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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
 医薬品産業における事業環境は、日本、米国、欧州、アジア諸国の医療費抑制策の進展、研究開発コストの増大、科学・技術の進歩、新たな経済圏の出現、企業再編の活発化などにより、ますます厳しさを加え、大きな変革の時期にあります。また、地球環境、社会および事業の持続性に関する企業の社会的責任の遂行も強く求められております。
 このような状況の中、当連結会計年度の連結業績は、売上高6,741億11百万円(前連結会計年度比12.1%増)、営業利益1,052億63百万円(同10.0%増)、経常利益1,104億62百万円(同10.4%増)、当期純利益706億14百万円(同11.4%増)となりました。
 売上高においては、アルツハイマー型痴呆(認知症)治療剤「アリセプト」が2,528億85百万円(前連結会計年度比28.7%増)、プロトンポンプ阻害型抗潰瘍剤「パリエット」(米国名「アシフェックス」)は1,742億90百万円(同12.8%増)とそれぞれ増加し、所在地別には日本、北米、欧州、アジア他とも順調に伸長いたしました。
 研究開発費は1,082億96百万円(前連結会計年度比16.1%増)と積極的資源投入を行う一方で、売上原価率(16.2%、前連結会計年度より1.2ポイント減)の改善等により営業利益、経常利益、当期純利益ともに増益となりました。
 当連結会計年度末の資産合計は、7,921億14百万円(前連結会計年度末より448億82百万円増)となりました。主な増加は、受取手形及び売掛金、無形固定資産、繰延税金資産などであります。
 負債合計は2,294億16百万円(前連結会計年度末より106億96百万円増)となりました。主な増加は、未払金、未払費用、売上割戻引当金などであります。
 純資産合計は5,626億98百万円(前連結会計年度末より341億86百万円増)となり、自己資本比率は69.7%(同0.3ポイント増)となりました。
 なお、平成18年8月に自己株式の市場買付けを行いました。
<セグメントの状況>
(各セグメントの売上高は外部顧客に対するものであります)
①事業の種類別セグメント
[医薬品分野]
 すべての地域において「アリセプト」と「パリエット/アシフェックス」が伸長いたしました。
 この結果、医薬品分野の売上高は、6,529億36百万円(前連結会計年度比12.6%増)、営業利益は1,080億59百万円(同9.8%増)となりました。
[その他の分野]
 食品添加物、化学品、製薬用機械等の売上高は、211億75百万円(前連結会計年度比1.2%減)、営業利益は17億10百万円(同27.7%減)となりました。
②所在地別セグメント
[日  本]
 売上高は2,922億22百万円(前連結会計年度比2.5%増)、営業利益は728億2百万円(同1.8%減)となりました。医療用医薬品では、「アリセプト」の売上高は、496億80百万円(同17.4%増)、「パリエット」の売上高は、306億69百万円(同11.3%増)とそれぞれ伸長いたしました。
[北  米]
 売上高は3,034億11百万円(前連結会計年度比19.9%増)、営業利益は287億61百万円(同27.9%増)となりました。「アリセプト」の売上高は、1,621億76百万円(同35.3%増、現地通貨では31.0%増)、「アシフェックス」の売上高は、1,268億54百万円(同10.9%増、現地通貨では7.4%増)となりました。
[欧  州]
 売上高は547億74百万円(前連結会計年度比20.4%増)、営業利益は40億59百万円(同12.4%減)となりました。「アリセプト」の売上高は、344億77百万円(同15.3%増)、「パリエット」の売上高は、121億24百万円(同34.0%増)となりました。
 平成18年11月に医薬品販売会社エエフェ・エーザイ・ファルマセウティカ・ウニペッソアル・リミタダをポルトガルに設立いたしました。
[アジア他]
 売上高は237億3百万円(前連結会計年度比34.6%増)、営業利益は40億21百万円(同44.5%増)となりました。「アリセプト」の売上高は、65億50百万円(同50.0%増)、「パリエット」の売上高は、46億40百万円(同32.2%増)とそれぞれ伸長いたしました。
 なお、日本を除く海外所在地別売上高の合計は、3,818億89百万円(前連結会計年度比20.8%増)となり、売上高比率は56.7%(前連結会計年度より4.1ポイント増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
 当連結会計年度の営業活動から得たキャッシュ・フローは、811億88百万円(前連結会計年度より58億65百万円減)となりました。税金等調整前当期純利益は1,103億34百万円、減価償却費は268億2百万円、法人税等の支払額は489億48百万円であります。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、552億12百万円の支出(前連結会計年度より256億98百万円増)となりました。そのうち、有形固定資産の取得に225億49百万円、事業譲受に242億79百万円を支出いたしました。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、406億20百万円の支出(前連結会計年度より187億76百万円増)となりました。配当金の支払いに299億13百万円、自己株式の市場買付けに110億60百万円を支出いたしました。
 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,710億90百万円(前連結会計年度末より121億88百万円減)となりました。
[連結財務指標の推移]
 
第91期
第92期
第93期
第94期
第95期
自己資本比率(%)
65.6
68.1
69.4
69.5
69.7
時価ベースの自己資本比率(%)
107.7
131.8
157.0
196.3
202.7
債務償還年数(年)
0.04
0.03
0.06
0.03
0.03
インタレスト・カバレッジ・レシオ
489.6
1,040.6
856.3
1,922.7
796.8
 (注)各指標の算出方法
 
自己資本比率
:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率
:株式時価総額(期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後))/総資産
債務償還年数
:有利子負債(借入金、代理店預り金等)/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ
:営業キャッシュ・フロー/利払い(利息の支払額)
2【生産、受注及び販売の状況】
(1)生産実績
① 生産実績
  当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成18年4月1日
至 平成19年3月31日)
金額(百万円)
前連結会計年度比(%)
医薬品分野
639,610
115.5
その他の分野
8,262
93.6
合計
647,872
115.1
(注) 1 金額は販売見込価格により算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
 2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
② 商品仕入実績
  当連結会計年度における商品仕入実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成18年4月1日
至  平成19年3月31日)
金額(百万円)
前連結会計年度比(%)
医薬品分野
20,890
104.2
その他の分野
9,556
105.2
合計
30,447
104.5
(注) 1 金額は仕入価格により算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
 2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
 当連結グループは販売計画に基づいて見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。
