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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度の業績は以下のとおりとなりました。

 

[連結経営成績]

売上高
・当連結会計年度の売上高は1兆56億円(対前連結会計年度比3.7%増)となりました。

・新製品の前立腺がん治療剤XTANDI、過活動膀胱治療剤ベタニス/ミラベトリック/ベットミガなどが売上増加に寄与しました。また、過活動膀胱治療剤ベシケアやキャンディン系抗真菌剤ファンガード/マイカミンなどが引き続き伸長したほか、免疫抑制剤プログラフの売上が拡大しました。

・一方、前立腺肥大症の排尿障害改善剤ハルナールは後発医薬品の影響などにより売上が減少しました。

 

(地域別売上の状況)

※地域別売上高については売上元会社の所在地を元に集計しています。

◇ 日本

・日本の売上高は5,575億円(同0.2%減)となりました。このうち、国内市場での売上高は、平成24年4月に実施された薬価改定や後発医薬品の影響などを受けましたが、5,357億円(同0.8%減)と若干の減少に留まりました。プログラフ、ベシケアのほか、持続性アンジオテンシンⅡ受容体拮抗剤ミカルディス(配合剤のミコンビ及びミカムロを含む)、非ステロイド性消炎・鎮痛剤セレコックス、成人気管支喘息治療剤シムビコート、骨粗鬆症治療剤ボノテオなどが伸長しました。このほか、ベタニス、高カリウム血症改善剤アーガメイト(平成24年4月より販売)などの新製品が売上に寄与しました。一方、後発医薬品の影響などにより、高コレステロール血症治療剤リピトールや消化性潰瘍・胃炎治療剤ガスター、ハルナールなどの売上は減少しました。なお、平成24年6月に高リン血症治療剤キックリン、同年7月にレストレスレッグス症候群治療剤レグナイト、同年10月に前立腺がん治療剤ゴナックス及び四種混合ワクチン クアトロバック、平成25年3月に成人関節リウマチ治療剤シムジアをそれぞれ発売しました。また、シムビコートは、平成24年6月に新たな用法・用量として、維持療法に加えて頓用吸入する治療法について承認を取得したほか、同年8月に「慢性閉塞性肺疾患」の追加適応症について承認を取得しました。

 

◇ 海外

・米州の売上高は2,087億円(同13.7%増)となりました。なお、現地通貨ベースでの売上高は、2,511百万ドル(同8.2%増)となりました。米国において平成24年9月に発売したXTANDI、同年10月に発売したミラベトリックが売上増加に寄与しました。また、プログラフ、ベシケア、マイカミン、心機能検査補助剤レキスキャンが伸長したほか、抗がん剤タルセバの収入が増加しました。

・欧州の売上高は1,964億円(同2.5%増)となりました。なお、現地通貨ベースでの売上高は1,833百万ユーロ(同4.2%増)となりました。ベシケア、マイカミンのほか、前立腺がん治療剤エリガードの売上が拡大しました。プログラフ、ハルナールの自社販売による売上は、各国での価格の引き下げや後発医薬品の影響などにより減少しました。なお、平成24年5月にクロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤ディフィクリア、平成25年2月にベットミガをそれぞれ発売しました。

・アジアの売上高は429億円(同20.1%増)となりました。プログラフ、ハルナールのほか、ベシケア、マイカミン、アトピー性皮膚炎治療剤プロトピックなどの売上が拡大し、増収となりました。

 

営業利益

・連結営業利益は1,538億円(同17.0%増)となりました。

・売上原価率は、製品構成の変化などにより前連結会計年度より0.6ポイント低下し、32.2%となりました。売上高の増加に加えて、売上原価率が低下したことから、売上総利益は前連結会計年度比4.7%増加し、6,814億円となりました。

・販売費及び一般管理費合計は5,276億円(同1.6%増)となりました。このうち、研究開発費は、有形固定資産の減価償却方法を変更した影響や英国子会社のプロシディオン社に関わる研究開発費の減少などにより、前連結会計年度比4.2%減少し、1,819億円となりました。対売上高研究開発費比率は、前連結会計年度から1.5ポイント低下し、18.1%となりました。また、研究開発費を除く販売費及び一般管理費は、米国のがん事業に関わる費用やアジアでの営業力強化に伴う経費の増加に加え、為替の影響などもあり、前連結会計年度比4.9%増加し、3,456億円となりました。

 

経常利益

・連結経常利益は1,571億円(同16.3%増)となりました。

・営業外収益は、前連結会計年度と同水準の40億円となりました。営業外費用は、前連結会計年度に比べ2億円増加し7億円となりました。

 

当期純利益

・連結当期純利益は828億円(同5.9%増)となりました。

・特別利益は、投資有価証券売却益54億円を計上したことなどから58億円となりました。特別損失は、有形固定資産及び仕掛研究開発に関わる無形固定資産などの減損損失347億円を計上したことなどから382億円となりました。

・また、法人税等の負担率は、海外グループ会社からの配当方針の変更及び税制改正による影響などにより一時的に上昇した前連結会計年度に比べ低下しました。

  

[セグメント情報]

当社グループは、医薬品事業の単一セグメントのため、記載を省略しています。

 

(2)キャッシュ・フロー
 
[営業活動によるキャッシュ・フロー]

・当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、1,441億円(対前連結会計年度比285億円減)となりました。

