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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用情勢の改善や個人消費の持ち直し等により緩やかな景気回復基調で推移したものの、中国をはじめとする新興国や資源国の景気減速の影響が懸念される等、先行き不透明な状況が続きました。

 化学業界におきましては、国内や米国での景気回復により需要はおおむね堅調に推移いたしましたが、年明け以降には海外経済の減速懸念から円高・株安が進行する等、不安定な経営環境が続きました。

 このような状況のもと当社グループにおきましては、製品の拡販等の積極的な営業活動を推進してまいりました。しかしながら、農薬の輸出向け販売の減少等により、当連結会計年度の売上高は1,427億1千1百万円(前年度比3.6%減)、営業利益は74億1千5百万円(前年度比1.8%増)となりました。

 経常利益は、米国の飼料添加物製造会社の業績が好調に推移したことにより持分法投資利益が増加し、189億5千2百万円(前年度比27.0%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は143億1千3百万円(前年度比30.8%増)となりました。

 なお、当社と三和倉庫株式会社は、平成27年5月12日締結の株式交換契約に基づき、平成27年8月1日付で株式交換を行い、三和倉庫株式会社は当社の完全子会社となりました。

 セグメントの業績は次の通りであります。

 

[化学品事業]

 化学品事業におきましては、中国経済の減速等の影響に伴う国内外の需要の停滞により、工業薬品及び化成品の販売が低調に推移いたしました。その一方で、当社が成長ドライバーと位置付けているセルロース誘導体事業や機能性ポリマー事業等につきましては、拡販や用途開発が着実に進捗したことにより、販売は堅調に推移いたしました。

 この結果、[化学品事業]の売上高は406億2千8百万円(前年度比1.8%減)、営業利益は21億4千1百万円(前年度比306.5%増)となりました。

 工業薬品は、青化ソーダ等が堅調に推移したものの、カセイソーダ等の減少により、減収となりました。

 化成品は、PCB無害化処理薬剤や感熱紙用顕色剤等の減少により、減収となりました。

 機能材料は、一部のIT産業向け材料が減少したものの、樹脂添加剤「NISSO−PB」等が堅調に推移し、増収となりました。

 エコケア製品は、水処理剤「日曹ハイクロン」の輸出向け及び重金属固定剤「ハイジオン」等が堅調に推移し、増収となりました。

 医薬品・医薬中間体は、医薬品添加剤「HPC」等の伸長により、増収となりました。

 工業用殺菌剤は、住宅関連用途での防カビ剤及び防腐剤が堅調に推移し、増収となりました。

 

  [農業化学品事業]

 農業化学品事業におきましては、人口増加や新興国の経済発展による農産物需要の増大に伴い、中期的には農薬需要の増加が見込まれるものの、足元では穀物価格の下落等の影響により、殺虫剤・殺ダニ剤及び除草剤の輸出向け販売が低調に推移いたしました(海外販売比率57.6%)。国内向け販売につきましても、天候不順や病害虫発生の減少等の影響により、販売は低調に推移いたしました。また、2017年以降に順次販売開始を予定している新規農薬の開発の進展に伴い、研究開発費が増加いたしました。

 この結果、[農業化学品事業]の売上高は438億7千8百万円(前年度比6.7%減)、営業利益は23億8千万円(前年度比45.2%減)となりました。

 殺菌剤は、「トップジンM」・「ベルクート」・「パンチョ」の輸出向けが堅調に推移し、増収となりました。

 殺虫剤・殺ダニ剤は、「モスピラン」の輸出向けが減少し、減収となりました。

 除草剤は、「アルファード」が堅調に推移したものの、「ホーネスト」の輸出向けの減少により、減収となりました。

 

[商社事業]

 各種無機薬品やウレタン原料等の減少により、[商社事業]の売上高は338億8千7百万円(前年度比4.4%減)、営業利益は2億6千9百万円(前年度並み)となりました。

 

[運輸倉庫事業]

