境保全への取組み、経営情報のディスクロージャー、法令倫理面の社内体制強化等も推し進め、社会からの信頼性向上を図ってまいります。

 当社は、これらの取組みとともに株主の皆様をはじめ顧客、取引先、社員及び関係会社等のステークホルダーとの信頼関係をより強固なものにし、企業価値の中長期安定的な向上を目指して努力しております。

③基本方針に照らして不適切な者によって財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 中長期的な企業価値の向上を目指す当社の経営にあたっては、幅広いノウハウと豊富な経験、並びに顧客、取引先、社員及び関係会社等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であります。特に、農業化学品や機能化学品において高付加価値製品の開発を推進するためには、中長期的観点から経営資源を継続的、重点的に投入する必要があり、また、この開発を支える「当社独自の特色ある技術」 を今後とも確保し継承するには、国内外の取引先をはじめ社員及び関係会社等と安定的かつ強固な信頼関係を維持することが不可欠であります。これらの当社の事業特性に関する十分な理解がなくては、株主の皆様が将来実現することのできる株主価値を適正に判断することはできません。

 突然大規模買付行為や買付提案がなされたときに、大規模買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかを株主の皆様が短期間のうちに適切に判断するためには、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供される必要があります。株主の皆様は、当社取締役会の意見を参考にしつつ、大規模買付者の提案を検討することが可能となり、最終的な応否を適切に決定する機会を与えられることとなります。

 これらを考慮し、当社取締役会は、当社株式に対して大規模買付等が行われた場合に、株主の皆様が適切な判断をするために、必要な情報や時間を確保し、買付者等との交渉等が一定の合理的なルールに従って行われることが企業価値ひいては株主共同の利益に合致すると考え、大規模買付時における情報提供等に関する一定のルールを設定し、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって大規模買付等がなされた場合の対応方針を含めた、「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」を導入しております。

[当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の概要]

 本対応策では、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の大規模買付行為を対象といたします。

 大規模買付行為に賛同するか否かは、最終的には株主の皆様の自由な意思に依拠するべきものであると考えますが、その判断の前提として、当該買付行為に関する必要かつ十分な情報提供と判断のための十分な考慮期間の確保が必要と考えており、そのため、大規模買付行為に関するルール(以下「大規模買付ルール」といいます)を設定いたしました。

 大規模買付ルールにおきましては、①株主の皆様のご判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます)を提供すること及び②本必要情報の提供完了後、最長60日間(対価を現金のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合)または最長90日間(その他の大規模買付行為の場合)を当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます)として設定いたします。

 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合、または当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合には、新株予約権の無償割当等の対抗措置を講じることがあります。

 当社取締役会は、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合において、対抗措置を発動すべきと判断した場合には、株主の皆様に対抗措置を発動することの可否を十分にご検討いただくための期間(以下「株主検討期間」といいます)として最長60日間の期間を設定したうえで、当該株主検討期間中に当社株主総会を開催し、必ず株主の皆様のご意思を確認することといたします。当社取締役会は、対抗措置を発動することの可否について、当該株主総会の決議に従うものといたします。

 大規模買付行為は、取締役会評価期間と株主検討期間の経過後にのみ開始できるものといたします。

 この、「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」の詳細につきましては、平成24年5月18日付当社プレスリリース「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の継続について」をご参照ください。(当社ウェブサイト http://www.nippon-soda.co.jp/)

④上記取組みの合理性等の確保について

 本対応策は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであり、当社役員の地位維持を目的としたものではなく、且つ当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものでもないと考えております。

 また、本対応策は、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、または株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもっております。

 さらに、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合において、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうおそれがあることを理由として対抗措置を発動する場合には、必ず株主総会において対抗措置発動の可否について決議をとることとしており、株主の皆様のご意思を反映し当社取締役会の恣意的な判断による対抗措置の発動を防止する仕組みが確保できております。

 なお、本対応策における対抗措置を発動するか否かの判断に際しては、本対抗措置を適正に運用し、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性及び合理性を担保するために、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される特別委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するよう、本対応策の透明な運用を担保するための手続きも確保されております。

  

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす主要なリスクには以下のようなものがあります。

 なお、これらは当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

 

1.市場に関するリスク

(1)当社グループの事業のなかには、市況変動の影響を受け、急激な価格変動を起こす製品があるため、市況が大きく下落した場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(2)当社グループの農業化学品事業は、売上に季節性があり、かつ天候に左右されやすい傾向があるため、天候の変動等により出荷量が減少することで、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

