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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1) 業績

当期の世界経済は、堅調な米国景気が下支えとなり、全体としては比較的安定した推移となりましたが、中国や一部新興国では景気の減速が鮮明化しました。また年度後半には為替相場・原油価格が大きく変動し、世界各国の経済に様々な影響を及ぼしました。一方国内では消費増税に伴い景気が落ち込み、年度後半にかけて持ち直しがみられたものの、その回復ペースは総じて緩慢なものに留まりました。

このような状況のもと、当期の連結決算においては、売上高は円安の影響もあり各事業とも増収基調で推移しましたが、一方でパラキシレンの自社生産・販売を中止した影響もあり、前期比ではほぼ横ばい(17億円増)の7,862億円となりました。営業利益は素材事業を中心に大きく改善し、前期比210億円増加し391億円(同116.2%増)となりました。高機能繊維・複合材料事業の業績回復や、電子材料・化成品事業を中心とした構造改革効果に加え、円安や原燃料価格下落の影響も収益改善に寄与しています。経常利益では為替差益等も加わり同225億円増の424億円(同113.1%増)となりました。一方で当期純利益は、構造改革等に伴う特別損失を471億円計上したことから、同164億円減少し81億円の赤字となりました。1株当たり当期純利益は△8円23銭(同16円73銭減)となりました。

 

当連結会計年度における事業の概況は次のとおりです。

高機能繊維・複合材料事業

:[売上高 1,355億円(前期比 9.7%増)、営業利益 144億円(同 150.0%増)]

<高機能繊維分野:自動車関連用途が堅調に推移、インフラ用途の販売も拡大、炭素繊維・複合材料分野:航空機及び圧力容器用途を中心に需要拡大、技術開発を加速>

高機能繊維分野における、パラアラミド繊維「トワロン」が欧州のタイヤ向け等自動車関連用途や、光ファイバー、石油採掘用ケーブル・ホース用途といったインフラ関連での販売を順調に伸ばしました。また防弾用途ではアジア、中東での需要が拡大し、販売も回復傾向にあります。パラアラミド繊維「テクノーラ」は、国内の自動車関連用途と海外のインフラ用途向け販売が好調に推移し、円安効果も加わって収益も改善しました。メタアラミド繊維「コーネックス」は、需要が拡大しているフィルター用途では厳しい競合環境が継続していますが、防護衣料及び産業資材用途において堅調な推移となりました。

このような環境下で、優れた熱防護性と安定した染色性を持つ新規メタアラミド繊維「Teijinconex neo」は、平成27年7月のタイでの生産開始に向けて準備を着実に進めています。今後、難燃規制・環境規制強化を背景に高い成長が見込まれるアジア・新興国での事業拡大を図っていきます。

ポリエステル繊維は、タイ子会社では自動車関連用途において好調だった昨年度の反動等で同国内の販売が伸び悩みましたが、一方で衛材・一般資材用途の販売量は増加し、加えて原料価格低下やその他コストダウン効果もあり、収益が着実に改善しています。国内では足元で自動車関連用途の需要が落ち込む中、販売数量はやや減少し、寝装用途も低調に推移していますが、インフラ・土木用途、水処理用RO膜支持体向けの増販やコストダウンが収益を底支えしました。また、将来の更なる競争力強化に向けて、国内生産体制の再編とタイ子会社への生産移管を、今後段階的に実施していきます。

炭素繊維・複合材料分野では、炭素繊維「テナックス」が、民間旅客機の世界的な需要拡大を背景とした航空機メーカー各社からの旺盛な受注を受け、航空機用途向けの販売が順調に推移しました。その他の用途においても、北米での天然ガス用途拡大を受けた圧力容器向けの販売と、アジア地域におけるスポーツ・レジャー用途と土木補強向けの販売が順調でした。耐炎繊維「パイロメックス」は、航空機のブレーキ材向け等の需要の高まりを背景に安定的に推移しました。また、昨秋からの円安と原燃料価格の下落も収益の押し上げに寄与しました。

このような状況のもと、航空機用途においてはエアバス社の最新鋭中型機であるA350XWB(エクストラ・ワイド・ボディ)機向け炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板(テナックス TPCL:ThermoPlastic Consolidated Laminates)の認定作業を終了し、同機への搭載が決定されました。また、熱硬化性CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の新たな生産技術や高速硬化プリプレグ、超高耐熱プリプレグの開発を推進し、各種技術開発も加速させています。

量産車構造部材等への適用を目指す熱可塑性CFRP「Sereebo」については、複合材料開発センター(愛媛県松山市)と米国の用途開発センター(ミシガン州)との連携により、具体的な部品開発と量産化プロセスの確立に向けた複数のプロジェクトを着実に推進しています。ゼネラルモーターズとの共同開発は商業化に向けた最終段階に入りつつあり、「材料」としての正式な認定を取得しました。加えて米国内での新規炭素繊維工場建設に向けた検討を開始しています。

当セグメントの生産規模は、1,506億円(前期比 10.5%増、販売価格ベース)でした。

 

 

電子材料・化成品事業

:[売上高 1,848億円(前期比 3.0%増)、営業利益 34億円(前期 営業損失 72億円)]

樹脂分野:主原料価格の低下と構造改革効果により収益は改善、フィルム分野:スマホ等関連用途の販売は堅調も、その他の主力用途が苦戦

樹脂分野では、主力のポリカーボネート樹脂が、平成26年秋からの原油価格下落に伴う主原料価格低下の影響に加えて、従来から進めてきた構造改革効果の発現もあり、本年度の業績は改善しました。一方、グローバルな供給過剰による厳しい競争環境は中期的に継続するとの見通しから、平成27年12月にはシンガポール子会社の生産を停止し、生産能力の適正化と固定費圧縮を図ることで一段の収益基盤の強化に努めます。これと並行して、樹脂分野の新たな成長・発展のために、共重合樹脂や平成27年秋に商業生産開始を予定している合弁会社INITZ Co., Ltdの新製法PPS樹脂の活用、更には高機能繊維との組み合わせによる新規複合素材の開発等を積極的に進めています。

樹脂加工品では、カーナビ用途向けにポリカーボネートを使用した静電容量方式透明導電性フィルム「エレクリア」や自動車メーターパネル・自販機ダミー缶用途向けの「パンライトシート」が堅調に推移しており、加えてポリカーボネートの光学特性を活かした反射防止フィルムもウェアラブル端末向けに積極的に展開しています。また、大型成形技術、コーティング技術を活かした樹脂グレージング事業の拡大を図っています。

機能樹脂では、特殊ポリカーボネート樹脂がスマートフォンのカメラレンズ用途向けに好調に推移しました。今後も品質優位性を活かした特殊ポリカーボネート樹脂のラインナップを拡充するとともに、戦略素材であるPEN(ポリエチレンナフタレート)樹脂の用途を拡大していきます。