 倉庫業及び運送業が堅調に推移したことにより、[運輸倉庫事業]の売上高は38億9千7百万円(前年度比2.1%増)、営業利益は4億4千9百万円(前年度並み)となりました。

[建設事業]

 プラント建設工事が堅調に推移したことにより、[建設事業]の売上高は133億3千5百万円(前年度並み)、営業利益は13億9千2百万円(前年度比2.8%増)となりました。

 

[その他]

 [その他]の売上高は70億8千3百万円(前年度比1.1%増)、営業利益は8億3千5百万円(前年度比92.2%増)となりました。

 

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3億5千8百万円減少し、当連結会計年度末には144億9千4百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は106億3千9百万円(前年同期比11.0%増)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益189億9千2百万円(非キャッシュ項目である持分法による投資利益117億2千8百万円を含む)に加え、減価償却費62億4千2百万円、利息及び配当金の受取額33億6千4百万円、法人税等の支払額24億4千4百万円等があったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は94億2千4百万円(前年同期比104.9%増)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出69億8千1百万円や、関係会社株式の取得による支出28億9千5百万円等によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は13億2千3百万円(前年同期比52.3%減)となりました。これは主として、配当金の支払額22億9千万円や、借入金の増加10億7千9百万円等によるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業(百万円)

41,830

92.7

農業化学品事業(百万円)

27,857

91.9

報告セグメント計(百万円)

69,688

92.4

その他(百万円)

8,974

101.3

合計(百万円)

78,662

93.3

 (注)1.金額は平均売上実績単価により算出しており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

(2)製品・商品仕入実績

当連結会計年度における製品・商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業(百万円)

5,637

97.7

農業化学品事業(百万円)

6,168

104.1

商社事業(百万円)

19,442

91.1

報告セグメント計(百万円)

31,248

94.6

その他(百万円)

1,170

82.6

合計(百万円)

32,418

94.1

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注状況

当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

建設事業

9,662

73.0

5,017

56.8

 (注)1.セグメント間の内部振替後の数値によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4)販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成28年3月31日)

前年同期比(%)

化学品事業(百万円)

40,628

98.2

農業化学品事業(百万円)

43,878

93.3

商社事業(百万円)

33,887

95.6

運輸倉庫事業(百万円)

3,897

102.1

建設事業(百万円)

13,335

99.5

報告セグメント計(百万円)

135,628

96.2

その他(百万円)

7,083

101.1

合計(百万円)

142,711

96.4

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

(1) 当社グループの現状の認識について

 今後の見通しにつきましては、政府の追加経済対策等による景気の回復が期待されるものの、中国をはじめとする新興国や資源国の景気減速の影響が懸念される等、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

 かかる経営環境の中、当社グループでは2020年の創業100周年を見据えた長期経営ビジョン「Chemigress to 100」の達成にむけて、中期経営計画(2014年3月期から2017年3月期まで)の3つの重点施策である「成長ドライバーの拡充」「事業基盤の強化及び再構築」「グループ総合力の向上」に取り組んでまいりました。

 農業化学品の分野では、新規農薬の開発が順調に進展しており、殺菌剤「NF−171」は2017年の発売を目指しております。また、これに続く殺ダニ剤「NA−89」及び殺菌剤「NF−180」につきましても、順次発売を目指して本格開発を進めております。化学品分野では、成長ドライバーと位置付けている医薬品添加剤「HPC」及び樹脂添加剤「NISSO−PB」につきまして、拡販や用途開発の進展による販売の増加を見込んでおります。

 しかしながら、育成事業と位置付けている化学品分野における新製品の開発や周辺分野への拡大、当社保有技術の活用による新分野への進出、並びにM&Aや外部との事業提携を通じた業容の拡大が遅れていること等により、中期経営計画における2017年3月期の数値目標の達成は困難な状況となっております。また、世界経済の低迷や為替変動による収益状況の変動等、当社グループを取り巻く経営環境は大きく変化しております。

