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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
 医薬品産業は、革新的な治療薬の創出と質の高い情報・サービス・製品の提供を期待される一方、グローバルな医療費抑制策の推進、新薬開発コストの増大、研究開発力強化を企図した大型企業買収や企業再編の活発化、副作用や知的財産等のリスク対応の必要性増大など、大きな環境変化を迎えています。あわせて、世界的な金融危機、経済の低迷が今後の医薬品産業に影響を及ぼすことも予想されております。
 このような状況の中、当連結会計年度の連結業績は、売上高7,817億43百万円(前連結会計年度比6.5%増)、営業利益918億8百万円(同417.2%増)、経常利益825億83百万円(同338.1%増)、当期純利益476億78百万円(前連結会計年度は当期純損失170億12百万円)となりました。
 売上高については、アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」が3,038億6百万円(前連結会計年度比4.4%増)と堅調に推移し、プロトンポンプ阻害型抗潰瘍剤「パリエット」(米国名「アシフェックス」)は1,598億76百万円(同9.1%減)となりました。また、制吐剤「Aloxi」の売上高は364億95百万円、DNAメチル化阻害剤「Dacogen」の売上高は150億69百万円となりました。所在地別には、北米、中国が伸長し、日本が堅調に推移いたしました。
 研究開発活動への積極的な資源投入があったものの、前連結会計年度に発生したMGIファーマ社買収に伴うインプロセス研究開発費などの企業結合会計特有の処理が影響し、営業利益、経常利益は大幅な増益となりました。
 これにより、1株当たり当期純利益は167円35銭(前連結会計年度の1株当たり当期純損失は59円80銭)となりました。
[実業ベース]
企業活動の実態を見るため、「GAAPベース」(現行の会計基準ベース)から前連結会計年度のMGIファーマ社買収に伴う企業結合会計特有の処理(非キャッシュ項目)を除き算出した「実業ベース」での当連結会計年度の売上高は7,817億43百万円(前連結会計年度比6.5%増)、営業利益は1,202億80百万円(同8.6%増)、経常利益は1,110億54百万円(同0.8%減)、当期純利益は693億33百万円(同2.0%減)となりました。
 売上高の増加、販売管理費の効率化により営業利益は増益となったものの、支払利息および為替差損の増加により経常利益はほぼ前年並みとなりました。当期純利益は、投資有価証券評価損、減損損失の計上により減益となりました。
 これにより、1株当たり当期純利益は243円36銭(前連結会計年度より5円24銭減)となりました。
[キャッシュ創出力]
 当社グループは、「キャッシュ創出力」を表す指標として、キャッシュ・インカムを使用しております。キャッシュ・インカムは、成長投資・事業開発、配当支払、借入返済等に使用可能なキャッシュの総額であり、企業の成長性・戦略を検証する尺度と考えております。
 キャッシュ・インカムは1,190億26百万円(前連結会計年度比11.3%増)となり、1株当たりキャッシュ・インカムは417円78銭(前連結会計年度より41円96銭増)となりました。
 *キャッシュ・インカムの算式
当期純損益+有形・無形固定資産減価償却費+インプロセス研究開発費+のれん償却額+減損損失(投資                     有価証券評価損含む)
*1株当たりキャッシュ・インカムの算式
  キャッシュ・インカム/発行済株式数(自己株式控除後)
[セグメントの状況]
(各セグメントの売上高は外部顧客に対するものであります)
①事業の種類別セグメント
<医薬品分野>
 「アリセプト」が堅調に推移し、前連結会計年度に買収したMGIファーマ社の主力2製品の制吐剤「Aloxi」およびDNAメチル化阻害剤「Dacogen」が売上増に貢献いたしました。がん関連領域製品の売上高は755億71百万円(前連結会計年度比197.0%増)となり、医薬品分野の売上高の10%を占めるまでに拡大いたしました。
 この結果、医薬品分野の売上高は7,611億58百万円(前連結会計年度比6.9%増)、営業利益は945億35百万円(同376.9%増)となりました。
<その他の分野>
 食品添加物、化学品、製薬用機械等の売上高は205億84百万円(前連結会計年度比8.3%減)、営業利益は17億41百万円(同9.3%減)となりました。
②所在地別セグメント
<日  本>
 売上高は3,324億53百万円(前連結会計年度比6.3%増)、営業利益は841億67百万円(同4.6%増)となりました。医療用医薬品では、「アリセプト」の売上高は782億32百万円(同25.6%増)、「パリエット」の売上高は445億62百万円(同20.1%増)とそれぞれ伸長いたしました。
  ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ皮下注40mgシリンジ0.8mL」を関節リウマチの効能・効果で平成20年6月に新発売いたしました。
<北  米>
 売上高は3,698億91百万円(前連結会計年度比9.0%増)、営業損益はのれん償却額の発生および親会社へ支払うロイヤルティ率の変更等により2億41百万円の営業損失となりました。「アリセプト」の売上高は1,896億24百万円(同1.5%増、現地通貨では15.4%増)、「アシフェックス」の売上高は1,012億7百万円(同18.8%減、現地通貨では7.7%減)となりました。また、制吐剤「Aloxi」の売上高は364億95百万円、DNAメチル化阻害剤「Dacogen」の売上高は150億69百万円となりました。
  術後の悪心・嘔吐予防を効能・効果とする「Aloxi注射剤0.075mg」の販促活動を平成20年7月に開始いたしました。
<欧  州>
 売上高は510億47百万円(前連結会計年度比6.2%減)、営業利益は31億52百万円(同75.2%増)となりました。「アリセプト」の売上高は287億81百万円(同13.5%減)、「パリエット」の売上高は91億34百万円(同6.3%増)となりました。
<中  国>
 売上高は114億37百万円(前連結会計年度比19.8%増)、営業利益は23億96百万円(同22.7%増)となりました。「アリセプト」の売上高は9億38百万円(同18.4%減)、「パリエット」の売上高は6億50百万円(同1.2%減)となりました。
<アジア他>(中国を除く)
 売上高は169億12百万円(前連結会計年度比7.4%減)、営業利益は35億11百万円(同4.1%減)となりました。「アリセプト」の売上高は62億28百万円(同15.7%減)、「パリエット」の売上高は43億21百万円(同10.9%減)となりました。
<海外計>
 日本を除く海外所在地別売上高の合計は、4,492億89百万円(前連結会計年度比6.6%増)となり、連結売上高に対する構成比は57.5%(前連結会計年度より0.1ポイント増)となりました。
[資産等の状況]
 当連結会計年度末の資産合計は、1兆1,481億63百万円(前連結会計年度末より242億24百万円増)と増加いたしました。勘定科目別には、売掛金などが増加し、無形固定資産、投資有価証券などは減少いたしました。
 負債合計は7,151億18百万円(前連結会計年度末より449億70百万円増)となりました。
 純資産合計は4,330億45百万円(前連結会計年度末より207億45百万円減)となり、自己資本比率は37.3%(同2.7ポイント減)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
 当連結会計年度の営業活動から得たキャッシュ・フローは、1,049億88百万円(前連結会計年度より317億46百万円増)となりました。税金等調整前当期純利益は704億84百万円、減価償却費は490億52百万円、売上債権の増加額は247億34百万円、法人税等の支払額は354億85百万円であります。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、549億52百万円の支出(前連結会計年度より4,214億95百万円減)となりました。そのうち、有形固定資産の取得に334億96百万円、無形固定資産の取得に122億55百万円を支出いたしました。
  なお、前連結会計年度には買収による支出があったため、前連結会計年度差が大きくなっております。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、309億67百万円の支出(前連結会計年度は3,753億65百万円の収入)となりました。配当金の支払いに384億62百万円を支出いたしました。
  なお、前連結会計年度には買収に伴う借入の発生等があったため、前連結会計年度差が大きくなっております。
 以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,315億27百万円(前連結会計年度末より115億76百万円増)となりました。
[連結財務指標の推移]
 
第93期
第94期
第95期
第96期
第97期
自己資本比率(%)
69.4
69.5
69.7
39.9
37.3
時価ベースの自己資本比率(%)
157.0
196.3
202.7
86.2
71.5
キャッシュ・フロー対有利子負債比率
0.06
0.03
0.03
5.7
4.1
インタレスト・カバレッジ・レシオ
856.3
1,922.7
796.8
96.2
15.6
 (注)各指標の算出方法
 
自己資本比率
:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率
:株式時価総額(期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後))/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率
:有利子負債(社債、借入金、代理店預り金等)/営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ
:営業キャッシュ・フロー/利払い(利息の支払額)
2【生産、受注及び販売の状況】
(1)生産実績
① 生産実績
  当連結会計年度における生産実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
金額(百万円)
前連結会計年度比(%)
医薬品分野
756,529
108.5
その他の分野
9,458
110.8
合計
765,987
108.5
(注) 1 金額は販売見込価格により算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
 2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
 
② 商品仕入実績
  当連結会計年度における商品仕入実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成20年4月1日
至  平成21年3月31日)
金額(百万円)
前連結会計年度比(%)
医薬品分野
31,185
139.3
その他の分野
9,199
89.6
合計
40,385
123.7
(注) 1 金額は仕入価格により算出しており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
 2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(2)受注状況
 当連結グループは販売計画に基づいて見込生産を行っており、受注生産は行っておりません。
(3)販売実績
  当連結会計年度における販売実績を事業の種類別セグメントごとに示すと、次のとおりであります。
事業の種類別セグメントの名称
当連結会計年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
金額(百万円)
前連結会計年度比(%)
医薬品分野
761,158
106.9
その他の分野
20,584
91.7
合計
781,743
106.5
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先
前連結会計年度
(自 平成19年4月1日
至 平成20年3月31日)
当連結会計年度
(自 平成20年4月1日
至 平成21年3月31日)
金額(百万円)
割合(%)
金額(百万円)
割合(%)
(米国)
 マッケソン社
128,625
17.5
130,474
16.7
(米国) 
  カーディナル
 ヘルス社
95,905
13.1
98,330
12.6
(米国) 
  アメリソース
 バーゲン社
70,470
9.6
95,068
12.2
3 上記金額には消費税等は含まれておりません。
3【対処すべき課題】
 当社グループは、患者様とそのご家族の喜怒哀楽を第一義に考え、そのベネフィット向上に貢献することを企業理念としております。この理念のもと全役員・従業員が一丸となり、世界のヘルスケアの多様なニーズを充足することを通して、いかなる医療システム下においても存在意義のあるヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業となることをめざしております。この基本的な考え方を定款に定め、株主の皆様と共有化をはかっております。
  この理念の実現にあたっては、主要なステークホルダーズと考えている患者様と生活者の皆様、株主の皆様および社員との信頼関係の構築につとめるとともに、法令と倫理の遵守を目的としたコンプライアンス活動を日々実践し、企業価値の向上に取り組んでおります。
