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セクション一覧
第2【事業の状況】
1【業績等の概要】
(1)業績
 当連結会計年度のわが国経済は、年度前半は企業収益の改善や底堅い民間設備投資に牽引され、緩やかながらも回復基調を辿ったものの、後半は米国のサブプライムローン問題に端を発する国際金融市場の混乱や年度末にかけての原油高による原材料の高騰などの懸念材料により急激な減速を余儀なくされました。個人消費につきましても株価・年金不安など先行き不透明な要素に加え、消費材の価格引上げ予定、可処分所得の減少などにより、消費者の生活防衛意識が高まりました。
 OTC医薬品(一般用医薬品)市場でも、ドリンク剤・漢方薬・総合ビタミン剤などの製品が前年を上回るなど明るさが見られましたが、同質化競争と価格競争に加え保健機能食品等による侵食、消費者の購買意欲低下など、厳しい環境が続きました。
 このような状況のもとで、当社グループ(当社及び連結子会社)は提案型による積極的な販売活動を行うと同時に、売上原価率の改善、販売費及び一般管理費の効率的な使用、全社的な業務の効率化を進めてまいりました。そしてそこから生み出した原資を、将来に向けてのコアブランド育成のために広告宣伝に投入いたしております。
 この結果、当期の業績は、連結売上高381億7千1百万円(前年同期比2.0%減)、営業利益23億8千7百万円(前年同期比3.8%減)、経常利益25億1千9百万円(前年同期比5.1%減)、当期純利益12億5千6百万円(前年同期は8億2千7百万円の四半期純損失)となりました。
 なお当社は、平成19年6月28日開催の定時株主総会において、効率的な経営を目的として決算期を毎年3月31日から親会社である日本ベーリンガーインゲルハイム株式会社の属するベーリンガーインゲルハイムグループと同一期間である毎年1月1日から12月31日までの事業年度に変更することが承認決議されました。このため当連結会計年度は、平成19年4月1日から平成19年12月31日までの9ヶ月間となっており、前年同期比較は平成18年4月から12月までの9ヶ月間との比較を記載しております。
 当社グループの売上高は、医薬品の製造・販売を中心とする「医薬品分野」と、不動産賃貸業務、広告代理業務等を行なう「その他の分野」の2つに分類されておりましたが、「選択と集中」の戦略を推し進め平成19年9月末に「その他の分野」に属する子会社2社の吸収合併及び清算結了を行ったことにより、「その他の分野」の事業を廃止し、当社グループは「医薬品分野」に特化することにいたしました。
 「医薬品分野」の内、当社の主力でありますコンシューマーへルスケア部門の売上状況につきましては、前年同期比ほぼ横ばいの売上を計上することが出来ました。ハイチオールCプルミエールが好調であったL−システイン製剤「ハイチオールC」群、ラインナップ強化を図った解熱鎮痛薬「イブ」群は、前年同期を上回る売上を計上することが出来、店頭消化策が功を奏した滋養強壮剤「エスカップ」群は、前年同期比ほぼ横ばいを維持することが出来ました。また、当社が注力している「インナービューティ&ヘルス」カテゴリーで平成19年3月に発売した、毛穴・肌のキメに着目した「キュティナ」は順調な売上を計上することが出来ました。
 しかしながら、睡眠改善薬「ドリエル」群につきましてはラインナップ強化を図るため平成19年3月に「ドリエルEX」を発売したものの他社競合品の新規参入により減少しました。かぜ薬「エスタック」群・鎮咳去痰剤「ブロン」群も売上が減少しました。
 当社は、平成19年12月にベーリンガーインゲルハイムが開発した医療用去痰成分を新たにスイッチOTC成分として配合した総合感冒薬「エスタックイブファイン」を発売いたしました。同製品は、翌年度以降「エスタック」群のコア製品として育成してまいります。
 また、受託売上(医療用)は、OTC医薬品への更なる注力と集約化を推し進めるなか、委託先との契約範囲が縮小したことにより大幅に減少いたしました。
 この結果、当社グループの「医薬品分野」の売上高は381億6千4百万円(前年同期比2.0%減)、「その他の分野」の売上高は7百万円(前年同期比28.9%減)となりました。
 セグメントの状況につきましては、当期の所在地別売上高は、日本325億7千万円(前年同期比4.1%減)、ドイツ48億8千7百万円(前年同期比12.7%増)、その他の地域7億1千3百万円(前年同期比5.0%増)となりました。
 (注) 「事業の状況」に記載された金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)キャッシュ・フローの状況
 営業活動によるキャッシュ・フローは、43億7千6百万円の収入となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益23億3千5百万円、減価償却費19億5千7百万円等であります。
