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セクション一覧

第2 【事業の状況】

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、新興国向けを中心とする輸出の増加や政府の景気刺激策の効果等により、緩やかな回復傾向を示しましたが、昨年秋口以降、急激な円高による輸出の伸び悩みや政策効果の一巡により、景気回復が足踏み状態となりました。更に、今年3月11日に発生した東日本大震災は甚大な被害を与え、景気の先行きに深刻な影響を及ぼしました。
 このような厳しい状況の中で、当社グループの連結業績は、世界同時不況からの回復を背景にして工業品の受注が伸び、また、前期との比較では株式会社タクミック・エスピー及びその子会社が年間を通じて(前期は下半期のみ)連結対象に加わったこと等により、売上高が532億6百万円(前期比136.2%)となりました。
 利益面につきましては、原油価格の高騰に伴う原材料価格の上昇や例年国内が繁忙期となる3月に東日本大震災の直撃を受けたこと等もありましたが、株式会社タクミック・エスピー及びその子会社の通年に亘る寄与等があり、営業利益が9億69百万円(前期比321.5%)となりました。経常利益は前期との比較では円高進行により為替差損益が大幅に悪化したこと等により、9億21百万円(前期比121.1%)となりました。
 また、株式会社タクミック・エスピーがインドネシアのPT. SUMMITPLAST を取得したことに伴う負ののれん発生益等の特別利益がありましたが、投資有価証券評価損や東日本大震災に伴う災害損失及び災害損失引当金繰入等の特別損失があり、55億27百万円の当期純損失(前期は4億49百万円の利益)となりました。

 

セグメント別の業績は次のとおりであります。

(日本)

デフレの進行と消費不況が続く厳しい状況にありましたが、ハウスウエア合成樹脂製品分野につきましては、新製品やカラー企画製品を中心に売上が伸長いたしました。また、工業品合成樹脂製品分野につきましては、世界同時不況で落ち込んだ売上高が漸次回復に向かいつつありましたが、東日本大震災の影響で自動車関連が減少しました。利益面は原油価格の高騰に伴う原材料価格の上昇が大きな圧迫要因となりました。
 この結果、当セグメントの売上高は、193億31百万円(前期比104.7%)となり、セグメント利益(営業利益)は7億36百万円(前期比69.3%)となりました。

 

(中国)

世界同時不況からの回復に伴い、工業品合成樹脂製品分野の受注が増加し、地域内の各子会社は業績が回復傾向にあります。
 この結果、当セグメントの売上高は、177億57百万円(前期比122.1%)となり、セグメント利益(営業利益)は2億82百万円(前期は85百万円の損失)となりました。

 

 

(東南アジア)

株式会社タクミック・エスピーの各子会社が年間を通じて(前期は下半期のみ)連結対象に加わり、東南アジア諸国の堅調な国内需要等に支えられ業績を順調に伸ばしました。
 この結果、当セグメントの売上高は、161億18百万円(前期比265.4%)となり、セグメント利益(営業利益)は8億39百万円(前期比319.3%)となりました。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べて9億51百万円減少し、87億9百万円となりました。各活動別のキャッシュ・フローの状況とその要因は次のとおりであります。

 

① 営業活動によるキャッシュ・フロー

税金等調整前当期純損失47億74百万円、売上債権の増加10億35百万円等がありましたが、投資有価証券評価損54億66百万円、減価償却費26億86百万円、仕入債務の増加11億円等があり、33億11百万円の増加(前期比は10億70百万円の増加)となりました。

 

② 投資活動によるキャッシュ・フロー

定期預金の払戻318億35百万円等の収入がありましたが、定期預金の預入310億90百万円、有形固定資産の取得26億5百万円等の支出があり、26億33百万円の減少(前期比は146億25百万円の増加)となりました。

 

③ 財務活動によるキャッシュ・フロー

配当金の支払5億60百万円、自己株式の増加4億31百万円等があり、11億29百万円の減少(前期比は5億33百万円の減少)となりました。

 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
生産高(千円)
前年同期比(%)
日本
19,004,978
105.9
中国
17,371,174
150.3
東南アジア
16,118,992
257.6
合計
52,495,144
146.8

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額は、販売価格により算出しております。

3 金額には、消費税等は含まれておりません。

4 金額は、千円未満の端数を四捨五入して表示しております。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
受注高
(千円)
前年同期比(%)
受注残高
(千円)
前年同期比(%)
日本
6,979,213
98.1
1,540,504
55.7
中国
19,107,785
170.4
3,998,928
214.5
東南アジア
16,878,533
179.7
1,731,320
191.8
合計
42,965,530
155.0
7,270,752
131.4

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額には、消費税等は含まれておりません。

3 主にハウスウエア合成樹脂製品分野については見込み生産を行っているため、受注実績には含まれておりません。

4 金額は、千円未満の端数を四捨五入して表示しております。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称
販売高(千円)
前年同期比(%)
日本
19,331,074
104.7
中国
17,756,901
122.1
東南アジア
16,117,986
265.4
合計
53,205,961
136.2

