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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当社グループは、経営ビジョンとして、次の「経営理念」と「目指すべき企業像」を掲げております。

 

[経営理念]

 企業活動を通して、社会の持続的発展、国民生活の福祉増進に貢献するとともに、お客様、従業員、株主及び地域社会から真に信頼される存在であり続ける。

[目指すべき企業像]

 独自のフェノール誘導品合成技術をもとに、他社が真似できない製品を創出し、最高のサービスにより提供するグローバル・ファインケミカル・スペシャリスト

 

 当社グループは、この経営ビジョンのもと、現在、トリメチルフェノール(ビタミンE原料)を主力とした“クレゾール誘導品”、“フォトレジスト材料”、“ビフェノール”、“特殊ビスフェノール”及び“ビスフェノールF”の5事業をコア事業(注)と位置付け、これらの製品を中心に主として情報・通信、自動車、医薬などのニッチ分野向けに、国内外において積極的な事業活動を展開しております。

 当社グループは、より高度化・多様化する市場ニーズに的確に応えるため、当社が創業以来培ってまいりました独自の技術を活かし、高い品質を有する特徴あるファインケミカル製品を今後とも開発・提供し続けてまいります。 

(注)「コア事業」とは、次の3条件を満たす事業と位置づけております。
①成長する市場がある。
②独自技術が活用できる。
③世界又は日本において高いマーケットシェアを有している。 

 

 当連結会計年度における経済環境は、平成23年3月に発生した東日本大震災の影響により大きく落ち込んでいた経済活動がその後徐々に持ち直し、停滞していた景気は緩やかながらも回復の兆しがみられました。しかしながら、欧州の財政危機問題や中国等の新興国における経済成長の鈍化を背景に世界経済が減速する中で、急激な円高の進行や原油価格の高騰などの不安要因を抱えることとなり、依然として先行き不透明な厳しい状況が続きました。

 当社グループを取り巻く事業環境は、当社主力製品と関連のあるIT関連機器やデジタル家電分野におけるパソコンや薄型テレビ等の生産・在庫調整により、昨年の秋口以降当社のほとんどの製品について需要が大きく減少するとともに、市場のグローバル化の進展による競合他社との競争激化や原材料価格の上昇に見舞われるなど、引き続き厳しいものとなりました。

 このような状況のもとで、当社グループは、既存コア製品の販路拡大や開発製品のマーケティング活動を推進するとともに、和歌山工場の生産効率化を始めとしたコストダウン強化策を全部門において展開するなど、経営全般にわたり収益力の改善と競争力向上のための諸施策を鋭意実行してまいりました。 

 その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高につきましては、16,339百万円(前年同期比2.8%減)となり、前連結会計年度に比べ僅かな減少にとどめることができました。しかしながら、利益面につきましては、収益性のある主力製品の販売落ち込みや原料価格の上昇によるコストアップ等の収益圧迫要因により、営業利益1,533百万円(同19.3%減)、経常利益1,498百万円(同24.4%減)、当期純利益766百万円(同21.5%減)となり、前連結会計年度を大きく下回りました。

 

セグメント別の業績は、次のとおりであり、外部顧客に対する売上高を示しております。

<化学品>

・トリメチルフェノール

 クレゾール誘導品の主力製品であるトリメチルフェノールは、主に家畜用飼料の添加剤に使用されるビタミンEの原料として、主に中国及び欧州向けに輸出しております。

 当連結会計年度におけるトリメチルフェノールの販売状況は、前連結会計年度に比べ、販売数量及び売上高のいずれも大幅に減少しました。その主な要因は、前連結会計年度においては欧州供給サイドのトラブル発生に伴う当社からの緊急出荷という特殊事情があり例年に比べ販売数量が増加したこと、また、昨年の秋口以降ユーザーサイドでの生産・在庫調整により需要が減退する中で競合他社との競争が激化したことも加わり、当連結会計年度の販売数量が大幅に減少したことによるものであります。

