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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
  当連結会計年度のわが国経済は、個人消費が堅調な伸びを示すなど景気の底堅さが感じられ、本年3月には日銀による量的金融緩和政策が5年ぶりに解除されるなど、デフレ脱却に向けて一段と前進した感があります。
  一般用医薬品市場は、当社が主力とするドリンク剤、かぜ薬、及び美白関連薬がマイナス市場となる等、依然として消費の低迷と価格競争による厳しい環境が続いております。
 このような状況のもとで、当社グループの当期の業績は、連結売上高は556億2百万円(前期比13.7%減)、経常利益は33億6百万円(前期比30.3%減)、当期純利益は医療用医薬品事業の譲渡益の計上もあり、61億9千6百万円(前期比95.2%増)となりました。
  なお、グループ全体の前期比売上高減少額には、医療用医薬品事業の分割・譲渡の影響(前期売上高106億1千3百万円)、並びに、当上半期に売却した子会社1社の影響(前期連結消去後売上高8千万円)が含まれております。
 当社グループの売上高は、医薬品の製造・販売を中心とする「医薬品分野」と、不動産賃貸業務、広告代理業務等を行う「その他の分野」の2つに分類されます。
  「医薬品分野」の内、当社の主力でありますコンシューマーへルスケア部門の売上状況につきましては、本年3月に、注力すべき「インナービューティー&ヘルス」分野の主力である「ハイチオールC」ブランドの新製品として、錠剤の小型化に成功した高付加価値商品のL−システイン製剤「ハイチオールCプルミエール」と、医薬部外品クリーム剤「ハイチオールCプルミエール薬用ホワイトスポッツ」の2品が加わり、「ハイチオールC」群として更なる成長を目指しております。この結果、「ハイチオールC」群の売上高は、前年を上回ることができました。
  また、解熱鎮痛剤「イブA錠」、睡眠改善剤「ドリエル」も順調に伸長し、加えて、昨年7月には「インナービューティー&ヘルス」コンセプト商品として、ビタミンB2主薬製剤「ローランBB」のパッケージデザインを一新し注力商品としてリニューアル発売しました。
 一方、滋養強壮剤「エスカップ」群は市場全体の不振もあり減少、かぜ薬「エスタック」群、鎮咳去痰剤「ブロン」群は風邪の流行が2月以降急激に終息したことが影響し減少、また、持続性鼻炎薬「エスタックニスキャップ12」もスギ花粉の飛散が少なく減少となりました。その他、便秘治療剤「スルーラック」群も減少しました。
  この結果、当社グループの「医薬品分野」の売上高は555億8千9百万円(前期比13.6%減)、「その他の分野」の売上高は1千2百万円(前期比64.7%減)となりました。
 セグメントの状況につきましては、当期の所在地別売上高は、日本497億7千9百万円(前年同期比14.8%減)、ドイツ49億7千6百万円(前年同期比0.8%増)、その他の地域8億4千6百万円(前年同期比19.2%減)となりました。
 なお、所在地区分の変更として、前連結会計年度までその他の地域に含めて記載しておりましたドイツの割合が、当連結会計年度において全セグメントの売上高の合計に占める割合の10%を超えているため、区分掲記しております。
 (注) 「事業の状況」に記載された金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フローの状況
 営業活動によるキャッシュ・フローは、38億8千7百万円(前期比15億6千万円増)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益101億2千4百万円、減価償却費27億7千8百万円、医療用医薬品事業譲渡益74億 9百万円減、法人税等の支払による支出17億4千6百万円等であります。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、123億3千5百万円(前期比97億2千5百万円増)となりました。主な内訳は、固定資産の取得による支出15億9千7百万円、固定資産の売却による収入16億4千3百万円、投資有価証券の取得による支出15億1百万円、医療用医薬品事業譲渡による収入131億2千9百万円等であります。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、22億8千8百万円減(前期比95億8千6百万円増)となりました。主な内訳は、配当金の支払額18億3千7百万円等であります。
 これらの結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、435億9千9百万円(前期比139億3千4百万円増)となりました。
2【生産、受注及び販売の状況】
(1)生産実績
区分
金額(百万円)
前期比(%)
医薬品分野
53,863
△3.8
その他の分野
合計
53,863
△3.8
 (注) 金額は売価換算によっております。
(2)受注状況
区分
受注高(百万円)
受注残高(百万円)
医薬品分野
7,246
924
その他の分野
合計
7,246
924
(注) 前連結会計年度まで当社グループは主に販売計画に基づいて生産しておりましたが、医療用医薬品事業の分割・譲渡に伴い、当連結会計年度より当社において受注生産を開始し、総生産実績に対する受注生産の割合が増加したため記載しております。