・税金等調整前当期純利益が1,246億円(同24億円減)、法人税等の支払額が434億円(同68億円支出減)となりました。

 

[投資活動によるキャッシュ・フロー]

・当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、△486億円(同226億円支出増)となりました。

・投資有価証券の売却による収入104億円などがあった一方で、有形固定資産の取得による支出313億円、無形固定資産の取得による支出362億円などがありました。

 

[財務活動によるキャッシュ・フロー]

・当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、△1,097億円(同517億円支出増)となりました。

・配当金の支払額は600億円(同23億円支出増)となりました。また、自己株式の取得による支出493億円などがありました。


以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、2,649億円(対前連結会計年度末比125億円増)となりました。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成24年4月1日
 至 平成25年3月31日)
金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

医薬品事業

550,335

124.1

合計

550,335

124.1

(注)1.金額は、販売価格によっています。

2.本表の金額には、消費税等は含まれていません。

(2) 受注状況

当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

(3) 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりです。

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 平成24年4月1日
 至 平成25年3月31日)
金額(百万円)

前連結会計年度比(%)

医薬品事業

1,005,611

103.7

合計

1,005,611

103.7

(注)1.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は、以下のとおりです。

相手先

前連結会計年度
(自 平成23年4月1日
 至 平成24年3月31日)

当連結会計年度
(自 平成24年4月1日
 至 平成25年3月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

株式会社スズケン

119,635

12.3

123,175

12.2

株式会社メディセオ

117,083

12.1

115,956

11.5

アルフレッサ株式会社

110,758

11.4

106,533

10.6

2.本表の金額には、消費税等は含まれていません。

3【対処すべき課題】

当社グループは、経営理念に基づき、中長期的に目指すべき方向と、これを達成するための指針・戦略を明確にした経営ビジョン「VISION 2015」を策定しています。更に「VISION 2015」の実現に向け、より具体的な取り組みを進めるために、平成22年(2010年)度から平成26年(2014年)度までの5ヵ年の中期経営計画(2014中期経営計画)を策定し、平成22年5月に公表しました。

 

(1)VISION 2015

当社グループは、未だ治療満足度が低く、高い専門性が必要とされる複数の疾患領域(カテゴリー)において、グローバルに付加価値の高い製品を提供することで競争優位を確立する「グローバル・カテゴリー・リーダー」というビジネスモデルを構築し、「健康を願う人々への付加価値最大化」を通じ、企業価値の持続的な向上を目指しています。同時に、ビジネスモデルを支える「人的資源の活用」、「最適なマネジメントコントロールの構築」、「CSR経営の推進」を重要課題と位置づけ、これらの課題へも積極的に取り組んでいきます。

 

(2)2014中期経営計画

当社グループは、主力製品であるプログラフ、ハルナールの米国特許満了に伴う後発医薬品発売による売上・利益の減少を克服し、当社グループが有する強みを最大限に活用しながら新たなステージへと成長を加速していくため、「領域戦略」、「地域戦略」、「R&Dイノベーション戦略」の3つを柱とする成長戦略を推進していくとともに、コストの更なる効率化に取り組んでいきます。

1)領域戦略

・ 泌尿器領域においては、ベシケアとミラベグロンによりグローバルでの過活動膀胱市場においてNo.1ポジションを更に強固にするとともに、泌尿器領域での圧倒的なプレゼンスの確立を図ります。

・ 移植領域においては、グローバルにおけるプログラフビジネスの最大化を引き続き推進するとともに、開発パイプラインにある化合物の開発加速、研究技術基盤の一層の強化、更には再生医療医薬品の研究に着手するなど、中長期での移植医療への更なる貢献を目指します。

・ がん領域においては、泌尿器、移植に次ぐ第3のグローバル・カテゴリー・リーダーを目指し、開発パイプラインにある化合物の開発加速とともに、新規ターゲットと最新テクノロジーの活用による開発パイプラインの一層の強化を図り、事業基盤の早期確立を目指します。

2)地域戦略

・ BRICS等の新興国市場までカバーする自社販売網を更に強化するとともに、日本、米州、欧州、アジアの4極でのバランスのとれたグローバル展開を推進していきます。

・ 日本においては、成長製品の拡大に加え、新製品の継続的な上市により本中期経営計画期間中に国内シェアNo.1の実現を目指します。

・ 米州においては、成長製品と新製品の拡大のほか、ラテンアメリカでのビジネス拡大により、更なる成長を目指します。

・ 欧州においては、成長製品と新製品の拡大のほか、ビジネス地域の一層の拡大により、事業基盤の更なる強化を図ります。

・ アジアにおいては、主力製品の成長に加えて、特に中国市場での営業体制強化による事業拡大を図ることにより、飛躍的な成長を目指します。

3)R&Dイノベーション戦略

・ 分子標的と精密診断に基づき、厳密に定義された特定の患者セグメントに対して高い効果を示す治療薬(Precision Medicine)への創薬アプローチを積極的に行っていきます。

・ 重点研究領域である「泌尿器疾患」、「免疫疾患(移植を含む)及び感染症」、「がん」、「精神・神経疾患」、「糖尿病合併症及び腎疾患」に経営資源を集中し、革新的新薬の創出を目指します。

・ 低分子合成、醗酵、抗体、蛋白質などの多様な新規分子成分の創出技術を一層活用していきます。本中期経営計画期間中は、特に抗体医薬に重点的な投資を行っていきます。

・ 創薬研究においては、最先端技術の活用により製品創出力の更なる向上を図るとともに、将来の市場構造変化に備え、最先端科学の創薬研究とビジネスモデル探索にも着手していきます。