(3)販売実績
  当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成18年4月1日
至 平成19年3月31日)
金額(百万円)
前連結会計年度比(%)
医薬品分野
652,936
112.6
その他の分野
21,175
98.8
合計
674,111
112.1
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 平成17年4月1日
至 平成18年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成18年4月1日
至 平成19年3月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
(米国)
 マッケソン社
93,919
15.6
115,796
17.2
(米国) 
  カーディナル
 ヘルス社
62,768
10.4
87,208
12.9
3 上記金額には消費税等は含まれておりません。
3【対処すべき課題】
 当社グループは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念としております。この理念のもと全役員・社員が一丸となり、世界のヘルスケアの多様なニーズを充足することを通して、いかなる医療システム下においても存在意義のあるヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業となることを目指しております。この基本的な考え方を定款に記載し、株主の皆様と共有化をはかっております。
 この理念の実現にあたっては、主要なステークホルダーズと考えている患者様と生活者の皆様、株主の皆様および社員との信頼関係の構築につとめるとともに、法と倫理の遵守を目的としたコンプライアンス活動を日々実践し、企業価値の向上に取り組んでおります。
 当社グループでは、平成23年度を最終年度とした第Ⅴ期中期戦略計画「ドラマティック リープ プラン」を平成18年度よりスタートいたしました。
 この中期戦略計画では、グローバルにいかなる事態が起きても柔軟かつ丁寧に取り組むことで、効率性と生産性の一層の向上をはかる企業体を構築してまいります。そのために、「ベストな人のベストな場所でのベストなストラクチャーによる価値創造」を基本に、最も妥当性の高い国や地域に製薬企業の重要な機能を設置するとともに、地域ごとの状況を踏まえたビジネスを展開してまいります。
 初年度にあたる平成19年3月期は、それぞれのテーマに対して積極的に取り組み、経営成績、事業活動において順調なスタートを切ることができました。今後も、成長機会をしっかりととらえ、企業価値向上のために「患者価値」「株主価値」「社員価値」を創出し、あわせて企業の社会的責任の遂行につとめてまいります。
(1)患者価値の創出
 当社グループは、統合された戦略のもと、情報・サービス・製品を提供し、患者様とそのご家族の皆様にとっての希望を創り出すことが基本的な使命(Creating Hope, Our Mission)であると考えております。
 この使命を果たすために、予防、疾病管理、最新治療という医療の流れの中で患者様に提供できる価値を創出してまいります。「患者価値」の創出とは、未だ十分な治療法が確立されていない疾病の克服やQOL(生活の質)の向上に資する革新的な新薬の創出、品質の高い製品の安定供給、加えて、薬剤の安全使用のための有用性情報の提供を行うことであると考えております。
①研究開発領域の一層の集中
 当社グループでは、研究開発活動における領域集中のコンセプトをより進化させ、未だ十分な治療法が確立されていない疾病が多く存在する「神経」と「がん」の2つの領域において、有効性、安全性、経済性に優れた医薬品を創出することを目指して、積極的に取り組んでおります。
 神経領域では、アルツハイマー病に代表される神経変性疾患の新たな治療薬の創出を目指すとともに、てんかん、パーキンソン病など、その他の神経・精神疾患に関する研究を着実に進めてまいります。
 がん領域では、今日最も革新が進む抗がん剤治療に関する世界最先端の研究開発を多面的に行うとともに、患者様のベネフィット向上には欠かせない鎮痛治療、血栓予防などの支持療法も含めて、パイプラインの充実をはかってまいります。
 また、各々の領域の製品ラインナップの充実や技術力を強化するため、戦略的製品買収や先端技術を保有するバイオベンチャーの買収、あるいは外部機関との共同研究も積極的に進めております。
②探索研究と臨床研究の体制充実
 革新的なアイディアや技術の創出、独自性の高いメカニズムやターゲットからの創薬を目指すカン研究所(兵庫県)は、平成18年10月に神戸市のバイオクラスターへ移転し、一層の研究活動の充実をはかってまいります。
 探索研究を担う米国ボストン研究所では、筑波研究所(茨城県)とともに、臨床導入候補化合物の絞り込みまで実施できる体制を強化すべく、平成19年1月に完成した新研究棟での活動を開始いたしました。また、英国ロンドン研究所の機能を拡充するために、英国ハートフォード州ハットフィールドに設立予定の欧州ナレッジセンター(戦略拠点)内に化合物最適化研究機能を設置する計画も進めております。さらに、平成19年4月、抗体医薬の研究開発を専門とするバイオベンチャー企業であるモルフォテック社(米国)を買収し、バイオロジクス(生物学的製剤)分野への本格的な参入をはかるなど、グローバルな創薬研究活動のより一層の充実をはかっております。
 臨床研究に関しては、グローバルな臨床研究開発活動の生産性向上と効率化をはかるため、日本、米国、欧州、アジアの4地域での臨床研究が、統一されたリーダーシップのもとに機能する体制を構築しております。その一環として、平成18年10月に臨床研究子会社をシンガポールに設立するなど、国際的にも重要性を増すアジア地域での臨床研究活動への取り組みを強化しております。
③グローバルな研究開発マネジメント力の強化
 研究開発テーマを計画どおりに進行させることは、研究開発活動の最重要課題であると考えております。当社では、平成18年4月に研究開発マネジメント機能を担う連結子会社エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社(東京都)を設立して、グローバルなレベルで最適な意思決定が実行できる体制を構築いたしました。この新しい体制において、目標の共有と統一された意思によるマネジメントのもとでテーマごとのプロジェクトを直接管理し、効率性と生産性の向上をはかることで、新薬を計画どおり円滑かつタイムリーに創出してまいります。
④高品質な医薬品の安定供給体制の充実
 当社グループは、品質・安定供給で世界をリードするとともに、コスト競争力を強化することを目標としております。その実現に向け、当社独自の品質基準に基づく高品質な医薬品の生産体制の構築を推進しております。あわせて、がん領域での新製品開発を目指す中、鹿島事業所(茨城県)では抗がん剤専用原薬生産棟が稼動し、米国ノースカロライナ工場においては抗がん剤専用製剤棟の建設に着手するなど生産機能の拡充を進めるとともに、欧州、インドにも新たな生産拠点の設立を計画しております。このような取り組みを通して、「シームレス・バリュー・チェーン」の充実をはかり、高品質な医薬品のグローバルな安定供給を果たしてまいります。
⑤情報提供活動の充実
 当社グループは、自社の医薬品に係る最新情報をタイムリーに収集、分析、評価して、安全使用のための有用性情報の提供活動を行っております。今後の新製品群に関しては、自社によるマーケティング活動をグローバルに展開することを基本として取り組んでまいります。そのため、日本、米国、欧州、中国などにおいて医薬情報担当者(MR)を増員するとともに、各エリアをつなぐグローバルマーケティング体制を戦略的に構築し、より質の高い情報を適切に伝達する体制の充実をはかってまいります。
 また、各エリアでは、アルツハイマー病協会や専門医への支援ならびに疾患啓発活動を通して、患者様とそのご家族や介護の方々、生活者の皆様に対して、疾病関連情報の提供を行っております。
(2)株主価値の創出
 株主の皆様との価値共有のもとで、「患者価値」創出をグローバルに展開することにより、持続的な成長と企業価値の向上を果たし、その成果を株主の皆様に還元いたします。あわせて、経営情報を積極的に開示し、経営の透明性を高めて、「株主価値」の向上につとめてまいります。
