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セクション一覧
5【経営上の重要な契約等】
(1)買収契約
当社連結子会社である米州統括会社エーザイ・コーポレーション・オブ・ノースアメリカは、バイオロジクス分野への本格参入とがん領域をはじめとする抗体治療薬創出の充実をはかるため、平成19年3月21日に米国モルフォテック社と買収契約を締結し、平成19年4月16日に契約が発効いたしました。
なお、買収契約の概要は「第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1)連結財務諸表、注記事項、(重要な後発事象)」に記載しております。
 
(2)技術導入等
会社名
契約締結先
締結年月日
契約内容
契約期間
対価
当社
武田薬品工業㈱
平成9年
9月12日
製剤特許に関するライセンス
特許の有効期間
一定料率のロイヤルティ
(ドイツ)
アボット社
平成9年
12月19日
肥満症治療剤「シブトラミン」の開発および製造・販売
契約締結より15年間
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
富山化学工業㈱
平成10年
9月30日
リウマチ治療剤「T−614」の共同開発・販売提携
販売開始より10年間または特許満了日のいずれか遅い方まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
(ドイツ)
アボット社
平成11年
6月16日
完全ヒト抗TNF−αモノクローナル抗体注射剤の開発および販売
契約締結より15年間
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
(イタリア)
ユーランド社
平成15年
5月2日
「硝酸イソソルビド」の輸入およびその製剤の製造・販売
契約締結より10年間
以後2年毎の更新
──
(スイス)
ノバルティス社
平成16年
2月6日
全世界における抗てんかん剤「ルフィナマイド」の開発および製造・販売に関するライセンス
各国毎に特許満了日または販売開始日から10年間のいずれか遅い方まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
大日本住友製薬㈱
平成17年
9月29日
糖尿病合併症治療剤「AS−3201」の日本を除く全世界における開発および製造・販売に関するライセンス
各国毎に特許満了日、本製剤の先発権保護期間満了日または販売開始日から10年間のいずれか遅い方まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
(注) 平成18年7月11日、テバ社との米国におけるパーキンソン病治療剤「ラサジリン」の共同開発およびコ・プロモーションに関する契約を合意により終了いたしました。 
(3)技術導出等
会社名
契約締結先
締結年月日
契約内容
契約期間
対価
当社
(米国)
ファイザー社
平成6年
10月5日
「E2020」(アルツハイマー型痴呆(認知症)治療剤)に関する包括的提携
特許の有効期間または市販後10年間のいずれか遅い方まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
(ベルギー)
ヤンセン社
平成9年
4月10日
「E3810」(プロトンポンプ阻害型抗潰瘍剤)に関する包括的提携
特許の有効期間または市販後10年間のいずれか遅い方まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
(4)合弁契約・その他
会社名
契約締結先
締結年月日
契約内容
契約期間
対価
当社
(英国)
ロンドン大学
平成2年
9月11日
研究所の建設・運営に関する提携
契約後50年間
研究所建物の建設他
(イタリア)
ブラッコ社
平成2年
11月30日
「イオメプロール」他造影剤の日本国内における製造・販売に関する合弁事業
契約後19年間
──
(アイルランド)
エラン社
平成16年
3月30日
北米および欧州における抗てんかん剤「ゾネグラン」の戦略的製品買収(「ゾネグラン」に関する大日本住友製薬㈱とエラン社とのライセンス契約の承継を含む)
──
契約一時金他
(米国)
トーリーパインズ・セラピューティクス社
平成17年
2月28日
アルツハイマー病に関する探索研究で発見された化合物についての第一次交渉権ならびに第一次拒否権
契約締結より2年間(注)
契約一時金
(アイルランド)
エラン社
平成18年