 医薬品産業は、革新的な治療薬の創出と質の高い情報・サービス・製品の提供を期待される一方、グローバルな医療費抑制策の推進、新薬開発コストの増大、研究開発力強化を企図した大型企業買収や企業再編の活発化、副作用や知的財産等のリスク対応の必要性増大など、大きな環境変化を迎えています。あわせて、世界的な金融危機、経済の低迷が今後の医薬品産業に影響を及ぼすことも予想されております。
  このような中、当社グループでは、グローバルな事業展開において、あらゆることに柔軟かつ丁寧に取り組むことで、効率性と生産性の一層の向上をはかる企業体の構築をめざしてまいります。そのために、平成23年度を最終年度とした第Ⅴ期中期戦略計画「ドラマティック リープ プラン」を平成18年度よりスタートし、「ベストな人のベストな場所でのベストなストラクチャーによる価値創造」を基本に、それぞれのリージョンごとの状況やニーズを踏まえたビジネスを展開しております。
  本中期戦略計画を開始して3年が経過いたしました。この間、研究開発や事業技術基盤の整備、グローバルな事業強化のための積極的な投資を行うなど、経営成績、事業活動において着実に成果をあげております。特に、世界最大かつ重要市場である米国での事業基盤を一層強化するとともに、がん関連領域の製品およびパイプラインを強化することを目的として、米国ライガンド社よりリンパ腫関連製品を獲得し、さらに抗体医薬の研究開発に強みを持つ米国バイオベンチャー企業であるモルフォテック社、がん・救急治療に強みを持つ米国のバイオファーマMGIファーマ社を買収いたしました。当連結会計年度中にMGIファーマ・インクの事業を米国連結子会社へ統合したことで、米国事業において、販売・コスト両面のシナジーにより成長力が強くかつ高収益な事業セグメントが誕生するとともに、がん関連領域への本格参入を果たしました。
 今後、医薬品産業を取り巻く環境はますます変化することが予想される中で、当社グループでは、「E-Pharma
Model」と称する新たなビジネスモデルを追求することといたしました。これにより、中期戦略計画の目標達成の確度を向上させ、さらに平成24年度以降の持続的な成長を追求してまいります。
(1) 新たなビジネスモデル「E-Pharma Model」の追求
 「E-Pharma Model」では、従来の生産からマーケティングにいたるすべての活動を「デマンド・イノベーション」、また研究開発活動を「プロダクト・クリエーション」と位置づけ、自律的な組織の下で社員の能力が十分に発揮される体制を構築するとともに、各リージョンにおけるバリュー・チェーンを重視していくことを基本骨格としております。そして、日本、米国、欧州、中国およびアジア・大洋州・中東の5リージョンごとの特性に合致した地域戦略に取り組んでまいります。
 これらを通じて、hhc理念の実現を進めるとともに、専門組織を設置して、顧客(患者様、生活者、医療従事者)の皆様の現実や潜在的な欲求を知り、それを満たすことで、顧客満足を超えた顧客歓喜(Customer Joy:CJ)の実現をめざしてまいります。
①「デマンド・イノベーション」の推進
  製薬企業の生産・マーケティング活動において重要なことは、高品質の製品を安定的に供給すること、薬剤の安全性と有効性を含む有用性情報の伝達にあります。これらの活動をさらに一歩深め、患者様とそのご家族の皆様がかかえている課題の優先順位を理解し、これらの解決に向けて先んじた対応を行うために、製品、情報、サービス、ネットワークのパッケージを整え、生命・生活の質の改善に貢献する「デマンド・イノベーション*」活動を推進してまいります。
 例えば、認知症領域では、治療剤を販売し情報を提供するだけではなく、診断方法の進歩や次世代の治療剤の開発状況など、最新の知見を含めた製品、情報、サービス、ネットワークをパッケージで提供することにより、患者様とそのご家族、介護者の皆様に希望を与える活動に取り組むことであります。
 このような活動は当社グループの掲げるhhc理念に通じるものであり、それぞれの領域、リージョンで「デマンド・イノベーション」を積極的に推進してまいります。
*デマンド・イノベーション:「顧客(患者様、生活者)がかかえている緊急課題や潜在課題の優先順位を理解し、
これにproactiveに応え、今までにない新しい経験を約束すること」
(慶應義塾大学 井関利明名誉教授による定義)
②「プロダクト・クリエーション」による新薬創出
 当社グループでは、研究開発活動を「プロダクト・クリエーション」へと転換し、創薬段階より患者様志向を明確にしてまいります。
  「プロダクト・クリエーション」では、高い技術、先進的な科学を追求するとともに、患者様の喜怒哀楽を理解し、患者様が明示的に感じられている問題や、暗黙的に持たれている課題に対して、革新的な治療を提供することにより患者様の生命・生活の質を改善することを明確な目的として製品の創出に取り組んでまいります。
③オートノミー組織、タレント重視の体制 
 企業は、業容拡大に伴い、組織が重層構造になり、個人の能力が十分に活かされず、イノベーションが推進されなくなる傾向があります。当社グループでは、グローバルに事業展開が拡大する中で、社員が自らの業務にオーナーシップをもって十分に能力が発揮できる体制を重視(タレント重視)してまいります。そのために、様々な権限が委譲された自律的な組織(オートノミー組織)を擁するマネジメント体制へと革新してまいります。
④バリュー・チェーンの重視
 グローバルに「デマンド・イノベーション」を創出するためには、自社コントロール下で探索・開発研究、臨床研究、生産・物流、販売、統括機能までのバリュー・チェーンを、日本、米国、欧州、中国およびアジア・大洋州・中東の各リージョンで構築することが重要であると考えております。このような体制により、各リージョンにおいて顧客歓喜(CJ)の実現をめざしてまいります。
  特に、バリュー・チェーンの中でも生産はその要と位置づけております。各リージョンにおける生産活動において、高品質な医薬品の安定供給、製造原価の管理ならびに人材育成を的確に推進するために、今後も継続的な投資を実施してまいります。
(2)リージョン戦略
 当社グループは、グローバルな事業展開を進める中で、単一のグローバル戦略で推進するのではなく、各リージョンの特性に応じた戦略を企画・推進することで、継続的な成長を果たしてまいります。現在、日本、米国、欧州、中国およびアジア・大洋州・中東の5リージョンに各々統括機能を設置するとともに、プロダクト・クリエーション機能(探索・開発研究、臨床研究)とデマンド・イノベーション機能(生産・物流、マーケティング)のバリュー・チェーンを構築して事業を推進してまいります。
①日本事業−日本事業本部(JBHQ)体制の一層の推進
 日本事業においては、日本事業本部(JBHQ:Japan Business Headquarters)を設置し、予防、疾病管理、最新治療という現代の日本医療トレンドを見据え、医療用医薬品、一般用医薬品、診断薬、ジェネリック医薬品の4事業を統合した戦略を推進しております。この統合された独自の体制により、質・量ともに高い製品、情報、サービスを創り上げ、受診、診断、治療の流れを俯瞰した疾患啓発活動、同一疾患領域における診断薬と医療用医薬品のコラボレーション、ジェネリック医薬品に関する当社と子会社の連携による質の高い製品・情報の提供など、4事業が連携した事業活動を展開してまいります。このような取り組みにより、患者様および医療関係者をはじめとしたステークホルダーズの皆様の顧客歓喜(CJ)を実現することで、継続的な成長を果たしてまいります。
②米国事業−成長領域への転換と既存領域における患者様価値の増大
  米国事業においては、主力品のアルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」、プロトンポンプ阻害型抗潰瘍剤「アシフェックス(日本製品名:パリエット)」を主軸に事業展開を進めてまいりました。そして、ライガンド社よりリンパ腫関連製品の獲得、モルフォテック社、MGIファーマ社の買収などにより、米国における事業基盤が一層強化されるとともに、がん関連領域への本格的な参入を果たし、ビジネス展開を成長する事業セグメントへと転換しております。
 主力品の「アリセプト」「アシフェックス」においては、医療ニーズの高い疾患領域であることから、今後も患者様の価値向上をめざし、パッチ製剤や徐放製剤、長時間作用型製剤などの新剤形や効能追加など、製品の有用性拡大への取り組みを進めてまいります。あわせて、充実しつつあるがん関連製品および敗血症治療剤を代表とするクリティカルケア関連製品を開発・提供してまいります。
 また、米国では新政権の下で今後の医薬品市場が大きく変化することも予想されますが、イノベーションを重視する政府の取り組みや評価は変わることはないと考えております。したがって、当社グループのめざしている革新的な新薬の早期創出や高品質な製品の安定供給などの取り組みを一層推進することで、米国市場の変化に対応し、継続的な成長を果たすことができると考えております。
③欧州事業−欧州ナレッジセンターを核とするHigh Efficiency Modelの追求
 EU27カ国を中核とした欧州全体への事業展開においては、マーケティング、メディカル、ファイナンス、ITなどの機能の集約化をはかり、欧州各国の販売拠点は、販売と薬価・償還取得に特化した機能とすることで、高い効率性・生産性を有する独自の新たなビジネスモデルである「High Efficiency Model」へと転換してまいります。その中心は、生産工場、探索研究、臨床研究、マーケティング、欧州統括機能が集約された英国ハットフィールドの欧州ナレッジセンターであり、現在本格稼動に向けた準備が進められております。
 あわせて、欧州ナレッジセンターにおいては、各機能間のコミュニケーションによる知識創造の場を提供することで、顧客歓喜(CJ)を実現できる体制を構築し、欧州事業における継続的な成長を果たしてまいります。
④中国事業、アジア・大洋州・中東事業−エマージング・マーケットの多様なニーズを充足し製品・情報・サービスの質を高める
  中国事業、アジア・大洋州・中東事業においては、それぞれのエリア特性や疾病構造に合致した戦略的な製品のラインアップの強化を推進しております。
a)中国事業
  中国事業では、グローバル主力品である「アリセプト」「パリエット」とともに、消化器疾患領域では肝疾患治療剤など、内分泌・整形外科領域では糖尿病や筋骨格系疾患の治療剤を取り揃えることで、患者様の疾病管理と治療およびクオリティ・オブ・ライフ(QOL)向上に一層の貢献をしてまいります。あわせて、中国市場における販売ネットワークの拡大をはかり、継続的な成長を果たしてまいります。
b)アジア・大洋州・中東事業
  アジア・大洋州・中東事業においては、それぞれのマーケットにおいて、製品、情報、サービスの質を高める活動を展開してまいります。その中で、販売・マーケティングおよび臨床データマネジメント機能を有し、さらに原薬・製剤に関する生産・研究機能を構築中であるインドを第4の知識創造拠点として拡充をはかり、エマージングエリアの中核として位置づけてまいります。
(3)製品創出における新体制の構築
 当社グループでは、研究開発活動を「プロダクト・クリエーション」と位置づけ、それを推進するために新しい組織体制へと刷新いたします。
  新体制は、プロダクト・クリエーション・ユニット(PCU)、コア・ファンクション・ユニット(CFU)、CEOオフィスで構成されます。
  PCUは、革新的新薬候補の発明・発見から承認申請、承認取得に至るまでの一連のプロセスをタイムリーに進行させることについてすべての責任を負うユニットであり、がん領域、神経領域など6ユニットで構成されます。CFUは、プレクリニカル・クリニカルオペレーション、技術、薬制などのコア・ファンクションにおいて、グローバル・クラスの能力を獲得・維持すること、PCUと同列のパートナーとして新薬候補の開発推進をすることにすべての責任を負うユニットであり、原薬・製剤研究、代謝・安全性など6つの機能別ユニットで構成されます。これに、創薬研究の最上流となる生命科学研究を担い、抗体医薬の創出も進められているカン研究所(兵庫県)を加えた13ユニットが相互に連携し、製品創出のための共同作業を行う体制を形成します。CEOオフィスは、プロダクト・クリエーション組織戦略策定、コーポレート・ポートフォリオ・マネジメント、マイルストーンの推進を行います。
  新しい体制のめざすところは、製品の創出活動において、より患者様志向を明確にすることにあります。患者様の喜怒哀楽を理解し、患者様が明示的に感じられている問題、暗黙的に持たれている課題に対して、革新的な治療を提供することにより、患者様の生命・生活の質を改善することを各々の活動目的としております。そのために、自律的な環境の下で明確な責任を持った疾病・技術領域別専任組織を形成し、製品創出におけるオーナーシップとモチベーションを高め、生産性・効率性の向上へとつなげてまいります。この新しい体制により、未だ十分な治療法が確立されていない疾病の克服や患者様や介護者の皆様のQOLの向上に資する革新的な新薬の早期創出をめざしてまいります。
(4)顧客歓喜(Customer Joy:CJ)を実現するための取り組み
 当社グループでは、顧客の皆様の顕在化した欲求を充足するだけでなく、潜在的な欲求をも満たす製品、情報、サービス、ネットワークをパッケージで提供することによって得られる顧客歓喜(CJ)の実現をめざしてまいります。そのための専門組織として、CEOオフィスに、お客様窓口から技術部門までの機能をあわせ持つCJ部を新設いたしました。CJ部が中核となり、患者様や生活者の皆様と接することにより得られた潜在的な欲求を満たす製品改良および情報提供などに取り組み、hhc理念を実現してまいります。
(5)コーポレートガバナンス