①事業基盤整備による持続的な成長性の確保
 当社グループは、グローバルな事業活動をさらに推進するために、日本、米国、欧州およびアジア諸国の主要地域に拠点を配備し、各地域本部における事業計画、マーケティング、法務、事業開発、人材開発などの機能強化を進めております。あわせて、欧州での事業展開を一層推進するために、欧州ナレッジセンター(戦略拠点)の設立に着手するとともに拡大するEU諸国等へ新しい拠点の設置を進めるなど、基盤整備に取り組んでおります。そして、各地域において主力品であるアルツハイマー型痴呆(認知症)治療剤「アリセプト」、プロトンポンプ阻害型抗潰瘍剤「パリエット」(米国名「アシフェックス」)などの一層の伸長を目指してまいります。
 また、自社抗がん剤の開発が進む中で、抗がん剤の戦略的製品買収やバイオロジクス分野への本格的進出をはかるための企業買収を行うなど、オンコロジービジネスに関しても積極的に取り組んでおります。あわせて、抗がん剤の生産ならびにマーケティングに関しても着実に体制整備を進めております。
 今後も持続的な成長を目指し、研究開発ならびに重点領域を強化するための戦略的提携など事業基盤を整備するための投資を積極的に行ってまいります。
②新たなエリアでの戦略的取り組み
 当社グループでは、優れた技術レベルを有し、生産性の高いインドを第4の知識創造拠点と位置づけ、原薬の研究・生産、臨床研究・データマネジメント、治療法の確立していない熱帯の感染症等の創薬研究を担う拠点を設立してまいります。今後、これらの生産・研究拠点へ当社グループの保有する機能の一部を移行する戦略を進めてまいります。
③剰余金の配当等に関する基本方針
 当社は委員会設置会社であり、剰余金の配当等に関しては、これを機動的に行うことを目的として取締役会決議とすることを定款に定めております。
 株主還元については、連結業績ならびに純資産配当率(DOE)等を勘案し、株主の皆様へ継続的・安定的な配当を実施してまいります。自己株式の取得に関しては、適切な時期に機動的に実施いたします。
 また、内部留保資金は将来の企業価値を高めるための研究開発や事業基盤の強化などの投資に充当してまいります。中期的なDOEは8%レベルを目指します。
④経営の透明性の確保
 当社グループでは、経営活動情報を積極的かつ公正、公平、タイムリーに開示することで経営の透明性を高め、ステークホルダーズの皆様からの信頼を得るとともに、企業価値ならびに株主価値の向上につとめております。今後も、情報開示をより一層適切に行うために、社内体制の整備・充実をはかってまいります。
(3)社員価値の創出
 当社グループは、自ら企業価値を高めることのできる唯一のステークホルダーズを社員であると考えております。すべての社員が企業理念を共有し、日々の事業活動を通して企業理念の実現に向け積極果敢に取り組んでいく姿を目指しております。
 そのために、社員の個性と意欲を尊重して能力開発をはかり、社員に働きがいを提供することを人事の基本としております。
①社員の能力開発・キャリア開発
 社員が新たな知識を創造することで自己成長を遂げ、継続的に業務の革新を生み出すために、社員一人ひとりが自発的に自己変革をすることができるプログラムを整備しております。業務上必要な知識・技術の習得などをサポートするため、各国のニーズに応じて、ビジネススクール、ロースクールや各種外部短期資格取得コース等への派遣も行っております。
 また、グローバルなヒューマン・リソース・マネジメント戦略を担う専門組織を設置し、国境を越えた人材交流やローテーションを促進するシステムの構築、国際レベルでのリーダーシップ研修制度の導入をはかるなど、社員のグローバルなキャリア開発に積極的に取り組んでまいります。
②働きがいを提供するための環境整備
 当社グループでは、社員が企業理念の実現に邁進できるように、採用、昇格・昇進、配置、能力開発における機会均等を実現し、価値創造に向けた生産性に対応する報酬水準を志向することを基本方針としております。
 社員一人ひとりの働き方を尊重する制度として、社員のライフプランの選択肢を拡大する諸制度や育児支援制度を積極的に提供し、社員が持てる能力を遺憾なく発揮できる環境整備に取り組んでおります。加えて、就労環境を定期的に点検し、社員がより安全で健康に働けるよう職場環境の向上につとめております。
 また、当社では、健全な運営下にある健保組合、老後の安心を提供する企業年金を堅持したいと考えております。当社グループにおいても、各国の状況に応じて保険パッケージの提供や個人の年金プログラムへのサポートを整備しております。
(4)企業の社会的責任の遂行
 当社グループは、多様なステークホルダーズの皆様から継続的な信頼を得るために、企業の社会的責任の遂行が経営の重要課題であると認識し、内部統制、コンプライアンス、環境保全、社会貢献活動に積極的に取り組んでおります。
①内部統制
 当社は、内部統制担当執行役のもとに内部統制推進部を設置して、内部統制システムの充実、効果的・効率的な運用をはかっております。
 当社グループでは、グローバルな内部統制ポリシーと内部統制基本規程等を策定し、日本、米国、欧州、アジアの各地域における規程類の整備を行ってまいりました。あわせて、各地域に内部監査実施ならびに内部統制推進に関する専任部署を設置しております。
②コンプライアンス
 当社グループでは、企業行動憲章と行動指針を定め、全役員・社員の一人ひとりが、これを遵守し日々行動することにつとめております。
当社は、コンプライアンスの推進を統轄する執行役(チーフ・コンプライアンス・オフィサー)を任命し、コンプライアンスを推進する専任部署を設置するとともに、チーフ・コンプライアンス・オフィサーの諮問機関として外部の法的専門家を中心に組織されたコンプライアンス委員会を設置しております。
当社グループ各社は、コンプライアンス推進責任者・担当者を任命し、コンプライアンス推進活動を展開しております。定期的に、日本、米国、欧州、アジアの地域ごとに、コンプライアンス推進担当者の会議を開催し、各社の推進計画や活動状況について意見交換を行い、コンプライアンスの推進につとめております。
全世界の役員・社員が同じコンプライアンス・マインドで活動できるよう、当社グループに適用される企業行動憲章および行動指針を記載した「コンプライアンス・ハンドブック」を作成し、定期的に改訂を行い、現在11言語(第4版)で発行しております。また、携行用の「コンプライアンス・カード」を作成し、役員・社員に配布しております。あわせて、役員研修会をはじめとするコンプライアンス研修を継続的に実施するとともに、e−ラーニングによる研修も導入しております。
当社は、内部通報窓口であるとともに社員のコンプライアンス相談窓口として機能する「コンプライアンス・カウンター」を社内外に設けております。国内外の関係会社においても、より身近な相談窓口として、社内コンプライアンス・カウンターを設置しております。
③環境保全
 当社では、国内主要工場においてISO14001に基づく環境マネジメントシステムを構築し、継続的な環境管理の充実をはかっております。また、その他の当社グループ各企業・事業所においては、独自の環境管理体制を構築し、温暖化ガス排出抑制、省エネ・省資源、廃棄物の削減およびリサイクルの推進などを積極的に行い、地球環境負荷の低減に取り組んでおります。
④社会貢献活動
 企業理念実現の一環として、困難な医療環境のもとで長年にわたり医療・福祉業務に従事された方々を顕彰する事業への協賛、人類の疾病と治療に関する自然科学研究の奨励と知識の普及や、医療経済を含む医療の学際的研究の推進と若手研究者の育成などを支援しております。
 また、アルツハイマー病の啓発活動に対するさまざまな取り組み、高齢患者様ならびに介護者の皆様に対する援助活動、自然災害の被災者に対する支援等を国内外で行っております。
(5) 株式会社の支配に関する基本方針
<基本方針の内容等>
当社における「株式会社の支配に関する基本方針の内容」、「基本方針の実現に資する特別な取組み」および「基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み」は、以下の「当社企業価値・株主共同の利益の確保に関する対応方針」に記載しております。また、「当社の取り組みが基本方針に沿うものであること、株主の共同の利益を損なうものではないことおよび当社の役員の地位の維持を目的とするものではないことについての当社の取締役会の判断およびその判断の理由」についても本対応方針に記載しております。