・その他のクレゾール誘導品

 酸化防止剤の原料である3M6Bは、上記のトリメチルフェノールと同じ特殊事情により売上高が前連結会計年度に比べ減少しましたが、メタクレゾールの農薬原料等向けへの販売を積極的に展開し拡販することができたことや、酸化防止剤の精製BHTの販売が堅調な需要を背景に概ね順調に推移したことなどにより、その他のクレゾール誘導品全体の売上高は、前連結会計年度に比べ増加しました。

 

・ビフェノール

 ビフェノールは、パソコン・携帯電話等のIT関連機器やデジタル家電の電子部品に用いられる耐熱性・精密成型性に優れた液晶ポリマー(LCP)の原料として使用されております。

 当連結会計年度前半において堅調な需要を背景に順調な販売を続けておりましたビフェノールは、昨年の秋口以降ユーザーサイドでの生産・在庫調整により需要が大幅に減退したため、売上高は、前連結会計年度に比べ減少しました。

・ビスフェノールF

 ビスフェノールFを使用したエポキシ樹脂は、加工性と金属接着性に特に優れており、ノンハロゲンタイプの難燃性積層板や粉体塗料等の土木・建設材料用途に使用されております。

 当連結会計年度においては、昨年の秋口以降ユーザーサイドでの生産・在庫調整により需要が鈍化したものの、当連結会計年度前半において電子部品向けを中心とした堅調な需要を背景に順調な販売を続けることができたため、売上高は、前連結会計年度に比べ増加しました。 

 その結果、化学品セグメントの売上高は、7,165百万円(前年同期比3.4%減)、総売上高に占める割合は43.9%となり、営業損失は79百万円(前年同期は営業利益436百万円)となりました。

 

<機能材料>

・フォトレジスト材料

 フォトレジスト材料は、半導体及び液晶ディスプレー(LCD)の製造過程で使用されております。

 当連結会計年度におけるフォトレジスト材料の販売状況は、前連結会計年度に比べ、販売数量及び売上高のいずれも大幅に減少しました。その主な要因は、LCD用がユーザーサイドでの生産・在庫調整により当連結会計年度全般を通じて販売不振であったことに加え、当連結会計年度の第1四半期(平成23年4〜6月)において概ね堅調な販売を続けていた半導体用も、その後ユーザーサイドでの生産・在庫調整により需要が減少し減販となったことによるものであります。

・特殊ビスフェノール

 特殊ビスフェノールは、耐熱性、光学特性に優れており、自動車用部品や光学・電子部品用途向け特殊ポリカーボネート樹脂やエポキシ封止剤・積層板用途向け特殊エポキシ樹脂の原料として使用されております。

 当連結会計年度においては、光学・電子部品用途向けを中心に需要が概ね堅調に推移したため、売上高は、ほぼ前連結会計年度並みとなりました。

 その結果、機能材料セグメントの売上高は、3,917百万円(前年同期比7.2%減)、総売上高に占める割合は24.0%となり、営業利益は1,056百万円(同13.9%減)となりました。

 

<工業材料>

・特殊ビスフェノール

 自動車用途向け特殊ポリカーボネート樹脂の原料に使用される特殊ビスフェノールは、主に海外生産拠点のハイビス社において製造販売されており、当連結会計年度においては、引き続き需要の拡大を背景に販売数量が大幅に増加したため、売上高は、前連結会計年度を大きく上回りました。

・受託品

 当連結会計年度においては、受託数量が減少したため、売上高は前連結会計年度に比べ減少しました。

 その結果、工業材料セグメントの売上高は、5,086百万円(前年同期比1.2%増)、総売上高に占める割合は31.1%となり、営業利益は893百万円(同2.0%減)となりました。 

 

<その他>

 販売用役等の当部門の売上高は168百万円(前年同期比13.1%増)、総売上高に占める割合は1.0%となり、営業利益は42百万円(同6.3%増)となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、1,250百万円(前年同期比63.1%減)の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益、減価償却費、棚卸資産の増加、仕入債務の減少等によるものであります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、550百万円(同10.1%増)の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得等によるものであります。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、183百万円(同91.0%減)の支出となりました。これは配当金の支払によるものであります。