 当社グループは、経営の活力が増大し、経営の公正性が確保されるとともに経営の透明性が向上するシステムの整備を、コーポレートガバナンスの要諦と位置づけ、これを実現するための施策を継続的に実施してまいりました。今後も、定款に定めた企業理念のもと、最良のコーポレートガバナンスの実現に取り組んでまいります。
  当社取締役会は、最良のコーポレートガバナンスを実現するためのシステムについて定めたコーポレートガバナンスガイドラインを制定し、適宜見直し、これを厳格に運用しております。コーポレートガバナンスガイドラインは、当社のホームページに掲載しております。(http://www.eisai.co.jp/company/cgguideline.html)
  当社グループのコーポレートガバナンスシステムの機軸は、委員会設置会社であることを最大限に活用した経営の監督機能と業務執行機能の明確な分離であり、それを徹底するための独立性・中立性のある社外取締役の選任にあります。
  経営と執行の分離において、取締役会から執行役へ意思決定権限の大幅な委任をしております。これにより、執行役は業務執行の機動性と柔軟性を高めつつ、同時に内部統制の構築による自律性を確保して、経営の活力を増大させております。社外取締役が過半数の取締役会は、執行役の業務執行全般の監督に専念し、経営の公正性を確保しております。
  社外取締役候補者については、指名委員会が「社外取締役の独立性・中立性の要件」(平成21年1月30日改正)に従って選任を行っております。
  加えて、当社は経営に関する重要な情報について、適時、適切に、分かりやすく、アクセスしやすい方法で株主の皆様に開示するととともに、株主の皆様とのよいコミュニケーションにつとめております。
  なお、「コーポレートガバナンス報告書」を東京証券取引所ならびに大阪証券取引所へ報告し、両取引所ならびに当社のホームページに掲載しております。
(6)内部統制
 当社グループでは、内部統制を「事業活動を適正かつ効率的に遂行するために、社内に構築され運用される体制、およびプロセス」ととらえ、専任部署を設置し、全役員および従業員が内部統制の整備、実践に取り組んでおります。
 具体的には、内部統制ポリシーおよび内部統制基本規程等を制定し、日本、米国、欧州、中国、アジア・大洋州・中東の各リージョンにおける内部統制システムの整備を推進しております。特にグループ全体に内部統制マインドを浸透させるため、各リージョンを統括する組織との連携を深め、内部統制に関わるグローバルな委員会等を通して、各リージョンの内部統制システムを推進することに重点を置いております。
 当社グループでは、内部統制担当執行役のもとに内部統制システムをグローバルに推進する「内部統制推進部」と客観的な評価機能を有する「内部監査部」を設置して、グループ全体の内部統制システムの整備・評価を行っております。
 内部統制の目的には、①財務報告の信頼性、②業務の有効性・効率性、③コンプライアンス、④資産の保全の4つがあります。これらに関しては、継続的に内部統制状況の改善をはかるために、毎年CSA(Control Self 
Assessment:統制自己評価)を実施し、日常的なオペレーショナルリスクを発見し、統制活動の改善を行っております。
 また、①財務報告の信頼性に関しては、金融商品取引法における「内部統制報告制度」への対応を企図し、会計監査人との連携の下、財務報告に係る内部統制システムの整備を進めております。具体的には、連結対象会社の責任者および各部門長が財務報告に係る内部統制に関する内部宣誓書を提出し、内部統制担当執行役の確認を経て、最高経営責任者(CEO)および最高財務責任者(CFO)が内部統制報告書を承認する組織的な取り組みを行っております。
  なお、③コンプライアンスに関しては、専任部署である企業倫理推進部と連携しながら、適切に推進しております。
  一方、内部監査については、内部監査のグローバルスタンダードに適応した監査品質の向上をはかり、当社の内部監査、グループ企業の内部監査部署と連携した内部監査の実施およびグローバルな財務報告に係る内部統制の評価を実施しております。なお、内部監査品質を確認するため外部機関による評価を実施し、高品質の内部監査につとめております。
(7)コンプライアンス
 日々の企業活動の中では様々な判断が求められますが、その基本となるのがコンプライアンス(法令と倫理の遵守)であると考えております。当社グループでは、企業理念の中にコンプライアンスを盛り込み、さらにそれを定款に定めて、企業活動の根幹としております。
 当社グループでは、コンプライアンス推進を統轄する執行役であるチーフ・コンプライアンス・オフィサーのもとに企業倫理推進専任部署を日本、米国、欧州に設置した体制により、グローバルにコンプライアンス活動が推進されております。また、当社グループのコンプライアンス活動は、コンプライアンス委員会により、定期的レビューを受けております。コンプライアンス委員会は、日本、米国、欧州の各エリアの弁護士やコンサルタント等社外専門家からなる諮問委員会であり、厳しい客観的なレビューを行うとともに、チーフ・コンプライアンス・オフィサーに適切に助言を行っております。
 コンプライアンス研修に関しては、トップ・マネジメントに対する役員研修をはじめ、部門別、新任組織長、新入社員など対象者を絞った研修や、リスク・アセスメント研修(社員一人ひとりがコンプライアンス・リスクを抽出し、社外弁護士を交えてグループディスカッションにより分析・評価する研修)、受講者の時間に合わせて受講できるコンプライアンスe-ラーニング(インターネットを用いた研修)など、様々な取り組みを実施しております。
 また、全世界の役員および従業員が同じコンプライアンス・マインドで活動できるよう、ビジネスの基本となる「企業行動憲章」や考え方を示した「行動指針」を定めております。これらを「コンプライアンス・ハンドブック」として13カ国語で発行し、全世界の役員および従業員で共有しております。
 あわせて、法律の解釈などコンプライアンスに関して判断に迷った場合や、自分自身の行動や上司、同僚の行動がコンプライアンスに則っているか疑問を感じた場合など、社員の身近な社内相談窓口としてコンプライアンス・カウンターを設置しております。さらに、公益通報者保護制度に対応して弁護士による社外カウンターを設けるとともに、コンプライアンス・カウンターに相談しにくいケースでも社員が相談しやすいように、社外相談員が運営する社外相談窓口ガイディアを設置し、コンプライアンスを充実するための環境を整備しております。
(8)環境保全
 当社グループでは、自ら定めた「ENW*環境方針」に基づく環境管理体制のもと、役員および従業員が環境基本理念を共有し、各事業所・企業単位で環境保全活動を展開しております。国内主要生産拠点においては、ISO14001の認証を取得し、そのほかの各事業所・企業では独自の管理体制を構築し、継続的な活動とレベルの向上をはかっております。
 そして、資源の投入と環境への負荷を定量的に把握するとともに、地球温暖化防止、廃棄物削減とリサイクルの推進、化学物質の適正な管理と使用量削減、グリーン購入など、環境負荷削減への取り組みを進めております。あわせて「環境・社会報告書」を毎年発行して、環境および安全衛生に関するマネジメント体制や具体的な管理活動実績等について公表しております。
*ENW(Eisai Network Companies)とは、エーザイ㈱および連結子会社と関連会社で構成されている企業グループのことであります。
(9)社会貢献活動
  当社グループでは、医学・薬学の歴史、健康科学に関する知識の普及などを目的とした日本初のくすりに関する総合的な資料館「内藤記念くすり博物館」(岐阜県)を無料で公開しております。あわせて、人類の疾病の予防と治療に関する自然科学の研究を奨励し、学術の振興や人々の福祉に寄与することを目的とした「財団法人 内藤記念科学振興財団」、医療および医薬品に関する経済学的調査・研究、医薬品等に関する研究開発・生産・流通などについての調査・研究を行い医療とその関連諸科学の学際的研究・調査を推進することでわが国の医療と福祉の発展をはかることを目的とした「財団法人 医療科学研究所」に対する運営の支援を行っております。さらに、困難な医療環境のもとで長年にわたり医療・福祉業務に従事された方々を顕彰する「医療功労賞」事業への協賛をしております。
  また、アルツハイマー型認知症など当社製品に関連する疾患の啓発活動や高齢患者様ならびに介護者の皆様に対する支援活動などを国内外で行っております。
(10) 株式会社の支配に関する基本方針
<基本方針の内容等>
当社における「株式会社の支配に関する基本方針の内容」、「基本方針の実現に資する特別な取組み」および「基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務および事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み」は、以下の「当社企業価値・株主共同の利益の確保に関する対応方針」に記載しております。また、「当社の取り組みが基本方針に沿うものであること、株主の共同の利益を損なうものではないことおよび当社の役員の地位の維持を目的とするものではないことについての当社の取締役会の判断およびその判断の理由」についても本対応方針に記載しております。
 本対応方針は、平成18年2月28日開催の取締役会において社外取締役独立委員会より提案され、導入されたものであります。本対応方針については、毎年、定時株主総会後に、新たに選任された社外取締役全員で構成される社外取締役独立委員会で維持・見直し・廃止の審議を行うことになっております。
 平成20年度は、6月20日に開催された第96回定時株主総会終了後に、新任3名を含む社外取締役7名全員で構成される社外取締役独立委員会(委員長:岸本義之)で、本対応方針について、「証券取引法」から「金融商品取引法」への移行に伴う表記の変更をするが、内容としては現行で継続することを当社取締役会に提案することで全委員が賛成し、決議いたしました。社外取締役独立委員会は、本対応方針が以下の仕組みを有しており、取締役会の決議での継続を妥当と判断いたしました。
① 経営陣の恣意性が排除されている。
② 同方針は、毎年、継続・見直し・廃止が検討される。
③ 取締役選任議案をもって、同方針に対する株主の皆様のご意向を反映できる。
なお、平成20年7月31日開催の取締役会において、社外取締役独立委員会より提案された本対応方針の継続が審議され、承認されております。
 また、平成20年12月には、臨時の社外取締役独立委員会を開催し、買収防衛策に関する近時の潮流、他社の動向についての調査報告に基づき、「当社企業価値・株主共同の利益の確保に関する対応方針」に関して、意見交換を行いました。
  平成21年3月開催の委員会においては、当該対応方針に対する賛否を全委員に問い、全員賛成の意思表示が確認されました。
[当社企業価値・株主共同の利益の確保に関する対応方針](平成18年2月28日公表、平成20年7月31日改正)
1.導入の理由
 当社は、ヒューマン・ヘルスケア(hhc)企業として、企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを最優先の課題としておりますが、かかる企業価値・株主共同の利益の向上は、患者価値を創出することにより実現できるものと考えております。この患者価値を創出するためには、新薬の研究・開発の更なる推進、高品質な製品の生産・販売、医薬品の安全な使用を実現するための情報の管理・提供等が必要です。これらを実現するためには、長期的な視野のもとに大胆に企業施策を行わなければならず、また、株主価値を創出するためには、企業として安定的かつ継続的に成長していくことが不可欠の前提となります。さらに、当社は、企業としての社会的責任を全うしつつ、これらの課題を達成するため、2004年に委員会等設置会社に移行し、透明性の高いガバナンス体制を志向しております。
 また、当社は長期的視点に立って策定された第V期中期戦略計画をはじめとする諸施策を遂行・実施することにより、企業価値を高め、株主の皆様の価値を向上する所存であります。しかし、当社事業を取り巻く競争関係の激化、企業買収に対するわが国における法制度・企業文化の変化・変容等を踏まえると、当社の経営方針に重大な影響を与える買付が行われることも予想されます。特に、当社の発行済株式総数の15%以上に相当する株式の買付が行われると、当社経営に重大な影響が生じ、上記施策を遂行・達成することができなくなるおそれがあります。この15%以上に相当する株式の買付による影響については、次の事項からもその重大さは明らかであると考えられます。まず、財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則による関連会社の基準に、議決権の15%以上、20%未満を所有し重要な影響を与え得ることが推測される事実の存在がある場合が含まれていることがあげられます。また、15%という株式の買付は、株主総会の特別決議の否決に関して、その定足数も考慮に入れた場合、非常に大きな割合を占めることになります。
 もとより当社は、当社の株式を大量に取得したり、当社の経営に関与しようとする買付については、それが当社の企業価値を大きく向上させるものであれば、これを一概に否定するものではありません。しかし、株式を大量に取得する買付の中には、買付目的や買付後の経営方針等に鑑み、株主共同の利益を損なうことが明白であるもの、買付に応じることを株主に強要するような仕組みを有するもの、会社や株主に対して買付に係る提案内容や代替案等を検討するための十分な時間や情報を与えないもの、買付条件が会社の有する本来の企業価値に照らして不十分又は不適切であるもの等の不適切な買付も少なくありません。更に、当社が患者価値の創出を実現し、企業価値ひいては株主共同の利益を向上させるためには、上述のとおり新薬の研究・開発体制、高品質製品の安定供給、薬剤の安全性と有効性の情報の管理・提供の確保が必要不可欠であり、これらが確保されなければ、当社の企業価値ひいては株主共同の利益が毀損されることになります。