2月8日
重度慢性疼痛治療剤「プリアルト」の欧州地域における戦略的製品買収に関する契約
──
契約一時金他
日東電工㈱
平成18年
5月10日
アルツハイマー型痴呆(認知症)治療剤「アリセプト」の経皮吸収型テープ製剤に関する共同開発契約
平成21年9月30日まで
——
(米国)
ライガンド社
平成18年
9月7日
CD25陽性皮膚浸潤性T細胞リンパ腫治療剤「オンタック」等、抗がん剤4品目の製品買収に関する契約
──
契約一時金他
(注) トーリーパインズ・セラピューティクス社との契約は、平成20年2月27日まで契約期間を延長しております。
(5)販売契約等
会社名
契約締結先
締結年月日
契約内容
契約期間
当社
ノボ ノルディスク ファーマ㈱
平成11年
4月26日
消化管検査前処置・低血糖治療剤「グルカゴンG・ノボ」の販売提携
平成21年12月31日まで
杏林製薬㈱
平成15年
7月30日
日本における片頭痛治療剤「マクサルト」の販売
平成29年1月31日まで
サノフィ・アベンティス㈱
味の素㈱
平成17年
9月12日
骨粗鬆症治療剤「アクトネル」の販売
平成24年4月30日まで
エーザイ
・インク
(米国)
ファイザー社
平成17年
9月27日
米国における血液凝固防止剤「フラグミン」の販売
契約締結より7年間、またはジェネリック上市直前の四半期と比べて市場シェアが25%以上減少した四半期翌月より3年間
(注) 平成19年5月14日、米国ソルスティス・ニューロサイエンス社との欧州におけるB型ボツリヌス毒素製剤「ニューロブロック」の独占的な戦略的販売提携に関する契約を締結いたしました。 
6【研究開発活動】
当社グループは、主に神経、がん領域に経営資源を集中し、積極的な研究開発活動を行っております。研究開発マネジメント機能を担う連結子会社エーザイ・アール・アンド・ディー・マネジメント株式会社(東京都)においてグローバルなレベルで最適な意思決定を行い、研究開発の効率性と生産性の向上をはかり、新薬を計画どおり円滑かつタイムリーに創出するための活動を推進しております。
 
[開発品の状況]
 抗がん剤「E7389」は、米国で乳がんを対象としたフェーズⅢ試験を開始いたしました。なお、同疾患を対象としたサブパートH申請用試験も進行中であります。欧州では、乳がんを対象としたフェーズⅢ試験および肉腫を対象としたフェーズⅡ試験を開始いたしました。(サブパートH申請:重症または生命に危険を与える病気に対する新薬のうち一定の要件を備えたものに対して米国食品医薬品局が加速承認する申請制度)
 AMPA受容体拮抗剤「E2007」は、米国においてパーキンソン病を対象としたフェーズⅢ試験を開始いたしました。また、欧州では同疾患を対象としたフェーズⅢ試験が進行中であります。さらに、てんかん、多発性硬化症、片頭痛予防についてもPOC(Proof of Concept:創薬概念の検証)の早期完了を目指しております。
 エンドトキシン拮抗剤「E5564」(一般名:エリトラン)は、欧米で重症敗血症を対象としたフェーズⅢ試験を開始いたしました。
 トロンビン受容体拮抗剤「E5555」は、欧米において急性冠症候群を対象としたフェーズⅡ試験を開始いたしました。
 平成19年1月、欧州委員会より、抗てんかん剤「イノベロン」(一般名:ルフィナマイド)について、レノックス・ガストー症候群の併用療法の承認を取得いたしました。
 平成19年5月、タイで消化管運動機能改善剤「ガスモチン」(一般名:クエン酸モサプリド)について機能性胃腸症の効能で承認申請をいたしました。なお、アセアン諸国等9カ国では承認申請準備中であります。
 平成18年12月、日本でB型ボツリヌス毒素製剤「E2014」について、痙性斜頸の効能で承認申請をいたしました。
 リウマチ治療剤「D2E7」(一般名:アダリムマブ、ヒト抗ヒトTNF−αモノクローナル抗体)は、日本においてクローン病を対象としたフェーズⅡ/Ⅲ試験を開始いたしました。
 「E0302」(一般名:メコバラミン)は、日本において筋萎縮性側索硬化症を対象としたフェーズⅡ/Ⅲ試験を開始いたしました。
  平成18年10月、米国において「アリセプト」の高度アルツハイマー型痴呆(認知症)の効能追加の承認を取得いたしました。また、欧州では、平成18年5月に相互認証方式に基づき同効能追加の承認申請をいたしましたが、平成19年4月に、いったん申請を取り下げました。今後、欧州での再申請については、当局と相談のうえ検討を進めてまいります。
