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セクション一覧

第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度のわが国経済は、一部に景気の持ち直しの動きが見られたものの、一昨年秋以降の世界的な金融危機の影響による企業収益の低迷、個人消費の落ち込みなどが解消しないまま先行き不透明な状況で推移いたしました。

 OTC医薬品を取巻く市場では、平成21年6月施行の薬事法の改正にともない、当初はOTC薬市場への期待感も高まりましたが、現時点においては特に第1類医薬品の伸び悩みが店頭販売に影響を及ぼしております。

 このような状況のもとで、当社グループは独自の戦略であるIBM(理想のビジネスモデル=Ideal Business Model)3ヵ年計画の3年目となる当期を体質改善を図りながら体力をつけてきた成果を基に成長につなげる年と位置付け、5つのコアブランドを中心とした施策を進めてまいりました。

 この結果、当期の業績は、連結売上高475億5百万円(前期比2.2%減)、営業利益39億48百万円(前期比22.6%増)、経常利益42億16百万円(前期比41.2%増)、当期純利益17億92百万円(前期比126.8%増)となりました。

 当社の主力でありますコンシューマーヘルスケア部門(CHC部門と称す)では、広告宣伝費の効率的な投入によるコアブランドの強化・育成が功を奏し、厳しい市場環境にありながらも前期を上回る売上(前期比0.4%増)を達成しました。特に積極的な投資を行なったコアブランドにおいては、全体では前期比5.3%増の成長を達成しました。製品別では、平成20年12月に発売した「スルーラック デトファイバー」を含む便秘治療剤「スルーラック」群、鎮痛薬「イブ」群が前期を大幅に上回り好調に推移したことに加えて、平成21年6月に発売した「ハイチオールB」を含む美容・美肌ビタミン剤「ハイチオール」群も前期を上回る売上を計上することが出来ました。一方、ドリンク剤「エスカップ」群は微減、かぜ薬「エスタック」群につきましては、かぜ薬市場全体の不振の影響もあり前期を下回りました。

 コアブランド以外につきましては、計画を上回りましたが、前期比で減少、受託売上(医療用医薬品)につきましても減少しております。

また、海外連結子会社につきましては、現地通貨ベースで微減でしたが、円貨換算の影響もあり売上高は減少しました。

 セグメントの状況につきましては、当期の所在地別売上高は、日本414億88百万円(前期比0.4%減)、ドイツ54億18百万円(前期比11.5%減)、その他の地域5億98百万円(前期比22.9%減)となりました。

 なお、事業の種類別セグメントについては、医薬品の製造・販売を中心とする「医薬品分野」以外に事業の種類がないため記載しておりません。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

 営業活動によるキャッシュ・フローは、30億55百万円の収入(前期比18億38百万円収入増)となりました。主な内訳は、税金等調整前当期純利益29億74百万円、減価償却費22億77百万円等があった一方、法人税等の支払による支出7億65百万円、たな卸資産の増加による減少額3億17百万円等によるものであります。

 投資活動によるキャッシュ・フローは、36億81百万円の支出(前期比69億56百万円支出減)となりました。主な内訳は、有価証券の償還による収入300億円があった一方、有価証券の取得による支出279億86百万円、定期預金の預入による支出92億円等によるものであります。

 財務活動によるキャッシュ・フローは、116億円の支出(前期比43億35百万円支出増)となりました。主な内訳は、新規調達を行なわない手元資金による転換社債の償還による支出96億9百万円、配当金の支払による支出17億41百万円等によるものであります。

 これらの結果、現金及び現金同等物の当期末残高は、84億46百万円(前期比122億47百万円減)となりました。

  (注) 「事業の状況」に記載された金額には、消費税等は含まれておりません。

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

区分

金額(百万円)

前期比(%) 

医薬品分野

42,671

1.0

合計

42,671

   1.0

 (注)1 金額は売価換算によっております。

    2 医薬品の製造・販売を中心とする「医薬品分野」以外に事業の種類はありません。

 

(2)受注生産の状況

区分

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

医薬品分野

4,034

△13.3

810

15.5

合計

4,034

    △13.3

810

    15.5

 (注)医薬品の製造・販売を中心とする「医薬品分野」以外に事業の種類はありません。

 

(3)販売実績

区分

金額(百万円)

前期比(%)

医薬品分野

47,505

△2.2

合計

47,505

△2.2

 (注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合の記載については、前連結会計年度及び当連結会計年度ともに当該割合が100分の10未満につき記載を省略しております。