フィルム分野では、液晶TV向け反射板用途で中国メーカーの台頭により価格競争が激化しており、磁気用PENフィルムでも需要が低調に推移する等、総じて厳しい状況が継続しました。その中で、スマートフォン等の関連部材であるMLCC(積層セラミックコンデンサ)や偏光板等向けの工程用離型フィルム「Purex」の販売は堅調に推移しています。このような状況下、固定費を中心としたコスト削減を進めた結果、収益は昨年度対比改善しました。今後は平成27年1月に公表した国内生産拠点の集約を推し進めることで、コスト競争力を強化し、併せて新規開発用途の拡大により収益力の強化を図ります。またポリエステル系以外の高機能フィルムの開発へも経営資源を投入し、更なる発展を目指します。

海外拠点は、欧米では包装用途や太陽電池等の需要が低調な推移となる中、コスト削減により収益維持に努めました。また中国では堅調な需要に支えられ収益は順調に推移しています。

当セグメントの生産規模は、1,720億円(前期比 4.4%減、販売価格ベース)でした。

 

ヘルスケア事業

:[売上高 1,417億円(前期比 2.4%増)、営業利益 248億円(同 1.2%増)]

<医薬品分野高尿酸血症・痛風治療剤の販売が順調に拡大在宅医療分野:高水準のレンタル台数を維持・拡大

医薬品分野における国内医薬品事業は、平成26年4月の薬価改定に加え、後発品の伸長に伴う長期収載品の売上減少により、厳しい事業環境が続いています。一方新薬群では、高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク錠」の販売実績が堅調に拡大しており、同疾患領域におけるトップシェアを確立しています。また、先端巨大症治療剤「ソマチュリン*1」の販売も順調に拡大を続けています。剤型追加品では、骨粗鬆症治療剤「ボナロン*2」が錠剤のみならず、経口ゼリー剤や点滴静注剤等で患者さんに対する同疾患治療の幅広い治療の選択肢を提供しています。

海外での高尿酸血症・痛風治療剤の販売も順調に拡大しています。現在、販売提携国と地域は117に達しており、その内日本を含め42の国と地域で販売を開始していますが、残りの国・地域においても、順次販売承認を取得して更なる拡大を図っていきます。

研究開発においては、平成26年5月に、英国の製薬メーカーであるシグマ・タウ・ファルマ社と、同社が創製したADA欠損症治療剤「EZN-2279」の日本における独占的開発・販売契約を締結し、日本における臨床開発の準備を進めています。更に、医薬品技術と素材技術を融合させた画期的な医薬品として、止血・接着効果の高い外科手術用シート状フィブリン糊接着剤「KTF-374」の開発を推進することとし、帝人ファーマ㈱と一般財団法人化学及血清療法研究所が共同で日本における臨床開発の準備を進めています。平成26年9月には、その一環として、岩国事業所(山口県岩国市)に融合製剤棟を新設することとしました。また、気管支喘息治療薬として開発中の「PTR-36」は平成26年12月に第2相臨床試験に移行し、平成27年2月には、小型で服用しやすく、1日1回の服用で効果が持続する去痰薬「ムコソルバンL錠45mg」の製造販売承認を取得しました。平成27年度上期に発売の予定です。平成27年3月には、骨・関節領域における新たなラインナップを獲得するべく、大正製薬㈱と、新規消炎鎮痛貼付剤「TT-063」の日本における販売契約を締結しました。

在宅医療分野では、国内外で約40万人以上の患者さんにサービスを提供しています。主力の在宅酸素療法(HOT)用酸素濃縮装置は、新機種「ハイサンソ3S」、「ハイサンソポータブルα」の投入効果もあり、高水準のレンタル台数を堅調に維持しました。更に平成26年6月には、災害・停電時の不安・不便を解消する新機種「ハイサンソ5S」や「サンソセーバー5」を上市しました。睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療器は、携帯電話網を活用して治療状況をモニタリングし、そのデータを医療機関に提供することにより効果的な治療を実現する「ネムリンク」の訴求効果も相まって、高水準のレンタル台数を順調に伸ばしました。そのほか、補助換気療法機器(「NIPネーザルシリーズ」、「オートセットCS」)も順調に拡大しました。また患者さんのサポート体制を強化するため、福岡市に続いて昨年度大阪市に新たに設置したコールセンターを活用し、対応能力の強化を図っています。

昨年度上市した脳卒中後遺障害等の歩行機能回復用の歩行神経筋電気刺激装置「ウォークエイド」についても、首都圏の医療機関等から順次エリアを拡大して事業展開を進めています。

海外では、現在米国・スペイン及び韓国においてサービスを展開しています。米国では、医療制度改革に伴い保険価格が大幅に引き下げられる等、厳しい事業環境が継続していますが、営業所の統廃合・人員削減といった収益改善策を進めています。

当セグメントの生産規模は、567億円(前期比 2.5%増、販売価格ベース)でした。

*1 ソマチュリン®/Somatuline®は、Ipsen Pharmaの登録商標です。

*2 ボナロン®/Bonalon®はMerck Sharp & Dohme Corp.の登録商標です。

 

製品事業

:[売上高 2,594億円(前期比 2.0%増)、営業利益 42億円(同 18.1%減)]

衣料繊維分野:海外大手スポーツアパレルとの戦略素材の取り組みが飛躍的に拡大、産業資材分野:環境・安全関連商材の販売好調

衣料繊維分野における繊維素材では、スポーツ・アウトドア用途の機能素材のブランド展開の強化により、戦略素材として位置付ける「デルタピーク」を中心に、海外大手スポーツアパレルとの取り組みが飛躍的に拡大する等、業績は全般的に好調に推移しました。しかしユニフォーム分野では、円安進行に伴う仕入れコストのアップにより利益率が低下し、また輸入原糸販売も円安と川中での生産スペース不足の影響により定番糸分野で苦しい競争を強いられました。一方で、テキスタイル販売は円安を受けて欧州向け輸出を中心に堅調な推移となりました。

衣料製品では、主力のアパレルOEM事業において円安と海外縫製のコスト上昇により採算が圧迫され、加えて相次いだ天候不順により夏物、秋冬商材ともに受注も停滞しました。その中で、ベトナム、ミャンマーを中心に自家縫製拠点の確立等、アセアン地域での供給力アップを押し進める一方で、販売強化策として当社戦略素材であるPTT繊維「ソロテックス」を使用して天然素材との新複合生地を提案する等、素材開発力を活かしたODM事業(相手先ブランドによる企画・生産)の強化を図りました。

産業資材分野における工繊・車輛資材では、国内消費増税前の駆け込み需要の反動によりチャイルドシート等の自動車用品関連の需要が低調な推移となりました。タイヤコード、ベルト、ホース等の自動車関連部材の販売は総じて堅調に推移しましたが、年度後半は急激な円安の進行で輸入商材販売の採算が悪化しました。一方、タイヤコードの撚糸、製織、接着加工を行う合弁会社を設立し(平成27年12月稼働予定)、同時に既存のテイジン・コード(タイランド)社の産業用ベルトコード生産工場で自動車用ホースコード加工ラインの増設にも着手しました。エアバッグ向け生地は中国・タイ・日本とも需要が伸長しています。