 この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ495百万円増加し、4,066百万円になりました。 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

前年同期比(%)

化学品(百万円)

6,917

2.3

機能材料(百万円)

4,694

8.9

工業材料(百万円)

5,143

2.0

報告セグメント計(百万円)

16,755

4.0

その他(百万円)

168

13.1

合計(百万円)

16,924

4.0

(注)1.金額は、販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)商品仕入実績

 当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

前年同期比(%)

化学品(百万円)

395

4.7

機能材料(百万円)

27

88.8

合計(百万円)

423

7.8

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3)受注状況

 当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

(4)販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成23年4月1日

至 平成24年3月31日)

前年同期比(%)

化学品(百万円)

7,165

3.4

機能材料(百万円)

3,917

7.2

工業材料(百万円)

5,086

1.2

報告セグメント計(百万円)

16,170

3.0

その他(百万円)

168

13.1

合計(百万円)

16,339

2.8

(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.前連結会計年度及び当連結会計年度における主要な相手先別販売高及び割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

三井物産㈱

4,562

27.1

4,242

26.0

三井化学㈱

2,496

14.8

2,190

13.4

三井物産ケミカル㈱

2,117

12.6

2,177

13.3

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。 

 

3【対処すべき課題】

 今後の経済情勢につきましては、米国経済の緩やかな復調、東日本大震災の復興需要など景気回復に向けた兆しがみられる一方、原油価格の高騰、夏場以降の電力制限、新興国の経済成長の減速、欧州債務危機の再燃が懸念されており、先行きは予断を許さない不透明な状況が続くものと予想されます。

 当社グループは、このような変化の厳しい経営環境に機動的に対応しつつ持続的な成長と発展を成し遂げるため、より競争力・収益力のある事業基盤の構築を目的として、2012年度中期経営計画(2012年度〜2015年度の4か年計画)を新たに策定し、最終年度の2015年度における連結業績目標(売上高250億円、経常利益35億円、売上高経常利益率及び総資産経常利益率15%)の実現に向けた戦略課題と方策を設定いたしました。

 今後、当社グループは、この中期経営計画に定める経営目標の達成を目指し、主要重要課題である「主力製品の競争力強化と事業拡大」、「損益分岐点稼働率改善等による和歌山工場の基盤強化」、「新規製品の開発と新規事業の立ち上げ」等に総力を挙げて取り組んでまいる所存であります。

 また、当社は、平成24年1月、高耐熱性の特殊ポリカーボネート樹脂の原料に使用される特殊ビスフェノールの需要拡大に対応するため、Hi-Bis GmbH(ハイビス社)の製造設備の増強※について本格的な検討をスタートさせることを決定いたしました。当社は、今後、Hi-Bis GmbH(ハイビス社)及び同社の共同出資者である三井物産㈱、ドイツ三井物産㈲及びバイエル社と緊密に連携しながら、このプロジェクトの完遂に注力していく所存であります。 

※増強計画の概要

・増強生産能力 

 5,000トン/年(増強後は10,000トン/年)

・スケジュール

 

 着工:平成24年8月

 完工:平成26年3月 

 

4【事業等のリスク】

当社及び連結子会社の経営成績及び財務状況等に影響を及ぼす可能性のあるリスクには、以下のようなものがあります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末(平成24年3月31日)現在において当社が判断したものであります。

①景気変動

当社コア事業の内、フォトレジスト材料及びビフェノールについては、その需要の大半をIT業界に依存しており、IT業界の景気変動が当社業績に大きな影響を及ぼすこととなります。

②為替レートの変動

当社売上高の内、3割程が輸出であります。輸出の大半はドル建であり、残りはユーロ建と円建であります。又、連結子会社ハイビス社の財務諸表はユーロを円に換算して連結されています。
 ドル及びユーロの為替レートの変動が当社の業績及び財務状況などに影響を及ぼすこととなります。