 これらの状況を鑑み、当社グループでは長期経営ビジョンにおける業績目標の見直しと、その達成にむけた次期中期経営計画の策定に着手することといたしました。新たな経営計画につきましては、策定次第開示いたします。

 

 なお、当社持分法適用会社のNovus International, Inc.につきましては、本年5月に増資が実施され、当社の所有持分比率が35%から20%に変動いたしました。この株主異動に伴い同社は特別配当を実施し、当社は配当金305億9千3百万円を受領いたしました。当社はこの配当金を以下の通りに活用し、事業のさらなる発展と企業価値の向上に取り組んでまいります。

1)将来の成長に向けての投資

  新製品の開発促進と早期上市、並びにMAや事業提携等の成長投資を最優先とし、あわせて安定的・持続的な成長に資する維持更新投資を行います。

2)株主還元

  成長投資の財源を確保しつつ、総還元性向30%を目標として安定的・持続的な配当を実施いたします。

  総還元性向=(配当総額自己株式取得総額)÷連結当期純利益

3)財務基盤の強化

  有利子負債の返済を行い、財務体質の強化をはかります。

 

(2) 会社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針

 ①基本方針の内容

 当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社の経営理念や当社企業価値の様々な源泉、当社を支えるステークホルダーとの信頼関係を十分に理解し、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させる者でなければならないと考えております。

 一方、金融商品取引所に上場する株式会社としての当社株主の在り方は、当社株式の市場における自由な取引を通じて決まるものであり、当社の支配権の移転を伴う買付提案がなされた場合にこれに応じるべきか否かの判断も、最終的には株主の皆様の全体の意思に基づき行われるべきものと考えております。

 しかしながら、株式の大規模買付行為や買付提案の中には、その目的等から見て企業価値ひいては株主共同の利益に対して明白な侵害をもたらすおそれのあるもの、株主に株式の売却を事実上強要するおそれのあるもの、対象会社の株主や取締役会が買付行為や買付提案の内容等について検討し、あるいは対象会社の取締役会が代替案を提示するために合理的に必要十分な時間や情報を提供することのないもの、買付条件等が対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に照らして著しく不十分または不適当であるもの、対象会社の企業価値の維持・増大に必要不可欠なステークホルダーとの関係を破壊する意図のあるもの等、対象会社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さないものも少なくありません。

 当社は、上記の例を含め当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するおそれのある大規模な買付等を行う者は、例外的に当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として不適切と考えております。

 

 ②財産の有効な活用、適切な企業集団の形成その他の基本方針の実現に資する特別な取組み

 当社は、法律を遵守し健全で透明な企業経営を行うことを基本に、「化学」を通じ優れた製品を提供することにより社会の発展に貢献するとともに、株主、取引先、社員及び地域社会等のステークホルダーからの期待と信頼に応え、また、環境に配慮した事業活動を行うことを経営理念としております。この理念のもと、当社は独自の特色ある技術の活用により高付加価値製品の開発を進め、グローバルな視野で化学を中心に事業を展開する技術指向型の企業グループを目指しております。

 この経営の方針を踏まえ、厳しい事業環境のもとでも安定的な利益を確保できる事業構造・体制を目指し、農業化学品、機能化学品等の分野において新規製品の開発を推進し企業化を図るとともに、生産効率のさらなる追求や利益管理の徹底により既存事業の競争力強化を進める一方、スリムで効率的な組織への改革や人的パワーの活性化を促進する等、経営基盤の強化を図っているほか、生産・財務・購買を中心にグループ各社と連携を深め、グループ全体として経営資源の効率化や利益の最大化に取組んでおります。さらに、環境保全への取組み、経営情報のディスクロージャー、法令倫理面の社内体制強化等も推し進め、社会からの信頼性向上を図ってまいります。

 当社は、これらの取組みとともに株主の皆様をはじめ顧客、取引先、社員及び関係会社等のステークホルダーとの信頼関係をより強固なものにし、企業価値の中長期安定的な向上を目指して努力しております。