4)株主還元方針

・ 持続的な企業価値の向上と、それを通じた株主還元の向上に取り組みます。成長を実現するための事業投資を優先しながら、配当については、中長期的な利益成長に基づく安定的かつ持続的な向上に努めるとともに、機動的な自己株式取得の実施により、資本効率と還元水準の更なる向上を図ります。

 

(3)グローバル経営体制の強化

当社グループは、以下のグローバルマネジメント体制を構築しています。今後も更なるグローバルマネジメント体制の強化に取り組んでいきます。

・ 権限の委譲及び経営判断の一層の迅速化を図るため、平成25年4月に社長直属のメディカル担当役員を新設し、医学的根拠に基づいた医薬品情報の創造及び安全性情報の的確な収集・提供機能をグローバル規模で強化するとともに、これら機能の意思決定並びに責任主体を明確にするなど、トップマネジメント体制を含むグローバルな経営体制の整備に取り組んでいます。

・ グローバル経営会議、財務経営管理会議、グローバル人事会議を設置し、当社及びグループ会社における、グローバル経営に関する重要事項、財務経理・経営管理に関する重要事項、人事に関する重要事項を協議しています。

・ 研究、開発(米国に機能本社設置)、技術、信頼性保証の4つの部門については、機能をベースとしてグローバルにマネジメントを行い、営業部門については、地域毎にマネジメントを行う「マトリックスマネジメント」を推進しています。なお、グローバル経営会議は、トップマネジメントのほか、各機能及び地域の責任者で構成されています。

・ 株主・投資家向け広報(IR)活動の推進、会社情報の開示等に関する事項の協議を行うIR委員会をはじめ、社会的責任を果たすうえで重要な活動(環境、安全衛生、社会活動等)に関する方針、計画等を協議するCSR委員会、リスク管理方針及び施策等を協議するリスク管理委員会などを設置しています。また、平成24年4月に、グローバルでのコンプライアンス方針や計画等について協議を行うグローバル・コンプライアンス委員会を設置するとともに、世界各地域におけるコンプライアンス委員会も設置しています。

 

4【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関連する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、主として以下のようなものがあります。

なお、文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末において判断したものです。

[研究開発に関するリスク]

一般に、医薬品の創薬研究において有用な化合物を発見できる可能性は決して高くはありません。また、創薬研究により発見された新規化合物を開発し、成功裏に上市させるためには多額の投資と長い期間を必要としますが、開発の過程で期待した有効性が証明できない場合や安全性などの理由により、開発の継続を断念しなければならない可能性があります。加えて、医薬品は各国の法規制のもとで承認を取得しなければ販売できず、承認取得の可否及び時期についても正確な予測は困難です。

当社グループにおける研究開発活動は、このような医薬品の研究開発に内在するリスクを伴っています。

 

[販売に関するリスク]

製薬産業は技術の進歩が急速で、競争が激しいという特徴を有しています。当社グループは国内外の大手製薬会社や後発品メーカーとの激しい競争に直面しており、当社グループの製品に対して強力な競合品が発売された場合、当社グループの経営成績は大きな影響を受ける可能性があります。

 

[知的財産権に関するリスク]

当社グループの事業は多くの特許によって保護されています。当社グループでは、知的財産権を適切に管理し、第三者からの侵害に注意を払っていますが、第三者から侵害を受けた場合には、当社グループの経営成績は大きな影響を受ける可能性があります。また、その保護のために、訴訟を提起する場合もありますが、その動向によっては当社グループの経営成績は大きな影響を受ける可能性があります。

なお、当社グループの事業が第三者の知的財産権を侵害することのないように注意を払っていますが、万が一侵害があった場合は訴訟を提起されるリスクがあり、当社グループの経営成績は大きな影響を受ける可能性があります。

 

[副作用・安全性に関するリスク]

製品に重大な副作用その他の安全性の問題が発生した場合、当社グループの経営成績は大きな影響を受ける可能性があります。

  

[薬事行政の影響]

医薬品事業は、事業を行っている各国の薬事行政により様々な規制を受けています。例えば、日本において実施される薬価改定など、先進国を中心とした医療費抑制策、開発、製造及び流通に係る諸規制の厳格化などは経営成績に影響を与える要因となります。

 

[環境問題に関するリスク]

当社グループは、環境・安全衛生に関して、関係法令等の遵守はもとより、さらに高い自主基準を設定してその達成に努めていますが、万が一事業活動を行う過程において事故等により関係法令等の違反が生じた場合、関連費用等のため当社グループの経営成績は大きな影響を受ける可能性があります。

 

[為替レートの変動]

当社グループの事業は多くの国及び地域で営まれているため、当社グループの経営成績及び財政状態は為替レート変動の影響を受けます。

 

これらのほか、当社グループが事業活動を行う過程において訴訟を提起されるリスクや、災害などにより製造が遅滞または休止するリスク、他社が開発した医薬品のライセンス及び販売に一部依存するリスクなど、さまざまなリスクが存在しており、ここに記載されたものが当社グループのすべてのリスクではありません。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)技術導入契約