(3)販売実績
区分
金額(百万円)
前期比(%)
医薬品分野
55,589
△13.6
その他の分野
12
△64.7
合計
55,602
△13.7
 (注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載については、前連結会計年度及び当連結会計年度ともに当該割合が100分の10未満につき記載を省略しております。
3【対処すべき課題】
 当社グループは、「全ての人々の健康を願い、限りない探求と挑戦を続け、信頼され、親しまれるヘルスケアの担い手を目指す」ことを経営理念とし、経営資源をOTC薬(一般用医薬品)を中心とするコンシューマーへルスケア関連事業(一般用医薬品、医薬部外品等のヘルスケア関連商品分野)に集中投下し、優れた製品の開発と供給を通じて、顧客満足度を高め、企業価値の最大化を目指してまいります。
 顧客の期待以上のアウトプットを行なうことを目標に掲げ、その到達点を「OTCのチャンピオン」と称し、これを目指し以下のとおり経営改革を進めております。
・「選択と集中」、「専門性と競争力強化」が中長期的視点からきわめて重要と考え、平成17年4月1日に医療用医薬品事業を久光製薬株式会社に分割・譲渡し、コア事業であるコンシューマーへルスケア事業に資源を集中投下することで一層の成長を目指すこととしました。
・同様の方針により、子会社の清算及び売却、並びに未使用不動産の売却等によるバランスシートのスリム化を進めております。 
・時代の変化と生活者ニーズを捉えた市場創造型の新製品を生み出すべく開発体制を一新し、ブランド力育成による顧客志向のマーケティングの展開と、新しいセールススキルによる営業の変革を実践しております。
 一般用医薬品市場は、長期に及んだ消費不況や栄養機能食品等による侵食もあり市場が縮小するなか、シェア獲得競争はますます激しさを増しており、メーカー及び小売企業間では生き残りをかけた業界再編が進展するとともに、過店舗状態及び消費低迷による店頭価格の下落がメーカーに対する価格引き下げ圧力をますます強めるなど、引き続き厳しい状況が続くものと思われます。
 一方、高齢化社会の進展と生活者の健康への関心の高まり、及びこれに伴うセルフメディケーション推進の動きから、ヘルスケア関連市場は今後の拡大が期待されており、また、L−システイン製剤「ハイチオールC」等の美白関連薬市場の形成の例に見られるように、女性が美しさを求めるために当社が役立つことの出来る市場は大きな可能性を秘めているものと思われます。
 当社は、コンシューマーヘルスケア事業の中でもとりわけ拡大する可能性のある市場に着目し、「身体の内側から健康に美しく」を目指す「インナービューティー&ヘルス」というコンセプトを新たに作り、最も注力すべきビジネス・ドメイン(領域)とすることといたしました。現在、このカテゴリーに該当する製品はL−システイン製剤「ハイチオールC」、ビタミンB2主薬製剤「ローランBB」等複数品目あり大きな割合を占めておりますが、さらにこの戦略を拡大させるべく、マーケティングに携わる女性部員を増員するなど、女性購買層を意識したマーケティング体制を整え、生活者目線に立ち、他社製品と差別化でき競争力のあるコンシューマーへルスケア製品の開発に専念するとともに、とりわけ「インナービューティー&ヘルス」というコンセプトを意識し、より消費者志向を強めた新たなマーケティングの展開と、ブランドの育成、増強に取り組んでまいります。
 また、営業支援スタッフの強化と、営業活動における生産性の向上とスキルアップのためのプログラムの実施を合わせて行なっております。
 量的拡大やシェア拡大による収益性の向上といった旧来の図式は大きく再検討を迫られ、量から質への経営の転換が厳しく求められております。この様な状況のなか当社は将来に向けての成長性を確保することを目的として業務全般を見直し、従来の枠組みに囚われない効率の良い仕組み作りと業務のスリム化に取り組むための中期経営目標の検討を行なっております。
 なお、当社は今般その一環として、社員の自立と将来への選択肢を広げることを視野に入れたセカンドキャリア支援プログラムを実施し、自らのライフプランに基づいて転職または自立を図る社員に対して、会社として積極的に支援することといたしました。
 これは、平成18年4月1日現在、勤続年数10年以上、且つ年齢満45歳以上の従業員を対象として、募集人員100名にて平成18年7月15日を退職日として希望退職者を募り、退職金に加えて特別加算金を支給し、合わせて再就職の支援を行なう取り組みです。
 さらに、平成18年5月23日開催の当社取締役会において、当社は平成18年9月1日を期して、医療用医薬品が生産の約半分を占めております富山工場における全製造事業を会社分割し、当社の完全子会社である株式会社エスエスプロモーションアンドコンサルタント・カンパニーに承継すること及び同日付において承継会社の発行済株式の90%をシミック株式会社に譲渡することを決議し、同日、同社との間で株式売買契約書を締結し、コンシューマーヘルスケア関連事業への経営資源の集中投下を進めることといたしました。
 また、法制化が予定されております「財務報告に係る内部統制の評価」にかかる対応につきましては、現在、当社は社内プロジェクトを立ち上げ、内部統制システムの構築・業務改革・情報システム再構築と合わせて取り組んでおります。
 