繊維資材関連では、土木関連資材と防災関連の膜材(仮設テント等)の販売が好調に推移しました。また注力分野の環境関連資材では、中国での水処理関連フィルターの販売が拡大しました。ショートカットファイバー、アラミド等の高機能素材の欧米向け輸出、カーボン素材のアジア向け輸出も好調に推移しました。インテリア関連では、家庭用ワイパー関連の販売は堅調でしたが、カーテン・壁装・床資材関連の販売は総じて低調に推移しました。化成品関連では、半導体、エレクトロニクス業界の一部回復により樹脂フィルム関連の国内出荷が堅調でした。

 

その他

:[売上高 648億円(前期比 27.1%減)、営業利益 40億円(同 128.8%増)]

IT事業は、ネットビジネス分野において電子書籍の売上が順調に拡大する等、堅調な推移となりました。またITサービス分野においては、IoT*関連市場における新規サービスの開発・提供を目的とした共同出資会社EverySense.Incの設立や、海外駐在員向けのメンタルヘルスをサポートするサービスを展開しています。加えて、この度起業家と医療・ヘルスケア業界との出会いの場を提供する日本初のヘルスケアITイノベーションプログラム「デジタルヘルスコネクト」を開始しました。更に新たな分野の取り組みとして、トップアスリートを目指す選手を支援するサービス「アスリートストーリーズ」の提供も開始しています。

新事業ではリチウムイオンバッテリー用セパレータ「LIELSORT」の販売が順調に拡大しており、更なる商圏拡大に向けて第2系列を増設し、平成26年12月に稼働を開始しました。これにより生産能力は倍増し、今後更に増大していく需要に対応が可能となります。また、高変換効率太陽電池を製造するための材料となる「NanoGramシリコンペースト」、及びその素材性能を最大限に引き出すための加工技術を開発し、太陽電池メーカーへのマーケティング活動を推進しています。その他、ポリ乳酸繊維を用いて、動きを生地でデータ化するウエアラブルセンサー「圧電ファブリック」を関西大学と共同で世界に先駆け開発しました。

先端医療材料等の分野においては、自己組織に置換され、伸長する心臓修復パッチの開発を目指しています。本プロジェクトは経済産業省の医工連携事業化推進事業に採択され、大阪医科大学、福井経編興業㈱と共同で開発を進めています。またナカシマメディカル㈱への資本参加により合弁会社帝人ナカシマメディカル㈱を設立し、人工関節市場への参入を果たしました。今後はナカシマメディカルの金属加工技術や人工関節領域での知見と、帝人の素材技術・営業力の融合により、国産の人工関節メーカーとしてトップ企業を目指すとともに、グローバル展開の基盤確立を推進していきます。

また、IT事業とヘルスケア事業の融合領域におけるビジネス展開の一環として、平成27年3月には、Webを通じた情報提供、睡眠支援アプリの提供等を手掛ける睡眠総合サービス「Sleep Styles」を立ち上げました。

* IoT (Internet of Things) : 世の中に存在するさまざまなモノがインターネットにつながることによって実現される全てのサービスを指す。

 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローが760億円の資金収入、投資活動によるキャッシュ・フローが496億円の資金支出及び財務活動によるキャッシュ・フローが104億円の資金収入となり、当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ376億円増加し、706億円となりました。

 

営業活動・投資活動・財務活動による各々のキャッシュ・フローの主な内容は、次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ374億円(97.0%)収入が増加し、760億円の資金収入となりました。これは主に、当期純損失となったものの、減価償却費及びその他の償却費が430億円、減損損失が304億円あったこと等によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ23億円(5.0%)支出が増加し、496億円の資金支出となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出が265億円、投資有価証券の取得による支出が221億円あったことによるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度に比べ183億円収入が増加し、104億円の資金収入となりました。これは主に、社債発行による資金収入が借入金の返済及び配当金の支払を上回ったことによるものです。

2【生産、受注及び販売の状況】

帝人グループの生産・販売品目は広範囲かつ多種多様であり、同種の製品であっても、その形態、単位等は必ずしも一様ではなく、また受注生産形態をとらない製品も多いため、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額あるいは数量で示すことはしていません。

このため生産、受注及び販売の状況については、「1.業績等の概要」における各事業のセグメントの業績に関連付けて示しています。

3【対処すべき課題】

(1) 会社の経営の基本方針

帝人グループは、「人と地球環境に配慮した化学技術の向上と、社会と顧客が期待している解決策の提供により、本当の価値を実現することに挑戦し続けること」を通じて企業理念としている「人間への深い理解と豊かな想像力をもってクォリティ・オブ・ライフの向上に努める*1」企業となることを目指しています。

この企業理念のもと、「持続的な企業価値の増大」を図るために帝人グループは、「事業戦略」、「コーポレ

ート・ガバナンス」、「CSR*2」の三つを軸として事業運営を行います。また、これを通じ各ステークホルダー*3との信頼関係の構築に努めます。

*1 企業理念は、「クォリティ・オブ・ライフ」を中心として「社会とともに成長します」「社員とともに成長します」の3つです。

*2 CSR: 環境・安全・健康、コンプライアンス(社会規範・倫理・法令等の遵守)、社会貢献等の社会的責任

*3 ステークホルダー: 株主、従業員、債権者、顧客を含む取引先、消費者、地域社会等の利害関係者

 

(2) 目標とする経営指標

帝人グループは、ROA、ROE、またD/Eレシオを重要な経営指標として位置づけています。

(3) 対処すべき課題

1)短期での取り組み

「重点戦略事業」として位置づける高機能繊維・複合材料事業では、航空機、自動車、インフラ関連といった成長分野での拡販に引き続き注力します。加えて、大きな成長が見込まれる新興国市場の開拓に向けて販売体制を強化し、2015年7月には新たな製品ラインナップとなる新規メタアラミド繊維の操業を開始します。同じく、ヘルスケア事業では成長ドライバーである高尿酸血症・痛風治療剤や睡眠時無呼吸症候群(SAS)治療器の販売拡大に引き続き注力します。

「基幹事業」と位置付ける製品事業、IT事業では、それぞれの事業分野での収益拡大に取り組むとともに、重点戦略事業との連携強化を図っていきます。「再構築事業」とした電子材料・化成品事業及び原料重合事業においては、構造改革の着実な実行に加え、事業構造の変革を進めます。

2)中長期での取り組み

帝人グループでは、2014年11月に、構造改革と発展戦略を柱とする、2017年3月期までの「修正中期計画」を策定し、公表しました。

a) 構造改革

構造改革の狙いは、帝人グループがこれまで培ってきた「強み」を正しく認識し、強化して、将来の成長・発展のための基礎を築きあげることです。そのため、帝人グループの各事業を「市場の成長性」「競争優位性」「収益性」の観点から徹底的に絞り込み、成長分野への経営資源の集中を行います。そうした絞り込みの結果として、以下の様な施策を講じることとしました。