2.為替レートの変動リスク

 当社グループは、輸出取引に係る為替リスクについて一部為替予約等によりリスク低減を図っておりますが、急激な円高が当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、海外の連結子会社や持分法適用会社は連結財務諸表上の円換算額が為替相場に左右されるため、急激な円高が当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

3.金利変動リスク

 当社グループでは、借入金に係る金利変動リスクについて一部金利スワップ等によりリスク低減を図っておりますが、将来金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

4.研究開発

 当社グループでは、新製品の開発に多くの経営資源を投入しておりますが、特に農業化学品事業における研究開発では、その有効性や安全性の確認のため開発期間が長期にわたるため、研究テーマが実用化されなかった場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

5.原材料調達リスク

 当社グループでは、原材料の安定的な調達に努めておりますが、必要な主要原材料が確保出来ない場合や、原材料価格が急激に上昇する場合は、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

6.退職給付債務に関するリスク

 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、年金資産の運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されているため、年金資産の運用環境の悪化や割引率の変更等により当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。 

7.製品の品質保証

 当社グループは、化学品製造業として、品質等についてレスポンシブル・ケア活動(自主的なリスク低減活動)に取り組み、特に「ISO9001」による管理改善に努めております。また、新製品上市・品質改善時には、「ISO9001」に準じて事前に製造物責任(PL)のリスク評価を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかし、すべての製品について欠陥がなくPL問題が発生しないという保証はないため、製造物責任賠償についてはPL保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、予期せぬ重大な事故が起きたり、品質面での重大な欠陥が発生した場合には、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。 

8.事故・災害

 当社グループは、化学品製造業として製造に係るリスクを強く認識し、品質、環境保全、労働安全衛生、保安防災、物流安全、化学品・製品安全等についてレスポンシブル・ケア活動(自主的なリスク低減活動)に取り組み、生産設備や化学製品の保管貯蔵施設での事故の未然防止に努めています。しかしながら、不測の事故あるいは大規模な自然災害等の発生により、製造設備で人的・物的被害が生じた場合、あるいは工場周辺地域に被害が生じた場合、当社グループの社会的信用が低下し、事故災害への対策費用や生産活動停止による機会損失により、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。

9.法的規制

 当社グループは、事業を営む国内外の法令に従って事業活動を行っておりますが、環境問題に関する世界的な意識の高まりなどから、化学製品に対する規制はますます強化される傾向にあります。従って将来環境に関する規制が予想を超えて厳しくなり、新たに多額の投資が必要となった場合、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。

10.知的財産の侵害リスク

 当社グループは、保有する知的財産権を厳正に管理しておりますが、特定の国においては完全に保護されず、第三者による侵害を完全には防止できない可能性があり、その場合当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、平成23年12月29日をもって、Alkaline SASを買収するにあたり、Alkaline SASの株主との間で平成23年11月25日付で株式譲渡契約を締結致しました。

(第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 (企業結合等関係)をご参照下さい。)

 

6【研究開発活動】

  当社グループは、「特徴ある独自技術に基づく高付加価値製品の開発」を基本方針に、化学品事業である機能性材料と精密有機合成技術を活用した各種有機化学品、および新規農薬開発を目指す農薬化学品事業での研究開発に取り組んでおります。また機能性材料と各種精密有機合成技術の開発を目的として設置した加工技術センター(千葉)と中規模実験設備(高岡)を活用し、引き続きこれら分野における新製品開発を積極的に推進しております。 

 当連結会計年度における各セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。

なお、研究開発費の総額は57億3千8百万円(連結売上高比4.7%)であり、グループ全体で337名(総従業員比13.4%)体制であります。

[化学品事業] 

 機能性材料分野では、精密重合技術による新規ポリマー材料、自己組織化単分子膜(SAM)・表面無機化コーティング剤及びエポキシ樹脂硬化用包接触媒、可視光型光触媒等の分野で開発を推進しております。また、当社の特徴ある製品であるセルロース誘導体、顕色剤、ポリブダジエン製品、ポリシラン製品、エコケア製品等について競争力強化を行いながら、新規分野への積極進出を図っております。

 精密有機合成分野では、ホスゲン、青酸等の当社特有の原料を利用した農医薬原体及び重要中間体の開発及び新規製造技術開発による新製品の創出を目指しています。 

 なお、[化学品事業]における研究開発費は14億4千万円であります。

[農業化学品事業] 