 そこで、当社は、上記に記載した買付類型を含む当社や株主の皆様の利益に反する買付を防止するためには、当社企業価値・株主共同の利益の確保に関する対応方針(以下「本対応方針」といいます。)を導入することが必要不可欠であると判断し、その導入を決定致しました。
 本対応方針は、当社に対するかかる買付が行われる場合には、買付者又は買付提案者(以下、公開買付者又はその提案者も含め、併せて「買付者等」といいます。)に対し、事前に当該買付内容に関する情報の提供を求め、当社が、当該買付についての情報収集・検討等を行う期間を確保した上で、必要に応じて、株主の皆様に事業計画等を説明したり、代替案を提示するとともに、買付者等と交渉を並行して行っていくことを可能とすることを狙うものです。これに対し、買付者等がこうした事前の情報提供なく買付を行う場合や、当該買付が当社の企業価値・株主共同の利益を毀損しないものとは認められない場合には、後述のとおり、当該買付者等及びその一定の関係者による権利行使は認められないとの行使条件が付された新株予約権(以下「本新株予約権」といいます。)を、その時点の全ての株主に対して株主割当ての方法により発行します。本対応方針は、本新株予約権の発行により、当該買付者等の有する当社株式の議決権割合を相当低下させ、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付行為の阻止を図るものです。
 もっとも、こうした対応方針の導入、実際に買付がなされた場合の当該買付の検討、必要に応じた買付者等との協議・交渉、その結果等を踏まえた本新株予約権の発行の必要性の有無の判断については、経営陣の自己保身に利用されることがないように特に客観性・合理性が要求されるところです。この点、当社の取締役会は、過半数が社外取締役によって構成されています。当社社外取締役7名は、いずれも、会社経営陣から独立した、経験と実績に富む会社経営者、経営学者、公認会計士、法律家であり、これらの者を過半数とし、かつ、社外取締役ではない4名も、業務執行に当たる取締役は1名のみであり、当社取締役会は、株主の皆様の利益を代表して上記の判断を客観的かつ合理的に行うことができるものと考えます。
 本対応方針の導入に際しては、社外取締役のうち3名を構成員とする「特別委員会」を設置し、まず当該特別委員会にて、複数の外部専門家からもアドバイスを受け、検討致しました。その結果、特別委員会は、本対応方針が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する買付を防止するためには必要不可欠と判断しました。次に、本対応方針は社外取締役7名全員を構成員として設置された「社外取締役独立委員会」(その決議要件・決議事項等については(別紙1)「社外取締役独立委員会の概要」をご確認ください。)に対し提案され、社外取締役独立委員会は、本対応方針導入の可否を検討し、その結果本対応方針が当社の企業価値ひいては株主共同の利益に反する買付を防止するためには必要不可欠と判断し、その導入を当社取締役会に提案致しました。取締役会は、審議の結果、本対応方針の導入を決定致しました。このように、本対応方針は当社の企業価値ひいては株主共同の利益のために、会社経営陣から独立した両委員会のイニシアティブにより採用されるに至ったものです。
 加えて、本対応方針導入後においても、本対応方針の運用に際しての判断についてはその客観性・合理性が確保されるようにしております。実際に当社に対して買付がなされた場合には、社外取締役独立委員会が主体的に、下記4.に記載の各要件を満たすものであるか否かの判断を行います。
 そして、社外取締役独立委員会は、当該買付が下記4.に記載のすべての要件を満たすと判断する場合を除き、原則として本新株予約権の発行を取締役会に提案いたします。取締役会は、これを受け本新株予約権の発行が必要であるかどうかを決議します。また、社外取締役独立委員会において、当該買付に対して本新株予約権を発行しない旨の決議をした場合には、取締役会では本新株予約権の発行に関する審議・決議は行いません。このように、本新株予約権を発行すべきか否かの判断に関しまして、経営陣の恣意的な判断を排除するとともに、本新株予約権の発行が容易にできない仕組みをとっております。
2.本対応方針の対象となる買付
本対応方針においては、本新株予約権は、以下1)又は2)に該当する買付又はその提案(以下併せて「買付等」といいます。)がなされたときに、本対応方針に定められる手続に従い発行されることとなります。
1) 当社が発行者である株券等(1)について、保有者(2)の株券等保有割合(3)が15%以上となる買付その他
取得
2) 当社が発行する株券等(4)について、公開買付け(5)に係る株券等(6)の株券等所有割合(7)及びその特別関係者(8)の株券等所有割合の合計が15%以上となる公開買付け
(1) 金融商品取引法第27条の23第1項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(2) 金融商品取引法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。
(3) 金融商品取引法第27条の23第4項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(4) 金融商品取引法第27条の2第1項に定義されます。
(5) 金融商品取引法第27条の2第6項に定義されます。
(6) 金融商品取引法第27条の2第1項に定義されます。
(7) 金融商品取引法第27条の2第8項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。
(8) 金融商品取引法第27条の2第7項に定義されます。但し、同項第1号に掲げる者については、発
行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条第2項で定める者を除きます。
3.本新株予約権の発行のプロセス
1) 買付者等から社外取締役独立委員会に対する事前の情報提供
上記2.に定める買付等を行う買付者等には、買付等の実行に先立ち、当社社外取締役独立委員会宛に、(別紙2)に定める当該買付者等の買付等の内容の検討に必要な情報(以下「本必要情報」といいます。)及び買付者等が買付等に際して本対応方針に定める手続を遵守する旨を記載した書面(以下併せて「買付説明書」といいます。)を提出していただきます。    
当社社外取締役独立委員会が、当該買付説明書の記載内容が本必要情報として不十分であると判断した場合には、当社社外取締役独立委員会は買付者等に対し、適宜回答期限を定めた上で、本必要情報を追加的に提出するよう求めることがあります。この場合には、当該期限までに、買付者等より追加の本必要情報の提供をしていただくこととします。
なお、当社社外取締役独立委員会は、引き続き買付説明書(本必要情報を含みます)の提出を求めて買付者等と協議・交渉等を行うべき特段の事情がある場合を除き、買付者等が本対応方針に定められた手続に従うことなく買付等を開始したものと認められる場合には、原則として、下記3.3) (1)記載のとおり、当社取締役会に対して、本新株予約権を発行することを提案します。 
2) 社外取締役独立委員会による買付等の内容の検討・買付者等との交渉・代替案の提示
当社社外取締役独立委員会は、買付者等から本必要情報が十分に記載された買付説明書及び社外取締役独立委員会から追加提出を求められた本必要情報が提出された場合、必要に応じ、当社の執行役に対しても、社外取締役独立委員会が定める期間内に買付者等の買付等の内容に対する意見及びその根拠資料、代替案その他社外取締役独立委員会が適宜必要と認める情報・資料等を提示することを求めます。
社外取締役独立委員会は、買付者等及び執行役からの必要な情報・資料を受領後、原則として60日間(但し、下記3.3) (3)に記載するところに従い、社外取締役独立委員会は当該期間を延長することができるものとします。)(以下「社外取締役独立委員会検討期間」といいます。)、買付者等の買付等の内容の検討、当社執行役による代替案の検討、買付者等と当社執行役の事業計画等に関する情報収集・比較検討等を行います。また、社外取締役独立委員会は、必要があれば、当社の企業価値・株主共同の利益の観点から当該買付等の内容を改善させるために、直接又は間接に、当該買付者等と交渉を行い、また、株主の皆様に対する代替案の提示を行うものとします。
社外取締役独立委員会は、社外取締役独立委員会の判断が適切になされることを確保するために、自らの裁量により、当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができるものとします。
また、社外取締役独立委員会検討期間中、社外取締役独立委員会は、買付者等から買付説明書が提出された事実及び本必要情報その他の情報のうち社外取締役独立委員会が適切と判断する事項について、情報開示を行うことができます。
なお、買付者等は、社外取締役独立委員会検討期間が終了するまでは、上記2.に規定する買付等を実行することはできないものとします。
3) 社外取締役独立委員会の決議
社外取締役独立委員会は、買付者等が出現した場合において、以下の手続を行うものとします。
(1) 社外取締役独立委員会は、買付者等が上記3.1)及び2)に規定する手続を遵守しなかった場合を含め、下記3.3) (2)又は(3)のいずれにも該当しない限り、原則として、社外取締役独立委員会検討期間の開始又は終了の有無を問わず、当社取締役会に対して、本新株予約権を発行することを提案します。
社外取締役独立委員会は、当該発行を提案した事実及びその概要並びに本新株予約権を発行すべきと判断した理由その他社外取締役独立委員会が適切と判断する事項について、情報開示を行うことができます。
但し、社外取締役独立委員会は、かかる提案の判断の前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、本新株予約権の発行の中止を含む別個の判断を行うことができるものとし、かかる場合には、社外取締役独立委員会は必要と認める情報開示を行うことができます。
(2) 社外取締役独立委員会は、買付者等の買付等の内容の検討、買付者等との交渉の結果、当該買付者等による買付等が下記4.1)から9)のいずれの要件も満たすと判断した場合には、社外取締役独立委員会検討期間の終了の有無を問わず、本新株予約権を発行しないことを決議いたします。この不発行の決議に関して、当社取締役会で本新株予約権の発行の有無について改めて審議等をすることはありません。
社外取締役独立委員会は、当該不発行を決議した事実及びその概要並びに本新株予約権を不発行とすべきと判断した理由その他社外取締役独立委員会が適切と判断する事項について、情報開示を行うことができます。
但し、社外取締役独立委員会は、かかる決議の判断の前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、本新株予約権の発行の提案を含む別個の判断を行い、これを当社取締役会に提案することができるものとし、かかる場合には、社外取締役独立委員会は必要と認める情報開示を行うことができます。
(3) 社外取締役独立委員会が、当初の社外取締役独立委員会検討期間終了時までに、本新株予約権の発行又は不発行の決議を行うに至らない場合には、社外取締役独立委員会は、当該買付者等の買付等の内容の検討・当該買付者等との交渉・代替案作成等に必要な範囲内で、社外取締役独立委員会検討期間を延長する旨の決議を行います(なお、当該期間延長後、更なる期間の延長を行う場合においても同様の手続によるものとします。)。
社外取締役独立委員会は、社外取締役独立委員会検討期間を延長するに至った理由、延長期間、その他社外取締役独立委員会が適切と判断する事項について、情報開示を行うことができます。
上記決議により社外取締役独立委員会検討期間を延長した場合、社外取締役独立委員会は、引き続き、買付者等の買付等の内容の検討・必要な場合には買付者等との交渉及び代替案の作成等を行うものとし、延長期間内に本新株予約権の発行の提案又は不発行の決定や代替案の提示等を行うよう努めるものとします。
4) 取締役会の決議
 当社取締役会は、社外取締役独立委員会から上記本新株予約権発行の提案を受けた場合、速やかに決議を行うものとします。 
 取締役会は、本新株予約権の発行の決議を行った場合、直ちに当該決議をした事実及びその概要並びに当該決定の判断理由その他取締役会が適切と判断する事項について、情報開示を行います。
 但し、取締役会は、かかる決議の判断の前提となった事実関係等に変動が生じた場合には、別個の判断を行うことができるものとします。
 なお、当社社外取締役独立委員会が本新株予約権の不発行の決議をした場合には、上記3.3) (2)に記載のとおり、社外取締役独立委員会の決議によるものとし、当社取締役会で本新株予約権の発行の有無について審議等をすることはありません。
 
4.本新株予約権を発行する基準
社外取締役独立委員会は、本対応方針の対象となる買付等が、以下の全ての要件を満たすと判断する場合を除き、原則として本新株予約権を発行することを取締役会に提案する予定としております。
1) 本対応方針に定める手続を遵守した買付等である場合
2) 下記に掲げる行為等により当社企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらす虞のある買付等ではない場合
(1) 株式を買い占め、その株式について当社に対して高値で買取りを要求する行為