 

 ③基本方針に照らして不適切な者によって財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み

 中長期的な企業価値の向上を目指す当社の経営にあたっては、幅広いノウハウと豊富な経験、並びに顧客、取引先、社員及び関係会社等のステークホルダーとの間に築かれた関係等への十分な理解が不可欠であります。特に、農業化学品や機能化学品において高付加価値製品の開発を推進するためには、中長期的観点から経営資源を継続的、重点的に投入する必要があり、また、この開発を支える「当社独自の特色ある技術」を今後とも確保し継承するには、国内外の取引先をはじめ社員及び関係会社等と安定的かつ強固な信頼関係を維持することが不可欠であります。これらの当社の事業特性に関する十分な理解がなくては、株主の皆様が将来実現することのできる株主価値を適正に判断することはできません。

 突然大規模買付行為や買付提案がなされたときに、大規模買付者の提示する当社株式の取得対価が妥当かどうかを株主の皆様が短期間のうちに適切に判断するためには、大規模買付者及び当社取締役会の双方から適切かつ十分な情報が提供される必要があります。株主の皆様は、当社取締役会の意見を参考にしつつ、大規模買付者の提案を検討することが可能となり、最終的な応否を適切に決定する機会を与えられることとなります。

 これらを考慮し、当社取締役会は、当社株式に対して大規模買付等が行われた場合に、株主の皆様が適切な判断をするために、必要な情報や時間を確保し、買付者等との交渉等が一定の合理的なルールに従って行われることが企業価値ひいては株主共同の利益に合致すると考え、大規模買付時における情報提供等に関する一定のルールを設定し、会社の支配に関する基本方針に照らして不適切な者によって大規模買付等がなされた場合の対応方針を含めた、「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」を導入しております。

 

[当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の概要]

 本対応策では、特定株主グループの議決権割合を20%以上とすることを目的とする当社株券等の大規模買付行為を対象といたします。

 大規模買付行為に賛同するか否かは、最終的には株主の皆様の自由な意思に依拠するべきものであると考えますが、その判断の前提として、当該買付行為に関する必要かつ十分な情報提供と判断のための十分な考慮期間の確保が必要と考えており、そのため、大規模買付行為に関するルール(以下「大規模買付ルール」といいます)を設定しております。

 大規模買付ルールにおきましては、①株主の皆様のご判断及び当社取締役会としての意見形成のために必要かつ十分な情報(以下「本必要情報」といいます)を提供すること及び②本必要情報の提供完了後、最長60日間(対価を現金のみとする公開買付による当社全株式の買付の場合)または最長90日間(その他の大規模買付行為の場合)を当社取締役会による評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案のための期間(以下「取締役会評価期間」といいます)として設定しております

 大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しなかった場合、または当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうと当社取締役会が判断する場合には、新株予約権の無償割当等の対抗措置を講じることがあります。

 当社取締役会は、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合において、対抗措置を発動すべきと判断した場合には、株主の皆様に対抗措置を発動することの可否を十分にご検討いただくための期間(以下「株主検討期間」といいます)として最長60日間の期間を設定したうえで、当該株主検討期間中に当社株主総会を開催し、必ず株主の皆様のご意思を確認することといたします。当社取締役会は、対抗措置を発動することの可否について、当該株主総会の決議に従うものといたします。

 大規模買付行為は、取締役会評価期間と株主検討期間の経過後にのみ開始できるものといたします。

 この「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)」の詳細につきましては、平成27年5月19日付当社プレスリリース「当社株式の大規模買付行為への対応策(買収防衛策)の継続について」をご参照ください。(当社ウェブサイト http://www.nippon-soda.co.jp/)

 

 ④上記取組みの合理性等の確保について

 本対応策は、基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みであり、当社役員の地位維持を目的としたものではなく、且つ当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうものでもないと考えております。