 平成19年1月、日本で「パリエット」のヘリコバクター・ピロリ除菌療法の効能および用法追加の承認を取得いたしました。また平成18年8月、日本においてヘリコバクター・ピロリ二次除菌療法の用法・用量追加の承認申請をいたしました。(二次除菌:一次除菌不成功の場合に抗生剤の組み合わせをかえて実施する除菌療法)
 平成19年3月、日本で0.05%硝酸イソソルビドシリンジ製剤「ニトロール注5mgシリンジ」および「ニトロール持続静注25mgシリンジ」の剤形追加が承認されました。
 平成19年1月、日本で虚血性心疾患治療剤「ワソラン」(一般名:塩酸ベラパミル)の心房細動、発作性上室性頻拍の効能追加の承認申請をいたしました。
 平成19年3月、日本で非イオン性造影剤「イオメロン」のコンピューター断層撮影における用法・用量追加の承認申請をいたしました。
 米国でフェーズⅡ試験段階にありました「アシフェックス」の症候性胃食道逆流症の間歇療法の効能追加、ならびに日本でフェーズⅡ試験段階にありました抗がん剤「E7070」(一般名:インジスラム)の胃がんに関する開発を中止いたしました。なお、「E7070」に関しては、現在、米国において他のがん種に対する可能性を検討しております。また、日本でフェーズⅡ試験段階にありました「E0167」(一般名:メナテトレノン)の肝細胞がん再発抑制に関する臨床試験を中止いたしました。
当連結会計年度における研究開発費総額は、1,082億96百万円、売上高比率16.1%であり、そのほとんどが医薬品分野で発生しております。
7【財政状態及び経営成績の分析】
 文中において将来について記載した事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断、予想したものであります。なお、文中に記載した金額は、四捨五入で表示しております。
(1)重要な会計方針および見積り
 当社グループの連結財務諸表は、各国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成しておりますが、連結財務諸表の作成に当たっては見積りや仮定によることが必要となります。使用する見積りや仮定は、これまでの経験、業界標準、経済状況および現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられるものを継続的に採用しております。ただし、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があり、また、これらの見積りは異なった仮定の下では違う結果となることがあります。
 なお、重要な会計方針のうち、見積りや仮定等により連結財務諸表に重要な影響を与えると考えている項目は、次のとおりであります。
① 退職給付会計
 退職給付債務および年金資産は、年金数理計算に用いられる仮定に左右されます。仮定となる割引率、将来の給与水準、年金資産の期待運用収益率、退職率および死亡率については、現在の統計データ、年金資産に対する実際の長期収益率その他の要因に基づき設定しております。これらの仮定に基づく見積りと実績との差異は毎年償却を行っており、将来における営業費用等に影響を与えます。
② 繰延税金資産
 繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得を見積り、評価しております。また、実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。課税所得を見積る際の利益計画は、事業リスク等を十分に考慮し保守的に作成しておりますが、その見積り額が増減した場合は繰延税金資産が増減いたします。
(2)経営成績の分析
① 売上高
 当連結会計年度の連結売上高は6,741億円であり、前連結会計年度より729億円、12.1%増加いたしました。「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」の合計売上高は連結売上高の63.4%を占めており、このうち米国の構成比は全体の67.7%であります。翌連結会計年度においても、引き続き世界各国での「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」のさらなる伸長と、ライガンド社より製品買収した抗がん剤4品目の寄与等により増収を見込んでおります。
② 売上原価および売上総利益(返品調整引当金戻入額を含む)