(2) 当社の経営を一時的に支配して、当社の重要な資産等を廉価に取得する等当社の犠牲の下に買付者等の利益を実現する経営を行うような行為
(3) 当社の資産を買付者等やそのグループ会社等の債務の担保や弁済原資として流用する行為
(4) 当社の経営を一時的に支配して当社の事業に当面関係していない高額資産等を処分させ、その処分利益をもって、一時的な高配当をさせるか、一時的高配当による株価の急上昇の機会をねらって高値で売り抜ける行為
3) 強圧的二段階買付(最初の買付で全株式の買付を勧誘することなく、二段階目以降の買付条件を不利に設定し、あるいは明確にしないで、公開買付け等の株式買付を行うことをいいます。)等株主に株式の売却を事実上強要する虞のある買付等ではない場合
4) 当社に、当該買付等に対する代替案を提示するために合理的に必要な期間を与えない買付等ではない場合
5) 当社株主に対して、買付者等の概要(別紙2本必要情報1.の例示を含みます。)、買付等の価格の算定根拠(別紙2本必要情報3.の例示を含みます。)及び買付等の資金の裏付け(別紙2本必要情報4.の例示を含みます。)、買付等の後の経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策等(別紙2本必要情報5.の例示を含みます。)の買付等の内容を判断するための情報が提供されない、又は提供された場合であっても当該買付者等の現在又は将来の株券等保有割合等に照らして提供された情報が不十分である買付等ではない場合
6) 買付等の条件(別紙2本必要情報2.及び6.の例示を含みます。)が当社の本源的価値に鑑み不十分又は不適当である買付等ではない場合
7) 法令又は定款に違反する買付等ではない場合
8) 株主としての買付者等の行動が当社の経営に悪影響を及ぼし、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に重大な損害をもたらす虞のある買付等ではない場合
9) 買付等が行われる時点の法令、行政指導、裁判結果、証券取引所の規則により、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に重大な損害をもたらす虞のある買付等であると明らかに認められている買付等ではない場合
5.本対応方針の有効期間
 本対応方針の有効期間は、第Ⅴ期中期戦略計画(2006年4月から2012年3月までを対象)の期間を包含すべく、2012年6月30日までとします。
  社外取締役独立委員会は、本対応方針導入後、毎年、定時株主総会開催後に、本対応方針の継続、見直し又は廃止について検討するものとします。その結果は、取締役会に提案され、取締役会で審議の上、本対応方針は継続、見直し又は廃止されるものとします。当社では、全取締役の任期を1年としており、取締役は、毎年6月の定時株主総会で選任されております。取締役の任期の期差別や解任制限等は存在しないことから、1回の株主総会により全取締役の選解任が可能であり、当該総会で選任された取締役により構成された取締役会において、社外取締役独立委員会の提案を受け、本対応方針を廃止する決議を行うことが可能であり、また社外取締役独立委員会において本新株予約権の発行を行わない旨の決議を行うことも可能であります。以上の点からしまして、本対応方針の継続、見直し又は廃止に関して当社の株主の皆様のご意向を十分に反映させることができるものと考えております。
 なお、当社は、本対応方針の有効期間中であっても、社外取締役独立委員会の検討に基づき、必要に応じて、本対応方針を見直しもしくは変更し、又は別の買収防衛策を導入する場合があります。
 
6.本新株予約権の主要な条件
本対応方針に基づき発行する予定の本新株予約権の主要な条件等は以下のとおりです。また、当社は、機動的な発行を目的として、本新株予約権について予め発行登録を行う予定でおります。
1) 割当対象株主
 本新株予約権の発行決議(以下「本発行決議」といいます。)において、当社取締役会が割当期日と定める日(以下「割当期日」といいます。)の最終の株主名簿及び実質株主名簿に記載又は記録された株主に対し、その所有株式(但し、当社の保有する当社株式を除きます。)1株につき本新株予約権1個の割合で割り当てます。
2) 本新株予約権の目的とする株式の種類及び数
 本新株予約権の目的となる株式の種類は当社普通株式とし、本新株予約権1個当たりの目的となる株式の数は1株又は本発行決議において当社取締役会が定める株数とします。
3) 本新株予約権の総数
 割当期日における最終の発行済株式総数(但し、当社の保有する当社普通株式を除きます。)を上限とします。
4) 本新株予約権の発行価額
 無償とします。
5) 本新株予約権の行使に際して払込をなすべき額
 新株予約権1個当たり1円とします。
6) 本新株予約権の行使期間
 本発行決議において当社取締役会が定める本新株予約権の発行日から、最短1カ月最長2カ月の間で、本発行決議において当社取締役会が定める期間とします。
7) 本新株予約権の行使条件
(1) ①割当期日又は本新株予約権の行使日において特定大量保有者(下記(ア)ないし(エ)の各号に記載される者を除き、(i)当社が発行者である株券等(金融商品取引法第27条の23第1項に定義されます。以下別段の定めがない限り同じとします。)の保有者(同法第27条の23第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。)で、当該株券等に係る株券等保有割合(同法第27条の23第4項に定義されます。)が15%以上となる者もしくは15%以上となると当社取締役会が認めた者、又は(ii)公開買付け(同法第27条の2第6項に定義されます。)によって当社が発行者である株券等(同法第27条の2第1項に定義されます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に定義されます。以下同じとします。)を行う者で、当該買付け等の後におけるその者の所有(これに準ずるものとして金融商品取引法施行令第7条第1項に定める場合を含みます。)に係る株券等所有割合(同法第27条の2第8項に定義されます。以下同じとします。)及びその者の特別関係者(同法第27条の2第7項に定義されます。但し、同項第1号に掲げる者については、発行者以外の者による株券等の公開買付けの開示に関する内閣府令第3条第2項で定める者を除きます。以下同じとします。)の株券等所有割合と合計して15%以上となる者)、
②その共同保有者(同法第27条の23第5項に定義される者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)(上記(i)に定めるとき)、
③その特別関係者(上記(ii)に定めるとき)、
④上記①ないし③記載の者から本新株予約権を当社取締役会の承認を得ることなく譲受もしくは承継した者、又は、
⑤実質的に、上記の①ないし④記載の者が支配し、当該者に支配されもしくは当該者と共同の支配下にある者として当社取締役会が認めた者、もしくは当該者と協調して行動する者として当社取締役会が認めた者(以下、上記①ないし⑤を総称して「特定大量保有者等」といいます。)は、本新株予約権を行使することができません。
(ア)当社、当社の子会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第3項に定義される。)又は当社の関連会社(財務諸表等の用語、様式及び作成方法に関する規則第8条第5項に定義されます。)
(イ)当社を支配する意図がなく上記(i)又は(ii)に該当することになった者である旨当社取締役会が認めた者であって、かつ、上記(i)又は(ii)に該当することになった後10日間(但し、当社取締役会はかかる期間を延長することができます。)以内にその保有する当社の株券等を処分することにより上記(i)及び(ii)に該当しなくなった者
(ウ)当社による自己株式の取得その他の理由により、自己の意思によることなく、上記(i)又は(ii)に該当することになった者である旨当社取締役会が認めた者(但し、その後、自己の意思により当社の株券等を新たに取得した場合を除きます。)
(エ)その者が当社の株券等を取得又は保有することが当社の利益に反しないと当社取締役会が認めた者(一定の条件の下に当社の利益に反しないと当社取締役会が認めた場合には、当該条件が満たされている場合に限ります。)
(2) 上記(1)の規定のほか、自己が特定大量保有者等ではないことを表明していない者、その他本発行決議において当社取締役会が定める事項を誓約する書面を提出していない者は、本新株予約権を行使することはできません。
8) 本新株予約権の消却
 本新株予約権については、消却事由及び消却の条件は定めません。
9) 本新株予約権の譲渡
 本新株予約権を譲渡するには当社取締役会の承認を要します。
  上記6.7)に基づき、特定大量保有者等は本新株予約権を行使することができないにも関わらず、特定大量保有者等において本新株予約権を自由に第三者に譲渡することができれば、当社の企業価値・株主共同の利益を毀損する買付行為の阻止を図るという目的が達成し得なくなります。従って、本新株予約権には譲渡制限が付されることになりますが、特定大量保有者等は、当社取締役会の承認する第三者には、本新株予約権を譲渡することができます。
7.株主の皆様への影響
1) 本対応方針の導入時に株主の皆様に与える影響
 本対応方針の導入時点においては、本新株予約権の発行自体は行われませんので、株主の皆様の権利・利益に直接具体的な影響が生じることはございません。
2) 本新株予約権の発行時に株主の皆様に与える影響
  本新株予約権が発行される場合においては、取締役会の当該発行決議において別途設定する割当期日における株主の皆様に対し、その保有する株式1株につき1個の割合で本新株予約権が無償にて割り当てられます。仮に、株主の皆様が、権利行使期間内に、所定の行使価額相当の金銭の払込その他本新株予約権の行使に係る手続を経なければ、他の株主の皆様による本新株予約権の行使により、その保有する当社株式が希釈化することになります。 
  また、本新株予約権の発行は割当期日の4営業日前(割当期日を含む)において取り消し不能となります。割当期日において本新株予約権を取り消し不能とする理由は、買付者等以外の株主の皆様に損害を与えることとなる市場における混乱及び株式の流動性がなくなることを避けるためです。本新株予約権を取り消し不能とすることで、個々の株式に対して発生する希釈化の量及び時期に関する疑いが全くなくなります。個々の株式は希釈されますが、一人ひとりの株主の方は、少なくともその希釈化を相殺するに十分な株式を受領することになります。それぞれの株主の方の株券等保有割合は、変化しないか又はわずかに増加いたします。
3) 発行に伴って株主の皆様に必要となる手続
(1) 名義書換の手続
当社取締役会において、本新株予約権を発行することを決議した場合には、当社は、本新株予約権の割当期日を公告いたします。割当期日における最終の株主名簿又は実質株主名簿に記載又は記録された株主に本新株予約権の引受権が付与されますので、株主の皆様におかれては、当該割当期日に間に合うように名義書換を完了していただくことが必要となります。
(2) 本新株予約権の申込の手続
当社は、割当期日における最終の株主名簿又は実質株主名簿に記載又は記録された株主の皆様に対して、本新株予約権の引受権の付与通知及び本新株予約権の申込書を送付いたします。株主の皆様においては、本新株予約権の引受けについて、別途定める取締役会決議で決定された申込期間内に、申込書に必要な事項を記載し、捺印の上、申込取扱場所に提出することが必要となります。当該申込期間内に申込が行われない場合には、申込の権利を失い、本新株予約権を引き受けることができなくなります。
(3) 本新株予約権の行使の手続
当社は、申込期間内に本新株予約権の申込を行った株主の皆様に対し、本新株予約権の行使請求書(株主ご自身が特定大量保有者でないこと等の誓約文言を含む当社所定の書式によるものとします。)その他本新株予約権の権利行使に必要な書類を送付いたします。本新株予約権の発行後、株主の皆様においては、権利行使期間内に、これら当社所定の本新株予約権の行使請求書等を提出した上、本新株予約権1個当たり1円を払込取扱場所に払い込むことにより、1個の本新株予約権につき、1株又は発行決議において別途定められる数の当社普通株式が発行されることになります。
 
 上記のほか、申込方法、名義書換方法及び払込方法等の詳細につきまして、本新株予約権発行決議が行われた後、株主の皆様に対し、公表又は通知致しますので当該内容をご確認ください。
 本新株予約権の発行及び行使の手続は、原則として以上の通りですが、取締役会は、株主の皆様が新株予約権の引受け、行使をしないことによる不利益をさけるために、その時の法令等の許す範囲内で、別の発行及び行使の手続をとることがあります。この場合にも必要事項の詳細につきまして、株主の皆様に対し、公表又は通知致しますので当該内容をご確認ください。
以 上
 (別紙1)
 社外取締役独立委員会の概要
1.構成員  
当社社外取締役全員で構成される。
2.決議要件
社外取締役独立委員会の決議は、原則として、社外取締役独立委員会の全員が出席し、その過半数をもってこれを行うものとする。但し、社外取締役独立委員会の全員が出席できない場合には、社外取締役独立委員会の決議は社外取締役独立委員会の過半数が出席し、その過半数をもってこれを行うものとする。
3.決議事項その他
社外取締役独立委員会は、原則として以下の各号に記載される事項について決定し、その決定の内容をその理由を付して当社取締役会に提案するものとする。但し、本新株予約権の不発行の決議及び社外取締役独立委員会検討期間の延長については、取締役会への提案はせず、社外取締役独立委員会の決定によるものとする。なお、社外取締役独立委員会の各委員は、こうした決定にあたっては、企業価値ひいては株主共同の利益に資するか否かの観点からこれを行うことを要し、専ら自ら又は当社取締役、執行役の個人的利益を図ることを目的としては行わないものとする。