① 電子材料・化成品事業:

生産拠点の統廃合による汎用品ビジネスの縮小と高付加価値分野への特化

② 高機能繊維事業:

タイ国生産拠点の拡充と国内生産・開発拠点の集約による競争力強化

③ 原料重合事業:

DMT生産の撤退とポリマー工場集約によるポリエステル製品生産モデルの抜本的見直し

④ ヘルスケア事業:

米国在宅医療事業における抜本的構造改革

これらの施策の結果、2017年3月期には2015年3月期対比で130億円、更にフル発現時には175億円の営業利益改善効果を見込んでいます。

b) 発展戦略

帝人グループは、素材・ヘルスケア・ITの3つの領域を併せ持つユニークな企業体です。これまでは、各々が個別の事業として成長を図ってきましたが、今後は各領域での強み・優位性を融合することにより、今までに無い顧客価値の創造を図ります。

具体的には、世界のマクロトレンドから見て帝人グループの強みが大いに発揮できる分野として、「環境・省エネ」、「安心・安全・防災」、「少子高齢化・健康志向」といった領域で、

① 高機能複合材料による顧客価値の実現:

自動車向け部材や電池部材

② モニタリング・サービスの横展開:

スマート・ウェアラブルや高靱性構造材

③ 在宅医療モデルの横展開・市場創造:

オープン・ヘルスケア・プラットフォームや地域医療支援サービス

④ 生体適合医療材料の実用化:

組織修復材料や組織代替医療材料

を主な成長コンセプトとして、帝人グループにしか出来ない新しいユニークなビジネスの創出を目指します。

c) 将来イメージ

2020年近傍には、素材事業を一元的に統合し、「ヘルスケア事業」と「複合/高機能材料事業」を中心とし、基幹事業である「製品事業」と「IT事業」がこれを支えるという企業体への進化を目指し、更なる構造改革を推進していきます。

(4) 会社の支配に関する基本方針

① 当社の株主の在り方に関する基本方針

(会社法施行規則第118条第3号にいう、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針)

当社の株主の在り方について、当社は、株主は市場での自由な取引を通じて決まるものと考えています。したがって、株式会社の支配権の移転を伴う買付提案に応じるかどうかの判断も、最終的には株主全体の意思に基づき行われるべきものと考えています。

しかし、当社株式の大量取得行為や買付提案の中には、「企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれのあるもの」「株主に株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの」「買付の対価が当社の企業価値に鑑み不十分なもの」等も想定されます。このような大量取得行為や買付提案を行う者は、例外的に、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないと考えています。

② 基本方針の実現に資する取り組み

当社では、多数の投資家の皆様に長期的に当社に投資を継続して頂くために、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるための取り組みとして、次の施策を既に実施しています。これらの取り組みは、上記①の基本方針の実現にも資するものと考えています。

ア.修正中期計画「抜本的構造改革と将来に向けた発展戦略」による企業価値向上への取組み

帝人グループでは、2014年11月に、構造改革と発展戦略を柱とする、2017年3月期までの「修正中期計画」を策定し、公表しました。

構造改革においては、各事業を「市場の成長性」「競争優位性」「収益性」の観点から徹底的に絞り込み、成長分野への経営資源の集中を行います。生産・開発拠点の統廃合や事業構造の見直しを進め、最終的には2015年3月期対比で175億円の営業利益改善効果を発現すべく、各種施策を推進していきます。

また発展戦略においては、素材・ヘルスケア・ITの3つの領域を併せ持つユニークな企業体として、各領域での強み・優位性を融合することにより、今までにない顧客価値の創造を図ります。当社の強みが発揮できる「環境・省エネ」「安心・安全・防災」「少子高齢化・健康志向」と言った領域で、新しいユニークなビジネスの創出を目指しています。

2年後の2017年3月期には、構造改革の成果及び、重点戦略事業と位置付けるヘルスケア事業、高機能繊維・複合材料事業を中心とした既存事業の成長により、ROE8%以上の達成を目指します。また2020年近傍には、素材事業を一元的に統合し、既存事業の延長ではない「ソリューション提供型事業体」への進化を図ることで、ROE10%超の実現を目標としています。

株主還元については、連結業績に連動した利益還元を行うことを基本方針とし、併せて財務体質の健全性や中長期の配当の継続性を勘案して配当を実施します。

イ.「コーポレート・ガバナンス(企業統治)の強化」による企業価値向上への取り組み

当社は、企業価値ひいては株主共同の利益向上のために不可欠な仕組みとして、従来より、コーポレート・ガバナンスの強化を重要な課題に掲げ取り組んでいます。具体的には、以下の施策を実施しています。

1)意思決定、業務執行、監視・監査の3機能の分離と強化

2)国内外の有識者による経営全般への助言・提言を通じた「より良い経営、透明性の高い経営」の遂行と経営トップの評価を目的とした、取締役会の諮問機関としてのアドバイザリー・ボードの設置

3)コーポレート・ガバナンスに関する具体的な指針である「コーポレート・ガバナンスガイド」の制定と開示

 

③ 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み(買収防衛策)

当社は、平成27年6月24日に開催された第149回定時株主総会において株主の皆様の承認を受け、当社株式の大量取得行為に関する対応策(以下、「本プラン」という)を更新しました。本プランの概要は以下のとおりです。

ア.対象となる買付

本プランの対象となる買付は、株式の保有割合が20%以上となる買付です。

イ.買付者との交渉手続き

買付者には、事前に買付説明書の提供を求め、当社が、情報収集や検討を行う期間を確保した上で、株主の皆様に当社経営陣の計画や代替案を提示したり、買付者との交渉を行っていくための手続きを定めています。

ウ.買付者が手続きを守らなかった場合の取得条項付新株予約権の無償割当て

買付者が前記手続きを守らなかった場合等には、独立委員会の勧告に従い、取締役会は、その時点の全ての株主に対し、保有株式1株につき1個の割合で「取得条項付新株予約権」を無償で割当てることを決議します。

エ.取得条項付新株予約権の取得と当社株式の交付

新株予約権に付された取得条項により、当社は買付者等以外の株主の皆様から新株予約権を取得しこれと引き換えに、新株予約権1個につき、当社株式1株を交付します。

オ.買付者等以外の株主の皆様への影響

買付者等以外の株主の皆様全員に平等に当社株式を交付しますので、株主の皆様の保有する株式の希釈化は生じません。買付者等には当社株式は交付されませんので、この交付により、買付者等の保有する当社株式の議決権割合を最大50%まで希釈化させる可能性があります。

カ.新株予約権の無償割当ての要件

新株予約権の無償割当ては以下いずれかに該当し、新株予約権の無償割当てをすることが相当と認められる場合に行われます。

1)本プランに定める手続きを遵守しない場合

2)買収の目的や買収後の経営方針等に鑑み、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすおそれがある買付であり、下記に掲げる行為のいずれかに該当する場合

a) 株式を買い占め、その株式につき当社に対して高値で買取りを要求する行為

b) 当社の経営を一時的に支配して、当社の重要な資産等を廉価に取得する等、当社の犠牲の下に買付者の利益を実現する経営を行うような行為

c) 当社の資産を買付者やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為

d) 当社の経営を一時的に支配して、当社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって、一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会を狙って高値で売り抜ける行為