[当社企業価値・株主共同の利益の確保に関する対応方針](平成18年2月28日に公表)
1.導入の理由
 当社は、ヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業として、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを最優先の課題としておりますが、かかる企業価値・株主共同の利益の向上は、患者価値を創出することにより実現できるものと考えております。この患者価値を創出するためには、新薬の研究・開発の更なる推進、高品質な製品の生産・販売、医薬品の安全な使用を実現するための情報の管理・提供等が必要です。これらを実現するためには、長期的な視野のもとに大胆に企業施策を行わなければならず、また、株主価値を創出するためには、企業として安定的かつ継続的に成長していくことが不可欠の前提となります。さらに、当社は、企業としての社会的責任を全うしつつ、これらの課題を達成するため、2004年に委員会等設置会社に移行し、透明性の高いガバナンス体制を志向しております。
 また、当社は長期的視点に立って策定された第V期中期戦略計画をはじめとする諸施策を遂行・実施することにより、企業価値を高め、株主の皆様の価値を向上する所存であります。しかし、当社事業を取り巻く競争関係の激化、企業買収に対するわが国における法制度・企業文化の変化・変容等を踏まえると、当社の経営方針に重大な影響を与える買付が行われることも予想されます。特に、当社の発行済株式総数の15%以上に相当する株式の買付が行われると、当社経営に重大な影響が生じ、上記施策を遂行・達成することができなくなるおそれがあります。この15%以上に相当する株式の買付による影響については、次の事項からもその重大さは明らかであると考えられます。まず、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則による関連会社の基準に、議決権の15%以上、20%未満を所有し重要な影響を与え得ることが推測される事実の存在がある場合が含まれていることがあげられます。また、15%という株式の買付は、株主総会の特別決議の否決に関して、その定足数も考慮に入れた場合、非常に大きな割合を占めることになります。
 もとより当社は、当社の株式を大量に取得したり、当社の経営に関与しようとする買付については、それが当社の企業価値を大きく向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありません。しかし、株式を大量に取得する買付の中には、買付目的や買付後の経営方針等に鑑み、株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買付に応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの、会社や株主に対して買付に係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないもの、買付条件が会社の有する本来の企業価値に照らして不十分又は不適切であるもの等の不適切な買付も少なくありません。更に、当社が患者価値の創出を実現し、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるためには、上述のとおり新薬の研究・開発体制、高品質製品の安定供給、薬剤の安全性と有効性の情報の管理・提供の確保が必要不可欠であり、これらが確保されなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が毀損されることになります。
 そこで、当社は、上記に記載した買付類型を含む当社や株主の皆様の利益に反する買付を防止するためには、当社企業価値・株主共同の利益の確保に関する対応方針(以下「本対応方針」といいます。)を導入することが必要不可欠であると判断し、その導入を決定致しました。
 本対応方針は、当社に対するかかる買付が行われる場合には、買付者又は買付提案者(以下、公開買付者又はその提案者も含め、併せて「買付者等」といいます。)に対し、事前に当該買付内容に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付についての情報収集・検討等を行う期間を確保した上で、必要に応じて、株主の皆様に事業計画等を説明したり、代替案を提示するとともに、買付者等と交渉を並行して行っていくことを可能とすることを狙うものです。これに対し、買付者等がこうした事前の情報提供なく買付を行う場合や、当該買付が当社の企業価値・株主共同の利益を毀損しないものとは認められない場合には、後述のとおり、当該買付者等及びその一定の関係者による権利行使は認められないとの行使条件が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)を、その時点の全ての株主に対して株主割当ての方法により発行します。本対応方針は、本新株予約権の発行により、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合を相当低下させ、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付行為の阻止を図るものです。
 もっとも、こうした対応方針の導入、実際に買付がなされた場合の当該買付の検討、必要に応じた買付者等との協議・交渉、その結果等を踏まえた本新株予約権の発行の必要性の有無の判断については、経営陣の自己保身に利用されることがないように特に客観性・合理性が要求されるところです。この点、当社の取締役会は、過半数が社外取締役によって構成されています。当社社外取締役7名は、いずれも、会社経営陣から独立した、経験と実績に富む会社経営者、経営学者、公認会計士、法律家であり、これらの者を過半数とし、かつ、社外取締役ではない4名も、業務執行に当たる取締役は1名のみであり、当社取締役会は、株主の皆様の利益を代表して上記の判断を客観的かつ合理的に行うことができるものと考えます。
 本対応方針の導入に際しては、社外取締役のうち3名を構成員とする「特別委員会」を設置し、まず当該特別委員会にて、複数の外部専門家からもアドバイスを受け、検討致しました。その結果、特別委員会は、本対応方針が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する買付を防止するためには必要不可欠と判断しました。次に、本対応方針は社外取締役7名全員を構成員として設置された「社外取締役独立委員会」(その決議要件・決議事項等については(別紙1)「社外取締役独立委員会の概要」をご確認ください。)に対し提案され、社外取締役独立委員会は、本対応方針導入の可否を検討し、その結果本対応方針が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する買付を防止するためには必要不可欠と判断し、その導入を当社取締役会に提案致しました。取締役会は、審議の結果、本対応方針の導入を決定致しました。このように、本対応方針は当社の企業価値ひいては株主共同の利益のために、会社経営陣から独立した両委員会のイニシアティブにより採用されるに至ったものです。
 加えて、本対応方針導入後においても、本対応方針の運用に際しての判断についてはその客観性・合理性が確保されるようにしております。実際に当社に対して買付がなされた場合には、社外取締役独立委員会が主体的に、下記4.に記載の各要件を満たすものであるか否かの判断を行います。
 そして、社外取締役独立委員会は、当該買付が下記4.に記載のすべての要件を満たすと判断する場合を除き、原則として本新株予約権の発行を取締役会に提案いたします。取締役会は、これを受け本新株予約権の発行が必要であるかどうかを決議します。また、社外取締役独立委員会において、当該買付に対して本新株予約権を発行しない旨の決議をした場合には、取締役会では本新株予約権の発行に関する審議・決議は行いません。このように、本新株予約権を発行すべきか否かの判断に関しまして、経営陣の恣意的な判断を排除するとともに、本新株予約権の発行が容易にできない仕組みをとっております。
2.本対応方針の対象となる買付
本対応方針においては、本新株予約権は、以下1)又は2)に該当する買付又はその提案(以下併せて「買付等」といいます。)がなされたときに、本対応方針に定められる手続に従い発行されることとなります。