(注) 1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 金額には、消費税等は含まれておりません。

3 金額は、千円未満の端数を四捨五入して表示しております。

 

 

3 【対処すべき課題】

北アフリカ・中東地域の政情不安等を背景とする原油価格高騰に伴う原材料価格の急上昇及び我が国経済のデフレの進行に加え、今年3月に発生した東日本大震災の影響は深刻で、景気の悪化と原材料価格の更なる上昇が懸念される等、先行き不透明感が増しております。このような厳しい経営環境を乗り越え、安定した収益を生み出す事業基盤と環境変化に強い経営体質を構築することが、対処すべき課題であります。

上記の課題に対して、中期的には営業力の強化、グローバル化の推進、収益源の多様化、業務の効率化によって対応してまいります。具体的には、新製品の開発力に一段と磨きをかけ、取引先に評価される高付加価値の新製品を市場に投入して、他社との差別化を推し進め、ハウスウエア合成樹脂製品分野の営業力を強化してまいります。海外事業につきましては、世界同時不況からいち早く脱し高成長を続ける東南アジア諸国に確固たる拠点を持つ株式会社タクミック・エスピーを一昨年取得し、昨年同社がPT. SUMMITPLAST を取得したことにより、東南アジアでの生産拠点ネットワークと取引基盤を大幅に拡充しました。また、次期連結会計年度には蘇州工場を建設し、中国での生産拠点を拡充いたします。これらを梃子にグローバル企業としての総合力を一段と強化してまいります。新規事業や新規分野での製品開発につきましては、収益源多様化の観点から積極的に検討し取り組んでおります。業務の改革・改善を通じて原価・経費の低減を図るため工場部門をはじめとする全社的な業務改善、コスト削減活動を推進してまいります。

 

4 【事業等のリスク】

経営成績及び財政状態に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項といたしましては、主として以下のようなものがあります。
 本項に記載した将来や想定に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。将来や想定に関する事項は、不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、実際の結果と大きく異なる可能性もあります。当社グループは、これらの事業を取り巻く様々なリスクや不確定要因等に対して、その予防や分散、リスクヘッジ等を実施することにより、企業活動への影響について最大限の軽減を図っております。

 

(1) 市場環境変動のリスク

当社グループは、日本国内及びアジアで製品、部品、金型等を販売し、主要需要先である小売、電機・電子、自動車各業界は日本、アジア、欧州、米州等の様々な国・地域に最終製品を販売しております。したがって、これらの国・地域の経済状況の変化や主要需要先業界の需要動向は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 原材料価格変動のリスク

当社グループの事業の原材料価格は、原油価格の動向に大きく左右されます。原油価格が高騰し原材料価格が上昇して、製品売価への転嫁に遅れが生じるような場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。 

 

 

(3) 株価変動のリスク

当社グループは、上場株式を保有しておりますので株価変動の影響を受けます。株式市場は世界的な金融不安や東日本大震災を契機とする大幅な落ち込みからやや回復傾向を見せておりますが、先行き不透明感も残っています。したがって、今後著しい株価下落が生じる場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 為替レート変動のリスク

当社グループは、中国(含む香港)、ベトナム、タイ、インドネシアに子会社を展開しております。これらの子会社の売上、費用、資産及び負債等の現地通貨建て項目は、連結財務諸表の作成のため円換算されております。これらの項目は換算時の為替レートにより、現地通貨の価値が変わらなかったとしても、円換算後の価値が変動します。
 この結果、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5) 海外事業のリスク

当社グループは、中国(含む香港)、ベトナム、タイ、インドネシアに子会社を保有しております。それらの国において、今後、予期しない法律または規制の変更、政治または社会経済状況の変化等により、原材料の購入、生産、製品の販売等に遅延や停止が生じる可能性があります。
 このような場合には当社グループの事業活動に支障が出て、業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 固定資産の減損会計

当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」及び「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」を適用し、会計処理を行っております。今後、原油価格の市場動向や固定資産の市場動向等により、保有資産から得られる将来キャッシュ・フロー見込額が減少した場合には、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7) 自然災害のリスク

当社グループは、日本国内においては工場と支店・営業所を東北から九州まで全国に展開し、また海外においては中国(含む香港)、ベトナム、タイ、インドネシアに子会社を保有しています。これらの地域で大地震や風水害等の大規模な自然災害が発生した場合は、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

 