2 医薬品の製造・販売を中心とする「医薬品分野」以外に事業の種類はありません。

3【対処すべき課題】

当社グループは、生活者及び取引先に対して、期待以上のアウトプットを提供することを目標に掲げ、その到達点を「OTCのチャンピオン」と称し、これを目指して経営改革を進めております。

さらに、国内の景気動向に直結するOTC医薬品事業環境の変化に柔軟に対応し、持続可能な成長を目指して、コアブランドの成長育成に注力するなど、積極的に社内改革を進めております。

日本経済は個人消費や企業収益の低迷が依然として続いているものの、今後のヘルスケア関連市場は高齢化社会への変転とセルフメディケーションという言葉に集約される生活者の健康への関心の高まり、更に新しい機能を有したOTC医薬品の疾病予防や健康維持などへの貢献の可能性を勘案すれば、中長期的には拡大が期待できます。

従って、このような市場動向や下記の課題に適切に対処していくことが必要であると考えております。

① 改正薬事法への対応

約50年ぶりといわれた平成21年6月施行の薬事法の大幅な改正は、OTC医薬品の事業環境に大きな影響を与えております。

改正薬事法施行により、安全性の観点から全てのOTC医薬品が第1〜3類に区分されました。その分類ごとに販売可能な店舗・店員や店頭での陳列方法の変更に加えて情報提供の仕方も変わった影響から、第1類医薬品の店頭販売が伸び悩んでおります。適用初年度ということもあり生活者の理解が進んでいないことが要因の一つと思われます。このような状況に対応するために、当社は直販体制の強みを生かしながら、積極的な営業活動やマーケティング活動を展開し、流通チャネルへのサポートを通してわかりやすい情報提供に努めることにより生活者の理解を高めていく所存であります。

② 継続的な成長戦略

当社グループは、平成19年から平成21年の3年間、「構造改革による体質改善」と「ブランド戦略」を柱としたIBM(理想のビジネスモデル=Ideal Business Model)を基本戦略にすえました。この結果、収益構造は大きく改善され、利益率の向上となって表れました。また売上面でも、構造改革で得られた資源をコアブランドに集中的に投下することによって、同ブランド群が拡大し、CHC部門の成長につながりました。今後は、この成長サイクルを継続しながら、更に人財開発・育成に力を入れ、卓越した組織を構築し、顧客に対する価値の創造を追求してまいります。

③ 研究開発

平成20年12月発売の「スルーラック デトファイバー」のように、生活者目線から考えた競争優位性のあるOTC医薬品を開発しております。さらに、改正薬事法施行以降、現状においては第1類医薬品市場が伸び悩んでいますが、中長期的な視点からOTC医薬品の機能拡大はメーカーにとっても流通チャネルにとっても、そして何よりも生活者にとって重要であると考えており、「エスタックイブファイン」「イブアウター」のようなスイッチOTC医薬品等の開発を引き続き進めております。

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、以下に記載している将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。

売上高等について

 現在進行している世界的な経済不況の影響や、小売企業間の過当競争によるメーカーに対する納入価格引下げ圧力の増加、メーカー間の同質的商品の競争激化による納入価格の下落の進展、マーケティングコストの増加が、収益性に影響を与える恐れがあります。

 また、当社の市場開拓型かつ差別優位性を持った商品に対する他社からの類似商品の上市が、売上・収益に影響を与えることが考えられます。さらに、新製品についても製造販売開始後の予想できない市場環境の変化等により、当初予想していた売上・収益を下回る可能性があります。

研究開発部門について

 当社は生活者の視点に立った新製品の研究開発に努めておりますが、その過程で期待する有効性、安全性及び製剤安定性の担保が困難であることが判明した場合や予期しない副作用の発生などの理由により開発計画の変更、または断念せざるを得ない可能性が考えられます。

生産部門について

 当社は、販売する主要な製品を自社工場で生産し、一部は他社への製造委託または商品の購入により販売しております。そのため、自然災害や火災の発生やいずれかの製造所における重大事故の発生により、生産活動の停滞・遅延をもたらした場合、製品の製造ができず市場への供給が不可能となり、該当製品の販売機会を失う可能性が考えられます。また、仕入先など原材料について、何らかの要因によりその供給が停止や遅延した場合、および原油価格等の高騰などによる原材料の価格上昇によって、業績に影響を及ぼす可能性があります。

他社との提携等について

 当社は、経営資源の有効活用と外部資源の相乗効果を期待し、共同開発研究や販売提携等において他社との提携を行なっておりますが、今後何らかの事情により契約変更および提携関係等の解消が発生した場合、また、提携先の経営環境の悪化や著しい変化によって、予定していた効果を得られなくなる可能性があります。