1) 当社が発行者である株券等(1)について、保有者(2)の株券等保有割合(3)が15%以上となる買付その他取得
2) 当社が発行する株券等(4)について、公開買付け(5)に係る株券等(6)の株券等所有割合(7)及びその特別関係者(8)の株券等所有割合の合計が15%以上となる公開買付け
(1) 証券取引法第27条の23第1項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(2) 証券取引法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。
(3) 証券取引法第27条の23第4項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(4) 証券取引法第27条の2第1項に定義されます。
(5) 証券取引法第27条の2第6項に定義されます。
(6) 証券取引法第27条の2第1項に定義されます。
(7) 証券取引法第27条の2第8項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(8) 証券取引法第27条の2第7項に定義されます。但し、同項第1号に掲げる者については、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条第1項で定める者を除きます。
3.本新株予約権の発行のプロセス
1) 買付者等から社外取締役独立委員会に対する事前の情報提供
 上記2.に定める買付等を行う買付者等には、買付等の実行に先立ち、当社社外取締役独立委員会宛に、(別紙2)に定める当該買付者等の買付等の内容の検討に必要な情報(以下「本必要情報」といいます。)及び買付者等が買付等に際して本対応方針に定める手続を遵守する旨を記載した書面(以下併せて「買付説明書」といいます。)を提出していただきます。
 当社社外取締役独立委員会が、当該買付説明書の記載内容が本必要情報として不十分であると判断した場合には、当社社外取締役独立委員会は買付者等に対し、適宜回答期限を定めた上で、本必要情報を追加的に提出するよう求めることがあります。この場合には、当該期限までに、買付者等より追加の本必要情報の提供をしていただくこととします。
 なお、当社社外取締役独立委員会は、引き続き買付説明書(本必要情報を含みます)の提出を求めて買付者等と協議・交渉等を行うべき特段の事情がある場合を除き、買付者等が本対応方針に定められた手続に従うことなく買付等を開始したものと認められる場合には、原則として、下記3.3) (1)記載のとおり、当社取締役会に対して、本新株予約権を発行することを提案します。
2) 社外取締役独立委員会による買付等の内容の検討・買付者等との交渉・代替案の提示
 当社社外取締役独立委員会は、買付者等から本必要情報が十分に記載された買付説明書及び社外取締役独立委員会から追加提出を求められた本必要情報が提出された場合、必要に応じ、当社の執行役に対しても、社外取締役独立委員会が定める期間内に買付者等の買付等の内容に対する意見及びその根拠資料、代替案その他社外取締役独立委員会が適宜必要と認める情報・資料等を提示することを求めます。
 社外取締役独立委員会は、買付者等及び執行役からの必要な情報・資料を受領後、原則として60日間(但し、下記3.3) (3)に記載するところに従い、社外取締役独立委員会は当該期間を延長することができるものとします。)(以下「社外取締役独立委員会検討期間」といいます。)、買付者等の買付等の内容の検討、当社執行役による代替案の検討、買付者等と当社執行役の事業計画等に関する情報収集・比較検討等を行います。また、社外取締役独立委員会は、必要があれば、当社の企業価値・株主共同の利益の観点から当該買付等の内容を改善させるために、直接又は間接に、当該買付者等と交渉を行い、また、株主の皆様に対する代替案の提示を行うものとします。
 社外取締役独立委員会は、社外取締役独立委員会の判断が適切になされることを確保するために、自らの裁量により、当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができるものとします。
 また、社外取締役独立委員会検討期間中、社外取締役独立委員会は、買付者等から買付説明書が提出された事実及び本必要情報その他の情報のうち社外取締役独立委員会が適切と判断する事項について、情報開示を行うことができます。
 なお、買付者等は、社外取締役独立委員会検討期間が終了するまでは、上記2.に規定する買付等を実行することはできないものとします。
3) 社外取締役独立委員会の決議
社外取締役独立委員会は、買付者等が出現した場合において、以下の手続を行うものとします。
(1) 社外取締役独立委員会は、買付者等が上記3.1) 及び2) に規定する手続を遵守しなかった場合を含め、下記3.3) (2)又は(3)のいずれにも該当しない限り、原則として、社外取締役独立委員会検討期間の開始又は終了の有無を問わず、当社取締役会に対して、本新株予約権を発行することを提案します。
社外取締役独立委員会は、当該発行を提案した事実及びその概要並びに本新株予約権を発行すべきと判断した理由その他社外取締役独立委員会が適切と判断する事項について、情報開示を行うことができます。
但し、社外取締役独立委員会は、かかる提案の判断の前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、本新株予約権の発行の中止を含む別個の判断を行うことができるものとし、かかる場合には、社外取締役独立委員会は必要と認める情報開示を行うことができます。
(2) 社外取締役独立委員会は、買付者等の買付等の内容の検討、買付者等との交渉の結果、当該買付者等による買付等が下記4.1) から9) のいずれの要件も満たすと判断した場合には、社外取締役独立委員会検討期間の終了の有無を問わず、本新株予約権を発行しないことを決議いたします。この不発行の決議に関して、当社取締役会で本新株予約権の発行の有無について改めて審議等をすることはありません。
社外取締役独立委員会は、当該不発行を決議した事実及びその概要並びに本新株予約権を不発行とすべきと判断した理由その他社外取締役独立委員会が適切と判断する事項について、情報開示を行うことができます。
但し、社外取締役独立委員会は、かかる決議の判断の前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、本新株予約権の発行の提案を含む別個の判断を行い、これを当社取締役会に提案することができるものとし、かかる場合には、社外取締役独立委員会は必要と認める情報開示を行うことができます。
(3) 社外取締役独立委員会が、当初の社外取締役独立委員会検討期間終了時までに、本新株予約権の発行又は不発行の決議を行うに至らない場合には、社外取締役独立委員会は、当該買付者等の買付等の内容の検討・当該買付者等との交渉・代替案作成等に必要な範囲内で、社外取締役独立委員会検討期間を延長する旨の決議を行います(なお、当該期間延長後、更なる期間の延長を行う場合においても同様の手続によるものとします。)。
社外取締役独立委員会は、社外取締役独立委員会検討期間を延長するに至った理由、延長期間、その他社外取締役独立委員会が適切と判断する事項について、情報開示を行うことができます。
上記決議により社外取締役独立委員会検討期間を延長した場合、社外取締役独立委員会は、引き続き、買付者等の買付等の内容の検討・必要な場合には買付者等との交渉及び代替案の作成等を行うものとし、延長期間内に本新株予約権の発行の提案又は不発行の決定や代替案の提示等を行うよう努めるものとします。
4) 取締役会の決議
 当社取締役会は、社外取締役独立委員会から上記本新株予約権発行の提案を受けた場合、速やかに決議を行うものとします。
 取締役会は、本新株予約権の発行の決議を行った場合、直ちに当該決議をした事実及びその概要並びに当該決定の判断理由その他取締役会が適切と判断する事項について、情報開示を行います。
 但し、取締役会は、かかる決議の判断の前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、別個の判断を行うことができるものとします。
 なお、当社社外取締役独立委員会が本新株予約権の不発行の決議をした場合には、上記3.3) (2)に記載のとおり、社外取締役独立委員会の決議によるものとし、当社取締役会で本新株予約権の発行の有無について審議等をすることはありません。
 