6 【研究開発活動】

当連結会計年度の研究開発につきましては、お客様最優先、品質第一主義の立場に立って、お客様に信頼され愛され、お客様と喜びを分かち合える製品を開発すべく、日々努力を重ねてまいりました。当連結会計年度における当社グループ全体の研究開発費は4億27百万円であります。特に当社グループの日本におけるコア事業であるハウスウエア合成樹脂製品分野につきましては、お客様のライフスタイルや嗜好の変化に対応した製品開発を進め、他社との一層の差別化を図りました。これらは、天板木目が自然な多段収納ケース「コスパプラスシリーズ」の品揃え拡大、カラーが際立つ多段収納ケース「木製天板ストッカー」、1段で左右2分別が可能、2Lペットボトルも捨てられる深型容器付きのペール(ゴミ箱)「イーラボ/多段分別シリーズ」、スチール製の袋止めとペダル付きのペール「イーラボ/ペダルペールシリーズ」、本体とフタ(防臭フタを含む)が別々に選べる分別スタイルペール「イーラボ/スマートペールシリーズ」、楕円形で使いやすい湯桶並びに座面が高くて広く腰掛けやすい風呂椅子等の「ポーリッシュ/バス用品シリーズ」等であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度の売上高は、532億6百万円(前期比136.2%)となりました。
ハウスウエア合成樹脂製品分野につきましては、フィッツプラスシリーズを始めとする高付加価値製品やカラーコンビネーションに力点を置いた新製品の販売促進、ならびにここ数年開拓した新規取引先との取引深耕等に注力したことにより、個人消費の冷え込みにも拘わらず、前期比売上が増加しました。この結果、ハウスウエア合成樹脂製品分野の売上高は129億37百万円(前期比106.2%)となりました。
 工業品合成樹脂製品分野につきましては、世界同時不況からの回復を背景にして受注が伸び、また、前期との比較では株式会社タクミック・エスピー及びその子会社が年間を通じて(前期は下半期のみ)連結対象に加わったこと等により、売上高が397億39百万円(前期比149.6%)となりました。
 また、その他の売上高は、金型やマグネシウム合金製品の売上増加により5億30百万円(前期比161.2%)となりました。

 

② 営業利益

当連結会計年度の営業利益は、9億69百万円(前期比321.5%)となりました。売上総利益は、82億11百万円で売上総利益率が15.4%となり、前連結会計年度の16.7%から悪化しました。これは、原材料価格が上昇したこと等によります。また、販売費及び一般管理費は72億41万円で売上高比率は13.6%となり、前連結会計年度の15.9%から改善しました。これは、株式会社タクミック・エスピー及びその子会社が年間を通じて連結対象になったこと等によるものです。
 この結果、営業利益の売上高比率は1.8%となり、前連結会計年度の0.8%を上回りました。

 

 

③ 営業外損益及び経常利益

当連結会計年度の営業外損益は、48百万円の損失となりました。これは、受取配当金2億69百万円、受取利息1億56百万等の営業外収益がありましたが、為替差損4億72百万円等の営業外費用があったことによります。
 この結果、当連結会計年度の経常利益は、9億21百万円(前期比121.1%)となりました。

 

④ 特別損益

当連結会計年度の特別損益は、56億95百万円の損失となりました。これは、負ののれん発生益3億97百万円等の特別利益がありましたが、投資有価証券評価損54億66百万円、東日本大震災に係る災害による損失及び災害損失引当金繰入額計1億50百万円等の特別損失があったことによります。

 

⑤ 当期純利益

以上の結果、当連結会計年度の税金等調整前当期純損失は47億74百万円となり、繰延税金資産の取崩し等があり当期純損失は55億27百万円(前期は4億49百万円の利益)となりました。

 

(2) 財政状態の分析

① 資産の状況

流動資産合計は、前連結会計年度末に比べて2.9%、金額で11億63百万円減少し、383億36百万円となりました。これは、主として受取手形及び売掛金が7億24百万円増加しましたが、自己株式の購入、天馬皇冠精密工業(蘇州)有限公司への出資等で現金及び預金が17億75百万円減少したこと等によります。
  固定資産合計は、前連結会計年度末に比べて14.9%、金額で51億21百万円減少し、291億59百万円となりました。これは、主として時価の下落により投資有価証券が26億90百万円減少したこと、繰延税金資産を18億42百万円取崩したこと等によります。
 この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて8.5%、金額で62億83百万円減少し、674億96百万円となりました。

 

② 負債の状況

流動負債合計は、前連結会計年度末に比べて4.0%、金額で3億51百万円増加し、90億25百万円となりました。これは、主として未払法人税等が2億96百万円減少しましたが、PT. SUMMITPLASTが連結対象に加わったこと等により、支払手形及び買掛金が9億11百万円増加したこと等によります。
 固定負債合計は、前連結会計年度末に比べて17.5%、金額で1億86百万円減少し、8億77百万円となりました。
 この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて1.7%、金額で1億65百万円増加し、99億2百万円となりました。 

 

③ 純資産の状況

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて10.1%、金額で64億49百万円減少し、575億94百万円となりました。これは、主として投資有価証券評価損を特別損失に計上したことに伴い、その他有価証券評価差額金が16億93百万円増加し、利益剰余金が60億88百万円減少したこと、為替換算調整勘定が14億72百万円減少したこと等によります。

 

④ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度のキャッシュ・フローにつきましては、第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2) キャッシュ・フローの状況に記載のとおりであります。





出典: 天馬株式会社、2011-03-31 期 有価証券報告書