契約会社名

相手先

国名

技術の種類

対価

契約期間

当社

ファイザー社

アメリカ

アトルバスタチン(リピトール)に関する技術

契約一時金

1993.11〜2021.3まで

セレコキシブ(セレコックス)に関する技術

契約一時金

2001.3〜両者が終了に合意するまで

当社

アストラゼネカ社

イギリス

フマル酸クエチアピン(セロクエル)に関する技術

契約一時金

1998.12〜2016.2まで
但し、徐放錠は発売後10年間(その後当社が販売継続オプション権を有する)

当社

味の素製薬株式会社

日本

ナテグリニド(スターシス)に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

1999.6〜特許満了日まで(その後1年毎自動更新)

当社

フィブロジェン社

アメリカ

YM311(FG-2216)、ASP1517(FG-4592)及びこれらと同様の作用機序を有する経口貧血治療剤に関する技術

契約一時金

2005.6〜終期の定めなし(日本)
2006.4〜後発品のシェアが一定率を越えた時点又は特許満了日まで(その後当社が販売継続オプション権を有する)(欧州等)

当社

ゼノポート社

アメリカ

ガバペンチン エナカルビル(レグナイト)に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2005.12〜終期の定めなし

当社

フェリング社

スイス

デガレリクス(ゴナックス)に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2006.1〜発売後10年間又は特許満了日まで

当社

富山化学工業株式会社

日本

ガレノキサシン(ジェニナック)に関する技術

契約一時金

2006.3〜特許満了日まで(その後2年毎自動更新)

当社

株式会社免疫生物研究所

日本

抗ヒトオステオポンチン抗体等に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2006.3〜特許満了日まで

当社

イリプサ社

アメリカ

ビキサロマー(キックリン)に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2006.4〜発売後15年間又は特許満了日まで
(その後当社が販売継続オプション権を有する)

当社

協和発酵キリン株式会社

日本

抗CD40抗体に関する技術

契約一時金

2007.1〜販売終了まで

当社

ゼリア新薬工業株式会社

日本

アコチアミド(アコファイド)に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2012.12〜薬価収載後10年間又は特許満了日まで(その後両者が終了に合意しない限り10年間延長)

当社

リジェネロン社

アメリカ

ベロシイミューン・マウスに関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2007.3〜2023.6まで(抗体のロイヤリティー支払期間は発売後一定期間)

 

契約会社名

相手先

国名

技術の種類

対価

契約期間

当社

コメンティス社

アメリカ

ベータセクレターゼ阻害剤に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2008.4〜全ての研究・開発・販売が終了する日まで

当社

メディベーション社

アメリカ

エンザルタミド(XTANDI)に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2009.10〜販売終了まで(米国)
2009.10〜特許満了、規制上の独占販売期間の満了及び後発品発売の全事象の発生日まで(その後販売継続可能)(米国以外)

当社

アイアンウッド社

アメリカ

リナクロチドに関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2009.11〜販売終了まで

当社

アンビット社

アメリカ

FLT3チロシンキナーゼ阻害剤に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2009.12〜2013.9

当社

バシリア ファーマシューティカ インターナショナル社

スイス

アゾール系抗真菌剤イサブコナゾールに関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2010.2〜発売後15年間又は特許満了日まで

当社

株式会社UMNファーマ

日本

細胞培養インフルエンザワクチンに関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2010.9〜当社が製品の販売を終了する日まで

当社

あすか製薬株式会社

日本

AKP-002に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2010.10〜発売後10年間又は特許満了日まで

当社

アラヴィタ社

アメリカ

ダイアネキシンに関する技術

契約一時金

2010.10〜オプション行使による資産買収完了時まで

当社

アヴェオ社

アメリカ

チロシンキナーゼ阻害剤に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2011.1〜発売後12年間又は特許満了日まで

当社

バイカル社

アメリカ

サイトメガロウイルス血症予防ワクチンに関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2011.7〜発売後10年間経過日、規制上のデータ保護期間満了日又は特許満了日の最も遅い日まで(その後当社が販売継続オプション権を有する)

当社

株式会社イーベック

日本

ヒト抗サイトメガロウイルス抗体に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2011.9〜当社が全てのエリアで販売を中止するまで

当社

UCB社

ベルギー

セルトリズマブ ペゴル(シムジア)に関する技術

契約一時金

2012.1〜特許満了日まで

アステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.

ニューロジェシックス社

アメリカ

末梢神経因性疼痛治療剤キューテンザに関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2009.6〜発売後10年間又は特許満了日まで

 

契約会社名

相手先

国名

技術の種類

対価

契約期間

当社

オプティマー社

アメリカ

クロストリジウム・ディフィシル感染症治療剤フィダキソマイシンに関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2012.3〜四半期ベースで後発品のシェアが一定率を超えるまで(その後当社が販売継続オプション権を有する)(日本)

アステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.

2011.2〜四半期ベースで後発品のシェアが一定率を超えるまで(その後当社が販売継続オプション権を有する)(欧州等)

アステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.

トルマー社

アメリカ

進行性前立腺がん治療剤エリガードに関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2004.1〜2021.9まで

(但し、2004.1〜2011.3の期間は、独メディジーン社からの再実施許諾)

アステラスUS LLC

キング ファーマシューティカルズ社

アメリカ

アデノシン(アデノスキャン)に関する技術

一定率のロイヤリティー

1988.12〜特許満了日まで

アステラスUS LLC

ギリアード サイエンシズ社

アメリカ

アンフォテリシンB(アンビソーム)に関する技術

なし

1991.8〜特許満了日まで

アステラスUS LLC

ギリアード パロアルト社

アメリカ

レガデノソン(レキスキャン)に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2000.7〜発売後10年間又は特許満了日まで
(その後当社が販売継続オプション権を有する)

アジェンシス Inc.