 投資活動によるキャッシュ・フローは、8億4千3百万円の収入となりました。主な内訳は、固定資産の取得による支出11億8千4百万円、投資有価証券の償還による収入20億円等であります。
 財務活動によるキャッシュ・フローは、12億6千4百万円の支出となりました。主な内訳は、配当金の支払額18億3千4百万円等であります。
 これらの結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、373億9千1百万円となりました。
 なお、決算期変更により、当期は平成19年4月1日から平成19年12月31日までの9ヶ月間となっております。従って、対前期比は記載しておりません。
2【生産、受注及び販売の状況】
(1)生産実績
区分
金額(百万円)
医薬品分野
33,234
合計
33,234
 (注)1 金額は売価換算によっております。
2 決算期変更により当連結会計年度は平成19年4月1日から平成19年12月31日までの9ヶ月間となっております。従って、対前期比は記載しておりません。
(2)受注生産の状況
区分
受注高(百万円)
受注残高(百万円)
医薬品分野
3,814
684
合計
3,814
684
(注) 決算期変更により当連結会計年度は平成19年4月1日から平成19年12月31日までの9ヶ月間となっております。従って、対前期比は記載しておりません。
(3)販売実績
区分
金額(百万円)
医薬品分野
38,164
その他の分野
7
合計
38,171
 (注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載については、前連結会計年度及び当連結会計年度ともに当該割合が100分の10未満につき記載を省略しております。
2 決算期変更により当連結会計年度は平成19年4月1日から平成19年12月31日までの9ヶ月間となっております。従って、対前期比は記載しておりません。
3【対処すべき課題】
 当社グループは一般消費者様及びお取引様に対して、期待以上のアウトプットを提供することを目標に掲げ、その到達点を「OTCのチャンピオン」と称し、これを目指して経営革新を進めております。
 OTC医薬品市場は今後も、同質化競争と価格競争さらに保健機能食品等による侵食など引き続き厳しい環境が続くことが予想されます。しかしながら、高齢化社会の進展とセルフメディケーションという言葉に集約される生活者の健康への関心の高まり、更に新しい機能を有したOTC医薬品の疾病予防や健康維持などへの貢献の可能性を勘案すれば、ヘルスケア関連市場は今後の拡大が期待できます。
 ① 研究開発
 消費者ニーズに対応すべく当社は、積極的に親会社のパイプラインを活用した競争優位性のあるOTC医薬品の開発(スイッチOTC薬など)を行います。さらに、従来からある“治療薬・保健薬”に加え、“インナービューティ”“ビューティフルエイジング”“生活改善薬・予防薬”の各カテゴリーに相応した商品の開発を進めてまいります。
 ② 薬事法の改正
 平成21年6月までに施行される予定の薬事法の大幅改正は、特に流通面で大きな変化を引き起こすことが想定されます。規制緩和の流れや国民の利便性の観点から、大幅に改正された薬事法は、一定の許可要件を満たせば店舗販売業(一般小売店など)でもほとんどのOTC医薬品の販売を可能とします。施行後すぐにダイナミックな変化は起こらないかもしれませんが、当社としても今後の動向を注意深く見守り、環境変化への対応を検討してまいります。
 ③ IBM(理想のビジネスモデル=Ideal Business Model)
 こうした事業環境のなかでなにより求められるのは経営の質の強化と考えております。当社は、継続的な成長を可能にすることを目的として、あるべき姿に変わるために、IBMと称するビジネスモデルの構築を進めてまいります。その中で、プッシュ型からプル型への営業形態の転換や店頭マーチャンダイジングの強化、シンプルで生産性の高い社内組織への構造改革に取り組むことにより、収益性の更なる改善を図ってまいります。そこで得られた経営資源を成長の柱として位置づけたコアブランドの育成と強化、新製品開発及び人財の育成に再投資してまいります。
 ④ 内部統制報告制度
 金融商品取引法の下、上場会社に義務付けられた、当社においては平成21年12月期からの「財務報告に係る内部統制の評価及び報告」を滞りなく的確に遂行することを目的とし社内プロジェクトを立ち上げ、平成20年12月期までに統制活動の整備、文書化及び有効性評価に基づく改善を完了するよう、内部統制システムの構築に取り組んでおります。
4【事業等のリスク】
 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
売上高等について
 小売企業間の過当競争による店頭価格の下落に起因したメーカーに対する納入価格引下げ圧力の増加や、メーカー間の同質的商品の競争激化による納入価格の下落の進展、マーケティングコストの増加が、収益性に影響を与える恐れがあります。