4.本新株予約権を発行する基準
社外取締役独立委員会は、本対応方針の対象となる買付等が、以下の全ての要件を満たすと判断する場合を除き、原則として本新株予約権を発行することを取締役会に提案する予定としております。
1) 本対応方針に定める手続を遵守した買付等である場合
2) 下記に掲げる行為等により当社企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらす虞のある買付等ではない場合
(1) 株式を買い占め、その株式について当社に対して高値で買取りを要求する行為
(2) 当社の経営を一時的に支配して、当社の重要な資産等を廉価に取得する等当社の犠牲の下に買付者等の利益を実現する経営を行うような行為
(3) 当社の資産を買付者等やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為
(4) 当社の経営を一時的に支配して当社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって、一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会をねらって高値で売り抜ける行為
3) 強圧的二段階買付(最初の買付で全株式の買付を勧誘することなく、二段階目以降の買付条件を不利に設定し、あるいは明確にしないで、公開買付け等の株式買付を行うことをいいます。)等株主に株式の売却を事実上強要する虞のある買付等ではない場合
4) 当社に、当該買付等に対する代替案を提示するために合理的に必要な期間を与えない買付等ではない場合
5) 当社株主に対して、買付者等の概要(別紙2本必要情報1.の例示を含みます。)、買付等の価格の算定根拠(別紙2本必要情報3.の例示を含みます。)及び買付等の資金の裏付け(別紙2本必要情報4.の例示を含みます。)、買付等の後の経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策等(別紙2本必要情報5.の例示を含みます。)の買付等の内容を判断するための情報が提供されない、又は提供された場合であっても当該買付者等の現在又は将来の株券等保有割合等に照らして提供された情報が不十分である買付等ではない場合
6) 買付等の条件(別紙2本必要情報2.及び6.の例示を含みます。)が当社の本源的価値に鑑み不十分又は不適当である買付等ではない場合
7) 法令又は定款に違反する買付等ではない場合
8) 株主としての買付者等の行動が当社の経営に悪影響を及ぼし、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に重大な損害をもたらす虞のある買付等ではない場合
9) 買付等が行われる時点の法令、行政指導、裁判結果、証券取引所の規則により、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に重大な損害をもたらす虞のある買付等であると明らかに認められている買付等ではない場合
 
5.本対応方針の有効期間
 本対応方針の有効期間は、第Ⅴ期中期戦略計画(2006年4月から2012年3月までを対象)の期間を包含すべく、2012年6月30日までとします。
 社外取締役独立委員会は、本対応方針導入後、毎年、定時株主総会開催後に、本対応方針の継続、見直し又は廃止について検討するものとします。その結果は、取締役会に提案され、取締役会で審議の上、本対応方針は継続、見直し又は廃止されるものとします。当社では、全取締役の任期を1年としており、取締役は、毎年6月の定時株主総会で選任されております。取締役の任期の期差別や解任制限等は存在しないことから、1回の株主総会により全取締役の選解任が可能であり、当該総会で選任された取締役により構成された取締役会において、社外取締役独立委員会の提案を受け、本対応方針を廃止する決議を行うことが可能であり、また社外取締役独立委員会において本新株予約権の発行を行わない旨の決議を行うことも可能であります。以上の点からしまして、本対応方針の継続、見直し又は廃止に関して当社の株主の皆様のご意向を十分に反映させることができるものと考えております。
 なお、当社は、本対応方針の有効期間中であっても、社外取締役独立委員会の検討に基づき、必要に応じて、本対応方針を見直しもしくは変更し、又は別の買収防衛策を導入する場合があります。
 
6.本新株予約権の主要な条件
本対応方針に基づき発行する予定の本新株予約権の主要な条件等は以下のとおりです。また、当社は、機動的な発行を目的として、本新株予約権について予め発行登録を行う予定でおります。
1)割当対象株主
 本新株予約権の発行決議(以下「本発行決議」といいます。)において、当社取締役会が割当期日と定める日(以下「割当期日」といいます。)の最終の株主名簿及び実質株主名簿に記載又は記録された株主に対し、その所有株式(但し、当社の保有する当社株式を除きます。)1株につき本新株予約権1個の割合で割り当てます。
2)本新株予約権の目的とする株式の種類及び数
 本新株予約権の目的となる株式の種類は当社普通株式とし、本新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は1株又は本発行決議において当社取締役会が定める株数とします。
3)本新株予約権の総数
 割当期日における最終の発行済株式総数(但し、当社の保有する当社普通株式を除きます。)を上限とします。
4)本新株予約権の発行価額
 無償とします。
5)本新株予約権の行使に際して払込をなすべき額
 新株予約権1個当たり1円とします。
6)本新株予約権の行使期間
 本発行決議において当社取締役会が定める本新株予約権の発行日から、最短1カ月最長2カ月の間で、本発行決議において当社取締役会が定める期間とします。
7)本新株予約権の行使条件
(1) ①割当期日又は本新株予約権の行使日において特定大量保有者(下記(ア)ないし(エ)の各号に記載される者を除き、(i)当社が発行者である株券等(証券取引法第27条の23第1項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。)の保有者(同法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。)で、当該株券等に係る株券等保有割合(同法第27条の23第4項に定義されます。)が15%以上となる者もしくは15%以上となると当社取締役会が認めた者、又は(ii)公開買付け(同法第27条の2第6項に定義されます。)によって当社が発行者である株券等(同法第27条の2第1項に定義されます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に定義されます。以下同じとします。)を行う者で、当該買付け等の後におけるその者の所有(これに準ずるものとして証券取引法施行令第7条第3項に定める場合を含みます。)に係る株券等所有割合(同法第27条の2第8項に定義されます。以下同じとします。)及びその者の特別関係者(同法第27条の2第7項に定義されます。但し、同項第1号に掲げる者については、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条第1項で定める者を除きます。以下同じとします。)の株券等所有割合と合計して15%以上となる者)、
②その共同保有者(同法第27条の23第5項に定義される者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)(上記(i)に定めるとき)、
③その特別関係者(上記(ii)に定めるとき)、
④上記①ないし③記載の者から本新株予約権を当社取締役会の承認を得ることなく譲受もしくは承継した者、又は、
⑤実質的に、上記の①ないし④記載の者が支配し、当該者に支配されもしくは当該者と共同の支配下にある者として当社取締役会が認めた者、もしくは当該者と協調して行動する者として当社取締役会が認めた者(以下、上記①ないし⑤を総称して「特定大量保有者等」といいます。)は、本新株予約権を行使することができません。
(ア)当社、当社の子会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第3項に定義される。)又は当社の関連会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第5項に定義されます。)