シアトルジェネティクス社

アメリカ

ADCに関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2007.1〜全ての研究・開発・販売が終了する日まで

 

(2) 技術導出契約

契約会社名

相手先

国名

技術の種類

対価

契約期間

当社

ヤンセン・バイオテック社

アメリカ

ASP015Kに関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2012.10〜特許満了日、規制上のデータ保護期間満了日又は発売後10年間経過日の最も遅い日まで

アステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.

ベーリンガーインゲルハイム社

ドイツ

塩酸タムスロシンOCAS製剤に関する技術

なし

2005.4〜発売後10年間(欧州等)

当社及びアステラス ファーマ ヨーロッパ Ltd.

一定率のロイヤリティー

2006.4〜発売後10年間又は特許満了日まで(カナダ等)

一定率のロイヤリティー

2007.3〜発売後10年間又は特許満了日まで(メキシコ等)

なし

2007.5〜発売後10年間又は特許満了日まで(南米)

アステラス ドイッチランド GmbH

セファロン社

アメリカ

ベンダムスチン塩酸塩に関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2003.5〜発売後7年間(北米)

ムンディファーマインターナショナル社

バミューダ

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2006.10〜2021.9まで(その後2年毎自動更新)(欧州)

シンバイオ製薬株式会社

日本

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2005.12〜発売後10年間又は一定の独占性を失った日まで(日本、中国、韓国、台湾及びシンガポール)

シラグGmbHインターナショナル社

スイス

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2010.7〜発売後10年間(その後シラグ社に5年間の契約更新オプション有り)(南米及び上述以外のアジア各国)

OSI ファーマシューティカルズ LLC

エフ ホフマン-ラ ロッシュ社

スイス

エルロチニブに関する技術

契約一時金及び一定率のロイヤリティー

2001.1〜各国毎に特許満了日まで(特許のない国では発売後10年間経過日まで)

 

(3) 取引契約

契約会社名

相手先

国名

契約内容

契約期間

当社

トーアエイヨー株式会社

日本

同社の医薬品の販売契約

2017.3まで(その後2年毎自動更新)

当社

東レ株式会社

日本

同社の「ドルナー」の販売契約

1992.2〜2024.3(その後1年毎更新)

当社

サノフィ株式会社

日本

同社の「マイスリー」の販売契約

2008.1〜販売する限り

当社

日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社

日本

同社の「ミカルディス」の販売契約(「ミコンビ」「ミカムロ」等を含む)

2002.9〜2016.12

当社

アストラゼネカ社

スウェーデン

同社の「シムビコート」の販売及び共同販促契約

2009.7〜2019.7(その後1年毎自動更新)

当社

ファイザー株式会社

日本

同社の「カデュエット」の販売及び共同販促契約

2011.10〜「リピトール」契約満了日に準ずる日まで

当社

マルホ株式会社

日本

当社の「プロトピック軟膏」の日本におけるプロモーション委託及び独占的販売権許諾契約

2010.7〜2029.3(その後1年毎自動更新)
2011.4〜2014.3 プロモーション委託
2014.4〜 独占的販売権許諾

当社

株式会社三和化学研究所

日本

同社の「アーガメイト」の販売及び共同販促契約

当社の「キックリン」の共同販促契約

2012.3〜2022.3(その後協議により更新)

OSI ファーマシューティカルズ LLC

ジェネンティック社

アメリカ

当社の「タルセバ」の共同開発及び共同事業化契約

2001.1〜利益・損失分配のための清算が終了する日まで

  

(4) その他

アストラゼネカ社との2型糖尿病治療薬に関するオプション契約

前連結会計年度において、当社、当社の子会社であるプロシディオン社とアストラゼネカ社(スウェーデン)との間で、プロシディオン社が開発を進めていた新規作用機序の2型糖尿病治療薬について、関連資産を取得するための独占的なオプションを許諾する契約を締結しましたが、当連結会計年度において、アストラゼネカ社から同オプションを行使しない旨の通知を受領したことに伴い、本契約は終了しました。

 

6【研究開発活動】

当社グループは、有効な薬剤が存在せず治療満足度の低い疾患領域で、革新的で有用な新薬を継続的かつ早期に創出することにより、中長期にわたる持続的な成長を目指しています。このため研究開発活動の推進を最重点事項として積極的に取り組んでいます。

 

(1)創薬研究の取り組み

「泌尿器疾患」、「免疫疾患(移植を含む)及び感染症」、「がん」、「精神・神経疾患」、「糖尿病合併症及び腎疾患」を重点研究領域と位置づけ、経営資源の集中を図っています。

創薬研究においては、分子標的と精密診断に基づくPrecision Medicineへの創薬アプローチを推進するとともに、外部との提携を通じて最先端の技術・ノウハウを積極的に取り込み、革新的新薬の創出を目指しています。また、将来の市場構造の変化に備え、再生医療やワクチンなど新技術の研究開発にも挑戦しています。

 

(2)臨床開発の取り組み及び主な研究開発の進展状況

グローバル開発体制を一層強化するとともに、より優先度の高いプロジェクトに資源を集中することにより開発のスピードアップを図っています。当連結会計年度における主な開発の進展状況は以下の通りです。