 また、本対応策は、当社株式に対する大規模買付行為がなされた際に、当該大規模買付行為に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保し、または株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させるという目的をもっております。

 さらに、大規模買付者が大規模買付ルールを遵守した場合において、当該大規模買付行為が、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を著しく損なうおそれがあることを理由として対抗措置を発動する場合には、必ず株主総会において対抗措置発動の可否について決議をとることとしており、株主の皆様のご意思を反映し当社取締役会の恣意的な判断による対抗措置の発動を防止する仕組みが確保できております。

 なお、本対応策における対抗措置を発動するか否かの判断に際しては、本対抗措置を適正に運用し、当社取締役会によって恣意的な判断がなされることを防止し、その判断の客観性及び合理性を担保するために、当社の業務執行を行う経営陣から独立している委員で構成される特別委員会へ諮問し、同委員会の勧告を最大限尊重するものとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資するよう、本対応策の透明な運用を担保するための手続きも確保されております。

 

 

4【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績及び財政状態に重要な影響を及ぼす主要なリスクには以下のようなものがあります。

 なお、これらは当連結会計年度末において当社グループが判断したものであり、当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではありません。

 

1.市場に関するリスク

(1)当社グループの事業のなかには、市況変動の影響を受け、急激な価格変動を起こす製品があるため、市況が大きく下落した場合、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

(2)当社グループの農業化学品事業は、売上に季節性があり、かつ天候に左右されやすい傾向があるため、天候の変動等により出荷量が減少することで、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

2.為替レートの変動リスク

 当社グループは、輸出取引に係る為替リスクについて一部為替予約等によりリスク低減を図っておりますが、急激な円高が当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

 また、海外の連結子会社や持分法適用会社は連結財務諸表上の円換算額が為替相場に左右されるため、急激な円高が当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

3.金利変動リスク

 当社グループでは、借入金に係る金利変動リスクについて一部金利スワップ等によりリスク低減を図っておりますが、将来金利が上昇した場合には支払利息が増加し、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

4.研究開発

 当社グループでは、新製品の開発に多くの経営資源を投入しておりますが、特に農業化学品事業における研究開発では、その有効性や安全性の確認のため開発期間が長期にわたるため、研究テーマが実用化されなかった場合には、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

5.原材料調達リスク

 当社グループでは、原材料の安定的な調達に努めておりますが、必要な主要原材料が確保出来ない場合や、原材料価格が急激に上昇する場合は、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

6.退職給付債務に関するリスク

 当社グループの従業員退職給付費用及び債務は、年金資産の運用収益率や割引率などの数理計算上の前提に基づいて算出されているため、年金資産の運用環境の悪化や割引率の変更等により当社の業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。

7.製品の品質保証

 当社グループは、化学品製造業として、品質等についてレスポンシブル・ケア活動(自主的なリスク低減活動)に取り組み、特に「ISO9001」による管理改善に努めております。また、新製品上市・品質改善時には、「ISO9001」に準じて事前に製造物責任(PL)のリスク評価を確実に実施することでPL問題の未然防止を図っております。しかし、すべての製品について欠陥がなくPL問題が発生しないという保証はないため、製造物責任賠償についてはPL保険に加入し、万一の事故に備えておりますが、予期せぬ重大な事故が起きたり、品質面での重大な欠陥が発生した場合には、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。

8.事故・災害

 当社グループは、化学品製造業として製造に係るリスクを強く認識し、品質、環境保全、労働安全衛生、保安防災、物流安全、化学品・製品安全等についてレスポンシブル・ケア活動(自主的なリスク低減活動)に取り組み、生産設備や化学製品の保管貯蔵施設での事故の未然防止に努めております。しかしながら、不測の事故あるいは大規模な自然災害等の発生により、製造設備で人的・物的被害が生じた場合、あるいは工場周辺地域に被害が生じた場合、当社グループの社会的信用が低下し、事故災害への対策費用や生産活動停止による機会損失により、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。