(イ)当社を支配する意図がなく上記(i)又は(ii)に該当することになった者である旨当社取締役会が認めた者であって、かつ、上記(i)又は(ii)に該当することになった後10日間(但し、当社取締役会はかかる期間を延長することができます。)以内にその保有する当社の株券等を処分することにより上記(i)及び(ii)に該当しなくなった者
(ウ)当社による自己株式の取得その他の理由により、自己の意思によることなく、上記(i)又は(ii)に該当することになった者である旨当社取締役会が認めた者(但し、その後、自己の意思により当社の株券等を新たに取得した場合を除きます。)
(エ)その者が当社の株券等を取得又は保有することが当社の利益に反しないと当社取締役会が認めた者(一定の条件の下に当社の利益に反しないと当社取締役会が認めた場合には、当該条件が満たされている場合に限ります。)
(2) 上記(1)の規定のほか、自己が特定大量保有者等ではないことを表明していない者、その他本発行決議において当社取締役会が定める事項を誓約する書面を提出していない者は、本新株予約権を行使することはできません。
8) 本新株予約権の消却
 本新株予約権については、消却事由及び消却の条件は定めません。
9) 本新株予約権の譲渡
 本新株予約権を譲渡するには当社取締役会の承認を要します。
 上記6.7)に基づき、特定大量保有者等は本新株予約権を行使することができないにも関わらず、特定大量保有者等において本新株予約権を自由に第三者に譲渡することができれば、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付行為の阻止を図るという目的が達成し得なくなります。従って、本新株予約権には譲渡制限が付されることになりますが、特定大量保有者等は、当社取締役会の承認する第三者には、本新株予約権を譲渡することができます。
7.株主の皆様への影響
1) 本対応方針の導入時に株主の皆様に与える影響
 本対応方針の導入時点においては、本新株予約権の発行自体は行われませんので、株主の皆様の権利・利益に直接具体的な影響が生じることはございません。
2) 本新株予約権の発行時に株主の皆様に与える影響
 本新株予約権が発行される場合においては、取締役会の当該発行決議において別途設定する割当期日における株主の皆様に対し、その保有する株式1株につき1個の割合で本新株予約権が無償にて割り当てられます。仮に、株主の皆様が、権利行使期間内に、所定の行使価額相当の金銭の払込その他本新株予約権の行使に係る手続を経なければ、他の株主の皆様による本新株予約権の行使により、その保有する当社株式が希釈化することになります。
 また、本新株予約権の発行は割当期日の4営業日前(割当期日を含む)において取り消し不能となります。割当期日において本新株予約権を取り消し不能とする理由は、買付者等以外の株主の皆様に損害を与えることとなる市場における混乱及び株式の流動性がなくなることを避けるためです。本新株予約権を取り消し不能とすることで、個々の株式に対して発生する希釈化の量及び時期に関する疑いが全くなくなります。個々の株式は希釈されますが、一人ひとりの株主の方は、少なくともその希釈化を相殺するに十分な株式を受領することになります。それぞれの株主の方の株券等保有割合は、変化しないか又はわずかに増加いたします。
3) 発行に伴って株主の皆様に必要となる手続
(1) 名義書換の手続
当社取締役会において、本新株予約権を発行することを決議した場合には、当社は、本新株予約権の割当期日を公告いたします。割当期日における最終の株主名簿又は実質株主名簿に記載又は記録された株主に本新株予約権の引受権が付与されますので、株主の皆様におかれては、当該割当期日に間に合うように名義書換を完了していただくことが必要となります。
(2) 本新株予約権の申込の手続
当社は、割当期日における最終の株主名簿又は実質株主名簿に記載又は記録された株主の皆様に対して、本新株予約権の引受権の付与通知及び本新株予約権の申込書を送付いたします。株主の皆様においては、本新株予約権の引受けについて、別途定める取締役会決議で決定された申込期間内に、申込書に必要な事項を記載し、捺印の上、申込取扱場所に提出することが必要となります。当該申込期間内に申込が行われない場合には、申込の権利を失い、本新株予約権を引き受けることができなくなります。
(3) 本新株予約権の行使の手続
当社は、申込期間内に本新株予約権の申込を行った株主の皆様に対し、本新株予約権の行使請求書(株主ご自身が特定大量保有者でないこと等の誓約文言を含む当社所定の書式によるものとします。)その他本新株予約権の権利行使に必要な書類を送付いたします。本新株予約権の発行後、株主の皆様においては、権利行使期間内に、これら当社所定の本新株予約権の行使請求書等を提出した上、本新株予約権1個当たり1円を払込取扱場所に払い込むことにより、1個の本新株予約権につき、1株又は発行決議において別途定められる数の当社普通株式が発行されることになります。
 
 上記のほか、申込方法、名義書換方法及び払込方法等の詳細につきまして、本新株予約権発行決議が行われた後、株主の皆様に対し、公表又は通知致しますので当該内容をご確認ください。
 本新株予約権の発行及び行使の手続は、原則として以上の通りですが、取締役会は、株主の皆様が新株予約権の引受け、行使をしないことによる不利益をさけるために、その時の法令等の許す範囲内で、別の発行及び行使の手続をとることがあります。この場合にも必要事項の詳細につきまして、株主の皆様に対し、公表又は通知致しますので当該内容をご確認ください。
 (別紙1)
 社外取締役独立委員会の概要
1.構成員  
当社社外取締役全員で構成される。
2.決議要件
社外取締役独立委員会の決議は、原則として、社外取締役独立委員会の全員が出席し、その過半数をもってこれを行うものとする。但し、社外取締役独立委員会の全員が出席できない場合には、社外取締役独立委員会の決議は社外取締役独立委員会の過半数が出席し、その過半数をもってこれを行うものとする。
3.決議事項その他
社外取締役独立委員会は、原則として以下の各号に記載される事項について決定し、その決定の内容をその理由を付して当社取締役会に提案するものとする。但し、本新株予約権の不発行の決議及び社外取締役独立委員会検討期間の延長については、取締役会への提案はせず、社外取締役独立委員会の決定によるものとする。なお、社外取締役独立委員会の各委員は、こうした決定にあたっては、企業価値ひいては株主共同の利益に資するか否かの観点からこれを行うことを要し、専ら自ら又は当社取締役、執行役の個人的利益を図ることを目的としては行わないものとする。
1) 本対応方針の対象となる買付等の決定
2) 買付者等及び執行役が社外取締役独立委員会に提供すべき情報の決定
3) 買付者等の買付等の内容の精査・検討
4) 買付者等との交渉
5) 買付者等による買付等に対する代替案の決定
6) 本新株予約権の発行もしくは不発行又は社外取締役独立委員会検討期間の延長に係る決定
7) 本対応方針の導入・維持・見直し・廃止
8) 本対応方針以外の買収防衛策の検討・導入
9) その他本対応方針又は本新株予約権に関連し、当社取締役会が判断すべき事項
また、社外取締役独立委員会は、適切な判断を確保するために、上記判断に際して、必要かつ十分な情報収集に努めるものとし、当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができる。
 (別紙2)
本必要情報
1.買付者等及びそのグループ(その共同保有者、その特別関係者及び(ファンドの場合は)組合員その他の構成員を含みます。)の概要(具体的名称、資本関係、財務内容を含み、(買付者等が個人である場合は)年齢と国籍、当該買付者等の過去5年間の主たる職業(当該個人が経営、運営又は勤務していた会社又はその他の団体(以下「法人」といいます。)の名称、主要な事業、住所、経営、運営又は勤務の始期及び終期、(買付者等が法人である場合は)当該法人及び重要な子会社等について、当該法人の主要な事業、設立国、過去3年間の資本及び長期借入の財務内容、当該法人又はその財産にかかる主な係争中の法的手続、これまでに行った事業の概要、取締役、執行役等の役員の氏名を含み、(すべての買付者等に関して)過去5年間に犯罪履歴があれば(交通違反や同様の軽微な犯罪を除きます。)、その犯罪名、科された刑罰(その他の処分)、それに関係する裁判所、及び過去5年間に証券取引法、商法に関する違反等があれば、当該違反等の内容、違反等に対する裁判所の命令、行政処分等の内容を含みます。)