1) 本対応方針の対象となる買付等の決定
2) 買付者等及び執行役が社外取締役独立委員会に提供すべき情報の決定
3) 買付者等の買付等の内容の精査・検討
4) 買付者等との交渉
5) 買付者等による買付等に対する代替案の決定
6) 本新株予約権の発行もしくは不発行又は社外取締役独立委員会検討期間の延長に係る決定
7) 本対応方針の導入・維持・見直し・廃止
8) 本対応方針以外の買収防衛策の検討・導入
9) その他本対応方針又は本新株予約権に関連し、当社取締役会が判断すべき事項
また、社外取締役独立委員会は、適切な判断を確保するために、上記判断に際して、必要かつ十分な情報収集に努めるものとし、当社の費用で、独立した第三者(ファイナンシャル・アドバイザー、公認会計士、弁護士、コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができる。
 (別紙2)
本必要情報
1.買付者等及びそのグループ(その共同保有者、その特別関係者及び(ファンドの場合は)組合員その他の構成員を含みます。)の概要(具体的名称、資本関係、財務内容を含み、(買付者等が個人である場合は)年齢と国籍、当該買付者等の過去5年間の主たる職業(当該個人が経営、運営又は勤務していた会社又はその他の団体(以下「法人」といいます。)の名称、主要な事業、住所、経営、運営又は勤務の始期及び終期、(買付者等が法人である場合は)当該法人及び重要な子会社等について、当該法人の主要な事業、設立国、過去3年間の資本及び長期借入の財務内容、当該法人又はその財産にかかる主な係争中の法的手続、これまでに行った事業の概要、取締役、執行役等の役員の氏名を含み、(すべての買付者等に関して)過去5年間に犯罪履歴があれば(交通違反や同様の軽微な犯罪を除きます。)、その犯罪名、科された刑罰(その他の処分)、それに関係する裁判所、及び過去5年間に金融商品取引法、商法に関する違反等があれば、当該違反等の内容、違反等に対する裁判所の命令、行政処分等の内容を含みます。)
2.買付等の目的、方法及びその内容(買付等の対価の価額・種類、買付等の時期、関連する取引の仕組み、買付等の方法の適法性、買付等の実行の蓋然性を含みます。)
3.買付等の価格の算定根拠(算定の前提となる事実・仮定、算定方法、算定に用いた数値情報並びに買付等に係る一連の取引により生じることが予想されるシナジーの額及びその算定根拠を含みます。)
4.買付等の資金の裏付け(買付等の資金の提供者(実質的提供者を含みます。)の具体的名称、調達方法、関連する取引の内容を含みます。)
5.買付等の後の当社の経営方針、事業計画、資本政策及び配当政策(株式の売却、事業の売却、合併、分割、株式交換、株式移転、資産の売却、会社更生、清算、現在の資本・配当性向・配当政策・負債額・資本総額の変更、当社の現在の経営陣の変更、当社の会社構造・事業・経営方針・事業計画の変更、当社の証券の取得もしくは処分、上場廃止、当社の基本文書の変更、通例的でない取引を含みます。)
6.買付等の後における当社の従業員、取引先、顧客、地域社会その他の当社に係る利害関係者に関する方針
7.買付等に関連した必要な政府当局の承認、事業の承認、及び規制遵守対応、第三者から取得しなければならない同意、合意ならびに承認、独占禁止法、その他の競争法ならびにその他会社が事業活動を行っている又は製品を販売している国又は地域の重要な法律の適用可能性に関する状況
8.その他社外取締役独立委員会が合理的に必要と判断する情報
4【事業等のリスク】
  当社グループの連結業績を大幅に変動させる、あるいは投資判断に重要な影響を及ぼす可能性のあるリスクは、
次のとおりであります。なお、本項目における将来に関するこれらのリスクは、有価証券報告書提出日現在におい
て判断、予想したものであります。
(1)海外展開におけるリスク
 当社グループは、「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」を軸として、日本をはじめ、米国、欧州、アジアを中心に生産・販売活動を展開しております。グローバルな事業活動を展開するうえで、法的規制、政情不安や事業環境の不確実性などのリスクを完全に回避できる保証はありません。このようなリスクに直面した場合、当該国における収益が当初の見込みを達成できない可能性があります。
(2)新薬開発の不確実性
 医薬品候補化合物は、有効性や安全性の観点から開発を中止する可能性があります。また、臨床試験で良い結果が得られた場合であっても、製品開発中に施行される承認審査基準の変更により、承認が得られない可能性があります。開発の不確実性による新薬の開発中止などの理由で、将来に期待していた収益が得られない可能性があります。
(3)特定の製品への依存に関するリスク
 当社グループの売上高のうち、主力製品である「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」の2品の割合が過半を占める高い水準になっております。これらの製品において、有力な競合品の出現、特許などの保護期間の満了に伴うジェネリック医薬品の発売等により売上高が減少し、当社グループの業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(4)他社とのアライアンスにおけるリスク
 当社グループは、主要製品である「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」について、他社との業務提携を行っております。米国、欧州主要国では市場全体をカバーし、プロダクト・セールスの極大化をはかるため、提携企業の販売促進協力を受けております。これら提携企業との良好な協力関係が保たれなくなった場合、売上高が減少し業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。また、製品買収や導入品などの活動に伴う不確実性により、将来に期待していた収益が得られない可能性があります。
(5)医療費抑制策
 日本では医療費抑制策の一環として、通常2年に1回程度、医療用医薬品の薬価が引き下げられております。欧米、アジアの国々などにおいても、医薬品の価格低減への圧力は年々高まっており、売上高を減少させる要因となります。
(6)後発医薬品に関する競合・訴訟
 先発医薬品の特許には期限があります。通常、先発医薬品の特許が切れると同成分のジェネリック医薬品(後発医薬品)が発売されます。開発リスクを伴わないジェネリック医薬品の低価格での販売により、市場シェアを奪われる可能性があります。また、特許期間内であっても、米国のようにジェネリック医薬品の申請が可能な国もあります。現在、「アリセプト」について、ジェネリック医薬品の申請が米国Hatch-Waxman法に基づきなされております。当社グループは、これに対して特許侵害訴訟を提起していますが、その結果によっては、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(7)知的財産に関するリスク
 特許の不成立や特許成立後の無効審判、または取得した特許を適切に保護できない場合、想定より早く他社の市場参入を招き、売上高が減少する可能性があります。
(8)副作用発現のリスク
 製品に重大な副作用が発現した場合、処方の停止、製品の回収等の措置を取る可能性があります。発現した副作用に対する情報の収集、伝達および製品の回収は費用の増加につながります。
(9)法規制に関するリスク
 医薬品事業は、薬事規制や製造物責任等の様々な法規制に関連しており、法規制の制定や改定により業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。法規制に適合しない場合、製品の回収さらには製品の許認可の取り消し、あるいは賠償請求等の可能性があります。
(10)訴訟に関するリスク
 現在直面している訴訟または将来直面する訴訟の結果が、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、合成ビタミンEバルク製品に関する価格および販売活動に関して訴訟対象となっております。
(11)工場の閉鎖または操業停止
 技術上の問題、使用原材料の供給停止、火災、地震、その他の災害等により工場が閉鎖または操業停止する可能性があります。この場合、製品の供給が妨げられ、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(12)使用原材料の安全性に関するリスク
 使用する原材料に安全性の懸念が発生した場合、使用原材料の変更はもちろんのこと製品の回収、販売停止等を実施し、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(13)外部への業務委託に関するリスク
 当社グループでは研究や製造などの一部を外部へ業務委託しております。何らかの原因で業務委託先が操業停止し、当社グループへの委託業務の供給が妨げられることがあった場合、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(14)環境に関するリスク
 当社グループ所有の事業所が環境汚染の原因と判断された場合、事業所の閉鎖等の法的処置が講じられる可能性があります。また、周辺地域への補償責任や環境改善に要する費用は、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(15)ITセキュリティおよび情報管理に関するリスク
 当社グループでは業務上、各種ITシステムを駆使しているため、システムの不備やコンピューターウィルス等の外部要因により、業務が阻害される可能性があります。また、個人情報を含め多くの情報を保有していますが、万が一の事故等によりその情報が社外に流出した場合、信用を大きく失うことで業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
(16)金融市況および為替の動向に関するリスク
 市場性のある株式等を保有しているため、株式市況の低迷によってはこれらの株式等の売却損や評価損が生じ、また、金利動向によって退職給付債務の増加など業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。さらに連結売上高の半分以上を外貨で占めているため、連結子会社業績の円換算において外国為替変動の影響を受けます。また、輸出入取引においても外国為替変動が業績に重要な影響を及ぼします。
(17) 内部統制の整備等に関するリスク
当社グループは、金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制の評価および監査の基準ならびに実施基準に準拠し、財務報告に係る有効な内部統制システムを整備し、その適正な運用につとめます。しかし、内部統制が有効に機能せず、あるいは予期しない内部統制上の問題により、多大な損失が発生した場合には、業績に重要な影響を及ぼす可能性があります。
5【経営上の重要な契約等】
(1) 株式売買契約
平成20年6月19日、当社は当社所有の㈱クリニカル・サプライ(医療機器の研究開発および製造販売を主な事業とする当社の連結子会社)の全株式をテルモ株式会社に譲渡する旨の株式売買契約を締結いたしました。当該契約に基づき、平成20年6月30日に株式譲渡を完了いたしました。
 概要は次のとおりであります。
① 株式譲渡の理由
㈱クリニカル・サプライは、昭和43年に当社の子会社として設立された医療機器メーカーです。当社グループの一員として、「人にやさしい医療機器の提供」を企業理念に、カテーテル製品では独自のブランドを確立するなど、医療機器において自社による研究開発から製造販売まで一貫した事業展開を進めてまいりました。
 医療技術が進歩を遂げる中、今後、㈱クリニカル・サプライが最先端技術に注視し、革新的な製品を提供するためには、医療機器に強みを有する企業との戦略的アライアンスによるシナジーの追求が不可欠と考え、また当社の医薬品を中心とした事業への選択と集中による経営資源の効率化を実現するという戦略にも合致することから、テルモ株式会社に当社所有の㈱クリニカル・サプライの全株式を譲渡することといたしました。 
② 譲渡株式数および譲渡前後の所有株式の状況
イ.譲渡前の所有株式数 135,680株(所有割合84.80%)
ロ.譲渡株式数     135,680株
ハ.譲渡後の所有株式数    − 株 
③ 譲渡した子会社の概要
商号
株式会社クリニカル・サプライ
本店所在地
岐阜県各務原市川島竹早町3番地
代表者の役職・氏名
代表取締役社長
中 宗之
資本金
80百万円
事業内容
医療機器の研究開発および製造販売
④ 株式の譲渡先の概要
商号
テルモ株式会社
本店所在地
東京都渋谷区幡ヶ谷二丁目44番1号
代表者の役職・氏名
代表取締役社長
高橋 晃
資本金
387億16百万円
事業内容
医療機器、医薬品の製造・販売
当社との関係
特になし
(2)技術導入等
会社名
契約締結先
締結年月日
契約内容
契約期間
対価
当社
武田薬品工業㈱
平成9年
9月12日
製剤特許に関するライセンス
契約締結日より特許満了日まで
一定料率のロイヤルティ
(ドイツ)
アボット社
平成9年
12月19日
肥満症治療剤「シブトラミン」の開発および製造・販売
契約締結日より販売承認後15年が経過する日まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
富山化学工業㈱
平成10年
9月30日
リウマチ治療剤「T−614」の共同開発・販売提携
契約締結日より販売開始後10年が経過する日または特許満了日のいずれか遅い日まで
契約一時金他