3)株式の売却を事実上強要するおそれのある買付である場合

4)買付の対価が当社の企業価値に鑑み不十分な買付である場合

キ.発動までのプロセスの概要

買付者から買付説明書が提出された場合、社外取締役又は社外監査役のうち5名で構成される独立委員会は、取締役会に対して、買付者の買付の内容に対する取締役会の意見等を一定の期間内(30日を上限とします)に提示するよう求めることがあります。その後、最長60日間、情報収集・検討等を行います。独立委員会は、30日を上限として検討期間を延長することができるものとします。

独立委員会はこれらの情報収集・検討等に基づき、取締役会に対し、新株予約権の無償割当ての実施または不実施の勧告を行います。取締役会は、独立委員会の勧告を尊重し、これに従い最終的に新株予約権の無償割当ての実施または不実施の決議を行います。ただし、独立委員会が当該実施に関し株主総会の承認を予め得るべき旨の留保を付した場合、取締役会は、実務上可能な限り速やかに株主総会を招集し、新株予約権の無償割当ての実施に関する議案を付議するものとします。

*「当社株式の大量取得行為に関する対応策(買収防衛策)」の詳細については、インターネット上の当社ウェブサイト(http://www.teijin.co.jp/ir/governance/defense/)に掲載しています。

④ 前記取り組みが、基本方針に沿い、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致し、当社役員の地位の維持を目的とするものではないことについて

当社では、本プランの設計に際し、以下の諸点を考慮し織り込むことにより、本プランが、基本方針に沿い当社の企業価値ひいては株主共同の利益に合致するものであり、当社役員の地位の維持を目的とするものではないと考えています。

ア.買収防衛策に関する指針の要件の充足等

本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に公表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(①企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、②事前開示・株主意思の原則、③必要性・相当性確保の原則)を充足しています。また、経済産業省の企業価値研究会が平成20年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を踏まえた内容となっています。

イ.株主意思の反映

本プランは、平成27年6月24日に開催された第149回定時株主総会において承認され発効し、その有効期限は、平成30年3月期の事業年度に関する定時株主総会の終結の時までの3年とします。また、当社取締役の任期は1年となっていますので、取締役の選任を通じて株主の皆様の意思を反映させることが可能です。更に、本プランの有効期間の満了前であっても、株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合には、本プランはその時点で廃止されることになります。

ウ.独立性の高い社外役員の判断の重視

当社は、本プランの導入に当たり、本プランの発動等の運用に際して、取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しました。独立委員会は、社外取締役または社外監査役のいずれかに該当する者の中から取締役会が選任した者から構成します。

エ.本プラン発動のための合理的な客観的要件の設定

本プランは、予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、しかも、これらの客観的要件は当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者として適当でないとされる場合と一致させています。これにより、取締役会による恣意的な発動を防止します。

オ.コーポレート・ガバナンスの強化と継続

当社では、定員10名以内の取締役のうち4名を独立社外取締役、監査役の過半数の3名を独立社外監査役とすること等により、意思決定、業務執行、監視・監査の3機能の分離と強化を図り、また、5〜7名の社外アドバイザーと取締役会長(取締役会長が空席の場合は、相談役)、CEOで構成されるアドバイザリー・ボードを取締役会の諮問機関として設置して、CEOの交代及び後継者の推薦、帝人グループの役員報酬制度の審議等を行い、上記の取り組みを含むコーポレート・ガバナンスの指針を「コーポレート・ガバナンスガイド」として開示しています。

以上の施策は、我が国の上場会社において、コーポレート・ガバナンスの先駆的な取り組みと評価されています。この仕組みは、当社役員の保身的な行動を強く抑制するものであり、本プランの実施にあっても、その恣意的な行使を抑止する重要な機能を果たすことが期待されます。

 

4【事業等のリスク】

業績等に影響を与える可能性のある重要な要因には、以下の事項があります。なお、業績に影響を与える要因はこれらに限定されるものではありません。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において帝人グループが判断したものです。

(1) 競合・市況変動にかかるもの

帝人グループは、外部環境の変化に左右されない企業体への転換を図っておりますが、一部で市況製品を展開しており、景気動向、他社との競合に伴う市場価格の変動が事業業績に影響を及ぼす可能性があります。

特に、景気や他社との競合という観点からは、ポリエステル繊維、ポリエステルフィルム、ポリカーボネート樹脂といった汎用素材の分野では、販売量、売値及び原燃料調達価格に関し変動を受ける構造となっています。また、これらの事業は、製造原価に占める原燃料コストのウェイトが高いため、原油価格の動向により、損益に大きな影響を受ける可能性があります。

また、帝人グループの素材事業は中間財が多く、末端需要の拡大・縮小が各段階での在庫調整により実体経済以上に増減する可能性があります。

加えて、ヘルスケア事業は、公定価格水準の変動といった価格変動要因以外にも他社との競争はますます激化しており、売値下落のリスクがあります。

また、為替や金利の変動が、帝人グループの経営成績及び財政状況に影響を及ぼす可能性があります。

(2) 製品の品質にかかるもの

帝人グループでは、帝人㈱及び帝人ファーマ㈱等の主要な子会社に、他の部門から独立した専任の品質・信頼性保証部門を設置し、厳格な品質管理基準に基づき、事業活動全般における品質保証を確保する体制を敷いています。しかしながら、全ての製品・サービスにおいて、予期し得ない重大な品質問題が発生する可能性を排除することはできません。従って、そうした製品・サービスの欠陥が、業績、財務状況、社会的評価等に悪影響を及ぼす可能性があります。

(3) 研究開発にかかるもの

帝人グループでは、技術を核とした持続的成長を実現するための研究開発に、積極的に経営資源を投入しています。しかしながら、そうした研究開発の成果が目標から大きく乖離した場合には、業績等に影響を及ぼす可能性があります。

特に医療用医薬品の開発には、多額の費用と長い期間がかかるうえ、創薬研究において、有用な化合物を発見できる可能性は決して高くありません。また、臨床試験の結果、予測していた有効性が証明できない、あるいは予測していない副作用が発現した等の理由で承認申請を断念しなければならない可能性があります。また、承認申請した後でも審査の過程で承認されない、また、市販後調査の結果、承認が取り消される可能性があります。

(4) 海外活動にかかるもの

帝人グループは、中国、タイ・シンガポール等の東南アジア、ドイツ・オランダ等の欧州、米国等海外で事業展開しており、これら海外での活動について為替変動に係るリスクのほか、特に中国及び東南アジアの各国においては、次のようなリスクがあります。そのため、これらの事象が発生した場合は、帝人グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