③競合

当社はニッチ市場において特長ある製品の安定供給に努めていますが、急激な需要伸長の際には新たな競合が生じ、当社の業績及び財務状況などに影響を及ぼす可能性があります。

④原料調達

当社は、主要原料であるフェノール及びメタパラクレゾールを三井化学㈱から購入しています。特にメタパラクレゾールは、同社と他社1社の寡占製品であるため、その安定調達は三井化学㈱の操業状況に大きく依存しています。

 

5【経営上の重要な契約等】

 当社は、三井物産㈱、ドイツ三井物産㈲、バイエル㈱及びハイビス社とドイツにおける特殊ビスフェノールプロジェクトに関する合弁会社契約を締結しております。

 

6【研究開発活動】

当社は、独自技術を開発・駆使し、市場ニーズに的確に応える製品を創出するため、研究開発活動を継続的に行っております。特に「独自技術の強化」及び「顧客との緊密な連携による独自製品の創出」を基本とし、合成研究、プロセス開発、試作から製造・販売に至る迄一貫した研究開発を遂行しております。

当連結会計年度におけるセグメント別の研究開発内容は以下の通りであります。

(1)化学品

・新たなクレゾール誘導品の製法の研究

・ビフェノール、トリメチルフェノール、ビスフェノールF、などのプラントの合理化研究 他

 

(2)機能材料

・特殊ポリカーボネート樹脂及び特殊エポキシ樹脂用特殊ビスフェノール類の開発

・次世代フォトレジスト材料の開発

・感光性ポリイミド樹脂用材料の開発 他

 

尚、当連結会計年度の研究開発費は573百万円であり、対売上高比率は3.5%であります。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(平成24年6月25日)現在において、当社グループが判断したものであります。

(1)重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたりまして、決算日における資産・負債の貸借対照表計上金額並びに当会計期間における収益・費用の損益計算書計上金額に影響する判断、見積りを実施する必要があります。

当社グループの連結財務諸表作成において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

①  棚卸資産

 正味売却価額をもとに収益性の低下を検討するため、将来、市場価格が下落した場合には、棚卸資産の簿価を切り下げ、売上原価を増加させる可能性があります。

② 固定資産 

 当社グループは、有形固定資産の簿価について、それが回収できなくなる可能性を示す兆候がある場合には、将来の事業計画等を考慮して、減損損失の認識の判定を行い、必要に応じて回収可能価額まで減損処理を行うこととしております。

 将来の市況悪化等により事業計画が修正される場合、減損処理を行う可能性があります。 

③ 投資有価証券 

 当社グループは、その他有価証券のうち、取得価額に比べ時価又は実質価額が著しく下落したものについては、回復可能性があると判断される場合を除き、減損処理を行っております。時価のあるものについては、決算日現在の時価が取得価額の50%以上下落している場合には回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満下落している場合には当該有価証券の発行会社の財政状態及び経営成績を勘案し、回復可能性を判断しております。時価のないものについては、発行会社の純資産額をもとにした1株当たりの実質価値を見積り、50%以上下落した場合、回復可能性があると判断できる場合を除き、減損処理を行っております。

 将来、時価の下落又は投資先の財政状態及び経営成績の悪化により、減損損失が発生する可能性があります。

④ 繰延税金資産

 当連結会計年度末の繰延税金資産(純額)は、493百万円であります。超過償却・退職給付引当金等を原因とする繰延税金資産609百万円と、固定資産圧縮積立金等を原因とする繰延税金負債116百万円の差引額を計上しております。

 繰延税金資産の回収可能性は、主に将来の課税所得の見積もりによるところが大きく、課税所得の予測は将来の市場動向や当社グループの事業活動の状況及びその他の要因により変化いたします。この為、繰延税金資産の回収可能性の変化により、評価性引当額が変動し損益に影響を及ぼす可能性があります。