 「食の安心・安全」にますます関心がもたれるなか、低薬量で活性を示し低残留性の園芸•畑作農薬を中心とした研究に取組んでおります。

 平成22年4月にEU登録を取得した殺菌剤の「シフルフェナミド」は、現在欧州では麦用に販売しており、さらに果樹・野菜分野に適用拡大中です。一方米国では本年度中の上市を見込んでおります。

 新規殺菌剤「ファンタジスタ」については各種作物の灰色かび病、菌核病の防除効果に優れ、近く日本で登録になる見込みです。

 また、べと病、疫病、ピシウム病に卓効を示す新規殺菌剤については平成23年に委託試験を開始しましたが、これに続くパイプライン中の有望化合物についてもフェーズアップに向け鋭意努力中です。

 化学農薬以外では、当社初の生物農薬「アグロケア」を平成22年2月に上市しましたが、細菌病害に有効な「マスタピース」を平成25年度に上市予定で、今後とも微生物の多様な能力を活かした生物農薬製品群の充実に力を入れていきます。

 なお、[農業化学品事業]における研究開発費は42億5千9百万円であります。

[その他] 

 非鉄金属事業では、新合金の特性改善研究、環境開発事業では、各種難処理産業廃棄物の資源リサイクルプロセスの改善研究に取り組んでおります。

 なお、[その他]における研究開発費は3千8百万円であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりであります。
 当社グループは、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

①固定資産の減損処理

 当社グループは、事業資産については主として工場別営業部門別に資産のグルーピングを行っております。減損の測定にまで至った場合に見積もる事となる回収可能価額は、使用価値により測定し、将来キャッシュ・フローは5%で割り引いて計算しております。
 また、当社グループが保有する土地については、回収可能価額は正味売却価額により測定し、時価は賃貸資産については不動産鑑定評価により、遊休土地については固定資産税評価額により算定しております。

②退職給付引当金

 当社グループ従業員の退職給付費用及び債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率・将来の昇給率・退職率・死亡率及び年金資産の収益率等の前提条件を決定の上、数理計算結果に基づき算定しております。退職給付債務等の前提条件のうち、割引率については長期国債の期末における利回りに基づき決定しております。
 なお、実際の結果が前提条件と異なる場合や、将来前提条件が変更された場合には、その影響額は数理計算上の差異として累積され、9〜12年の定額法により処理されております。

③繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは繰延税金資産の計上について、将来の課税所得計画を慎重に見積り、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当金を計上しております。
 繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合は、当該判断を行った連結会計年度において繰延税金資産を取崩し費用として計上いたします。同様に、現時点で評価性引当金として繰延税金資産を計上していない部分について回収可能と判断した場合は繰延税金資産を計上し、当該判断を行った連結会計年度において利益を増加させる事となります。

(2) 経営成績の分析

 当社グループは、昨年度からスタートした「中期経営計画」の諸施策を逐次実行に移す一方、製品価格の改定をはじめ積極的な営業活動を推進いたしました。この結果、農業化学品の輸出向け販売が殺虫剤や殺菌剤を中心に伸長したものの、景気の低迷による化学品事業及び商社事業における販売の減少や、円高の影響等により、当連結会計年度の売上高は前年同期に比べ21億1千9百万円減少し1,211億1千8百万円となりました。

 利益につきましては、持分法適用会社の業績が堅調に推移したこと等により経常利益は前年同期に比べ2億6百万円減の93億6千5百万円となり、当期純利益は特別損失の減少等により、前年同期に比べ14億9千6百万円増の70億4千4百万円となりました。

 ①売上高及び営業利益

売上高

 当連結会計年度の売上高は1,211億1千8百万円となり、前年同期に比べ21億1千9百万円減少いたしました。
 以下のセグメントの業績は、セグンメント間の内部取引消去後の金額であります。

[化学品事業]

 化学品事業は、IT産業向けの材料が伸長し機能材料「NISSO−PB」等が増収となったものの、カセイソーダ、青化ソーダ・青化カリ及びオキシ塩化燐等の販売数量の減少により、前年同期に比べ減収となりました。

 この結果、当連結会計年度の[化学品事業]の売上高は301億9千3百万円となり、前年同期に比べ11億6千2百万円減少いたしました。

 また、営業利益は5億2千2百万円と前年同期に比べ1億4千5百万円減少いたしました。

[農業化学品事業]