・予期しない法律・規制の施行、不利な影響を及ぼす租税制度の変更

・経済変動、政変・テロ・戦争等による社会的混乱

(5) 事故・災害にかかるもの

帝人グループは、グループ共通の防災に関するガイドラインを整備し、防災診断、地震対策、火災予防等の未然防止対策や防災教育、防災訓練、防火設備強化等の拡大防止対策を積極的に推進しています。しかしながら、万一、大規模な自然災害や不慮の事故等により生産設備が損害を受けた場合や原材料の供給等サプライチェーンに大きな障害が生じた場合は、帝人グループの経営成績及び財務状況等に悪影響を及ぼす可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

当連結会計年度において締結している経営上の重要な契約は、以下のとおりです。

契約会社名

相手先

内容

期間

帝人㈱

(当社)

デュポン社

(米国)

合弁会社の設立等に関する契約

・ポリエステルフィルムを製造・販売する合弁会社を世界6ヶ国で設立

1999.7.14

から

合弁会社の存続する期間

帝人㈱

(当社)

ベーリンガーインゲルハイム社

(独)

技術等導入に関する契約

・医薬品の供与

・「ラキソベロン」等医薬品4品目の製造に関する技術

2005.1.1

から

2016.12.31

 

6【研究開発活動】

帝人グループでは、ブランドステートメント"Human Chemistry, Human Solutions"のもと、人々の暮らしを豊かにし、社会の発展に貢献することで事業の持続的成長と収益性向上を実現するための研究開発をグローバルな視野で推進しています。研究開発活動への積極的かつ効率的な投資を継続して実施しており、国内8ケ所、海外7ケ所のグローバル研究開発ネットワークにおいて1,600名余りの研究者が、基礎研究を含めたグループ全体の研究開発戦略に基づく研究開発活動を推進しています。

中長期経営ビジョン「CHANGE for 2016」で定めた帝人グループの成長戦略と、それを支える経営基盤の強化を基軸に据え、既存事業の深化、幅出しに加え、「グリーンケミストリー」「ヘルスケア」及びこれらの「融合領域」を研究開発の重点技術領域と定めて、基盤・基幹強化を進めています。更に平成26年11月公表の修正中期計画では、発展戦略の主要施策として「複合化」と「融合」による「ソリューション提供」の実現に向けた重点資源投入を行う事を発表しました。高機能素材、ヘルスケア、ITという3つの異なる事業の強みを複合化、融合し、競争力のある素材を用いたソリューション提供型ビジネスの構築による高収益事業創出に向け、研究開発を着実に進めています。サプライチェーンやビジネスモデルの変革を念頭におき、素材等の一次製品の提供ではなく付加価値をつけた部材・デバイスまでを作り上げて納入する、またIT技術を活用しヘルスケア分野で新しいサービスを提供する等、従来型のビジネスの域を超えた価値創造、ポートフォリオ変革に積極的に取り組んでいきます。

なお、平成26年度から研究開発機能の強化と研究開発成果の早期事業化の推進を目的にいくつかの組織改編を進めています。まず平成26年4月には、従来の技術最高責任者、研究部門、エンジニアリング本部及び原料重合技術開発部を統合し、技術本部を設置しました。平成27年4月からは、プラットフォーム構成技術(基盤・基幹技術)の強化・拡充と出口発想に基づくソリューション開発力の強化を目的に技術本部内に技術開発部門とその下部組織である加工・ソリューションセンター(松山拠点)を新設しました。併せてこれまで技術本部直下組織であった先端技術開発センターを同部門へ編入、更に大阪研究センターの機能も同拠点へ統合しました。また、技術本部直下に新たに情報分析班を設置し、研究開発プロジェクトの的確な評価・検証、新規研究開発領域の検討・提案を行う体制を整えています。また、産官学連携等のオープンイノベーションの推進、知財戦略や構造解析能力等、研究開発活動を支える機能・組織の見直しとインフラ機能の強化、技術系人材の育成を一層推進しています。

人材育成に関しては、高分子・バイオ関連分野の大学教授や研究者が集まるフォーラムの開催、学界・学術研究機関等の有識者による技術アドバイザリー会議の開催、国内外の最先端研究機関への若手研究員派遣等を積極的に推進しています。平成22年度ノーベル化学賞を受賞され、帝人グループの名誉フェローにご就任いただいている根岸英一 米・パデュー大学特別教授には、国内研究員のコンサルテーションと「Teijin Limited Director of the Negishi-Brown Institute」としての派遣研究員への直接のご指導を継続してお願いしており、幾つかの新しい技術開発成果が生まれつつあります。

 

なお、当連結会計期間の研究開発費は324億円(前期比2億円増)でした。

また、報告セグメントごとの研究開発活動の概要は次のとおりです。

 

高機能繊維・

複合材料事業

:  平成26年4月に原糸やテキスタイルの商品開発拠点として帝人(中国)商品開発センターを開設しました。これにより、中国国内で原糸から最終製品までの研究開発に対応することが可能となり、更に量産に至るまでをワンストップで完結できることから、中国・アジア地区で迅速な顧客対応が可能となります。

  また帝人グループが発展戦略における成長コンセプトの1つとして掲げた「高機能複合材料による顧客価値の実現」の一例として、高機能繊維を使用した木造建築物用集成材(AFRW:Advanced Fiber Reinforced Wood)を開発し、木造中低層建築物への展開に向けた技術プロジェクトを開始しました。建築物の軽量化や耐震性の点で近年注目されている建築物への木材活用を促進するソリューションとして、アラミド繊維や炭素繊維、及びそれらのハイブリッドによるAFRWの技術開発を進め、建築物への適用ノウハウを集積していきます。これを契機として、より社会的ニーズの大きい建築構造材向けの複合材料開発にも取り組んでいきます。

  アラミド繊維分野では、消防隊員が救助活動の際に着用する救助服及び活動服向けに、独自の素材・織物技術を駆使することにより高い伸縮性とスムーズな肌触りを実現するアラミド繊維織物を開発しました。更に平成27年央には、世界最高レベルの優れた熱防護性と安定した高い染色性を有する新規メタアラミド「Teijinconex neo」の生産をタイにて開始するべく準備を進めており、これら防護衣料向けのラインナップをより一層拡充することで、国内に加えアジア・新興国においても需要獲得を推進していきます。

  また、パラアラミド繊維「トワロン」が、深部採掘作業において、鋼ワイヤー製の巻上ロープを使用する場合と比較して、CO2排出量を年間100,000トン以上削減し、20%の省エネルギーに貢献することが、Teijin Aramid B.V.独自の算定モデルで確認されました。これを受けて、Teijin Aramid B.V.と、カナダ政府やカナダの複数の鉱山、米国のロープ製造会社等の間でコンソーシアムが設立され、現在、鋼ワイヤー製のロープと「トワロン」製のロープを比較した事例研究が重ねられています。