9.法的規制

 当社グループは、事業を営む国内外の法令に従って事業活動を行っておりますが、環境問題に関する世界的な意識の高まりなどから、化学製品に対する規制はますます強化される傾向にあります。従って将来環境に関する規制が予想を超えて厳しくなり、新たに多額の投資が必要となった場合、当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。

10.知的財産の侵害リスク

 当社グループは、保有する知的財産権を厳正に管理しておりますが、特定の国においては完全に保護されず、第三者による侵害を完全には防止できない可能性があり、その場合当社の業績に重要な影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 当社と当社の連結子会社である三和倉庫株式会社は、平成27年5月12日に開催された両社の取締役会において、当社が三和倉庫を完全子会社化するための株式交換を行うことを決議しました。なお、同日付で株式交換契約を締結し、平成27年8月1日に株式交換を行っております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、「特徴ある独自技術に基づく高付加価値製品の開発」を基本方針に、化学品事業として機能性材料と精密有機合成技術を活用した各種有機化学品、および農業化学品事業として新規農薬開発を目指した研究開発に取り組んでおります。また、予想される事業環境の変化に備え現有製品の更なる強化・拡大を図り、既存事業周辺、重点指向分野での新製品の開発を強力に推進すると共に、関連会社との技術連携を通したグループ会社全体の技術力強化、新しい技術分野への参入や保有技術との融和による新規事業の創生を目指しております。

 当連結会計年度における各セグメント別の研究開発の状況は次のとおりであります。

 なお、研究開発費の総額は66億7千万円(連結売上高比4.7%)であり、グループ全体で382名(総従業員比14.3%)体制であります。

 

[化学品事業]

 機能性材料分野では、精密重合技術による新規ポリマー材料、薄膜潤滑材料・塗装下地材料及びエポキシ樹脂硬化用包接触媒、光触媒塗工薬剤等の分野で技術的特徴を活かした開発を推進しております。また、当社の特徴ある既存製品であるセルロース誘導体、ポリブダジエン製品、顕色剤、エコケア及びバイオサイド製品、ポリシラン製品等についても競争力強化を行いながら、新規分野への積極進出を図っております。

 精密有機合成分野では、ホスゲン、青酸等の当社特有の原料を利用した重要中間体の開発及び新規製造技術開発による新製品の創出を目指しております。

 なお、[化学品事業]における研究開発費は15億1千6百万円であります。

 

[農業化学品事業]

 「食の安心•安全」にますます関心がもたれるなか、低薬量で活性を示し低残留性の園芸•畑作農薬を中心とした研究に取組んでおります。

 国内では平成26年に潅注処理用殺虫剤「ベリマーク」、卵菌類用殺菌剤「エトフィン」、平成28年に育苗期土壌処理殺虫剤「アベイル」、うどんこ病と灰色かび病に優れた効果を発揮する殺菌剤「ラミック」の販売を開始し、新たな市場を開拓してまいります。

 また、新規自社剤の開発につきましては、べと病、ピシウム病に卓効を示す殺菌剤「NF-171」の国内登録申請を平成26年9月に完了し、平成29年には認可される見込みです。新規の作用性を持つ殺ダニ剤「NA-89」についても順調に開発が進んでおり、平成28年の国内登録申請を目指しております。平成26年から広範囲の病害に有効な殺菌剤「NF-180」の本格開発に着手し、順調に推移しております。さらに、これに続くパイプライン中の有望化合物についてもフェーズアップに向け鋭意努力中です。

 化学農薬以外では、生物農薬として、平成22年販売の「アグロケア」に続き、平成26年には細菌病害に有効な「マスタピース」の販売を開始し、今後とも微生物の多様な能力を活かした生物農薬製品群の充実に力を入れていきます。

 なお、[農業化学品事業]における研究開発費は51億3千6百万円であります。

 

[その他]

 環境開発事業では、各種難処理産業廃棄物の資源リサイクルプロセスの改善研究に取り組んでおります。

 なお、[その他]における研究開発費は1千8百万円であります。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりであります。
 当社グループは、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