 国内向けは、殺菌剤「ベフラン」、殺虫剤「ロムダン」等の伸長や、殺虫剤「モスピラン」の新規製剤の上市により、増収となりました。

 輸出向けは、殺虫剤「モスピラン」、殺ダニ剤「ニッソラン」、殺菌剤「パンチョ」等の伸長により、増収となりました。

 この結果、当連結会計年度の[農業化学品事業]の売上高は365億7千4百万円となり、前年同期に比べ19億9千8百万円増加いたしました。

 また、営業利益は21億2千4百万円と前年同期に比べ3億5千4百万円増加いたしました。

[商社事業]

 機械・装置等が伸長したものの、ウレタン材料や建設関連製品等の減少により、当連結会計年度の[商社事業]の売上高は325億3千9百万円となり、前年同期に比べて32億1千2百万円減少いたしました。

 また、営業利益は8千6百万円と前年同期に比べ1億3千1百万円減少いたしました。

[運輸倉庫事業]

 新規貨物や輸入貨物の増加等により保管数量・保管残高が増加し、当連結会計年度の[運輸倉庫事業]の売上高は38億9千8百万円となり、前年同期に比べて4千1百万円増加いたしました。

 また、営業利益は4億9千9百万円と前年同期に比べ1億1千2百万円増加いたしました。

[建設事業]

 土木建築が堅調に推移したものの、プラント建設工事の減少により、当連結会計年度の[建設事業]の売上高は116億4千4百万円となり、前年同期に比べて4億4千2百万円減少いたしました。

 また、営業利益は7億5千9百万円と前年同期に比べ5億2千9百万円減少いたしました。

[その他]

 環境開発事業等が堅調に推移し、当連結会計年度の[その他]の売上高は62億6千8百万円と前年同期に比べて6億5千6百万円増加いたしました。

 また、営業利益は1億7千7百万円と前年同期に比べ1百万円増加いたしました。

原価、費用及び営業利益

 当連結会計年度の営業利益は、製品価格の改定等の積極的な営業活動を推進したものの、景気の低迷や、為替相場の円高の影響等により47億6百万円と、前年同期に比べ2千9百万円減少いたしました。

 なお、営業利益率は3.9%となり、前年同期に比べ0.1ポイント増加いたしました。

 ②営業外損益及び経常利益

 当連結会計年度は、持分法適用会社であるNovus International,Inc.の業績が堅調に推移したものの、為替相場の円高進行もあり、持分法による投資利益が52億9百万円と、前年同期に比べ3億6千万円減少いたしました。
 これにより営業外損益は46億5千8百万円の益(純額)となりました。

 この結果、経常利益は93億6千5百万円となり、前年同期に比べ2億6百万円減少いたしました。

 ③特別損益及び当期純利益

 特別損益は、特別損失の減少等により、5千7百万円の損(純額)となりました。
 また、法人税等(法人税等調整額含む)は前年同期に比べ7億1百万円増加し、20億4千3百万円となりました。
 この結果、当期純利益は70億4千4百万円となり、前年同期に比べ14億9千6百万円増加いたしました。 

(3) 財政状態の分析

 ①資産、負債及び純資産の状況

 当連結会計年度末の資産は、たな卸資産が21億9千5百万円増加したことに加え、主としてAlkaline SAS等の新規連結に伴い有形固定資産が17億7百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ120億7百万円増加し、1,792億3千万円となりました。

 負債につきましては、支払手形及び買掛金が9億3百万円増加したことに加え、主としてAlkaline SAS等の新規連結に伴い借入金が9億3千9百万円増加したこと等により、前連結会計年度末に比べ60億5千9百万円増加し、875億5千8百万円となりました。

 純資産につきましては、利益剰余金が61億3千2百万円増加したこと等により、純資産合計では前連結会計年度末に比べ59億4千8百万円増加し、916億7千1百万円となりました。

 この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は48.1%と、前連結会計年度末の48.4%から0.3ポイント減少いたしました。 

 ②キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「1.業績等の概要 (2) キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。 

(4) 次期(平成24年度)の見通し 

 当社グループは、「中期経営計画」における重点施策である「成長ドライバーの育成」「国際競争力強化」「経営基盤の整備」「グループ結集・強化」に向け、諸施策を着実に実行に移してまいります。 

 次期の業績予想につきましては、売上高1,350億円、経常利益78億円、当期純利益57億円と予想しております。また、為替レートは1$=80円を想定しております。 

(注)上記「次期の見通し」は、有価証券報告書提出日(平成24年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。





出典: 日本曹達株式会社、2012-03-31 期 有価証券報告書