  ポリエステル繊維分野では、㈱ニトリの商品開発力と帝人の技術により、両社一貫の体制で素材開発から商品企画、販売までを行う共同プロジェクト“新「機能商品」開発プロジェクト”を推進しています。帝人素材である超極細ナノファイバー「ナノフロント」の摩擦力をストッパーとして活用した「ひもなしらくらく掛ふとんカバー」を開発し、6月より㈱ニトリにて販売を開始しました。また、9月には身体から発生する水蒸気を吸収して発熱する「オプトマックス ECO」を使用した「あったかパジャマ」も同様に販売を開始しています。

  更に、既に図書館等で使用されている「セルフォーム」の二次元通信技術をベースとした棚管理システム「RecoPick」が、このたび「第16回自動認識システム大賞 優秀賞」を受賞致しました。今後「セルフォーム」については、携帯情報端末と連動した O 2 O(Online to Offline)型マーケティングツールといった新たな用途展開を進めていきます。

  炭素繊維・複合材料分野では、航空機用途において、エアバス社の最新鋭中型機であるA350XWB(エクストラ・ワイド・ボディ)機向け炭素繊維強化熱可塑性樹脂積層板(テナックス TPCL:ThermoPlastic Consolidated Laminates)の認定作業を終了し、同機への搭載が決定されました。また、熱硬化性CFRP(炭素繊維強化プラスチック)の新たな生産技術や高速硬化プリプレグ、超高耐熱プリプレグの開発を推進し、各種技術開発も加速させています。また、金型に合った炭素繊維シートを形成する(プリフォーム)にあたって、予め炭素繊維に熱硬化性樹脂を付着させた繊維(バインダー繊維)を活用することにより、炭素繊維の端材を極小化し、部品の製造コストを低減する自動製造プロセス(PvP : Part via Preform)を開発しました。

  量産車構造部材等への適用を目指す熱可塑性CFRP「Sereebo」については、複合材料開発センター(愛媛県松山市)と米国の用途開発センター(ミシガン州)との連携により、具体的な部品開発と量産化プロセスの確立に向けた複数のプロジェクトを着実に推進しています。ゼネラルモーターズとの共同開発は商業化に向けた最終段階に入りつつあり、「材料」としての正式な認定を取得しました。

  なお、自動車向けの高付加価値CFRPビジネスを加速させるため、これまで複合材料開発センターが担ってきた熱可塑性CFRPのマーケティング機能と、グループ会社である東邦テナックス株式会社が担ってきた熱硬化性CFRPのマーケティング機能を平成27年4月に統合し、炭素繊維・複合材料事業本部直轄の組織「オートモーティブ事業開発推進グループ」として再編することとしました。これに伴い複合材料開発センターは、今後、個別テーマの技術開発機能に特化して取り組む組織となり、「複合材料技術開発センター」と改称します。

  当セグメントに係る研究開発費は48億円です。

 

電子材料・

化成品事業

:  樹脂分野では、「テオネックス」(PEN樹脂:ポリエチレン・ナフタレート樹脂)が、世界で初めての透明樹脂製ボディの消火器に採用されました。PEN樹脂の耐腐食性、耐候性、耐薬品性等の優れた耐久性が評価され、従来の鉄製よりも本体重量で約50%の軽量化を実現しています。

  また、平成26年5月には、自動車用樹脂グレージング技術について、樹脂窓の課題であった「歪のない大型製品の成形」「金属との接着信頼性確保」「耐候性向上による長期信頼性確保」を、樹脂窓に適した素材と、その加工技術の開発により解決した点が評価され、公益社団法人高分子学会が主催する「平成26年度 高分子学会賞」(技術)を受賞しています。

  更に、次世代のコンパウンド技術としてナノ分散アロイ技術の開発に取り組んでいます。このたび山形大学との共同研究成果を発展させることにより、ポリカーボネート樹脂(PC)とこれまで相溶化が困難とされていた他素材とのアロイ化について実用化の目処がつきました。PCのもつ耐衝撃性・耐熱性・難燃性等の優れた特長を維持したまま、低比重化や耐薬品性の向上が可能であり、PCコンパウンド製品の用途拡大が期待されます。今後も本技術を基盤として高機能性コンパウンド製品のラインナップ拡充に取り組んでいきます。

  加えて、昨年度開発した新規リン系難燃剤「FCX-210」について用途展開のための研究開発、市場ワークを進めた結果、エレクトロニクス、自動車市場において一定の目途がついたため、台湾の化学メーカーであるチーテック・テクノロジー社(本社:台湾・台北市)と製造委託契約を締結し、このほど竣工、稼働した同社の設備で量産を開始しました。

フィルム分野では、「世界最高位の難燃性(UL規格:VTM-0)」を有するPETフィルムの量産化技術を確立したことに加え、PENフィルムにおいてVTM-0を取得しました。PETフィルムにおいて難燃性ラベルやフレキシブル基板用途を中心に市場展開を進めるとともに、PENフィルムにおいても、更なる高耐熱性を強みとして、FPC、耐熱電気絶縁用途等の高耐熱性を要求される用途に幅広く展開していきます。

当セグメントに係る研究開発費は42億円です。

 

 

ヘルスケア事業

:  医薬品分野では、平成26年5月に、英国の製薬メーカーであるシグマ・タウ・ファルマ社と同社が創製したADA欠損症治療剤「EZN-2279」の日本における独占的開発・販売契約を締結し、日本における臨床開発の準備を進めています。更に、医薬品技術と素材技術を融合させた画期的な医薬品として、止血・接着効果の高い外科手術用シート状フィブリン糊接着剤「KTF-374」の開発を推進することとし、帝人ファーマ㈱と一般財団法人化学及血清療法研究所が共同で日本における臨床開発の準備を進めています。平成26年9月には、その一環として、岩国事業所(山口県岩国市)に融合製剤棟を新設することとしました。

  平成26年6月には高尿酸血症・痛風治療剤「フェブリク錠」の新剤形・新用量として「TMX-67XR」の臨床開発に着手し、気管支喘息治療薬として開発中の「PTR-36」は平成26年12月に第2相臨床試験に移行しました。更に、平成27年2月には、小型で服用しやすく、1日1回の服用で効果が持続する去痰薬「ムコソルバンL錠45mg」(一般名:アンブロキソール塩酸塩)の製造販売承認を取得しました。

在宅医療分野では、東日本大震災以降、医療従事者や在宅酸素療法で療養中の患者さんから寄せられた要望や不安・不便の声に応え得る機能を備えた新製品2機種を、平成26年6月に上市しました。

呼吸同調式レギュレータ「サンソセーバー5」は、呼吸同調器と減圧器が一体となっているため、酸素ボンベへの装着が容易です。本装置を酸素ボンベに装着することにより、装着しない場合に比べ、酸素ボンベの持ち時間が約4倍に長くなり、1分当たり7リットル相当の流量に対応することができます。また、操作部や計器にランプや蓄光シート等を備えているため、暗い場所での視認性が向上しています。