(日本での臨床開発)

・ 前立腺がん治療剤ゴナックス(一般名:デガレリクス酢酸塩)に関し、平成24年6月に承認を取得し、同年10月に発売しました。

・ 下痢型過敏性腸症候群治療剤イリボー(一般名:ラモセトロン塩酸塩)の追加剤形として開発している口腔内崩壊錠に関し、「男性における下痢型過敏性腸症候群」の適応症について、平成24年8月に承認申請しました。

・ 速効型食後血糖降下剤スターシス(一般名:ナテグリニド)に関し、平成24年10月に味の素製薬株式会社との間で、DPP-4阻害剤との併用試験に関する共同開発契約を締結しました。

・ ユーシービージャパン株式会社と共同で開発を進めている成人関節リウマチ治療剤シムジア(一般名:セルトリズマブ ペゴル)に関し、成人に対する「既存治療で効果不十分な関節リウマチ(関節の構造的損傷の防止を含む)」の適応症について、平成24年12月に承認を取得し、平成25年3月に発売しました。

・ 催眠鎮静剤ドルミカム(一般名:ミダゾラム)に関し、「歯科・口腔外科領域における意識下鎮静」の追加適応症について、平成25年2月に承認申請しました。

・ 合成ペニシリン製剤サワシリン(一般名:アモキシシリン水和物)に関し、「プロトンポンプ阻害薬、クラリスロマイシン又はメトロニダゾールとの3剤併用によるヘリコバクター・ピロリ感染胃炎におけるヘリコバクター・ピロリの除菌療法」の追加適応症について、平成25年2月に承認を取得しました。

・ 2型糖尿病治療薬イプラグリフロジン(一般名、開発コード:ASP1941)に関し、平成25年3月に承認申請しました。なお、欧米の開発については、本剤の競合状況、他の開発品との優先度等を総合的に勘案し、中止しました。

・ ゼリア新薬工業株式会社と共同で開発を進めてきた機能性ディスペプシア治療剤アコファイド(一般名:アコチアミド塩酸塩水和物)に関し、平成25年3月に承認を取得しました。

(海外での臨床開発)

・ 米国メディベーション社と共同で開発を進めている経口アンドロゲン受容体阻害剤エンザルタミド(一般名、開発コード:MDV3100)に関し、「ドセタキセルによる化学療法施行歴を有する転移性去勢抵抗性前立腺がん」の適応症について、平成24年5月に米国で、同年6月に欧州でそれぞれ承認申請しました。なお、米国においては優先審査を経て平成24年8月に承認を取得し、同年9月にXTANDIの製品名で発売しました。

・ 過活動膀胱治療剤ミラベグロン(一般名、開発コード:YM178)に関し、「過活動膀胱における尿意切迫感、頻尿及び切迫性尿失禁」の適応症について、平成24年6月に米国で承認を取得しました。なお、本剤については、米国において平成24年10月にミラベトリックの製品名で発売しました。また、欧州において平成24年12月に承認を取得し(欧州での製品名:ベットミガ)、平成25年2月に販売を開始しました。

・ 免疫抑制剤タクロリムス(一般名、開発コード:FK506)徐放性製剤に関し、「成人腎臓移植患者及び成人男性肝臓移植患者における拒絶反応の抑制」の適応症について、平成24年9月に米国で承認申請しました。なお、成人男性肝臓移植患者の適応症については、申請を取り下げています。

・ 米国アヴェオ社と共同で開発を進めている血管内皮細胞増殖因子(VEGF)受容体1、2、3阻害剤チボザニブ(一般名、開発コード:ASP4130)に関し、「進行性腎細胞がん」の適応症について、平成24年9月に米国で承認申請しました。

・ キャンディン系抗真菌剤ミカファンギン(一般名、開発コード:FK463)に関し、「カンジダ性敗血症、急性播種性カンジダ症、カンジダ性腹膜炎・膿瘍、食道カンジダ症、造血幹細胞移植患者におけるカンジダ感染症の予防」に関する小児の追加適応症について、平成24年9月に米国で承認申請しました。

・ HER1/EGFRチロシンキナーゼ阻害剤タルセバ(一般名:エルロチニブ)に関し、「EGFR遺伝子変異を有する局所進行性又は転移性の非小細胞肺がんに対する一次治療」の追加適応症について、平成24年11月に米国で承認申請しました。

・ 当社の英国子会社であるプロシディオン社がアストラゼネカ社に付与した、新規作用機序の2型糖尿病治療薬であるPSN821及びPSN842に関連する資産を取得する独占的なオプション権に関し、平成24年11月にアストラゼネカ社から同オプション権を行使しない旨の通知を受領しました。これを受けて、重点領域や他の開発品との優先度等を総合的に勘案し、戦略的な観点からPSN821及びPSN842の開発を中止しました。

・ 米国アンビット社との間で平成21年に締結した全世界でのキザルチニブ(一般名、開発コード:AC220)を含むFLT3チロシンキナーゼ阻害剤の共同開発・商業化に関する契約について、平成25年3月に当社は戦略上の理由で解約権を行使し、平成25年9月3日をもって契約を終了することになりました。 

 