①固定資産の減損処理

 当社グループは、事業資産については主として工場別営業部門別に資産のグルーピングを行っております。減損の測定にまで至った場合に見積もる事となる回収可能価額は、将来キャッシュ・フローを現在価値に割り引いて算定される使用価値により測定しております。
 また、当社グループが保有する土地については、回収可能価額は正味売却価額により測定し、時価は賃貸資産については不動産鑑定評価により、遊休土地については固定資産税評価額により算定しております。

②退職給付費用及び債務

 当社グループ従業員の退職給付費用及び債務は、簡便法を採用している一部の連結子会社を除き、割引率・将来の昇給率・退職率・死亡率及び年金資産の収益率等の前提条件を決定の上、数理計算結果に基づき算定しております。退職給付債務等の前提条件のうち、割引率については長期国債の期末における利回りに基づき決定しております。
 なお、実際の結果が前提条件と異なる場合や、将来前提条件が変更された場合には、その影響額は数理計算上の差異として累積され、従業員の平均残存勤務期間以内の一定の年数による定額法により費用処理する事としております。

③繰延税金資産の回収可能性

 当社グループは繰延税金資産の計上について、将来の課税所得計画を慎重に見積り、回収可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当金を計上しております。
 繰延税金資産の全部または一部を将来回収できないと判断した場合は、当該判断を行った連結会計年度において繰延税金資産を取崩し費用として計上いたします。同様に、現時点で評価性引当金として繰延税金資産を計上していない部分について回収可能と判断した場合は繰延税金資産を計上し、当該判断を行った連結会計年度において利益を増加させる事となります。

(2) 経営成績の分析

 当社グループは、製品の拡販等の積極的な営業活動を推進してまいりました。しかしながら、農薬の輸出向け販売の減少等により、当連結会計年度の売上高は1,427億1千1百万円(前年度比3.6%減)、営業利益は74億1千5百万円(前年度比1.8%増)となりました。経常利益は、米国の飼料添加物製造会社の業績が好調に推移したことにより持分法投資利益が増加し、189億5千2百万円(前年度比27.0%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は143億1千3百万円(前年度比30.8%増)となりました。

 ①売上高及び営業利益

売上高

 当連結会計年度の売上高は1,427億1千1百万円となり、前年同期に比べ53億5千万円減少いたしました。
 以下のセグメントの業績は、セグメント間の内部取引消去後の金額であります。

[化学品事業]

 中国経済の減速等の影響に伴う国内外の需要の停滞により、カセイソーダ等の工業薬品及びPCB無害化処理薬剤等の化成品の販売が低調に推移し、減収となりました。その一方で、医薬品添加剤「HPC」等の医薬品・医薬中間体及び当社が成長ドライバーと位置付けているセルロース誘導体事業や機能性ポリマー事業等の販売は堅調に推移し、増収となりました。

 この結果、当連結会計年度の[化学品事業]の売上高は406億2千8百万円となり、前年同期に比べ7億2千7百万円減少いたしました。

 また、営業利益は21億4千1百万円と前年同期に比べ16億1千4百万円増加いたしました。

[農業化学品事業]

 人口増加や新興国の経済発展による農産物需要の増大に伴い、中期的には農薬需要の増加が見込まれるものの、足元では穀物価格の下落等の影響により、殺虫剤・殺ダニ剤「モスピラン」及び除草剤「ホーネスト」の輸出向け販売が低調に推移し減収となりました。国内向け販売につきましても、天候不順や病害虫発生の減少等の影響により、販売は低調に推移いたしました。

 この結果、当連結会計年度の[農業化学品事業]の売上高は438億7千8百万円となり、前年同期に比べ31億5千1百万円減少いたしました。

 また、営業利益は23億8千万円と前年同期に比べ19億5千9百万円減少いたしました。

[商社事業]