2.買付等の目的、方法及びその内容(買付等の対価の価額・種類、買付等の時期、関連する取引の仕組み、買付等の方法の適法性、買付等の実行の蓋然性を含みます。)
3.買付等の価格の算定根拠(算定の前提となる事実・仮定、算定方法、算定に用いた数値情報並びに買付等に係る一連の取引により生じることが予想されるシナジーの額及びその算定根拠を含みます。)
4.買付等の資金の裏付け(買付等の資金の提供者(実質的提供者を含みます。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含みます。)
5.買付等の後の当社の経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策(株式の売却、事業の売却、合併、分割、株式交換、株式移転、資産の売却、会社更生、清算、現在の資本・配当性向・配当政策・負債額・資本総額の変更、当社の現在の経営陣の変更、当社の会社構造・事業・経営方針・事業計画の変更、当社の証券の取得もしくは処分、上場廃止、当社の基本文書の変更、通例的でない取引を含みます。)
6.買付等の後における当社の従業員、取引先、顧客、地域社会その他の当社に係る利害関係者に関する方針
7.買付等に関連した必要な政府当局の承認、事業の承認、及び規制遵守対応、第三者から取得しなければならない同意、合意ならびに承認、独占禁止法、その他の競争法ならびにその他会社が事業活動を行っている又は製品を販売している国又は地域の重要な法律の適用可能性に関する状況
8.その他社外取締役独立委員会が合理的に必要と判断する情報
4【事業等のリスク】
  当社グループの連結業績を大幅に変動させる、あるいは投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは、次のとおりであります。なお、これらのリスクは、有価証券報告書提出日現在において判断、予想したものであります。
(1)海外展開におけるリスク
 当社グループは、「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」を軸として、日本をはじめ、米国、欧州、アジアを中心に生産・販売活動を展開しております。グローバルな事業活動を展開するうえで、法的規制、政情不安や事業環境の不確実性などのリスクを完全に回避できる保証はありません。このようなリスクに直面した場合、当該国における収益が当初の見込みを達成できない可能性があります。
(2)新薬開発の不確実性
 医薬品候補化合物は、有効性や安全性の観点から開発を中止する可能性があります。また、臨床試験で良い結果が得られた場合であっても、製品開発中に施行される承認審査基準の変更により、承認が得られない可能性があります。開発の不確実性による新薬の開発中止などの理由で、将来に期待していた収益が得られない可能性があります。
(3)他社とのアライアンスにおけるリスク
 当社グループは、主要製品である「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」について、他社との業務提携を行っております。米国、欧州主要国では市場全体をカバーし、プロダクト・セールスの極大化をはかるため、提携企業の販売促進協力を受けております。これら提携企業との良好な協力関係が保たれなくなった場合、売上高が減少し業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、製品買収や導入品などの活動に伴う不確実性により、将来に期待していた収益が得られない可能性があります。
(4)医療費抑制策
 日本では医療費抑制策の一環として、通常2年に1回程度、医療用医薬品の薬価が引き下げられております。欧米、アジアの国々などにおいても、医薬品の価格低減への圧力は年々高まっており、売上高を減少させる要因となります。
(5)後発医薬品に関する競合・訴訟
 先発医薬品の特許には期限があります。通常、先発医薬品の特許が切れると同成分のジェネリック医薬品(後発医薬品)が発売されます。開発リスクを伴わないジェネリック医薬品の低価格での販売により、市場シェアを奪われる可能性があります。また、特許期間内であっても、米国のようにジェネリック医薬品の申請が可能な国もあります。現在、「アシフェックス」および「アリセプト」の2品について、ジェネリック医薬品の申請が米国 Hatch-Waxman法に基づきなされております。当社グループは、これに対して特許侵害訴訟を提起しておりますが、その結果によっては、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産に関するリスク
 特許の不成立や特許成立後の無効審判、または取得した特許を適切に保護できない場合、想定より早く他社の市場参入を招き、売上高が減少する可能性があります。
(7)副作用発現のリスク
 製品に重大な副作用が発現した場合、処方の停止、製品の回収等の措置を取る可能性があります。発現した副作用に対する情報の収集、伝達および製品の回収は費用の増加につながります。
(8)法規制に関するリスク
 医薬品事業は、薬事規制や製造物責任等の様々な法規制に関連しており、法規制の制定や改定により業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。法規制に適合しない場合、製品の回収さらには製品の許認可の取り消し、あるいは賠償請求等の可能性があります。
(9)訴訟に関するリスク
 現在直面している訴訟または将来直面する訴訟の結果が、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、合成ビタミンEバルク製品に関する価格および販売活動に関して訴訟対象となっております。
(10)工場の閉鎖または操業停止
 技術上の問題、使用原材料の供給停止、火災、地震、その他の災害等により工場が閉鎖または操業停止する可能性があります。この場合、製品の供給が妨げられ、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(11)使用原材料の安全性に関するリスク
 使用する原材料に安全性の懸念が発生した場合、使用原材料の変更はもちろんのこと製品の回収、販売停止等を実施し、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(12)外部への業務委託に関するリスク
 当社グループでは研究や製造などの一部を外部へ業務委託しております。何らかの原因で業務委託先が操業停止し、当社グループへの委託業務の供給が妨げられることがあった場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(13)環境に関するリスク
 当社グループ所有の事業所が環境汚染の原因と判断された場合、事業所の閉鎖等の法的処置が講じられる可能性があります。また、周辺地域への補償責任や環境改善に要する費用は、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(14)ITセキュリティおよび情報管理に関するリスク
 当社グループでは業務上、各種ITシステムを駆使しているため、システムの不備やコンピューターウィルス等の外部要因により、業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め多くの情報を保有していますが、万が一の事故等によりその情報が社外に流出した場合、信用を大きく失うことで業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(15)金融市況および為替の動向に関するリスク
 市場性のある株式等を保有しているため、株式市況の低迷によってはこれらの株式等の売却損や評価損が生じ、また、金利動向によって退職給付債務の増加など業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。さらに連結売上高の半分以上を外貨で占めているため、連結子会社業績の円換算において外国為替変動の影響を受けます。また、輸出入取引においても外国為替変動が業績に重要な影響を及ぼします。




出典: エーザイ株式会社、2007-03-31 期 有価証券報告書