その他

 新型インフルエンザの集団罹患、予測不可能な副作用、仕入れ原材料の品質や安全性不備による製品回収及び廃棄、情報システムの事故等により個人情報等の保有する情報が流出した場合の信用力の低下等が収益に悪影響を及ぼす可能性があります。
 なお、上記以外にもさまざまなリスクが考えられ、ここに記載したものが全てのリスクではありません。

 

5【経営上の重要な契約等】

 (1)重要な賃貸借契約 

契約会社名 

相手方の名称

国名 

契約締結日 

契約内容 

契約期間 

エスエス製薬㈱
(当社)

ワイビー浜町開発
特定目的会社

日本

平成20年2月21日

本社建物の賃借

平成20年3月1日から
平成30年2月28日まで

 

 (2)その他

当社は、平成22年2月10日開催の取締役会において、当社の親会社であるベーリンガーインゲルハイムアウスランズベタイリグングスGmbHが出資したベーリンガーインゲルハイム・ジャパン・インベストメント合同会社(以下、「公開買付者」といいます。)による当社普通株式に対する公開買付け(以下、「本公開買付け」といいます。)について、賛同の意見を表明すること及び当社の株主の皆様に対し、本公開買付けへの応募を推奨することを決議し、その旨の意見表明をいたしました。なお、公開買付者が提出した平成22年2月15日付けの公開買付届出書によれば、本公開買付けにおける買付け等の期間は同年2月15日から4月13日までとされており、また、本公開買付けが成立した場合には、当社を完全子会社化することが企図されております。

なお、詳細につきましては、「第5経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」および、「第5経理の状況 2財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に記載のとおりであります。

 

 

6【研究開発活動】

 当社グループにおいて、研究開発活動は、当社が主として行なっております。当社の研究開発活動については、以下のとおりであります。

 より健康でありたい、より心身共に快適でありたい、いつまでも美しくありたいという生活者ニーズは、高齢化社会を迎えますます強まるものと思われます。

 そのような消費者ニーズに対応すべく当社は、平成20年12月発売の「スルーラック デトファイバー」のように、生活者目線から考えた競争優位性のあるOTC医薬品を開発しております。さらに、改正薬事法施行以降、現状においては第1類医薬品市場が伸び悩んでいますが、中長期的な視点からOTC医薬品の機能拡大はメーカーにとっても流通チャネルにとっても、そして何よりも生活者にとって重要であると考えており、「エスタックイブファイン」「イブアウター」のようなスイッチOTC医薬品等の開発を引き続き進めております。

なお、当期の研究開発費は17億36百万円となっております。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

 当期の財政状態につきましては、前期と比較して、総資産は118億67百万円減少し、696億29百万円となりました。これは主に有価証券、投資有価証券の減少や有形固定資産の償却による減少等によるものであります。

 負債は、118億27百万円減少し、120億17百万円となりました。これは主に転換社債の償還等によるものであります。

 純資産につきましては、40百万円減少し、576億11百万円となりました。これは主に当期純利益及び在外子会社の会計処理の変更に伴う利益剰余金の計上があった一方、配当金の支払及び為替換算調整勘定の影響等によるものであります。これらの結果、自己資本比率が82.7%(前期比12.0%増)となりました。

(2)経営成績の分析

 当期の経営成績は、一昨年秋以降の世界的な金融危機の影響による企業収益の低迷、個人消費の落ち込みや、平成21年6月施行の薬事法の改正による店頭での第1類医薬品の伸び悩みの影響などもあり、連結売上高につきましては475億5百万円(前期比2.2%減)となりました。

 営業利益につきましては、広告宣伝費の大幅な増加にもかかわらず、原価率の改善や販売費及び一般管理費の効率的な投入などIBMによる収益構造の改善効果により、売上原価は149億97百万円(前期比4.5%減)、販売費及び一般管理費は292億39百万円(前期比1.1%増)、営業利益は39億48百万円(前期比22.6%増)となりました。

 経常利益につきましては、営業外収益は不動産賃貸料が増加しましたが、受取利息の減少により5億41百万円(前期比7.6%減)となった一方、営業外費用は支払利息の大幅な減少等により2億72百万円(前期比66.7%減)となり、その結果42億16百万円(前期比41.2%増)となりました。

 当期純利益につきましては、特別利益は23百万円(前期比109.3%増)となり、特別損失は投資有価証券評価損が増加した一方、事業構造改善費用の大幅な減少等により12億65百万円(前期比18.7%減)となったため、17億92百万円の当期純利益(前期比126.8%増)となりました。

 

(3)キャッシュ・フローの状況

 「1業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。

 





出典: エスエス製薬株式会社、2009-12-31 期 有価証券報告書