(英領バミューダ)
アボット・バイオテクノロジー社
平成11年
6月16日
ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体注射剤の開発および販売
契約締結日より販売承認後15年が経過する日まで
契約一時金他
(イタリア)
ユーランド社
平成15年
5月2日
「硝酸イソソルビド」の輸入およびその製剤の製造・販売
契約締結日より10年間
以後2年毎の更新
──
(スイス)
ノバルティス社
平成16年
2月6日
全世界におけるてんかん治療剤「ルフィナマイド」の開発および製造・販売に関するライセンス
契約締結日より各国毎に特許満了日または販売開始後10年が経過する日のいずれか遅い日まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
大日本住友製薬㈱
平成17年
9月29日
糖尿病合併症治療剤「AS−3201」の日本を除く全世界における開発および製造・販売に関するライセンス
契約締結日より各国毎に特許満了日、本製剤の先発権保護期間満了日または販売開始後10年が経過する日のいずれか遅い日まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
(米国)
セプラコール社
平成19年
7月26日
睡眠導入剤「エスゾピクロン」(米国製品名:「ルネスタ」)の日本における独占的な開発および販売に関するライセンス
契約締結日より販売承認後15年が経過する日または薬価収載後15年が経過する日のいずれか遅い日まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
(スウェーデン)
バイオアークティック・ニューロサイエンス社
平成19年
12月3日
新規ヒト化モノクローナル抗体「BAN2401」に関する全世界におけるアルツハイマー病を対象とした研究・開発および製造・販売に関する独占的ライセンス契約
契約締結日より各国毎に販売開始後15年が経過する日まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ

 

会社名
契約締結先
締結年月日
契約内容
契約期間
対価
当社
㈱ミノファーゲン製薬
平成19年
12月18日
肝臓疾患用剤・アレルギー用薬「強力ネオミノファーゲンシー」および「グリチロン錠」に関する日本およびユーロアジア地域の未発売国における独占的な開発・販売権ならびに中国を含むユーロアジア地域の既販売国における独占的な販売権の優先交渉権取得のライセンス契約
契約締結日より日本での販売開始後15年が経過する日まで
契約一時金他
㈱エムズサイエンス
平成20年
3月12日
シグマ受容体作動薬「SA4503」に関するオプション契約
契約締結日より優先交渉権行使後90日が経過する日まで
契約一時金
シンバイオ製薬㈱
平成20年
8月18日
ベンダムスチン塩酸塩の日本における共同開発および販売に係る独占的ライセンス契約
契約締結日より販売開始後10年が経過する日まで
契約一時金他
帝國製薬㈱
平成21年
1月7日
日本におけるドネペジル貼付剤に関するオプション契約
契約締結日より経済条件提示後30日が経過する日まで
契約一時金他
(米国)
テイコク・ファーマ・ユーエスエー社
平成21年
2月25日
日本以外の全世界におけるドネペジル貼付剤に関するライセンス契約
契約締結日より各国毎に特許満了日または販売開始後15年が経過する日のいずれか遅い日まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
エーザイ・コーポレーション・オブ・ノースアメリカ
(米国)
スーパー・ジェン社
平成16年
9月21日
全世界におけるDNAメチル化阻害剤「Dacogen」の開発および製造・販売に関するライセンス(平成20年1月28日付MGIファーマ社買収に伴う承継)
契約締結日より各国毎に特許満了日または販売開始後20年が経過する日のいずれか遅い日まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ 
(3)技術導出等
会社名
契約締結先
締結年月日
契約内容
契約期間
対価
当社
(米国)
ファイザー社
平成6年
10月5日
「E2020」(アルツハイマー型認知症治療剤)に関する包括的提携
契約締結日より特許満了日または販売開始後10年が経過する日のいずれか遅い日まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
(ベルギー)
ヤンセン社
平成9年
4月10日
「E3810」(プロトンポンプ阻害型抗潰瘍剤)に関する包括的提携
契約締結日より特許満了日または販売開始後10年が経過する日のいずれか遅い日まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
エーザイ・コーポレーション・オブ・ノースアメリカ
(スイス)
シラグ社
平成18年
7月3日
米国・カナダ・メキシコを除く全世界におけるDNAメチル化阻害剤「Dacogen」の開発および製造・販売に関するサブライセンス(平成20年1月28日付MGIファーマ社買収に伴う承継)
契約締結日より各国毎に特許満了日または販売開始後20年が経過する日のいずれか遅い日まで
契約一時金他
一定料率のロイヤルティ
(4)販売契約等
会社名
契約締結先
締結年月日
契約内容
契約期間
当社
ノボ ノルディスク ファーマ㈱
平成11年
4月26日
消化管検査前処置・低血糖治療剤「グルカゴンG・ノボ」の販売提携
契約締結日より平成21年12月31日まで
杏林製薬㈱
平成15年
7月30日
日本における片頭痛治療剤「マクサルト」の販売
契約締結日より平成29年1月31日まで
味の素㈱
平成17年
9月12日
骨粗鬆症治療剤「アクトネル」の販売
契約締結日より平成29年6月11日まで
(米国)
ソルスティス・ニューロサイエンス社
平成19年
5月14日
欧州におけるB型ボツリヌス毒素製剤「ニューロブロック」の独占販売提携
契約締結日より販売開始後15年が経過する日または最後の効能追加を受けてから10年が経過する日のいずれか遅い日まで
(米国)
エーザイ・コーポレーション・オブ・ノースアメリカ
(スイス)
ヘルシン・ヘルスケア社
平成13年
4月6日
米国・カナダにおける制吐剤「Aloxi」の独占販売(平成20年1月28日付MGIファーマ社買収に伴う承継)
契約締結日より販売開始後10年が経過する日まで
(米国)
エーザイ
・インク
(米国)
ファイザー社
平成17年
9月27日
米国における血液凝固防止剤「フラグミン」の販売
契約締結日より7年が経過する日またはジェネリック販売開始直前の四半期と比べて市場シェアが25%以上減少した四半期翌月より3年が経過する日のいずれか遅い日まで

 

会社名
契約締結先
締結年月日
契約内容
契約期間
(英国)
エーザイ
・ヨーロッパ・リミテッド
(ポルトガル)
ビアル・ポルテラ・アンド・シーエー社
平成21年
2月19日
てんかん治療剤「ゼビニクス」の欧州における販売ライセンスおよび共同販促契約
契約締結日より12年間
(5)合弁関係
会社名
契約締結先
締結年月日
契約内容
契約期間
対価
当社
(イタリア)
ブラッコ社
平成2年
11月30日
「イオメプロール」他造影剤の日本国内における製造・販売に関する合弁事業
契約締結日より19年間
──
(6)その他
会社名
契約締結先
締結年月日
契約内容
契約期間
対価
当社
(英国)
ロンドン大学
平成2年
9月11日
研究所の建設・運営に関する提携
契約締結日より50年間
研究所建物の建設他
(アイルランド)
エラン社
平成16年
3月30日
北米および欧州におけるてんかん治療剤「ゾネグラン」の戦略的製品買収(「ゾネグラン」に関する大日本住友製薬㈱とエラン社とのライセンス契約の承継を含む)
──
契約一時金他
(アイルランド)
エラン社
平成18年
2月8日
重度慢性疼痛治療剤「プリアルト」の欧州地域における戦略的製品買収に関する契約
──
契約一時金他
(米国)
ライガンド社
平成18年
9月7日
CD25陽性皮膚浸潤性T細胞リンパ腫治療剤「オンタック」等、抗がん剤4品目の製品買収に関する契約
──
契約一時金他
(注) 日東電工㈱と平成18年5月10日に締結したアルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」の経皮吸収型テープ製剤に関する共同開発契約は、平成21年2月25日に終了いたしました。
(7) 貸借契約
会社名
契約締結先
締結年月日
契約内容
契約期間
当社
日本生命保険相互会社
平成20年
3月28日
金銭消費貸借契約
平成30年3月28日まで
㈱みずほコーポレート銀行
その他金融機関
平成20年
8月25日 
金銭消費貸借契約
平成26年8月29日まで
㈱みずほコーポレート銀行
㈱三菱東京UFJ銀行
㈱常陽銀行
中央三井信託銀行㈱
三菱UFJ信託銀行㈱
㈱東京都民銀行
平成20年
8月25日 
金銭消費貸借契約
平成30年8月29日まで
(米国)
エーザイ・
コーポレーション・
オブ・ノースアメリカ
㈱三菱東京UFJ銀行
ニューヨーク支店
平成20年
4月23日 
タームローン契約
平成25年4月25日まで
  (注) 1 上記の貸借契約には、財務制限条項が付されております。
 2 平成20年8月29日、㈱みずほコーポレート銀行、㈱三菱東京UFJ銀行、JPモルガン・チェース銀行東京支店とのタームローン契約は全額返済により終結いたしました。
6【研究開発活動】
当社グループでは、研究開発活動を「プロダクト・クリエーション」と位置づけ、それを推進するために新しい組織体制へと刷新いたします。
  新体制は、プロダクト・クリエーション・ユニット(PCU)、コア・ファンクション・ユニット(CFU)、CEOオフィスで構成されます。
  PCUは、革新的新薬候補の発明・発見から承認申請、承認取得に至るまでの一連のプロセスをタイムリーに進行させることについてすべての責任を負うユニットであり、がん領域、神経領域など6ユニットで構成されます。CFUは、プレクリニカル・クリニカルオペレーション、技術、薬制などのコア・ファンクションにおいて、グローバル・クラスの能力を獲得・維持すること、PCUと同列のパートナーとして新薬候補の開発推進をすることにすべての責任を負うユニットであり、原薬・製剤研究、代謝・安全性など6つの機能別ユニットで構成されます。これに、創薬研究の最上流となる生命科学研究を担い、抗体医薬の創出も進められているカン研究所(兵庫県)を加えた13ユニットが相互に連携し、製品創出のための共同作業を行う体制を形成します。CEOオフィスは、プロダクト・クリエーション組織戦略策定、コーポレート・ポートフォリオ・マネジメント、マイルストーンの推進を行います。
  新しい体制のめざすところは、製品の創出活動において、より患者様志向を明確にすることにあります。患者様の喜怒哀楽を理解し、患者様が明示的に感じられている問題、暗黙的に持たれている課題に対して、革新的な治療を提供することにより、患者様の生命・生活の質を改善することを各々の活動目的としております。そのために、自律的な環境の下で明確な責任を持った疾病・技術領域別専任組織を形成し、製品創出におけるオーナーシップとモチベーションを高め、生産性・効率性の向上へとつなげてまいります。この新しい体制により、未だ十分な治療法が確立されていない疾病の克服や患者様や介護者の皆様のQOLの向上に資する革新的な新薬の早期創出をめざしてまいります。
 
[開発品の状況]
<グローバル>
抗がん剤「E7389」(微小管ダイナミクス阻害剤)は、乳がんを対象としたフェーズⅢ試験を欧米で実施しており、日本でもフェーズⅡ試験が進行中であります。また、非小細胞肺がん(米国)、前立腺がん(欧米)、肉腫(欧州)を対象としたフェーズⅡ試験等を進めております。
  AMPA受容体拮抗剤「E2007」は、神経因性疼痛、てんかんの2つの適応における開発に集中展開しております。欧米では、てんかんを対象としたフェーズⅢ試験を開始し進行中であり、神経因性疼痛を対象としたフェーズⅡ試験を進めております。日本では、てんかんを対象としたフェーズⅡ試験を開始し進行中であります。
  エンドトキシン拮抗剤「E5564」は、日本、米国、欧州での同時申請をめざして、重症敗血症を対象としたフェーズⅢ試験が進行中であります。本試験は、国際共同治験として取り組んでおります。
<米国、欧州>
制吐剤「Aloxi」の新剤形である経口剤(カプセル剤)は、平成20年8月、米国で「がん化学療法に伴う急性悪心・嘔吐予防」の効能・効果で剤形追加承認を取得いたしました。
  てんかん治療剤「バンゼル」は、平成20年11月、米国で「4歳以上の小児および成人におけるレノックス・ガストー症候群に伴うてんかん発作の併用療法」の効能・効果で承認を取得いたしました。一方、「成人および12歳以上の青年期における、二次性全般化を伴うもの、伴わないものを含む、部分てんかんの併用療法」の効能・効果についても承認申請を提出しておりましたが、本件については、FDA(米国食品医薬品局)よりComplete Response Letterを受領し、承認に至りませんでした。
  鎮静剤「ルセドラ」は、平成20年12月、米国で「成人の検査もしくは処置における鎮静」の効能・効果で承認を取得いたしました。FDAは、本剤を規制物質に指定することを推奨しております。最終的な分類は、米国麻薬取締局が米国官報にて分類指定案を公表後、公示期間を経て決定されます。
  抗がん剤「MORAb−003」(モノクローナル抗体)は、米国で卵巣がんを対象としたフェーズⅢ試験を開始いたしました。
  抗がん剤「MORAb−009」(モノクローナル抗体)は、すい臓がんを対象としたフェーズⅡ試験の実施施設を欧州連合(EU)内にも拡大いたしました。また、中皮腫を対象としたフェーズⅡ試験を開始いたしました。