 各種無機薬品やウレタン原料等の減少により、当連結会計年度の[商社事業]の売上高は338億8千7百万円となり、前年同期に比べて15億6千3百万円減少いたしました。

 また、営業利益は2億6千9百万円と前年同期に比べ1百万円増加いたしました。

[運輸倉庫事業]

 倉庫業及び運送業が堅調に推移したことにより、当連結会計年度の[運輸倉庫事業]の売上高は38億9千7百万円となり、前年同期に比べて8千1百万円増加いたしました。

 また、営業利益は4億4千9百万円と前年同期に比べ1百万円増加いたしました。

[建設事業]

 プラント建設工事が堅調に推移いたしましたが、当連結会計年度の[建設事業]の売上高は133億3千5百万円となり、前年同期に比べて6千3百万円減少いたしました。

 また、営業利益は13億9千2百万円と前年同期に比べ3千8百万円増加いたしました。

[その他]

 当連結会計年度の[その他]の売上高は70億8千3百万円と前年同期に比べて7千3百万円増加いたしました。

 また、営業利益は8億3千5百万円と前年同期に比べ4億円増加いたしました。

原価、費用及び営業利益

 当連結会計年度の営業利益は、製品の拡販等の積極的な営業活動を推進したこと等により74億1千5百万円と、前年同期に比べ1億3千万円増加いたしました。

 なお、営業利益率は5.2%となり、前年同期に比べ0.3ポイント増加いたしました。

 ②営業外損益及び経常利益

 当連結会計年度は、米国の飼料添加物製造会社の業績が好調に推移したこと等により、持分法による投資利益が117億2千8百万円と、前年同期に比べ53億8千9百万円増加いたしました。
 これにより営業外損益は115億3千6百万円の益(純額)となりました。

 この結果、経常利益は189億5千2百万円となり、前年同期に比べ40億2千8百万円増加いたしました。

 ③特別損益及び親会社株主に帰属する当期純利益

 特別損益は4千万円の益(純額)となりました。また、法人税等(法人税等調整額含む)は前年同期に比べ26億3千2百万円増加し、45億1千4百万円となりました。
 この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は143億1千3百万円となり、前年同期に比べ33億6千7百万円増加いたしました。

(3) 財政状態の分析

 ①資産、負債及び純資産の状況

 当連結会計年度末の総資産は、受取手形及び売掛金が12億5千8百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ6億9千7百万円減少し、2,205億8千7百万円となりました。

 負債につきましては、支払手形及び買掛金が66億8千5百万円減少したこと等により、前連結会計年度末に比べ50億6百万円減少し、890億9千7百万円となりました。

 純資産につきましては、利益剰余金が120億1千5百万円増加したことに加え、為替換算調整勘定が41億3千8百万円減少及び非支配株主持分が38億5千1百万円減少したこと等により、純資産合計では前連結会計年度末に比べ43億8百万円増加し、1,314億8千9百万円となりました。なお、連結子会社である三和倉庫株式会社を株式交換により完全子会社化したことで、非支配株主持分が減少するとともに、資本剰余金が増加し自己株式の保有が減少いたしました。

 この結果、当連結会計年度末の自己資本比率は58.5%となり、前連結会計年度末の54.6%から3.9ポイント増加いたしました。

 ②キャッシュ・フローの状況

 キャッシュ・フローの状況につきましては、「1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。

(4) 次期(平成28年度)の見通し

 今後の見通しにつきましては、政府の追加経済対策等による景気の回復が期待されるものの、中国をはじめとする新興国や資源国の景気減速の影響が懸念される等、先行き不透明な状況が続くものと予想されます。

 次期の業績予想につきましては、売上高1,400億円、経常利益108億円、親会社株主に帰属する当期純利益93億円を予想しております。また、為替レートは1$=110円を想定しております。

(注)上記「次期の見通し」は、有価証券報告書提出日(平成28年6月29日)現在において当社グループが判断したものであります。





出典: 日本曹達株式会社、2016-03-31 期 有価証券報告書