4【事業等のリスク】
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
売上高等について
 小売企業間の過当競争による店頭価格の下落に起因したメーカーに対する納入価格引下げ圧力の増加や、メーカー間の同質的商品の競争激化による納入価格の下落の進展、マーケティングコストの増加が、収益性に影響を与える恐れが考えられます。他にも小売企業間の競争激化に伴い、倒産等の増加による売掛債権に関する問題も考えられます。
 また、当社の市場開拓型かつ差別的優位性を持った商品に対する他社からの類似商品の上市が、売上・収益に影響を与えることが考えられます。
研究開発部門について
 現在開発中あるいは計画中の新製品の開発については、何らかの理由での計画の変更、または断念せざるを得ない場合のリスクが考えられます。
生産部門について
 当社は、生産の効率化を図るため各工場で剤形別に製造を分担しております。そのため、いずれかの工場における重大事故の発生や天災が生産に支障をもたらした場合、他工場での代替生産もしくは他社への委託製造開始までに、当該工場取扱製品の販売機会を失う可能性が考えられます。
他社との提携について
 経営資源の有効活用と外部資源の相乗効果を期待し、共同開発研究や販売提携等他社との提携等を行っております。しかし、今後何らかの事情によりこれらの提携関係等を解消することで予定していた効果を得られなくなる可能性が考えられます。
その他
 予測不可能な副作用、仕入れ原材料の品質不備による回収、廃棄、情報システムの事故等により個人情報等の保有する情報が流出した場合の信用力の低下等が、収益に悪影響を及ぼすことが考えられます。
 なお、上記以外にもさまざまなリスクが考えられ、ここに記載したものが全てのリスクではありません。
5【経営上の重要な契約等】
   当連結会計年度において、経営上の重要な契約等はありません。
   なお、当社は平成18年5月に当社の富山工場における全製造事業の分割・譲渡の契約を締結しており、詳細は第5経理の状況 重要な後発事象に記載のとおりであります。
   また、当社は平成18年5月に不動産売買契約を締結し、詳細は以下のとおりであります。
契約会社名
相手先
国名
契約内容
譲渡価格
(百万円)
締結年月
(当社)
エスエス製薬㈱
ワイビー浜町開発
特定目的会社
日本
旧本社土地
・建物の売却
6,000
平成18年5月
6【研究開発活動】
 当社グループにおいて、研究開発活動は、当社が主として行っております。当社の研究開発活動については、以下のとおりであります。
 より健康でありたい、より心身共に快適でありたい、いつまでも美しくありたいという生活者ニーズは、高齢化社会を迎えますます強まるものと思われます。 
 このような時代の変化と生活者ニーズを捉えた新製品を生み出すためのコアセンターとするべく、平成18年4月1日より、研究所の名称を「SSP ライフサイエンス インスティチュート」と改めました。より研究開発力を向上するための体制として、取り組む分野を、従来の一般用医薬品である「治療薬・保健薬」と、その機能を拡大した「予防薬・生活改善薬」の両分野に加え、主に女性にフォーカスした新たな取り組みとして、加齢症状に関する「ビューティフルエイジング」、及び、美容的医薬品「美薬品」として「インナービューティー」の4つのカテゴリーに分類し、市場創造型の新製品・リニューアル品の開発と、スイッチOTC薬、新効能、新剤型薬等の開発に積極的に取り組んでまいります。
 なお、当期の研究開発費は23億5千万円となっております。
7【財政状態及び経営成績の分析】
(1)財政状態の分析
 当期の財政状態は、医療用医薬品事業の分割・譲渡、固定資産の売却及び、連結子会社1社の減少等により総資産が1,028億円(前期比37億4千7百万円増)、総負債が359億4千9百万円(前期比 7億4千1百万円減)となりました。また、資本の部におきましては利益剰余金が43億6千8百万円増加し自己資本が668億5千万円(前期比46億9千2百万円増)となり、自己資本比率が65.0%(前期比2.2%増)となりました。
(2)経営成績の分析
 当期の経営成績は、連結売上高につきましては医療用医薬品事業の分割・譲渡の影響と連結子会社1社の減少等により556億2百万円(前期比13.7%減)となりました。
 営業利益につきましては、売上原価は売上減少等により193億1千8百万円(前期比9.2%減)、販売費及び一般管理費は研究開発費の減少等により327億7千7百万円(前期比15.1%減)となった結果、33億4千9百万円(前期比25.5%減)となりました。
 経常利益につきましては、営業外収益は工業所有権収入が減少したこともあり3億6千3百万円(前期比44.9%減)、営業外費用は借入金の減少により支払利息等が減少し4億6百万円(前期比0.9%減)となったため、33億6百万円(前期比30.3%減)となりました。
 当期純利益につきましては、特別利益は医療用医薬品事業譲渡益の計上等により76億3百万円(前期比820.9%増)、特別損失は子会社株式売却損の計上等により7億8千5百万円(前期比77.7%増)となったため、61億9千6百万円(前期比95.2%増)となりました。




出典: エスエス製薬株式会社、2006-03-31 期 有価証券報告書