在宅医療用酸素濃縮装置の新機種「ハイサンソ5S」は、これまでの安心・安全機能はそのままに、オプションの非常用バッテリーを装着することにより、停電発生時に患者さんが落ち着いて非常用酸素ボンベからの酸素吸入に切り替えることができます。また、Bluetoothをリモコンに採用することにより、トイレや階段の昇降等、酸素が必要な生活シーンに合わせ、手元で酸素流量の変更や電源操作を行うことが可能となります。

これら2製品とも順調にレンタル台数を伸ばしており、今後は主力製品として市場に展開していく予定です。。

当セグメントに係る研究開発費は145億円です。

 

製品事業

:  帝人フロンティア㈱を中心に新製品の企画開発を主とする研究開発を行っています。多様化・細分化する市場ニーズに沿った新製品開発のために、試験反作成、品質調査、物性テスト等の試作・試験を実施しています。

当セグメントに係る研究開発費は5億円です。

 

帝人㈱で行うコーポレート研究(グループ共通の基礎研究及び新事業・新製品創出)では、帝人グループの発展戦略を実現すべく、素材技術・ヘルスケア技術・IT技術の融合により、新事業の創出を目指して研究開発に取り組んでいます。

高変換効率太陽電池を製造するための材料となる「NanoGramシリコンペースト」、及びその素材性能を最大限に引き出すための加工技術を世界で初めて開発し、今後太陽電池メーカーへのマーケティング活動、共同開発活動を本格的に展開し早期採用を推進していきます。

先端医療材料等の事業化への取り組みの一つとしては、「心臓修復パッチの開発」が経済産業省の医工連携事業化推進事業に採択され、大阪医科大学、福井経編興業㈱との共同開発を行うこととなりました。本プロジェクトでは、強度と伸長性を同時に実現する従来にない「自己組織に置換され、伸長する心臓修復パッチ」の開発を目指します。

またポリ乳酸繊維を使用した圧電ファブリックを関西大学との共同開発で開発しました。「着用するだけで精緻な動きを精緻に再現する」ことにより、これまで成し得なかったセンシング技術を確立し、これを用いた製品の市場展開を目指します。

これらに係る研究開発費は83億円です。これらの費用については、各セグメントへの配賦は行わずに「消去又は全社」に表示しています。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 重要な会計方針及び見積り

帝人グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しています。その作成においては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断していますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性の存在により、これらの見積りと異なる場合があります。

帝人グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載していますが、特に次の重要な会計方針が連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を及ぼすと考えています。

① 貸倒引当金の計上基準

帝人グループでは、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を繰入計上しています。将来、顧客の財務状況等が悪化し支払能力が低下した場合には、引当金の追加計上または貸倒損失が発生する可能性があります。

② たな卸資産の評価基準

帝人グループの販売する製品の価格は、市場相場変動の影響を強く受ける傾向にあるので、その評価基準として主に原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定しています。)を採用しています。

③ 投資有価証券の減損処理

帝人グループは、金融機関や、製造・販売等に係る取引会社及び関係会社の株式を保有しています。これらの株式は、株式市場の価格変動リスクや、経営状態・財務状況の悪化による価値下落リスクを負っているため、合理的な基準に基づき、投資有価証券の減損処理を行っています。

④ 繰延税金資産の回収可能性

帝人グループは、繰延税金資産の回収可能性の評価に際し、将来の課税所得を合理的に見積っています。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得の見積りに依存するので、課税所得の見積額が減少した場合は繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。

 

(2) 経営成績の分析

帝人グループの平成26年度連結決算は、売上高は円安の影響もあり各事業とも増収基調で推移しましたが、一方でパラキシレンの自社生産・販売を中止した影響もあり、前期比ではほぼ横ばい(17億円増)の7,862億円となりました。営業利益は素材事業を中心に大きく改善し、前期比210億円増加し391億円(同116.2%増)となりました。高機能繊維・複合材料事業の業績回復や、電子材料・化成品事業を中心とした構造改革効果に加え、円安や原燃料価格下落の影響も収益改善に寄与しています。経常利益では為替差益等も加わり同225億円増の424億円(同113.1%増)となりました。一方で当期純利益は、構造改革等に伴う特別損失を471億円計上したことから、同164億円減少し81億円の赤字となりました。1株当たり当期純利益は△8円23銭(同16円73銭減)となりました。

 

(3) 財政状態の分析

① 資産、負債、純資産

総資産は8,237億円となり、前期末に比べ553億円増加しました。円安を受けて外貨建て資産の円建て評価額が増加し、科目別にみると減損処理に伴い固定資産は減少しましたが、一方で株式の取得等により投資有価証券が増加しました。

負債は前期末比518億円増加し、5,201億円となりました。この内借入金、社債等の有利子負債は、新株予約権付社債の発行等もあり同267億円増加し、3,082億円となりました。

純資産は3,036億円となり、前期末に比べ35億円増加しました。この内「株主資本」に「その他の包括利益累計額」を加えた自己資本は、2,871億円と前期末比54億円増加しました。これは当期純損失による減少があったものの、「その他有価証券評価差額金」等が増加したこと等によります。

② キャッシュ・フロー

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、当期純損失に対し、減価償却費や減損損失といった非資金項目が大きいことから、合計で760億円の資金収入となりました。

投資活動によるキャッシュ・フローは、固定資産及び投資有価証券の取得等により496億円の資金支出となりました。

この結果、営業活動に投資活動を加えたキャッシュ・フローは264億円の資金収入となりました。

財務活動によるキャッシュ・フローについては、社債の発行及び償還、長短借入金の借入・返済と配当金支払い等の差し引きで104億円の資金収入となりました。

またこれらの結果、現金及び現金同等物に係る換算差額等も加え、最終的な現金及び現金同等物の増加額は376億円となりました。

 

また、財政状態に関する各種指標は以下のとおりです。

 

第145期

第146期

第147期

第148期

第149期

ROA(%)

6.1

4.5

1.6

2.4

4.9

ROE(%)

9.1

4.2

△10.3

3.0

△2.8

D/Eレシオ

0.94

0.89

1.00

1.00

1.07

自己資本比率(%)

37.3

38.3

35.6

36.7

34.9

時価ベースの自己資本比率(%)

44.7

37.8

31.3

34.9

43.5

キャッシュ・フロー対有利子負債比率

3.5

4.9

4.2

7.3

4.1

インタレスト・カバレッジ・レシオ

17.2

10.9

18.4

10.5

23.8

(注)各指標はいずれも当社連結ベースの財務数値を用いて算出しています。

・ROA:営業利益/期首・期末平均総資産

・ROE:当期純利益/期首・期末平均自己資本

・D/Eレシオ:期末有利子負債/期末自己資本

・自己資本比率:(期末純資産の合計−期末新株予約権−期末少数株主持分)/期末総資産

・時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/時価ベースの総資本

*株式時価総額・・・期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)にて算出。

*時価ベースの総資本・・・期末自己資本を時価ベースに置き換えて算出。

・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

*営業キャッシュ・フロー・・・連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用。

・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

*利払い・・・連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用。





出典: 帝人株式会社、2015-03-31 期 有価証券報告書