(3)技術開発の取り組み

がん領域を中心とした開発パイプラインの充実に伴い需要が増大する高薬理活性の開発用原薬を安定供給するため、平成24年8月にアステラス ファーマ テック株式会社の高萩技術センター内において8号棟の建設に着工しました。なお、平成25年7月末の完成を予定しています。

 

(4)研究開発における資源配分最適化の取り組み

・ 研究開発プロセスの各段階での戦略を複線化し、革新的研究の取り込みを推進するとともに、外部のリソースを有効的に活用して、リスクとコストを管理しながら、高質かつ強固な自社パイプラインを構築する、研究開発プロセスのマルチトラック化に積極的に取り組んでいます。その一環として、米国ドレイス ファーマシューティカルズ社との間で、平成24年4月に潰瘍性大腸炎を対象疾患として当社が開発を進めてきたASP3291について、また、同年6月に下痢型過敏性腸症候群を対象疾患として当社が開発を進めてきたASP7147について、それぞれドレイス社が運営する会社に資産を移転する契約を締結しました。

・ 米国ヤンセン・バイオテック社との間で、当社が創出した経口JAK阻害剤ASP015Kについて、日本を除く全世界を対象とする独占的開発・商業化に関するライセンス契約を平成24年10月に締結しました。なお、当社は今後も日本におけるASP015Kの開発、商業化を継続していきます。

・ 注射用セファロスポリン系抗生物質セフトロザン(一般名)に関し、米国キュビスト ファーマシューティカルズ社とライセンスに関する契約を平成25年3月に締結し、同剤のアジア-太平洋および中東の一定の地域を対象とする権利をキュビスト社が取得しました。これにより、キュビスト社は、同社が開発を進めているセフトロザンとタゾバクタムの合剤(CXA 201)を全世界で開発・製造・商業化する権利を有することになりました。 

 

(5)保健医療へのアクセス問題(Access to Health)への取り組み

発展途上国における保健医療へのアクセス問題(Access to Health)の改善に取り組んでいます。Access to Healthへの貢献の一環として、顧みられない熱帯病に感染し苦しむ患者さんのため、自社研究ノウハウやパートナーシップ等を活用して、早期の新薬創出に向けた取り組みを行っています。

(顧みられない熱帯病に対する創薬研究の取り組み)

顧みられない熱帯病の患者数は、アジア・アフリカ・中南米などの発展途上国を中心に10億人以上と推定され、毎年50万人以上が命を落しています。加えて、これらの疾患における治療薬は先進国での需要が少ないため、その研究開発は積極的に実施されていない現状があります。顧みられない熱帯病の中でとりわけ新薬が求められているリーシュマニア症、シャーガス病、アフリカ睡眠病、デング熱/デング出血熱に対して、国内の6つの研究機関及び国際NPOとの創薬共同研究体制を構築し、先端の創薬研究アプローチを取り入れた画期的なオープンイノベーション創薬を展開しています。

・ 平成24年6月、Drugs for Neglected Diseases initiative(顧みられない病気のための新薬イニシアティブ:DNDi)との間で、創薬共同研究契約を締結しました。

・ 平成24年7月、東京工業大学との間で、同大学のスーパーコンピュータ「TSUBAME2.0」を活用した治療薬候補の探索を目的とする共同研究契約を締結しました。また、平成25年3月には、抗デングウイルス薬候補の探索を目的とした共同研究契約も締結しました。

・ 平成24年9月、高エネルギー加速器研究機構との間で、同機構の放射光施設を利用した創薬に関する共同研究契約を締結しました。

・ 平成24年10月、産業技術総合研究所との間で、当社独自の薬物設計法(Fragment Evolution法)を主要技術として活用し、治療薬候補の探索を目的とする創薬共同研究契約を締結しました。

・ 平成24年11月、東京大学との間で、治療薬候補の探索を目的とし、標的候補分子を選定して妥当性を検証する共同研究契約を締結しました。

・ 平成24年11月、長崎大学との間で、治療薬候補の探索を目的とし、当社が提供した化合物を長崎大学熱帯医学研究所が評価する共同研究契約を締結しました。また、平成25年3月には、抗デングウイルス薬の探索を目的とした共同研究契約も締結しました。

(住血吸虫症に対する小児用製剤の開発)

・ 平成24年7月、住血吸虫症に対する小児用製剤の開発を目的とする新たな国際的官民パートナーシップに参画しました。当社は、自社の世界最高水準の製剤技術を駆使し、小児用候補製剤を試製し、その安定性、錠剤特性、製造可能性の確認を通じて本剤の開発に貢献します。

 

(6)その他販売提携等の状況

平成24年4月、化学及血清療法研究所との間で、同研究所が製造する百日せき、ジフテリア、破傷風及び急性灰白髄炎(ポリオ)を予防する四種混合ワクチンの販売・販促体制に関する契約を締結しました。本契約に基づき、当社が全国で本剤の販売・販促活動を行い、九州地域については、両社で共同販促活動を行います。なお、平成24年10月にクアトロバックの製品名で発売しました。

 

なお、当連結会計年度の研究開発費は1,819億円(前連結会計年度比4.2%減)、対売上高研究開発費比率は18.1%となりました。

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中において将来について記載した事項は、当連結会計年度末において判断したものです。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。この連結財務諸表の作成にあたっては、収益及び費用、損失並びに資産、負債等の額の算定に際して様々な見積り及び判断が行われており、実際の結果は、見積りに内在する不確実性により異なることがあります。