⑤  退職給付引当金

 従業員退職給付費用および債務は、数理計算上で設定されている前提条件に基づいて算出しております。これらの前提条件には、割引率、将来の昇給率、退職率、死亡率及び年金資産の収益率などが含まれております。退職給付債務等の計算の基礎に関する事項のうち、割引率は一定期間の国債の利回りの変動を考慮して設定しており、また、実際の結果が前提条件と異なる場合または前提条件が変更された場合、その影響は数理計算上の差異として累積され、発生初年度から3年による按分額を費用処理しております。

 当連結会計年度末の退職給付債務は、2,026百万円であります。この内、863百万円を年金資産とし、1,064百万円を退職給付引当金に計上しております。

 

(2)経営成績の分析

 当連結会計年度における経済環境は、平成23年3月に発生した東日本大震災の影響により大きく落ち込んでいた経済活動がその後徐々に持ち直し、停滞していた景気は緩やかながらも回復の兆しがみられました。しかしながら、欧州の財政危機問題や中国等の新興国における経済成長の鈍化を背景に世界経済が減速する中で、急激な円高の進行や原油価格の高騰などの不安要因を抱えることとなり、依然として先行き不透明な厳しい状況が続きました。

 当社グループを取り巻く事業環境は、当社主力製品と関連のあるIT関連機器やデジタル家電分野におけるパソコンや薄型テレビ等の生産・在庫調整により、昨年の秋口以降当社のほとんどの製品について需要が大きく減少するとともに、市場のグローバル化の進展による競合他社との競争激化や原材料価格の上昇に見舞われるなど、引き続き厳しいものとなりました。

 このような状況のもとで、当社グループは、既存コア製品の販路拡大や開発製品のマーケティング活動を推進するとともに、和歌山工場の生産効率化を始めとしたコストダウン強化策を全部門において展開するなど、経営全般にわたり収益力の改善と競争力向上のための諸施策を鋭意実行してまいりました。 

 その結果、当社グループの当連結会計年度の売上高につきましては、16,339百万円(前年同期比2.8%減)となり、前連結会計年度に比べ僅かな減少にとどめることができました。しかしながら、利益面につきましては、収益性のある主力製品の販売落ち込みや原料価格の上昇によるコストアップ等の収益圧迫要因により、営業利益1,533百万円(同19.3%減)、経常利益1,498百万円(同24.4%減)、当期純利益766百万円(同21.5%減)となり、前連結会計年度を大きく下回りました。

 

(3)資本の財源および資金の流動性についての分析

① 財政状態の分析 

 流動資産は、現金及び預金の増加(前年同期比495百万円)、商品及び製品の増加(同690百万円)等により、対前年同期比950百万円増加し、12,294百万円となりました。

 有形固定資産は、設備投資を控えたため、対前年同期比628百万円減少し、6,847百万円となりました。

 この結果資産合計は、対前年同期比80百万円増加し、19,860百万円となりました。

 負債合計は、未払法人税等の減少(同△579百万円)、退職給付引当金の減少(同△176百万円)等により、対前年同期比527百万円減少し、6,754百万円となりました。

 純資産は、利益剰余金の増加(同582百万円)、少数株主持分の増加(同98百万円)等により、対前年同期比608百万円増加し、13,106百万円となりました。

 この結果、自己資本比率は60.7%と対前年同期比2.4ポイント上昇しました。

② キャッシュ・フローの分析

 営業活動によるキャッシュ・フローは、1,250百万円(前年同期比63.1%減)の収入となりました。これは主に税金等調整前当期純利益、減価償却費、棚卸資産の増加、仕入債務の減少等によるものであります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、550百万円(同10.1%増)の支出となりました。これは主に有形固定資産の取得等によるものであります。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、183百万円(同91.0%減)の支出となりました。これは配当金の支払によるものであります。

 この結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、対前年同期比495百万円増加し、4,066百万円になりました。

 





出典: 本州化学工業株式会社、2012-03-31 期 有価証券報告書