 当連結会計年度の売上原価は1,093億円であり、前連結会計年度より48億円の増加、売上原価率で1.2ポイント低減いたしました。売上原価率の低減は、主に生産部門における継続的な原価低減努力や当社グループの製品の中で原価率の低い「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」の売上高が増加したことによるものであります。その結果、当連結会計年度の売上総利益は5,648億円となり、前連結会計年度より681億円、13.7%増加いたしました。
 翌連結会計年度においても、「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」のさらなる伸長および生産部門の効率化により、売上原価率の低減を見込んでおります。
③ 販売費及び一般管理費
 当連結会計年度の販売費及び一般管理費(研究開発費除く)は3,512億円であり、前連結会計年度より435億円、14.1%増加いたしました。その主な要因は、「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」の米国を中心としたプロモーション費用ならびに欧米を中心とした医薬情報担当者(MR)の増員に伴う人件費の増加によるものであります。
 当連結会計年度の研究開発費は1,083億円であり、前連結会計年度より150億円、16.1%増加いたしました。その主な要因は、主要開発品の臨床研究活動への積極投入によるものであります。
④ 営業利益
 当連結会計年度の営業利益は1,053億円であり、前連結会計年度より96億円、10.0%増加いたしました。
 翌連結会計年度は、積極的な研究開発への投資やグローバル展開のための販売費及び一般管理費の増加を「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」の売上拡大、製造原価の低減および経営資源の効率化により吸収し、当連結会計年度を上回る営業利益を確保する見込みであります。
⑤ 営業外損益および特別損益
 当連結会計年度の営業外損益は52億円であり、前連結会計年度より9億円増加いたしました。主な増加要因は米国における受取利息の増加によるものであります。また、特別利益は19億円であり、投資有価証券売却益等によるものであります。特別損失は20億円であり、前連結会計年度より21億円減少いたしました。主な減少要因は、前連結会計年度に無形固定資産臨時償却費を計上したことによるものであります。
⑥ 当期純利益
 当連結会計年度の当期純利益は706億円であり、前連結会計年度より72億円、11.4%増加いたしました。
 収益性の面では、当連結会計年度における1株当たり当期純利益(EPS)は247.85円、自己資本利益率(ROE)は13.2%、総資産利益率(ROA)は9.2%となりました。
 翌連結会計年度においても安定した収益性を確保し、増益の見込みであります。なお、翌連結会計年度の配当金については、株主の皆様への利益還元を重視し、中期的な純資産配当率(DOE)8%レベルの実現を目指した配当方針のもと、1株当たり中間配当金65円、期末配当金65円の年間配当金130円(当連結会計年度より10円増)を計画しております。
(3)資金の流動性および資本の財源についての情報
① 資金の流動性
 営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度より59億円減の812億円となりました。主な減少要因は、仕入債務の減少によるものであります。一方、設備投資および事業譲受による無形固定資産の取得等の支出は、前連結会計年度より91億円増の525億円となりました。主な増加要因は、ライガンド社の抗がん剤4品目の製品買収等によるものであります。  
 この結果、営業活動によるキャッシュ・フローから現事業維持のための支出を控除した自由に使途を決定できる資金であるフリー・キャッシュ・フローは、前連結会計年度より149億円減の286億円となりました。
 当社グループでは、積極的な事業活動の推進に十分な資金を確保した上で、株主の皆様への安定的および継続的な配当を実施していく方針であります。
 なお、当連結会計年度においては配当金の支払いに前連結会計年度より85億円増の299億円、自己株式の市場買付けに111億円を支出しております。
② 資本の財源
 当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の21.6%を占める1,711億円であり、当該残高に加え、営業活動によるキャッシュ・フローの実績および未使用の借入枠を勘案すると、将来の予想可能な運転資金および資本的支出等の資金需要に対して、十分な財源が存在すると考えております。




出典: エーザイ株式会社、2007-03-31 期 有価証券報告書