 また、当社の市場開拓型かつ差別優位性を持った商品に対する他社からの類似商品の上市が、売上・収益に影響を与えることが考えられます。
研究開発部門について
 現在開発中あるいは計画中の新製品の開発については、何らかの理由での計画の変更、または断念せざるを得ない場合のリスクが考えられます。
生産部門について
 当社は、原材料を調達し各工場で剤形別に製造、外部製造所へ委託または製品を購入し販売しております。そのため、いずれかの製造所における重大事故の発生や天災が、供給または生産に支障をもたらした場合、製品が製造できず、代替品の調達、他工場での代替生産もしくは委託製造開始までに、該当製品の販売機会を失う可能性が考えられます。また、原油価格の高騰などによる原材料の納入価格上昇によって、業績に影響を及ぼす可能性が考えられます。
他社との提携等について
 経営資源の有効活用と外部資源の相乗効果を期待し、共同開発研究や販売提携等他社との提携を行っております。しかし、今後何らかの事情によりこれらの提携関係等を解消することで予定していた効果を得られなくなる可能性が考えられます。
その他
 予測不可能な副作用、仕入れ原材料の品質不備による回収、廃棄、情報システムの事故等により個人情報等の保有する情報が流出した場合の信用力の低下等が収益に悪影響を及ぼすことが考えられます。
 なお、上記以外にもさまざまなリスクが考えられ、ここに記載したものが全てのリスクではありません。
5【経営上の重要な契約等】
     当連結会計年度において、当社の連結子会社であるアーバンエステート㈱と当社を吸収合併存続会社とし、同社を吸収合併消滅会社とする合併契約を平成19年4月17日付で締結し、平成19年9月30日付をもって同社を吸収合併いたしました。
 なお、詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(企業結合等関係)および(重要な後発事象)並びに「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項」の(企業結合等関係)および(重要な後発事象)に記載のとおりであります。
6【研究開発活動】
 当社グループにおいて、研究開発活動は、当社が主として行っております。当社の研究開発活動については、以下のとおりであります。
 より健康でありたい、より心身共に快適でありたい、いつまでも美しくありたいという生活者ニーズは、高齢化社会を迎えますます強まるものと思われます。
 そのような消費者ニーズに対応すべく当社は、積極的に親会社のパイプラインを活用した競争優位性のあるOTC医薬品の開発(スイッチOTC薬など)を行います。さらに、従来からある“治療薬・保健薬”に加え、“インナービューティ”“ビューティフルエイジング”“生活改善薬・予防薬”の各カテゴリーに相応した商品の開発を進めてまいります。
 なお、当期の研究開発費は15億6千2百万円となっております。
7【財政状態及び経営成績の分析】
(1)財政状態の分析
 当期の財政状態は、総資産908億1千7百万円(前期末比9億5千1百万円減)、総負債は、284億9千万円(前期末比4億2千6百万円減)となりました。また、純資産の部におきましては、配当金の支払等により利益剰余金が減少し、623億2千6百万円(前期末比5億2千5百万円減)となり自己資本比率が68.6%(前期末比0.1%増)となりました。
(2)経営成績の分析
 当期の経営成績は、連結売上高につきましては同質化競争と価格競争に加え保健機能食品等による侵食、消費者の購買意欲低下もあり381億7千1百万円(前年同期比2.0%減)となりました。
 営業利益につきましては、売上原価は売上減少等により127億2千1百万円(前年同期比6.2%減)となりましたが、販売費及び一般管理費は広告宣伝費の増加等により230億8千9百万円(前年同期比0.9%増)となったため、23億8千7百万円(前年同期比3.8%減)となりました。
 経常利益につきましては、営業外収益は受取利息が増加したこともあり4億5千7百万円(前年同期比4.2%増)となりましたが、営業外費用は支払利息が増加したこともあり3億2千6百万円(前年同期比21.9%増)となったため、25億1千9百万円(前年同期比5.1%減)となりました。
 当期純利益につきましては、特別利益は貸倒引当金戻入益により1千9百万円(前年同期比98.6%減)、特別損失は本社移転関連費用および減損損失等により2億3百万円(前年同期比95.6%減)となったため、12億5千6百万円の当期純利益(前年同期は8億2千7百万円の四半期純損失)となりました。
 なお、当期は、平成19年4月1日から平成19年12月31日までの9ヶ月間となっており、前年同期比較は平成18年4月から12月までの9ヶ月間との比較を記載しております。




出典: エスエス製薬株式会社、2007-12-31 期 有価証券報告書