  抗がん剤「MORAb−003」、抗がん剤「MORAb−009」は、欧州委員会よりオーファンドラッグ(希少疾病用医薬品)に指定されております。
  抗がん剤「E7080」(VEGFチロシンキナーゼ阻害剤)は、米国で甲状腺がんを対象としたフェーズⅡ試験を開始し進行中であります。
<日本>
ヒト型抗ヒトTNFαモノクローナル抗体「ヒュミラ」は、平成20年4月、日本で「関節リウマチ」の効能・効果で承認を取得いたしました。また、関節の構造的損傷の防止を対象としたフェーズⅢ試験、潰瘍性大腸炎を対象としたフェーズⅡ/Ⅲ試験をそれぞれ開始し進行中であります。
 不眠症治療剤「SEP−190」(GABA−A受容体作動剤)は、日本で不眠症を対象としたフェーズⅢ試験を開始し進行中であります。
  関節リウマチ治療剤「T−614」について、医薬品医療機器総合機構との面談、および近年の関節リウマチ治療の動向変化を踏まえ、標準的治療に対する本剤の上乗せ使用時の有効性および安全性に関するデータが必要と判断し、平成21年3月に追加試験の実施の決定をいたしました。そのため、承認申請をいったん取り下げることにいたしました。今後、再申請に向けて速やかに追加試験を進めてまいります。
<中国、アジア・大洋州・中東>
消化管運動機能改善剤「ガスモチン」は、平成20年9月、タイで「機能性胃腸症」の効能・効果で承認を取得いたしました。また、マレーシア、インドネシア、フィリピン、シンガポールでは申請中、他のアセアン諸国等5カ国では申請準備中であります。
  慢性B型肝炎治療剤「クレブジン」(一般名)は、平成21年2月、フィリピンで「ウイルスの増殖および血清アミノトランスフェラーゼ上昇の所見のある慢性B型肝炎(HBe抗原陽性もしくは陰性)におけるウイルス増殖の阻害」の効能・効果で承認を取得いたしました。なお、フィリピンでの製品名は「リボビール」を予定しております。また、マレーシア、タイ、インドネシア、インドでは申請中、シンガポール、ベトナムでは申請準備中、中国ではフェーズⅢ試験の準備中であります。
<剤形追加、用法・用量追加など>
アルツハイマー型認知症治療剤「アリセプト」は、平成20年10月、英国で液剤の剤形追加承認を取得いたしました。なお、米国での小児におけるダウン症候群に伴う認知機能障害を対象としたフェーズⅢ試験は中止いたしました。
  プロトンポンプ阻害型抗潰瘍剤「パリエット/アシフェックス」は、平成20年6月、米国で青年期(12歳以上)胃食道逆流症の短期治療(上限8週間)に係る追加承認を取得いたしました。また、日本で逆流性食道炎の用法・用量追加に関するフェーズⅡ/Ⅲ試験を開始し進行中であります。
  皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)治療剤「Ontak」静注剤は、平成20年10月、「悪性細胞がインターロイキン2(IL‐2)受容体の構成要素CD25を発現している(CD25+)持続性もしくは再発性のCTCLの治療」を効能・効果とした生物製剤追加承認申請(sBLA)について、FDAによる優先審査の結果、承認されました。これにより、すでに取得していた迅速承認から完全承認に切り替わりました。一方、悪性細胞がIL‐2受容体の構成要素CD25を発現していない(CD25-)CTCLに関するsBLAも提出しておりましたが、本件については、FDAよりComplete Response Letterを受領し、承認に至りませんでした。
 てんかん治療剤「ゾネグラン」は、平成21年3月、欧州で口腔内崩壊錠の剤形追加申請をいたしました。
 DNAメチル化阻害剤「Dacogen」は、米国で骨髄異形成症候群の治療において5日間投与とする用法・用量追加の申請準備中であります。
 非イオン性造影剤「イオメロン350」「イオメロン350シリンジ」は、平成20年5月、日本で肝臓領域のダイナミックコンピューター断層撮影における造影に関する用法・用量の追加承認を取得いたしました。あわせて、「イオメロン350シリンジ」の高容量製剤である135mL製剤の剤形追加承認も取得いたしました。
当連結会計年度における研究開発費総額は、1,561億6百万円、売上高比率20.0%であり、そのほとんどが医薬品分野で発生しております。
7【財政状態及び経営成績の分析】
 文中において将来について記載した事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断、予想したものであります。なお、文中に記載した金額は、四捨五入で表示しております。
(1)重要な会計方針および見積り
 当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められた会計基準に基づき作成しておりますが、連結財務諸表の作成に当たっては見積りや仮定によることが必要となります。使用する見積りや仮定は、これまでの経験、業界標準、経済状況および現在入手可能な情報を総合的に勘案し、その時点で最も合理的と考えられるものを継続的に採用しております。ただし、実際の結果はこれらの見積りと異なる可能性があり、また、これらの見積りは異なった仮定の下では違う結果となることがあります。
 なお、重要な会計方針のうち、見積りや仮定等により連結財務諸表に重要な影響を与えると考えている項目は、次のとおりであります。
① 退職給付会計
 退職給付債務および年金資産は、年金数理計算に用いられる仮定に左右されます。仮定となる割引率、将来の給与水準、年金資産の期待運用収益率、退職率および死亡率については、現在の統計データ、年金資産に対する実際の長期収益率その他の要因に基づき設定しております。これらの仮定に基づく見積りと実績との差異は毎年償却を行っており、将来における営業費用等に影響を与えます。
② 繰延税金資産
 繰延税金資産の回収可能性については、将来の課税所得を見積り、評価しております。また、実現可能性が高いと考えられる金額へ減額するために評価性引当額を計上しております。課税所得を見積る際の利益計画は、事業リスク等を十分に考慮し保守的に作成しておりますが、その見積り額が増減した場合は繰延税金資産が増減いたします。
③ のれんおよび販売権
のれんおよび販売権については、原則年1回、減損の判定を行っております。公正価値の見積もりは、主に割引キャッシュ・フローを用いますが、将来キャッシュ・フロー、割引率等の多くの見積りや前提条件を使用しております。将来の予測不能な事業上の前提条件の変化によって見積りが変更されることにより、公正価額が下落し、減損損失が発生する可能性があります。 
(2)経営成績の分析
① 売上高、売上原価および売上総利益(返品調整引当金繰入額および戻入額を含む)
 当連結会計年度の連結売上高は7,817億円であり、前連結会計年度より475億円、6.5%増加いたしました。「アリセプト」および「パリエット/アシフェックス」の合計売上高は連結売上高の59.3%を占めており、このうち米国の構成比は全体の62.7%であります。また、前連結会計年度に買収したMGIファーマ社の主力2製品である制吐剤「Aloxi」およびDNAメチル化阻害剤「Dacogen」が売上増に貢献いたしました。翌連結会計年度はグローバルで進行する医療費抑制策や競合の激化に加え、円高などの厳しい環境が予想されますが、主力品の「アリセプト」ならびに「Aloxi」、「Dacogen」などのがん関連領域製品が売上増に寄与することで増収を見込んでおります。
 当連結会計年度の売上原価は1,525億円であり、前連結会計年度より336億円増加いたしました。売上原価率は19.5%であり、前連結会計年度より3.3ポイント上昇いたしました。売上原価率の主な上昇要因は、MGIファーマ社買収に伴う無形固定資産の償却費の計上等によるものであります。その結果、当連結会計年度の売上総利益は6,293億円となり、前連結会計年度より138億円、2.2%増加いたしました。
② 販売費及び一般管理費
 当連結会計年度の研究開発費を除く販売費及び一般管理費は3,814億円であり、前連結会計年度より91億円、2.4%増加いたしました。その主な要因は、買収に伴うのれん償却額の計上および業容拡大に伴う人件費等の増加によるものであります。
 当連結会計年度の研究開発費は1,561億円であり、前連結会計年度より693億円、30.8%減少いたしました。その主な要因は、前連結会計年度においてMGIファーマ社買収等に伴うインプロセス研究開発費880億円を計上したためであります。
③ 営業利益
 当連結会計年度の営業利益は918億円であり、前連結会計年度より741億円、417.2%増加いたしました。研究開発活動への積極的な資源投入があったものの、前連結会計年度に発生したMGIファーマ社買収に伴うインプロセス研究開発費などの企業結合会計特有の処理が影響し、大幅な増益となりました。
 なお、前連結会計年度のMGIファーマ社買収に伴う企業結合会計特有の処理(非キャッシュ項目)を除き算出した「実業ベース」では1,203億円(前連結会計年度比8.6%増)となりました。
④ 営業外損益および特別損益
 当連結会計年度の営業外損益は92億円の費用(純額)であり、前連結会計年度より費用(純額)が103億円増加いたしました。その主な要因は、支払利息の増加および受取利息の減少等によるものであります。また、特別損益は投資有価証券評価損および販売権の減損損失により121億円の損失(純額)となりました。
⑤ 当期純利益
 前連結会計年度のMGIファーマ社買収に伴うインプロセス研究開発費は、当連結会計年度に発生しないため、当連結会計年度の当期純利益は477億円(前連結会計年度は170億円の損失)となりました。なお、「実業ベース」では693億円であり、投資有価証券評価損、減損損失の計上により前連結会計年度より14億円、2.0%減少いたしました。
 その結果、当連結会計年度における1株当たり当期純利益(EPS)は167円35銭となりました。「実業ベース」では243円36銭、前連結会計年度より5円24銭減となりました。
 翌連結会計年度においても引き続き研究開発活動などへの積極的な投資を行う一方、販売管理費の効率化を推進することにより、増益を見込んでおります。
 翌連結会計年度の配当については、1株当たり年間配当金150円(当連結会計年度より10円増)とし、中間配当金70円、期末配当金80円を見込んでおります。
(3)資金の流動性および資本の財源についての情報
① 資金の流動性
当連結会計年度の営業活動から得たキャッシュ・フローは、1,050億円(前連結会計年度より317億円増)となりました。税金等調整前当期純利益は705億円、減価償却費は491億円、売上債権の増加額は247億円、法人税等の支払額は355億円であります。
  投資活動によるキャッシュ・フローは、550億円の支出(前連結会計年度より4,215億円減)となりました。そのうち、有形固定資産の取得に335億円、無形固定資産の取得に123億円を支出いたしました。なお、前連結会計年度には買収による支出があったため、前連結会計年度差が大きくなっております。
  財務活動によるキャッシュ・フローは、310億円の支出(前連結会計年度は3,754億円の収入)となりました。配当金の支払いに385億円を支出(前連結会計年度より15億円増)いたしました。なお、前連結会計年度には買収に伴う借入の発生等があったため、前連結会計年度差が大きくなっております。
  以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、1,315億円(前連結会計年度末より116億円増)となりました。
当社グループは、「キャッシュ創出力」を表す指標として、キャッシュ・インカムを使用しております。キャッシュ・インカムは、成長投資・事業開発、配当支払、借入返済等に使用可能なキャッシュの総額であり、企業の成長性・戦略を検証する尺度と考えております。当連結会計年度のキャッシュ・インカムは前連結会計年度比11.3%増の1,190億円となり、1株当たりキャッシュ・インカムは前連結会計年度より41円96銭増の417円78銭となりました。
  当社グループでは、積極的な事業活動の推進と有利子負債の返済に十分な資金を確保した上で、株主の皆様への安定的および継続的な配当を実施していく方針であります。
② 資本の財源 
当連結会計年度末の現金及び現金同等物は、資産合計の11.5%を占める1,315億円であります。当社グループは、主に手許の現金及び現金同等物と営業活動から得た資金により、設備投資および研究開発活動を行っております。当連結会計年度末の短期借入金は220億円(前連結会計年度末より3,408億円減)、社債は1,209億円(同1,200億円増)、長期借入金は2,788億円(同2,288億円増)となりました。
  社債は、平成20年6月に国内において総額1,200億円の無担保普通社債を発行し、長期借入金は、平成20年4月に当社の米国連結子会社であるエーザイ・コーポレーション・オブ・ノースアメリカにおいて7億米ドル、平成20年7月と8月に当社において銀行、生命保険会社等から1,600億円を調達いたしました。
 当連結会計年度末における社債および長期借入金の利率は1.23%〜3.97%、比率は約83%が円建て、約17%が米ドル建てとなっております。当連結会計年度末現在における自己資本比率は37.3%となりました。
  前連結会計年度にMGIファーマ社の買収資金として短期借入を行いましたが、買収のための短期借入金はすべて平成20年8月までに社債と長期借入金にシフトいたしました。
  当社グループの財務戦略は、現水準以上の高い信用格付けを維持するとともに、安定した財務の健全性および柔軟性を確保することを基本としております。
  現在の長期借入債務の格付けは、ムーディーズによって「A2」、格付投資情報センターによって「AA−」であります。




出典: エーザイ株式会社、2009-03-31 期 有価証券報告書