連結財務諸表に重要な影響を与える見積りまたは判断を含む会計方針は以下のとおりです。

[退職給付費用]

当社グループでは一部の在外連結子会社を除き、主として確定給付型の退職給付制度を採用しています。これらの退職給付費用及び債務は、数理計算上設定される前提条件に基づいて算出されています。これらの前提条件は、将来の報酬水準、退職率、死亡率、年金資産の収益率及び割引率など多くの見積りを含んでおり、見積りと実際の差異及び見積り自体の変更が退職給付費用及び債務の計算に影響を与えます。
  
[減価償却費]

当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産については一定の耐用年数を見積もって減価償却費を計上しています。

なお、特定の研究開発目的にのみ使用され、他の目的に転用できない機械装置等を取得した場合の原価は、取得時の研究開発費として処理しています。
 
[減損損失]

当社グループでは、有形固定資産及び無形固定資産について、その帳簿価額の回収が懸念される企業環境の変化や経済事象が発生した場合には、減損の要否を検討しています。

資産のグルーピングについては、継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分である事業単位ごとに事業用資産をグルーピングしており、遊休資産及び処分予定資産等については個々にグルーピングしています。その資産の市場価格及びその資産を使用した営業活動から生ずる損益等から減損の兆候があると判定された資産については、回収可能価額が帳簿価額を下回る場合、回収可能価額まで減損処理を行っています。回収可能価額は見積将来キャッシュ・フローおよびその他の見積りおよび仮定から合理的に決定しています。

当連結会計年度は、減損損失347億円を特別損失に計上しました。

[有価証券の評価]

当社グループでは、有価証券(投資有価証券を含む。以下同じ。)の時価または実質価額が著しく下落した場合には評価損を計上しています。このため、連結会計年度における個々の有価証券の時価または実質価額により、当該連結会計年度の経営成績は影響を受けることになります。

当連結会計年度は、投資有価証券評価損10億円を特別損失の「その他」に計上しました。

 

[繰延税金資産]

当社グループでは、税効果会計を適用した結果、繰延税金資産を計上しています。繰延税金資産の将来の回収可能性については毎期見直しを行っており、必要に応じて評価性引当金を計上することにより、回収可能性が高いと考えられる金額まで減額しています。当連結会計年度末の計上額は適正と判断しています。

しかしながら、繰延税金資産の全部または一部が、課税所得の減少が予想されるなどの理由で将来回収できないと判断した場合には、当該判断を行った連結会計年度において繰延税金資産を減額するとともに、同額を税金費用として計上することになります。

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

経営成績の分析については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」に記載しています。

 

(3) 当連結会計年度末の財政状態の分析

総資産は当連結会計年度末で1兆4,455億円(対前連結会計年度末比449億円増)となりました。

流動資産は8,271億円(同461億円増)となりました。現金及び預金並びに受取手形及び売掛金が増加しました。

固定資産は6,183億円(同11億円減)となりました。有形固定資産は2,184億円(同193億円増)となりました。無形固定資産は2,948億円(同194億円減)となりました。投資その他の資産は1,050億円(同10億円減)となりました。

負債は3,835億円(同10億円増)となりました。流動負債は3,135億円(同6億円減)となりました。固定負債は699億円(同16億円増)となりました。

純資産は1兆620億円(同439億円増)となりました。当期純利益828億円を計上した一方で、剰余金の配当600億円に加え、493億円の自己株式取得を実施しました。また、為替換算調整勘定が純資産の増加方向に662億円変動しました。これらの結果、自己資本比率は73.3%となり、引き続き健全な財政状態を維持しています。


(4) 資本の財源及び資金の流動性
[キャッシュ・フロー]

当社グループの主たる財源は営業キャッシュ・フローであり、当連結会計年度は1,441億円の資金を得ました。これらを、有形固定資産の取得に313億円、無形固定資産の取得に362億円使用するなど、投資活動として486億円支出しました。また、配当金の支払に600億円、自己株式の取得に493億円使用するなど、財務活動として1,097億円支出しました。これらの結果、現金及び現金同等物の期末残高は、2,649億円となりました。


[財務政策]

これらの資金基盤を背景に、当社グループは、医薬品事業の強化に向けて、日本市場においては市場シェアの継続的な拡大、海外市場においてはグローバル販売網の整備を進め、さらには、新薬のシーズを確保すべく研究開発体制の強化を図っていきます。また、製品ラインを一層強化するため、グローバルならびにローカルレベルで積極的に製品導入を図るなど、様々な戦略的事業投資機会を追求していきます。

資金の流動性については、当面の運転資金及び設備資金に加え、一定の戦略的投資機会にも備えられる現預金水準を確保しています。

株主への利益還元策につきましては、成長を実現するために必要な内部留保を確保しながら、連結ベースでの中長期的な利益成長に基づき、配当を安定的かつ持続的に増加させていきます。これに加えて自己株式取得を必要に応じ機動的に実施し、資本効率と還元水準の更なる向上に努めていきます。

「事業等のリスク」に記載のとおり、当社グループの事業等は医薬品事業に特有の様々なリスクを伴っています。事業展開にあたっては、自己資金の充当が望ましいと考えていますが、将来、それを上回る資金需要が発生した場合にも必要資金を円滑にかつ低利で調達できるよう財務基盤の健全性は常に維持していくよう努めています。





出典: アステラス製薬株式会社、2013-03-31 期 有価証券報告書